JPH10309911A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH10309911A
JPH10309911A JP12120597A JP12120597A JPH10309911A JP H10309911 A JPH10309911 A JP H10309911A JP 12120597 A JP12120597 A JP 12120597A JP 12120597 A JP12120597 A JP 12120597A JP H10309911 A JPH10309911 A JP H10309911A
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body ply
winding
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bead
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/06Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead
    • B60C15/0603Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the bead filler or apex
    • B60C15/0607Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the bead filler or apex comprising several parts, e.g. made of different rubbers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気入りラジアルタイヤにおいて、ボディプ
ライ9を1プライ化すると共に、ビードコア10まわり
で巻き上げた巻上端16をリムライン17よりも径方向
内方へ位置付けようとすると、応力分散性が悪くなり、
セパレーションの発生、操縦安定性及び乗り心地の低
下、ビード部6まわりの耐久性等の低下を起こすおそれ
があった。 【解決手段】 ボディプライ9の巻上端16をリムライ
ン17上に配する。また、ボディプライ9の巻上前位置
の外向き面から巻上後位置の内向き面までのゴム厚さを
tとし、上記外向き面からタイヤ外面までのゴム厚さを
0 とするとき、t/T0 が40%以下となるように形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤ、
特に好ましくは乗用車や小型トラック等に用いられる空
気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気入りラジアルタイヤにおいて、クラ
ウン部は2〜3枚のブレーカやジョイントレス等のキャ
ッププライを有した構造とされており、またビード部で
は、クラウン部側からサイドウォール(インナーライナ
ー側)に沿うように設けた1〜2枚のボディプライを、
ビードコアまわりでタイヤ内側から外側へ巻き上げて、
ビードコアの径方向外側に設けられたビードフィラーに
対してその外側へ配する構造とされている。
【0003】従来、操縦安定性や乗り心地を良好にさせ
たり、ビード部まわりの耐久性を高めたり、或いはリム
嵌合を容易にしたりすることを主な目的として、ビード
フィラーを径内側と径外側とに分割状に設けたうえで、
それらの厚さや高さ等の寸法関係又はゴム硬度関係等を
規定する技術が種々、提案されている(特開昭55−8
3606号公報、特開昭62−4614号公報、特開昭
63−8005号公報等参照)。
【0004】一方、縁石等への乗り上げ時にタイヤサイ
ド部の破損を防止することを主な目的として、ボディプ
ライ(カーカス層)のサイド部分を厚さ等に関して補強
する技術が種々、提案されている(特開平3−1892
14号公報や特開平4−358906号公報(但し、こ
れら両技術は大型車や建設用車両を対象にした、用途的
にやや異質のものである)、特開昭62−265008
号公報等参照)。
【0005】ところで、一般にボディプライは、高負荷
への対応や操縦安定性の向上等を図るうえで2プライ化
が重要な要素とされることが多いが、最近ではタイヤの
軽量化やコスト削減のために、ボディプライを1プライ
化し、しかもボディプライでビードコアまわりを巻き上
げた後の巻上端を、極力低くしたい(径方向内方へ位置
