JP4588591B2 - 固定型等速自在継手及びその製造方法 - Google Patents

固定型等速自在継手及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4588591B2
JP4588591B2 JP2005263941A JP2005263941A JP4588591B2 JP 4588591 B2 JP4588591 B2 JP 4588591B2 JP 2005263941 A JP2005263941 A JP 2005263941A JP 2005263941 A JP2005263941 A JP 2005263941A JP 4588591 B2 JP4588591 B2 JP 4588591B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint
spherical
fixed
constant velocity
velocity universal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005263941A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007078023A (ja
Inventor
啓助 曽根
浩量 大場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2005263941A priority Critical patent/JP4588591B2/ja
Publication of JP2007078023A publication Critical patent/JP2007078023A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4588591B2 publication Critical patent/JP4588591B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)

Description

本発明は、固定型等速自在継手及びその製造方法に関し、詳しくは、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用されるもので、駆動側と従動側の二軸間で作動角度変位のみを許容する固定型等速自在継手及びその製造方法に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手には、固定型等速自在継手と摺動型等速自在継手の二種がある。これら両者の等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。
自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトでは、エンジンと車輪との相対的位置関係の変化による角度変位と軸方向変位に対応する必要があるため、エンジン側(インボード側)に摺動型等速自在継手を、駆動車輪側(アウトボード側)に固定型等速自在継手をそれぞれ装備し、両者の等速自在継手をシャフトで連結した構造を具備する。
一般的に、前述した固定型等速自在継手としては、ツェッパ型(以下、BJと称す)や作動角の大きなアンダーカットフリー型(以下、UJと称す)が広く知られている。また、摺動型等速自在継手としては、ダブルオフセット型(以下、DOJと称す)やレブロ型(以下、LJと称す)が広く知られている。
近年、自動車の乗車空間拡大の観点からホイールベースを長くすることがあるが、それに伴って車両回転半径が大きくならないようにするため、自動車のドライブシャフトの連結用継手として使用されている固定型等速自在継手の高角化による前輪の操舵角の増大が求められている。この要望に対して、二個のBJを組み合わせたものがある(例えば、特許文献1,2参照)。なお、二つの等速自在継手を組み合わせた構造例では、摺動型等速自在継手として、BJとDOJを組み合わせたものもある(例えば、特許文献3参照)。
特開平4−191523号公報 特開平1−210619号公報 特開平7−269585号公報
ところで、前述した特許文献に開示された等速自在継手では、二個のBJを組み合わせたり、あるいはBJとDOJを組み合わせたりすることにより、通常のUJ単体よりも大きな作動角をとることができるという利点がある。
しかしながら、特許文献1,2に開示された固定型等速自在継手のように二個のBJを組み合わせた構造では、二つのBJが作動角をとった時に、入出力軸であるBJのそれぞれの軸間での軸方向変位を吸収するための機構を二つのBJ間に配設しなければならない。このように二つのBJの作動角を制御する機構を外輪であるハウジングに支持した構造を有することから、全体の重量が大きくなると共に大型化し、また、構造も複雑となって部品点数の増加により製品のコストアップを招来する。
