JP4601366B2 - 医療用粘着シート類およびその製造方法 - Google Patents

医療用粘着シート類およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療用衛生材料分野等で使用される粘着シート類に関し、特に、救急絆創膏、大型絆創膏、粘着包帯、ドレッシング材等に使用される医療用粘着シート類に関する。
粘着テープ等の粘着層に用いられる粘着剤としては、接着性及び透湿性に優れ、かつ、皮膚に対する化学的刺激の低い(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーからなる粘着剤が一般的に使用されている。ところが、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーからなる粘着剤は接着力が強いので、粘着テープを皮膚から剥離する際に痛みを感じさせたり、皮膚の角質層や表皮に損傷を与えることがあった。特に、同一部位に繰り返して粘着テープを貼付する場合には、出血を伴うような皮膚損傷を生ずることもあり、大きな問題となっていた。
このような皮膚に対する物理的刺激を低減させる目的で、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマー中に、このポリマーと相溶可能な液状成分を多量に含有させて、架橋処理を施してゲル状にした粘着剤が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。例えば、このような粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーの有する高い接着性を保持したまま、剥離時に皮膚面に与える応力を緩和させ、分散させることができる。したがって、皮膚に対する物理的刺激が少なく、角質等の剥離を生じることがないので、経皮吸収型のテープ製剤や医療用サージカルテープに適用されている。
しかしながら、ここに開示された粘着剤をフィルムに積層して粘着テープを形成すると、粘着剤中の液状成分がフィルムへ移行してフィルムが膨潤し、変形が生じる。したがって、粘着シート類の打抜き加工等の加工適性が極端に低下する。
特開平6−23029号公報 特開平6−319793号公報
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明は、適当な粘着力と良好な加工適性を有し、被着体から剥離する際に、被着体に与える物理的刺激を低く抑えることができ、かつ、支持体が膨化変形を生じない医療用粘着シート類を提供すること、および、この医療用粘着シート類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の医療用粘着シート類は、支持層の少なくとも一方の面に粘着層を有する粘着シート類であって、該粘着層は、アクリル系重合体100重量部と、該アクリル系重合体と相溶可能な室温で液状もしくはペースト状である相溶可能成分30〜100重量部とを主成分として有する粘着剤を用いて形成されたものであり、前記支持層は、該アクリル系重合体と相溶可能な室温で液状もしくはペースト状である相溶可能成分を含有し、前記支持層に含有される相溶可能成分の量が前記粘着層に含有される相溶可能成分の量の70%以下であり、かつ、該相溶可能成分を含まない状態で200%以上の伸びを有することを特徴とする。
ここで、前記支持層に含有される相溶可能成分と、前記粘着層に含有される相溶可能成分とが、同一組成であることが好ましい。
また、前記相溶可能成分が、炭素数8〜18の一塩基酸または炭素数8〜18の多塩基酸と、炭素数14〜18の分岐アルコールとのエステル、及び/又は、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸と、4価以下のアルコールとのエステルであることができる。
また、前記粘着層は、前記アクリル系重合体の40〜80重量%が不溶化されていることができる。
本発明において、前記支持層は、ウレタン−アクリル複合樹脂を含有する樹脂組成物から形成されることができる。
また、前記ウレタン−アクリル複合樹脂は、ウレタン−アクリル複合水分散物を調整した後、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする、ポリマーのガラス転移温度が273K以上となる非粘着化用単量体を加え、重合処理することにより得られることが好ましい。
本発明の医療用粘着シート類の製造方法は、剥離処理面を有する剥離材の該剥離処理面に、少なくとも粘着層用塗布液を塗布し、乾燥させて粘着層を形成し、別途、剥離処理面を有する剥離材の該剥離処理面に、支持層用塗布液を塗布し、乾燥させて支持層を形成し、その後、形成された粘着層を支持層に転写して、医療用粘着シート類を形成することを特徴とする。
本発明によれば、良好な粘着力と良好な加工適性を有し、被着体から剥離する際に、被着体に与える物理的刺激を低く抑えることができ、かつ、支持層が膨化変形を生じない医療用粘着シート類を提供することができる。また、この医療用粘着シート類の製造方法を提供することができる。
発明を実施するための形態
