JP4589890B2 - 光伝送体 - Google Patents

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Description

本発明は、光伝送体に関し、より詳細には、高い透明性を有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる光伝送体に関する。
ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂及び塩化ビニルとエチレン、酢酸ビニル等との共重合樹脂は、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、電気絶縁性、難燃性、機械強度に優れ、管材、建材、農業用品、電子電気用品、日用品などの用途で多く使用されている。
しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は、あまり透明性が優れたものではないため、通常は着色された状態で使用されていた。一部のポリ塩化ビニル樹脂で、透明性が改善されたものもあるが、その透明性は、せいぜい数mmの厚みで光線が透過する程度のものであった。
一方、透明性に優れたポリアクリル酸系の樹脂は、光学樹脂材料として新たな用途が期待され、例えば、光ファイバーへの開発が進められている(例えば、特許文献1)。
一般に、近赤外〜赤外域(600〜1550nm)で光吸収を起こす炭素−水素結合が少ない樹脂は、理論的には透明性に優れるはずである。例えば、波長650nmにおけるポリメタクリル酸メチルの炭素−水素結合による吸収損失は96dB/kmと見積もられているのに対し、ポリ塩化ビニルの炭素−水素結合の吸収損失は78dB/kmであり、塩素化ポリ塩化ビニルに至っては、塩素含有率が大きくなるに従って吸収損失がさらに78dB/kmよりも小さくなると見積もられる。従って、ポリ塩化ビニル系樹脂であっても、透明性を向上させ、光吸収を減少させることによって、光学樹脂材料として使用することが可能である。
にもかかわらず、ラジカル重合法で工業的に生産されているポリ塩化ビニル系樹脂は、実際には透明性が優れず、光学用途への開発が実現されていないのが現状である。これは、
1)成形熱により樹脂の分岐構造等の不安定構造が基点となって脱塩酸を起こし、その結果生成する炭素−炭素二重結合が、光、特に短波長光を吸収する、
2)重合時、ポリマーがモノマーに溶解しないために生成するポリマー粒子の凝集体が光を散乱する、
3)樹脂中に存在する微結晶が光を散乱するためである。
WO93/08488号パンフレット
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、透明性に優れ、光学樹脂材料として許容されるポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる光伝送体を提供することを目的とする。
本発明の光伝送体は、塩素含有率が62%以上73%以下であるポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂組成物にジフェニルスルホン及びその誘導体から選択される化合物が配合されてなり、
該ジフェニルスルホン及びその誘導体から選択される化合物が25重量%以下であり、かつ、ジフェニルスルホン誘導体が4,4'−ジクロロジフェニルスルホン及び3,3',4,4'−テトラクロロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1つである
この光伝送体では、200℃、30分間加熱下での発生塩化水素量が150ppm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなることが好ましい。
屈折率分布を有することが好ましい
本発明によれば、透明性に優れ、光学樹脂材料として許容されるポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる光伝送体を得ることが可能となる。
本発明の光伝送体は、ポリ塩化ビニル系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる。ここで、「主成分」とは、通常、樹脂組成物中において50重量%以上がポリ塩化ビニル系樹脂を含むことを意味するが、必ずしも50重量%以上でなくてもよく、樹脂組成物中において最多量の成分がポリ塩化ビニル系樹脂であることをも包含する。
この樹脂組成物は、(1)ポリ塩化ビニル系樹脂を主成分として含有し、110〜210℃に存在する吸熱ピークの熱量が0mJ/mg以上4.0mJ/mg以下であるか、(2)塩素含有率が62%以上73%以下であるポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とするか、(3)ポリ塩化ビニル系樹脂を主成分として含有し、溶解性パラメーターが7.5〜12.0(cal/cm31/2である物質を50重量%未満で含むか、あるいはこれらの2以上、さらに、全てを備えることが好ましい。
本発明において、ポリ塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルモノマー及び/又は塩化ビニルと共重合可能なモノマーを重合又は共重合して得られる(共)重合体若しくはその後塩素化物である。
塩化ビニルと共重合可能なモノマーとしては、公知のビニルモノマーのすべてが含まれ、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類:エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類:メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明のポリ塩化ビニル樹脂として好適なもの、つまり、分岐構造や頭−頭構造などの不規則構造の少ないポリ塩化ビニル系樹脂は、例えば、上述した塩化ビニルモノマー及び/又は塩化ビニルと共重合可能なモノマーを、
一般式
ZrX1234
(式中、X1、X2、X3、X4はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換アリールオキシ基等)で表されるジルコニウム化合物と、
一般式
AlY123
(式中、Y1、Y2、Y3はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換アリールオキシ基等)で表されるアルミニウム化合物又はアルキルアルミノキサンとの存在下で(共)重合するか、あるいはアルキルリチウム存在下で(共)重合することによって得ることができる。また、これらの(共)重合体は、後塩素化してもよい。
1、X2、X3、X4のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜6のものが適しており、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜6のものが適しており、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ等が挙げられる。
置換又は非置換アリール基としては、炭素数6〜9のものが適している。また、置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。例えば、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、ナフチル等、塩化フェニル、塩化トリル、塩化キシリル等が挙げられる。
置換又は非置換アリールオキシ基としては、炭素数6〜9のものが適している。また、置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。例えば、フェノキシ、トリルオキシ、キシルオキシ、クメニルオキシ、メシチルオキシ、ナフチルオキシ等、塩化フェノキシ、塩化トリルオキシ、塩化キシリルオキシ等が挙げられる。
