JP4603154B2 - ラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロードノイズ性能を維持しつつ操縦安定性を向上しうるラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、車両の静粛化が強く望まれており、とりわけ走行中の車室内で「ゴー」という音で聴取されるいわゆるロードノイズを低減することが急務となっている。このロードノイズは、車両側の固有振動数とタイヤの固有振動数とが近似すると大きくなることが知られている。
【0003】
ところで、車両の操縦安定性を向上するためには、タイヤの縦剛性ないし横剛性を向上することが必要である。タイヤの縦剛性ないし横剛性を向上させる手段として、例えば図4に示すように、ビード部bに配される硬質のビードエーペックスゴムfを大型化することが知られている。しかしながら、このようにビードエーペックスゴムfを大型化したラジアルタイヤでは、タイヤの固有振動数を高めて車両側の固有振動数に近づけてしまう傾向がある。これにより、とりわけ125Hz程度の低周波数側のロードノイズを悪化させるという問題がある。
【0004】
本発明は、このような実状に鑑み案出なされたもので、5%内圧充填時のカーカスプライの断面形状や折り返し高さ等を限定することを基本として、内圧充填時におけるタイヤの固有振動数の上昇を抑えつつタイヤ剛性を高めることにより、ロードノイズの著しい悪化を招くことなく操縦安定性を向上しうるラジアルタイヤを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層とを具え、前記ビード部は、前記本体部と前記折返し部との間に前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスゴムと、前記折返し部のタイヤ軸方向外側にゴムからなるビードフィラーとを具えたラジアルタイヤであって、正規リムにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧を充填した5%内圧充填状態において、前記カーカスは、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状の本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返されしかもその外端のビードベースラインからの高さがタイヤ断面高さの40%以上をなす折返し部とからなるカーカスプライを含むとともに、前記カーカスプライの前記本体部は、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向内側において、その厚さの中心線が、タイヤ軸方向内側に凸となる円弧からなりかつ前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側にのびる円弧状部と、この円弧状部の外端に変曲点Pで連なりかつ略直線状でのびる直線部とを含み、かつ前記直線部の外端の前記ビードベースラインからの高さがタイヤ断面高さの35〜55%であり、前記ビードフィラーは、前記ビードエーペックスゴムとタイヤ軸方向内外で重なるとともに、タイヤ半径方向の各高さ位置における前記ビードフィラーのタイヤ軸方向の厚さtと前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向の厚さjとの和(t+j)が、前記ビードコアの前記外面から半径方向外側に向かって漸減することを特徴とするラジアルタイヤである。
【0006】
なお前記正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"となる。また、前記正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。
【0007】
また請求項2記載の発明は、前記折返し部は、このビードエーペックスゴムの外端近傍にて前記本体部の直線部に略接して該直線部の外端まで直線状でのびることを特徴とする請求項1記載のラジアルタイヤである。
【0008】
また請求項3記載の発明は、前記ビードエーペックスゴムは、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向に10〜20mmの高さを有し、かつ前記変曲点Pは前記ビードエーペックスゴム外端よりも5mm以上タイヤ半径方向内側に位置することを特徴とする請求項2記載のラジアルタイヤである。
【0009】
また請求項4記載の発明は、前記ビードフィラーと前記ビードエーペックスゴムのJISデュロメータ硬さを70〜100度としたことを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のラジアルタイヤである。
【0010】