本発明の医療用粘着シート類は、支持層の少なくとも一方の面に粘着層を有し、支持層および粘着層は、それぞれ、アクリル系重合体と相溶可能な室温で液状もしくはペースト状である相溶可能成分を含有する。ここで、それぞれの層に含有される相溶可能成分は同一組成であることが好ましい。なお、本発明において「シート類」とは、シート、フィルム、テープ等を含む概念とする。
粘着層は、アクリル系重合体と上記相溶可能成分とを主成分として含有する粘着剤を用いて形成される。このアクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、必要に応じて共重合可能なモノマーを共重合したものである。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく用いられ、アルキル基の炭素数が2以上、15以下の(メタ)アクリル酸エステルが更に好ましく用いられる。アルキル基の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル等の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基等が挙げられる。本発明においては、これらのアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を併用して用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基を含有するモノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等のスルホキシル基を含有するモノマー、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等のヒドロキシル基を含有するモノマー、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステル等のアルキルアミノアルキル基等を含有するモノマー、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールエステル等のアルコキシ基(又は側鎖にエーテル結合)を含有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等のビニル系モノマー等が挙げられる。本発明においては、これらの1種又は2種以上を併用して共重合することができる。
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーは、粘着剤の凝集力の調整のために、あるいは、液状もしくはペースト状の相溶可能成分の相溶性を改善するために用いることができ、その使用量は、目的等に応じて、適宜、設定することができる。
粘着剤の架橋点の量の調節や粘着物性の調整等の観点からは、アクリル系重合体として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、上記カルボキシル基を含有するモノマー及びヒドロキシル基を含有するモノマーの少なくとも1種とを必須成分とし、必要に応じて、上記共重合可能な他のモノマーを共重合させたものが好ましい。
アクリル系重合体は、ガラス転移温度が260K以下であることが望ましい。アクリル系重合体のガラス転移温度を260K以下とすることにより、皮膚接着性を十分に発現できるようになり、医療用や衛生材料用の粘着シート類の粘着剤層として望ましいものとなる。
アクリル系重合体は、例えば、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の重合方法により得ることができる。また、過酸化物系化合物やアゾ系化合物等のラジカル重合開始剤を用いて、ラジカル重合を行うことによって得ることができる。
粘着層は、アクリル系重合体と相溶可能な常温で液状もしくはペースト状である相溶可能成分を含有する。アクリル系重合体に相溶可能成分を配合することによって、粘着剤の低変形領域でのモジュラスを低下させ、皮膚に対する良好な接着性を保ち、かつ、剥離時に角質損傷が少なく、痛みも低減させることができる。従って、相溶可能成分は、実使用の温度範囲において液状もしくはペースト状であって、アクリル系重合体との相溶性が良好であることが必要であり、医療用具や医療機器等に移行しにくいものであることが好ましい。
このような相溶可能成分としては、炭素数が8〜18の一塩基酸または多塩基酸と、炭素数が14〜18の分岐アルコールとのエステル、及び/又は、炭素数が14〜18の不飽和脂肪酸又は分岐酸と、4価以下のアルコールとのエステルが用いられる。
炭素数が8未満の一塩基酸又は多塩基酸を用いると、医療用具、医療機器等への移行性が高くなることがあり、炭素数が18より大きい一塩基酸又は多塩基酸を用いると、アクリル系重合体との相溶性が低下して良好な粘着特性が得られないことがあるので、炭素数が8〜18の一塩基酸又は多塩基酸を用いることが好ましい。また、炭素数が14未満の分岐アルコールであって、室温で液状のものを用いると、支持層が無可塑塩化ビニルのように可塑剤が移行しやすい素材である場合には移行することがあり、炭素数が18より大きい分岐アルコールを用いると、アクリル系重合体との相溶性が低下することがあるので、炭素数が14〜18の分岐アルコールを用いることが好ましい。
