JP4590668B2 - 水改質装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気分解(以下電解とする)により用途に応じて酸性水、アルカリ水、中性電解水など多種、多用途の改質水が供給可能な水改質装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水を電気分解することにより複数の改質水を生成する装置としては陽極と陰極間にイオン交換膜を設けて酸性水とアルカリ水を生成する有隔膜方式の整水器として一般に知られているが、電解によりアルカリ水を生成する際に同時に生成される陽極側の水は酸性水としての殺菌性を有するが、強力な殺菌力を有するものではない。
【0003】
そこで、図5に示すように有隔膜方式の水改質装置を改良しアルカリ水と酸性水に加えて殺菌力の強い次亜塩素酸水を生成可能な装置が提案されている(例えば特開平10−263542号公報)。
【0004】
同図において1は有隔膜方式の電解槽であり、陰極2と陽極3間に設けた隔膜4によって陰極室5と陽極室6が形成されている。この電解槽1の給水側には給水管7を接続するとともに電解槽1の排水側に、陰極室5に連通するアルカリ水排水管8と陽極室6に連通する酸性水排水管9が接続され、連続式電解水生成装置が構成されている。10は給水管7に設けられた浄水器である。
【0005】
アルカリ水排水管8と酸性水排水管9は、キッチン台11上に取り付けられたカラン12内の一対の排水管路13a、13bに各々接続され、先端の排水口14a、14bに連通するようになっている。
【0006】
また、15は給水管7の水に塩化ナトリウム(NaCl)などの塩化物塩と塩酸(HCl)を添加する薬液添加装置であり、薬液タンク16から薬液供給管17を介して給水管7に接続している。18は電動の開閉弁である。
【0007】
また、アルカリ水排水管8から分岐した混合管路19が酸性水排水管9に接続されており、分岐部には電動の流路切換弁20が設けられている。21はカラン12に設けられた操作スイッチである。
【0008】
以上の構成において、薬液添加装置15の開閉弁18を閉成し、流路切換弁20を排水口14a側に開いた状態で通水電解すると、電解槽1内でアルカリ水と酸性水が生成され、アルカリ水はアルカリ水排水管路8を通って排水口14aから取水され、酸性水は酸性水排水管9を通って排水口14bから取水される。
【0009】
一方、薬液添加装置15の開閉弁18を開成し、流路切換弁20を酸性水排水管9側に流通する状態で通水電解すると、電解槽1内にNaClとHCl添加され、陰極室5から排出された電解水は陽極室6から排出される水と合流して全量が次亜塩素酸水を多く含む殺菌水となって酸性水排水管9を通って排水口14bから取出される。このようにして、アルカリ水と酸性水および次亜塩素酸殺菌水を選択的に生成することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の有隔膜方式の水改質装置では、電解槽に水を通水しながら連続的に電気分解することでアルカリイオン水と酸性水が取水できるとともに、被電解水に塩化ナトリウムと塩酸を添加して電解した陰極側と陽極側の生成水を混合することで強い殺菌力を有する次亜塩素酸をも取水できるが、図5の構成ではアルカリ水を取水したい時に生成される酸性水が同時に排出口14bからシンク内に排出されることとなり、利用者が飲用としては好ましくない酸性水を誤飲する危険性があり、また逆にアストリンゼント効果を有する弱酸性水を取水したい場合に人体表皮に好ましくないアルカリ水で洗顔する危険性もある。このことは特に幼児および高齢者に懸念される。なお、アルカリ水取水時に酸性水側経路に弁を設けて閉弁することで酸性水の流出を停止することが考えられるが、電解時に陽極側では有害な塩素ガス(Cl2↑)や酸素(O2↑)が発生するため、経路を閉塞するとこれらのガスが電解槽内に蓄積されて電極が気層にさらされることとなり、電極寿命が短縮されることとなる。
【0011】
また、キッチンではふきんなどの漂白や排水口のぬめりの防止など高濃度の殺菌水や洗浄のための強アルカリ水が必要であるが、従来例では連続式電解水生成装置であり、流水しながら電解動作を行うため、電解する際の単位水量当たりの電解エネルギーが少なくなるので、強アルカリ、強酸性水および高濃度の次亜塩素酸が生成できない。これを実現するためには電極面積を大きく取る必要があるとともに電解に要する電気量も増大し、電解装置の大型化、高価格化およびランニングコストの増加につながる。
【0012】
