JP4602583B2 - 粉体化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャンデリラワックスより分別抽出して得られた樹脂分及びフッ素化合物処理粉体を含有する粉体化粧料に関し、更に詳しくは、べたつき感が無く、肌への密着性に優れ、均一な化粧膜を形成することができ、化粧持続性に優れた粉体化粧料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
粉体化粧料は、通常、粉体及び油剤から構成され、ファンデーションやアイシャドウ等のメーキャップ化粧料に汎用されている化粧品剤型である。この粉体化粧料において、化粧持続性は極めて重要な品質項目である。このため、粉体化粧料の化粧持続性を向上させるために、種々の技術が開発され用いられてきた。具体的には、化粧崩れの原因として経時的に肌から分泌される汗や皮脂に着目して、かかる化粧崩れを防止するために、配合される粉体を金属石鹸、脂肪酸、シリコーン油、フッ素化合物等で処理することにより、粉体の耐水、耐油性を高める技術等が用いられていた。また、油剤中にロジン酸系樹脂等の油溶性樹脂を配合し、肌への密着性を高め、化粧崩れを防止する技術等が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属石鹸、脂肪酸、シリコーン油等で処理した粉体は、耐水性はあるものの、耐油性に乏しく、皮脂による化粧崩れを防止することができなかった。また、フッ素化合物で処理した粉体は、耐水、耐油性は優れるものの、肌への密着性に乏しく、化粧持続性に欠ける場合があった。更に、ロジン酸系樹脂を配合し、化粧崩れを防止するためには、ある程度多量に配合する必要があり、多量に配合するとべたつきを感じてしまい、使用感の上で満足のできるものが得られ難かった。
このため、べたつき感が無く、肌への密着性に優れ、均一な化粧膜を形成することができ、化粧持続性に優れた粉体化粧料の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、キャンデリラワックスから分別抽出して得られる樹脂分及びフッ素化合物処理粉体を含有する粉体化粧料が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
すなわち本発明は、次の成分(a)及び(b);
(a)キャンデリラワックスより分別して得られた樹脂分
(b)フッ素化合物処理粉体
を含有することを特徴とする粉体化粧料を提供するものである。また、成分(a)を0.1〜15重量%、成分(b)を0.1〜85重量%含有することを特徴とする前記粉体化粧料、成分(b)のフッ素化合物がパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩であることを特徴とする前記粉体化粧料を提供するものである。そして、成分(a)の樹脂分の軟化点が35〜55℃であることを特徴とする前記何れかの粉体化粧料を提供するものである。更に、粉体化粧料が固形状であることを特徴とする前記何れかの粉体化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(a)の樹脂分は、キャンデリラワックスから有機溶剤で分別抽出して得られる樹脂分である。キャンデリラワックスには、通常15〜30質量%(以下、単に「%」と略す。)の樹脂分を含有するが、本発明に用いられる樹脂分は65%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。この分別抽出は、キャンデリラワックスに有機溶剤を添加して水浴上等で加熱することにより、キャンデリラワックスを溶解する。次に、これを常温まで冷却して、ワックスの結晶を析出させ、濾過により結晶を除去し、この濾液から有機溶剤を蒸留回収することにより得られる。尚、ここで用いられる有機溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ケトン類、エステル類が挙げられる。このようにして得られた樹脂成分は、淡黄色〜琥珀色の透明な樹脂分であり、軟化点が35〜55℃であり、従来のキャンデリラワックスの融点(約72℃)と比較して非常に低い軟化点を有する。
【0007】
このような、キャンデリラワックスから有機溶剤で分別抽出して得られる樹脂分は、INCI(International Normenclature Cosmetic Ingredient)名キャンデリラワックスエキストラクト等が挙げられ、市販品として、キャンデリラレジン(日本ナチュラル社製)等が挙げられる。
【0008】
本発明の粉体化粧料における成分(a)の含有量は、0.1〜15%が好ましく、1〜10%が特に好ましい。含有量がこの範囲であれば、使用性及び使用感がより良好で、汗、皮脂に対する化粧崩れ防止効果により優れる粉体化粧料を得ることができる。尚、本発明の粉体化粧料における成分(a)の樹脂分の含有方法は、特に限定されないが、油剤に溶解し粉体と混合分散して含有させる方法の他に、予め粉体に通常公知の方法により表面処理して含有させる方法も可能である。
【0009】
本発明に用いられる成分(b)のフッ素化合物処理粉体は、フッ素化合物により粉体を処理したものである。フッ素化合物としては、通常公知の処理剤であるフッ素化合物を用いることができ、例えば、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基を有する重合体等が挙げられる。
【0010】
前記パーフルオロアルキル基含有エステルとしては、下記一般式(1)
【化1】
【0011】
(但し、式中Rfは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても、混合鎖長のものであってもよい。mは1〜12の整数を示し、yは1〜3の数を示す。Mは同一又は異なっても良く、水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウム等を示す。)
で表されるパーフルオロアルキル基含有エステル等が挙げられ、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩、ジヘプタデカフルオロデシルリン酸等が挙げられる。市販品としては、アサヒガードAG−530(旭硝子社製)等が挙げられる。
【0012】
前記パーフルオロアルキルシランとしては、下記一般式(2)
【化2】
【0013】
(但し、式中、aは1〜12の整数を示し、bは1〜5の整数を示し、Xは同一又は異なっても良く、アルコキシ基、ハロゲン原子又はアルキル基を示す。ただし、すべてのXがアルキル基の場合を除く)