炭素数が8〜18の一塩基酸又は多塩基酸と、炭素数が14〜18の分岐アルコールとのエステルとしては、例えば、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソステアリル、セバシン酸ジイソセチル、トリメリト酸トリオレイル、トリメリト酸トリイソセチル等が挙げられる。また、炭素数が14〜18の不飽和脂肪酸又は分岐酸としては、例えば、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等が挙げられ、4価以下のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン等が挙げられる。
本発明に使用される粘着剤は、アクリル系重合体100重量部に対して、相溶可能成分を30〜100重量部含有させることが好ましく、相溶可能成分を30〜80重量部含有させることが更に好ましい。
本発明においては、架橋未処理のアクリル系重合体に相溶可能成分を配合し、そのアクリル系重合体の40〜80重量%が不溶となるように架橋処理を施して粘着層を形成することが好ましい。このように、アクリル系重合体に架橋処理を施すことによって、粘着剤の凝集力を向上させ、適度な粘着力を発現させることができる。
架橋処理としては、γ線照射、電子線照射等の物理的処理による方法、有機過酸化物、イソシアネート化合物、有機金属塩、金属アルコラート、金属キレート化合物、エポキシ基含有化合物、一級アミノ基含有化合物等による化学的架橋処理による方法が挙げられる。粘着剤の配合のし易さ、架橋度の調整の容易さ等の観点から、イソシアネート化合物、金属アルコラート、金属キレート化合物による化学的架橋処理による方法を用いることが好ましい。この場合、架橋剤の配合量は、アクリル系重合体の40〜80重量%が不溶化されるように調節されることが好ましい。不溶化率が40%未満では、粘着剤の凝集力が不足し、皮膚に糊残りが生じたり、絆創膏側面から糊がはみ出したりすることがあるので、支持層が不織布等のような多孔質材料の場合には、粘着剤が支持層を通過してしまう、いわゆる裏抜けが生じることがある。一方、不溶化率が80%を超えると、粘着層が充分な皮膚接着力を得られないことがある。
本発明に用いられる液状もしくはペースト状の相溶可能成分には、不飽和二重結合を含むものもあり、そのような相溶可能成分を用いる場合には、安定化を図るために、酸化防止剤を使用することが好ましい。
本発明の粘着シート類を構成する支持層は、既述したように、アクリル系重合体と相溶可能な室温で液状もしくはペースト状の相溶可能成分を含有する。この支持層は、相溶可能成分を含まない状態で200%以上の伸びを有する。すなわち、引張速度300mm/分で引張試験を行ったときの伸びが200%以上であるものである。
200%未満の伸びを有する支持層は相溶可能成分の移行が少なく膨化変形しないが、皮膚等への追従性等の特性に劣る。一方、一般的によく伸びる支持層は相溶可能成分を吸収して膨化変形し易い。ところが、よく伸びる支持層を形成するベース樹脂に、予め、相溶可能成分を配合することによって、支持層の膨化変形を防ぐことができる。この場合、支持層に配合する相溶可能成分の量は、支持層の吸収量と粘着剤への添加量等によって適宜決定されるが、例えば、粘着剤に配合する相溶可能成分の量の70%以下(但し、0%より多い)であることが必要であり、10%以上、50%以下であることが好ましい。支持層における相溶可能成分の配合量が多くなりすぎると、支持層の強度が低下し、粘着シート類に必要な強度が得られず、取り扱い性が低下し、一方、相溶可能成分を配合しない場合には、膨化変形を防ぐことができず、粘着シート類の加工性が低下する。本発明においては、支持層に配合する相溶可能成分は、特に限定されないが、支持層内の相溶可能成分が、粘着剤に悪影響を与えないようにするためには、粘着剤に配合する相溶可能成分と同一組成のものを配合することが好ましい。
支持層を形成するベース樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエーテルウレタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹脂、ウレタン−アクリル複合樹脂等が挙げられる。また、必要に応じて、これらの樹脂をブレンドしてもよい。さらに、必要により、架橋剤、充填剤、顔料、老化防止剤、紫外線吸収剤等を配合してもよい。ウレタンポリマーとアクリルポリマーとの複合体である、ウレタン−アクリル複合樹脂は、粘着層との投錨性に優れ、物性の設計変更がし易いので、本発明においては、ウレタン−アクリル複合樹脂を用いることが特に好ましい。本発明において、複合(複合体)とは、2種以上のポリマーがミクロンオーダーで混合され、マクロ的に均一相となり、いわゆる「ポリマーアロイ」の如き状態であるものをいう。一般に異種ポリマーのブレンドはマクロ的に相分離しており、各ポリマーの平均的な性質を持つが、複合体の場合は平均的な性質に加え、新たな物性を発現することが多い。
以下に、ウレタン−アクリル複合樹脂を得る方法を説明する。すなわち、a)ウレタン−アクリル複合水分散物を調製した後、b)これに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする、ポリマーのガラス転移温度が273K以上となる非粘着化用単量体を加え、重合処理することにより、室温で非粘着性のウレタン−アクリルポリマーの水分散体を製造することができる。