付けたい)との要請が高まってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ボディプライを1プラ
イ化した場合、高負荷に対する応力分散が難しくなるこ
とは周知である。また、ボディプライの巻上端を低くさ
せるにあたっては、この巻上端でのセパレーション発生
を防止し、更に市販ホイールのリムフランジとしてリム
高さの高低種が広いことに対応させるために、相当に低
い位置付けにする必要がある。しかし、単に巻上端を低
くすると、ビードコアに対するボディプライの巻付量が
短くなることに起因して、タイヤ製造工程中の成形、加
硫工程でボディプライのスッポ抜けが生じるということ
があった。
【0007】更に、ボディプライの1プライ化や巻上端
の低位化は、タイヤサイド部の弱体化を招来することに
なり、仮に、縁石等への乗り上げ速度が相当にゆっくり
したものであるにも拘わらず、比較的簡単にタイヤサイ
ド部が破損してしまうおそれがあり、要請に逆行するこ
とにも成りかねないものであった。本発明は、上記事情
に鑑みてなされたものであって、ボディプライを1プラ
イ化させると共に、その巻上端をなるべく低位に抑えて
リムラインレベルとさせたうえで、従来の各種提案技術
とは異なる構成により、操縦安定性、乗り心地、ビード
部まわりの耐久性等をより一層、好適に満足させるよう
にした空気入りタイヤの提供を第1の目的とし、また縁
石等への乗り上げ時におけるタイヤサイド部の破損防止
をより一層、好適に満足させるようにした空気入りタイ
ヤの提供を第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、第1
の目的を達成するための本発明に係る空気入りタイヤで
は、ビードコアの径方向外方に径内側ビードフィラー及
び径外側ビードフィラーを有しており、1プライ化され
たボディプライがクラウン部側からサイドウォールに沿
ってビードコアまわりをタイヤ内側から外側へと巻き上
げられた後、その巻上端が径内側ビードフィラーと径外
側ビードフィラーとの相互間へ挟まれてリムラインレベ
ルへ位置付けられている。
【0009】そして、リムライン上において、ボディプ
ライの巻上前位置の外向き面を基準として、巻上後位置
の内向き面までのゴム厚さをtとし、タイヤ外面までの
ゴム厚さをT0 とするとき、t/T0 が40%以下に形
成されている。このような構成にすることで、ボディプ
ライの巻上端での応力分散性を高めて操縦安定性や乗り
心地等を良好にすることができ、しかもセパレーション
の発生を防止して、ビード部まわりの耐久性を高めるこ
とができる。
【0010】そのうえ、ボディプライの巻付量は最低限
に確保できるものであり、製造工程中の成形・加硫工程
でボディプライのスッポ抜けを防止できることにもなる
し、またボディプライの巻上端高さに多少のバラツキが
生じることを許容できるために、その配置上の精度に神
経を尖らせる必要がなくなり、もって製造の容易化及び
高能率化等が図れる利点もある。
【0011】また、径外側ビードフィラーのゴム硬度
を、径内側ビードフィラーのゴム硬度と同じか又は5°
を超えない範囲で低くしておくと、上記応力分散効果が
一層効果的に得られ、セパレーション防止効果もそれだ
け確実となる。一方、第2の目的を達成するための本発
明に係る空気入りタイヤでは、1プライ化されたボディ
プライがクラウン部側からサイドウォールに沿ってビー
ドコアまわりをタイヤ内側から外側へと巻き上げられた
後、その巻上端がビードコアの径方向外方に設けられた
ビードフィラーの外側でリムラインレベルへ位置付けら
れている。
【0012】そして、リムライン上においてボディプラ
イの巻上前位置の外向き面からタイヤ外面までのゴム厚
さをT0 とし、ビードフィラーの径方向外端部ライン上
においてボディプライの外向き面からタイヤ外面までの
ゴム厚さをT1 とし、タイヤ断面高さの中間位置ライン
上においてボディプライの外向き面からタイヤ外面まで
のゴム厚さをT2 とするとき、T2 <T1 であり、且つ
20.0%≦T2 /T 0 ≦35.0%とされている。
【0013】このような構成であれば、タイヤ全体とし
ての軽量化を図りながらタイヤサイド部を補強できるこ
とになり、従って操縦安定性や乗り心地等を良好にした
うえで、縁石等への乗り上げ時におけるタイヤサイド部
の破損を防止できる。またこの構成では、ボディプライ
に用いるコードのデニール数、打込み本数、ボディプラ
イの巻上端位置等が拘束されずに、タイヤサイド部の破
損防止効果を高めることができるので、構成の簡潔化、