なかでも、得られる塩化ビニル系樹脂の分岐構造がより少ないという点で、アルコキシ基、アリールオキシ基の4置換体であるジルコニウムアルコキシド類やジルコニウムアリールオキシド類が好ましく、さらに、X1からX4の全てが同一の置換基であることがより好ましい。
ジルコニウム化合物としては、具体的に、ジルコニウムテトラ−n−ブトキサイド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキサイド、ジルコニウムテトライソプロポキサイド等のジルコニウムアルコキシド類;ジルコニウムテトラフェノキサイド等のジルコニウムアリールオキシド類;ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルジルコニウムジブトキサイド等のジルコノセン類;シクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、シクロペンタジエニルジルコニウムトリブトキサイド、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリブトキサイド、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリフェノキサイド等のハーフジルコノセン類等が挙げられる。
ジルコニウム化合物の重合系内における濃度は、特に限定されないが、塩化ビニル系樹脂の重合度を確保し、残存するジルコニウム量を減少し、さらに、重合効率の向上という観点から、ジルコニウム濃度で10-1〜10-8mol/lの範囲であることが好ましい。
1、Y2、Y3としては、X1からX4で例示したものと同様のものが挙げられる。
アルミニウム化合物としては、具体的に、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド等が挙げられる。
アルキルアルミノキサンとしては、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン等が挙げられる。
本発明においては、得られる塩化ビニル系樹脂の生産効率や分岐構造がより少ないことから、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミノキサンがより好ましい。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
アルミニウム化合物及び/又はアルキルアルミノキサンの重合系内における濃度は、重合収率の向上、残存する金属量増加の抑制の観点から、ジルコニウムとのモル比において、アルミニウム/ジルコニウムのモル比が1〜105の範囲であることが好ましい。
アルキルリチウムとしては、具体的に、メチルリチウム、エチルリチウム、n‐プロピルリチウム、i−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等が挙げられる。
アルキルリチウムの重合系内における濃度は、特に限定されないが、塩化ビニル系樹脂の重合度を確保し、残存するアルキルリチウムを減少し、さらに、重合効率の向上という観点から、アルキルリチウム濃度で10-1〜10-4mol/lの範囲であることが好ましい。
重合又は共重合は、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気下で反応容器に、塩化ビニルモノマー及び/又は塩化ビニルモノマーと、共重合可能なモノマーと、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、アルキルアルミノキサンもしくはアルキルリチウムとを加えて重合反応を開始させる。任意に溶媒を加えて重合反応を行ってもよい。反応器への添加の際には溶媒等で溶解又は希釈して添加してもよい。
本発明におけるポリ塩化ビニル系樹脂として好適なものを重合する際の温度は、特に限定されるものではないが、低くなると反応速度が遅くなり、所定の収率まで重合するのに時間がかかり、高くなると停止反応、又は、連鎖反応等の副反応が進行し易くなることを考慮すると、−50℃〜60℃が適当である。反応圧力は、特に限定されない。
上記重合により得られた反応混合物に、メタノールや水等の失活剤を添加して、失活処理を行った後に、酸・アルカリによる脱灰処理、多孔質吸着剤による残触媒除去処理等を行うことにより、(共)重合体を得ることができる。本発明において適切に用いられるポリ塩化ビニル系樹脂は、公知の任意の方法を採用して製造することができる。例えば、通常、イオン重合方法と呼ばれる方法を好適に利用することができる。また、別の観点から、塊状重合方法、溶液重合方法等が挙げられる。なお、溶液重合を行う場合の溶剤としては、特に限定されないが、溶媒自体が重合中に変性しないものが選択される。例えば、ヘキサン、ジクロロメタン、トルエン等が挙げられる。
(共)重合体を塩素化して後塩素化物を得る方法は、公知の塩素化方法又はこれに準じた方法を用いることができ、例えば、水懸濁熱塩素化法、水懸濁光塩素化法、溶液塩素化法等が挙げられる。なお、塩素化の際に、過酸化水素のようなラジカル発生剤を添加すると、得られた後塩素化物は、主鎖に脱塩酸の基点となる構造が生成するので、可能な限り添加しないのが好ましい。ラジカル発生剤を添加する場合の添加量は、50ppm以下が適当である。
本発明においては、ポリ塩化ビニル系樹脂として、脱塩酸性が低く、透明性が向上する点から、後塩素化物であることが好ましく、中でも、脱塩酸性がより低いため、水懸濁熱塩素化法により得られた後塩素化物が好ましい。
本発明において、110〜210℃に存在する吸熱ピークの熱量が0mJ/mg以上、4.0mJ/mg以下であるということは、すなわち結晶化度が極めて低いことを意味し、ポリマー粒子の凝集体及び結晶による光散乱が小さく、透明性に優れたものであることを示す。
この吸熱ピークの熱量は、3.8mJ/mg程度以下、3.6mJ/mg程度以下、3.5mJ/mg程度以下、3.0mJ/mg程度以下、さらに2.0mJ/mg程度以下であることが好ましい。結晶化度を低減させることにより、光伝送体における伝送損失、特に散乱損失を低減させることができるからである。
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物において、110〜210℃に存在する吸熱ピークの熱量を4.0mJ/mg以下にする手段は、特に限定されず、上述した(共)重合体を塩素化する方法、塩化ビニルと共重合可能なモノマーを共重合する方法、ポリ塩化ビニル系樹脂にポリ塩化ビニル系樹脂と相溶性の化合物を配合する方法等及びこれらの方法の組み合わせ等、種々の方法が挙げられる。
110〜210℃に存在する吸熱ピークの熱量は、以下の要領で測定した値のことをいう。
示差走査熱量計を用い、20℃から200℃まで10℃/分で昇温し、引き続き200℃から20℃まで10℃/分で降温した後、20℃から280℃まで10℃/分で昇温したときの110〜210℃に存在する吸熱ピークの熱量を測定し、試料重量で除して単位重量当りの熱量として算出した値である。
本発明において、塩素含有率が62%以上、73%以下であるとは、樹脂中の塩素原子が、62〜73重量%であり、すなわち、塩素含有量が多いことを意味する。これにより、ポリマー粒子の凝集体及び結晶構造の存在による光散乱が小さく、透明性に優れ、さらに、成形性を向上させることができる。
この塩素含有率は、63%程度以上、65%程度以上、66%程度以上、72%程度以下、71%程度以下、70%程度以下であることがより好ましい。
塩素含有率を増加させる方法としては、上述したような塩素化法が挙げられる。
なお、塩素含有率は、JIS K 7229に準拠した方法によって測定することができる。
本発明において、溶解性パラメーター(SP値)が7.5〜12.0(cal/cm31/2である物質を用いるとは、ポリ塩化ビニル系樹脂共存系において相分離による白濁が生じず、散乱を抑制し、光伝送損失を良好に維持し得ることを意味する。