工程aにおいて、ウレタン−アクリル複合水分散物は、(i)ポリオールとポリイソシアネートを用いて合成された、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体を混合し、この混合物を、上記カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーのカルボキシル基を中和して、水に分散させ、イソシアネート基の反応によって上記カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの主鎖を延長し、上記単量体の重合を行うことにより調整される。あるいは、(ii)(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これにカルボキシル基含有単量体を加えた単量体混合物を共重合させてなる、分子内にカルボキシル基と水酸基とを有する重合体をアクリル成分とし、これを、ポリオールに混合する。この混合物にポリイソシアネートを反応させてイソシアネートプレポリマーを合成し、このイソシアネートプレポリマーを、上記カルボキシル基を中和して、水に分散させ、イソシアネート基の反応による主鎖の延長を行って、ウレタン−アクリル複合水分散物を調整してもよい。
ここで、ウレタンを構成するポリオールとしては、1分子中に2個またはそれ以上の水酸基を有するものが望ましい。低分子のポリオールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの2価のアルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価または4価のアルコールなどが挙げられる。
また、高分子のポリオールとしてはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどがある。ポリエ−テルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物が挙げられる。その他、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオールポリカーボネートジオールなどがある。アクリルポリオールとしてはヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有するモノマーの共重合体の他、水酸基含有物とアクリル系モノマーとの共重合体などが挙げられる。エポキシポリオールとしてはアミン変性エポキシ樹脂などがある。
これらのポリオール類は単独あるいは併用して使用することができる。
ウレタンを構成するポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート、これらのジイソシアネートの二量体、三量体などが挙げられる。芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。また、これらの二量体、三量体や、ポリフェニルメタンポリイソシアネートが用いられる。三量体としては、イソシアヌレート型、ビューレット型、アロファネート型等が挙げられ、適宜、使用することができる。
これらのポリイソシアネート類は単独あるいは併用で使用することができる。ポリオールと速やかに反応し、また、水との反応性が低い脂環式のものを使用することが特に好ましく、例えば脂環式ジイソシアネートが挙げられる。
ウレタンポリマーを形成するためのポリオールとポリイソシアネートの使用量は特に限定されるものではないが、例えば、ポリオールの使用量は、ポリイソシアネートに対し、NCO/OH(当量比)が0.8以上であることが好ましく、0.8〜4.0であることが更に好ましく、特に0.8〜3.0であることが好ましい。NCO/OHが0.8未満では、ウレタンポリマーの分子鎖長を充分に延ばすことができず、フィルム強度や、伸びが低下しやすい。また、NCO/OHが3.0以下であれば、柔軟性を十分確保することができる。
イソシアネートとポリオールの水酸基との反応には、触媒を用いても良い。例えば、ジブチルすずジラウレート、オクトエ酸すず、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン等のウレタン反応において一般的に使用される触媒を用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜14の範囲内であるものが好ましい。カルボキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
また、工程bにおける非粘着化用単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、ポリマーのガラス転移温度が273K以上、好ましくは300K以上となるものが好ましく用いられる。アクリル成分としては、これら以外の共重合可能な単量体を使用することができる。
ウレタン−アクリル複合水分散体の配合割合は、ウレタン−アクリル複合水分散物の固形分が20〜90重量%、非粘着化用単量体が80〜10重量%であり、最終的には、ポリオール成分が10〜50重量%、ポリイソシアネート成分が2〜20重量%、アクリル成分が40〜90重量%となるように配合割合を調整することが好ましい。
