JP4629891B2 - 乗用田植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用田植機に係わり、詳しくは、ミッションケースにおける動力取り出し構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の乗用型の田植機において、作業機用の動力は、ミッションケースから動力取り出し装置により取出し、後方に配置した植付部の苗植え装置まで伝達するようにしており、該苗植え装置と前記動力取り出し装置間の動力伝達経路の途中部には、伝動ケースを介設し、該伝動ケースで分岐した動力を、施肥機などの作業機の駆動に用いるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、動力伝達経路途中部で動力を分岐させるため、動力伝達構造が複雑となり、部品点数が増加し、組み立て性、メンテナンス性が悪くなる、という問題があった。また、動力伝達構造が複雑になるとレイアウトも限定されるため、設計の自由度が低くなり、無駄なスペースの発生が避けられず、更には、機体の汎用化が難しくコストアップになる、という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、エンジンからの動力をミッションケースに入力し、該ミッションケース内で変速した後、動力の一部を取り出して作業機に出力する動力取り出し手段を設けた乗用田植機において、ミッションケースの両側面より前記動力取り出し手段である出力軸を突出し、該出力軸の一側には、植付部に連結連動する植付部駆動手段を設け、出力軸の他側には、植付部とは別の作業機に連結連動する駆動手段を設けたものである。
請求項2においては、前記出力軸の途中部に、クラッチ機構を設けるものである。
請求項3においては、前記出力軸の両側に、ベベルギアを各一対配設するものである。
請求項4においては、前記出力軸は、後輪への動力を伝達するチェーン機構のチェーン巻回経路内に配置すると共に、出力軸の外周上には、チェーンの回動を案内するガイド部を設けるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を基に説明する。図1は、本発明に係わる乗用田植機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は車体フレームへとミッションケースの概略斜視図、図4はエンジンとミッションケース間の概略斜視図、図5はミッションケース全体の左側面図、図6はミッションケース前部の左側面図、図7はミッションケース後部の左側面図、図8はミッションケース全体の平面展開断面図、図9はミッションケース前部の平面展開断面図、図10はミッションケース後部の平面展開断面図、図11はミッションケース前部における入力軸からPTO出力軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図、図12はミッションケース前部における副変速軸から主変速軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図、図13は作業機への動力取り出し構成を示す平面展開断面図、図14は動力取り出し部から側条施肥機までの動力伝達構成を示す左側面一部断面図、図15は同じく左側面一部断面拡大図、図16は側条施肥機の背面図、図17は施肥ユニットの背面図、図18は同じく左側面一部断面図である。
【0006】
初めに、本発明に係わる乗用田植機の全体構成について、図1乃至図3により説明する。乗用田植機は、走行車両1と、該走行車両1の後部に連結した植付部9とで構成されている。そして、走行車両1の前部及び後部にはそれぞれ前輪2と後輪3とが懸架され、車体フレーム4の前部には動力部であるエンジン5が搭載されている。
【0007】
該エンジン5後方の車体フレーム4の左右略中央には前後方向に長く形成したミッションケース6が配置されており、該ミッションケース6の前部に前輪2が支持され、後部に後輪3が支持されている。エンジン5を覆うボンネット22の両側には予備苗載台90が配設されると共に、車体カバー20によってミッションケース6等が覆われている。該車体カバー20の後上部には運転席7が設けられ、車体カバー20の前部のボンネット22の後方には操向ハンドル8が配設されている。
【0008】
前記植付部9は、4条植えとした苗載台91や複数の植付爪93等から構成されており、前高後低に配設した苗載台91を、下部レール95及びガイドレール96を介して植付伝動フレーム92に左右往復摺動自在に支持させると共に、ロータリケースの回転により先端が楕円状軌跡を描く植付爪93を、植付伝動フレーム92の後部に配設している。従って、前輪2及び後輪3を走行駆動して移動させるとともに、左右に往復摺動可能な苗載台91から1株分の苗を植付爪93によって取り出し、連続的に苗植え作業が行えるようになっている。
【0009】
植付伝動フレーム92の前部には、ローリング支点軸17を介してヒッチ94が設けられ、該ヒッチ94は、ヒッチ94上部に枢支されているトップリンク11と、ヒッチ94下部に枢支されているロワーリンク12とを含む昇降リンク機構10を介して走行車両1の後部に連結されている。
【0010】
このうちトップリンク11は、背面視逆U字状のリアフレーム43の上部に軸支される一方、ロワーリンク12は、前部に側面視三角状の支持体12aを有し、該支持体12aの前部が、前記リアフレーム43の下部に軸支されると共に、支持体12aの上部には、昇降リンク機構10を昇降駆動させる昇降シリンダー15が連結されている。そして、リアフレーム43は、前記ミッションケース6の後部に一体的に設けられているリアアクスルケース38に、取付プレート39を介して連結されている。