SP値は、次式により計算で求めることができる。(Hoyらの方法(POLYMER HANDBOOK, Third edition, VII/519(Wiley Interscience 社発行)を参照)。
SP=dΣG/M
(式中、d及びMは、それぞれポリマーの密度及び分子量を示し、Gは、原子団、基に固有の定数(Group Molar Attraction Constant)を示す。)
SP値は、さらに、7.8程度以上、8.0程度以上、8.2程度以上、11.8程度以下、11.6程度以下、11.5程度以下であることが好ましい。ポリ塩化ビニル系樹脂との均一混合を維持しながら、透明性を確保するためである。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物には、ポリ塩化ビニル系樹脂に加えて、いわゆる、散乱抑制剤を混合することができる。ここで散乱抑制剤とは、光ファイバーの物性のひとつである、ポリ塩化ビニル系樹脂の結晶化度を低下させて、光散乱を減少させるものを意味する。なお、散乱抑制剤は、任意に粒子構造を消滅させるもの、屈折率を増減し得るものでもよい。散乱抑制剤としては、例えば、上述したSP値が7.5〜12.0(cal/cm31/2の範囲であるものが挙げられる。
このような散乱抑制剤としては、例えば、アルキル基部分の炭素数が1〜8、好ましくは炭素数が1〜6であるポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル、ポリ(メタ)アクリル酸フェニル、ポリ(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸1−フェニルエチル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリクロロスチレン等が挙げられる。特に、ポリメタクリル酸メチル(SP値:9.2(cal/cm31 / 2)が好ましい。
また、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン;リン酸トリフェニル、リン酸トリエチル、リン酸トリ−2-エチルヘキシル等のリン酸エステル;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソデシル等のアジピン酸エステル;アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジイソオクチル等のアゼライン酸エステル;セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル等のセバシン酸エステル;二塩基酸とグリコールとを重縮合させたものを基本構造とするポリマー又はオリゴマーを用いることができる。二塩基酸としてはセバシン酸、アゼライン酸、アジピン酸、フタル酸などが挙げられる。また、グリコールとしてはプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールなどが挙げられる。さらに、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸イソトリデシル等のフタル酸エステル;ピロメリット酸オクチルエステル等のピロメリット酸エステル;トリメリット酸とアルコールとのエステル化反応で得られるエステル、すなわち、下記式(I)
Figure 0004589890
(式中、R1〜R3は、同一又は異なって、アルキル基を示す。)
で表わされるトリメリット酸エステル;旭電化製UL−6等の下記式(II)
Figure 0004589890
(式中、R4は、任意の官能基、xは1〜4の整数を示す。)
で表されるジペンタエリストールエステル等を用いてもよい。なお、散乱抑制剤の候補としては、ジフェニルスルホンおよびジフェニルスルホン誘導体、ジフェニルスルフィド、ジフェニルスルホキシド等の硫黄化合物も例示される。ジフェニルスルホン誘導体としては4,4'−ジクロロジフェニルスルホン、3,3',4,4'−テトラクロロジフェニルスルホン等が挙げられる。
ここで、R1〜R3のアルキル基としては、それぞれ異なっていてもよいが、3つが同じであることが好ましい。また、炭素数1〜12、さらに炭素数4〜10のアルキル基が好ましい。
また、R4としては、例えば、炭素数1〜6の低級アルキル基(メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル等)、
Figure 0004589890
等が例示される。なお、置換基R4は、xが2〜4の場合には、その数に応じて2〜4価の置換基となり得る。具体的には、xが2、R4が−(CH24−である化合物が挙げられる。
トリメリット酸エステルとしては、例えば、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ−2-エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル等のトリメリット酸トリアルキルが挙げられる。また、トリメリット酸と複数種のアルコールとのエステルであってもよい。なかでも、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシルが好ましい。
散乱抑制剤としては、特に、硫黄化合物(特に、ジフェニルスルホン)、リン酸エステル(特に、トリフェニルホスフェート)及びトリメリット酸エステル、ジペンタエリストールエステルが好ましい。これらは比較的屈折率が高い又は低いため(例えば、ジフェニルスルホン及びトリフェニルホスフェートの屈折率は1.630と高く、トリメリット酸エステルの屈折率は1.480〜1.490、ジペンタエリストールエステル(旭電化製UL−6)の屈折率は1.456と低い)、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の屈折率を増減して、適当な値に調節することができるからである。
このような散乱抑制剤の添加は、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物中に、50重量%未満とすることが適当である。ポリ塩化ビニル系樹脂の特性を優勢に維持するためである。
特に、硫黄化合物、リン酸エステル、トリメリット酸エステル及び/又はジペンタエリストールエステルをポリ塩化ビニル系樹脂組成物に含有させる場合には、25重量%以下で含有させることが好ましい。これにより、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物のガラス転移点を適当な値に維持し、必要な強度を確保することができる。
また、散乱抑制剤を配合する際に、二種類以上の屈折率の異なる化合物を配合してもよい。この二種類以上の化合物の中に、ベースとなる樹脂組成物の屈折率と比較して、高屈折率の化合物及び低屈折率の化合物が含まれることが好ましい。このような高屈折率の化合物及び低屈折率の化合物を併用することにより、高屈折率の化合物のみ又は低屈折率の化合物のみを配合した場合と比較して、これと同じ屈折率差を得るために樹脂組成物に配合させる散乱抑制剤の添加量を相対的に少なくすることができる。このため、ガラス転移点が相対的に高くなり、これによって得られる光伝送体の耐熱性を向上させることができる。
この場合には、次式で定義される換算重合度が400以上1000以下の範囲となることが好ましい。さらに好ましくは500以上800以下の範囲である。必要な強度が確保しつつ、成形を容易にするためである。
換算重合度=ポリ塩化ビニル系樹脂の重合度×(ポリ塩化ビニル系樹脂の配合比率/(ポリ塩化ビニル系樹脂の配合比率/1.5)+散乱抑制剤の配合比率)/1.5
なお、上記式中の散乱抑制剤は、上に例示したものうち、硫黄化合物、リン酸エステル、トリメリット酸エステル及び/又はジペンタエリストールエステルであることが特に好ましい。