さらに、アルカリ水では飲用、調理用の弱アルカリから洗浄用の強アルカリまで、また酸性水はアストリンゼント効果が得られる弱酸性から殺菌作用のある強酸性水まで、さらに次亜塩素酸水では食材や手の殺菌消毒(例えば50ppm以下)から前記ふきん、調理器の漂白や排水口のぬめり防止(例えば1000ppm以下)まで様々な水素イオン濃度および次亜塩素酸濃度に対するニーズがあるが、従来例では前記したように高濃度処理水の生成に限界が有るばかりでなく、用途に応じた水素イオン濃度(pH)や次亜塩素酸濃度の濃度制御が難しい。すなわち図5の従来例での濃度制御は通電量、電解時間および添加薬液濃度の調整によって行われるが、給水圧が変動すると水の流量が変わるため、これらの条件は変動することとなり、上流側に定流量弁などが必要となり、装置の複雑化や大型化につながる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、給水手段と、イオン交換膜によって内部を陽極槽と陰極槽とに分離され前記陽極槽内に陽極を、前記陰極槽内に陰極を有すると共に、前記給水手段からの水を電気分解して酸性水とアルカリ水を生成する電解槽と、前記陽極槽および前記陰極槽の出口に各々接続され第1,第2、第3の切換状態を設定する第1、第2の流路切換手段と、前記第1、第2の流路切換手段における第1出口の下流側に設けられると共に、前記第1、第2の流路切換手段の前記第1の切換状態で前記酸性水と前記アルカリ水とを混合して中性電解水を生成し、前記第2の切換状態で前記電解槽からの前記酸性水を通過させ、前記第3の切換状態で前記電解槽からのアルカリ水を通過させる混合手段と、前記混合手段の下流に設けられた単一の改質水吐出口と、前記第1、第2の流路切換手段における第2出口の下流側に設けられた排出口と、前記第1、第2の流路切換手段を制御する制御手段とを備え、前記第1、第2の流路切換手段の切換制御により前記酸性水、前記アルカリ水、前記中性電解水の何れかを選択して前記改質水吐出口から改質水を供給する水改質装置としたものである。
【0014】
本発明の要点は、陰極槽と陰極槽にそれぞれ対応して第1、第2の流路切換手段を設けた点にあり、アルカリ水を取水する際は陰極槽と改質水吐出口が連通するように第1の流路切換手段を制御するとともに第2の流路切換手段は陽極槽と排出口が連通するように制御し、また酸性水の取水に際しては逆に陽極槽と改質吐出口を連通させるとともに陰極槽と排出口を連通させるように第1、第2の流路切換弁を制御する。さらに、次亜塩素酸水の取水に際しては陰極槽、陽極槽ともに改質水吐出口側に連通させ、混合手段で混合することで殺菌効果の高い中性電解水を生成し、改質水吐出口から取水するものである。
【0015】
これにより、酸性水、アルカリ水、中性電解水が用途に応じて取水できる。また酸性水とアルカリ水を混合して次亜塩素酸および次亜塩素イオンを含む中性電解殺菌水を生成するため、次亜塩素酸ソーダなどの薬剤希釈液に比較して低濃度、短時間で殺菌効果が得られるとともに食材の殺菌洗浄に際しては褐変やタンパク変性を起こさず、さらに中性洗剤との併用が可能である。また利用者の所望する水は改質水吐出口のみから取水されることとなり、利用者の誤った改質水の利用が防止できる。
【0016】
また本発明の水改質装置は、給水手段に給水弁を設けて電解槽内に水を充填した後に給水を停止し、電解質供給手段によって過飽和食塩水を電解槽内に供給して水と混合し、これを被電解水として、滞留電解するものである。
【0017】
そして、過飽和食塩水(約26%)を希釈して被電解水とすることにより塩素イオンが充分に補給され、また滞留電解により電解する際の単位水量当たりの電解エネルギーを大きくできるので強酸性水、強アルカリ水および高濃度の次亜塩素酸水が生成できる。
【0018】
これにより、ふきんなどの漂白や排水口のぬめりの防止などの高濃度での強力殺菌洗浄が可能となる。
【0019】
また本発明の水改質装置は、電解槽の上流側に分流弁を設けるとともに混合手段下流側に分岐路を設け、前記分流弁と分岐路を連通するバイパス路を設けて前記電解槽側とバイパス路側を通過する水の分流比を調整する構成としたものである。
【0020】
そして、高濃度の電解水を生成した後に分流弁により電解槽側とバイパス路側の分流比を調整することにより所望の水素イオン濃度もしくは次亜塩素酸濃度の改質水が取水できる。
【0021】
これにより、低濃度から高濃度の広範囲の水素イオン濃度もしくは次亜塩素酸濃度の改質水が得られる。また分流比を制御して濃度制御を行うので給水圧が変動しても分流比は変化することがなく、所望濃度の改質水が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係る水改質装置は、給水手段と、イオン交換膜によって内部を陽極槽と陰極槽とに分離され前記陽極槽内に陽極を、前記陰極槽内に陰極を有すると共に、前記給水手段からの水を電気分解して酸性水とアルカリ水を生成する電解槽と、前記陽極槽および前記陰極槽の出口に各々接続され第1,第2、第3の切換状態を設定する第1、第2の流路切換手段と、前記第1、第2の流路切換手段における第1出口の下流側に設けられると共に、前記第1、第2の流路切換手段の前記第1の切換状態で前記酸性水と前記アルカリ水とを混合して中性電解水を生成し、前記第2の切換状態で前記電解槽からの前記酸性水を通過させ、前記第3の切換状態で前記電解槽からのアルカリ水を通過させる混合手段と、前記混合手段の下流に設けられた単一の改質水吐出口と、前記第1、第2の流路切換手段における第2出口の下流側に設けられた排出口と、前記第1、第2の流路切換手段を制御する制御手段とを備え、前記第1、第2の流路切換手段の切換制御により前記酸性水、前記アルカリ水、前記中性電解水の何れかを選択して前記改質水吐出口から改質水を供給するように構成したものである。
【0023】