一方、特許文献3に開示された摺動型等速自在継手のようにBJとDOJを組み合わせた構造では、前述したように二つのBJを組み合わせた固定型等速自在継手のように二軸間の角度変位のみを許容する機能はなく、また、入出力軸の軸周りの回転自由度以外(例えば、軸方向、角度位置など)を固定しないと、入力軸に対する出力軸の位置が定まらない。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、二つの等速自在継手を組み合わせて、構造が簡単で高角化を実現容易にし得る軽量コンパクトな固定型等速自在継手及びその製造方法を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、円筒状外方部材を共通にしてその一端側に固定型継手部を配設すると共に他端側に摺動型継手部を配設し、その固定型継手部の内方部材あるいは摺動型継手部の内方部材のいずれか一方の対向端部に凸球面部を設けると共に他方の対向端部に凹球面部を設け、その凸球面部と凹球面部からなる球対偶を介して固定型継手部の内方部材と摺動型継手部の内方部材を連結し、固定型継手部と摺動型継手部の作動角を0°とした時、凸球面部と凹球面部からなる球対偶の球面中心から固定型継手部の継手中心までの距離L 1 と、球対偶の球面中心から摺動型継手部の継手中心までの距離L 2 とを、L 1 <L 2 の条件を満足するように設定したことを特徴とする。
ここで、前述の内方部材とは、外方部材としての外輪の内周側に配置された内輪だけではなく、その内輪の軸孔にスプライン嵌合で連結一体化されたシャフトを含む。また、前述の外方部材は、単一の部材で構成することが可能であるが、固定型継手部側と摺動型継手部側の二部材で分割構成し、両部材を同軸的に突き合わせて接合一体化した構成とすることも可能である。さらに、前述の球対偶は、切り欠き等による嵌め合い構造の凸球面部と凹球面部からなり、凸球面部と凹球面部の相対回転による位相合わせでもって両者の係合離脱を可能とした構造としてもよい。
本発明では、固定型継手部と摺動型継手部とで円筒状外方部材を共通にしたことにより、その外方部材内に固定型と摺動型の二つの継手部を組み合わせた構造を具備する。さらに、固定型継手部の内方部材あるいは摺動型継手部の内方部材のいずれか一方の対向端部に凸球面部を設けると共に他方の対向端部に凹球面部を設け、凸球面部と凹球面部からなる球対偶を介して固定型継手部の内方部材と摺動型継手部の内方部材を連結したことにより、凸球面部と凹球面部からなる球対偶は、固定型継手部の内方部材と摺動型継手部の内方部材とを連結し、固定型継手部と摺動型継手部で共通の一点を中心とした球面案内機構とすることで、この球面中心を作動角の中心とする固定型等速自在継手となる。
このように固定型継手部と摺動型継手部を共通の外方部材に組み込み、両者の固定型継手部と摺動型継手部を球対偶で連結した構造としたことにより、固定型継手部と摺動型継手部のそれぞれの作動角を加えた大きな作動角を実現することができ、固定型継手部と摺動型継手部間に凸球面部と凹球面部からなる球対偶が介在するのみであるため、構造が簡単で軽量コンパクトな固定型等速自在継手を提供できる。
前述した構成における固定型継手部は、外方部材と、球面状外周面に外方部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝を円周方向等間隔に軸方向に沿って形成した内方部材と、外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外方部材の球面状内周面と内方部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを備えた構造のものが適用可能である。この固定型継手部としては、BJやUJがある。
また、前述した構成における摺動型継手部は、外方部材と、球面状外周面に外方部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝を円周方向等間隔に軸方向に沿って形成した内方部材と、外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外方部材の円筒状内周面と内方部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを備え、ケージの球面状外周面の中心と球面状内周面の中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせた構造のものが適用可能である。この摺動型継手部としては、DOJやLJがある