【0011】
このような構成により、昇降リンク機構10昇降可能な平行リンクが形成されており、圃場の凹凸に合わせて昇降させても、植付けられた苗の植付け姿勢が変わらないようにしている。さらに、前記リアフレーム43は昇降リンク機構10の支持部としても兼用されており、植付部9の安定した昇降、部品点数の削減、構成のシンプル化が図られているのである。なお、前記支持体12aの上部とロワーリンク12の後端部との間には補強アーム12bが連結されており、ロワーリンク12の剛性を高めるようにしている。
【0012】
また、運転席7等が設置される車体カバー20には、主変速レバー75、苗継ぎレバー76、副変速レバー72、植付昇降レバー77、主クラッチペダル74、ブレーキペダル73等が配設され、植付部9の下部には、植付部9を一定の高さに保持する均平用のセンターフロート97とサイドフロート98・99が配設されている。前記センターフロート97は、走行車両1の左右中心線上に配置され、センターフロート97の左右対称位置にサイドフロート98・99が配設されて、植付部9の左右のバランスを良好に保ち、植え付け姿勢を安定させて、正確に植え付けができるようにしている。
【0013】
次に、このような全体構成を有する乗用田植機において、ミッションケース6に係わる各部の構成について説明する。まず、ミッションケース6の走行車両1への取付け構成について、図1乃至図4により説明する。ミッションケース6を取り付ける前記車体フレーム4は、平面視拡開した略U字状をなすフロントフレーム40と、ミッションケース6と平行に前後方向に形成された左右一対のサイドフレーム41・42と、前記リアフレーム43とから構成されている。そして、サイドフレーム41・42の前端部は、フロントフレーム40背面に連結されると共に、サイドフレーム41・42の前後方向略中央部41a・42aより後方側は、上方に向かって屈曲形成された上、該サイドフレーム41・42の後端部には、前記リアフレーム43の閉塞側上部が連結されている。
【0014】
前記前後方向略中央部41a・42aよりも後方には、センター連結フレーム46が横架され、前後方向略中央部41a・42aよりも前方には、フロント連結フレーム45が横架されており、該フロント連結フレーム45の両側端部と前記フロントフレーム40の両側端部との間には、平面視L字状に曲げたステー29が介設固定されている。そして、該ステー29の外側には角パイプ状の保持部28が固定され、該保持部28に前記予備苗載台90の支柱90aが嵌入して固定されるようにしている。
【0015】
なお、フロント連結フレーム45でサイドフレーム41・42より両側方への延出部には、補強板47が設けられており、該補強板47により、前記保持部28とサイドフレーム41・42との間は強固に連結され、予備苗載台90の支柱90aを確実に支持固定できるようにしている。
【0016】
また、フロントフレーム40の左右中央より後下方に向かって平板状の支持部材50が略水平に延設され、該支持部材50上に前記エンジン5が載置固定されている。そして、支持部材50の後端部は前記連結フレーム45によって支持されると共に、支持部材50には、前から順に開口部50a・50bが穿設されている。
【0017】
前記開口部50a・50bは、機体全体の軽量化を図るとともに、エンジン5の放熱効果を促進するためのものである。また、この支持部材50は平板状であるため、エンジン5下部の保護カバーとしても利用でき、別途保護カバーを設ける場合に比べて、部品点数の削減、軽量化することができ、さらには組立工数を減らすこともでき、コストダウンが図れるようになっている。
【0018】
このような構成において、ミッションケース6の前端部は、前記支持部材50の後端部上面に設けられた取付部材49に連結されると共に、ミッションケース6の前後途中部は、前記センター連結フレーム46の機体幅方向略中央に設けられた取付部材48の下部に連結されている。なお、該取付部材48の上部には、前記植付部9を昇降させる油圧式の昇降シリンダー15の基部が連結されている。さらに、前述の如く、ミッションケース6の後部は、一体的に設けられたリアアクスルケース38を介して、取付プレート39によってリアフレーム43下端に連結されている。
【0019】
すなわち、車体フレーム4にミッションケース6の前、後、中央を連結することにより、ミッションケース6を、車体フレーム4と共に田植機の有効な強度補強部材として機能させ、車体フレーム4の水平、垂直、ねじり方向の剛性及び強度を大きく向上するようにしているのである。
【0020】
次に、ミッションケース6の概略構造について、図1、図5乃至図10により説明する。ミッションケース6の前部には、各種変速機構が内設される変速室60が形成され、該変速室60の左右両側面にはフロントアクスルケース37が一体的に固設されている。該フロントアクスルケース37の左右端部より下方に向かっては、車軸ケースが固設され、該車軸ケースの下端部に前輪2を固設する前車輪軸66が軸支されている。
【0021】
