JP4596601B2 - 乳幼児の***運動促進システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、乳幼児の哺乳により栄養を摂取している時期から、離乳期を経て、普通の食事に以降する過程までの期間において、その***運動の発達を適切に促進するための促進システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、哺乳期から離乳期以降の乳幼児が主として玩具として使用するおしゃぶりは広く知られている。
このようなおしゃぶりは、乳幼児が口のなかに入れて、その***刺激による興味をおこさせるために与えられている。乳幼児のうち、生後すぐから月齢4月程度までの間は、もっぱら哺乳運動により、母乳により栄養を摂取する時期に対応しており、このため、おしゃぶりの形態としても、人工乳首と共通した乳頭部を有するものが知られている。
【0003】
例えば、図28は、従来のおしゃぶりの一例を示す半断面図である。図において、おしゃぶり1は、人工乳首と同じ形状の乳頭部2と、この乳頭部2を支持するフランジ状の座板3と備えている。そして、座板3の乳頭部2とは反対面には、長く延びる把持部4が設けられている。
【0004】
このようなおしゃぶり1は、乳頭部2が人工乳首と同じ形状であることから、生後すぐから月齢4月程度までの間の生まれて間もない乳幼児でも、これをくわえることで、哺乳運動が促され、興味を引くことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図28のようなこのおしゃぶり1では、使用者である乳幼児が生後すぐから月齢4月程度と幼い場合には、その哺乳運動を促進する上で適しているかもしれないが、例えば、離乳食段階や普通食段階に移行した時期には、不適切である。
つまり、乳幼児の発達段階として、哺乳運動という独自の運動から、やがて口腔内の構造等が変化し、これにともなって、通常の摂食運動に移行する時期には、これを適切に訓練したり促進したりする必要がある。あるいは、哺乳運動が終焉を迎える時期に、図28のようなおしゃぶり1を与えることは、習慣としておわらせなければならない哺乳運動のクセを長期間残してしまうおそれがあり、好ましくない。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、生後の哺乳運動を中心とした***運動を行う時期から、これを終了させて、通常の摂食運動を行う時期までの乳幼児の***運動の促進(もしくは***運動の訓練)を適切かつ段階的に行い、各時期の乳幼児に特に適した***刺激を与えることができる***運動促進システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の***運動促進システムは、乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳首部は、弾性を有しており、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端部よりも大きく膨出した湾曲表面を有する膨出部である前記基部とを備えており、前記乳頭先端部と前記基部との間には、この乳頭先端部及び前記基部の外径よりも小さな外径とすることにより屈曲できるようにした屈曲部を有する第1のおしゃぶりと、乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳首部が、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端部よりも基部よりに設けられ、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部とを備える第2のおしゃぶりと、乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳首部は、幅が広く上下方向の厚みが薄くなるように偏平に形成した先端部と、この先端部の上面に設けられ中央部が凸となるように形成した上側曲面部とを備える第3のおしゃぶりとを有しており、前記第1のおしゃぶりのいずれのおしゃぶりは、前記乳首部の基部の前記座板部と接続される領域において、少なくとも該座板部から外部に露出する部分が拡径されることにより、乳幼児の***先端と当接するように構成されているとともに、前記接続領域が前記座板材料よりもやわらかい材料にて形成されていて、前記第2のおしゃぶりと前記第3のおしゃぶりは、前記乳首部の基部の前記座板部と接続される領域において、少なくとも該座板部から前記対向面側に露出する部分が、略円形の面状に拡径されて突出形成されていることにより、該面状部分が乳幼児の***先端と当接するように構成されているとともに、前記接続領域である前記略円形の面状の部分が前記座板材料よりもやわらかい材料にて形成されており、前記第1のおしゃぶりと、第2のおしゃぶりと、第3のおしゃぶりのうち、少なくとも2つのおしゃぶりを組み合わせることを特徴とする。
【0008】
請求項1の構成によれば、前記第1のおしゃぶりの乳首部は、乳幼児の哺乳窩に適切に入ることで、哺乳運動を促すことができるように、先端部がほぼ球状に形成されており、座板部を備えることで、口腔内に入り込まないようにされている。
そして、第1のおしゃぶりの前記基部は、乳頭先端部よりも大きく膨出した湾曲表面を有する膨出部とされているので、乳幼児にとって母親の***を口に含んだ時と近似する感触を与えることで、一層哺乳運動を促しやすいようになっている。
しかも、この乳頭先端部及び前記基部の外径よりも小さな外径とすることにより屈曲できるようにした屈曲部を有している。これにより、乳幼児が乳首部を口腔内に含んだ状態では、乳頭先端部が上方に向かうようにこの屈曲部で折れ曲がるので、乳頭先端部が哺乳窩に適切に当接する。
したがって、誕生後から生後約4か月程度の哺乳運動を行う乳幼児に対してこの第1のおしゃぶりを与えることで、上手く哺乳運動が行えない乳幼児にとっては、その哺乳運動を適切に促進したり訓練したりすることができる。また、哺乳運動を支障なく行えるという乳幼児にとっては、第1のおしゃぶりを与えることで、母親の乳首をくわえることに対する欲求を満たし、乳幼児が不機嫌になることなどを防止することができる。
【0009】
前記第2のおしゃぶりの乳首部は、乳幼児の哺乳窩に適切に入ることで、哺乳運動を促すことができるように、先端部がほぼ球状に形成されており、座板部を備えることで、口腔内に入り込まないようにされている。
そして、乳首には、前記基部によりに偏平部とを備えている。この偏平部は、乳首を口腔内に含んだ状態において、乳幼児が上下の***をこの偏平部に当てることで、例えば、生後5月ないし8月の離乳初期の乳幼児に必要な摂食動作中における口を閉じるという状態を学ぶことができる。
ここで、もともと、乳幼児の哺乳窩はくぼみ(窪み)であることから、母親の乳首の先端のように球状の先端部が適合して入り込むようになっている。これに対して、前記第3のおしゃぶりの乳首部の前記先端部は幅が広く偏平に形成されていることから、乳幼児の上顎にある哺乳窩に適合した形状ではない。
【0010】
つまり、前記乳首部の先端部は、幅が広いことで哺乳窩に入り込まずに、むしろ、この先端部の上面に設けられ中央部が凸となるように形成した上側曲面部が、乳幼児の哺乳窩の手前(***側)の硬口蓋に沿った形状であることから、前記乳首部は口腔内でこの硬口蓋に位置決めされる。
これにより、乳幼児において、乳首が哺乳窩に入ることで引き起こされる哺乳反射による哺乳運動をあえてさせないようになっているとともに、乳首部を口腔内で保持しやすいようになっている。
そして、前記乳首が***内に入れられることで、哺乳運動ではなく、むしろ次の摂食行動に適合した、口腔内に物を入れた状態で***を閉じる動きが誘導されることになる。
したがって、第3のおしゃぶりは、生後約8か月以降の離乳食から普通の食事の摂食運動を次第に身につけるための***運動を促進することができる。
そして、上述のような乳幼児の発達段階に応じた***運動は、多少の個人差等の観点から、第1、第2、第3のおしゃぶりのうちの少なくとも2つを組み合わせて行うことができる。
【0011】
すなわち、この場合、最も好ましいのは、第1のおしゃぶり、第2のおしゃぶり、第3のおしゃぶりの順で、各おしゃぶりを適切な時期に取り替えて3つ全て使用することである。これにより、「***を閉じるように動かすこと」、「蠕動様運動を消失させること」、「***に多様な感覚を感じる訓練を行うこと」を順次促す。このため、乳幼児が反射として備えている哺乳運動から、大人の摂食行動に対応した***運動を促進することができる。
また、3つのおしゃぶりのうち、2つのおしゃぶりを選択して使用する各場合については次のような作用がある。
【0012】
先ず、第1のおしゃぶりを使用して、次に第2のおしゃぶりを使用する場合には、次のような作用がある。
第1のおしゃぶりも第2のおしゃぶりも乳首部の先端部の径がほぼ同様であり、使用者である乳幼児は、先端形状の違いによる違和感や弾性の差を感じることなく切り替え使用でき、その哺乳窩に適合させて哺乳運動することができる。
特に第1のおしゃぶりは、***を開いて保持することを目的としており、第2のおしゃぶりは、***と接触する部分が***を閉じて保持されるようになっている。これにより、次第に***を閉じる運動を促進することができる。
【0013】
また、第2のおしゃぶりは、乳首部の先端の形状を哺乳窩にはまりやすい形状と大きさとしているので、***を閉じる力だけでは保持できなくても、哺乳運動を行いながら保持できる。また、***の運動により先端をつぶすように***の動きを誘っても、乳首の先端部は哺乳窩にはまりこんで、保持できる。
【0014】
さらに、第2のおしゃぶりの***が接触する部分である乳首部の基部は、上下に一定のクリアランス(中空による空洞)を設けているから、***を閉じることで、つぶすことができ、このような形状変化が乳幼児の興味を引き、***運動を促し、特に、***を閉じる動作を促進する。
