JP2009003273A - 電子鍵盤楽器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子鍵盤楽器において、演奏時に自然鍵盤楽器で発生されるのと同様の振動をペダルを通じて演奏者に体感させることができるようにする。
【解決手段】音源装置21は、押鍵の操作に対応した直接音の楽音信号を発生する。楽音信号はDSP25を通り、DAC26でアナログ信号に変換された後、ハイパスフィルタ271、272、並びにアンプ281、282をそれぞれ通って中高音用スピーカ7〜10と高音用スピーカ11、12とに入力される。さらに楽音信号は響板用加振器6とペダル用加振器37に入力うされる。響板用加振器6は響板3に固定されており、楽音信号によって響板3を振動させ、楽音を発生させる。ペダル用加振器37は、ペダル24を支持するペダルユニットケース35をカバーしているペダル土台に取り付けられる。ペダル用加振器37は楽音信号で振動され、ペダル土台20やペダルユニットケースを通じてペダルを振動させる。
【選択図】図4
【解決手段】音源装置21は、押鍵の操作に対応した直接音の楽音信号を発生する。楽音信号はDSP25を通り、DAC26でアナログ信号に変換された後、ハイパスフィルタ271、272、並びにアンプ281、282をそれぞれ通って中高音用スピーカ7〜10と高音用スピーカ11、12とに入力される。さらに楽音信号は響板用加振器6とペダル用加振器37に入力うされる。響板用加振器6は響板3に固定されており、楽音信号によって響板3を振動させ、楽音を発生させる。ペダル用加振器37は、ペダル24を支持するペダルユニットケース35をカバーしているペダル土台に取り付けられる。ペダル用加振器37は楽音信号で振動され、ペダル土台20やペダルユニットケースを通じてペダルを振動させる。
【選択図】図4
Description
本発明は、電子鍵盤楽器に関し、特に、自然楽器を演奏しているのと同様の振動感覚を得ることができる電子鍵盤楽器に関する。
電子鍵盤楽器では、押鍵状態をスイッチで検出し、その検出結果を演算処理して楽音信号を生成し、スピーカによって発音させるものが一般的である。しかし、スピーカによる発音のみでは自然楽器による楽音を十分に再現できない。例えば、アコースティックピアノには響板が備えられていて、鍵盤が押されると、押された鍵に応答した弦が叩かれ、その弦の振動が駒を介して響板に伝達されて楽音を発生する。スピーカのみで楽音を発生する電子鍵盤楽器では、響板の振動による独特の音響効果を再現できない。そこで、アコースティックピアと同様、響板を備えた電子鍵盤楽器が考えられている。
例えば、特開昭53−69624号公報には、響板を設けた電動ピアノにおいて、アコースティックピアにおける響板上の弦受駒に沿った位置に相当する位置に複数の加振器を取り付け、該加振器を楽音信号で駆動して楽音を発生させるものが提案されている。
特開昭53−69624号公報
響板とスピーカを併用することで広範囲の楽音を電子鍵盤楽器で再現することができる。一方、演奏者は、耳から入ってくる楽音以外に低周波数の振動を体感して演奏している。例えば、ペダルを有するアコースティックピアノを演奏する場合、演奏者はペダルを介して足に伝達される振動を感じている。
しかし、従来の響板付き電子鍵盤楽器では、響板の振動がペダルを介して演奏者に伝達されて演奏者に振動を体感させることはできなかった。そこで、アコースティックピアノの演奏中にペダルに伝達される振動をより良く模擬できる電子鍵盤楽器が要望される。
本発明は、上記課題に鑑み、楽音の発生に伴ってペダルを振動させ、演奏者がアコースティックピアを弾いている感触を体感できる電子鍵盤楽器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、演奏効果を高めるためのペダルと、音源装置と、前記音源装置から出力される楽音信号で駆動されるサウンドシステムとしてのスピーカとを有する電子鍵盤楽器において、前記ペダルを支持する支持部を少なくとも収容したペダルユニットケース、および該ペダルユニットケースを取り付けたペダル土台のいずれか一方に取り付けられたペダル用加振器と、前記楽音信号を前記スピーカおよび前記ペダル用加振器に入力する信号系統を有する回路とを具備している点に第1の特徴がある。