そして、アルカリ水を取水する際は陰極槽と改質水吐出口が連通するように第1の流路切換手段を制御するとともに第2の流路切換手段は陽極槽と排出口が連通するように制御し、また酸性水の取水に際しては逆に陽極槽と改質吐出口を連通させるとともに陰極槽と排出口を連通させるように第1、第2の流路切換弁を制御する。さらに、次亜塩素酸水の取水に際しては陰極槽、陽極槽ともに改質水吐出口側に連通させ、混合手段で混合することで殺菌効果の高い中性電解水を生成し、改質水吐出口から取水するものである。
【0024】
これにより、酸性水、アルカリ水、中性電解水が用途に応じて取水できる。また酸性水とアルカリ水を混合して次亜塩素酸および次亜塩素イオンを含む中性電解殺菌水を生成するため、次亜塩素酸ソーダなどの薬剤希釈液に比較して低濃度、短時間で殺菌効果が得られるとともに野菜、果物、肉類など食材の殺菌洗浄に際しては褐変やタンパク変性を起こさず、さらに中性洗剤との併用が可能であるとともに薬剤希釈液に比較して塩素の残留が少なく、水道水の感覚で利用できる。また利用者の所望する水は改質水吐出口のみから取水されることとなり、従来例のように利用者の誤った改質水の利用が防止できる。
【0025】
本発明の請求項2に係る水改質装置は、電解槽の上流側もしくは下流側の少なくとも一方に水浄化手段を設けたものである。
【0026】
そして、水浄化手段を設けることで有害な無機物、赤錆、微生物、臭気などが浄化され、飲用もしくは調理用さらに食材、食器洗浄に好適な水質の改質水が得られる。
【0027】
本発明の請求項3に係る水改質装置は、水浄化手段として活性炭フイルター、膜フィルター、中空糸膜、逆浸透膜、トルマリンなどの鉱物濾材、セラミック濾材の少なくとも一種から構成したものである。
【0028】
そして、これらを単独もしくは重層することでより高度な改質水が生成されるとともに、水改質装置の用途が拡大される。すなわち膜フィルターを1次フィルターとして比較的大きな粒子径の懸濁物質を除去し、2次フィルターとして中空糸膜フィルターを設けて微細粒子を除去し、さらに3次フィルターとして活性炭を重層するなどのカスケード構造を採用することで、例えば緊急時の風呂水、雨水、湖沼水の飲用化もしくは殺菌水化などが可能となる。またトルマリンなどの鉱物で構成すればクラスターの低減、酸化還元電位の低減などの作用が得られ、さらに高度な処理水が実現できる。
【0029】
本発明の請求項4に係る水改質装置は、陽極と陰極の極性を所定の時期に切換可能としたものである。
【0030】
そして、水道水や井戸水には炭酸カルシウムCa(HCO3)などのプラスイオンが含有されており、これが電気分解されると、炭酸カルシウムCaCO3などのスケール成分となって陰極表面に付着、堆積し、電解時の電気抵抗が増加して電解電流が流れなくなる。
【0031】
そこで、累積電解時間、極間の電気抵抗などを検知して所定の時期に逆電解が行われ、陰極は陽極側となって電解される。この結果、元の陰極に付着したスケール成分は陽極反応である水素還元作用によって溶液中に溶解し、スケール付着が防止されることとなり、電極寿命が大幅に伸長する。
【0032】
本発明の請求項5に係る水改質装置は、電解槽の陽極槽と陰極槽に塩基性電解質溶液を供給する電解質供給手段を設け、この電解質希釈水を電気分解する構成としたものである。
【0033】
そして、水道水や井戸水には塩素イオンが含まれているが微量であり、電解によって高濃度の次亜塩素酸や強酸性水を生成する場合に長い電解時間が必要となる。
【0034】
そこで、塩基性の電解質溶液を供給して所定濃度に希釈し、これを被電解水として電解することにより塩素イオンが多く含まれるので短時間で高濃度の改質水が生成できる。
【0035】
また、電解時の電解電圧は被電解水の導電率に依存し、この導電率は地域によって大幅に変化するため、例えば1(A)の低電流電解を行うに際して低導電率地域では直流100(V)に近い高電圧が必要となり、逆に高導電率地域では1(V)以下の低電圧となるので制御回路に格別の対策が必要となるが、電解質溶液を希釈することで被電解水の導電率が大幅に増加するとともに地域差による導電率の差を吸収してほぼ一定の導電率となり、低電圧でしかも簡易な制御回路で電解が可能となる。
【0036】
本発明の請求項6に係る水改質装置は、電解質供給手段として食塩タンクと、前記食塩タンクに給水する給水ポンプと、前記食塩タンクからの過飽和食塩水を電解槽に供給する給塩路から構成したものである。
【0037】
そして、電解質を一般家庭で常用される食塩とすることで補給に際しての手間がかからない。また電解質供給手段を構成する上で粒状の食塩を貯留し、電解時に粒状食塩と水を混合して供給するものでは、食塩タンクは小型化できるものの定量送出手段や混合手段が必要となるとともに粒状食塩の目詰まりが発生しやすく、供給手段の複雑、高コスト化につながる。一方、低濃度食塩水タンクとするものでは上記不具合は回避できるものの、食塩水消費量が多く、頻繁に補給、交換する必要が生じる。食塩タンクに過飽和食塩水(約26%)の状態で貯留することで食塩タンクの小型化が図れるとともに食塩補給頻度が低減でき、また目詰まりの発生しない信頼性の高い電解質供給装置を実現できる。さらに過飽和食塩水とすることで−20℃においても食塩水は凍結することがなく、寒冷地での使用に際しても凍結防止対策が不要となる。
【0038】
