JP4596596B2 - おしゃぶり - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、乳幼児の例えば、生後5月から8月程度の時期において好適に使用されるおしゃぶりに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、哺乳期から離乳期以降の乳幼児が主として玩具として使用するおしゃぶりは広く知られている。
このようなおしゃぶりは、乳幼児が口のなかに入れて、その***刺激による興味をおこさせるために与えられている。乳幼児のうち、生後すぐから月齢4月程度までの間は、もっぱら哺乳運動により、母乳により栄養を摂取する時期に対応しており、このため、おしゃぶりの形態としても、人工乳首と共通した乳頭部を有するものが知られている。
【0003】
例えば、図9は、従来のおしゃぶりの一例を示す半断面図である。図において、おしゃぶり1は、人工乳首と同じ形状の乳頭部2と、この乳頭部2を支持するフランジ状の座板3と備えている。そして、座板3の乳頭部2とは反対面には、長く延びる把持部4が設けられている。
【0004】
このようなおしゃぶり1は、乳頭部2が人工乳首と同じ形状であることから、生後すぐから月齢4月程度までの間の生まれて間もない乳幼児でも、これをくわえることで、哺乳運動が促され、興味を引くことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9のおしゃぶり1の座板3は、平らな面状であり、乳幼児が乳首2をくわえた状態において、保持性が悪い。
この点、乳首2側を凹面とした湾曲状の座板を備えたおしゃぶりも知られている。このような座板を有するおしゃぶりは、使用者が乳首を吸引した場合に、***の周囲に座板が当接して乳首がそれ以上中へ入らないようにすることができる。しかし、乳幼児は、乳首部をくわえると、これを口腔の奥へ取り込もうとするため、座板の外周周縁が乳幼児の***の周囲に食い込んで、使用後に***の周囲の皮膚にリング状の跡が残る場合がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、乳幼児の発達段階に応じて、その***の周囲に好適にフィットする座板部を備えたおしゃぶりを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明にあっては、乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記座板部が、前記乳首部の基部周囲を囲む板体でなり、この座板部の使用者に対する対向面の少なくとも両脇部が凹状に形成された密着部とされ、前記座板部の前記対向面の少なくとも両脇周縁部が、外側に向かうように反った逃げ領域とされており、前記乳首部の基部の前記座板部と接続される領域において、少なくとも該座板部から前記対向面側に露出する部分が、略円形の面状に拡径されて突出形成されていることにより、該面状部分が乳幼児の***先端と当接するように構成されているとともに、前記接続領域である前記略円形の面状の部分が前記座板材料よりもやわらかい材料にて形成されているおしゃぶりにより、達成される。
【0008】
上記構成によれば、このおしゃぶりの座板部は、その使用者に対する対向面の少なくとも両脇部が、凹状とされることで、乳幼児の両頬部の曲面に対応した凹面とすることができ、その分座板部のフィット性が向上する。
すなわち、座板部は、乳幼児が乳首を吸引している時には、その***周辺に確実にフィットすることで、乳首部の上述した特別の形状の機能が発揮できるようになる。
その上、座板部の周縁が乳幼児の***の周囲にきつくフィットすることがないので、使用後に跡が残ることもない。
そして、前記座板部の前記対向面の少なくとも両脇周縁部に逃げ領域を形成することで、座板部の周縁が使用者の***周辺部において、食い込むほど密着することが一層確実に防止される。
また、乳幼児の口腔内に乳首部を挿入した時に、その***先端が当たる領域が、「乳首部の基部が前記座板部と接続される領域」であり、この領域が、座板部から前記対向面側に露出する部分が、略円形に拡径され、かつ面状に形成されている。しかも、この領域を座板材料よりも柔らかい材料で形成することで、母親の***に***を当てた感触と近似する感触を与えることができる。
【0009】
好ましくは、前記乳首部が、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端部よりも基部よりに設けられ、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、乳首部は、乳幼児の哺乳窩に適切に入ることで、哺乳運動を促すことができるように、先端部がほぼ球状に形成されており、座板部を備えることで、口腔内に入り込まないようにされている。
そして、乳首には、前記基部によりに偏平部とを備えている。この偏平部は、乳首を口腔内に含んだ状態において、乳幼児が上下の***をこの偏平部に当てることで、この時期、例えば、生後5月ないし8月の離乳初期の乳幼児に必要な摂食動作中における口を閉じるという状態を学ぶことができる。
【0013】