また請求項5記載の発明は、前記ビードフィラーと前記ビードエーペックスゴムとのタイヤ半径方向の重なり長さを3〜10mmとしたことを特徴とする請求項4記載のラジアルタイヤである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態のラジアルタイヤ1を正規リムJにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧を充填した5%内圧充填状態におけるタイヤ軸を含むタイヤ子午線断面図、図2は同正規内圧を充填した正規状態の断面図、図3は図1の部分拡大図をそれぞれ示している。
【0012】
図において本実施形態のラジアルタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とを具えた乗用車用のものを例示している。
【0013】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成されている。前記カーカスコードは、本例ではポリエステルコードが採用されるが、これ以外にもナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや必要によりスチールコードをも採用しうる。また、前記カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なり前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを具えている。
【0014】
前記カーカスプライ6Aの前記本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックスゴム8を配してビード部4を補強している。該ビードエーペックスゴム8のゴム硬さは、例えばJIS−K6253に基づくJISデュロメータ硬さが70〜100度、より好ましくは80〜100度、さらに好ましくは80〜95度とすることが望ましい。前記ビードエーペックスゴムのJISデュロメータ硬さが70度未満であると、ビード部4の曲げ剛性が不足し操縦安定性を向上する効果が得られ難く、逆に100度を超えると、周囲のゴムとの硬度差が著しく大となって剛性段差が生じ耐久性を低下させやすくなる。
【0015】
また本実施形態のビードエーペックスゴム8は ビードコア5の外面5aからタイヤ半径方向に10〜20mmの小高さHaで形成されたものを示している。また本例のビードエーペックスゴム8の断面形状は、図3に拡大して示すように、前記ビードコア5の外面5aに沿う下辺K1、該下辺K1のタイヤ軸方向の内端から半径方向外方に前記本体部6aに沿って延在する内の斜辺K2、及び前記下辺K1のタイヤ軸方向の外端から半径方向外方に前記折返し部6bに沿って延在し前記内の斜辺K2と交わる外の斜辺K3とからなる略二等辺三角形状で形成されている。
【0016】
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜45°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。前記ベルトコードは、本例ではスチールコードを採用しているが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いうる。なお図示していないが、ベルト層7のさらに外側に、ナイロン等の有機繊維コードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で配列したバンド層を配しても良い。
【0017】
また本発明では、図1に示すように、前記5%内圧充填状態において、前記カーカスプライ6Aの折返し部6bは、その外端6beのビードベースラインBLからの高さh1をタイヤ断面高さH0の40%以上としている。ここで、タイヤ断面高さH0は、前記5%内圧状態におけるビードベースラインBLからタイヤ半径方向の最外側位置までのタイヤ半径方向高さであり、ビードベースラインとは、前記正規リムのリム径位置を通るタイヤ軸方向線とする。このように、カーカスプライ6Aの折返し部6bの外端6beの高さh1を一定高さ以上に規制することにより、サイド部においてカーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとが重なる2層構造を形成でき、タイヤの横剛性ないし縦剛性を高めて操縦安定性能を向上しうる。なお前記高さh1が、タイヤ断面高さH0の40%未満であると、サイド部の曲げ剛性の向上が図れず、操縦安定性を向上し得ない。より好ましくは前記高さh1を、タイヤ断面高さH0の50%以上、さらに好ましくは50〜70%とするのが良い。
【0018】
また本発明のラジアルタイヤ1は、前記5%内圧充填状態において、図1、図3に示すように、前記カーカスプライ6Aの前記本体部6aは、その厚さの中心線CLが、タイヤ軸方向内側に凸となる円弧からなりかつ前記ビードコア5の外面5aからタイヤ半径方向外側にのびる円弧状部Caと、この円弧状部Caに変曲点Pで連なりかつ略直線状でのびる直線部Cbとを含んで構成されている。