一方、前述の如く、ミッションケース6の後端部には、軸芯を左右方向に持つ筒状のリアアクスルケース38が一体的に形成され、該リアアクスルケース38内には、前から順に、サイドクラッチ機構79、中間軸31が設けられている。該中間軸31の左右両端部には減速ギア32が固設され、該減速ギア32は減速ギア33に噛合され、該減速ギア33は、前記後輪3を外側端部に固設した後車輪駆動軸69の内側端部に固設されている。そして、これら減速ギア32・33の外側には、後車輪駆動軸69を軸支するファイナルケース16が覆設されている。
【0022】
このように、フロントアクスルケース37とリアアクスルケース38とをミッションケース6に一体的に設けると、ミッションケース6により前後車輪2・3を支持することができ、前述のように機体強度補強部材としてのフレームの一部を担うことができるので、車体フレーム4への負担を軽減することができる。
【0023】
また、前記変速室60の右側部には、植付伝達室34が形成され、該植付伝達室34の後部には前後方向に軸芯を有する植付PTO軸65が軸支されており、該植付PTO軸65後端は、図示せぬPTO伝動軸等を介して前記植付部9に連結され、苗植え装置駆動のための動力を伝達するようにしている。同様にして、変速室60の左側部にも、作業伝達室201が形成され、該作業伝達室201の後部に前後方向に軸芯を有する作業PTO軸202が軸支され、該作業PTO軸202後端は、変速機等を介して、運転席7後方の側条施肥機205に連結され、該側条施肥機205駆動のための動力を伝達するようにしている。但し、本実施例では側条施肥機205を駆動する構成としているが、その他の作業機を駆動することも可能であり、限定するものではない。このように、植付PTO軸65・作業PTO軸202は、いずれもミッションケース6の側面から後方に向かって延出されているため、植付部9を昇降させたときにも干渉されることがなく、動力を安定して伝達することができる。
【0024】
次に、このようなミッションケース6内への動力入力構成について、図1、図3、図4により説明する。前記支持部材50上にはエンジン5が載置固定されると共に、該エンジン5から左側方には出力軸52が突出され、該出力軸52上に、一対の皿状の円錐プーリからなる駆動プーリ53が固設されている。
【0025】
一方、前記ミッションケース6前部からは入力軸56が側方に突出され、該入力軸56にも、同様にして一対の皿状の円錐プーリからなる従動プーリ55が取り付けられると共に、該従動プーリ55と前記駆動プーリ53との間にはベルト54が巻回されて、ベルト式無段変速機構13が形成されている。
【0026】
そして、該ベルト式無段変速機構13において、前記円錐プーリ間に形成される溝幅を変更することにより、各プーリ53・55の有効径を自在に変化させ、ミッションケース6内へ、エンジン5からの動力を変速して入力できるようにしている。
【0027】
次に、ミッションケース6内における動力伝達構成ついて、図4乃至図6、図9乃至図12により説明する。図4乃至図6、図11に示すように、前記変速室60においては、入力軸56の斜め下後方に、副変速軸63、主変速軸61が順に平行に軸支され、さらに、このうちの副変速軸63の後方には、後進軸67、株間変速軸68、PTO出力軸64も順に平行に軸支されている。
【0028】
このうちの入力軸56の一端は、前述の如く、ベルト式無段変速機構13を介してエンジン5の出力軸52に連結連動されており、該エンジン5側の駆動プーリ53とミッションケース6側の従動プーリ55とは略直線上に配設され、前輪2及び後輪3に動力を伝達する動力伝達経路が省スペースで効率のよい配置構成となっている。
【0029】
また、入力軸56の他端は、ミッションケース6より右外側方に突出され、該突出部にはクラッチ機構14が設けられる一方、入力軸56上の左右略中央には、大径ギア121a・小径ギア121bからなる二連の遊嵌ギア121が配置されており、後で詳述するクラッチ機構14により、入力軸56から遊嵌ギア121までの動力伝達が断接できるようにしている。
【0030】
すなわち、エンジン5からの動力をミッションケース6に入力し、該ミッションケース6内で変速して前輪2と後輪3に動力を伝達する乗用田植機において、ミッションケース6の一側面より入力軸56となる伝達軸を突出し、該伝達軸の突出部にクラッチ機構14を設けたので、該クラッチ機構14に外部から容易にアクセスすることができ、クラッチ機構をミッションケース6内部に設けた場合に比べ、製造時の組み立て性、点検時のメンテナンス性が向上する。
【0031】
また、エンジン5からの動力をミッションケース6に入力し、該ミッションケース6内で変速して前輪2と後輪3に動力を伝達する乗用田植機において、ミッションケース6の両側面より入力軸56を突出し、該入力軸56の一側には、前記エンジン5との間の変速機構であるベルト式無段変速機構13を設け、他側には、クラッチ機構14を設けたので、機体の左右バランスが良くなり走行安定性が向上し、また、機体幅を狭くして小型化を図ることができる。更には、前記変速機構の仕様変更、例えば、ベルト式無段変速機構13から油圧式無段変速機構への変更に対しては、クラッチ機構14はそのままで変速機構の変更のみで対応でき、クラッチ機構の共有化による部品コストの低減を図ることができる。
【0032】
図11、図12に示すように、副変速軸63上には、右側から順に、前記遊嵌ギア121に噛合可能でスプライン嵌合した二連の摺動ギア120と、固定ギア118と、大径ギア119a・小径ギア119bからなる固定ギア119とが配置され、そのうちの摺動ギア120には、シフトフォーク101が嵌合されている。該シフトフォーク101はフォーク軸102に固設され、該フォーク軸102は前記副変速レバー72に連結連動している。
【0033】