好ましくは、前記座板部の前記対向面の使用者の顎部に対応する領域が、前記密着部と反対の湾曲面とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記座板部の使用者の顎部に対応する領域が、密着部と反対に湾曲していることから、この領域が前方にむかって僅かに突出する特徴をもつ使用者の顎部と干渉することがない。
好ましくは、前記座板部の前記対向面の上側周縁部が、前記逃げ領域を形成せずに、前記対向面と同じ曲面とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記座板部の前記対向面の上側周縁部は、両頬部のような曲面となっていない使用者の***周辺の上部に対して、適切にフィットさせることができる。
好ましくは、前記乳首部が中空であり、かつ外部と連通していることを特徴とする。
上記構成によれば、前記乳首は、中空でその空気が外部に逃げることができるようになっているので、乳幼児の口腔内に自在に変形しやすい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
図1は、本発明の実施形態によるおしゃぶりの概略斜視図であり、図1(a)は、おしゃぶりを前上方から見た状態を、図1(b)は、おしゃぶりを前下方から見た状態をそれぞれ示している。また、図2は、このおしゃぶりの概略側断面図、図3は概略側面図、図4(a)は図1のおしゃぶりの概略水平断面図であり、図4(b)は、図4(a)のa−a線端面図である。これらの図を適宜参照しながら、本実施形態のおしゃぶりを説明する。
【0021】
図1において、おしゃぶり10は、乳首部11と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部12とを備えている。
この乳首部11は、ほぼ球状の乳頭先端部15と、この乳頭先端部15と基部13との間に設けた、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部14とを備えている。
【0022】
上記乳首部11は、例えば、熱湯等による加熱殺菌によっても容易に劣化せず、母親の乳首の感触と近似した感触を与えるように、形成されている。また、本実施形態のおしゃぶりでは、後述するように、乳幼児の口腔内で十分変形する必要があり、このような点を考慮すると、十分柔らかい材料、例えば、シリコーンゴムにより、例えば、幅10mmで先端半径5mm程度の形状の所定の治具を、毎分100mmで乳頭先端部に押しつけた時に、乳頭先端部の最大外径を40パーセント圧縮した場合、その反発力が1.5N(ニュートン)から2.5N、好ましくは、例えば2.0N程度となる硬度に設定されている。
また、座板部12は、乳首部11とともに、上記殺菌処理されても容易に劣化せず、また、所定の剛性を備えた材料で形成されており、例えば、ポリプロピレンやポリカーボネート等が使用されている。
【0023】
乳首部11は、図2に示すように、座板部12から先端までの長さhが例えば28mmないし34mmに設定されている。乳首部の長さは、乳首部の基端から先端までの長さである。この長さは、口腔内に乳首部が挿入された場合に、***先端から哺乳窩の最深部に入り込む必要性から決定される。これにより、後述するように、その乳頭先端部15が乳幼児の哺乳窩に適切に達するようにされている。
また、乳頭部11は、図2や図4に示されているように、中空に形成されていて、基端側の座板部12に形成した貫通孔16によって外部と連通している。
これにより、乳首部11が上述した硬度で口腔内に接触することができ、しかも、使用により、乳幼児のよだれや洗浄の際の水等が内部に入っても水切りしやすい。
【0024】
乳首部11の乳頭先端部15は、ほぼ球状であり、好ましくは、その外径fが、後述するように、乳幼児の哺乳窩に適切にフィットするように、約11mm乃至15mm、特に好ましくは、約13mmに設定されている。
ここで、乳幼児のこの時期(月齢4月程度)の哺乳窩の大きさを考慮すると、前記乳頭先端部の外径が11mmより小さいと、哺乳窩に十分フィットしないことから、蠕動様運動(哺乳運動)を阻害する。前記乳頭先端部の外径が15mmより大きいと、哺乳窩に入りきらない場合があり、この場合も十分フィットしないことから、蠕動様運動(哺乳運動)を阻害する。
基部13は、後述する偏平部14と一体に形成されており、やや広い面積を有しており、座板部12により支持されている。
【0025】
また、乳首11の乳頭先端部15と基部13との間には、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部14が設けられている。この偏平部14は、図2に示されているように、部分球面で形成された乳頭先端部15から縮径されて、根元である基部13に向かうように設けられている。そして、この偏平部14は、図4(a)のa−a線端面図である図4(b)に示すように、幅方向の長さeよりも上下方向の長さdが小さくなるように、断面が偏平に形成されている。
また、この偏平部14は、後述するように、乳首部11を保持するために、乳幼児が***を閉じる方向に上下の歯槽を動かし、偏平部14を挟むことで、僅かに***が開きつつも、できるだけ***が閉じた状態を維持するような動作を導くために形成されている。