本発明の医療用粘着シート類は、支持層の片面又は両面に、粘着剤を用いて粘着層を形成することにより得ることができる。
すなわち、(イ)剥離処理を施した剥離フィルム(剥離材)の剥離処理面に、支持層を形成するベース樹脂に相溶可能成分及び必要に応じて添加剤等を配合して押出し成形等により支持層を形成する。別途、剥離処理を施した剥離フィルム(剥離材)の剥離処理面に、アクリル系重合体と相溶可能成分及び必要に応じて添加剤等を配合した粘着層用塗布液を塗布し、粘着層を形成する。得られた支持層と粘着層とを貼りあわせることによって、支持層の少なくとも一方の面に粘着層を有する医療用粘着シート類を製造することができる。
あるいは、(ロ)剥離処理を施した剥離フィルム(剥離材)の剥離処理面に、支持層を形成するベース樹脂に相溶可能成分及び必要に応じて添加剤等を配合して押出し成形等により支持層を形成する。この支持層の片面又は両面に、アクリル系重合体と相溶可能成分及び必要に応じて添加剤等を配合した粘着層用塗布液を塗布し、粘着層を形成する。このようにして支持層の少なくとも一方の面に粘着層を有する医療用粘着シート類を製造することができる。
上記(イ)及び(ロ)において、支持層の形成方法としては、例えばペレット形状のベース樹脂に相溶可能成分等を添加して押出し成形等によってシート状に形成する方法でもよいし、ウレタン−アクリル複合樹脂等の水分散体等に、相溶可能成分を直接添加混合してシート状に形成する方法でもよいし、ベース樹脂等をシート状に製膜した後、相溶可能成分の液に浸漬させて、適当量を含浸させることにより形成する方法でもよい。
また、粘着層は、架橋未処理のアクリル系重合体と相溶可能成分等を配合し、支持層の少なくとも一方の面に直接塗布、乾燥するか、予め剥離ライナー上に塗布、乾燥したものを支持層に貼り合わせた後、未架橋のアクリル系重合体の40〜80重量%が不溶性となるように、架橋処理が施されていることが好ましい。この架橋方法としては、物理的処理、化学的処理等、任意の方法が選択される。また、塗布方法も適当な塗布方法が選択される。乾燥条件は、塗布膜に発泡やひび割れ等が発生しないような条件を適宜選択して、また、塗布表面から乾燥して皮バリ状態にならないように、剥離フィルム(剥離材)側から加熱する等の方法によって、塗布膜を乾燥させることが好ましい。
なお、使用時まで剥離フィルムを保持することにより、粘着層面を保護することができる。
このようにして形成された本発明の医療用粘着シート類は、支持層の変形を防止することができ、加工適性に優れ、適度な粘着力、保持力等の粘着特性に優れており、剥離時に被着体に与える物理刺激を低く抑えることができる。なお、支持層の両面に粘着層を有するシート類は、両面粘着シート類として機能し、粘着層の材料組成や層厚みを調整することによって粘着特性を変更することができる。また、支持層の物性や層厚みを変更することによって特性の変更の幅が広がり、各種の用途に対応することが可能になる。支持層の片面にのみ粘着層を有するシート類も、両面粘着シート類と同様に、粘着特性を変更したり、支持層の物性を調整することによって、個々の用途に適した性能を付与することができる。
剥離材としては、紙、ラミネート処理した紙、各種プラスチックフィルム、金属箔等の少なくとも一方の面にシリコーン処理を施したもの等が用いられる。また、剥離材は、シート状、テープ状、ベルト状等の任意の形状のものを使用することができる。剥離材は、感圧性接着層および支持層等の積層体を形成した後、剥がして除去してもよいが、このまま剥離ライナーとして使用時まで粘着層を保護するために貼着しておいてもよい。
粘着シート類の各層の厚さは、特に限定されるものではなく、用途や目的に応じて適宜設定されることが好ましいが、例えば、支持層は10〜150μmの範囲内であり、粘着層は10〜150μmの範囲内であることが好ましい。なお、支持層は、支持層形成用ポリマー水分散体に発泡剤を添加し、塗布後に発泡させてクッション性を持たしてもよいが、この場合には、支持層の厚さは、50〜2,000μmとすることができる。
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、部は重量部を意味する。また、実施例において使用された測定方法及び評価方法を下記に示す。
<測定方法及び評価方法>
(1)引張試験
相溶可能成分を含有しない状態の支持層材料を用い、断面積が約1mmとなるようにして長さ50mmの試験片を作製した。この試験片について、引張試験機(「オートグラフAGS−50D型」、株式会社島津製作所製)を用い、チャック間距離20mm、引張速度300mm/分で引張り試験を行い、試験片が破断したときの長さを測定し、下記式に基づいて、試験片の伸びを求めた。

伸び(%)={試験片の破断時の長さ(mm)/20(mm)}×100
(2)加工適性
加熱によって架橋反応を完結させた粘着シート類を、トムソン刃を用いて打ち抜き加工を行った。この打ち抜き加工を施した粘着シート類の外観を肉眼で観察し、下記基準に基づいて加工適性の評価を行った。

評価基準:
「○」 打ち抜き刃と同一寸法の粘着シート類が得られた場合
「×」 切断面に部分的なズレが生じ、打ち抜き刃と異なる寸法の粘着シート類が得られた場合
(3)変形率
粘着シート類を作製した直後に、50mm×50mmの大きさに切断して一辺の長さを測定する(ここでは「初期値」と表記する)。この切断した粘着シート類を、60℃で3日間保持した後、一辺の長さを測定し(ここでは「保存後の値」と表記する)、下記式に基づいて、粘着シート類の変形率を算出した。