散乱抑制剤としては、上述したSP値が7.5〜12.0(cal/cm31/2である物質のいずれかを単独で又は複数種組み合わせて用いてもよい。また、この範囲を外れるSP値を有する散乱抑制剤及び/又はいわゆるドーパントを組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、ポリ塩化ビニル系樹脂は、200℃、30分間、加熱下での発生塩化水素量が150ppm以下となるものであることが好ましい。成形時に炭素−炭素二重結合の生成を抑制し、光吸収を低減させるためである。
発生塩化水素量の測定方法は、以下の通りである。
先ず、ポリ塩化ビニル系樹脂1gを試験管に供給し、チューブ付き耐熱性ゴム栓で密閉し、200℃オイルバスに試験管を下から2/3浸漬して加熱する。試験管から発生するガスをチューブを通して100mlのイオン交換水で20分間捕集する。捕集開始から20分後にイオン交換水のpHを測定し、捕集開始前のイオン交換水のpHとの差から塩化水素の発生量を算出する。
本発明の光伝送体を構成するポリ塩化ビニル系樹脂組成物においては、ポリ塩化ビニル系樹脂の特長である耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、電気絶縁性、難燃性、機械強度を損なわない範囲で、必要に応じて、配合剤、例えば、熱安定剤、熱安定化助剤、滑剤、加工助剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤等を配合してもよい。これら配合剤は、塩化ビニル系樹脂を成形する際に使用されているものであれば、その種類は限定されず、それぞれ、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱安定剤としては、例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫系安定剤、ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤等が挙げられる。
安定化助剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、リン酸エステル等が挙げられる。
滑剤としては、内部滑剤及び外部滑剤が挙げられる。内部滑剤は、熱成形加工時に溶融樹脂の流動粘度を低下し、摩擦発熱を防止する目的で添加される滑剤であり、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、エポキシ化大豆油、ビスアミド等が挙げられる。外部滑剤は、熱成形加工時に溶融樹脂と金型表面との滑り効果を高める目的で添加される滑剤であり、例えば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス等が挙げられる。
加工助剤としては、例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体であるアクリル系加工助剤が挙げられ、具体例としては、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
耐熱向上剤としては、例えば、α−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系等の耐熱向上剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。
配合物とポリ塩化ビニル系樹脂組成物とを混合する方法は特に限定されず、例えば、ホットブレンド法、コールドブレンド法、溶液混合法等が挙げられる。
本発明の光伝送体の成形方法は特に限定されないが、成形時にできる限り熱エネルギーがかからない成形方法が、光吸収要因となる二重結合の生成を抑制するために好ましい。
例えば、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物をテトラヒドロフラン等の有機溶剤に溶解した溶液を作製し、その溶液をキャストすることにより成形する方法が挙げられる。
押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、ロール成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等の生産性に優れた従来公知の方法で成形する場合は、特に、上記200℃、30分間加熱下での発生塩化水素量が150ppm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂組成物を用いることが好ましく、分岐構造や頭−頭構造などの不規則構造の少ないポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いることがより好ましい。
二重結合の生成を抑制するために、SP値が7.5〜12.0(cal/cm31/2である低分子量の物質を50重量%未満混合し、可塑化効果により成形温度下げる方法も有効である。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、異物を含まないことが好ましい。異物の除去方法は特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物をテトラヒドロフラン等の有機溶剤に溶解した溶液を濾過後、脱溶媒することによる方法などが挙げられる。これらの方法はクリーンルーム内で行なうことが好ましい。
濾過に用いるフィルターの材質としては、アルミナセラミックス、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられるが、濾過精度、耐薬品性などからアルミナセラミックスが好ましい。
濾過は主フィルターのみを1回以上通過させれば充分な効果が得られるが、多段濾過または循環濾過を行なうことが好ましい。フィルターの細孔径は0.1μm以下であれば充分な効果が得られる。濾過速度と異物除去率について高い効果が得られることから、0.05μm程度の細孔径を有するフィルターを用いることが好ましい。
脱溶剤の方法は、特に限定されず、噴霧乾燥法、脱揮口付押出機を用いる方法などが挙げられる。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂の重合度は特に限定されないが、500以上1000以下が機械物性と成形性のバランスに優れているので好ましい。
さらに、本発明の光伝送体は、屈折率分布を有することが好ましい。ここで、屈折率分布とは、光伝送体の特定の方向に沿って、屈折率が変化する領域を意味する。例えば、屈折率分布型光ファイバーの屈折率分布は、ファイバーの中心から半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で、あるいは一定幅で段階的に低下している。
屈折率の調節方法は特に限定されず、塩素含有率を変化させる方法、SP値が7.5〜12.0(cal/cm31/2である物質の屈折率及びその混合比率で調節する方法、トリメリット酸エステルの配合比率で調節する方法、硫黄化合物(例えば、ジフェニルスルホン)及び/又はリン酸エステル(例えば、トリフェニルホスフェート)の配合比率で調節する方法等が挙げられる。
屈折率分布を有する光伝送体を形成する方法としては、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、配合組成を変化させながら多層押出する方法、キャスト法等が例示される。
多層押出する場合、屈折率がベースとなる樹脂組成物よりも高い及び低い2種の化合物の混合物を用いて各層の総添加剤濃度をほぼ等しくすると、各層の溶融粘度をほぼ等しくできるので、各層界面の平滑性制御が容易となる。
本発明の光伝送体は、この光伝送体よりも屈折率の低い他材料からなるクラッド層で覆われていてもよい。
