JP4618271B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1においては、図16に示すように、車室内のシート41の背もたれ部41aにサイドエアバッグ装置42が装備されている。このサイドエアバッグ装置42のエアバッグ43内には分割シーム44を介して、シート41に着座する乗員Pの胸郭部Pcの側方で膨張可能な第1チャンバ45と、腰部Phの側方で膨張可能な第2チャンバ46とが区画形成されている。
してあまり作用しないように構成されているものの、車両のボディサイド部が室内側に大きく変形進入した場合には、胸郭部Pcに対応する第1チャンバ45の内圧が低いため、胸郭部Pcを保護する点で不安が残る。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記エアバッグは、車両のシートに設けられることを特徴とするものである。
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1〜図3には、車室内に配置された左側のフロントシート11が示され、このフロントシート11は腰掛け部11aと背もたれ部11bとを備えている。ボディサイド部の一部を構成するドア12と対応するように、フロントシート11の背もたれ部11bの左側内部にはサイドエアバッグ装置13がケース14内に収容した状態で埋設配置されている。なお、図面においては、左側のフロントシート11のみが図示されているが、右側のフロントシートの右側内部にも同様なエアバッグ装置が内装されている。
づいて図示しない制御回路を介してインフレータ15に対して駆動電流が出力される。この駆動電流に基づく発火により、インフレータ15内のガス発生剤からガスが発生され、そのガスがガス噴出口15aからエアバッグ16内に噴出供給されるようになっている。
さて、車両のボディサイド部に対する他の車両による側突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わると、図示しないセンサがそれを検出し、その検出に基づいてインフレータ15からガスが発生される。すると、図1に矢印で示すように、そのガスがイン
フレータ15のガス噴出口15aからエアバッグ16の下部区画室19に噴出供給されるとともに、ガス通路21を介して上部区画室18に導入され、その後に中間区画室20に導入される。これにより、図4に示すように、乗員Pの肩部Psに対応する上部区画室18と腰部Phに対応する下部区画室19とがほぼ同時に膨張され、その後に胸郭部Pcに対応する中間区画室20が膨張される。
(1) このサイドエアバッグ装置13においては、エアバッグ16に展開膨張状態で、乗員Pの肩部Psに対応する上部区画室18と、腰部Phに対応する下部区画室19と、胸郭部Pcに対応する中間区画室20とが形成されている。そして、エアバッグ16の展開膨張時に、上部区画室18及び下部区画室19の厚さが中間区画室20の厚さよりも大きくなるように、中間区画室20の膨出が規制されるようになっている。
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図5及び図6に示すように、エアバッグ16の上下ほぼ中間部における基布16a,16b間に幅広のシーム17Aが基布16a,16bの縫着接合により設けられ、このシーム17Aによりエアバッグ16内に上部区画室18と下部区画室19とが区画形成されている。また、この幅広のシーム17Aにより、エアバッグ16の中間部分の膨出を規制する規制手段及びガスの誘導手段が構成されている。そして、図5に矢印で示すように、インフレータ15のガス噴出口15aから噴出されるガスが、上部区画室18及び下部区画室19にほぼ同時に導入されるようになっている。
乗員Pの肩部Ps及び腰部Phに対応配置されるとともに、両区画室18,19の中間部分のシーム17Aが胸郭部Pcに対応配置される。この場合、図6に示すように、両区画室18,19の厚さがシーム17Aの部分の厚さより大きくなるため、シーム17Aと乗員Pの胸郭部Pcとの間には空間Sが形成される。よって、前記第1実施形態の場合と同様に、乗員Pの肩部Ps及び腰部Phとの2箇所がほぼ同時に押されて、乗員Pが室内側に移動され、胸郭部Pcを保護しながら側突時の衝撃を緩和することができる。
(4) このサイドエアバッグ装置13において、前記中間部分の膨出規制構成及びガスの誘導構成は、エアバッグ16の上部区画室18と下部区画室19との中間位置で、両基布16a,16bを縫着接合する幅広のシーム17Aを設けただけである。