変形率(%)=[(保存後の値−初期値)/初期値]×100
(実施例1)
<粘着層の形成>
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸2-エチルヘキシル95部及びアクリル酸5部からなる単量体混合物を重合し、アクリル酸エステル系重合体を作製した。得られたアクリル酸エステル系重合体100部、ミリスチン酸イソプロピル40部、及び、三官能性イソシアネート(「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)0.06部を、酢酸エチル中で混合し、粘着剤溶液を調製した。得られた粘着剤溶液をポリエステル製の剥離ライナー上に、乾燥後の厚みが60μmとなるように塗布し、110℃で5分間乾燥させて、粘着層を形成した。
<支持層の形成>
数平均分子量3,000のポリプロピレングリコール100部に、アクリル酸ブチル45部、アクリル酸エチル45部およびアクリル酸10部からなる単量体混合物と、水酸基を有する連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール2部と、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.1部とを添加し、窒素気流下、60℃で4時間、重合反応を行って、ポリプロピレングリコールと、数平均分子量が7,500のアクリルポリマーとの混合物からなる粘稠な液体を得た。
この粘稠な液体に、イソホロンジイソシアネート23.5部(全水酸基に対して2.3倍当量)を添加し、65℃で3時間反応させて、イソシアネートプレポリマーを合成した。このイソシアネートプレポリマーに、トリエチルアミン14部(カルボキシル基に対して等当量)を添加してカルボキシル基を中和した後、攪拌しながら、水600部を添加し、イソシアネートプレポリマーを水に分散させた。次いで、エチレンジアミン1.8部(残存するイソシアネート基に対して等当量)を、水16.2部で希釈した溶液を添加し、65℃で3時間反応させて主鎖の延長を行った。
このようにして得られたウレタン−アクリル複合水分散物に、攪拌しながら、アクリル酸イソボルニル113.7部からなる非粘着化用単量体混合物(ポリマーのガラス転移温度が367K)を添加し、ウレタン−アクリル複合水分散物を構成するウレタン−アクリル核ポリマー粒子に、非粘着化用単量体混合物を吸収させた。次に、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)]プロパン0.11部を添加して重合反応を開始し、60℃で4時間保持した後、70℃に昇温して1時間保持してから、冷却した。このような重合処理によって、ポリオール成分29重量%、ポリイソシアネート成分7重量%、アクリル成分63重量%(残りの成分には中和剤やウレタンの主鎖延長剤等が含まれる)からなる、室温で非粘着性のウレタン−アクリルポリマーを水に安定に分散したウレタン−アクリル複合水分散体を得た。
このウレタン−アクリル複合水分散体に、ミリスチン酸イソプロピル10部(粘着剤に配合したミリスチン酸イソプロピルの量の25%に該当)を添加し、均一に混合した後、離型処理を施したポリエステルフィルム上に塗布し、110℃で5分間乾燥させて、厚さが50μmの均一なフィルム(支持層)を作製した。ただし支持層は、ミリスチン酸イソプロピルを添加しない状態での伸びは400%であった。
<粘着シート類の作製>
得られた支持層に得られた粘着層を転写して医療用粘着シート類を作製した。
得られた粘着シート類について、加工適性と変形率の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ミリスチン酸イソプロピルの配合量を60部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着層を作製した。
ウレタン樹脂ペレット100部に対し、ミリスチン酸イソプロピルを10部(粘着剤に配合したミリスチン酸イソプロピルの量の16.7%に該当)配合し、230℃で溶融押出しを行い、厚さ30μmの均一なフィルム(支持層)を作製した。ただし支持層は、ミリスチン酸イソプロピルを含有しない状態でのフィルムの伸びが550%であった。
次に、実施例1と同様にして、支持層に粘着層を転写して、医療用粘着シート類を作製した。得られた粘着シート類等について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、相溶可能成分としてミリスチン酸イソプロピルの替わりに、トリオレイン酸ソルビタンを50部配合した以外は実施例1と同様にして、粘着層を形成した。
厚み50μmのEVAフィルムをトリオレイン酸ソルビタンに50℃で3日間浸漬し、トリオレイン酸ソルビタンを5部(粘着層に配合したトリオレイン酸ソルビタンの量の10%に該当)含有した支持層を形成した。ただし、トリオレイン酸ソルビタンに浸漬する前の状態のEVAフィルムの伸びは500%であった。