ここで、摺動ギア120は低速ギア120aと高速ギア120bとから構成されており、副変速レバー72を操作して摺動ギア120を右方に摺動し、摺動ギア120の低速ギア120aを前記遊嵌ギア121の小径ギア121bと噛合させることにより、低速伝達可能としている。逆に、摺動ギア120を左方に摺動し、摺動ギア120の高速ギア120bを前記遊嵌ギア121の大径ギア121aと噛合させることにより、高速伝達可能として、副変速機構70を構成している。
【0034】
図5、図9、図10、図12に示すように、主変速軸61上の左右略中央には、ギア122aと駆動スプロケット122bからなる動力分岐ギア122が固設されており、該動力分岐ギア122の左側には前記固定ギア119に噛合可能な二連の摺動ギア124が配置されている。該摺動ギア124にもシフトフォーク103が嵌合され、該シフトフォーク103はフォーク軸104に固設され、該フォーク軸104は前記主変速レバー75に連結連動されている。さらに、主変速軸61の右側端部にはブレーキ機構78が設けられており、該ブレーキ機構78により、主変速軸61を制動して駐車ブレーキの役目を果たしている。
【0035】
ここで、摺動ギア124は低速ギア124aと高速ギア124bとから構成されており、主変速レバー75を操作して摺動ギア124を右方に摺動し、摺動ギア124の高速ギア124bを、前記固定ギア119の大径ギア119aと噛合させることにより、高速伝達可能としている。逆に、摺動ギア124を左方に摺動し、摺動ギア124の低速ギア124aを前記固定ギア119の小径ギア119bと噛合させることにより、低速伝達可能として、主変速機構71を構成しているのである。
【0036】
そして、主変速軸61上の駆動スプロケット122bとミッションケース6後部の従動スプロケット126との間には、チェーン張り86により張設されたチェーン80が巻回され、主変速軸61の駆動力が後車輪駆動軸69に伝達できるようにする一方、主変速軸61上のギア122aには、左右の前車輪駆動軸62を駆動する差動装置81のリングギア123が噛合されており、動力分岐ギア122を用いて動力を前後2方向に分岐するようにしている。
【0037】
また、図9に示すように、該差動装置81側部にはデフロック機構84が配置されている。該デフロック機構84においては、リングギア123の側端部にロック用のギア123aが形成され、該ギア123aに前車輪駆動軸62上にスプライン係合されているロック体136側面の噛合歯136aが係合可能となっている。該ロック体136はバネ85によって外側に付勢され、前車輪駆動軸62の段差部に当接するように付勢されている。この位置では、リングギア123のギア123aとロック体136側面の噛合歯136aとが係合されない非係合位置となっており、左右の前車輪駆動軸62・62が差動される。
【0038】
前記ロック体136外周面の外側には溝136bが形成され、ミッションケース6に枢支したロック操作ピン137先部が係合されている。該ロック操作ピン137先部には、片側を半円状にした当接部137aが形成される一方、逆側は凹状部137bが形成され、さらに、ロック操作ピン137基部にはアーム138が突設されている。
【0039】
前記アーム138は、図9に示す状態では、ロック操作ピン137の当接部137aがロック体136の溝136bに位置し、ロック体136をリングギア123に対して非係合位置に位置させている。そして、アーム138が、図示せぬデフロック操作レバーに連動して回動され、ロック操作ピン137が回転されると、当接部137aでロック体136を押して、噛合歯136aとギア123aとが係合される。この係合によって、リングギア123がロック体136を介して前車輪駆動軸62に係合された、いわゆる「差動装置81のロック状態」となり、左右の前車輪駆動軸62・62が差動されないデフロック機構84が構成されている。
【0040】
また、図11、図12に示すように、後進軸67上の左半分には、中間ギア127が固設され、該中間ギア127は、前記副変速軸63上の固定ギア118と常時噛合する入力ギア127aと、大径ギア127b・小径ギア127dと、逆転ギア127cとからなり、該逆転ギア127cは、前記主変速軸61上の低速ギア124aと噛合可能である。
【0041】
ここで、主変速レバー75を操作して、主変速軸61の低速ギア124aを副変速軸63の固定ギア119から離脱させて更に左方に摺動させると、この主変速軸61の低速ギア124aは、後進軸67の逆転ギア127cと噛合するようになり、入力軸56から副変速軸63まで伝達されてきた駆動力は、副変速軸63→固定ギア118→入力ギア127a→後進軸67→逆転ギア127c→低速ギア124a→主変速軸61のように伝達される。つまり、駆動力はそのまま主変速軸61には伝達されず、後進軸67で一旦回転方向が逆転された後、逆転の駆動力として主変速軸61に伝達されるのである。
【0042】
そして、図11に示すように、株間変速軸68上の右半分には、第一ギア131a・第二ギア131b・第三ギア131cからなる固定ギア131が配置され、左半分には、株間変速用の爪式クラッチ82が設けられている。該爪式クラッチ82においては、株間変速軸68上に、内側面に噛合歯を固設した高速クラッチギア129と低速クラッチギア130とが遊嵌され、そのうち高速クラッチギア129は前記大径ギア127bに、低速クラッチギア130は前記小径ギア127dに常時噛合されている。さらに、この高速クラッチギア129と低速クラッチギア130との間には、左右両側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪128がスプライン嵌合されると共に、該摺動クラッチ爪128には、シフトフォーク106が嵌合され、該シフトフォーク106は、フォーク軸107上を移動可能に外嵌され、図示せぬ操作手段に連結連動されている。