また、本発明は、前記サウンドシステムとして、響板用加振器で振動される響板をさらに備えるとともに、前記回路が前記響板用加振器に楽音信号を入力する信号系統をさらに有している点に第2の特徴がある。
第1の特徴を有する本発明によれば、音源装置で発生される楽音信号によってスピーカが駆動され、スピーカによって楽音が発生させられるとともに、楽音信号によってペダル用加振器が駆動され、その振動がペダル土台またはペダルユニットケースを通じてペダルに伝達される。したがって、演奏者は、演奏に伴う楽音発生に伴ったペダルの振動を足で感じることができ、自然楽器を演奏時と同様の振動を体感できる。
また、第2の特徴を有する本発明によれば、響板用加振器にも楽音信号が入力されるので、この響板用加振器で響板が振動されて楽音信号に応じた楽音が発生される。したがって、スピーカからの楽音と併せて幅広い周波数帯域の楽音を発生させることができる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子鍵盤楽器である電子ピアノの後面図、図2は同右側面図である。図1、図2において、アップライト型の電子ピアノ1は、本体2と本体2の後面に取り付けられた響板3とを有する。響板3は横長長方形の木製板であり、4辺が響板フレーム4に接合されている。響板3には複数本(この例では5本)の響棒5が取り付けられている。響棒5は振動を瞬時に響板3全体に伝達する機能と、響板3に所望の強度を与える機能とを有する。響板3の裏面つまり電子ピアノ1の内側に面する面には、響板用加振器6が固定される。響板用加振器6は、例えば、磁気空隙にボイスコイルを配置したボイスコイル型式のものや圧電素子を用いた型式のものが好適である。響板用加振器6は響板3の中央部から横方向および上下方向に偏った位置に設けられる。響板3の中央部に響板用加振器6を固定すると、音域の一部分(中央部)で他の部分よりも極端に大きい音を発生することがあり、楽音の均一さに欠けるからであり、響板3の角に偏り過ぎると、響板3に大きい振幅を与えることができずに所望の音圧を得られないからである。
響板3が低音域の楽音発生に適した振動数で振動するように響板用加振器6の仕様が設定される。また、電子ピアノ1の上部には、左右二対の中高音スピーカ7、8、9、10と、左右一対の高音用スピーカ11、12とが設けられる。中高音スピーカ7、8、9、10は電子ピアノ1の後部で、上方に指向させて配置される。グランドピアノにおいて、上方に向けて楽音が発音される状態を再現するためである。中高音スピーカ7、8、9、10は、例えば7cmのフルレンジスピーカである。また、高音用スピーカ11、12は、例えば2cmドームツイータであり、電子ピアノ1の前方つまり演奏者側に指向して配置される。
図3は、本発明の一実施形態に係る電子ピアノの下部正面図であり、図4は図3のA−A断面図である。図3および図4において、電子ピアノ1の下部には、該電子ピアノ1の幅方向(間口方向)にペダル土台30が延びており、ペダル土台30の上部には下前板31が立設されている。ペダル土台30には、ペダル24a、24b、24c(以下、統合して「ペダル24」と呼ぶ)を上下揺動自在に支持する支持軸33と、ペダル24の操作状態を検知するセンサ(図示しない)と、ペダル24を上方に押し上げているバネ34とを収容するペダルユニットケース35が取り付けられている。ペダル土台30は、上面部30U、前面部30Fおよび背面部30Rからなる下面開放筐体を構成する。前面部30Fにはペダル24が貫通する孔36が設けられている。ペダル土台30の上面部30Uには、ペダル用加振器37が取り付けられている。ペダル24は、ダンパペダル、ソフトペダル、ソステヌートペダル等である。ペダルユニットケース35は、ペダル支持軸、センサおよびバネ等を含む周知のものを使用でき、ペダル土台30は、前面部30Fのみが電子ピアノ1の間口方向において長く延び、上面部30Uおよび背面部30Rは少なくともペダルユニットケース35のみをカバーするペダルカバーとしてもよい。
図5は、響板およびスピーカで発音される楽音の周波数帯域の例を示す図である。同図に示すように、響板用加振器6を固定した響板3では、50Hz以上180Hz未満の周波数帯域をカバーし、中高音用スピーカ7、8、9、10では180Hz以上6kHz未満をカバーする。そして、高音用スピーカ10、11では6kHz以上15kHz未満の周波数帯域をカバーする。なお、響板加振器6、中高音スピーカ7、8、9、10並びに高音用スピーカ11、12によって発音される楽音の、「低音」、「中高音」、「高音」の意味は相対的なものであり、響板用加振器6で発生される楽音の周波数帯域よりも中高音スピーカ7、8、9、10で発生される楽音の周波数帯域が相対的に高く、中高音スピーカ7、8、19、10で発生される楽音の周波数帯域よりも高音用スピーカ11、12によって発音される楽音の周波数帯域が相対的に高いという意味である。