で表わされるパーフルオロアルキルシラン等が挙げられる。市販品としては、LS−160、LS−360、LS−912、LS−1080、LS−1090、LS−1465(何れも、信越化学工業社製)、XC95−418、XC95−466、XC95−467、XC95−468、XC95−469、XC95−470、XC95−471、XC95−472(何れも、東芝シリコーン社製)等が挙げられる。
【0014】
前記パーフルオロポリエーテルとしては、下記一般式(3)
【化3】
【0015】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一又は異なっても良く、それぞれフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はオキシパーフルオロアルキル基を示し、p、q、及びrは分子量500〜100,000を与える0以上の整数を示す。ただし、p=q=r=0となることはない)
で表されるパーフルオロポリエーテル等が挙げられる。市販品としては、FOMBLIN HC−04,同HC−25、同HC−R(何れも、モンテフルオス社製)、デムナムS−20、同S−65、同S−100、同S−200(何れも、ダイキン工業社製)等が挙げられる。
【0016】
前記パーフルオロアルキル基を有する重合体としては、下記化学式(4)〜(6)
【化4】
【化5】
【化6】
【0017】
で表されるパーフルオロアルキル基を有するアクリレート又はメタアクリレートの単独重合体;パーフルオロアルキル基を有するアクリレート又はメタアクリレートとアクリル酸エステル、無水マレイン酸、クロロプレン、ブタジエン、メチルビニルケトン等の重合可能な化合物との共重合体等が挙げられる。また、これらポリフルオロアルキル基を有する重合可能な化合物の重合体又は共重合体と、塩化ビニル、酢酸ビニル、フッ化ビニル、エチレン、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチロール化ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、イソプレン、グリシジルアクリレート等のポリフルオロアルキル基を有さない重合可能な化合物の一種又は二種以上との共重合体等が挙げられる。
【0018】
尚、本発明の成分(b)におけるフッ素化合物としては、耐水、耐油性及び使用感の観点より、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩が特に好ましい。
【0019】
本発明に用いられる成分(b)におけるフッ素化合物で処理される粉体は、通常化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等を用いることができる。具体的には、着色剤として、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、タール系色素等、感触調整剤として、酸化珪素、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、炭化珪素、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン、板状硫酸バリウム、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、窒化硼素、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー等、紫外線遮断剤として、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタン被覆雲母、微粒子酸化亜鉛被覆雲母、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、これら粉体は、分散性や付着性を改良するために、シリコーン類、金属石鹸類、油剤類等の通常公知の方法により、表面処理されたものを用いることもできる。
【0020】
本発明に用いられる成分(b)における、粉体の処理方法は、従来公知の方法を用いることができ特に限定するものではない。例えば、粉体に水を加えてスラリー状態とし、予めフッ素化合物に水を加えて撹拌して0.1〜5%のエマルション状態としたものを、前記スラリーに徐々に添加、混合した後、酸性とし、常温または高温静置等によってエマルションを破壊して粉体をフッ素化合物の連続層で被覆させ、次いで洗浄、濾過、乾燥する方法、フッ素化合物と粉体とをエタノール、イソプロピルアルコール等の有機溶媒中に溶解、分散し、加熱しながら減圧乾燥することにより該有機溶媒を留去する方法等を挙げることができる。
【0021】
本発明に用いられる成分(b)のフッ素化合物処理粉体における、フッ素化合物の処理量は、0.1〜10%が好ましく、0.5〜5%が特に好ましい。処理量がこの範囲であれば、使用性及び使用感がより良好で、耐水、耐油性の優れたフッ素化合物処理粉体を得ることができる。
【0022】
本発明の粉体化粧料における成分(b)の含有量は、0.1〜85%が好ましく、1〜80%が特に好ましい。含有量がこの範囲であれば、使用性及び使用感がより良好で、化粧持続性のより優れた粉体化粧料を得ることができる。
【0023】
本発明の粉体化粧料には、粉体の結合剤、エモリエント剤、感触調整剤等の目的で油剤を含有することができる。このような油剤は、通常化粧料に用いられる油剤であり、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モクロウ、モンタンワックス、フィッシュトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。本発明の粉体化粧料にこれら油剤を含有する場合の含有量は、概ね0.1〜40%が好ましい。
【0024】
本発明の粉体化粧料には、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記フッ素化合物処理以外の粉体、界面活性剤、ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の紫外線吸収剤、グリセリン、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール、アスコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類、消炎剤、生薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等の防腐剤、トリメチルメトキシケイ酸、アクリル変性シリコーン等の被膜形成剤、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、寒天、ペクチン等の水溶性高分子、水、香料等を適宜配合することができる。