以下、本発明の光伝送体の実施態様を詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌装置及びリフラックスコンデンサーを備えた、50リットルのジャケット付きステンレススチール製重合器を脱気した後、リフラックスコンデンサーからスチームを吹き込んで重合器内を80℃に昇温し、50℃の脱イオン水25000g、3%溶液部分鹸化ポリビニルアルコール400g、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース200gを供給した。その後、反応槽内を水蒸気圧+0.01kPaまで脱気し、攪拌しながら、塩化ビニルモノマー15kgを供給した。次いで、ベンゾイルパーオキサイド5gを重合器内に供給後、77℃に昇温して重合を行った。
重合器内の温度が77℃に到達した時点でリフラックスコンデンサーの運転を開始し、重合器内の温度を77℃に維持した。
重合器内の圧力が1.1MPaに低下した時点で、ジャケットに水を流して重合器内を冷却しながら、未反応の塩化ビニルモノマーを除去した。得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して、粉末状の重合度550の塩化ビニル樹脂を得た。
得られたポリ塩化ビニル樹脂を、撹拌機を備えたジャケット付きグラスライニング製耐圧反応槽に、脱イオン水と共に供給し、攪拌してポリ塩化ビニル樹脂を脱イオン水中に分散しながら、真空ポンプで反応槽内の空気を吸引し、−78.4kPaになるまで減圧し、窒素ガスを常圧になるまで供給した。次いで、再度真空ポンプで吸引し反応槽内の酸素を除去した。
加熱したオイルをジャケットに供給して加熱し、反応槽内を70℃まで昇温した。反応槽内の温度が70℃に達した時点から塩素ガスを供給し始め、110℃に設定して塩素化反応を進めた。反応槽内の発生塩化水素濃度を測定し、ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有率を計算し、塩素含有率が64.3重量%になった時点で塩素ガスの供給を停止した。
次いで、未反応の塩素ガスを除去し、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の塩素含有率64.3%、重合度550の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を得た。
同様にして、塩素含有率がそれぞれ66.5%、68.3%、70.0%の重合度550の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を得た。
塩素含有率64.3%、重合度550の塩素化ポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液A)、塩素含有率66.5%、重合度550の塩素化ポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液B)、塩素含有率68.3%、重合度550の塩素化ポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液C)、塩素含有率70.0%、重合度550の塩素化ポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液D)をそれぞれ調製し、それぞれ細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行った。
その後、中心軸のまわりに回転する内径20mmの円筒状容器内にチューブポンプを用いて溶液Aを供給・乾燥を繰り返して円筒状容器内面に厚み1mm堆積させ、続いて溶液Bを同様に供給・乾燥を繰り返して2mm堆積させ、次に溶液Cを同様に供給・乾燥を繰り返して3mm堆積させ、最後に溶液Dを同様に供給・乾燥を繰り返して3.5mm堆積させて、直径20mm、長さ450mmの屈折率分布を有する光ファイバーのプリフォームを得た。
得られたプリフォームを、140℃に設定された円筒型加熱機に供給し、中心空洞部を減圧しながら加熱延伸して直径0.6mmの屈折率分布を有する光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーを切り出して、110〜210℃に存在する吸熱ピークの熱量及び伝送損失を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004589890
なお、110〜210℃に存在する吸熱ピークの熱量は、セイコー電子工業社製示差走査熱量計で測定した(以下、同じ)。光ファイバーの伝送損失は、Ocean Optics社製スペクトロメーター及び白色光源を用いカットバック法により測定した(以下、同じ)。
また、樹脂の塩素含有率は、JIS K 7229に準拠して測定した。
(実施例2)
攪拌装置及びリフラックスコンデンサーを備えた、50リットルのジャケット付きステンレススチール製重合器を脱気した後、リフラックスコンデンサーからスチームを吹き込んで重合器内を80℃に昇温し、50℃の脱イオン水25000g、3%溶液部分鹸化ポリビニルアルコール300g、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース150gを供給した。その後、反応槽内を水蒸気圧+0.01kPaまで脱気し、攪拌しながら、塩化ビニルモノマー15kgを供給した。次いで、t−ブチルパーオキシピバレート5gを重合器内に供給後、72℃に昇温して重合を行った。重合器内の温度が72℃に到達した時点でリフラックスコンデンサーの運転を開始し、重合器内の温度を72℃に維持した。
重合器内の圧力が0.9MPaに低下した時点で、ジャケットに水を流して重合器内を冷却しながら、未反応の塩化ビニルモノマーを除去した後、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の重合度640の塩化ビニル樹脂(塩素含有率56.8%)を得た。
得られたポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液E)、ポリメタクリル酸メチル(SP値:9.2(cal/cm31 / 2)の樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液F)、を作製し、それぞれ細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行った。
その後、溶液Eと溶液Fとを瞬間混合機で混合しながら、中心軸のまわりに回転する内径20mmの円筒状容器内にチューブポンプを用いて供給・乾燥を繰り返して、中心に直径1mmの空洞部を有する直径20mm、長さ450mmの屈折率分布を有する光ファイバーのプリフォームを得た。
なお、最初、溶液Eと溶液Fを6:4の割合で供給・乾燥し、次第に溶液Fの供給量を減少し、減少した分だけ溶液Eを添加して最終8:2の割合で供給・乾燥した。
得られたプリフォームを、130℃に設定された円筒型加熱機に供給し、中心空洞部を減圧しながら加熱延伸して直径0.6mmの屈折率分布を有する光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーを切り出して、実施例1と同様に評価した。
(実施例3)
ジャケット付きオートクレーブのジャケットに70℃の温水を通し、オートクレーブ内を真空ポンプで30分間減圧して、充分に脱水乾燥した後室温まで冷却した。冷却後、減圧下のオートクレーブに、脱水処理した塩化メチレン、ジルコニウムテトラ−n−ブトキサイドの10重量%トルエン溶液、メチルアルミノキサンの10重量%トルエン溶液を、順次シリンジでゴム栓を通して注入後、モレキュラーシーブで充分に脱水した塩化ビニルモノマーを注入し、20℃に調整して24時間重合した。
