JP4593442B2 - 車間距離制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、自車両と先行車両との車間距離を制御する際に、乗員が自車両の走行挙動に違和感を感じてしまうことを防止することが可能な車間距離制御装置を提供することを目的とする。
さらに、上記構成の車間距離制御装置によれば、車間距離制御手段は、運転者の加速意志が検出された場合には、加速意志が検出されない場合に比べて、自車両を目標車間距離を超えて先行車両に接近させるオーバーシュート量を増大させて、自車両と先行車両との間の実車間距離が相対的に短くなるように設定する。これにより、車両の走行挙動に運転者の運転意志を適切に反映させることができ、運転者が車間制御に違和感を感じてしまうことを防止することができる。
さらに、上記構成の車間距離制御装置によれば、車間距離制御手段は、運転者の減速意志が検出された場合には、減速意志が検出されない場合に比べて、自車両を目標車間距離を超えて先行車両に接近させるオーバーシュート量を減少させて、自車両と先行車両との間の実車間距離が相対的に長くなるように設定する。これにより、車両の走行挙動に運転者の運転意志を適切に反映させることができ、運転者が車間制御に違和感を感じてしまうことを防止することができる。
これにより、例えば車間距離制御手段の制御動作と、運転者の運転意志とが一致する場合には、自車両の走行挙動に運転者の運転意志を適切に反映させることができ、一方、例えば車間距離制御手段の制御動作と、運転者の運転意志とが相反する場合には、車間距離制御手段の制御動作を優先させて、実車間距離を目標車間距離に適切に収束させることができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の車間距離制御装置によれば、目標加速度を運転者の加速意志または減速意志に応じて変更することにより、実車間距離を目標車間距離に収束させる際の収束特性を変更することができ、車両の走行挙動に運転者の運転意志を適切に反映させることができる。
さらに、請求項6または請求項7に記載の本発明の車間距離制御装置によれば、アクセルペダル反力を介して車間距離制御手段の制御状態を運転者に適切に認識させることができる。
本実施の形態による車間距離制御装置10は、例えば図1に示すように、レーダ装置11と、車両状態センサ12と、ナビゲーション装置13と、ブレーキペダル操作センサ14と、アクセルペダル操作センサ15と、走行状態設定スイッチ16と、ブレーキアクチュエータ17と、スロットルアクチュエータ18と、出力装置19と、処理装置20とを備えて構成されている。
また、ナビゲーション装置14は、各種スイッチやキーボード等を介して操作者から入力された適宜の目的地および経由地あるいは処理装置20から出力される適宜の目的地および経由地に基づき経路探索の演算処理を実行し、道路データと共に目的地や経由地までの経路情報や各種の付加情報を表示画面上に表示すると共に、各種の音声メッセージをスピーカ(図示略)から出力して経路誘導を行う。
アクセルペダル操作センサ15は、運転者によるアクセルペダル(図示略)の操作状態、つまりアクセルペダルのオン/オフ状態およびアクセルペダル操作量を検出し、検出結果を処理装置20へ出力する。
走行状態設定スイッチ16は、運転者の入力操作に応じて車両の走行状態を指示する信号として、例えば先行車両に追従する追従制御や車速を適宜の目標車速に収束させる定速走行制御等の各種の走行制御の実行開始または実行停止を指示する信号に加えて、例えば目標車速の増大または減少等によって自車両の加速あるいは減速を指示する信号を処理装置20へ出力する。
スロットルアクチュエータ18は、処理装置20から出力される制御信号に基づき、例えばスロットル開度等を制御して自車両を加速または減速させる。
反力アクチュエータ19は、例えばアクセルペダルの変位に対する適宜の油圧制御や、例えばアクセルペダルの変位を規制する部材や、例えばペダル駆動モータの駆動制御等により、アクセルペダルのペダルストロークに対して反力荷重を作用させる。
自車両軌跡推定部22は、例えば車両状態センサ12により検出された自車両の位置の時間変化や、自車両の走行状態、例えば車速センサにより検知された自車両の車速と、ヨーレートセンサにより検出された自車両のヨーレートとに基づいて、自車両の走行軌跡を推定する。
例えば、運転意志検出部23は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が、後述する走行制御部25による追従制御の実行状態に応じたアクセルペダル踏み込み量よりも大きい場合に運転者が加速意志を有すると検出し、一方、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が、後述する走行制御部25による追従制御の実行状態に応じたアクセルペダル踏み込み量よりも小さい場合に運転者が減速意志を有すると検出する。
例えば、制御対象設定部24は、制御対象として自車両が追従する先行車両あるいは自車両の衝突を回避する先行車両を設定する場合には、推定した自車両の走行軌跡内に存在する複数の物体のうちから、自車両からの距離や相対速度等に基づく優先度合い応じて先行車両を設定する。
例えば、走行制御部25は、先行車両に追従する追従制御の実行を指示する制御信号が入力された場合には、自車両から先行車両までの距離(車間距離)および相対速度等の情報と、予め設定あるいは所定の演算により算出した目標車間距離とに基づき、所定の上限速度以下で実車間距離が目標車間距離を保持するように、自車両の目標車速、さらには、目標加速度等を設定し、車両状態センサ12により検出される実際の車速が目標車速に一致するようにして、ブレーキアクチュエータ17およびスロットルアクチュエータ18を駆動制御することで自車両の加速動作および減速動作を制御する。