本発明の請求項7に係る水改質装置は、給水手段に給水弁を設け、この給水弁を開成して電解槽内に水を充填した後に給水を停止し、電解質供給手段を所定時間動作させた後に滞留電解を行う構成としたものである。
【0039】
そして、アルカリ水、酸性水、次亜塩素酸水の水素イオン濃度および次亜塩素酸濃度は、単位水量当たりの電解エネルギーに依存し、通水しながら電解する連続電解方式では極間を通過する時間だけしか電解されないので単位水量当たりの電解エネルギーが低くなり、高濃度の改質水が生成できない。これを解決するには電極面積を大きく取る必要があるとともに電解に要する電気量も増大し、電解装置の大型化、高価格化およびランニングコストの増加につながる。
【0040】
そこで、被電解水を滞留させた状態で電解することで単位水量当たりの電解エネルギーを充分に取れるので高濃度の改質水が生成できる。併せて、塩基性の電解質を混入した被電解水を滞留電解するため、短時間に高濃度の改質水が生成される。
【0041】
これにより、ふきんなどの漂白や排水口のぬめりの防止などの高濃度での強力殺菌洗浄が可能となる。
【0042】
本発明の請求項8に係る水改質装置は、電解槽内での希釈後の被電解水の食塩濃度を0.4〜1%とするものである。
【0043】
そして、電解質である食塩の濃度すなわち塩素イオン量は次亜塩素酸生成量と正比例関係にあるが飽和域があり、実験によれば食塩濃度約0.4%濃度以上から次亜塩素酸生成量が飽和傾向を示し、食塩量を増加させても次亜塩素酸生成濃度はあまり増加しなかった。また、1%から3%までは、食塩量は3倍供給しているにもかかわらず、次亜塩素酸生成濃度はわずか8%しか増加しなかった。つまり、食塩濃度を0.4〜1%の範囲とすることで次亜塩素酸生成に対する食塩の利用効率を高められ、食塩タンクの小型化と食塩消費量の低減を両立することができる。
【0044】
本発明の請求項9に係る水改質装置は、所定時間滞留電解した後に給水弁を再度開成し、電解改質水を改質水吐出口側へ圧送し、所定時間後に前記給水弁を閉成する構成としたものである。
【0045】
そして、滞留電解することにより高濃度の改質水を生成し、その後給水弁を開成することで水圧により電解槽内の改質水が改質水吐出口へ押し出されて取水に供される。なお、所望量が吐出された場合はスイッチ操作により任意に取水を停止できる。
【0046】
一方、電解槽内の改質水が全て吐出される所定時間経過後に給水弁が閉成されて改質水のほぼ全量が使用された後に自動的に吐出が停止される。
【0047】
これにより、給水弁のみの制御により水圧を利用して改質水吐出口からの取水と停止が選択できるとともに、生成した改質水が有効に利用できる。また所定時間改質水を吐出して電解槽内の改質水全量が使用され、次の新たな改質水の生成動作に移行するための検知信号とすることも可能である。
【0048】
本発明の請求項10に係る水改質装置は、電解槽の上流側に分流弁を設けるとともに混合手段下流側に分岐路を設け、前記分流弁と分岐路を連通するバイパス路を設け設けて前記電解槽側とバイパス路側を通過する水の分流比を調整する構成としたものである。
【0049】
そして、高濃度の電解水を生成した後に分流弁により電解槽側とバイパス路側の分流比を調整することにより所望の水素イオン濃度もしくは次亜塩素酸濃度の改質水が任意に取水できる。
【0050】
これにより、低濃度から高濃度の広範囲の水素イオン濃度もしくは次亜塩素酸濃度の改質水が得られる。また分流比を制御して濃度制御を行うので給水圧が変動しても分流比は変化することがなく、所望濃度の改質水が得られる。
【0051】
本発明の請求項11に係る水改質装置は、改質水吐出口にpHセンサおよび/もしくは次亜塩素酸センサを設け、前記pHセンサおよび/もしくは次亜塩素酸センサの信号により前記分流弁による分流比を制御するものである。
【0052】
そして、改質水吐出口側に設けられたセンサにより水素イオン濃度、次亜塩素酸濃度が検出され、その信号に応じて分流弁の分流比がフィードバック制御されるので、所望濃度の改質水が精度良く取水できる。
【0053】
【実施例】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例を示す模式図である。同図において20はイオン交換膜21を内設する電解槽であり、イオン交換膜21によって分離される陽極層22と陰極槽23内にそれぞれ陽極24と陰極25を有している。26は給水手段であり、電解槽20の上流側には活性炭フイルター、膜フィルター、中空糸膜、逆浸透膜、トルマリンなどの鉱物濾材およびセラミック濾材の少なくとも一種から構成される水浄化手段27が設けられるとともに、電動式の給水弁28が設けられており、電解槽20内に給水供給可能に構成されている。29は両電極24、25に電圧を印加して水を電解するための直流電源である。
【0054】
30は陽極槽22の出口側に設けられた第1の流路切換手段、また31は陰極槽23の出口側に設けられた第2の流路切換手段であり、各々の第1出口32、33は混合手段34に接続され、第2出口35、36は排出口37に接続されている。38は混合手段34の下流に設けられ、改質水を取水するための改質水吐出口である。ここで排出口37は改質水の取水に際して利用者が誤って取水できないように改質水吐出口38と区別された構成としている(図示せず)。