重合終了後、オートクレーブから未反応の塩化ビニルモノマーを排出した後、メタノールを供給して反応を失活させた後に重合器から取り出し、メタノールを除去してポリ塩化ビニル樹脂分を真空下で乾燥させた。乾燥したポリ塩化ビニル系樹脂をテトラヒドロフランに投入して溶解後、粉状ゼオライトを投入して1時間撹拌後、0.5μmのPTFTフィルターで濾別した。濾液を撹拌下のメタノール中に投入し、ポリ塩化ビニル系樹脂を析出させた後、メタノール中からポリ塩化ビニル系樹脂を濾別した。大量のメタノールで洗浄後、乾燥して粉末状のポリ塩化ビニル樹脂を得た。
得られたポリ塩化ビニル樹脂を、撹拌機を備えたジャケット付きグラスライニング製耐圧反応槽に、脱イオン水と共に供給し、攪拌してポリ塩化ビニル樹脂を脱イオン水中に分散しながら、真空ポンプで反応槽内の空気を吸引し、−78.4kPaになるまで減圧し、窒素ガスを常圧になるまで供給した。次いで、再度真空ポンプで吸引し反応槽内の酸素を除去した。
加熱したオイルをジャケットに供給して加熱し、反応槽内を70℃まで昇温した。反応槽内の温度が70℃に達した時点から塩素ガスを供給し始め、110℃に設定して塩素化反応を進めた。反応槽内の発生塩化水素濃度を測定し、ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有率を計算し、塩素含有率が66.0重量%になった時点で塩素ガスの供給を停止した。
次いで、未反応の塩素ガスを除去し、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の重合度550の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を得た。この塩素化ポリ塩化ビニル樹脂の200℃、30分間加熱下での発生塩化水素量は、87ppmであった。
得られた塩素化ポリ塩化ビニル樹脂の樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液を作製し、細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行ったのち、噴霧乾燥法により脱溶剤して異物を除去した粉末状の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を得た。
得られた異物除去塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を内径18mmのコア層に、ポリメタクリル酸メチルを厚み1mmのクラッド層となるように190℃に設定された2台の単軸押出機及び2層金型を用いて成形して直径20mmの光ファイバーのプリフォームを得た。
得られたプリフォームを、140℃に設定された円筒型加熱機に供給し、加熱延伸して直径0.6mmの光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーのコア部分を切り出して、実施例1と同様に評価した。
なお、樹脂の発生塩化水素量は、塩化ビニル系樹脂1gを試験管に供給し、チューブ付き耐熱性ゴム栓で密閉し、200℃オイルバスに試験管を下から2/3浸漬して加熱し、試験管から発生するガスをチューブを通して100mlのイオン交換水で30分間捕集し、捕集開始から30分後にイオン交換水のpHを測定し、捕集開始前のイオン交換水のpHとの差から、算出した(以下、同じ)。
(実施例4)
攪拌装置及びリフラックスコンデンサーを備えた、50リットルのジャケット付きステンレススチール製重合器を脱気した後、リフラックスコンデンサーからスチームを吹き込んで重合器内を80℃に昇温し、50℃の脱イオン水25000g、3%溶液部分鹸化ポリビニルアルコール300g、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース150gを供給した。その後、反応槽内を水蒸気圧+0.01kPaまで脱気し、攪拌しながら、塩化ビニルモノマー15kgを供給した。次いで、t−ブチルパーオキシネオデカノエート5gを重合器内に供給後、62℃に昇温して重合を行った。重合器内の温度が62℃に到達した時点でリフラックスコンデンサーの運転を開始し、重合器内の温度を62℃に維持した。
重合器内の圧力が0.8MPaに低下した時点で、ジャケットに水を流して重合器内を冷却しながら未反応の塩化ビニルモノマーを除去した後、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の重合度860の塩化ビニル樹脂を得た。
得られたポリ塩化ビニル樹脂を、撹拌機を備えたジャケット付きグラスライニング製耐圧反応槽に、脱イオン水と共に供給し、攪拌してポリ塩化ビニル樹脂を脱イオン水中に分散しながら、真空ポンプで反応槽内の空気を吸引し、−78.4kPaになるまで減圧し、窒素ガスを常圧になるまで供給した。次いで、再度真空ポンプで吸引し反応槽内の酸素を除去した。
加熱したオイルをジャケットに供給して加熱し、反応槽内を70℃まで昇温した。反応槽内の温度が70℃に達した時点から塩素ガスを供給し始め、110℃に設定して塩素化反応を進めた。反応槽内の発生塩化水素濃度を測定し、ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有率を計算し、塩素含有率が68.0重量%になった時点で塩素ガスの供給を停止した。
次いで、未反応の塩素ガスを除去し、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の塩素含有率68.0%、重合度860の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を得た。
得られた塩素化ポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液G)を作製し、細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行った。
その後、溶液Gとトリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(SP値:8.9(cal/cm31/2)を瞬間混合機で混合しながら、中心軸のまわりに回転する内径20mmの円筒状容器内にチューブポンプを用いて供給・乾燥を繰り返して、中心に直径1mmの空洞部を有する直径20mm、長さ450mmの屈折率分布を有する光ファイバーのプリフォームを得た。
なお、最初、溶液Gとトリメリット酸トリ-2-エチルヘキシルを75:2.5の割合で供給・乾燥し、次第にトリメリット酸トリ-2-エチルヘキシルの供給量を減少し、減少した分の10倍量の溶液Gを添加して最終90:1の割合で供給・乾燥した。
周辺部から中心部に向かって、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル配合比率(重量%)は25から10に、換算重合度は570から740に変化している。
得られたプリフォームを、110℃に設定された円筒型加熱機に供給し、中心空洞部を減圧しながら加熱延伸して直径0.6mmの屈折率分布を有する光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーを切り出して、実施例1と同様に評価した。
(実施例5)
ジャケット付きオートクレーブのジャケットに70℃の温水を通し、オートクレーブ内を真空ポンプで30分間減圧して、充分に脱水乾燥した後室温まで冷却した。冷却後、減圧下のオートクレーブに、脱水処理した塩化メチレン、ジルコニウムテトラ−n−ブトキサイドの10重量%トルエン溶液、メチルアルミノキサンの10重量%トルエン溶液を順次シリンジでゴム栓を通して注入し、モレキュラーシーブで充分に脱水した塩化ビニルモノマーを注入し、20℃に調整して48時間重合した。