【0019】
5%内圧状態としたのは、正規内圧の5%の内圧を充填することにより、カーカスプライ6Aに内圧充填により実質的な歪を与えることなくタイヤ1をリム組みしたときのカーカスプライ形状を一義的に定めるためである。一般に従来のラジアルタイヤの5%内圧充填状態では、図4に示したように、ビード部b付近のカーカスプライ6Aの本体部6aは、前記中心線CLがタイヤ軸方向外、内にそれぞれ中心Oa、Obを有する円弧Cd、Ceを変曲点P1にてタイヤ半径方向に連ねて形成されている。
【0020】
特に図4に示す如く、カーカスプライ6Aの外側に配されるビード部4のクリンチ部baは、カーカスプライ6Aの折返し部6bを、ビード部4の曲げ変形時の圧縮領域から中立線側に近づけて耐久性の低下を防ぐために、ある程度の厚さTが必要とされ、またタイヤの操縦安定性を向上するために、ビードエイペックスゴムfのゴム量を増して大型化するとき、前記本体部6aの円弧部Cdは、大きな曲率で湾曲する。
【0021】
そして正規内圧の充填により、カーカスプライ6Aは自然平衡形状に近づく変形をなすとともに、かかる形状変化に伴って中心Oaをタイヤ軸方向外側に持つ円弧部Cdには圧縮歪が、中心Obをタイヤ軸方向内側に持つ円弧部Ceには引張歪がそれぞれ作用する。このように、従来のカーカスプライ6Aの本体部6aには、正規内圧の充填により、張力(カーカスコード張力)が大の部分と小の部分が生じるため歪みも不均一となる。そして発明者らの種々の実験の結果、とりわけ前記円弧部Ceの部分には局部的に大きな張力(歪)が作用しかつこれによりタイヤ1の固有振動数が上昇し、ロードノイズ性能が悪化していることを突き止めた。
【0022】
本発明では、5%内圧充填時において、上述の如くカーカスプライ6Aの本体部6aに直線部Cbを設けている。このような直線部Cbには、正規内圧が充填されカーカスプライ6Aの変形が生じても、前記円弧部Ceのような大きな歪が作用しない。即ち、前記円弧部Ceでは、曲率をもっているため、正規内圧充填時、及び荷重負荷時において局部的に歪が集中し易い。しかし、直線部Cbを設けた場合、正規内圧充填時及び荷重負荷時において歪が局部的に集中する事はなく、直線部Cb全体において分散することにより、歪を小さくすることができる。なお全体としてカーカスの形状の変化が小さく凹凸領域を離隔することにより、内圧充填等に伴う形状変化自体を極めて小さくすることができる。従って、本発明のラジアルタイヤ1は、上述の直線部Cbを設けることにより、内圧の充填によりカーカスプライ6Aの歪を均一化する作用が得られ、ひいてはタイヤ1の固有振動数の増加を抑制できるため、ロードノイズの悪化を防止できる。また前記本体部6aにおけるカーカスコードのパス長さが短くなり、荷重負荷時の曲げ変形量がさらに減じられ、耐久性の向上にも役立つ。
【0023】
図1において、前記直線部Cbの外端Cbeの前記ビードベースラインBLからの高さh2は、前記タイヤ断面高さH0の35〜55%に設定される。前記直線部Cbの高さh2が、タイヤ断面高さH0の35%を下回ると、直線部Cbのパス長さが小となるため、カーカスプライ6Aの歪を均一化する作用が得られ難く、タイヤの固有振動数を上昇させる傾向がある。逆に前記直線部Cbの高さh2が、タイヤ断面高さH0の55%を超えると、サイド部の剛性が過度に高められるため、固有振動数が上昇しロードノイズの悪化を招く。このような観点より、前記直線部Cbの前記高さh2は、タイヤ断面高さH0の35〜50%、さらに好ましくは40〜50%とすることが特に望ましい。
【0024】
また前記変曲点Pは、本例では小高さのビードエーペックスゴム8の外端8tよりもさらにタイヤ半径方向内方に設定され、好ましくは前記外端8tから5mm以上、より好まし10〜15mmの距離Sをタイヤ半径方向内側に隔てる位置に設けることが望ましい。このように前記変曲点Pを小高さに設定することにより、前記直線部Cbのパス長さを十分に確保しうるとともに、前記変曲点Pないし円弧状部Caを、比較的剛性の高い領域に配することができ、さらにカーカスプライ6Aの歪を均一化しうる。
【0025】
また本実施形態では、前記折返し部6bは、前記ビードエーペックスゴム8の外端8t近傍にて前記本体部6aの直線部Cbに略接して該直線部Cbの外端Cbeまで直線状でのびるものが例示される。ここで、「略接して」とは、例えば接着性を高める目的で、本体部6aと折返し部6bとの間に、厚さ1.0mm以下の小厚さをなすゴム層などを介在させることを許容するものである。このように、折返し部6bを配することにより、損傷の起点となり易い折返し部6bについても内圧充填による歪の集中を防止でき、また折返し部6bをタイヤ走行時の曲げ変形時の中立線側に寄せることができ耐久性を向上しうる。