【0043】
ここで、該操作手段を操作して摺動クラッチ爪128を右方に摺動し、摺動クラッチ爪128の噛合歯を高速クラッチギア129の噛合歯に係合させることにより、前記後進軸67に入力された駆動力は、大径ギア127b→高速クラッチギア129→摺動クラッチ爪128→株間変速軸68→固定ギア131のようにして高速伝達可能としている。逆に、摺動クラッチ爪128を左方に摺動し、摺動クラッチ爪128の噛合歯を低速クラッチギア130の噛合歯に係合させることにより、前記後進軸67に入力された駆動力は、小径ギア127d→低速クラッチギア130→摺動クラッチ爪128→株間変速軸68→固定ギア131のように低速伝達可能としている。
【0044】
また、図9、図11に示すように、PTO出力軸64の右半分には筒体108が遊嵌され、該筒体108の外周には、スプライン嵌合した摺動ギア132と、前記第三ギア131cに常時噛合する遊嵌ギア133とが外嵌されている。該摺動ギア132にはシフトフォーク105が嵌合されており、該シフトフォーク105は、前記フォーク軸107上を左右動可能に外嵌されると共に、図示せぬ操作手段に連結連動されている。
【0045】
さらに、筒体108の左方には、PTO出力軸64への駆動力の断接を行うPTOクラッチ83が設けられている。該PTOクラッチ83においては、右側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪134が、PTO出力軸64にスプライン嵌合された上、押圧バネ111により、筒体108の左側端に固設したクラッチギア135の噛合歯に係合する方向に付勢されており、さらに、摺動クラッチ爪134には、フォーク109が嵌合され、該フォーク109はミッションケース6に軸支される操作軸110に連結されている。そして、該操作軸110には、PTOクラッチレバーを兼用する前記植付昇降レバー77が連結連動されている。
【0046】
ここで、摺動ギア132を左方に摺動して、摺動ギア132の左側面からの突出部132aを、遊嵌ギア133に開口した受け孔部133aに係合すると、それまで小径の前記第一ギア131aまたは第二ギア131b→摺動ギア132→筒体108と伝達されてきた駆動力は、大径の第三ギア131c→遊嵌ギア133→摺動ギア132→筒体108の順で伝達されるようになり、筒体108の回転速度を変速することができる。
【0047】
そして、植付昇降レバー77を操作して摺動クラッチ爪134を左方に摺動させることにより、該摺動クラッチ爪134の噛合歯と前記筒体108のクラッチギア135の噛合歯との係合を解除して、筒体108→クラッチギア135→摺動クラッチ爪134→PTO出力軸64という動力伝達経路を切断可能として、PTOクラッチ83を形成している。
【0048】
次に、前記PTO出力軸64からの各作業機への動力取り出し構成、および取り出した動力による側条施肥機205の駆動構成について、図1、図6、図7、図11、図13乃至図18により詳細に説明する。前述したように、図11、図13に示すように、変速室60の右側部に植付伝達室34を形成し、該植付伝達室34の後部に前後方向に軸芯を有する植付PTO軸65を軸支する構成に加えて、変速室60の左側部にも作業伝達室201を形成し、該作業伝達室201の後部に、前後方向に軸芯を有する作業PTO軸202を軸支して、前記側条施肥機205に、駆動のための動力を伝達するようにしている。
【0049】
このうち、植付伝達室34においては、PTO出力軸64右端部に固設されたベベルギア64aと、植付PTO軸65前端部に固設されたベベルギア65aとが噛合しており、同様に、作業伝達室201においても、PTO出力軸64左端部に固設されたベベルギア64bと、作業PTO軸202前端部に固設されたベベルギア202aとが噛合し、それぞれ、植付駆動用出力系203と施肥駆動用出力系204とを構成し、これら各出力系203・204、及び前記PTOクラッチ83などより動力取り出し機構206が形成されている。
【0050】
このような構成により、ミッションケース6から取り出される動力は、動力取り出し機構206内の各出力系203・204において分岐され、この分岐された動力は、経路途中において再分岐されることなく、そのまま植付部9と側条施肥機205とに伝達される。
【0051】
すなわち、エンジン5からの動力をミッションケース6に入力し、該ミッションケース6内で変速した後、動力の一部を取り出して作業機に出力する動力取り出し手段である動力取り出し機構206を設けた乗用田植機において、該動力取り出し機構206には、植付部駆動手段である植付駆動用出力系203に加えて、別の作業機である側条施肥機205の駆動手段にあたる施肥駆動用出力系204を設けたので、従来のように、単一の駆動手段から延出された動力伝達経路の途中部で動力を分岐させる必要がなく、動力伝達構造を簡素化できるため、部品点数を減少させ、組み立て性、メンテナンス性を大きく向上させることができる。
【0052】