かくして、哺乳運動から接触運動への変化の初期の動きとして、***を閉じる運動を促進できる。また、形状が変化する乳首部をくわえることで、***の感覚を身につけることができる。そして、おしゃぶりをくわえて使用をつづける動作のなかで、鼻呼吸の習慣を習得させることできる。
【0015】
第2のおしゃぶりを使用して、次に第3のおしゃぶりを使用する場合には、次のような作用がある。
第2のおしゃぶりを使用する場合には、上述したように、***を閉じる動きを促進しながら、その乳首部の先端部は哺乳窩に入り込むので、哺乳運動も行える。そして、第3のおしゃぶりは、その乳首部を哺乳窩にはまらない長さ、幅として、これをくわえることで、乳幼児の***運動において、***を閉じる運動を確実に促進するとともに、反射としての哺乳運動を消失させることを促進する。
【0016】
ここで、第2、第3のおしゃぶりは、***が接触する部分の厚みが同じであることから、第2のおしゃぶりの使用にて馴れた厚みの感触に関して、第3のおしゃぶりを使用する場合に違和感がなく使用できる。そして、第2、第3のおしゃぶりは、舌側の乳頭弾性がほぼ等しいので、第2のおしゃぶりの使用にて馴れたやわらかさの感覚に関しても、第3のおしゃぶりを使用する場合に違和感がなく使用できる。また、第2、第3のおしゃぶりの***が接触する部分である乳首部の基部は、上下に一定のクリアランス(中空による空洞)を設けているから、***を閉じることで、つぶすことができ、このような形状変化が乳幼児の興味を引き、***運動を促し、特に、***を閉じる動作を促進する。さらに、第3のおしゃぶりでは、乳首部の下面に凸部が設けられることにより、摂食における舌の動きを促進することになる。
【0017】
かくして、第2のおしゃぶりから第3のおしゃぶりへの継続使用で***を閉じる運動を促進し、乳首部が哺乳窩にはまらないことで、一連の反射に基づく哺乳運動を消失させることを促進することができる。また、摂食運動に必要な舌の動きを促進できる。そして、おしゃぶりをくわえて使用をつづける動作のなかで、鼻呼吸の習慣を習得させることできる。
【0018】
第1のおしゃぶりを使用して、次に、第2のおしゃぶりを使用せずに、第3のおしゃぶりを使用する場合には、次のような作用がある。
この場合は、第1のおしゃぶりを例えば、生後6ないし8か月程度使用してから第3のおしゃぶりに移行すれば、変更使用において、必要以上に違和感を感じさせず好ましい。
第1のおしゃぶりと比べて、第3のおしゃぶりは、***が接触する部分の厚みが薄く、***を閉じる動きを促進することができる。
【0019】
また、第3のおしゃぶりの***が接触する部分である乳首部の基部は、上下に一定のクリアランス(中空による空洞)を設けているから、***を閉じることで、つぶすことができ、このような形状変化が乳幼児の興味を引き、***運動を促し、特に、***を閉じる動作を促進する。そして、第3のおしゃぶりの乳首部の下面の凸部は、摂食の場合の舌の運動を促進する。
かくして、第1のおしゃぶりから第3のおしゃぶりへの継続使用で***を閉じる運動を促進し、第3のおしゃぶりの乳首部が哺乳窩にはまらないことで、一連の反射に基づく哺乳運動を消失させることを促進することができる。そして、摂食運動に必要な舌の動きを促進できる。また、おしゃぶりをくわえて使用をつづける動作のなかで、鼻呼吸の習慣を習得させることできる。
【0021】
好ましくは、前記座板部が、前記乳首部の基部周囲を囲む板体でなり、この座板部の使用者に対する対向面の少なくとも両脇部が凹状に形成された密着部とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、座板部の使用者に対する対向面の少なくとも両脇部が、凹状とされることで、乳幼児の両頬部の曲面に対応した凹面とすることができ、その分座板部のフィット性が向上する。
すなわち、座板部は、乳幼児が乳首を吸引している時には、その***周辺に確実にフィットすることで、乳首部の上述した特別の各形状の機能が発揮できるようになる。
【0022】
好ましくは、前記座板部の前記対向面の少なくとも両脇周縁部が、外側に向かうように反った逃げ領域とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記座板部の前記対向面の少なくとも両脇周縁部に逃げ領域を形成することで、座板部の周縁が使用者の***周辺部において、食い込むほど密着することが防止される。
【0023】
好ましくは、請求項3または4の構成において、前記座板部の前記対向面の使用者の顎部に対応する領域が、前記密着部と反対の湾曲面とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記座板部の使用者の顎部に対応する領域が、密着部と反対に湾曲していることから、この領域が前方にむかって僅かに突出する特徴をもつ使用者の顎部と干渉することがない。
【0024】
好ましくは、前記座板部の前記対向面の上側周縁部は、前記逃げ領域を形成せずに、前記対向面と同じ曲面とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記座板部の前記対向面の上側周縁部は、両頬部のような曲面となっていない使用者の***周辺の上部に対して、適切にフィットさせることができる。
【0025】
好ましくは、前記第1のおしゃぶりの前記屈曲部は、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部であることを特徴とする。
上記構成によれば、請求項1の作用に加えて、第1のおしゃぶりの前記屈曲部が断面が偏平な形状の括れ部とされている。このため、乳幼児が哺乳運動の途中で、哺乳動作を一時中断し、吸引を休んだ場合に、この括れ部が、乳幼児の口腔内の上下の歯槽の間に挟まれて保持されるようになっている。つまり、この括れ部は、僅かに開いた上下の歯槽の間でひっかかりやすいように、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされている。これにより、括れ部は、乳幼児が蠕動様運動を休んでいる時におしゃぶりの落下を防止するための掛止手段の役割を果たす。
【0026】
好ましくは、前記第1、第2、第3のおしゃぶりの乳首部は中空であり、かつ外部と連通していることを特徴とする。
上記構成によれば、各おしゃぶりの前記乳首は、中空でその空気が外部に逃げることができるようになっているので、乳幼児の口腔内に自在に変形しやすい。
【0027】
好ましくは、前記第3のおしゃぶりの乳首部の先端部の幅が、使用者である乳幼児の哺乳窩の幅よりも広く形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、第3のおしゃぶりの乳首部の先端部の幅が、使用者である乳幼児の哺乳窩の幅よりも広く形成されていれば、この乳首部の先端部は、一層確実に哺乳窩に入り込むことがなく、哺乳運動を誘発することが防止される。
【0028】
好ましくは、前記第3のおしゃぶりの乳首部の前記先端部の下面には、中央部が凸となるように形成した下側曲面部が形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、哺乳運動の次の摂食行動として、離乳食や普通の食品を摂取する場合に特有に必要とされる動きが促進される。すなわち、このような摂食行動においては、食品を舌の中央に集めてから嚥下しており、このような食品を下の中心に集めるように舌を変形する必要がある。前記下側曲面部は、舌の中央部を窪ませて、食品を舌の中央に集める運動を促進もしくは訓練することができる。
【0029】
好ましくは、前記下側曲面部が、前記上側曲面部よりも変形しやすい構成とされたことを特徴とする。
上記構成によれば、先端部の下側曲面部が、特に変形しやすい構造とされることで、後述するような摂食行動における舌の特有な運動を促すことができる。下側曲面部を変形しやすい構造とするためには、例えば、乳首部が中空に形成される場合には、上側曲面部よりも下側曲面部を形成する材料の肉厚を薄くすることにより実現できる。あるいは、上側曲面部よりも下側曲面部を形成する材料を柔らかい材料としてもよい。
【0030】
好ましくは、請求項9ないし11の構成において、前記乳首部の前記基部付近には、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部が形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記括れ部により、乳幼児が***を閉じる練習ができるとともに、この括れ部は、乳幼児の口腔内の上下の歯槽の間に挟まれて保持されるようになっている。つまり、この括れ部は、僅かに開いた上下の歯槽の間でひっかかりやすいように、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされている。これにより、乳幼児がおしゃぶりを口に含んだ状態で落下することなく保持される。
【0031】
好ましくは、前記括れ部が形成されている領域の長さが、前記乳首部の上側よりも下側が長い構成とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、乳幼児が***を閉じた時に、その上側の歯槽と下側の歯槽の位置が前後にやや異なる位置となることに対応して、前記括れ部が形成されている領域の長さが、前記乳首部の上側よりも下側が長い構成とされている。すなわち、***を閉じたときには、下側の歯槽は、上側の歯槽の内側に入るようにかみ合わされるのが正常である。このため、下側の歯槽が当接すべき前記括れ部の下側の位置は、座板側から遠く、これと比較すると、上側の歯槽が当接すべき括れ部の位置は、より座板側に近くなる。このため、括れ部を形成する長さを上述のように上側と下側で異なるようにしている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0034】
この発明は、乳幼児の成長段階に応じて、ことなるタイプのおしゃぶりを使用することを内容としている。このため、本実施形態では、3種類,3つのタイプのおしゃぶりを使用するが、このうち2種類のものを組み合わせて使用してもよいし、より多くの種類のおしゃぶりを使用してもよい。