各種タイヤ構造への汎用性等が図れる利点がある。
【0014】また、T2 <T1 としたうえでT1 /T0
≦35%とした場合も同様の効果を得ることができるも
のであり、T2 <T1 、20.0%≦T2 /T0 ≦3
5.0%、T1 /T0 ≦35%という三条件を全て満た
す構成とすれば なお一層よい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1に示す第1実施形態の空気入
りタイヤ1において、クラウン部2は複数枚のブレーカ
3やジョイントレス等のキャッププライ4を有した構造
とされている。またビード部6では、クラウン部2側か
らサイドウォール7(インナーライナー8側)に沿って
設けられた1プライ化されたボディプライ9が、ビード
コア10まわりでタイヤ内側から外側へ巻き上げられて
いる。
【0016】ビードコア10の径方向外方には、断面三
角形状をした径内側ビードフィラー13と、これより径
方向外方側に分離状態で配された径外側ビードフィラー
14とを有したビードフィラー15が設けられている。
このビードフィラー15を形成させる手順は、ボディプ
ライ9をビードコア10及び径内側ビードフィラー13
まわりで巻き上げた後、その巻上端16を径内側ビード
フィラー13の外側へ配するようにし、その後、この巻
上端16に径外側ビードフィラー14を被せて、ボディ
プライ9を径内側ビードフィラー13と径外側ビードフ
ィラー14との間で挟むようにするものである。
【0017】このときのボディプライ9の巻上端16
は、リムライン17と略同レベルとなるように位置付け
てある。このリムライン17は、タイヤサイズにもよる
が乗用車用ラジアルタイヤの場合で、リム嵌合底面から
の距離Kがおおよそ22mmの位置とされる。そして、
このリムライン17上において、ボディプライ9の巻上
前位置の外向き面9a(図2に拡大して示す)から巻上
後位置の内向き面9bまでのゴム厚さをtとし、また上
記外向き面9aからタイヤ外面までのゴム厚さをT0
する。このとき、t/T0 が40%以下となるように形
成されている。この場合、t=0(即ち、ボディプライ
9において、巻上前位置の外向き面9aと巻上後位置の
内向き面9bとを接触させる)を含むものとする。
【0018】なお、ボディプライ9の巻上前位置の外向
き面9a及び巻上後位置の内向き面9bに対し、上記ゴ
ム厚さtやT0 を測定するには、ボディプライコード2
0からスキムゴム21を除いた面を基準面としてあり、
従って上記ゴム厚さtやT0には、スキムゴム21の片
面厚さが含まれている。また、上記ビードフィラー15
において、径外側ビードフィラー14のゴム硬度は、径
内側ビードフィラー13のゴム硬度と同じか又は5°を
超えない範囲で低く設定されていて、本例ではビードフ
ィラー14のJIS(A)硬度85°で、ビードフィラ
ー13のJIS(A)硬度90°とされている。
【0019】このような構成であるため、ボディプライ
9の巻上端16での応力分散性が高まり、操縦安定性や
乗り心地等は良好になる。また、セパレーションの発生
が防止されてビード部6まわりの耐久性が高められるも
のである。なお、t/T0 が40%を超えると、ボディ
プライ9の巻上端16においてセパレーションが発生し
易くなることが実験によって確かめられている。
【0020】また、径内側ビードフィラー13のゴム硬
度と径外側ビードフィラー14のゴム硬度との間に5°
を超えた差を持たせるということは、径外側ビードフィ
ラー14としてのゴム硬度を高くすることは現実的でな
いために、結果的に、径内側ビードフィラー13のゴム
硬度を低くすることを意味する。即ち、この場合、径内
側ビードフィラー13が軟らかすぎることになるので、
横剛性が不足する結果をもたらし、操縦安定性に悪影響
を及ぼすことになる。
【0021】図3に示す第2実施形態の空気入りタイヤ
1では、ビードフィラー15において、径内側ビードフ
ィラー13の径方向外端部を、リムライン17をやや超
える程度に延長拡大させると共に、その分、径外側ビー
ドフィラー14を薄型にさせてある。そして、これら径
内側ビードフィラー13と径外側ビードフィラー14と
の間に挟むようにするボディプライ9の巻上端16を、
リムライン17を超えたレベルまで延長させてある。具
体的には、リム嵌合底面から巻上端16までの寸法を1
0〜30mmにした。
【0022】但し、この巻上端16が、径内側ビードフ
ィラー13の径方向外端部までは及ばないようにしてあ
り、従ってボディプライ9において、巻上前位置の外向
き面9aと巻上後位置の内向き面9bとは接触していな
