JP4712996B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャンデリラワックスより分別抽出して得られた樹脂成分により処理された粉体を含有する化粧料に関し、更に詳しくは、キャンデリラワックスや樹脂特有の特異臭が無く、べたつかず、肌への密着性に優れ、化粧膜の均一性及び化粧膜の持続性が良好であり、特に固形粉末化粧料においては、使用時のケーキ表面の均一性に優れた化粧料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、化粧料には、肌への密着性を高めたり、化粧膜の持続性を高めるために、ポリブテンやワセリン等のペースト油、キャンデリラワックス等の固形油、ロジン酸系樹脂、マレイン酸変性エステルガム等の樹脂成分が配合されていた。また、これらペースト油やワックスは、化粧料中での分散性を高めるために、予め粉体に処理して配合する方法が知られている。特にロジン酸系樹脂成分は、その付着力の高さから、化粧料の肌への付着性を向上させ、化粧膜の持続性に優れる成分として、汎用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロジン酸系樹脂成分は、肌への密着性を向上させ、化粧膜の持続性を向上させることができる反面、多量に配合した場合、使用時にべたつきを感じたり、軟化点が70℃以上と高いので、粘性が非常に高くなり油への均一分散が難しく、局在化を起こすことがあった。その結果、化粧膜の均一性が失われたり、特に化粧料が固形粉末化粧料の場合には、使用時にケーキ表面のムラや凸凹を生ずる場合があった。更に、キャンデリラワックス等の固形油やロジン酸系樹脂等を予め粉体に処理して、化粧料に配合する方法では、処理時の加熱により、キャンデリラワックスや樹脂特有の特異臭を生ずることがあった。
このため、特異臭が無く、べたつかず、肌への密着性に優れ、化粧膜の均一性及び化粧膜の持続性が良好であり、特に固形粉末化粧料においては、使用時のケーキ面の均一性に優れた化粧料の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、キャンデリラワックスから分別抽出して得られる樹脂成分を粉体に予め処理し、その処理された粉体を含有させることにより、比較的多量の樹脂成分を化粧料に含有させることができ、上記課題を解決する化粧料が得られることを見出し本発明を完成させた。
【0005】
すなわち本発明は、キャンデリラワックスより分別抽出して得られた樹脂成分により処理された粉体を含有することを特徴とする化粧料を提供するものである。また、前記処理された粉体における、キャンデリラワックスより分別抽出して得られた樹脂成分の処理量が0.1〜10質量%であることを特徴とする前記化粧料を提供するものである。更に、前記樹脂成分の軟化点が35〜55℃であることを特徴とする前記何れかの化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる樹脂成分は、キャンデリラワックスから有機溶剤で分別抽出して得られる樹脂成分である。キャンデリラワックスには、通常15〜30質量%(以下、単に「%」と略す。)の樹脂分を含有するが、本発明に用いられる樹脂分は65%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。この分別抽出は、キャンデリラワックスに有機溶剤を添加して水浴上等で加熱することにより、キャンデリラワックスを溶解する。次に、これを常温まで冷却して、ワックスの結晶を析出させ、濾過により結晶を除去し、この濾液から有機溶剤を蒸留回収することにより得られる。尚、ここで用いられる有機溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ケトン類、エステル類が挙げられる。このようにして得られた樹脂成分は、淡黄色〜琥珀色の透明な樹脂分であり、軟化点が35〜55℃であり、従来のキャンデリラワックスの融点(約72℃)と比較して非常に低い軟化点を有する。本発明の化粧料において、通常の融点の高いキャンデリラワックスでは、粘度が高すぎて粉体への分散性が損なわれ、化粧料中で局在化を起こし、不均一になってしまう。このため肌への付着性が低下し、化粧膜の持続性も損なわれる。更に、融点の高いキャンデリラワックスでは、粉体の表面に処理する時に、70℃以上の加熱工程が必要になり、作業性も損なわれる。
【0007】
このような、キャンデリラワックスから有機溶剤で分別抽出して得られる樹脂成分は、INCI(International NormenclatureCosmetic Ingredient)名キャンデリラワックスエキストラクト等が挙げられ、市販品として、キャンデリラレジン(日本ナチュラル社製)等を用いることができる。
【0008】