なお、ペダル土台30に取り付けたペダル用加振器37は、ペダル土台30とペダル24とを通じて演奏者が感じることができる程度の振動数で振動されるように振動特性が設定される。例えば、40Hz〜400Hzの周波数域の信号で駆動されてペダル土台30を振動させるようにするのが好ましい。
図6は、電子ピアノ1のシステム構成図である。電子ピアノ1は、CPU13、プログラムメモリ14、楽音波形メモリ15、RAM16、パネルインタフェース回路17、鍵盤インタフェース回路18、自動演奏データメモリ19、ペダルインタフェース回路20、および音源装置21を有している。
パネルインタフェース回路17には操作パネル表示装置22が、鍵盤インタフェース回路18には鍵盤23が、ペダルインタフェース回路20にはペダル24が接続される。また、音源装置21には、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)25、デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)26、フィルタ27、およびアンプ28が直列に接続される。アンプ28の出力はサウンドシステム29とペダル用加振器33に接続される。サウンドシステム29は響板用加振器6で振動される響板3と、中高音スピーカ7、8、9、10並びに高音用スピーカ11、12とからなる。
プログラムメモリ14にはCPU13で処理されるプログラムが格納され、楽音波形メモリ15には楽音波形データが格納され、自動演奏データメモリ19には自動演奏データが格納される。なお、楽音波形メモリ15には、通常のピアノ音の波形データと、ストリングレゾナンスの波形データとが記憶されている。これらのメモリ14、15、19はROMによって構成できる。RAM16はCPU13がプログラムを実行する際の各種データを一時記憶するワークエリアや、操作パネル表示装置22の操作によって設定される音色や効果、並びにレジストレーションの記憶エリアとして使用される。
操作パネル表示装置22はタッチパネルやレジストレーションスイッチ等各種スイッチおよびボリューム、ならびにLEDなどの表示灯からなり、例えば、鍵盤23に隣接して設けられるコントロールパネル上に配置される。
図7は、図6の要部詳細図である。図7において、音源装置21、DSP25、およびDAC26はそれぞれ左チャネルLchおよび右チャンネルRchを備えている。DSP25およびDAC26は、さらにペダル用チャンネルPchを備えている。音源装置21は、通常のピアノ音の楽音波形データに基づいて通常楽音信号を左のチャンネルLchおよび右のチャンネルRchに出力する機能を有する。DSP25は左のチャンネルLchおよび右のチャンネルRchの楽音信号を合成してペダル用チャンネルPchに入力する。
DAC26の左チャンネルLchの出力側はハイパスフィルタ271およびアンプ281を介して左の高音用スピーカ11および中高音用スピーカ7、8に接続され、DAC26の右チャンネルRchの出力側はハイパスフィルタ272およびアンプ282を介して右の高音用スピーカ12および中高音用スピーカ9、10に接続される。さらに、DAC26の左チャンネルLchはの出力はローパスフィルタ273およびアンプ283を介して響板用加振器6に接続される。
また、DAC25のペダル用チャンネルPchはローパスフィルタ274およびアンプ284を介してペダル用加振器37に接続される。ローパスフィルタ284は、ローパスフィルタ283で抽出される信号よりも広い周波数域の信号(40〜400Hz)を抽出してアンプ284に入力するフィルタ特性を有する。
上記構成において、CPU13は前記プログラムならびに鍵盤23から入力されたキー情報および操作パネル表示装置22から入力された音色、テンポ、リズム等に基づいて楽音発生部としての音源装置21を制御し、楽音波形メモリ15から読み出した波形データに基づいて楽音信号を発生させる。自動演奏モードでは、鍵盤23から入力されるキー情報に代えて、自動演奏データメモリ19に格納された自動演奏データが使用される。