【0025】
本発明の粉体化粧料に配合可能な界面活性剤は、通常化粧料に用いられている界面活性剤であれば、何れでも良く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。本発明の粉体化粧料にこれら界面活性剤を含有する場合の含有量は、概ね0.01〜10%が好ましい。
【0026】
本発明の粉体化粧料の形態は、粉末状、固形状等が挙げられるが、本発明の効果が発揮されやすい形態は、固形状である。また、本発明の粉体化粧料は、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、日焼け止め料、コンシーラー等のメーキャップ化粧料や、美白パウダー、ボディパウダー、制汗パウダー等に応用可能であるが、本発明の効果が特に発揮されやすい化粧料は、メーキャップ化粧料である。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0028】
実施例1〜7及び比較例1〜3:固形粉末状アイシャドウ
表1及び表2に示す固形粉末状アイシャドウを以下に示す製造方法により調製し、「べたつき感の無さ」、「肌への密着性」、「化粧膜の均一性」、「化粧持続性」について以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を合わせて表1及び表2に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
(製造方法)
A:成分1〜15を混合分散する。
B:成分16〜21を加熱し混合する。
C:AにB及び成分22を添加し、均一分散する。
D:Cを粉砕し、金皿にプレス成型して固形粉末状アイシャドウを得た。
【0032】
(評価方法)
化粧品専門パネル20名に上記実施例及び比較例の固形粉末状アイシャドウを使用してもらい、「べたつき感の無さ」、「肌への密着性」、「化粧膜の均一性」、「化粧持続性」について、各自が以下の基準に従って5段階評価し、更に、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。尚、化粧持続性については、化粧料塗布後、5時間後の状態を評価した。
【0033】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜7の固形粉末状アイシャドウは、「べたつき感の無さ」、「肌への密着性」、「化粧膜の均一性」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた粉体化粧料であった。一方、フッ素化合物処理粉体の代わりに、シリコーン処理した粉体を用いた比較例1では、化粧持続性等において、劣っていた。また、本発明の成分(a)の樹脂分を含有しない比較例2では、肌への密着性、化粧持続性等において、劣っていた。更に、本発明の成分(a)の樹脂分の代わりにロジン酸系樹脂を含有した比較例3では、べたつき感の無さ等において、劣っていた。
【0034】
注5:パーフルオロポリエーテル〔FOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)〕5%処理
注6:ジメチルポリシロキサン5%処理
注7:樹脂分65%、遊離アルコール分18%、遊離脂肪酸分9%、エステル分5%、炭化水素分3%、軟化点35〜40℃。
【0035】
(製造方法)
A:成分1〜9を混合分散する。
B:成分10〜13を加熱し混合する。
C:AにBを添加し、均一分散する。
D:Cを粉砕し、金皿にプレス成型して固形粉末状ファンデーションを得た。
本発明に係わる実施例8の固形粉末状ファンデーションは、「べたつき感の無さ」、「肌への密着性」、「化粧膜の均一性」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた粉体化粧料であった。
【0036】
【0037】
(製造方法)
A:成分1〜5を混合分散し、粉砕する。
B:Aを容器に充填して、粉末状白粉を得た。
本発明に係わる実施例9の粉末状白粉は、「べたつき感の無さ」、「肌への密着性」、「化粧膜の均一性」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた粉体化粧料であった。
【0038】
【0039】
(製造方法)
A:成分1〜5を混合分散する。
B:成分6〜7を加熱し混合する。
C:AにBを添加し、均一分散する。
D:Cを粉砕し、金皿にプレス成型して固形粉末状頬紅を得た。
本発明に係わる実施例10の固形粉末状頬紅は、「べたつき感の無さ」、「肌への密着性」、「化粧膜の均一性」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた粉体化粧料であった。
【0040】
注7:トレフィルE−701(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)
【0041】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合分散する。
B:成分5〜6を加熱し混合する。
C:AにBを添加し、均一分散する。
D:Cを粉砕し、樹脂皿にプレス成型して固形粉末状アイブロウを得た。
本発明に係わる実施例11の固形粉末状アイブロウは、「べたつき感の無さ」、「肌への密着性」、「化粧膜の均一性」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた粉体化粧料であった。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の粉体化粧料は、べたつき感が無く、肌への密着性に優れ、均一な化粧膜を形成することができ、化粧持続性に優れた粉体化粧料であった。
Claims (4)
- 次の成分(a)及び(b);
(a)キャンデリラワックスより分別して得られた樹脂分
(b)フッ素化合物処理粉体
を含有することを特徴とする固形状の粉体化粧料。 - 成分(a)を0.1〜15重量%、成分(b)を0.1〜85重量%含有することを特徴とする請求項1記載の固形状の粉体化粧料。
- 成分(b)のフッ素化合物がパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩であることを特徴とする請求項1又は2記載の固形状の粉体化粧料。
- 成分(a)の軟化点が35〜55℃であることを特徴とする請求項1〜3の何れかの項記載の固形状の粉体化粧料。
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