また、ミッションケース6の両側面より動力取り出し機構206の出力軸であるPTO出力軸64を突出し、該PTO出力軸64の一側には、植付部9に連結連動する植付部駆動手段の植付駆動用出力系203を設け、PTO出力軸64の他側には、植付部9とは別の作業機である側条施肥機205に連結連動する駆動手段の施肥駆動用出力系204を設けたので、植付部駆動手段と別作業機の駆動手段をミッションケース6を挟んで別個に配設することができ、これらの各駆動手段をミッションケース6側面と機体構成体、例えばサイドフレーム41間の空いた空間に収納することができ、機体のコンパクト化が図れる。また、植付部9とは別の作業機の有無にかかわらず、植付部駆動のための部品を変更する必要がなく、部品コストの低減を図ることができるのである。
【0053】
さらに、前述したように、動力取り出し機構206に入力された動力は、PTOクラッチ83を経てPTO出力軸64に伝達され、該PTO出力軸64両側の植付駆動用出力系203と施肥駆動用出力系204とに同時に伝達されると共に、この伝達される動力は、伝達経路途中に設けたPTOクラッチ83により自在に断接可能な構成としている。
【0054】
すなわち、前記PTO出力軸64の途中部に、クラッチ機構であるPTOクラッチ83を設けるので、植付部駆動手段である植付駆動用出力系203の断接と、別の作業機である側条施肥機205の駆動手段にあたる施肥駆動用出力系204の断接とを同期させ、植付部9の駆動の「入切」と別の作業機の駆動の「入切」とを連動させることができるため、各駆動手段毎に別々のクラッチを設ける場合に比べ、PTOクラッチの構造や制御が簡単になり、部品数が少なくして、製造コストの低減や機体の軽量化を図ることができるのである。
【0055】
また、PTO出力軸64の左右両端において、右端部には、一対のベベルギア(以下「ベベルギア対」とする)64a・65aを介して、植付PTO軸65前端部が連結されると共に、植付PTO軸65はミッションケース6右側面に平行に後方に延出される。一方、PTO出力軸64左端部には、一対のベベルギア64b・202aを介して、作業PTO軸202前端部が連結されるとともに、作業PTO軸202はミッションケース6左側面に平行に後方に延出されている。
【0056】
そして、前記伝達室34・201のいずれにも、各々に伝達カバー246・247が着脱自在に覆設されており、該伝達カバー246・247自体はもちろん、収納されているベベルギア対64a・65a、64b・202aの交換も自在に行えるようにしている。
【0057】
すなわち、出力軸であるPTO出力軸64の両側に、ベベルギアを各一対64a・65a、及び64b・202a配設するので、このベベルギア対間の噛合角度を変更するだけで、植付PTO軸65や作業PTO軸202による出力方向を、PTO出力軸64の出力方向とは異なる方向に向けることができるため、植付PTO軸65・作業PTO軸202以降の駆動系の配設位置の自由度が大きく増加する。さらに、ベベルギア対間のギア比を変更するだけで、植付PTO軸65や作業PTO軸202の回転数を自在に変更することができ、各作業機に適切な回転数で作業ができるため、作業の効率や精度を高めることができるのである。
【0058】
また、図6、図7、図13に示すように、前記駆動スプロケット122bやチェーン80などから、主変速軸61の駆動力を後車輪駆動軸69に伝達するチェーン機構248が形成され、該チェーン機構248における、駆動スプロケット122bと従動スプロケット126との間の巻回範囲内に、PTO出力軸64が配置されると共に、該PTO出力軸64に遊嵌された前記筒体108の外周には、糸巻き状のガイド部249が設けられており、該ガイド部249の凹部内壁面間に前記チェーン80が案内されるようにしている。なお、このガイド部249は、筒体108自体に形成しても、カラーなどで別体として設けて筒体108に外嵌固定してもよく、チェーン80を所定の位置に維持できるものであれば、特には限定されない。
【0059】
すなわち、出力軸であるPTO出力軸64は、後輪3への動力を伝達するチェーン機構248のチェーン80巻回経路内に配置すると共に、PTO出力軸64の外周上には、チェーン80の回動を案内するガイド部249を設けたので、チェーン80巻回経路内の空いた空間にPTO出力軸64を配置することができ、機体のコンパクト化が図れると共に、ガイド部249が、回動時のチェーン80の揺動、特に左右方向の揺動を抑えることができ、他部材との干渉を防止することができるのである。
【0060】
ところで、図14、図15に示すように、PTO軸のうちの作業PTO軸202は、ミッションケース6左側面に平行に後方へ延出され、該作業PTO軸202後端部には、リングコーン式の無段変速装置209の入力軸210が連結されると共に、該無段変速装置209の出力軸211には、非常用クラッチ装置(トルクリミッタ)212が連結されている。
【0061】
該非常用クラッチ装置212においては、前記出力軸211後端部にクラッチ215の前部が連結固定され、該クラッチ215の後部には、クラッチ215と同軸上で回動可能な中間軸214の前部が内挿されると共に、該中間軸214の外周面には加圧体216がスプライン嵌合されている。そして、該加圧体216と、前記中間軸214の後部に設けたバネ受け217との間にはクラッチバネ213が介設されており、通常は、該クラッチバネ213の弾性力によって、加圧体216をクラッチ215の方に押し付け連結させ、クラッチ215を中間軸214と連結連動するようにして、非常用クラッチ装置212を「入」の状態としている。
【0062】