また、以下に説明する第1、第2、第3のおしゃぶりの2つ以上をセットにして製造,販売することや、後述する座板部を共通にして、乳首部を着脱可能とすることで、乳幼児の***運動の促進システム(訓練システム)を構成することができる。
【0035】
図1は、本発明の実施形態による第1のおしゃぶりの概略斜視図であり、図1(a)は、第1のおしゃぶりを前上方から見た状態を、図1(b)は、第1のおしゃぶりを前下方から見た状態をそれぞれ示している。また、図2は、この第1のおしゃぶりの概略側断面図、図3は概略側面図、図4は概略水平断面図であり、これらの図を適宜参照しながら、本実施形態の第1のおしゃぶりを説明する。
この第1のおしゃぶりは、生後直ぐの乳幼児が使用するのに適しており、その期間は、生後約4か月程度までである。しかしながら、乳幼児期の成長には、個人差があることから、この第1のおしゃぶりは、主として哺乳運動により母乳ないしミルクを主として摂取している時期の乳幼児に適している。
【0036】
図1において、第1のおしゃぶり10は、乳首部11と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部12とを備えている。
この乳首部11は、ほぼ球状の乳頭先端部15と、この乳頭先端部15よりも大きく膨出した湾曲表面を有する膨出部である基部13とを備えており、この乳頭先端部15と基部13との間には、屈曲部14が形成されている。この屈曲部14は、好ましくは、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部とされている。
【0037】
上記乳首部11は、例えば、熱湯等による加熱殺菌によっても容易に劣化せず、母親の乳首の感触と近似した感触を与えるように、形成されている。また、本実施形態の第1のおしゃぶりでは、後述するように、乳幼児の口腔内で十分変形する必要があり、このような点を考慮すると、十分柔らかい材料、例えば、シリコーンゴムにより、例えば、幅10mmで先端半径5mm程度の形状の所定の治具を、毎分100mmで乳頭先端部に押しつけた時に、乳頭先端部の最大外径を40パーセント圧縮した場合、その反発力が1.5N(ニュートン)から2.5N、好ましくは、例えば2.0N程度となる硬度に設定されている。
また、座板部12は、乳首部11とともに、上記殺菌処理されても容易に劣化せず、また、所定の剛性を備えた材料で形成されており、例えば、ポリプロピレンやポリカーボネート等が使用されている。
【0038】
乳首部11は、図2に示すように、座板部12から先端までの長さamが例えば24mmないし33mmに設定されている。これにより、後述するように、その乳頭先端部15が乳幼児の哺乳窩に適切に達するようにされている。
また、乳頭部11は、図2や図4に示されているように、中空に形成されていて、基端側の座板部12に形成した貫通孔16によって外部と連通している。
これにより、乳首部11が上述した硬度で口腔内に接触することができ、しかも、使用により、乳幼児のよだれや洗浄の際の水等が内部に入っても水切りしやすい。
乳首部11の乳頭先端部15は、ほぼ球状であり、その外径afは、後述するように、乳幼児の哺乳窩に適切にフィットするように、好ましくは11mm乃至15mm、特に好ましくは、約13mmに設定されている。
基部13は、乳頭先端部15と一体に形成されており、上述したように大きく膨出した湾曲表面を有する膨出部とされている。これにより、母親の***の乳頭基部である乳輪部と近似した形状と弾力とされており、乳首部11が乳幼児の口腔内に入れられた時に、母乳を吸引している時と同じような感触を乳幼児に与えるようになっている。
【0039】
また、乳首11の乳頭先端部15と基部13との間には、乳頭先端部15及び基部13の外径よりも小さな外径とすることにより屈曲できるようにした屈曲部が形成されている。つまり、屈曲部は乳幼児の口腔内で外力が集中しやすい部分であり、屈曲箇所となりやすい部分である。したがって、乳首部11は、この屈曲部14で図9の説明として後述するように、乳頭先端部15を上方に向けるように屈曲するようになっている。この屈曲部14は、さらに、本実施形態では、好ましくは、その幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部14とされている。この括れ部14は、図4のak−ak線端面図である図5に示すように、幅方向の長さaeよりも上下方向の長さadが小さくなるように、断面が偏平に形成されている。
また、この括れ部14は、後述ように、乳幼児が第1のおしゃぶり10を取り落とすのを防止する重要な機能を発揮するために、また、基部13が後述する機能を十分に発揮するために、好ましくは、座板部12から括れ部14までの距離ag(am−ai)がほぼ11mm乃至17mm,好ましくは13mm程度に設定されている。
【0040】
この基部13には、座板部12が配置されている。座板部12は、乳首部11の基部13を支持するボックス状の本体17を有しており、この本体17は一体に設けられた、所定の面積でなる板体である面状部21を備えている。本体17の面状部21の背面側には、リング状の掛止め手段23が配置されている。
面状部21は、図1に示されているように、乳首部11の基部13の周囲に大きくフランジ状に広がって、例えば、図示のようなハート形状を呈している。この面状部21は、乳幼児が乳首部11を取り込んだ時に、乳首部11の基端部13付近が***先端で止まるように位置決めする役割を果している。
【0041】
座板部12の面状部21は、例えば、図1に示されているように、使用者である乳幼児の顔の両脇側である左右の方向に比較的広い面積を有している。そして、面状部21の使用者に対する対向面の少なくとも両脇部が凹状に形成された密着部22,22とされている。つまり、密着部22,22は、使用者の顔面の両頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。
これにより、乳幼児が乳首部11を吸引する際に、座板部12の各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密接に接触することで、正しく位置決めされる。
ここで、面状部22,22は、その全体が乳幼児の両頬に完全に密着する必要はないが、その湾曲面は、新生児から1歳程度までの乳幼児の頬への接触を種々確認した結果、例えば、半径40mm程度の湾曲面とされている。
【0042】
さらに、面状部21の密着部22,22の一部の領域には、貫通孔24,24が形成されており、面状部21が乳幼児の口腔を塞いだ状態で、万一窒息などの事態が起きないようになっている。
また、好ましくは、面状部21の両側面側,すなわち、密着部22,22の周縁部(外側の領域)は、図4に示すように、この密着部22,22とは反対の湾曲を備える逃げ領域25が形成されている。この逃げ領域25は、密着部22,22の凹状面とは反対に、使用者に向いて凸となるような面とされることにより、密着部22,22が使用者の顔面に密着しても、その周縁部が食い込むことがないようにされている。これにより、面状部21の特に密着部22,22が使用者である乳幼児の両頬近傍に密着しても、その周縁のエッジ部が食い込んで、後で肌の上に食い込んだ跡を残すようなことがないようになっている。
【0043】
図6は、座板部12を構成する座板部材の水平断面図であり、図7はその垂直断面図である。図示するように、上記逃げ領域25は、座板部12の面状部21を構成する板体の端面12aの湾曲とは明確に区別される。つまり、このような板体の厚みを表す端面部12aも曲面で構成されているが、逃げ領域25の曲率半径はこれより大きい点で区別される。例えば、本実施形態では、上記端面部の曲率は、0.9mm程度であるのに対して、逃げ領域25を構成する曲面は、その曲率が例えば7mm程度となっている。
また、上述したように、面状部22,22は、必ずしも、その全体が乳幼児の両頬に完全に密着する必要はないが、面状部22,22と逃げ領域25,25との境界(曲面の方向が変わる領域)付近は必ず密着し、その当接による刺激を緩和するようになっている。
【0044】
さらに、面状部21の乳首部11よりも下の領域,すなわち、図1の26で示す領域は、図2によく表れているように、密着部22,22とは反対の湾曲を備える下部領域26とされている。これは、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す形状を有しているという特徴を考慮して形成されたもので、この下顎の張出を逃げる逃げ領域とされている。これにより、面状部21の下部領域26は、乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができるようになっている。
すなわち、この乳首部11よりも下の領域では、上側密着部22,22は、例えば、その曲率が半径160mm程度で、対向する使用者の顔面に対して凹面とされているが、下部領域26は、これとは反対の曲面で、例えば、曲率半径が7mm程度とされている。
尚、この下部領域26が、座板部12の面状部21を構成する板体の端面12aの湾曲とは区別される点は、逃げ領域25の場合と同じである。
【0045】
また、面状部21の乳首部11よりも上側の領域は、図2に示されているように、上記密着部22,22(この場合、例えば、曲率半径160mm)と同じ方向の湾曲で、これよりも小さな曲率(例えば、曲率半径50mm)を有するようにされている。つまり、この上部領域27は、使用者の顔面に対向する面が密着部22,22と同じように凹面とされており、その湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも小さくなるようにされている。
これにより、乳幼児の湾曲した上唇の形状に適合して、新生児から1歳程度の乳幼児の上唇に密着しやすい(特に、***を閉じた状態における上唇に密着しやすい)湾曲とすることで、上唇に適切にフィットして密着するようにされている。
【0046】
本実施形態の第1のおしゃぶり10は以上のように構成されており、次に、その使用状態を説明しつつ、作用を述べる。
先ず、本実施形態の作用を説明する前に、乳幼児の口腔内の構造について説明する。