【0026】
この基部13には、座板部12が配置されている。座板部12は、乳首部11の基部13を支持するボックス状の本体17を有しており、この本体17は一体に設けられた、所定の面積でなる板体である面状部21を備えている。本体17の面状部21の背面側には、図5の背面図に示されているように、リング状の掛止め手段23が配置されている。
面状部21は、図1に示されているように、乳首部11の基部13の周囲に大きくフランジ状に広がっている。つまり、面状部21は、例えば、図示のようなハート形状を呈している。この面状部21は、乳幼児が乳首部11を取り込んだ時に、乳首部11の基端部13付近が***先端で止まるように位置決めする役割を果している。
【0027】
座板部12の面状部21は、例えば、図1に示されているように、使用者である乳幼児の顔の両脇側である左右の方向に比較的広い面積を有している。そして、面状部21の使用者に対する対向面の少なくとも両脇部が凹状に形成された密着部22,22とされている。つまり、密着部22,22は、使用者の顔面の両頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。
これにより、乳幼児が乳首部11を吸引する際に、座板部12の各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密接に接触することで、正しく位置決めされる。
ここで、面状部22,22は、その全体が乳幼児の両頬に完全に密着する必要はないが、その湾曲面は、新生児から1歳程度までの乳幼児の頬への接触を種々確認した結果、例えば、半径40mm程度の湾曲面とされている。
【0028】
さらに、面状部21の密着部22,22の一部の領域には、貫通孔24,24が形成されており、面状部21が乳幼児の口腔を塞いだ状態で、万一窒息などの事態が起きないようになっている。
また、好ましくは、面状部21の両側面側,すなわち、密着部22,22の周縁部(外側の領域)は、図4に示すように、この密着部22,22とは反対の湾曲を備える逃げ領域25が形成されている。この逃げ領域25は、密着部22,22の凹状面とは反対に、使用者に向いて凸となるような面とされることにより、密着部22,22が使用者の顔面に密着しても、その周縁部が食い込むことがないようにされている。これにより、面状部21の特に密着部22,22が使用者である乳幼児の両頬近傍に密着しても、その周縁のエッジ部が食い込んで、後で肌の上に食い込んだ跡を残すようなことがないようになっている。
ここで、上記逃げ領域25は、座板部12の面状部21を構成する板体の端面の湾曲とは明確に区別される。つまり、このような板体の厚みを表す端面部も曲面で構成されているが、逃げ領域25の曲率半径はこれより大きい点で区別される。例えば、本実施形態では、上記端面部の曲率は、0.9mm程度であるのに対して、逃げ領域25を構成する曲面は、その曲率が例えば7mm程度となっている。
また、上述したように、面状部22,22は、必ずしも、その全体が乳幼児の両頬に完全に密着する必要はないが、面状部22,22と逃げ領域25,25との境界(曲面の方向が変わる領域)付近は必ず密着し、その当接による刺激を緩和するようになっている。
【0029】
さらに、面状部21の乳首部11よりも下の領域,すなわち、図1の26で示す領域は、図2によく表れているように、密着部22,22とは反対の湾曲を備える下部領域26とされている。これは、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す形状を有しているという特徴を考慮して形成されたもので、この下顎の張出を逃げる逃げ領域とされている。これにより、面状部21の下部領域26は、乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができるようになっている。
すなわち、この乳首部11よりも下の領域では、上側密着部22,22は、例えば、その曲率が半径160mm程度で、対向する使用者の顔面に対して凹面とされているが、下部領域26は、これとは反対の曲面で、例えば、曲率半径が7mm程度とされている。
尚、この下部領域26が、座板部12の面状部21を構成する板体の端面の湾曲とは区別される点は、逃げ領域25の場合と同じである。
【0030】
また、面状部21の乳首部11よりも上側の領域は、図2に示されているように、上記密着部22,22(この場合、例えば、曲率半径160mm)と同じ方向の湾曲で、これよりも小さな曲率(例えば、曲率半径50mm)を有するようにされている。つまり、この上部領域27は、使用者の顔面に対向する面が密着部22,22と同じように凹面とされており、その湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも小さくなるようにされている。
これにより、乳幼児の湾曲した上唇の形状に適合して、新生児から1歳程度の乳幼児の上唇に密着しやすい(特に、***を閉じた状態における上唇に密着しやすい)湾曲とすることで、上唇に適切にフィットして密着するようにされている。
【0031】
本実施形態は以上のように構成されており、次に、その使用状態を説明しつつ、作用を述べる。