通常、固定型継手部(例えばUJ)が摺動型継手部(例えばDOJ)よりも構造上大きな作動角をとることができる。このことから、前述したように球対偶の球面中心から固定型継手部の継手中心までの距離Lと、球対偶の球面中心から摺動型継手部の継手中心までの距離Lについて、L<Lの条件を満足するように設定すれば、固定型継手部に摺動型継手部よりも大きな作動角を分担させることになり、全体としての固定型等速自在継手において、より大きな作動角が得られる。
以上の構成からなる固定型等速自在継手は、次に述べる要領でもって組み立てることが可能である。
第一の手法としては、円筒状外方部材を共通にしてその一端側に固定型継手部を配設した上で、摺動型継手部の内方部材の固定型継手部と対向する端部に凸球面部と凹球面部からなる球対偶を設けてアッセンブリ体とし、そのアッセンブリ体を円筒状外方部材の他端側から挿入し、摺動型継手部の内方部材に設けられた球対偶を固定型継手部の内方部材に連結する。
第二の手法としては、円筒状外方部材を固定型継手部側と摺動型継手部側の二部材で分割構成し、一方の部材に固定型継手部を配設すると共に他方の部材に摺動型継手部を配設した上で、固定型継手部の内方部材あるいは摺動型継手部の内方部材のいずれか一方の対向端部に設けられ、位相に応じて係合離脱可能な構造の凸球面部と凹球面部からなる球対偶を連結した後、凸球面部と凹球面部が離脱不可な位相となるように外方部材の二部材を相対回転させた上で両部材を接合一体化する。
前述した第一の手法による組み立て方法では、外方部材が単一の部材で構成されている場合に好適であり、第二の手法による組み立て方法では、外方部材が二部材で分割構成されている場合に好適である。
本発明に係る固定型等速自在継手では、円筒状外方部材を共通にしてその一端側に固定型継手部を配設すると共に他端側に摺動型継手部を配設し、その固定型継手部の内方部材あるいは摺動型継手部の内方部材のいずれか一方の対向端部に凸球面部を設けると共に他方の対向端部に凹球面部を設け、その凸球面部と凹球面部からなる球対偶を介して固定型継手部の内方部材と摺動型継手部の内方部材を連結したことにより、固定型継手部と摺動型継手部のそれぞれの作動角を加えた大きな作動角を実現することができ、構造が簡単で軽量コンパクトな固定型等速自在継手を提供でき、例えば、近年における自動車のドライブシャフトに使用される固定型等速自在継手の高角化による前輪の操舵角の増大への要望に迅速に対応することができる。また、固定型継手部と摺動型継手部の作動角を0°とした時、凸球面部と凹球面部からなる球対偶の球面中心から固定型継手部の継手中心までの距離L 1 と、球対偶の球面中心から摺動型継手部の継手中心までの距離L 2 とを、L 1 <L 2 の条件を満足するように設定したことにより、固定型継手部に摺動型継手部よりも大きな作動角を分担させることになり、全体としての固定型等速自在継手において、より大きな作動角が得られる。
また、本発明に係る固定型等速自在継手の製造方法では、円筒状外方部材を共通にしてその一端側に固定型継手部を配設した上で、摺動型継手部および球対偶からなるアッセンブリ体を円筒状外方部材の他端側から挿入し、摺動型継手部側に設けられた球対偶を固定型継手部の内方部材に連結する手法や、分割構成の円筒状外方部材のうちの一方の部材に固定型継手部を配設すると共に他方の部材に摺動型継手部を配設した上で、位相に応じて係合離脱可能な構造の凸球面部と凹球面部からなる球対偶を連結した後、凸球面部と凹球面部が離脱不可な位相となるように外方部材の二部材を相対回転させた上で両部材を接合一体化する手法を採用したことにより、前述した構成、つまり、固定型継手部、摺動型継手部および球対偶からなる固定型等速自在継手を容易に組み立てることができる。
本発明に係る固定型等速自在継手の実施形態を以下に詳述する。図1に示す実施形態の固定型等速自在継手は、固定型継手部としてUJ、摺動型継手部としてDOJをそれぞれ適用して組み合わせた構造を例示する。なお、固定型継手部としてはBJ、摺動型継手部としてはLJを適用して組み合わせることも可能である。
この実施形態の固定型等速自在継手は、円筒状外方部材である単一の外輪30を共通にしてその一端側(図示左側)に固定型継手部としてのUJ10を配設すると共に他端側(図示右側)に摺動型継手部としてのDOJ20を配設し、そのUJ10の内方部材であるシャフト11の端部に凸球面部15を設けると共にDOJ20の内方部材である内輪22の端部に凹球面部25を設け、その凸球面部15と凹球面部25からなる球対偶40を介してUJ10のシャフト11とDOJ20の内輪22を連結した構造を具備する。