【0055】
39は電解槽20に食塩水を供給する電解質供給手段であり、過飽和食塩水(約26%)の状態で食塩を充填した食塩タンク40と電解槽20の上流から分岐した給水管41を介して食塩水を供給する給水ポンプ42および給塩路43を有しており、過飽和食塩水が電解槽20内で所定の食塩濃度(0.4〜1%)となるように濃度制御される。
【0056】
44は上記の構成要素を制御する制御手段であり、所定の時期に直流電源29を制御して陽極24と陰極25の極性を切換えるように制御する(図示せず)。
【0057】
上記構成において次に本実施例の作用、動作について説明する。図1において改質水吐出口38の取水要求信号(図示せず)を受けて給水弁28が開成し、給水手段26から給水された水は水浄化手段27を通過して浄化される。ここで水浄化手段27として活性炭フイルター、膜フィルター、中空糸膜、逆浸透膜、トルマリンなどの鉱物濾材、セラミック濾材の少なくとも一種から構成したので、これらを単独もしくは重層することでより高度な改質水が生成されるとともに、水改質装置の用途が拡大される。すなわち膜フィルターを1次フィルターとして比較的大きな粒子径の懸濁物質を除去し、2次フィルターとして中空糸膜フィルターを設けて微細粒子を除去し、さらに3次フィルターとして活性炭を重層するなどのカスケード構造を採用することで、例えば緊急時の風呂水、雨水、湖沼水の飲用化もしくは殺菌水化などが可能となる。またトルマリンなどの鉱物で構成すればクラスターの低減、酸化還元電位の低減などの作用が得られ、さらに高度な処理水が実現できる。
【0058】
浄化された水は電解槽20内に流入するとともに、一方で給水ポンプ42が動作して給水管41を経て食塩タンク40内に水が供給され、内部の過飽和食塩水が電解槽20内に供給されて水と混合希釈され、食塩濃度が後述するように0.4〜1%の範囲に制御される。この状態で直流電源29が動作し、陽極24および陰極25に電圧が印加され、食塩水の希釈液が電気分解される。この時、イオン交換膜21を介して陽極22側には酸性水が生成され、陰極23側にはアルカリ水が生成される。そして、改質水として次亜塩素酸水を必要とする際は、第1および第2の流路切換弁が図1に示したように混合手段34側に開通し、電解によって生成された酸性水とアルカリ水は混合手段34で効果的に混合され、中性の次亜塩素酸水が改質水吐出口38から取水される。なお、この中性次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ソーダなどの薬剤希釈液に比較して低濃度、短時間で殺菌効果が得られるとともに野菜、果物、肉類など食材の殺菌洗浄に際しては褐変やタンパク変性を起こさず、さらに中性洗剤との併用が可能であるとともに薬剤希釈液に比較して塩素の残留が少なく、水道水の感覚で利用できる効果がある。
【0059】
図2に電解槽20内の食塩濃度と電解槽20内に生成される次亜塩素酸濃度の関係を示す。なお電解条件は、電極対向面積47.5cm2、極間距離2mm、電解槽容積200mlにて1(A)で40分間の滞留電解を実施した。図2より食塩濃度が約0.4%濃度以上から次亜塩素酸生成量が飽和傾向を示し、食塩量を増加させても次亜塩素酸生成濃度はあまり増加しなかった。また、1%から3%までは、食塩量は3倍供給しているにもかかわらず、次亜塩素酸生成濃度はわずか8%しか増加しなかった。つまり、食塩濃度を0.4〜1%の範囲とすることで次亜塩素酸生成に対する食塩の利用効率を高められ、食塩タンク40の小型化と食塩消費量の低減を両立することができる。
【0060】
また、酸性水の取水が必要とされる際は第1、第2の流路切換弁30、31が図3(a)に示すように切り換えられる。つまり、酸性水が生成される陽極槽22が混合手段34側に連通する一方、第2の流路切換弁31は排出口37側に連通し、アルカリ水は廃棄される。なお、この際のアルカリ水は別途貯水し、他の用途に利用するようにしても良い。よって改質水吐出口38からは酸性水が取水されることとなる。
【0061】
さらに、アルカリ水の取水が必要とされる際は第1、第2の流路切換弁30、31が図3(b)に示すように切り換えられて改質水吐出口38からアルカリ水が取水される。
【0062】
なお、取水される改質水の水素イオン濃度および次亜塩素酸水濃度は電解電流、電解水の流量などを制御することにより調整可能である。
【0063】
これにより、酸性水、アルカリ水、中性次亜塩素酸水の3種類の改質水について用途に応じた水素イオン濃度および次亜塩素酸濃度の改質水が取水できる。また利用者の所望する水は改質水吐出口のみから取水されることとなり、また利用者の所望する水は改質水吐出口のみから取水されることとなり、従来例のように利用者の誤った改質水の利用が防止できる。
【0064】
また、水道水や井戸水には炭酸カルシウムCa(HCO3)などのプラスイオンが含有されており、これが電気分解されると、炭酸カルシウムCaCO3などのスケール成分となって陰極25の表面に付着、堆積し、電解時の電気抵抗が増加して電解電流が流れなくなるが、本実施例では、累積電解時間、極間の電気抵抗などを検知して所定の時期に逆電解が行われ、陰極25は陽極24側となって電解される。この結果、元の陰極25に付着したスケール成分は陽極反応である水素還元作用によって溶液中に溶解し、スケール付着が防止されることとなり、電極寿命が大幅に伸長する。