い。その他の構成は、第1実施形態と同じである。表1
は、第1実施形態(図1参照)と第2実施形態(図3参
照)、及び従来構成の空気入りタイヤ(図示は省略する
がビードフィラーが径内側と径外側とに分割されていな
いもの)としての第1従来例(ボディプライの巻上端を
第1実施形態と同レベルにしたもの)と、第2従来例
(ボディプライの巻上端を第2実施形態と同レベルにし
たもの)、の合計4形態を製造し、これらにおいてビー
ド部の耐久性と、実車による操縦安定性とを比較した試
験の結果である。
【0023】
【表1】
【0024】供試品タイヤサイズは、165SR13、
175/70R13、185/70R14の三通りとし
た。実車による操縦安定性については、第1従来例の結
果を100として、これに対する指数として表示してあ
る。この表1から明らかなように、本発明の第1実施形
態及び第2実施形態も、操縦安定性に関しては第1、第
2従来例に比べて何らそん色のないものであった。ま
た、ビード部6の耐久性に関しても第1・2実施形態の
いずれにおいても6000kmNF(6000km走行
しても損傷なし)であった。
【0025】図4に示す第3実施形態の空気入りタイヤ
1では、ビードフィラー15が径内側と径外側とに分割
されたものではなく、一体化されている。また、1プラ
イ化されたボディプライ9が、クラウン部2側からサイ
ドウォール7(インナーライナー8側)に沿ってビード
コア10まわりをタイヤ内側から外側へと巻き上げられ
た後、その巻上端16が、ビードフィラー15の外側で
リムライン17と略同じレベルに位置付けられている。
【0026】そして、このリムライン17上において、
ボディプライ9の巻上前位置の外向き面9a(図2参
照)からタイヤ外面までのゴム厚さをT0 とし、ビード
フィラー15の径方向外端部ライン23上においてボデ
ィプライ9の外向き面9aからタイヤ外面までのゴム厚
さをT1 とし、タイヤ断面高さHの中間位置ライン24
(1/2H)上においてボディプライ9の外向き面9a
からタイヤ外面までのゴム厚さをT2 とする。
【0027】このとき、T2 <T1 であること、20.
0%≦T2 /T0 ≦35.0%であること、そしてT1
/T0 ≦35%であることの三条件が満たされている。
ここで、ゴム厚さT1 の測定基準としているビードフィ
ラー15の径方向外端部ライン23とは、タイヤサイド
部においてビードフィラー15が及ばない領域であるこ
と、即ち、縁石等への乗り上げ時にバーストが最も生じ
易くなる位置であることを表したものである。言うまで
もなく、これはタイヤサイズや縁石等の種類によって異
なるが、乗用車用ラジアルタイヤの場合で数値的に表せ
ば、おおよそリムライン17からの距離Lが15mm〜
25mmの範囲とされる。
【0028】なお、ボディプライ9の巻上前位置の外向
き面9aに対し、上記ゴム厚さT0,T1 ,T2 を測定
するには、第1実施形態に関して図2で説明したのと同
様に、ボディプライコード20からスキムゴム21を除
いた面を基準面としてあり、従って上記した各ゴム厚さ
0 ,T1 ,T2 には、スキムゴム21の片面厚さが含
まれている。
【0029】このような構成であるため、タイヤ全体と
しての軽量化を図りながらタイヤサイド部を補強できる
ことになり、従って操縦安定性や乗り心地等を良好にし
たうえで、縁石等への乗り上げ時におけるタイヤサイド
部の破損を防止できる。またこの構成では、ボディプラ
イ9に用いるコードのデニール数、打込み本数、ボディ
プライ9における巻上端16の厳密な位置等が拘束され
ずに、タイヤサイド部の破損防止効果を高めることがで
きるという利点がある。
【0030】なお、T2 とT1 との差が大きい程、応力
分散効果が良好となり、操縦安定性、乗り心地、タイヤ
サイド部の破損防止等の効果も高められることが実験に
より確かめられている。但し、T2 <T1 が満たされな
い限り、所期の効果を得ることはできないことも実験に
より確かめられている。一方、T2 /T0 が20.0%
未満であると、タイヤサイド部の破損防止効果が十分で
なく、しかもサイドウォール7において凹凸が大きくな
って外観が低下し、商品となりにくい不具合が生じる。
またT2 /T0 が35.0%を超えると、操縦安定性及
びビード部6の耐久性が共に低下することが実験により
確かめられている。このT2 /T0 として、いずれの効
果面からも最適な範囲としては、25%〜30%であっ
た。
【0031】T1 /T0 が35%未満であると、タイヤ
サイド部の破損防止効果は一気に低下し、操縦安定性及