先ず、本実施形態の作用を説明する前に、乳幼児の口腔内の構造について説明する。
図6は、本実施形態のおしゃぶり10を乳幼児の口腔内に入れた状態の上顎側を水平断面で概略的に示した図である。哺乳運動を行う乳幼児において、重要な役割を果たす哺乳窩という穴が上顎の軟口蓋と硬口蓋の境界付近に存在し、符号Cはその哺乳窩の最深部を示している。
図において、Aは乳幼児の***先端部、Bは歯槽の頂上点、Cは哺乳窩の始点(前端)、そして、Xはおしゃぶりの乳首部11が適切な位置をとった場合の先端をそれぞれ示している。
【0032】
また、生後5月ないし8月程度までの乳幼児に関して、本発明者等の研究によれば、各サイズは以下のようである。
すなわち、哺乳窩の外周直径(D−D’)が18mmないし22mm程度、***の厚さ(A−B)が7mm乃至12mm程度、歯槽頂上点から哺乳窩最深点までの距離が17mm乃至19mm程度である。
【0033】
図7は、乳幼児hがおしゃぶり10を口腔内で母親の乳首を取り込むのと同じ状態で取り込んで、哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態を示す概略断面図である。
また、図8は、乳幼児hが上記哺乳運動の跡で、おしゃぶり10を口腔内にくわえたまま休んでいる状態を示している。
これらの図において、31は、乳幼児hの上唇、32は下唇を示し、33,34はそれぞれ歯槽上部と、歯槽下部を示し、符号Dは哺乳窩最深点を示している。
図7の段階では、乳幼児hの舌は点線で示すように波うつような動きを示しており、乳首部11は、哺乳窩に適切に収容されて、母親の乳首と同様な変形を行うことができる。
【0034】
すなわち、上述したように、乳首部11の乳頭先端部15は、ほぼ球状であり、好ましくは、その直径bが、乳幼児hの哺乳窩に適切にフィットするように、約11mm乃至15mm、特に好ましくは、約13mmに設定されている。
乳頭先端部15の外径が15mmより大きいと、乳幼児hの舌の動きにより口腔内の空間を密閉できないので、哺乳運動を適切に行えない。乳頭先端部15の外径が11mmより小さい場合にも、乳幼児hの舌の動きにより口腔内の空間を密閉できないので、哺乳運動を適切に行うことができないのである。したがって、乳幼児の哺乳窩に乳頭先端部15が適切にフィットするためには、その直径bは、好ましくは11mm乃至15mmであることが必要で、特に好ましくは13mm程度である。
【0035】
ここで、座板部12の特殊な形状が最もその効果を発揮している。すなわち、先ず、座板部12の面状部21少なくとも両脇に設けた密着部22,22は、使用者の顔面の両頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。このため、乳幼児hが乳首部11を吸引する際に、座板部12の各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密接に接触する(図6参照)。
【0036】
また、座板部12の基部13は、周囲の面状部21よりも柔らかい材料で形成されているから、***33,34に対してソフトに当接し、乳幼児に柔らかい感触を与えることができる。
【0037】
さらに、座板部12の面状部21の上部領域27は、上述したように、使用者の顔面に対向する面が密着部22,22と同じように凹面とされており、その湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも小さくなるようにされている。このため上唇33が図7の位置から基部13を乗り越えて、上部領域27に当接した場合には、乳幼児の湾曲した上唇33に適切にフィットして密着する。
【0038】
さらに、面状部21の下側領域26は、上述したように、密着部22,22とは反対の湾曲を備える下部領域26とされている。そして、図7に示されているように、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す形状を有しているので、面状部21の下部領域26は、乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができる。
このように、座板部12の面状部21は、その両脇の領域22,22と上側領域27及び下側領域26がそれぞれ、乳幼児の顔全面の対応領域に密着できるようにされていることで、乳首部11の寸法設定が生かされるように、正しく位置決めされる。
【0039】
また、このように座板部12が乳幼児hの顔の前面に密着しても、特に、その両脇部には、上述したように、逃げ領域25が形成されていることから(図6参照)、周縁部が乳幼児hの顔前面に食い込むことがなく、肌の上に食い込んだ跡を残すようなことがない。
【0040】
そして、座板部12の機能により、乳幼児hの口腔内で、乳首部11が正しく位置決めされている。この場合、乳首部11は、上述したように、十分変形可能な柔らかい材料で形成されており、しかも、中空内部から空気が上述の貫通孔を通って外部へ抜けることから、従来のおしゃぶりと異なり、母親の乳首とほぼ同様な変形や伸展をすることができる。
【0041】