次に、実施例1と同様にして、支持層に粘着層を転写し、医療用粘着シート類を作製した。得られた粘着シート類等について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、ミリスチン酸イソプロピルをトリオレイン酸ソルビタン60部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着層を作製した。
実施例1において、ミリスチン酸イソプロピルをトリオレイン酸ソルビタン33部に変更した以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。ただし支持層は、トリオレイン酸ソルビタンを含有しない状態でのフィルムの伸びが400%であった。
次に、実施例1と同様にして、支持層に粘着層を転写して、医療用粘着シート類を作製した。得られた粘着シート類等について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、ウレタン−アクリル複合水分散体に配合したミリスチン酸イソプロピルの量を40部(粘着層に配合したミリスチン酸イソプロピルの量の100%に該当)に変更した以外は実施例1と同様にして、医療用粘着シート類を作製した。
得られた粘着シート類について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2において、ウレタン−アクリル複合水分散体に配合したミリスチン酸イソプロピルの量を50部(粘着層に配合したミリスチン酸イソプロピルの量の83.3%に該当)に変更した以外は実施例1と同様にして粘着シート類を作製しようとしたが、支持層に欠陥(穴)が生じ、粘着シート類を得ることができなかった。
(比較例3)
実施例3において、EVAフィルムをトリオレイン酸ソルビタンに浸漬させずに支持層を形成した以外は実施例3と同様にして、医療用粘着シート類を作製した。
得られた粘着シート類について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004601366
表1から明らかなように、実施例1〜4の医療用粘着シート類は、相溶可能成分の移行による変形が認められなかった。また、加工適性も良好であることが分かった。さらにまた、本発明の粘着シート類は、適度な粘着力を有し、被着体から剥離する際に、被着体に与える物理的刺激が小さく、皮膚等への追従性にも優れたものであった。
一方、比較例1及び3の粘着シート類は、変形率が高く、加工適性に劣ったものであることが分かった。また、比較例2では、支持層の形成において欠陥が生じ、粘着シート類を得ることができなかった。
本発明の医療用粘着シート類は、種々の大きさのシート状、テープ状等の形態で使用することがで、また、ロール状形態で保存することもできる。これらの医療用粘着シート類は、医療衛生分野、外用用途等の分野で使用することができ、例えば、絆創膏、粘着包帯、ドレッシング材等に好適に使用される。

Claims (5)

  1. 支持層の少なくとも一方の面に粘着層を有する粘着シート類であって、該粘着層は、アクリル系重合体100重量部と、該アクリル系重合体と相溶可能な室温で液状もしくはペースト状である相溶可能成分30〜100重量部とを主成分として有する粘着剤を用いて形成されたものであり、前記支持層は、該アクリル系重合体と相溶可能な室温で液状もしくはペースト状である相溶可能成分を含有し、前記支持層に含有される相溶可能成分の量が前記粘着層に含有される相溶可能成分の量の70%以下であり、かつ、該相溶可能成分を含まない状態で200%以上の伸びを有し、前記粘着層および前記支持層に含有される前記相溶可能成分が、それぞれ独立に、炭素数8〜18の一塩基酸または炭素数8〜18の多塩基酸と、炭素数14〜18の分岐アルコールとのエステル、及び/又は、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸と、4価以下のアルコールとのエステルであり、前記支持層が、ウレタン−アクリル複合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、または、ウレタン樹脂を含有する樹脂組成物から形成されることを特徴とする医療用粘着シート類。
  2. 前記支持層に含有される相溶可能成分と、前記粘着層に含有される相溶可能成分とが、同一組成であることを特徴とする請求項1記載の医療用粘着シート類。
  3. 前記粘着層は、前記アクリル系重合体の40〜80重量%が不溶化されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の医療用粘着シート類。
  4. 前記支持層が、ウレタン−アクリル複合樹脂を含有する樹脂組成物から形成されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の医療用粘着シート類。
  5. 前記ウレタン−アクリル複合樹脂が、ウレタン−アクリル複合水分散物を調整した後、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする、ポリマーのガラス転移温度が273K以上となる非粘着化用単量体を加え、重合処理することにより得られることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の医療用粘着シート類。
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