図8(a)は、本実施形態の第1のおしゃぶり10を乳幼児の口腔内に入れた状態を水平断面で上顎側を概略的に示した図である。哺乳運動を行う乳幼児において、重要な役割を果たす哺乳窩という窪みが上顎の軟口蓋と硬口蓋の境界付近に存在し、符号aDはその哺乳窩の最深部を示している。
図8(b)は、図8(a)にて示した各符号箇所に関して、その深さを概略的にプロットした図である。
これらの図において、aAは乳幼児の***先端部、aBは歯槽の頂上点、aCは哺乳窩の始点(前端)、そして、aXは第1のおしゃぶりの乳首部11が適切な位置をとった場合の先端をそれぞれ示している。
【0047】
また、誕生から月齢4月程度までの乳幼児に関して、本発明者等の研究によれば、各サイズは以下のようである。
すなわち、哺乳窩の(最深部)直径(aE−aE’)は、11mmないし15mm程度、哺乳窩の外周直径(aF−aF’)が17mmないし19mm程度、***の厚さ(aA−aB)が5mm乃至10mm程度、歯槽頂上点から哺乳窩最深点までの距離が13mm乃至17mm程度である。
【0048】
図9は、使用者である乳幼児ahが第1のおしゃぶり10を口腔内にくわえ、乳首部11を口腔内に取り込む段階を示す概略断面図である。
図において、31は、乳幼児ahの上唇、32は下唇を示し、33,34はそれぞれ歯槽上部、歯槽下部を示し、符号aDは哺乳窩最深点を示している。
図9の段階では、乳幼児ahは、その口蓋や舌を使用して、屈曲部14の上述した機能により、図示するように乳首部11の乳頭先端部15を上方へ屈曲,変形させるとともに、伸展させ、乳頭先端部15を哺乳窩へ導く。
【0049】
図10は、乳幼児ahが第1のおしゃぶり10を口腔内で母親の乳首を取り込むと同じ状態で取り込んで、哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態を示している。 この時、乳幼児ahの舌は点線で示すように波うつような動きを示しており、乳首部11は、哺乳窩に適切に収容されて、母親の乳首と同様な変形を行うことができる。
【0050】
つまり、乳首部11は、上述したように、十分変形可能な柔らかい材料で形成されており、しかも、中空内部から空気が上述の貫通孔を通って外部へ抜けることから、従来の第1のおしゃぶりと異なり、母親の乳首とほぼ同様な変形や伸展をすることができる。
ここで、図2で説明したように、乳首部11の長さamが例えば24mmないし33mmに設定されているので、その乳頭先端部15が乳幼児の哺乳窩に適切に達することができる。
また、乳頭先端部15は、図2で説明したように、ほぼ球状であり、その外径afは、好ましくは11mm乃至15mm、特に好ましくは、約13mmに設定されている。乳頭先端部15の外径が15mmより大きいと、乳幼児ahの舌の動きにより口腔内の空間を密閉できないので、哺乳運動を適切に行えない。乳頭先端部15の外径が11mmより小さい場合にも、乳幼児ahの舌の動きにより口腔内の空間を密閉できないので、哺乳運動を適切に行うことができないのである。したがって、乳幼児の哺乳窩に乳頭先端部15が適切にフィットするためには、その外径afは、好ましくは11mm乃至15mmであることが必要で、特に好ましくは13mm程度である。
【0051】
また、図2で説明した座板部12から括れ部14までの距離agは膨出部である基部13の大きさに対応しており、図8のaAを始点としてaBを通りaCに至る距離と一致している。この基部13の長さである距離agは、約11mm乃至17mmとされる。すなわち、17mmより長いと、後述するように、乳幼児が蠕動様運動を休んだ時に僅かに口を開くと、***から外へ出てしまう長さが必要以上に大きくなって第1のおしゃぶり10が落ちやすくなる。11mmよりも短いと、乳頭先端部15が哺乳窩が引き込まれる際に、***がフィットする部分となる乳輪としての大きさが不足し、***が座板部12と干渉してしまう。
【0052】
また、図8ないし図10の状態において、座板部12の特殊な形状が最もその効果を発揮している。すなわち、先ず、座板部12の面状部21少なくとも両脇に設けた密着部22,22は、使用者の顔面の両頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。このため、乳幼児ahが乳首部11を吸引する際に、座板部12の各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密接に接触する。
【0053】
さらに、座板部12の面状部21の上部領域27は、上述したように、使用者の顔面に対向する面が密着部22,22と同じように凹面とされており、その湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも大きくなるようにされている。このため図10に示すように、乳幼児の湾曲した上唇に適切にフィットして密着する。
【0054】
そして、面状部21の下側領域26は、上述したように、密着部22,22とは反対の湾曲を備える下部領域26とされている。そして、図10に示されているように、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す形状を有しているので、面状部21の下部領域26は、乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができる。
このように、座板部12の面状部21は、その両脇の領域22,22と上側領域27及び下側領域26がそれぞれ、乳幼児の顔全面の対応領域に密着できるようにされていることで、乳首部11の上述の寸法設定が生かされるように、正しく位置決めされる。
【0055】
また、このように座板部12が乳幼児ahの顔の前面に密着しても、特に、その両脇部には、上述したように、逃げ領域25が形成されていることから、周縁部が乳幼児ahの顔前面に食い込むことがなく、肌の上に食い込んだ跡を残すようなことがない。
【0056】
図9は、乳幼児ahが図10の蠕動様運動を休んでいる状態を示している。
すなわち、乳幼児ahは図10の哺乳運動を長時間継続するわけではなく、哺乳運動の間にこのように乳首部11を吸引しない休憩の状態となる。
この時には、乳幼児ahの口が僅かに開かれ、すなわち、歯槽上部33と歯槽下部34の距離が僅かに大きくなるとともに、口腔内の負圧が弱くなると、第1のおしゃぶり10は矢印方向に僅かに落下する。
この状態では、乳首部11の括れ部14が掛止手段の役割を果たす。
【0057】
この掛止手段としての括れ部14は、図5で説明したように、上下につぶれた偏平な形状であるから、上下の歯槽33,34との間で容易に挟まれることができる。このため、矢印方向に第1のおしゃぶり10が落下しようとした時に、上下の歯槽33,34が括れ部14の位置でひっかかり、その落下を防止する。
ここで、図9でaaに示す括れ部14の厚みは、約3mm乃至9mmで6.5mm程度が好ましい。aaが9mmよりも大きいと、屈曲しにくく、乳頭先端部の外形との差が小さく成りすぎて、上下の歯槽間で掛止保持しにくくなってしまう。また、aaが3mmよりも小さいと製造時に金型からの離型がしにくく、製造が困難となる。
【0058】
また、上述したように、図2で説明した座板部12から括れ部14までの距離agは膨出部である基部13の大きさに対応しているだけでなく、図9のacに示す座板部12から括れ部14までの距離と一致している。そして、この距離acは、約11mm乃至17mmとされる。
すなわち、17mmより長いと、乳幼児ahが図9のように哺乳運動を休んだ時に僅かに口を開くと、***から外へ出てしまう長さが必要以上に大きくなって第1のおしゃぶり10が落ちやすくなるのである。
【0059】
このように、本実施形態の第1のおしゃぶり10によれば、従来の第1のおしゃぶりと異なり、特に、誕生から月齢4か月程度の乳幼児に対して、その哺乳運動を適切に行うことができる特殊な第1のおしゃぶりとなっている。このため、このような時期の乳幼児に適合した***刺激を与えることで、その注意を巧みにひきつけることができる。
しかも、この時期に特有な哺乳運動の間の休止状態においても、乳幼児の口から第1のおしゃぶり10が落下することを適切に防止することができ、衛生的であるとともに、乳幼児が継続して使用を続けることができる。
【0060】
次に、本発明の実施形態による第2のおしゃぶりについて説明する。
この第2のおしゃぶりは、生後約4か月程度から8か月程度の乳幼児の使用に適している。
この時期は、摂食運動の中心として哺乳運動を行いながらも、離乳食等の母乳やミルクと異なる初めての食品を摂取する練習を行う時期である。このため、後述するように、口腔内に物をいれた状態で***を閉じて摂食行動を行うための準備として、***を巧く閉じる運動を促進するのに適している。
【0061】
図12は、本発明の実施形態による第2のおしゃぶりの概略斜視図であり、図12(a)は、第2のおしゃぶりを前上方から見た状態を、図12(b)は、第2のおしゃぶりを前下方から見た状態をそれぞれ示している。また、図13は、この第2のおしゃぶりの概略側断面図、図14は概略側面図、図15(a)は図12の第2のおしゃぶりの概略水平断面図であり、図15(b)は、図15(a)のba−ba線端面図である。これらの図を適宜参照しながら、本実施形態の第2のおしゃぶりを説明する。
【0062】
図12において、第2のおしゃぶり40は、乳首部41と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部12とを備えている。
この乳首部41は、ほぼ球状の乳頭先端部45と、この乳頭先端部45と基部43との間に設けた、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部44とを備えている。
【0063】
上記乳首部41は、例えば、熱湯等による加熱殺菌によっても容易に劣化せず、母親の乳首の感触と近似した感触を与えるように、形成されている。また、本実施形態の第2のおしゃぶりでは、後述するように、乳幼児の口腔内で十分変形する必要があり、このような点を考慮すると、十分柔らかい材料、例えば、シリコーンゴムにより、例えば、幅10mmで先端半径5mm程度の形状の所定の治具を、毎分100mmで乳頭先端部に押しつけた時に、乳頭先端部の最大外径を40パーセント圧縮した場合、その反発力が1.5N(ニュートン)から2.5N、好ましくは、例えば2.0N程度となる硬度に設定されている。