しかも、乳幼児hの上下の歯槽33,34は、自然に偏平部14を上下からはさむように位置決めされる。この状態において、図7のaで示す偏平部14の上下方向の長さ,すなわち厚みは、好ましくは、約2.5mmから8mmに設定されている。偏平部14が2.5mmよりも薄いと、***や上下の歯槽33,34により偏平部14を挟み込み難い。また、このような偏平部14を製造する際に成形しにくい。
また、aが8mmより厚くなると、乳頭先端部15の太さとの差が小さくなり、偏平部14として機能しにくい。また、偏平部14が厚くなりすぎて、***をとじる練習を十分行うことができない。つまり、歯槽33,34が偏平部14を挟んでも、口が開き過ぎてしまう。さらに、このような厚みであると、かえって歯列への悪影響として、オープンバイト(完全に歯列が閉じない)という弊害になるおそれもある。
【0042】
このように、本実施形態のおしゃぶり10によれば、座板部12が乳幼児の発達段階に応じて、その***の周囲に適切にフィットすることができ、この状態で乳首を保持しやすい。しかも、その乳首部11は、球状の乳頭先端部15に基づいて、哺乳運動に対応して、乳幼児に***刺激を与えることで、その注意を巧みに引きつけるとともに、偏平部14を備えることにより、生後5月から8月程度の乳幼児が、哺乳運動から、次第に、離乳食等の摂食行動を身につけるために必要な口を閉じる動きを行うことを自然に習得できるように、適切な訓練を行うことができる。
【0043】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
上述の形状の座板部には、本実施形態の乳首部に限らず、種々の形態の乳首部を組み合わせることができる。
また、各実施形態の各構成要素は、本発明の効果を発揮する限りにおいて、個々に省略することができ、相互に組み合わせることができる。そして、さらに、上述の説明で言及しない構成を付加することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、乳幼児の発達段階に応じて、その***の周囲に、好適にフィットする座板部を備えたおしゃぶりを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るおしゃぶりを示し、(a)はその前上方から見た概略斜視図、(b)はその前下方から見た概略斜視図である。
【図2】図1のおしゃぶりの概略側断面図である。
【図3】図1のおしゃぶりの概略側面図である。
【図4】図1のおしゃぶりの(a)水平方向の概略断面図、(b)図4のk−k線に沿った端面図である。
【図5】図1のおしゃぶりの背面図である。
【図6】図1のおしゃぶりを乳幼児の口腔内に入れた状態を水平断面で上顎側を概略的に示した図である。
【図7】使用者である乳幼児がおしゃぶりを口腔内で母親の乳首を取り込むと同じ状態で取り込んで、哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態を示す図である。
【図8】使用者である乳幼児が図7の蠕動様運動を休んでいる状態を示す図である。
【図9】従来のおしゃぶりの一例を示す半断面図である。
【符号の説明】
10・・・おしゃぶり、11・・・乳首部、12・・・座板部、13・・・基部、14・・・偏平部、15・・・乳頭先端部

Claims (5)

  1. 乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、
    前記座板部が、
    前記乳首部の基部周囲を囲む板体でなり、この座板部の使用者に対する対向面の少なくとも両脇部が凹状に形成された密着部とされ、前記座板部の前記対向面の少なくとも両脇周縁部が、外側に向かうように反った逃げ領域とされており、
    前記乳首部の基部の前記座板部と接続される領域において、少なくとも該座板部から前記対向面側に露出する部分が、略円形の面状に拡径されて突出形成されていることにより、該面状部分が乳幼児の***先端と当接するように構成されているとともに、前記接続領域である前記略円形の面状の部分が前記座板材料よりもやわらかい材料にて形成されている
    ことを特徴とする、おしゃぶり。
  2. 前記乳首部が、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端部よりも基部よりに設けられ、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のおしゃぶり。
  3. 前記座板部の前記対向面の使用者の顎部に対応する領域が、前記密着部と反対の湾曲面とされていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のおしゃぶり。
  4. 前記座板部の前記対向面の上側周縁部は、前記逃げ領域を形成せずに、前記対向面と同じ曲面とされていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のおしゃぶり。
  5. 前記乳首部は中空であり、かつ外部と連通していることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のおしゃぶり。
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