例えば走行制御部25は、自車両を先行車両に追従させる追従制御の実行時に、自車両を目標車間距離Lpを超えて先行車両に接近させるオーバーシュートを許容しており、例えば図2に示すように、自車両と先行車両との車間距離が目標車間距離Lpよりも長く、かつ、自車両の車速Vが先行車両の車速VFよりも大きい((VF−V)<0)始状態Sから、自車両と先行車両との車間距離が目標車間距離Lpよりも通常時オーバーシュート量Lだけ短く、かつ、自車両の車速Vが先行車両の車速VFと同等((VF−V)=0)となるオーバーシュート状態Mを経由して、自車両と先行車両との車間距離が目標車間距離Lpと同等、かつ、自車両の車速Vが先行車両の車速VFと同等((VF−V)=0)となる平衡状態Eへと移行する際に、運転者の加速意志あるいは減速意志が検出されない状態では、自車両と先行車両との車間距離が目標車間距離Lpよりも通常時オーバーシュート量Lだけ短くなるような状態軌道Nに沿って走行状態が変化するようにして自車両の走行状態を制御する。
そして、オーバーシュート状態Mから平衡状態Eに到達するまでの期間において、相対速度(VF−V)が適宜の最大値VRに到達するまでは自車両を減速させ、次に、相対速度(VF−V)が適宜の最大値VRからゼロに到達するまでは自車両を加速させる。
一方、例えば運転者の減速意志が運転意志検出部23により検出された場合には、走行制御部25は、減速意志が検出されない場合に比べて、オーバーシュート量が通常時オーバーシュート量Lから減速時オーバーシュート量Ld(<L)まで減少するように収束特性を変更する。これにより、自車両の走行状態は、例えば図3に示す減速時状態軌道Dに沿って走行状態が変化する。
例えば、ペダル反力制御部26は、走行制御部25による走行制御の実行状態に応じたアクセル開度に対応するアクセルペダル踏み込み量Aaを境界値として、この境界値よりも大きなアクセルペダル踏み込み量の領域を踏み増し領域とし、この境界値よりも小さく、かつ、アクセルペダルのペダルストロークの開始位置に対応するアクセルペダル踏み込み量Adよりも大きなアクセルペダル踏み込み量の領域を過渡領域とし、アクセルペダルのペダルストロークの開始位置に対応するアクセルペダル踏み込み量Adよりも小さなアクセルペダル踏み込み量の領域を開放領域として設定する。そして、踏み増し領域における反力荷重が、過渡領域における反力荷重に比べて、相対的に一段大きな値となるようにして、走行制御の実行状態に応じたアクセルペダル踏み込み量の近傍に反力荷重の段差を設定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進み、このステップS02においては、自車両の目標加速度Gtにゼロを設定して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進む。
そして、ステップS04においては、先行車両と自車両との相対速度(VF−V)および車間距離(実車間距離)と、目標車間距離とに基づき、実車間距離を目標車間距離に収束させるために必要とされる自車両の目標加速度Gtを設定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS10に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、例えば図3に示すようにオーバーシュート量が通常時オーバーシュート量Lから加速時オーバーシュート量La(>L)まで増加するように収束特性を変更する処理を実行するために、ステップS06に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS08に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合、例えば図3に示す始状態Sからオーバーシュート状態Mに到達する状態軌道a1においては、ステップS07に進み、このステップS07においては、目標加速度Gtに所定の追従特性弱め係数G1(<1)を乗算して得た値(Gt×G1)を、新たに目標加速度Gtとして設定し、後述するステップS10に進む。これにより、例えば図3に示す通常時の状態軌道Nに比べて、状態軌道a1では運転者の加速意志が反映されてオーバーシュート量の増大が許容され、自車両の減速度が相対的に低下することになる。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS10に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合、例えば図3に示すオーバーシュート状態Mから平衡状態Eに到達する状態軌道a2においては、ステップS09に進み、このステップS09においては、目標加速度Gtに所定の追従特性強め係数G2(>1)を乗算して得た値(Gt×G2)を、新たに目標加速度Gtとして設定し、後述するステップS10に進む。これにより、例えば図3に示す通常時の状態軌道Nに比べて、状態軌道a2では、状態軌道a1において追従特性が弱められたことに対応して、追従特性が強められる。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、例えば図3に示すようにオーバーシュート量が通常時オーバーシュート量Lから減速時オーバーシュート量Ld(<L)まで減少するように収束特性を変更する処理を実行するために、ステップS11に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS13に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合、例えば図3に示す始状態Sからオーバーシュート状態Mに到達する状態軌道d1においては、ステップS12に進み、このステップS12においては、目標加速度Gtに所定の追従特性強め係数G3(>1)を乗算して得た値(Gt×G3)を、新たに目標加速度Gtとして設定し、一連の処理を終了する。