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第3実施形態においては、図7に示すように、エアバッグ16に規制手段を構成する2本のシーム17が上下に所定間隔をおいて基布16a,16bの縫着接合により設けられ、この2本のシーム17によりエアバッグ16内に上部区画室18、下部区画室19及び中間区画室20が区画形成されている。中間区画室20は2本のシーム17間に形成されている。また、この第3実施形態においては、2本のシーム17がそれらの間の基布16a,16bを上下方向に緊張させた状態で形成されている。これによって、エアバッグ16の展開膨張時に、中間区画室20の厚さが薄くなって、上下区画室18,19の厚さが中間区画室20の厚さよりも大きくなるように構成されている。インフレータ15の周側にはカバー24が配設され、このカバー24によりインフレータ15のガス噴出口15aから噴出供給されるガスを導入するための誘導手段としての導入室25が形成されている。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
シーム17により構成された中間区画室20は膨張展開状態において上部区画室18及び下部区画室19より薄くなるように規制される。また、インフレータ15には上下2箇所にガス噴出口15aが形成され、これらのガス噴出口15aから同時にガスが噴出されるようになっている。そして、この第4の実施形態では、前記シーム17とガス噴出口15aの2箇所の配設構成とによりガスの誘導手段が構成され、これによって上部区画室18及び下部区画室19がほぼ同時に膨張された後に、中間区画室20が膨張されるようになっている。
(5) このサイドエアバッグ装置13においては、前記ガスの誘導構成が上部区画室18及び下部区画室19に対応してインフレータ15に設けられた上下2箇所のガス噴出口15aからなっている。このため、上部区画室18及び下部区画室19の膨張展開の時間差を小さくすることができる。
次に、この発明の第5実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第5実施形態においては、図9に示すように、規制手段を構成するシーム17にて区画形成された中間区画室20の開口20aがインフレータ15の反対側である車両前方に向かうように形成され、この開口20aの上下の周縁に流入ガイド部20bが形成されている。さらに、中間区画室20の部分の一方の基布16aまたは16bには、外部に向かって開口するベント孔22が形成されている。前記シーム17により、上部区画室18及び下部区画室19は、中間区画室20より厚く膨張展開する。
(6) このサイドエアバッグ装置13においては、インフレータ15からのガスが上下の区画室18,19をまわってから中間区画室20内に流入する。このため、上下の区画室が18,19がほぼ同時に展開膨張した後に、若干遅れて中間区画室20が膨張展開するとともに、上下の区画室18,19の内圧を中間区画室20の内圧よりも高圧にすることができる。従って、胸郭部Pcの保護を有効に行うことができる。
次に、この発明の第6実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第6実施形態においては、図10及び図11に示すように、エアバッグ16が内部を区画することなく、ほぼワンルーム状態に形成されている。そして、このエアバッグ16には展開膨張状態で、乗員Pの肩部Psに対応する上部展開部27と、腰部Phに対応する下部展開部28と、胸郭部Pcに対応する中間部分としての中間展開部29とが設けられている。
膨出を規制するための規制手段が構成されている。また、図10に示すように、エアバッグ16の上部展開部27の幅が、下部展開部28及び中間展開部29の幅よりも広くなるように形成されている。括れ部30は、例えば、乗員P側の基布16bにおける中間展開部29と対応する部分の緯糸として伸張性に乏しいものを使用することにより、実現できる。従って、この場合には、伸張性に乏しい緯糸が規制手段を構成する。
(9) このサイドエアバッグ装置13においては、エアバッグ16の中間展開部29の側縁に括れ部30を形成するのみでよい。このため、中間展開部29の膨出規制構成として専用部品を設ける必要がなく、部品点数が増加するのを防止することができる。よって、構造が簡単になってエアバッグ16を安価に製作することができる。