びビード部6の耐久性も共に低下することが実験により
確かめられている。このT1 /T0 として、いずれの効
果面からも最適な範囲としては、40%〜50%であっ
た。但し、T1 /T0 が60%を超えるものでは、乗り
心地においてマイナス面が生じるだけでなく、そもそも
の開発の基礎とされるタイヤの軽量化や低コスト化を達
成できなくなる点で不適と言える。
【0032】表2は、第3実施形態(図4参照)と、上
記三条件のうちいずれかの条件を満たさない比較例の空
気入りタイヤ(図示略)とを製造し、これらにおいて縁
石等への乗り上げ時におけるサイド部破損の防止性能
と、ビード部6の耐久性と、実車による操縦安定性とを
比較した試験の結果である。
【0033】
【表2】
【0034】供試品タイヤサイズは、155SR13と
した。縁石等への乗り上げ時におけるサイド部破損の防
止性能については、バースト発生時の車速で表してい
る。従って、この数値が大きい程(高速である程)、破
損しにくいことを意味する。また実車による操縦安定性
については、ボディプライ9が1プライ化されているが
巻上端16が高位とされた従来構成の空気入りタイヤ
(図示略)を基準として、これとの比較をした結果で表
している。
【0035】この表2から明らかなように、第3実施形
態表2の符号E,Fでは、操縦安定性に関しては従来の
空気入りタイヤ(表2の比較例A〜D)に比べて何らそ
ん色のないものであり、そのうえで、縁石等への乗り上
げ時におけるサイド部破損の防止性能やビード部6の耐
久性に関して、比較例A〜Dよりも好結果が得られてい
ることが判る。
【0036】すなわち、T2 /T0 を20%未満とした
場合縁石性能(サイド部損傷)が、13〜15km/H
で発生し、タイヤがバーストした。T2 /T0 を36%
以上とした場合縁石性能は良いがビード耐久性が悪く
(6000kmで損傷発生)操縦安定性は低下した。T
1 /T0 を35%未満とした場合縁石性能は10〜12
km/Hで損傷が発生するとともに、ビード耐久性も悪
く(6000kmで損傷発生)操縦安定性も低下した。
【0037】T2 =T1 とした場合、ビード耐久性が悪
く操縦安定性も低下した。ところで、本発明は、上記実
施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は空
気入りラジアルタイヤであれば、タイヤサイズやトレッ
ドパターン、扁平率等はもとより、その適用車種や対応
路面等が限定されるものではない。
【0038】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、第1の目
的を達成すべく提案された本発明に係る空気入りタイヤ
では、ボディプライを1プライ化してその巻上端をリム
ラインレベルにしたうえで、上記した各位置のゴム厚関
係t/T0 を40%以下に形成したり、径外側ビードフ
ィラーと径内側ビードフィラーとのゴム硬度関係を所定
に保持させたりしているので、タイヤの軽量化やコスト
削減を図りつつも、操縦安定性、乗り心地、ビード部ま
わりの耐久性等を好適に満足させるものである。
【0039】そのうえ、ボディプライの巻付量は最低限
に確保できるものであり、製造工程中の成形・加硫工程
でボディプライのスッポ抜けを防止できることにもなる
し、またボディプライの巻上端高さに多少のバラツキが
生じることを許容できるために、その配置上の精度に神
経を尖らせる必要がなくなり、もって製造の容易化及び
高能率化等が図れる利点もある。
【0040】また、第2の目的を達成すべく提案された
本発明に係る空気入りタイヤでは、ボディプライを1プ
ライ化してその巻上端をリムラインレベルにしたうえ
で、上記した各位置のゴム厚関係をT2 <T1 で、且つ
20.0%≦T2 /T0 ≦35.0%としたり、T1
0 ≦35%としたりしているため、タイヤの軽量化や
コスト削減を図りつつも、縁石等への乗り上げ時におけ
るタイヤサイド部の破損防止性能を好適に満足させるも
のである。
【0041】勿論、操縦安定性や乗り心地等も良好に保
持できるものである。しかも、この構成では、ボディプ
ライに用いるコードのデニール数、打込み本数、ボディ
プライの巻上端位置等が拘束されずに、タイヤサイド部
の破損防止効果を高めることができるので、構成の簡潔
化、各種タイヤ構造への汎用性等が図れる利点がある。
【0042】更に、タイヤ製造過程として、特別に複雑
な工程を必要とするものではなく、生産性に優れている