また、座板部12は、乳首部41とともに、上記殺菌処理されても容易に劣化せず、また、所定の剛性を備えた材料で形成されており、例えば、ポリプロピレンやポリカーボネート等が使用されている。
【0064】
乳首部41は、図13に示すように、座板部12から先端までの長さbgが例えば28mmないし34mmに設定されている。乳首部の長さは、乳首部の基端から先端までの長さである。この長さは、口腔内に乳首部が挿入された場合に、***先端から哺乳窩の最深部に入り込む必要性から決定される。これにより、後述するように、その乳頭先端部45が乳幼児の哺乳窩に適切に達するようにされている。
また、乳頭部41は、図13や図15に示されているように、中空に形成されていて、基端側の座板部12に形成した貫通孔16によって外部と連通している。
これにより、乳首部41が上述した硬度で口腔内に接触することができ、しかも、使用により、乳幼児のよだれや洗浄の際の水等が内部に入っても水切りしやすい。
【0065】
乳首部41の乳頭先端部45は、ほぼ球状であり、好ましくは、その外径bfが、後述するように、乳幼児の哺乳窩に適切にフィットするように、約11mm乃至15mm、特に好ましくは、約13mmに設定されている。
ここで、乳幼児のこの時期(月齢5か月程度)の哺乳窩の大きさを考慮すると、前記乳頭先端部の外径が11mmより小さいと、哺乳窩に十分フィットしないことから、蠕動様運動(哺乳運動)を阻害する。前記乳頭先端部の外径が15mmより大きいと、哺乳窩に入りきらない場合があり、この場合も十分フィットしないことから、蠕動様運動(哺乳運動)を阻害する。
基部43は、後述する偏平部44と一体に形成されており、やや広い面積を有しており、座板部12により支持されている。
【0066】
また、乳首11の乳頭先端部45と基部43との間には、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部44が設けられている。この偏平部44は、図13に示されているように、部分球面で形成された乳頭先端部45から縮径されて、根元である基部43に向かうように設けられている。そして、この偏平部44は、図15(a)のba−ba線端面図である図15(b)に示すように、幅方向の長さbeよりも上下方向の長さbdが小さくなるように、断面が偏平に形成されている。
また、この偏平部44は、後述するように、乳首部41を保持するために、乳幼児が***を閉じる方向に上下の歯槽を動かし、偏平部44を挟むことで、僅かに***が開きつつも、できるだけ***が閉じた状態を維持するような動作を導くために形成されている。
【0067】
この基部43に配置される座板部12の構成は、第1のおしゃぶり10の座板部12と同じ構成であるから、各部に共通の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0068】
本実施形態の第2のおしゃぶり40は以上のように構成されており、次に、その使用状態を説明しつつ、作用を述べる。
先ず、本実施形態の作用を説明する前に、乳幼児の口腔内の構造について説明する。
図17は、本実施形態の第2のおしゃぶり40を乳幼児の口腔内に入れた状態の上顎側を水平断面で概略的に示した図である。哺乳運動を行う乳幼児において、重要な役割を果たす哺乳窩というくぼみが上顎の軟口蓋と硬口蓋の境界付近に存在し、符号bCはその哺乳窩の最深部を示している。
図において、bAは乳幼児の***先端部、bBは歯槽の頂上点、bCは哺乳窩の最深部、そして、bXは第2のおしゃぶりの乳首部41が適切な位置をとった場合の先端をそれぞれ示している。
【0069】
また、生後5月ないし8月程度までの乳幼児に関して、本発明者等の研究によれば、各サイズは以下のようである。
すなわち、哺乳窩の外周直径(bD−bD’)が18mmないし22mm程度、***の厚さ(bA−bB)が7mm乃至12mm程度、歯槽頂上点から哺乳窩最深点までの距離が17mm乃至19mm程度である。
【0070】
図18は、乳幼児bhが第2のおしゃぶり40を口腔内で母親の乳首を取り込むのと同じ状態で取り込んで、哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態を示す概略断面図である。
また、図19は、乳幼児bhが上記哺乳運動の跡で、第2のおしゃぶり40を口腔内にくわえたまま休んでいる状態を示している。
これらの図において、31は、乳幼児bhの上唇、32は下唇を示し、33,34はそれぞれ歯槽上部と、歯槽下部を示し、符号bcは哺乳窩最深点を示している。
図18の段階では、乳幼児bhの舌は点線で示すように波うつような動きを示しており、乳首部41は、哺乳窩に適切に収容されて、母親の乳首と同様な変形を行うことができる。
【0071】
すなわち、上述したように、乳首部41の乳頭先端部45は、ほぼ球状であり、好ましくは、その直径bbが、乳幼児bhの哺乳窩に適切にフィットするように、約11mm乃至15mm、特に好ましくは、約13mmに設定されている。
乳頭先端部45の外径が15mmより大きいと、乳幼児bhの舌の動きにより口腔内の空間を密閉できないので、哺乳運動を適切に行えない。乳頭先端部45の外径が11mmより小さい場合にも、乳幼児bhの舌の動きにより口腔内の空間を密閉できないので、哺乳運動を適切に行うことができないのである。したがって、乳幼児の哺乳窩に乳頭先端部45が適切にフィットするためには、その直径bbは、好ましくは11mm乃至15mmであることが必要で、特に好ましくは13mm程度である。
【0072】
ここで、座板部12の特殊な形状が最もその効果を発揮している。すなわち、先ず、座板部12の面状部21少なくとも両脇に設けた密着部22,22は、使用者の顔面の両頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。このため、乳幼児bhが乳首部41を吸引する際に、座板部12の各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密接に接触する(図17参照)。
【0073】
また、座板部12の基部43は、周囲の面状部21よりも柔らかい材料で形成されているから、***33,34に対してソフトに当接し、乳幼児に柔らかい感触を与えることができる。
【0074】
さらに、座板部12の面状部21の上部領域27は、上述したように、使用者の顔面に対向する面が密着部22,22と同じように凹面とされており、その湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも小さくなるようにされている。このため上唇33が図18の位置から基部43を乗り越えて、上部領域27に当接した場合には、乳幼児の湾曲した上唇33に適切にフィットして密着する。
【0075】
さらに、面状部21の下側領域26は、上述したように、密着部22,22とは反対の湾曲を備える下部領域26とされている。そして、図18に示されているように、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す形状を有しているので、面状部21の下部領域26は、乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができる。
このように、座板部12の面状部21は、その両脇の領域22,22と上側領域27及び下側領域26がそれぞれ、乳幼児の顔全面の対応領域に密着できるようにされていることで、乳首部41の寸法設定が生かされるように、正しく位置決めされる。
【0076】
また、このように座板部12が乳幼児bhの顔の前面に密着しても、特に、その両脇部には、上述したように、逃げ領域25が形成されていることから(図17参照)、周縁部が乳幼児bhの顔前面に食い込むことがなく、肌の上に食い込んだ跡を残すようなことがない。
【0077】
そして、座板部12の機能により、乳幼児bhの口腔内で、乳首部41が正しく位置決めされている。この場合、乳首部41は、上述したように、十分変形可能な柔らかい材料で形成されており、しかも、中空内部から空気が上述の貫通孔を通って外部へ抜けることから、従来のおしゃぶりと異なり、母親の乳首とほぼ同様な変形や伸展をすることができる。
【0078】
しかも、乳幼児bhの上下の歯槽33,34は、自然に偏平部44を上下からはさむように位置決めされる。この状態において、図18のbbaで示す偏平部44の上下方向の長さ,すなわち厚みは、好ましくは、約2.5mmから8mmに設定されている。偏平部44が2.5mmよりも薄いと、***や上下の歯槽33,34により偏平部44を挟み込み難い。また、このような偏平部44を製造する際に成形しにくい。
また、bbaが8mmより厚くなると、乳頭先端部45の太さとの差が小さくなり、偏平部44として機能しにくい。また、偏平部44が厚くなりすぎて、***をとじる練習を十分行うことができない。つまり、歯槽33,34が偏平部44を挟んでも、口が開き過ぎてしまう。さらに、このような厚みであると、かえって歯列への悪影響として、オープンバイト(完全に歯列が閉じない)という弊害になるおそれもある。
【0079】
このように、本実施形態の第2のおしゃぶり40によれば、座板部12が乳幼児の発達段階に応じて、その***の周囲に適切にフィットすることができ、この状態で乳首を保持しやすい。しかも、その乳首部41は、球状の乳頭先端部45に基づいて、哺乳運動に対応して、乳幼児に***刺激を与えることで、その注意を巧みに引きつけるとともに、偏平部44を備えることにより、生後5月から8月程度の乳幼児が、哺乳運動から、次第に、離乳食等の摂食行動を身につけるために必要な口を閉じる動きを行うことを自然に習得できるように、適切な訓練もしくはこのような動きの促進を行うことができる。
【0080】
次に、本発明の実施形態にかかる第3のおしゃぶりについて説明する。