重合終了後、オートクレーブから未反応の塩化ビニルモノマーを排出し、メタノールを供給して反応を失活させた後に重合器から取り出し、メタノールを除去してポリ塩化ビニル樹脂分を真空下で乾燥させた。乾燥したポリ塩化ビニル系樹脂をテトラヒドロフランに投入して溶解し、粉状ゼオライトを投入して1時間撹拌後、0.5μmのPTFTフィルターで濾別した。濾液を撹拌下のメタノール中に投入し、ポリ塩化ビニル系樹脂を析出させた。メタノール中からポリ塩化ビニル系樹脂を濾別し、大量のメタノールで洗浄し、乾燥して粉末状のポリ塩化ビニル樹脂を得た。
得られたポリ塩化ビニル樹脂を、撹拌機を備えたジャケット付きグラスライニング製耐圧反応槽に、脱イオン水と共に供給し、攪拌してポリ塩化ビニル樹脂を脱イオン水中に分散しながら、真空ポンプで反応槽内の空気を吸引し、−78.4kPaになるまで減圧し、窒素ガスを常圧になるまで供給した。次いで、再度真空ポンプで吸引し反応槽内の酸素を除去した。
加熱したオイルをジャケットに供給して加熱し、反応槽内を70℃まで昇温した。反応槽内の温度が70℃に達した時点から塩素ガスを供給し始め、110℃に設定して塩素化反応を進めた。反応槽内の発生塩化水素濃度を測定し、ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有率を計算し、塩素含有率が67.7重量%になった時点で塩素ガスの供給を停止した。
次いで、未反応の塩素ガスを除去し、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の重合度730の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を得た。この塩素化ポリ塩化ビニル樹の200℃、30分間加熱下での発生塩化水素量は、76ppmであった。
得られた塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を8重量%及びトリメリット酸トリイソデシル(SP値:8.4(cal/cm31/2)を2重量%を含むテトラヒドロフラン溶液を作製し、細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行ったのち、噴霧乾燥法により脱溶剤して異物を除去した粉末状の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物を得た。
得られた異物除去塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物を内径18mmのコア層に、ポリメタクリル酸メチルを厚み1mmのクラッド層となるように190℃に設定された2台の単軸押出機、及び2層金型を用いて成形して直径が20mmであり、コア層のトリメリット酸トリイソデシル配合比率が20重量%、換算重合度が530である光ファイバーのプリフォームを得た。
得られたプリフォームを、140℃に設定された円筒型加熱機に供給し、加熱延伸して直径0.6mmの光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーのコア部分を切り出して、実施例1と同様に評価した。
(実施例6)
実施例4で得られた塩素化ポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液G)を作製し、細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行った。
その後、トリフェニルホスフェート(SP値:8.6(cal/cm31/2)を溶液Gに溶解させながら、中心軸のまわりに回転する内径20mmの円筒状容器内にチューブポンプを用いて供給・乾燥を繰り返して、中心に直径1mmの空洞部を有する直径20mm、長さ450mmの屈折率分布を有する光ファイバーのプリフォームを得た。
なお、最初、溶液Gとトリフェニルホスフェートを90:1の割合で供給・乾燥し、次第に溶液Gの供給量を減少し、減少した分の1/10量だけトリフェニルホスフェートを添加して最終75:2.5の割合で供給・乾燥した。
周辺部から中心部に向かって、トリフェニルホスフェート配合比率は10から25重量%に、換算重合度は740から570に変化している。
得られたプリフォームを、110℃に設定された円筒型加熱機に供給し、中心空洞部を減圧しながら加熱延伸して直径0.6mmの屈折率分布を有する光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーを切り出して、実施例1と同様に評価した。
(実施例7)
攪拌装置及びリフラックスコンデンサーを備えた、50リットルのジャケット付きステンレススチール製重合器を脱気した後、リフラックスコンデンサーからスチームを吹き込んで重合器内を80℃に昇温し、50℃の脱イオン水25000g、3%溶液部分鹸化ポリビニルアルコール300g、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース150gを供給した。その後、反応槽内を水蒸気圧+0.01kPaまで脱気後、攪拌しながら、塩化ビニルモノマー15kgを供給した。次いで、t−ブチルパーオキシピバレート5gを重合器内に供給後、69℃に昇温して重合を行った。重合器内の温度が69℃に到達した時点でリフラックスコンデンサーの運転を開始し、重合器内の温度を69℃に維持した。
重合器内の圧力が0.9MPaに低下した時点で、ジャケットに水を流して重合器内を冷却しながら、未反応の塩化ビニルモノマーを除去した後、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の重合度690の塩化ビニル樹脂を得た。
得られたポリ塩化ビニル樹脂を、撹拌機を備えたジャケット付きグラスライニング製耐圧反応槽に、脱イオン水と共に供給し、攪拌してポリ塩化ビニル樹脂を脱イオン水中に分散しながら、真空ポンプで反応槽内の空気を吸引し、−78.4kPaになるまで減圧し、窒素ガスを常圧になるまで供給した。次いで、再度真空ポンプで吸引し反応槽内の酸素を除去した。
加熱したオイルをジャケットに供給して加熱し、反応槽内を70℃まで昇温した。反応槽内の温度が70℃に達した時点から塩素ガスを供給し始め、110℃に設定して塩素化反応を進めた。反応槽内の発生塩化水素濃度を測定し、ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有率を計算し、塩素含有率が63.8重量%になった時点で塩素ガスの供給を停止した。
次いで、未反応の塩素ガスを除去し、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の塩素含有率63.8%、重合度690の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を得た。
得られた塩素化ポリ塩化ビニル8.3重量%及びジフェニルスルホン1.7重量%を含むテトラヒドロフラン溶液を調製し、細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行ったのち、噴霧乾燥法により脱溶剤して異物を除去した粉末状の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物を得た。
得られた異物除去塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物を内径18mmのコア層に、ポリメタクリル酸メチルを厚み1mmのクラッド層となるように、それぞれ150℃及び190℃に設定された2台の単軸押出機、及び2層金型を用いて成形して直径が20mmであり、コア層のジフェニルスルホン配合比率が17重量%、換算重合度が530である光ファイバーのプリフォームを得た。
得られたプリフォームを、90℃に設定された円筒型加熱機に供給し、加熱延伸して直径0.6mmの光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーのコア部分を切り出して、実施例1と同様に評価した。
(実施例8)