この固定型等速自在継手に組み込まれたUJ10は、内球面に複数のトラック溝31が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外輪30をDOJ20と共通にし、外球面に外輪30のトラック溝31と対をなす複数のトラック溝16が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内方部材である内輪12と、外輪30のトラック溝31と内輪12のトラック溝16間に介在してトルクを伝達する複数のボール14と、外輪30の内球面と内輪12の外球面との間に介在して各ボール14を保持するケージ13とを備えている。複数のボール14は、ケージ13に形成されたポケット17に収容されて円周方向等間隔に配置されている。
前述の内輪12の軸孔18には、駆動側あるいは従動側のシャフト11がスプライン嵌合により結合されており、それらシャフト11と外輪30との間で作動角度変位を許容しながらトルク伝達が可能な構造となっている。なお、この内輪12とシャフト11で内方部材を構成する。このUJ10では、外輪30のトラック溝31の曲率中心O11と内輪12のトラック溝16の曲率中心O12とを、継手中心O10に対して等距離fだけ軸方向に逆向きにオフセットしており、シャフト11と外輪30とが角度変位すると、ケージ13のポケット17に収容されたボール14は常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。
また、外輪30のトラック溝31は、曲率中心O11を持つ円弧部分と、その曲率中心O11から径方向に延びる線分がトラック溝31の底部と交わる部位を境として軸方向と平行なストレート部分とで構成されている。同様に、内輪12のトラック溝16は、曲率中心O12を持つ円弧部分と、その曲率中心O12から径方向に延びる線分がトラック溝16の底部と交わる部位を境として軸方向と平行なストレート部分とで構成されている。
一方、この固定型等速自在継手に組み込まれたDOJ20は、円筒状内周面に軸線に平行な複数の直線状トラック溝32が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外輪30を前述のUJ10と共通にし、外球面に外輪30のトラック溝32と対をなす軸線に平行な複数の直線状トラック溝26が円周方向等間隔に軸線に沿って形成された内方部材である内輪22と、外輪30のトラック溝32と内輪22のトラック溝26間に介在してトルクを伝達する複数のボール24と、外輪30の内周面と内輪22の外周面との間に介在して各ボール24を保持するケージ23とを備えている。複数のボール24は、ケージ23に形成されたポケット27に収容されて円周方向等間隔に配置されている。
前述の内輪22の軸孔28には、従動側あるいは駆動側のシャフト21がスプライン嵌合により結合されており、それらシャフト21と外輪30との間で作動角度変位を許容しながらトルク伝達が可能な構造となっている。なお、この内輪22とシャフト21で内方部材を構成する。このDOJ20では、ケージ23の内球面の曲率中心O21と、外球面の曲率中心O22とは、継手中心O20に対して等距離Fだけ軸方向にオフセットされている。このケージオフセットにより、シャフト21と外輪30とが角度変位すると、ケージ23のポケット27に収容されたボール24は常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。
これらUJ10とDOJ20を組み込んだ固定型等速自在継手では、凸球面部15から一体的に延びる軸部15aをUJ10のシャフト11の軸端に形成された孔11aに圧入することにより凸球面部15をUJ10に取り付けている。一方、DOJ20の内輪22を軸方向UJ側に延在させた端部22aの内径に、前述した凸球面部15を受ける凹球面部25を形成している。この凸球面部15と凹球面部25からなる球対偶40を、UJ10のシャフト11とDOJ20のシャフト21で共通の一点を中心Oとして球面案内機構とすることにより、この球面中心Oを作動角の中心とする固定型等速自在継手となる。このようにUJ10とDOJ20を共通の外輪30に組み込み、両者のUJ10とDOJ20を球対偶40で連結した構造としたことにより、UJ10とDOJ20のそれぞれの作動角を加えた大きな作動角を実現することができ、構造が簡単で軽量コンパクトな固定型等速自在継手を提供できる。