この第3のおしゃぶりは、例えば、主として、生後約8か月以降の乳幼児に適するように特に工夫されており、従来のおしゃぶりが次のような欠点を有していた点を改善するために創作されたものである。
すなわち、特に、生後約8か月以降の乳幼児では、これまでの母乳等を摂取するための哺乳運動から、全く異なる***の動きを必要とする離乳食や普通食の摂食運動を行うことが練習され始める。このため、哺乳運動だけを考えた、母親の乳首と同じような形状の乳頭部を備える従来のおしゃぶりでは、生後約8か月以降の乳幼児に与えるには不適切であり、成長の段階に応じた好適な刺激を与えて適切な興味を引くものではなかった。
【0081】
具体的には、次のような問題があった。
1.母乳やミルク等と異なった食物を摂取するためには、口腔内に食品が入ったら口を閉じる習慣を身につける必要があるが、従来のおしゃぶりでは、母親の乳首に近似した乳頭をもつため、これを口腔内に入れると哺乳窩に入り込んで、哺乳運動における蠕動様運動を促してしまう。このため、折角、哺乳運動の消失しはじめた乳幼児に対して、次の摂食行動に必要とされる口を閉じる訓練もしくは閉じる動作の促進を阻害する。
2.また、この時期の乳幼児は、離乳食等の摂取や会話の試み等を始めることで、***の形態等が変化することにともない、口からの呼吸の頻度が増えてしまう。これに対して、食品の摂取時に***を閉じると、口呼吸はできないことから、食事の際における鼻呼吸をも促進する必要があるが、従来のおしゃぶりは、このような点を配慮した構成となっていない。
3.さらに、この時期に、上述したように口呼吸の習慣がついてしまうと、大人になっても口呼吸が中心となってまい、喉への直接的な影響を及ぼし、場合によっては、免疫力の低下に結びつくという重大な問題がある。このためにも、鼻呼吸の習慣を身につけることは重要である。
そこで、このような点を改善するため、第3のおしゃぶりは、以下のように構成されている。
【0082】
図20は、本発明の実施形態による第3のおしゃぶりの概略斜視図であり、図20(a)は、第3のおしゃぶりを前上方から見た状態を、図20(b)は、第3のおしゃぶりを前下方から見た状態をそれぞれ示している。また、図21は、この第3のおしゃぶりの概略側断面図、図22は概略側面図、図23は概略水平断面図であり、これらの図を適宜参照しながら、本実施形態の第3のおしゃぶりを説明する。
【0083】
図20において、第3のおしゃぶり60は、乳首部61と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部12とを備えている。
この乳首部61は、先端部65と、乳首部61を座板12に支持する基部63とを備えており、この先端部65と基部63との間には、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部64が設けられている。
【0084】
上記乳首部61は、例えば、熱湯等による加熱殺菌によっても容易に劣化せず、母親の乳首の感触と近似した感触を与えるように、形成されている。また、本実施形態の第3のおしゃぶりでは、後述するように、乳幼児の口腔内で十分変形する必要があり、このような点を考慮すると、十分柔らかい材料、例えば、シリコーンゴムにより、例えば、幅10mmで先端半径5mm程度の形状の所定の治具を、毎分100mmで先端部65に押しつけた時に、先端部65の最大外径を40パーセント圧縮した場合、その反発力が1.0N(ニュートン)から2.5N、好ましくは、例えば1.5N程度となる硬度に設定されている。
また、座板部12は、乳首部61とともに、上記殺菌処理されても容易に劣化せず、また、所定の剛性を備えた材料で形成されており、例えば、ポリプロピレンやポリカーボネート等が使用されている。
【0085】
乳首部61は、図21に示すように、座板部12から先端までの長さcdが、好適には約15mmないし26mmに設定され、この実施形態では、例えば、25.5mmとされている。これにより、後述するように、その先端部65がこの時期(生後約8か月から3歳程度)の乳幼児の残存する哺乳窩に適切に達することがないようにされている。この座板部12から先端部65の長さcdが約26mmよりも長いと、先端部65が哺乳窩に入り込むおそれがある。15mmより短いと***先端から歯槽までの距離が限られていることから、後述する括れ部64を上下の歯槽により挟んで保持できなくなるおそれがある。
すなわち、この時期の乳幼児の上顎には、哺乳運動において乳首が入り込むくぼみである哺乳窩が次第に浅くなり消失しつつある。これは、乳幼児の食事が、哺乳から次の段階の食事に変化することに対応しており、この第3のおしゃぶり60は、特にこの時期の乳幼児に適合するように構成されている。
【0086】
このため、乳首部61の先端部65は、図21に示すように、幅広の平らな端部を有し、かつ先端部65は、図23に示すようにその幅cmが広く設定されており、例えば、幅cmは約20mmないし30mmとされている。
ここで、乳首部61の先端部65の幅mが20mmより小さいと哺乳窩に入り込んで、哺乳運動を誘発してしまうおそれがある。30mmより大きいと、後述する奥歯側の歯槽と干渉してしまう。この実施形態では、幅cmは23mmに設定されている。
また、乳首部61は、図21や図23に示されているように、中空に形成されていて、基端側の座板部12に形成した貫通孔16により外部と連通している。
これにより、乳首部61が上述した硬度で口腔内に接触することができ、しかも、使用により、乳幼児のよだれや洗浄の際の水等が内部に入っても水切りしやすい。
【0087】
先端部65を含む乳首部61は、上下の長さが幅よりも小さな偏平な形状とされている。
この偏平形状に加えて、先端部65の上面には、上側曲面部69が形成されている。すなわち、先端部65は、やや潰れた球状,もしくは偏平な球状で、上側には、中央部が凸となるように形成した上側曲面部69が設けられている。
この上側曲面部69の基部側は、この第3のおしゃぶり60が対象とする乳幼児の上顎の内面の曲面に沿うように形成されている。具体的には、上側曲面部69は、中央部の第1の曲面部69aと、その周囲を囲む第2の曲面部69bを有している。第2の曲面部69bは、図23に示すように、その幅cjが例えば、13mmないし17mmとされている。第1の曲面部69aは、第2の曲面部69bよりも内側で、その幅ciが例えば11mmないし13mmとされている。さらに、上側曲面部69の湾曲面が曲率半径9mmないし22mmの範囲で設けられることで、上側曲面部69は乳幼児の上顎の内面とほぼ一致した形状とされている。
【0088】
また、先端部65の下面には、下側曲面部68が形成されている。この下側曲面部68は、先端部65の下面のほぼ中央部に、例えば、半径7.5mm程度の幅となるように設けられて、例えば、曲率半径が8mm程度の湾曲面とされている。これにより、先端部65の下面は、丸く突き出た形状となっている。
この下側曲面部68は、後述するように、この時期の乳幼児の摂食運動における舌の動きを促進するために重要な役割を果たす。
【0089】
ここで、先端部65の下側曲面部68は、好ましくは、上側曲面部69よりも変形しやすい構造とされている。例えば、この実施形態では、乳首部61が中空に形成されていることから、図21に示されているように、上側曲面部69よりも、下側曲面部68を形成する材料の肉厚を、薄くすることで変形しやすくしている。
これにより、後述するように、摂食行動における舌の特有な運動を促進することができる。このように、下側曲面部68を変形しやすい構造とするためには、例えば、上側曲面部69よりも下側曲面部68を形成する材料を柔らかい材料とする等種々の方法を採用できる。
【0090】
また、乳首11の先端部65と基部63との間には、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部64が設けられている。
また、この括れ部64は、後述するように、乳幼児が第3のおしゃぶり60の乳首部61を口腔内に収容した状態で、乳幼児の上下の歯槽の間に挟まれて、保持されるためのものである。これにより、第3のおしゃぶり60が口から落ちることが防止されるとともに、後述するように、乳幼児が***を閉じる訓練を行うことができる。
このため、括れ部64の厚みは、約3mmから7mmに設定されている。この括れ部64の厚みが約3mmよりも薄いと、薄すぎて上下の歯槽の間で挟み込みずらい。また、製造上も乳首部61を中空とする場合には、その成形が困難となってしまう。括れ部64の厚みが、7mmよりも厚いと、前記先端部との厚みの相違が少なくなって機能しにくく、また、顎を閉じたときに上下の歯槽または歯が当接しないオープンバイトの習慣を誘発するおそれがある。これらの点を考慮してこの実施形態では、括れ部64の厚みは、約6.7mmとされている。
【0091】
また、図21に示すように、括れ部64が形成されている領域の長さに関しては、上側の長さcoよりも下側の長さcpの方が長い構成とされている。
この括れ部の上側の長さcoを下側の長さcpよりも短くしたのは、次の理由による。すなわち、乳幼児が***を閉じた時に、その上側の歯槽と下側の歯槽の位置が前後にやや異なる位置となることに対応させているのである。つまり、***を閉じたときには、下側の歯槽は、上側の歯槽の内側に入るようにかみ合わされるのが正常である。このため、下側の歯槽が当接すべき前記括れ部の下側の位置は、座板側から遠く、これと比較すると、上側の歯槽が当接すべき括れ部の位置は、より座板側に近くなる。このため、括れ部を形成する上側の長さcoと下側の長さcpを異なるようにしている。
好ましくは、上側の括れ部64の長さcoは、0.7mmないし1.5mmで、この実施形態では、0.9mmである。下側の括れ部64の長さcpは、1.0mmないし2.0mmで、この実施形態では、1.2mmである。
【0092】
また、図23に示されているように、上記括れ部64の幅csは、先端部65の幅cmよりも小さくされている。
これにより、先端部65は、幅方向に括れた箇所を有し、このため、この幅方向の括れた箇所が口腔内でひっかかるため、乳首部が口腔内から抜けにくくなり、不用意に取り落とすことが防止される。