【0065】
また、水道水や井戸水には塩素イオンが含まれているが微量であり、電解によって高濃度の次亜塩素酸や強酸性水を生成する場合には、大電流・長時間の電解が必要となるが、本実施例では食塩水を供給して所定濃度に希釈し、これを被電解水として電解することにより塩素イオンが多く含まれるので短時間で高濃度の改質水が生成できる。また、電解時の電解電圧は被電解水の導電率に依存し、この導電率は地域によって大幅に変化するため、例えば1(A)の低電流電解を行うに際して低導電率地域では直流100(V)に近い高電圧が必要となり、逆に高導電率地域では1(V)以下の低電圧となるので制御回路に格別の対策が必要となるが、食塩水を希釈することで被電解水の導電率が大幅に増加するとともに地域差による導電率の差を吸収してほぼ一定の導電率となり、低電圧でしかも簡易な制御回路で電解が可能となる。
【0066】
さらに、電解質として一般家庭で常用される食塩とすることで補給に際しての手間がかからない。また電解質供給手段39を構成する上で粒状の食塩を貯留し、電解時に粒状食塩と水を混合して供給するものでは、食塩タンク40は小型化できるものの定量送出手段や混合手段(図示せず)が必要となるとともに粒状食塩の目詰まりが発生しやすく、供給手段の複雑、高コスト化につながる。一方、低濃度食塩水タンクとするものでは上記不具合は回避できるものの、食塩水消費量が多く、頻繁に補給、交換する必要が生じる。食塩タンクに過飽和食塩水(約26%)の状態で貯留することで食塩タンク40の小型化が図れるとともに食塩補給頻度が低減でき、また目詰まりの発生しない信頼性の高い電解質供給手段39を実現できる。さらに過飽和食塩水とすることで−20℃においても食塩水は凍結することがなく、寒冷地での使用に際しても凍結防止対策が不要となる。
【0067】
(実施例2)
図4に本発明の第2実施例の模式図を示す。同図において26は給水手段であり、電解槽20の下方より電解槽20内に水を給水可能に構成されている。43は電解質供給手段39に設けられた食塩タンク40内の過飽和食塩水を電解槽20の上方に供給する給塩路である。
【0068】
給水路26の給水弁28下流には分流弁45を設けるとともに混合手段34の下流側には分岐路46を設け、分流弁45と分岐路46はバイパス路47によって連通可能に構成されており、分流弁45の開度制御によって電解槽20側とバイパス路47側を通過する水の分流比を調整する構成となっている。また、改質水吐出口38の上流にはpHセンサ48と次亜塩素酸センサ49が設けられており、pHセンサ48と次亜塩素酸センサ49の信号により分流弁45の分流比がフィードバック制御可能に構成されている。
【0069】
44はこれらの要素を制御する制御手段であり、滞留電解制御手段50と分流弁45を制御する分流比制御手段51を有している。滞留電解制御手段50は、電解時に給水弁28を開成して電解槽20内に水を充填した後に給水を停止し、電解質供給手段39の給水ポンプ42を所定時間動作させて電解槽20の食塩濃度を0.4〜1%とした後に滞留状態で電解を行うように制御する。また分流比制御手段51は、改質水吐出口38の取水要求が生じた際に、電解槽20を通過する水量とバイパス路47を通過する水量の比を制御することで電解槽20内に生成された高濃度の電解水を希釈して所定の水素イオンおよび次亜塩素酸濃度に調整する。なお改質水吐出口38に設けられたpHセンサ48と次亜塩素酸センサ49の出力信号は分流比制御手段51に入力され、所望の濃度となるように分流弁45が制御される。
【0070】
その他の構成は図1の実施例と同様であり、同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0071】
上記構成において、次に本実施例の作用、動作について説明する。改質水の要求信号がない状態において、給水弁28が開成し、電解槽20内に水が充填され、その後給水弁28が閉成される。次に給水ポンプ42が所定時間動作し、電解槽20内の水と混合して食塩濃度が0.4〜1%となるように食塩タンク40内の過飽和食塩水を電解槽20内に供給する。この後陽極24と陰極25間に電圧を印加することで食塩水が滞留電解され、陽極槽22には酸性水が、また陰極槽23にはアルカリ水が分別生成されて所定時間電解することで高濃度滞留電解水が電解槽20内に生成貯留される。
【0072】
この状態で改質水吐出口38の取水要求があると、必要とされる酸性水、アルカリ水および次亜塩素酸水に応じて第1、第2の流路切換弁30、31が図1の実施例と同様に切り換えられて改質水吐出口38側へ流出する。一方、改質水吐出口38で選択された水素イオンおよび次亜塩素酸濃度は、pHセンサ48と次亜塩素酸センサ49によって検出され、その出力信号は分流比制御手段51にフィードバックされて分流弁45の分流比、つまり電解槽20側とバイパス路47側を通過する流量の比を要求される濃度となるように制御する。例えば次亜塩素酸水10ppmの取水要求が有る場合、電解槽20内で1000ppmの次亜塩素酸濃度となるように滞留電解したとするとバイパス路47を通過する流量に対して、電解槽20を通過する流量は1/100となるように分流比が制御される。