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気入りタイヤの第1実施形態を
示す要部正面断面図である。
【図2】図1中の一部(ボディプライの巻上端付近)を
拡大して示す図である。
【図3】本発明に係る空気入りタイヤの第2実施形態を
示す要部正面断面図である。
【図4】本発明に係る空気入りタイヤの第3実施形態を
示す要部正面断面図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ 2 クラウン部 7 サイドウォール 9 ボディプライ 9a 外向き面 9b 内向き面 10 ビードコア 13 径内側ビードフィラー 14 径外側ビードフィラー 15 ビードフィラー 16 巻上端 17 リムライン 23 ビードフィラーの径方向外端部ライン 24 タイヤ断面高さの中間位置ライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビードコア(10)の径方向外方に径内
    側ビードフィラー(13)及び径外側ビードフィラー
    (14)を有しており、1プライ化されたボディプライ
    (9)がクラウン部(2)側からサイドウォール(7)
    に沿ってビードコア(10)まわりをタイヤ内側から外
    側へと巻き上げられた後、その巻上端(16)が径内側
    ビードフィラー(13)と径外側ビードフィラー(1
    4)との相互間へ挟まれてリムライン(17)レベルへ
    位置付けられており、 上記リムライン(17)上において、ボディプライ
    (9)の巻上前位置の外向き面(9a)を基準として、
    巻上後位置の内向き面(9b)までのゴム厚さをtと
    し、タイヤ外面までのゴム厚さをT0 とするとき、t/
    0 が40%以下に形成されていることを特徴とする空
    気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記径外側ビードフィラー(14)のゴ
    ム硬度は、径内側ビードフィラー(13)のゴム硬度と
    同じか又は5°を超えない範囲で低く設定されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 1プライ化されたボディプライ(9)が
    クラウン部(2)側からサイドウォール(7)に沿って
    ビードコア(10)まわりをタイヤ内側から外側へと巻
    き上げられた後、その巻上端(16)がビードコア(1
    0)の径方向外方に設けられたビードフィラー(15)
    の外側でリムライン(17)レベルへ位置付けられてお
    り、 上記リムライン(17)上においてボディプライ(9)
    の巻上前位置の外向き面(9a)からタイヤ外面までの
    ゴム厚さをT0 とし、ビードフィラー(15)の径方向
    外端部ライン(23)上においてボディプライ(9)の
    外向き面(9a)からタイヤ外面までのゴム厚さをT1
    とし、タイヤ断面高さ(H)の中間位置ライン(24)
    上においてボディプライ(9)の外向き面(9a)から
    タイヤ外面までのゴム厚さをT2 とするとき、 T2 <T1 であり、且つ20.0%≦T2 /T0 ≦3
    5.0%とされていることを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 1プライ化されたボディプライ(9)が
    クラウン部(2)側からサイドウォール(7)に沿って
    ビードコア(10)まわりをタイヤ内側から外側へと巻
    き上げられた後、その巻上端(16)がビードコア(1
    0)の径方向外方に設けられたビードフィラー(15)
    の外側でリムライン(17)レベルへ位置付けられてお
    り、 上記リムライン(17)上においてボディプライ(9)
    の巻上前位置の外向き面(9a)からタイヤ外面までの
    ゴム厚さをT0 とし、ビードフィラー(15)の径方向
    外端部ライン(23)上においてボディプライ(9)の
    外向き面(9a)からタイヤ外面までのゴム厚さをT1
    とし、タイヤ断面高さ(H)の中間位置ライン(24)
    上においてボディプライ(9)の外向き面(9a)から
    タイヤ外面までのゴム厚さをT2 とするとき、 T2 <T1 であり、且つT1 /T0 ≦35%とされてい
    ることを特徴とする空気入りタイヤ。
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