ここで、括れ部64の幅csは、約10mm以上で20mm未満とすることが好ましい。括れ部64の幅csを10mmよりも小さくすると、乳幼児が乳首部61を口腔内に含んだ時に、***が接触する面積が不足して保持しにくい。括れ部64の幅csを20mmより大きくすると、乳幼児が乳首部61を口腔内に含んだ時に、口角を横に引いてしまう動きを誘い、自然に***を閉じる練習ができない。
【0093】
乳首部61の基部63には、座板部12が配置されている。ここで、基部63は、座板部12に保持されるように、図21に示すようにやや拡大した径を有しており、この部分は、例えば、乳首部61と同じ比較的柔らかい材料で形成されている。これにより、後述するように、乳幼児が乳首部61を口に含んだ時に上下の***が当接する部分が柔らかい感触を与えるようになっている。
【0094】
この基部63に配置される座板部12の構成は、第1のおしゃぶり10の座板部12と同じ構成であるから、各部に共通の符号を付して、重複する説明は省略する。
尚、第3のおしゃぶり60の乳首部61の形状は、図1等に示すように上下に対称ではない。このため、乳首部61の基部63の図示しない上部に突起を設け、座板部側の中央の上部だけにこの突起を受容する凹部を設けると、座板部12に対して、乳首部61を上下に取り違えて装着することが防止される。
【0095】
本実施形態の第3のおしゃぶり60は以上のように構成されており、次に、その使用状態を説明しつつ、作用を述べる。
先ず、本実施形態の作用を説明する前に、乳幼児の口腔内の構造について説明する。
図25は、本実施形態の第3のおしゃぶり60を、生後約8か月から3歳の乳幼児の口腔内に入れた状態を水平断面で上顎側を概略的に示した図である。哺乳運動を行う乳幼児において、重要な役割を果たす哺乳窩というくぼみが上顎の軟口蓋と硬口蓋の境界付近に存在する。しかしながら、乳幼児の発達に伴い、この哺乳窩は次第に浅くなり、消滅する方向へ向かう。
符号cCはその哺乳窩の最深部を示している。これらの図において、cAは乳幼児の***先端部、cBは歯槽の頂上点、そして、cXは第3のおしゃぶりの乳首部61が適切な位置をとった場合の先端をそれぞれ示している。
【0096】
また、生後8か月から3歳程度までの乳幼児に関して、本発明者等の研究によれば、各サイズは以下のようである。
すなわち、***の厚さ(cA−cB)は約5mmないし12mm程度、歯槽頂上点から哺乳窩最深点までの距離(cB−cC)は約19mmないし20mm、哺乳窩の外周直径(cD−cD’)は約18mmないし21mm程度である。
【0097】
図26は、使用者である乳幼児hが第3のおしゃぶり60を口腔内にくわえ、乳首部61を口腔内に含んで使用している状態を示す概略断面図である。
図において、31は、乳幼児hの上唇、32は下唇を示し、33,34はそれぞれ歯槽上部、歯槽下部を示している。
図26の段階では、口腔内において、乳首部61は、その上側曲面部69を上口蓋に密着させている。この状態においては、図25に示されているように、2つの点から乳首部61の先端部65は哺乳窩に入り込まない。
つまり、図21で説明した先端部65の幅は広くて、この幅cmは哺乳窩の幅cD−cD’よりも大きく哺乳窩に入ることができない。また、座板部12から先端部65の長さcdが哺乳窩に達することがないようにされている。
これにより、乳幼児hが第3のおしゃぶり60を口に含んでも、反射により哺乳運動を誘発されることがない。
そして、この第3のおしゃぶり60によって、次に説明するように、哺乳運動に続く、次の段階の摂食運動が促される。
【0098】
すなわち、図26に示されているように、乳首部61は、先端部65よりも基部63側に括れ部64を有しており、この括れ部64の厚みが薄いことに基づいて、乳幼児が***を閉じるように導くことができる。また、この括れ部64は、乳幼児の上下の歯槽(または乳歯)にはさまれることで、第3のおしゃぶり60を保持するための掛止手段として機能する。
この括れ部64は、上述したように、上下つぶれた偏平な形状であるから、上下の歯槽33,34との間で容易に挟まれることができる。そして、上述したように、括れ部64の厚み(図26ではcc)は、約3mm乃至7mmで4mm程度が好ましい。caが7mmよりも大きいと、先端部の外形との差が小さくなりすぎて、上下の歯槽間で掛止保持しにくくなってしまう。また、caが3mmよりも小さいと製造時に金型からの離型がしにくく、製造が困難となる。また薄く成りすぎて、歯槽33,34間で保持することが困難となる。
また、括れ部64の厚みcaが7mmよりも大きいと、上下の歯槽33,34の閉じ方が不十分となり、***と歯槽を閉じる練習にならなくなってしまう。
【0099】
すなわち、この第3のおしゃぶり60では、上述したように、反射としての哺乳運動が誘発されることを防止すると同時に、この括れ部64を上下の歯槽33,34で挟むことで、かみ合わせ、***を閉じる練習を行わせることができる。これにより、哺乳運動から、離乳食や普通食の摂食運動に特徴的な***を閉じる練習を行うことができるのである。
しかも、この時期の乳幼児は、離乳食等の摂取や会話の試み等を始めることで、***の形態等が変化することにともない、口からの呼吸の頻度が増えてしまう。これに対して、食品の摂取時に***を閉じると、口呼吸はできないことから、食事の際における鼻呼吸を促進する必要がある。この場合、第3のおしゃぶり60を口に含んで、図26の状態で、上下の歯槽33,34で括れ部64を挟むと、***31,32が閉じられることから、口から呼吸することができない。したがって、この第3のおしゃぶり60を習慣的に口にくわえることで、鼻呼吸を行う訓練をすることができる。
【0100】
一方、先端部65の下面の下側曲面部68は、乳幼児hの舌35の上面中央付近に接している。
この下側曲面部68は、上述した形状であり、その中央付近が凸の形状であるから、乳幼児hの舌35の中央を押し込むことになる。
ここで、図27は、摂食行動時の舌35の動きを模式的に説明した図である。図27(a)では、固体状の食品がかみ砕かれた食塊が、舌35の運動により矢印で示すように、舌35の中央に導かれる。この時、舌35はその中央部が凹となるような運動をしている。図27(b)では、矢印に示すように、次第に食塊が中央によるように舌35は動き続けている。そして、図27(c)では、舌35の窪みに食塊が集められて、まとめられ、次いで嚥下されることになる。
このように、摂食行動においては、舌35の中央に窪みを形成する動きが重要であり、先端部65の下面の下側曲面部68は、乳幼児hの舌35の上面中央付近に接することにより、このように舌35の中央を窪ませる摂食行動に必須の動きを学習させることができる。
特に、上述のように、先端部65の下面の下側曲面部68は、変形されやすい構造となっていることから、上述した摂食行動における舌35の特有の動きをしやすいようにされている。これにより、舌35の運動を巧みに誘導して、訓練できるようにされている。
【0101】
また、図26の状態において、座板部12の特殊な形状が最もその効果を発揮している。すなわち、図25において、先ず、座板部12の面状部21少なくとも両脇に設けた密着部22,22は、使用者の顔面の両頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。このため、乳幼児hが乳首部61を吸引する際に、座板部12の各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密接に接触する。
【0102】
さらに、座板部12の面状部21の上部領域27は、上述したように、使用者の顔面に対向する面が密着部22,22と同じように凹面とされており、その湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも小さくなるようにされている。このため図27に示すように、乳幼児の湾曲した上唇に適切にフィットして密着する。
【0103】
さらに、面状部21の下側領域26は、上述したように、密着部22,22とは反対の湾曲を備える下部領域26とされている。そして、図26に示されているように、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す形状を有しているので、面状部21の下部領域26は、乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができる。
このように、座板部12の面状部21は、その両脇の領域22,22と上側領域27及び下側領域26がそれぞれ、乳幼児の顔全面の対応領域に密着できるようにされていることで、乳首部61の上述の寸法設定が生かされるように、正しく位置決めされる。
【0104】
また、このように座板部12が乳幼児hの顔の前面に密着しても、特に、その両脇部には、上述したように、逃げ領域25が形成されていることから、周縁部が乳幼児hの顔前面に食い込むことがなく、肌の上に食い込んだ跡を残すようなことがない。
【0105】
このように、本実施形態の第3のおしゃぶり60によれば、従来のおしゃぶりと異なり、特に、生後約8か月ないし3歳程度の乳幼児に対して、次第に哺乳運動を終了して、次の段階の摂食運動を適切に誘導する訓練がされる特殊な第3のおしゃぶりとなっている。このため、成長の段階に応じた好適な刺激を与えて適切な興味を引くことができ、次の摂食行動に適切に導きつつ、この時期の乳幼児に適合した***刺激を与えることで、その注意を巧みにひきつけることができる。
【0106】
上述したように、本発明の実施形態における第1のおしゃぶり10と、第2のおしゃぶり20と、第3のおしゃぶり60を組み合わせたシステムは、乳幼児の発達段階における摂食動作等の変化に応じて、段階的に***の運動をトレーニングすることができる。
すなわち、乳幼児の発達段階として、誕生直後で、ほとんど母乳やミルクを摂取するだけの哺乳運動を行う時期に、第1のおしゃぶり10を与えて、適切の哺乳運動を促進することができる。その後、やがて口腔内の構造等が変化し、これにともなって、ほぼ離乳食の摂取を始める時期、すなわち、生後4か月から8か月程度迄の間は、第2のおしゃぶり40を与えて、***を閉じる運動を主として促進し、生後約8か月以降の通常の摂食運動に移行する時期には、哺乳運動を終了させて、***や舌の運動を普通の摂食動作に適するように訓練することができる。