これにより、例えば図3に示す通常時の状態軌道Nに比べて、状態軌道d1では運転者の減速意志が反映されてオーバーシュート量の低減が許容され、自車両の減速度が相対的に増大することになる。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、例えば図3に示すオーバーシュート状態Mから平衡状態Eに到達する状態軌道d2においては、ステップS14に進み、このステップS14においては、目標加速度Gtに所定の追従特性弱め係数G4(<1)を乗算して得た値(Gt×G4)を、新たに目標加速度Gtとして設定し、一連の処理を終了する。これにより、例えば図3に示す通常時の状態軌道Nに比べて、状態軌道d2では、状態軌道d1において追従特性が強められたことに対応して、追従特性が弱められる。
11 レーダ装置(物体検知手段)
15 アクセルペダル操作センサ(アクセルペダル踏み込み量検出手段)
21 物***置検知部(物体検知手段)
23 運転意志検出部(加減速意志検出手段)
24 制御対象設定部(先行車両判定手段、車間距離検出手段)
25 走行制御部(目標車間距離設定手段、車間距離制御手段)
26 ペダル反力制御部(ペダル反力制御手段)
Claims (7)
- 自車進行方向に存在する物体を検知する物体検知手段と、
該物体検知手段により検知された物体は自車両の制御に係る先行車両であるか否かを判定する先行車両判定手段と、
前記物体検知手段の出力に基づき、自車両と前記先行車両との間の実車間距離を検出する車間距離検出手段と、
前記自車両と前記先行車両との目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、
前記実車間距離および前記目標車間距離に基づき、前記自車両と前記先行車両との間の車間距離を制御する車間距離制御手段とを備える車間距離制御装置であって、
運転者の加速意志および減速意志の少なくとも何れかを検出する加減速意志検出手段を備え、
前記車間距離制御手段は、前記自車両を前記先行車両に追従させるときに、前記自車両を前記目標車間距離を超えて前記先行車両に接近させるオーバーシュートを許容し、前記加減速意志検出手段により前記加速意志が検出された場合には、前記加速意志が検出されない場合に比べて、前記自車両が前記先行車両に接近するときに前記実車間距離が前記目標車間距離以下となるオーバーシュート量が増加するように前記実車間距離を前記目標車間距離に収束させる際の収束特性を変更し、前記加減速意志検出手段により前記減速意志が検出された場合には、前記減速意志が検出されない場合に比べて、前記オーバーシュート量が減少するように前記収束特性を変更することを特徴とする車間距離制御装置。 - 前記車間距離制御手段は、自車両と前記先行車両との間の前記実車間距離および相対速度に基づき、前記車間距離を制御する際の目標加速度を設定すると共に、前記加減速意志検出手段により前記加速意志または前記減速意志が検出された場合には、前記目標加速度を変更することにより前記収束特性を変更することを特徴とする請求項1に記載の車間距離制御装置。
- 前記車間距離制御手段は、自車両が前記先行車両に接近中または離反中であるかに応じて前記目標加速度を変更することを特徴とする請求項2に記載の車間距離制御装置。
- 運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダル踏み込み量検出手段と、
該アクセルペダル踏み込み量検出手段および前記車間距離制御手段からの出力に基づきアクセルペダル反力を制御するペダル反力制御手段とを備え、
前記加減速意志検出手段は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が前記車間距離制御手段からの出力に応じたアクセルペダル踏み込み量よりも大きい場合に、運転者が前記加速意志を有すると検出することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の車間距離制御装置。 - 運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダル踏み込み量検出手段と、
該アクセルペダル踏み込み量検出手段および前記車間距離制御手段からの出力に基づきアクセルペダル反力を制御するペダル反力制御手段とを備え、
前記加減速意志検出手段は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が前記車間距離制御手段からの出力に応じたアクセルペダル踏み込み量よりも小さい場合に、運転者が前記減速意志を有すると検出することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の車間距離制御装置。 - 前記ペダル反力制御手段は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が前記車間距離制御手段からの出力に応じたアクセルペダル踏み込み量よりも大きい場合に、前記アクセルペダル反力を増大させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車間距離制御装置。
- 前記ペダル反力制御手段は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が前記車間距離制御手段からの出力に応じたアクセルペダル踏み込み量よりも小さい場合に、前記アクセルペダル反力を減少させることを特徴とする請求項4から請求項6の何れか1つに記載の車間距離制御装置。
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