本発明に用いられる前記樹脂成分により、処理される粉体は、通常化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等を用いることができる。具体的には、着色剤として、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、タール系色素等、感触調整剤として、酸化珪素、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、炭化珪素、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン、板状硫酸バリウム、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、窒化硼素、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー等、紫外線遮断剤として、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタン被覆雲母、微粒子酸化亜鉛被覆雲母、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、これら粉体は、分散性や付着性を改良するために、シリコーン類、フッ素化合物類、金属石鹸類、油剤類等の通常公知の方法により、表面処理されたものを用いることもできる。
【0009】
本発明において、前記樹脂成分で粉体を処理する方法は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、前記樹脂成分と粉体とをエタノール、イソプロピルアルコール等の有機溶媒中に溶解、分散し、加熱しながら減圧乾燥することにより該有機溶媒を留去する湿式法等を挙げることができる。また、その他の方法として、噴霧乾燥装置を用いる気相法、メカノケミカル反応を利用した乾式法等が挙げられる。かかる方法によって得られた処理粉体は、エネルギー流体ミル等の粉砕機による粉砕、水簸等により分級して用いることができる。更に、本発明の前記樹脂成分を粉体に処理する際に、通常化粧料に用いられる油剤と前記樹脂成分を混合して処理しても良い。尚、前記処理粉体を更に、シリコーン類、フッ素化合物類、金属石鹸類、油剤類等の通常公知の方法により、表面処理して用いることもできる。
【0010】
本発明において、前記樹脂成分の粉体への処理量は、処理効率、肌への密着性等の観点より、0.1〜10%が好ましく、0.2〜7%が特に好ましい。
【0011】
本発明の化粧料における、前記樹脂成分により処理された粉体の含有量は、化粧料の剤型により異なるが、概ね1〜99%である。尚、連続相が粉体である粉体化粧料の場合は1〜99%、連続相が油である油性化粧料の場合は1〜50%、水中油型乳化化粧料の場合は0.5〜30%、油中水乳化化粧料の場合は0.5〜20%が、それぞれ好ましい。この範囲で用いると、特異臭が無く、肌への密着性により優れた化粧料を得ることができる。
【0012】
本発明の化粧料には、粉体の結合剤、エモリエント剤、感触調整剤等の目的で油剤を含有することができる。このような油剤は、通常化粧料に用いられる油剤であり、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モクロウ、モンタンワックス、フィッシュトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。本発明の化粧料にこれら油剤を含有する場合の含有量は、化粧料の剤型により異なるが、概ね1〜99%である。尚、粉体化粧料の場合は0.1〜40%、油性化粧料の場合は40〜99%、水中油型乳化化粧料の場合は1〜30%、油中水乳化化粧料の場合は5〜90%が、それぞれ好ましい。
【0013】
本発明の化粧料には、分散剤、乳化剤、湿潤剤、化粧持続性向上剤等の目的で界面活性剤を含有することができる。このような界面活性剤は、通常化粧料に用いられている界面活性剤であれば、何れでも良く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。本発明の化粧料にこれら界面活性剤を含有する場合の含有量は、概ね0.01〜10%である。
【0014】
本発明の化粧料には、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記樹脂成分処理粉体以外の粉体、ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の紫外線吸収剤、グリセリン、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール、アスコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類、消炎剤、生薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等の防腐剤、トリメチルメトキシケイ酸、アクリル変性シリコーン等の被膜形成剤、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、寒天、ペクチン等の水溶性高分子、水、香料等を適宜配合することができる。