【0026】
また前記ビード部4は、前記折返し部6bのタイヤ軸方向外側に、JISデュロメータ硬さが70〜100度、より好ましくは80〜95度、さらに好ましくは前記ビードエーペックスゴム8と同じ硬さの硬質ゴムからなるビードフィラー9が配されている。
【0027】
このビードフィラーは、図3に拡大して示すように、前記ビードエーペックスゴム8の外端8tの近傍に、タイヤ軸方向の厚さtが最大厚さtmax となる最大厚さ部分を有し、この最大厚さ部分から半径方向内、外に向かって厚さを漸減させている。これによって、ビードフィラー9とビードエーペックスゴム8とは折返し部6bを介しながらも剛性段差を生じることなく滑らかに接続される。
【0028】
また本例では、タイヤ半径方向の各高さ位置における、ビードフィラー9のタイヤ軸方向の厚さtと、ビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向の厚さjとの和(t+j)が、ビードコア5の前記外面5aから半径方向外側に向かって漸減する特に好ましい態様を例示している。これにより、ビードフィラー9とビードエーペックスゴム8とのトータル的な剛性がより滑らかに変化し、カーカス6への局部的な歪みの集中を抑制できる。
【0029】
また本実施形態では、前記ビードフィラー9のタイヤ半径方向の内端9iを前記ビードエーペックスゴム8の外端8tよりもタイヤ半径方向内側に位置させることにより、該ビードフィラー9とビードエーペックスゴム8とがタイヤ軸方向内、外で重なる如く形成される。そして、この重なり部のタイヤ半径方向長さLを3〜10mm、より好ましくは5〜10mmとしている。これによりビード部4の剛性を補い、ビードエーペックスゴム8を小高さとした場合であっても、必要かつ十分な曲げ剛性を確保できる。またこのようなビードフィラー9は、上述の効果を維持しつつ、折返し部6bを従来のタイヤに比してタイヤ軸方向内側(曲げ中心線側)に寄せるのに役立ち、ビードクリンチ部などのゴム厚さを減じるのに役立つ。なお前記重なり部の長さLが3mm未満では、ビードエーペックスゴム8の外端8tの近傍での屈曲が急激となり、耐久性を低下させやすくなる。
【0030】
またビードフィラー9のタイヤ半径方向の外端9oは、例えば前記ビードベースラインBLからの高さh3を、タイヤ断面高さH0の30〜50%、より好ましくは35〜45%とすることが望ましい。前記高さh3が、タイヤ断面高さH0の30%未満であると、タイヤ縦剛性、横剛性が低下するため操縦安定性が低下してしまう傾向があり、逆に50%を超えると、タイヤの縦剛性、横剛性が大巾に向上するため、タイヤの固有振動数が高まり、車両側の固有振動数と近づくことにより低周波側のロードノイズが悪化してしまうという傾向がある。
【0031】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0032】
【実施例】
タイヤサイズが175/65R14の乗用車用ラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、該試作タイヤの縦剛性、横剛性、タイヤ固有振動数、低周波数域のロードノイズ、操縦安定性をテストした。なお5%内圧状態でのタイヤ断面高さH0は110mmである。テスト内容は次の通りである。
【0033】
(1)タイヤの縦剛性、横剛性、固有振動数
各試供タイヤをリム組み(リムサイズ5.5J×14、内圧200kPa)するとともに、縦荷重3.53kNの条件にて、常法により、縦剛性、横剛性、及びタイヤ固有振動数を測定し、従来例を100とした指数により評価した。数値が大きいほど剛性及び固有振動数が高いことを意味している。
【0034】
(2)低周波数域のロードノイズ
試供タイヤをリム(5.5J×14)、内圧(200kPa)の条件の下で車両(1500cc、FF車)の全輪に装着し、舗装粗面路を速度50km/hにて走行させ、運転席右耳許にて車内騒音を測定し、125Hzにおける騒音レベルを従来例を100とする指数で表示した。数値が大きいほど騒音レベルが小さく良好である。
【0035】
(3)操縦安定性
前記(2)の車両を用いて、ドライアスファルト路面のテストコースを走行し、ドライバーの官能評価により、従来例を100とする指数で表示した。なおテストは、5人のドライバーによって行われ、その平均値を採用している。数値が大きいほど操縦安定性に優れ良好である。
テストの結果などを表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004603154
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、カーカスプライに作用する張力を均一化し、タイヤの固有振動数の上昇を抑制することにより、低周波側のロードノイズ性能の悪化を防止しつつ優れた操縦安定性を発揮しうる。