音源装置21で発生された楽音信号はDSP25に入力される。DSP25は音源装置21から入力された楽音信号に周知の効果を付与してDAC26の左チャンネルLchおよび右チャンネルRchに入力する。
DSP25から出力される各楽音信号は、DAC26でアナログ信号に変換される。DAC26の出力信号のうち、左チャンネルLchの出力はハイパスフィルタ271に入力され、右チャンネルRchの出力はハイパスフィルタ272に入力される。さらに、左チャンネルLchの出力はローパスフィルタ273に入力される。ハイパスフィルタ271、272は、入力された楽音信号の中高音成分を抽出し、ローパスフィルタ273は、入力された低音成分を抽出する。
ハイパスフィルタ271の出力信号はアンプ281で増幅されて左の高音用スピーカ11並びに中高音用スピーカ7、8に入力される。ハイパスフィルタ272の出力信号はアンプ282で増幅されて右の高音用スピーカ12並びに中高音用スピーカ9、10に入力される。ローパスフィルタ273の出力信号はアンプ283で増幅されて低音発生のため響板用加振器6に入力される。さらに、ローパスフィルタ274の出力信号はアンプ284で増幅されてペダル用加振器37に入力される。
こうして、楽音信号によって4つのスピーカ7、8、9、10並びに2つの高音用スピーカ11、12から楽音が発生されるとともに、楽音信号によって響板用加振器6が駆動され、響板用加振器6で発生した振動が響板3に伝搬されて低音域の楽音が発生される。また、楽音信号によってペダル用加振器33が駆動され、ペダル土台30とともにペダル24が振動される。
上述のように、楽音信号によってスピーカや響板から楽音が再生されるとともにペダルが振動させられるので、演奏者は足から伝わる振動によってアコースティックピアの演奏をより良く疑似体感できる。
本実施形態は、本発明の最良の形態に関するものであり、特許請求の範囲に記載した範囲を逸脱することなく種々変形は可能である。例えば、低音域の楽音を発生させるための加振器は一つに限らず、複数の加振器で単一の響板を振動させるようにしてもよい。また、響板の形状は長方形に限らず、グランドピアノの響板の形状を模擬したものであってもよい。また、高音用スピーカや中高音スピーカの形状、数量、および配置は実施形態に限定されず、種々選択できる。
なお、響板を省略して、スピーカによってのみ楽音を発生させ、かつ、ペダル用加振器でペダルを振動させるだけでもよい。また、ペダルの数は3つに限らず、少なくともダンパペダルだけ、あるいは、ダンパペダルとソフトペダルだけであってもよい。
また、ペダル用加振器37は、ペダル土台30の上面部30Uに取り付けた例を示したが、取り付け位置はペダル土台30上に限らず、ペダル土台30の内側や、ペダル24を支持するペダルユニットケース35に取り付けてもよい。
1…電子ピアノ、 3…響板、 4…響板フレーム、 5…響棒、 6…響板用加振器、 7〜10…中高音用スピーカ、 11、12…高音用スピーカ、 15…楽音波形メモリ、 21…音源装置、 24a、24b、24c…ペダル、 25…DSP、 30…ペダル土台、 35…ペダルユニットケース、 37…ペダル用加振器
Claims (2)
- 演奏効果を高めるためのペダルと、音源装置と、前記音源装置から出力される楽音信号で駆動されるサウンドシステムとしてのスピーカとを有する電子鍵盤楽器において、
前記ペダルを支持する支持部を少なくとも収容したペダルユニットケース、および該ペダルユニットケースを取り付けたペダル土台のいずれか一方に取り付けられたペダル用加振器と、
前記楽音信号を前記スピーカおよび前記ペダル用加振器に入力する信号系統を有する回路とを具備していることを特徴とする電子鍵盤楽器。 - 前記サウンドシステムとして、響板用加振器で振動される響板をさらに備えるとともに、
前記回路が前記響板用加振器に楽音信号を入力する信号系統をさらに有していることを特徴とする請求項1記載の電子鍵盤楽器。
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2007
- 2007-06-22 JP JP2007165401A patent/JP2009003273A/ja active Pending
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