【0015】
本発明の化粧料の剤型は、特に限定されないが、粉体化粧料、油性化粧料、水中油型乳化化粧料、油中水型乳化化粧料等が挙げられ、形態としては粉末状、固形状、棒状、乳液状、クリーム状等が挙げられる。また、本発明の化粧料は、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、日焼け止め料、コンシーラー等のメーキャップ化粧料や、美白パウダー、ボディパウダー、制汗パウダー等に応用可能であるが、本発明の効果が特に発揮されやすい化粧料は、メーキャップ化粧料である。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0017】
製造例1:樹脂処理タルク
樹脂成分(注1)30gをイソプロピルアルコール500gに溶解し、これに平均粒径約5μmのタルク970gを加えて、室温で10分間攪拌する。次いで、この分散液を80℃まで加熱し、減圧下においてイソプロピルアルコールを回収する。そして、得られた粉体を常温まで冷却後、ハンマーミルにより粉砕し、樹脂成分3%処理タルクを得た。
注1:樹脂分90%、遊離アルコール分5%、遊離脂肪酸分2%、エステル分2%、炭化水素分1%、軟化点45〜55℃。
【0018】
製造例2:樹脂処理タルク
樹脂成分(注2)80gをイソプロピルアルコール500gに溶解し、これに平均粒径約5μmのタルク920gを加えて、室温で10分間攪拌する。次いで、この分散液を80℃まで加熱し、減圧下においてイソプロピルアルコールを回収する。そして、得られた粉体を常温まで冷却後、ハンマーミルにより粉砕し、樹脂脂成分8%処理タルクを得た。
注2:樹脂分65%、遊離アルコール分18%、遊離脂肪酸分9%、エステル分5%、炭化水素分3%、軟化点35〜40℃。
【0019】
製造例3:樹脂処理雲母
製造例1のタルクを平均粒径約15μmの雲母に代えて、同様に製造し、樹脂成分3%処理雲母を得た。
【0020】
製造例3:樹脂処理混合粉体
樹脂成分(注1)50gをイソプロピルアルコール500gに溶解又は分散し、これに平均粒径約15μmのマイカ200g、平均粒径約5μmのタルク200g、平均粒径約8μmの無水珪酸20g、平均粒径約0.35μmの酸化チタン100g、平均粒径約40nmの微粒子酸化チタン50g、平均粒径約0.1μmの酸化亜鉛50g、ベンガラ5g、黄酸化鉄30g、黒酸化鉄10g、雲母チタン〔チミロンスーパーレッド(メルク社製)〕30g、平均粒径約10μmのセリサイト255gを加えて、室温で10分間攪拌する。次いで、この分散液を80℃まで加熱し、減圧下においてイソプロピルアルコールを回収する。得られた粉体を室温まで冷却後、ハンマーミルにより粉砕し、樹脂脂成分5%処理混合粉体を得た。
【0021】
製造比較1:油剤処理タルク
製造例1の樹脂成分50gをスクワラン25g、ワセリン25gに代えて、同様に製造し、油剤5%処理タルクを得た。
【0022】
製造比較2:ロジン酸系樹脂処理タルク
製造例1の樹脂成分をロジン酸ペンタエリスリトール〔エステルガムHP(荒川化学工業社製)〕に代えて、同様に製造し、ロジン酸系樹脂5%処理タルクを得た。
【0023】
製造比較3:キャンデリラワックス処理タルク
製造例1の樹脂成分を融点80〜86℃のキャンデリラワックス〔精製キャンデリラワックスNo.1(野田ワックス社製)〕に代えて、同様に製造し、キャンデリラワックス5%処理タルクを得た。
【0024】
実施例1〜5及び比較例1〜4:固形粉末状ファンデーション
表1及び表2に示す固形粉末状ファンデーションを以下に示す製造方法により調製し、「肌への密着性」、「べたつきの無さ」、「化粧膜の均一性」、「化粧膜の持続性」、「特異臭の無さ」、「ケーキ面の均一性」について以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を合わせて表1及び表2に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
(製造方法)
A:成分1〜16を混合分散する。
B:成分17〜22を加熱し混合する。
C:AにB及び成分23を添加し、均一分散する。
D:Cを粉砕し、金皿にプレス成型して固形粉末状ファンデーションを得た。
【0028】
(評価方法)
化粧品専門パネル20名に上記実施例及び比較例の固形粉末状ファンデーションを使用してもらい、「肌への密着性」、「べたつきの無さ」、「化粧膜の均一性」、「化粧膜の持続性」、「特異臭の無さ」、「ケーキ面の均一性」について、各自が以下の基準に従って5段階評価し、更に、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。尚、化粧膜の持続性については、化粧料塗布後、5時間後の状態を評価し、ケーキ面の均一性については、化粧塗布後のケーキ表面状態を評価した。