【0073】
所望の種類および濃度の改質水は任意に取水できるが、電解槽20内の高濃度生成水がすべて消費されると所望濃度の取水ができなくなる。このことはpHセンサ48と次亜塩素酸センサ49によって検出され、給水弁が閉成されて取水が自動停止され、新たな滞留電解動作に移行する。なお、この点については、取水される電解水の種類と時間を計時するとともに演算することで消費を検知するようにしてもよい。
【0074】
アルカリ水、酸性水、次亜塩素酸水の水素イオン濃度および次亜塩素酸濃度は、単位水量当たりの電解エネルギーに依存し、通水しながら電解する連続電解方式では極間を通過する時間だけしか電解されないので単位水量当たりの電解エネルギーが低くなり、高濃度の改質水が生成できない。これを解決するには電極面積を大きく取る必要があるとともに電解に要する電気量も増大し、電解装置の大型化、高価格化およびランニングコストの増加につながる。
【0075】
本実施例では、希釈食塩水を滞留させた状態で電解することで単位水量当たりの電解エネルギーを充分に取れるので高濃度の改質水が生成できる。併せて、塩基性の電解質を混入した被電解水を滞留電解するため、短時間に高濃度の改質水が生成される。
【0076】
これにより、ふきんなどの漂白や排水口のぬめりの防止などの高濃度での強力殺菌洗浄が可能となる。
【0077】
また、電解槽の上流側に分流弁45を設けて電解槽20側とバイパス路47側を通過する水の分流比を調整する構成としたので低濃度から高濃度の広範囲の水素イオン濃度もしくは次亜塩素酸濃度の改質水が得られる。また分流比を制御して濃度制御を行うので給水圧が変動しても分流比は変化することがなく、所望濃度の改質水が得られる。
【0078】
さらに、改質水吐出口38側にpHセンサ48と次亜塩素酸センサ49を設けて所望の濃度となるように分流弁45の分流比がフィードバック制御されるので、所望濃度の改質水が精度良く取水できる。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1に係る水改質装置によれば、アルカリ水が生成される陰極槽と酸性水が生成される陽極槽にそれぞれ対応して第1、第2の流路切換手段を設け、所望改質水の種類に応じて切り換え制御するので酸性水、アルカリ水、中性電解水が用途に応じて任意に取水できる。また酸性水とアルカリ水を混合して次亜塩素酸および次亜塩素イオンを含む中性電解殺菌水を生成するため、次亜塩素酸ソーダなどの薬剤希釈液に比較して低濃度、短時間で殺菌効果が得られるとともに野菜、果物、肉類など食材の殺菌洗浄に際しては褐変やタンパク変性を起こさず、さらに中性洗剤との併用が可能であるとともに薬剤希釈液に比較して塩素の残留が少なく、水道水の感覚で利用できる。また利用者の所望する水は改質水吐出口のみから取水されることとなり、従来例のように利用者の誤った改質水の利用が防止できる。
【0080】
本発明の請求項2に係る水改質装置によれば、電解槽の上流側もしくは下流側の少なくとも一方に水浄化手段を設けることで有害な無機物、赤錆、微生物、臭気などが浄化され、飲用もしくは調理用さらに食材、食器洗浄に好適な水質の改質水が得られる。
【0081】
本発明の請求項3に係る水改質装置によれば、水浄化手段として活性炭フイルター、膜フィルター、中空糸膜、逆浸透膜、トルマリンなどの鉱物濾材、セラミック濾材の少なくとも一種から構成するので、これらを単独もしくは重層することでより高度な改質水が生成されるとともに、カスケード構造とすることで、緊急時の風呂水、雨水、湖沼水の飲用化もしくは殺菌水化など水改質装置の用途が拡大される。
【0082】
本発明の請求項4に係る水改質装置によれば、陽極と陰極の極性を所定の時期に切換可能としたので、水道水や井戸水に含まれる炭酸カルシウムCa(HCO3)などのプラスイオンを電解することによる陰極表面へのスケール付着が水素還元作用によって溶液中に溶解するのでスケール付着が防止され、電極寿命が大幅に伸長する。
【0083】
本発明の請求項5に係る水改質装置によれば、電解質供給手段を設けて電解質希釈水を電解する構成としたので、短時間で高濃度の改質水が生成できる。また、電解質を混合することで被電解水の導電率が大幅に増加するとともに地域差による導電率の差を吸収してほぼ一定の導電率となり、低電圧でしかも簡易な制御回路で電解が可能となる。
【0084】
本発明の請求項6に係る水改質装置によれば、電解質供給手段として過飽和食塩水を電解槽に供給する構成としたので、貯留のための食塩タンクの小型化が図れるとともに食塩補給頻度が低減でき、また目詰まりの発生しない信頼性の高い電解質供給手段が実現できる。また、−20℃においても凍結することがなく、寒冷地での使用に際しても凍結防止対策が不要となる。
【0085】
本発明の請求項7に係る水改質装置によれば、電解槽内に電解質希釈液を充填した後に滞留電解を行うので、単位水量当たりの電解エネルギーを充分に確保でき、高濃度の改質水が生成できる。併せて、塩基性の電解質希釈液を滞留電解するため、短時間に高濃度の改質水が生成される。この結果、ふきんなどの漂白や排水口のぬめりの防止などの高濃度での強力殺菌洗浄が可能となる。
【0086】