【0038】
また請求項2記載の発明の如く、カーカスプライの折返し部が、ビードエーペックスゴムの外端近傍にて前記本体部に略接して前記本体部の外端までのびるときには、この折返し部にも大きな歪が作用することを防止してより一層、カーカスプライの歪を均一化しうるとともに該折返し部の耐久性をも向上しうる。
【0039】
また請求項3記載の発明の如く、変曲点をビードエーペックスゴム外端よりも5mm以上タイヤ半径方向内側に位置することにより、変曲点を歪が作用し難い位置に配することでカーカスプライの歪の均一化をさらに促進し、ロードノイズの悪化を防止しうる。
【0040】
また請求項4ないし5記載の発明の如く、折返し部のタイヤ軸方向外側にゴムからなるビードフィラーを配し、このビードフィラーと前記ビードエーペックスゴムのJISデュロメータ硬さなどを一定範囲に限定したときには、ビード部の曲げ剛性を向上でき、さらに操縦安定性を向上するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す5%内圧状態のタイヤの断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す正規内圧状態のタイヤの断面図である。
【図3】図1のビード部を拡大した部分拡大図である。
【図4】従来タイヤのビード部の断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a 本体部
6b 折返し部
7 ベルト層
8 ビードエーペックスゴム
9 ビードフィラー
BL ビードベースライン
Ca 円弧状部
Cb 直線部

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層とを具え
    前記ビード部は、前記本体部と前記折返し部との間に前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスゴムと、前記折返し部のタイヤ軸方向外側にゴムからなるビードフィラーとを具えたラジアルタイヤであって、
    正規リムにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧を充填した5%内圧充填状態において、
    前記カーカスは、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状の本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返されしかもその外端のビードベースラインからの高さがタイヤ断面高さの40%以上をなす折返し部とからなるカーカスプライを含むとともに、
    前記カーカスプライの前記本体部は、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向内側において、その厚さの中心線が、タイヤ軸方向内側に凸となる円弧からなりかつ前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側にのびる円弧状部と、この円弧状部の外端に変曲点Pで連なりかつ略直線状でのびる直線部とを含み、
    かつ前記直線部の外端の前記ビードベースラインからの高さがタイヤ断面高さの35〜55%であり
    前記ビードフィラーは、前記ビードエーペックスゴムとタイヤ軸方向内外で重なるとともに、
    タイヤ半径方向の各高さ位置における前記ビードフィラーのタイヤ軸方向の厚さtと前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向の厚さjとの和(t+j)が、前記ビードコアの前記外面から半径方向外側に向かって漸減することを特徴とするラジアルタイヤ。
  2. 前記折返し部は、このビードエーペックスゴムの外端近傍にて前記本体部の直線部に略接して該直線部の外端まで直線状でのびることを特徴とする請求項1記載のラジアルタイヤ。
  3. 前記ビードエーペックスゴムは、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向に10〜20mmの高さを有し、
    かつ前記変曲点Pは前記ビードエーペックスゴム外端よりも5mm以上タイヤ半径方向内側に位置することを特徴とする請求項2記載のラジアルタイヤ。
  4. 前記ビードフィラーと前記ビードエーペックスゴムのJISデュロメータ硬さを70〜100度としたことを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のラジアルタイヤ。
  5. 前記ビードフィラーと前記ビードエーペックスゴムとのタイヤ半径方向の重なり長さを3〜10mmとしたことを特徴とする請求項4記載のラジアルタイヤ。
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