評価基準:
使用感 : 評点
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
評点の平均点 : 判定
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
2.0以上〜3.5未満 : △
2.0未満 : ×
【0029】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜5の固形粉末状ファンデーションは、「肌への密着性」、「べたつきの無さ」、「化粧膜の均一性」、「化粧膜の持続性」、「特異臭の無さ」、「ケーキ面の均一性」の全ての項目に優れた化粧料であった。一方、本発明の樹脂成分で処理した粉体の代わりに、油剤で処理した粉体を用いた比較例1では、肌への密着性、化粧膜の均一性、化粧膜の持続性において、劣っていた。また、本発明の樹脂成分で処理した粉体の代わりに、ロジン酸系樹脂で処理した粉体を用いた比較例2では、べたつきの無さ、化粧膜の均一性、特異臭の無さにおいて、劣っていた。更に、本発明の樹脂成分で処理した粉体の代わりに、キャンデリラワックスで処理した粉体を用いた比較例3では、肌への密着性、化粧膜の持続性、ケーキ面の均一性において、劣っていた。そして、キャンデリラワックスより分別抽出して得られた軟化点35〜55℃の樹脂成分を粉体に処理せずに、油剤に溶解して含有する比較例4では、ケーキ面の均一性において、劣っていた。
【0030】
【0031】
(製造方法)
A:成分8〜9を混合する。
B:A及び成分1〜7を混合分散する。
C:Bを粉砕し、容器に充填して、粉末状白粉を得た。
実施例6の粉末状白粉は、「肌への密着性」、「べたつきの無さ」、「化粧膜の均一性」、「化粧膜の持続性」、「特異臭の無さ」の全ての項目に優れた化粧料であった。
【0032】
【0033】
(製造方法)
A:成分7〜12を加熱溶解する。
B:Aに成分1〜6及び成分13を加えて、混合分散する。
C:Bを溶融して、金皿に充填して、油性固形ファンデーションを得た。
実施例7の油性固形ファンデーションは、「肌への密着性」、「べたつきの無さ」、「化粧膜の均一性」、「化粧膜の持続性」、「特異臭の無さ」の全ての項目に優れた化粧料であった。
【0034】
【0035】
(製造方法)
A:成分1〜4を加熱溶解する。
B:成分5〜7を混合分散する。
C:Bに成分8〜11を加えて、均一分散する。
D:AにCを加えて、70℃で乳化する。
E:Dを室温まで冷却し、成分12を加えて混合する。
F:Eを容器に充填して、水中油型乳液状ファンデーションを得た。
実施例8の水中油型乳液状ファンデーションは、「肌への密着性」、「べたつきの無さ」、「化粧膜の均一性」、「化粧膜の持続性」、「特異臭の無さ」の全ての項目に優れた化粧料であった。
【0036】
【0037】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合分散する。
B:成分5〜7を混合する。
C:Aを攪拌しながらB及び成分8を添加し、乳化する。
D:Cを容器に充填して、油中水型乳化クリーム状ファンデーションを得た。
実施例9の油中水型乳化クリーム状ファンデーションは、「肌への密着性」、「べたつきの無さ」、「化粧膜の均一性」、「化粧膜の持続性」、「特異臭の無さ」の全ての項目に優れた化粧料であった。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の化粧料は、キャンデリラワックスや樹脂特有の特異臭が無く、べたつかず、肌への密着性に優れ、化粧膜の均一性及び化粧膜の持続性が良好であり、特に固形粉末化粧料においては、使用時のケーキ面の均一性に優れた化粧料であった。
Claims (4)
- キャンデリラワックスより分別抽出して得られた樹脂成分を有機溶媒に溶解または分散した溶液に、粉体を加えて懸濁液とし、次いでこの懸濁液から有機溶媒を除去することにより前記樹脂成分で処理された処理粉体を含有することを特徴とする化粧料。
- キャンデリラワックスより分別抽出して得られた樹脂成分の粉体に対する処理量が0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
- 前記樹脂成分の軟化点が35〜55℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料。
- 有機溶媒がエタノールまたはイソプロパノールである請求項1ないし3の何れかの項記載の化粧料。
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