このクラッチ「入」の状態において、側条施肥機205で肥料の目詰まりなどが発生すると、動力伝達経路に過大なトルクがかかるようになり、該トルクが前記クラッチバネ213の弾性力を上回ると、加圧体216がクラッチ215上を滑るようになる。すると、クラッチ215から中間軸214に動力が伝達されなくなり、非常用クラッチ装置212が「切」の状態に移行して、過負荷による動力伝達経路内の部材破損を防止できるようにしている。
【0063】
そして、図15乃至図17に示すように、前記中間軸214の後端部には、一対のベベルギア214a・218aを介して変速出力軸218が連結連動され、該変速出力軸218は、回転軸219を介して、施肥機205の左右略中央に配設した駆動ケース223より突設した繰出入力軸220に連結連動されると共に、該繰出入力軸220には、一対のベベルギア221を介して、機体左右方向に延設された繰出駆動軸222が連結連動されている。このような構成により、エンジン5からの出力で側条施肥機205の駆動を行うと共に、前記無段変速装置209の変速操作により、繰り出される肥料の繰出量を調整するようにしている。
【0064】
ここで、図1、図16に示すように、側条施肥機205には、肥料を入れる施肥ホッパー226と、肥料を供給する肥料繰出部である肥料繰出ケース224と、フロート97・98・99の側条作溝器208にフレキシブル型搬送ホース207を介して肥料を排出させるターボブロワ型の送風機227と、円筒形のエアタンク228とを備えると共に、該エアタンク228右側に前記送風機227を取り付け、四条分四組の肥料繰出ケース224・224・・・をエアタンク228上に配設している。そして、前記施肥ホッパー226、肥料繰出ケース224、及び搬送ホース207などから施肥ユニット225が構成され、該施肥ユニット225は機体左右方向に並設して配置されている。
【0065】
図17、図18に示すように、各施肥ユニット225においては、前記肥料繰出ケース224の上面前側の取入口229には、前記施肥ホッパー226の下部出口230を嵌着させる一方、肥料繰出ケース224の下面には、前傾状(上端側が前、下端側が後方向に傾斜)の底蓋231を着脱自在に固定させている。該底蓋231は、硬質合成樹脂製で漏斗型(逆円錐型)に形成されると共に、底蓋231下部には、ジョイント部232が一体成形されており、底蓋231とジョイント部232は小さな口面積の出口233を介して連通されている。
【0066】
そして、該ジョイント部232前端部は、前記エアタンク228に前端部を嵌着させる接合パイプ234後端部に連結接続されると共に、ジョイント部55後端部には、前記搬送ホース207が嵌着されており、前記送風機227からの空気をエアタンク228からジョイント部232及び搬送ホース207に吹き出させ、底蓋231の出口233からジョイント部232中間に落下する肥料を、搬送ホース207を介して側条作溝器208位置まで空気搬送するように構成している。
【0067】
さらに、取入口235を有する入口板236と、同一円周上に複数の繰出口237・237・・を有する繰出板238と、排出口239を有する出口板240とを備え、略円形平板状の前記各板236・238・240を肥料繰出ケース224と底蓋231との間に前傾且つ多層状に配設させている。
【0068】
そして、肥料繰出ケース224の内路側に繰出軸241を前傾姿勢で回転自在に軸支させ、各板236・238・240の中央部に繰出軸241下端側を貫通させ、入口板236と出口板240を肥料繰出ケース224に係止させ、各板236・240に対して繰出軸241を遊転させると共に、繰出板238を繰出軸241に係合軸支させ、繰出軸241によって繰出板238を強制的に回転させて、取入口235から繰出口237に入った肥料を排出口239に移動させて出口233方向に落下させるように構成している。また、肥料繰出ケース224前部には残留肥料取出口242を開設しており、図示せぬ残留肥料排出機構を介して、肥料繰出ケース224内の残留肥料を外部に確実に排出除去するようにしている。
【0069】
このような構成において、前記繰出駆動軸222より伝達されてきた動力が、一対のベベルギア243を介して、前記繰出軸241を駆動すると、施肥ホッパー226内の肥料は所定の繰出量だけジョイント部232中間に落下し、落下した肥料は、そのまま搬送ホース207を介して側条作溝器208位置まで空気搬送される。なお、繰出駆動軸222は複数の軸222a・222b・222c・・・から成り、これらは連結具244により連結されるとともに、隣接する施肥ユニット225間には、軸間にクラッチ装置245が介設されており、図示せぬ操作手段によって、各施肥ユニット225を選択的に駆動可能な構成としている。
【0070】
以上のようにして、エンジン5からの動力は、変速後に前記動力取り出し機構206によって分岐して取り出され、植付部9と側条施肥機205とに伝達されることにより、植付部9で苗植え作業が行われると同時に、側条施肥機205からは所定量の肥料が植付位置近傍に供給されるのである。
【0071】
すなわち、エンジンからの動力をミッションケースに入力し、該ミッションケース内で変速した後、動力の一部を取り出して作業機に出力する動力取り出し手段を設けた乗用田植機において、該動力取り出し手段には、植付部駆動手段に加えて、別の作業機の駆動手段を設けたので、従来のように、単一の駆動手段から延出された動力伝達経路の途中部で動力を分岐させる必要がなく、動力伝達構造を簡素化できるため、部品点数を減少させ、組み立て性、メンテナンス性を大きく向上させることができる。
【0072】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。