本発明の請求項8に係る水改質装置によれば、希釈後の被電解水の食塩濃度を0.4〜1%としたので、次亜塩素酸生成に対する食塩の利用効率を高められ、食塩タンクの小型化と食塩消費量の低減を両立することができる。
【0087】
本発明の請求項9に係る水改質装置によれば、滞留電解した後に給水弁を再開成し、電解改質水を改質水吐出口側へ圧送するとともに、所定時間経過後に給水弁を閉成する構成としたので、給水弁のみの制御により水圧を利用して改質水吐出口からの取水と停止が選択できるとともに、生成した改質水が有効に利用できる。また、給水弁の閉成信号を次の新たな改質水の生成動作に移行するための検知信号とすることも可能となる。
【0088】
本発明の請求項10に係る水改質装置によれば、電解槽の上流側に分流弁を設けて電解槽側とバイパス路側を通過する水の分流比を調整する構成としたので、所望の水素イオン濃度もしくは次亜塩素酸濃度の改質水が任意に取水できる。また分流比を制御して濃度制御を行うので給水圧が変動しても分流比は変化することがなく、所望濃度の改質水が得られる。
【0089】
本発明の請求項11に係る水改質装置によれば、改質水吐出口にpHセンサおよび/もしくは次亜塩素酸センサを設け、この検知信号に基づいて分流弁の分流比を制御するので、所望濃度の改質水が精度良く取水できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す水改質装置の模式図
【図2】同、食塩濃度と次亜塩素酸生成濃度の関係を示す特性図
【図3】同、要部構成を示す模式図
【図4】本発明の第2実施例を示す水改質装置の模式図
【図5】従来例を示す水改質装置の模式図
【符号の説明】
20 電解槽
21 イオン交換膜
22 陽極槽
23 陰極槽
24 陽極
25 陰極
26 給水手段
27 水浄化手段
28 給水弁
30 第1の流路切換手段
31 第2の流路切換手段
32、33 第1出口
34 混合手段
35、36 第2出口
37 排出口
38 改質水吐出口
39 電解質供給手段
40 食塩タンク
42 給水ポンプ
43 給塩路
44 制御手段
45 分流弁
46 分岐路
47 バイパス路
48 pHセンサ
49 次亜塩素酸センサ

Claims (11)

  1. 給水手段と、イオン交換膜によって内部を陽極槽と陰極槽とに分離され前記陽極槽内に陽極を、前記陰極槽内に陰極を有すると共に、前記給水手段からの水を電気分解して酸性水とアルカリ水を生成する電解槽と、前記陽極槽および前記陰極槽の出口に各々接続され第1,第2、第3の切換状態を設定する第1、第2の流路切換手段と、前記第1、第2の流路切換手段における第1出口の下流側に設けられると共に、前記第1、第2の流路切換手段の前記第1の切換状態で前記酸性水と前記アルカリ水とを混合して中性電解水を生成し、前記第2の切換状態で前記電解槽からの前記酸性水を通過させ、前記第3の切換状態で前記電解槽からのアルカリ水を通過させる混合手段と、前記混合手段の下流に設けられた単一の改質水吐出口と、前記第1、第2の流路切換手段における第2出口の下流側に設けられた排出口と、前記第1、第2の流路切換手段を制御する制御手段とを備え
    前記第1、第2の流路切換手段の切換制御により前記酸性水、前記アルカリ水、前記中性電解水の何れかを選択して前記改質水吐出口から改質水を供給する水改質装置。
  2. 電解槽の上流側もしくは下流側の少なくとも一方に水浄化手段を設けた請求項1記載の水改質装置。
  3. 水浄化手段は活性炭フイルター、膜フィルター、中空糸膜、逆浸透膜、トルマリンなどの鉱物濾材、セラミック濾材の少なくとも一つから構成した請求項2記載の水改質装置。
  4. 陽極と陰極の極性を所定の時期に切換可能とした請求項1ないし3のいずれか1項記載の水改質装置。
  5. 電解槽の陽極槽と陰極槽に塩基性電解質溶液を供給する電解質供給手段を設け、電解質希釈水を電気分解する請求項1ないし4のいずれか1項記載の水改質装置。
  6. 電解質供給手段は食塩タンクと、前記食塩タンクに給水する給水ポンプと、前記食塩タンクからの過飽和食塩水を電解槽に供給する給塩路から構成した請求項5記載の水改質装置。
  7. 給水手段に給水弁を設け、この給水弁を開成して電解槽内に水を充填した後に給水を停止し、電解質供給手段を所定時間動作させた後に滞留電解を行う請求項5または6記載の水改質装置。
  8. 電解槽内での希釈後の被電解水の食塩濃度を0.4〜1%とした請求項5ないし7のいずれか1項記載の水改質装置。
  9. 所定時間滞留電解した後に給水弁を再度開成し、電解水を改質水吐出口側へ圧送し、所定時間後に前記給水弁を閉成する請求項7記載の水改質装置。
  10. 電解槽の上流側に分流弁を設けるとともに混合手段下流側に分岐路を設け、前記分流弁と分岐路を連通するバイパス路を設けて前記電解槽側とバイパス路側を通過する水の分流比を調整する構成とした請求項5ないし8のいずれか1項記載の水改質装置。
  11. 改質水吐出口にpHセンサおよび/もしくは次亜塩素酸センサを設け、前記pHセンサおよび/もしくは次亜塩素酸センサの信号により前記分流弁による分流比を制御する請求項10記載の水改質装置。
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