次に、この発明の第7実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第7実施形態においては、図12及び図13に示すように、エアバッグ16に、前記第6実施形態と同様の上部展開部27、下部展開部28及び中間展開部29が設けられている。エアバッグ16の中間展開部29の外周または内周には、難燃不織布等よりなる規制布31が縫着接合され、この規制布31によって、中間展開部29の膨出を規制するための規制手段が構成されている。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記各実施形態において、エアバッグ16を、織布の他に例えば不織布、合成樹脂シート等の他の材料を用いて形成すること。
生時における中間区画室20の内圧が上下の区画室18,19の内圧よりも低くなるように構成すること。このためには、例えば、中間区画室20に至るガス通路の断面積を絞る等の手段を講じればよい。そして、このようにすれば、乗員Pの胸郭部Pcに対する外部圧力を低くすることができ、乗員Pの保護に有効である。
・ 前記第1〜第4,第6及び第7実施形態において、中間区画室20または中間展開部29と対応する部分に第5実施形態を同様なベント孔を設けること。
Claims (9)
- 車両のボディサイド部と車室内に配置されたシートとの間にて展開するエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグには、展開膨張状態でシートに着座する乗員の肩部に対応する展開部と、乗員の胸郭部に対応する展開部とが設けられ、
前記乗員の肩部に対応する展開部が前記乗員の胸郭部に対応する展開部より先に展開膨張し、前記乗員の肩部に対応する展開部及び前記乗員の胸郭部に対応する展開部が展開膨張したときに、前記乗員の肩部に対応する展開部の厚さが、前記乗員の胸郭部に対応する展開部の膨出を規制する規制手段により、前記乗員の胸郭部に対応する展開部の厚さよりも大きなものとされることを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 前記エアバッグは一対の基布から形成され、
前記一対の基布を互いに接合することで、前記乗員の胸郭部に対応する展開部の膨出が規制されることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。 - 前記一対の基布を互いに縫着接合したシームを形成することで、前記乗員の胸郭部に対応する展開部の膨出が規制されることを特徴とする請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記エアバッグ内には前記シームにより、前記乗員の肩部に対応する展開部としての区画室と、前記乗員の胸郭部に対応する展開部としての区画室とが形成されることを特徴とする請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記シームは、上下方向に延びていることを特徴とする請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記エアバッグは、車両のシートに設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
- 車両のボディサイド部と車室内に配置されたシートとの間にて展開するエアバッグと、
前記エアバッグを展開膨張させるガス発生源と、
前記ボディサイド部に加わる衝撃を検出して、前記エアバッグを展開膨張させるように前記ガス発生源を駆動させるべく、前記ガス発生源に接続された衝撃センサと、を備えるサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグには、展開膨張状態でシートに着座する乗員の肩部に対応する展開部と、乗員の胸郭部に対応する展開部とが設けられ、
前記乗員の肩部に対応する展開部が前記乗員の胸郭部に対応する展開部より先に展開膨張し、前記乗員の肩部に対応する展開部及び前記乗員の胸郭部に対応する展開部が展開膨張したときに、前記乗員の肩部に対応する展開部の厚さが、前記乗員の胸郭部に対応する展開部の膨出を規制する規制手段により、前記乗員の胸郭部に対応する展開部の厚さよりも大きなものとされることを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 前記エアバッグは一対の基布から形成され、
前記一対の基布が互いに接合されていることで、前記エアバッグが展開膨張したときに、前記乗員の胸郭部に対応する展開部の膨出が規制されることを特徴とする請求項7に記載のサイドエアバッグ装置。 - 前記一対の基布を互いに縫着接合したシームが形成されていることで、前記エアバッグが展開膨張したときに、前記乗員の胸郭部に対応する展開部の膨出が規制されることを特徴とする請求項8に記載のサイドエアバッグ装置。
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