請求項1のように、エンジンからの動力をミッションケースに入力し、該ミッションケース内で変速した後、動力の一部を取り出して作業機に出力する動力取り出し手段を設けた乗用田植機において、ミッションケースの両側面より前記動力取り出し手段である出力軸を突出し、該出力軸の一側には、植付部に連結連動する植付部駆動手段を設け、出力軸の他側には、植付部とは別の作業機に連結連動する駆動手段を設けたので、植付部駆動手段と別作業機の駆動手段をミッションケースを挟んで別個に配設することができ、これらの各駆動手段をミッションケース側面と機体構成体、例えばサイドフレーム間の空いた空間に収納することができ、機体のコンパクト化が図れる。また、植付部とは別の作業機の有無にかかわらず、植付部駆動のための部品を変更する必要がなく、部品コストの低減を図ることができるのである。
【0073】
請求項2のように、請求項2記載の出力軸の途中部に、クラッチ機構を設けるので、植付部駆動手段の断接と、別の作業機の駆動手段の断接とを同期させ、植付部の駆動の「入切」と別の作業機の駆動の「入切」とを連動させることができるため、各駆動手段毎に別々のクラッチを設ける場合に比べ、PTOクラッチの構造や制御が簡単になり、部品数が少なくして、製造コストの低減や機体の軽量化を図ることができる
【0074】
請求項3のように、前記請求項2又は請求項3記載の出力軸の両側に、ベベルギアを各一対配設するので、このベベルギア対間の噛合角度を変更するだけで、植付PTO軸や作業PTO軸による出力方向を、PTO出力軸の出力方向とは異なる方向に向けることができるため、植付PTO軸・作業PTO軸以降の駆動系の配設位置の自由度が大きく増加する。さらに、ベベルギア対間のギア比を変更するだけで、植付PTO軸や作業PTO軸の回転数を自在に変更することができ、各作業機に適切な回転数で作業ができるため、作業の効率や精度を高めることができるのである。
【0075】
請求項4のように、請求項2又は請求項3又は請求項4記載の出力軸は、後輪への動力を伝達するチェーン機構のチェーン巻回経路内に配置すると共に、出力軸の外周上には、チェーンの回動を案内するガイド部を設けるので、チェーン巻回経路内の空いた空間にPTO出力軸を配置することができ、機体のコンパクト化が図れると共に、ガイド部が、回動時のチェーンの揺動、特に左右方向の揺動を抑えることができ、他部材との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる乗用田植機の全体側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 車体フレームへとミッションケースの概略斜視図である。
【図4】 エンジンとミッションケース間の概略斜視図である。
【図5】 ミッションケース全体の左側面図である。
【図6】 ミッションケース前部の左側面図である。
【図7】 ミッションケース後部の左側面図である。
【図8】 ミッションケース全体の平面展開断面図である。
【図9】 ミッションケース前部の平面展開断面図である。
【図10】 ミッションケース後部の平面展開断面図である。
【図11】 ミッションケース前部における入力軸からPTO出力軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図である。
【図12】 ミッションケース前部における副変速軸から主変速軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図である。
【図13】 作業機への動力取り出し構成を示す平面展開断面図である。
【図14】 動力取り出し部から側条施肥機までの動力伝達構成を示す左側面一部断面図である。
【図15】 同じく左側面一部断面拡大図である。
【図16】 側条施肥機の背面図である。
【図17】 施肥ユニットの背面図である。
【図18】 同じく左側面一部断面図である。
【符号の説明】
3 後輪
5 エンジン
6 ミッションケース
9 植付部
64 出力軸
64a・64b・65a・202a ベベルギア
80 チェーン
83 クラッチ機構
203 植付部駆動手段
204 別の作業機の駆動手段
205 別の作業機
206 動力取り出し手段
248 チェーン機構
249 ガイド部

Claims (4)

  1. エンジンからの動力をミッションケースに入力し、該ミッションケース内で変速した後、動力の一部を取り出して作業機に出力する動力取り出し手段を設けた乗用田植機において、ミッションケースの両側面より前記動力取り出し手段である出力軸を突出し、該出力軸の一側には、植付部に連結連動する植付部駆動手段を設け、出力軸の他側には、植付部とは別の作業機に連結連動する駆動手段を設けたことを特徴とする乗用田植機。
  2. 前記出力軸の途中部に、クラッチ機構を設けることを特徴とする請求項1記載の乗用田植機。
  3. 前記出力軸の両側に、ベベルギアを各一対配設することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の乗用田植機。
  4. 前記出力軸は、後輪への動力を伝達するチェーン機構のチェーン巻回経路内に配置すると共に、出力軸の外周上には、チェーンの回動を案内するガイド部を設けることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の乗用田植機。
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