また、第1、第2、第3のおしゃぶりは、必ずしもこれを全て使用する必要はなく、乳幼児の成長の個体差等に適合させて、これらを2つ選択して組み合わせたり、あるいは、第1、第2、第3のおしゃぶりに他の形態のものを組み合わせるようにしてもよい。
【0107】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
各実施形態の各構成要素は、本発明の効果を発揮する限りにおいて、個々に省略することができ、相互に組み合わせることができる。そして、さらに、上述の説明で言及しない構成を付加することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、生後の哺乳運動を中心とした***運動を行う時期から、これを終了させて、通常の摂食運動を行う時期までの乳幼児の***運動の促進を適切かつ段階的に行い、各時期の乳幼児に特に適した***刺激を与えることができる***運動促進システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る第1のおしゃぶりを示し、(a)はその前上方から見た概略斜視図、(b)はその前下方から見た概略斜視図である。
【図2】図1の第1のおしゃぶりの概略側断面図である。
【図3】図1の第1のおしゃぶりの概略側面図である。
【図4】図1の第1のおしゃぶりの水平方向の概略断面図である。
【図5】図4のak−ak線に沿った端面図である。
【図6】図1の第1のおしゃぶりの座板部の水平方向断面の概略図である。
【図7】図1の第1のおしゃぶりの座板部の垂直方向断面の概略図である。
【図8】(a)は、図1の第1のおしゃぶりを乳幼児の口腔内に入れた状態を水平断面で上顎側を概略的に示した図であり、(b)は、(a)にて示した各符号箇所に関して、その深さを概略的にプロットした図である。
【図9】使用者である乳幼児が第1のおしゃぶりを口腔内にくわえ、乳首部を口腔内に取り込む段階を示す概略断面図である。
【図10】使用者である乳幼児が第1のおしゃぶりを口腔内で母親の乳首を取り込むと同じ状態で取り込んで、哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態を示す図である。
【図11】使用者である乳幼児が図10の蠕動様運動を休んでいる状態を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る第2のおしゃぶりを示し、(a)はその前上方から見た概略斜視図、(b)はその前下方から見た概略斜視図である。
【図13】図12の第2のおしゃぶりの概略側断面図である。
【図14】図12の第2のおしゃぶりの概略側面図である。
【図15】図12の第2のおしゃぶりの(a)水平方向の概略断面図、(b)図15のk−k線に沿った端面図である。
【図16】図12の第2のおしゃぶりの背面図である。
【図17】図12の第2のおしゃぶりを乳幼児の口腔内に入れた状態を水平断面で上顎側を概略的に示した図である。
【図18】使用者である乳幼児が第2のおしゃぶりを口腔内で母親の乳首を取り込むと同じ状態で取り込んで、哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態を示す図である。
【図19】使用者である乳幼児が図18の蠕動様運動を休んでいる状態を示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係る第3のおしゃぶりを示し、(a)はその前上方から見た概略斜視図、(b)はその前下方から見た概略斜視図である。
【図21】図20の第3のおしゃぶりの概略側断面図である。
【図22】図20の第3のおしゃぶりの概略側面図である。
【図23】図20の第3のおしゃぶりの水平方向の概略断面図である。
【図24】図20の第3のおしゃぶりの概略背面図である。
【図25】図20の第3のおしゃぶりを乳幼児の口腔内に入れた状態を水平断面にて上顎側を概略的に示した図である。
【図26】使用者である乳幼児が第3のおしゃぶりを口腔内に含んだ状態を示す概略断面図である。
【図27】摂食行動における舌の動きを説明するための模式図である。
【図28】従来のおしゃぶりの一例を示す半断面図である。
【符号の説明】
10・・・第1のおしゃぶり、11・・・乳首部、12・・・座板部、13・・・基部、14・・・括れ部、15・・・乳頭先端部、40・・・第2のおしゃぶり、41・・・乳首部、12・・・座板部、43・・・基部、44・・・偏平部、45・・・乳頭先端部、60・・・第3のおしゃぶり、61・・・乳首部、12・・・座板部、63・・・基部、64・・・括れ部、65・・・先端部、68・・・下側曲面部、69・・・上側曲面図

Claims (12)

  1. 乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳首部は、弾性を有しており、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端部よりも大きく膨出した湾曲表面を有する膨出部である前記基部とを備えており、前記乳頭先端部と前記基部との間には、この乳頭先端部及び前記基部の外径よりも小さな外径とすることにより屈曲できるようにした屈曲部を有する第1のおしゃぶりと、
    乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳首部が、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端部よりも基部よりに設けられ、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部とを備える第2のおしゃぶりと、
    乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳首部は、幅が広く上下方向の厚みが薄くなるように偏平に形成した先端部と、この先端部の上面に設けられ中央部が凸となるように形成した上側曲面部とを備える第3のおしゃぶりと
    を有しており、
    前記第1のおしゃぶりは、前記乳首部の基部の前記座板部と接続される領域において、少なくとも該座板部から外部に露出する部分が拡径されることにより、乳幼児の***先端と当接するように構成されているとともに、前記接続領域が前記座板材料よりもやわらかい材料にて形成されていて、
    前記第2のおしゃぶりと前記第3のおしゃぶりは、前記乳首部の基部の前記座板部と接続される領域において、少なくとも該座板部から前記対向面側に露出する部分が、略円形の面状に拡径されて突出形成されていることにより、該面状部分が乳幼児の***先端と当接するように構成されているとともに、前記接続領域である前記略円形の面状の部分が前記座板材料よりもやわらかい材料にて形成されており、
    前記第1のおしゃぶりと、第2のおしゃぶりと、第3のおしゃぶりのうち、少なくとも2つのおしゃぶりを組み合わせることを特徴とする、乳幼児の***運動促進システム。
  2. 前記第1、第2、第3のいずれのおしゃぶりについても、前記座板部は、前記第1のおしゃぶりと第2のおしゃぶりと第3のおしゃぶりのいずれのおしゃぶりについてその前記乳首部の基部周囲を囲む板体でなり、この座板部の使用者に対する対向面の少なくとも両脇部が凹状に形成された密着部とされていることを特徴とする、請求項1に記載の***運動促進システム。
  3. 前記第1、第2、第3のいずれのおしゃぶりについても、前記座板部の前記対向面の少なくとも両脇周縁部が、外側に向かうように反った逃げ領域とされていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の***運動促進システム。
  4. 前記第1、第2、第3のいずれのおしゃぶりについても、前記座板部の前記対向面の使用者の顎部に対応する領域が、前記密着部と反対の湾曲面とされていることを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の***運動促進システム。
  5. 前記第1のおしゃぶりと第2のおしゃぶりと第3のおしゃぶりのいずれのおしゃぶりについても、前記座板部の前記対向面の上側周縁部は、前記逃げ領域を形成せずに、前記対向面と同じ曲面とされていることを特徴とする、請求項3に記載の***運動促進システム。
  6. 前記第1のおしゃぶりの前記屈曲部は、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部であることを特徴とする、請求項1に記載の***運動促進システム。
  7. 前記第1、第2、第3のおしゃぶりの乳首部は中空であり、かつ外部と連通していることを特徴とする、請求項1に記載の***運動促進システム。
  8. 前記第3のおしゃぶりの乳首部の先端部の幅が、使用者である乳幼児の哺乳窩の幅よりも広く形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の***運動促進システム。
  9. 前記第3のおしゃぶりの乳首部の前記先端部の下面には、中央部が凸となるように形成した下側曲面部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の***運動促進システム。
  10. 前記下側曲面部が、前記上側曲面部よりも変形しやすい構成とされたことを特徴とする、請求項9に記載の***運動促進システム。
  11. 前記第3のおしゃぶりの前記乳首部の前記基部付近には、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部が形成されていることを特徴とする、請求項8ないし10のいずれかに記載の***運動促進システム。
  12. 前記第3のおしゃぶりの前記括れ部が形成されている領域の長さが、前記乳首部の上側よりも下側が長い構成とされていることを特徴とする、請求項11に記載の***運動促進システム。
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