ジャケット付きオートクレーブのジャケットに70℃の温水を通し、オートクレーブ内を真空ポンプで30分間減圧して、充分に脱水乾燥した後室温まで冷却した。冷却後、減圧下のオートクレーブに、脱水処理した塩化メチレン、t−ブチルリチウムの1.6mol%n−ペンタン溶液を、順次シリンジでゴム栓を通して注入し、さらに、モレキュラーシーブで充分に脱水した塩化ビニルモノマーを注入し、20℃に調整して24時間重合した。
重合終了後、オートクレーブから未反応の塩化ビニルモノマーを排出した後、メタノールを供給して反応を失活させた。その後、重合器から取り出し、メタノールを除去してポリ塩化ビニル樹脂分を真空下で乾燥させた。乾燥したポリ塩化ビニル系樹脂をテトラヒドロフランに投入して溶解後、0.5μmのPTFTフィルターで濾別した。濾液を撹拌下のメタノール中に投入し、ポリ塩化ビニル系樹脂を析出させた後、メタノール中からポリ塩化ビニル系樹脂を濾別した。大量のメタノールで洗浄後、乾燥して粉末状のポリ塩化ビニル樹脂を得た。
得られたポリ塩化ビニル樹脂を、撹拌機を備えたジャケット付きグラスライニング製耐圧反応槽に、脱イオン水と共に供給し、攪拌してポリ塩化ビニル樹脂を脱イオン水中に分散しながら、真空ポンプで反応槽内の空気を吸引し、−78.4kPaになるまで減圧し、窒素ガスを常圧になるまで供給した。次いで、再度真空ポンプで吸引し、反応槽内の酸素を除去した。
加熱したオイルをジャケットに供給して加熱し、反応槽内を70℃まで昇温した。反応槽内の温度が70℃に達した時点から塩素ガスを供給し始め、110℃に設定して塩素化反応を進めた。反応槽内の発生塩化水素濃度を測定し、ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有率を計算し、塩素含有率が66.0重量%になった時点で塩素ガスの供給を停止した。
次いで、未反応の塩素ガスを除去し、得られた樹脂を脱イオン水で洗浄し、脱水・乾燥して粉末状の重合度670の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を得た。この塩素化ポリ塩化ビニル樹脂の200℃、30分間加熱下での発生塩化水素量は、128ppmであった。
得られた塩素化ポリ塩化ビニル樹脂8.5重量%及びトリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(SP値:8.9(cal/cm31/2)1.5重量%を含むテトラヒドロフラン溶液を作製し、細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行った。その後、噴霧乾燥法により脱溶剤して異物を除去した粉末状の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物を得た。
得られた異物除去塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物を内径18mmのコア層に、ポリメタクリル酸メチルが厚み1mmのクラッド層となるように190℃に設定された2台の単軸押出機及び2層金型を用いて成形し、直径が20mmであり、コア層のトリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル配合比率が15重量%、換算重合度が530である光ファイバーのプリフォームを得た。
得られたプリフォームを、140℃に設定された円筒型加熱機に供給し、加熱延伸して直径0.6mmの光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーのコア部分を切り出して、実施例1と同様に評価した。
(実施例9)
実施例4で得られた塩素化ポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液G)を作製し、細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行った。
その後、トリフェニルホスフェートおよび旭電化製ジペンタエリストールエステルUL−6(SP値:8.6(cal/cm31/2)を、溶液Gと(トリフェニルホスフェート量とUL−6量の和)が75:2.5になるように溶液Gに溶解させながら、中心軸のまわりに回転する内径20mmの円筒状容器内にチューブポンプを用いて供給・乾燥を繰り返し、直径20mm、長さ450mmの屈折率分布を有する光ファイバーのプリフォームを得た。
なお、配合時のトリフェニルホスフェートとUL−6の割合は、最初、UL−6を100の割合で供給・乾燥し、次第にUL−6量を減少し、減少した分だけトリフェニルホスフェートを添加して最終トリフェニルホスフェートを100の割合で供給・乾燥した。周辺部から中心部に向かってUL−6は徐々に減少し、逆にトリフェニルホスフェートが増加する組成分布を有するプリフォームが得られた。
得られたプリフォームを、110℃に設定された円筒型加熱機に供給し、中心空洞部を減圧しながら加熱延伸して直径0.6mmの屈折率分布を有する光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーを切り出して、実施例1と同様に評価した。
(比較例1)
実施例2で得られた塩素含有率56.8%、重合度640のポリ塩化ビニルの樹脂濃度10重量%テトラヒドロフラン溶液(溶液E)を作製し、細孔径0.05μmのアルミナセラミックス製フィルターで濾過を行った。
その後、中心軸のまわりに回転する内径20mmの円筒状容器内にチューブポンプを用いて溶液Eを供給・乾燥を繰り返して、中心に直径1mmの空洞部を有する直径20mm、長さ450mmの光ファイバーのプリフォームを得た。
得られたプリフォームを、130℃に設定された円筒型加熱機に供給し、中心空洞部を減圧しながら加熱延伸して直径0.6mmの光ファイバーを得た。
得られた光ファイバーを切り出して、実施例1と同様に評価した。
(比較例2)
実施例5で得られた塩素化ポリ塩化ビニル樹脂7重量%及びトリメリット酸トリイソデシル2.5〜3重量%を含むテトラヒドロフラン溶液を複数調製し、実施例5と同様にして光ファイバーを作製したところ、コア層のトリメリット酸トリイソデシル配合比率(重量%)が、26から30と増加するにしたがって徐々に可塑変形が起こりやすくなった。
(比較例3)
実施例7で得られた塩素化ポリ塩化ビニル7重量%及びジフェニルスルホン2.5〜3重量%を含むテトラヒドロフラン溶液を複数調製し、実施例7と同様にして光ファイバーを作製したところ、コア層のジフェニルスルホン配合比率(重量%)が、26から30と増加するにしたがって徐々に可塑変形が起こりやすくなった。
本発明は、塩化ビニル系樹脂を使用することを期待するあらゆる分野において利用することができる。特に、高い透明性を有する分野において有用であり、例えば、光学系、具体的には、光ファイバー、光ファイバーのプリフォーム、ロッドレンズ等の各種レンズ、光導波路等に各種光デバイスの構成要素として有用である。

Claims (3)

  1. 塩素含有率が62%以上73%以下であるポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂組成物にジフェニルスルホン及びその誘導体から選択される化合物が配合されてなり、
    該ジフェニルスルホン及びその誘導体から選択される化合物が25重量%以下であり、かつ、ジフェニルスルホン誘導体が4,4'−ジクロロジフェニルスルホン及び3,3',4,4'−テトラクロロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1つである光伝送体。
  2. 200℃、30分間加熱下での発生塩化水素量が150ppm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる請求項1に記載の光伝送体。
  3. 屈折率分布を有する請求項1又は2に記載の光伝送体。
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