つまり、この固定型等速自在継手の作動角αは、UJ10の作動角αとDOJの作動角αの合計となり、図1に示すようにUJ10の作動角αが0°での球対偶40の球面中心OからUJ10の継手中心O10までの距離Lと、DOJ20の作動角αが0°での球対偶40の球面中心OからDOJ20の継手中心O20までの距離Lとの関係によって決定される。
図2はUJ10のシャフト11とDOJ20のシャフト21が最大作動角をとった状態を示す。なお、UJ10のシャフト11の端部には、最大作動角をとった時にDOJ20の内輪22の端部22aが干渉しないように凹部11bが設けられている。
図3は、固定型等速自在継手の作動角α、UJ10の作動角α、DOJ20の作動角α、およびUJ10の作動角αが0°での球対偶40の球面中心OからUJ10の継手中心O10までの距離Lと、DOJ20の作動角αが0°での球対偶40の球面中心OからDOJ20の継手中心O20までの距離Lとの関係を説明するためのもので以下の関係式が得られる。なお、図3中、C10は、UJ10の軸中心、C20はDOJ20の軸中心、C30は外輪30の軸中心を示す。
α=α+α
・sinα=(L−F)・sinα+2F・sin(α/2)
通常、UJ10(限界作動角50°)がDOJ20(限界作動角30°)よりも構造上大きな作動角をとることができることから、前述したように球対偶40の球面中心OからUJ10の継手中心O10までの距離Lと、球対偶40の球面中心OからDOJ20の継手中心O20までの距離Lについて、L<Lの条件を満足するように設定すればよい。このように設定することにより、UJ10にDOJ20よりも大きな作動角を分担させることになり(UJ10の作動角α>DOJ20の作動角α)、例えば、α=35°、α=25°とすることで、全体としての固定型等速自在継手において、より大きな作動角(α=60°)が得られる。
この固定型等速自在継手の作動角αは、前述したようにUJ10とDOJ20に分配されるため、それぞれの作動角α,αが限界作動角よりも小さくて済むため、ボールトラック端部に余裕ができ、また、荷重が各ボールトラックに均一に付与されることから強度の向上が図れる。また、UJ10およびDOJ20の各作動角α,αが作動角αよりも小さくて済むことから、UJ10およびDOJ20の構成部材間の相対変位が小さくなるため、耐久性の向上も図れる。これは、車両の常用角(直進状態での作動角)が大きい場合に特にその効果が顕著である。なお、ボール14,24が8個の場合には、6個ボールタイプに比べて内輪のシャフトスペースを広く確保することができるので、UJ10とDOJ20のシャフト11,21間に位置する球対偶40(凸球面部15および凹球面部25)を形成し易くなる。
以上の構成からなる実施形態の固定型等速自在継手は、次に述べる要領でもって組み立てることが可能である。
図4に示すように外輪30を共通にしてその一端側にUJ10を組み込む。このUJ10の組み込みは、通常のUJを組み立てる場合と同様で、ケージ13に内輪12を組み込み(ケージ13の軸線に対して内輪12を90°傾けた状態でケージ13に内輪12を挿入し、その後、内輪12を90°逆方向に傾けて正規の姿勢に配置する)、外輪30にケージ13を組み込む(外輪30の軸線に対してケージ13を90°傾けた状態で外輪30にケージ13を挿入し、その後、ケージ13を90°逆方向に傾けて正規の姿勢に配置する)。そして、ケージ13および内輪12を作動角以上に大きく傾けた状態で外輪30の開口端側にケージ13のポケット17を覗かせてボール14を組み込む。その後、UJ10の内輪12の軸孔18にシャフト11を挿入してスプライン嵌合させる。
一方、DOJ20については、DOJ20の内輪22、ケージ23およびボール24を組んだ状態で内輪22の軸孔28にシャフト21を挿入してスプライン嵌合させ、その内輪22のUJ10と対向する端部22aに凸球面部15と凹球面部25からなる球対偶40を設けてアッセンブリ体50とする。
そして、前述したようにして外輪30の一端側にUJ10を配設した状態でDOJ20のアッセンブリ体50を外輪30の他端側から挿入し、DOJ20のシャフト21に設けられた球対偶40をUJ10のシャフト11に連結する。このDOJ20に設けられた球対偶40のUJ10への連結は、球対偶40の凸球面部15の軸部15aをUJ10のシャフト11の軸孔11aに圧入し、クリップにて軸方向に固定することにより行われる。
以上の実施形態では、UJ10とDOJ20で共通した単一の外輪30を備えた場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、図5に示すような外輪30’を有する固定型等速自在継手であってもよい。
この実施形態の固定型等速自在継手における外輪30’は、UJ側とDOJ側の二部材30a’,30b’で分割構成し、両部材30a’,30b’を同軸的に突き合わせて接合一体化した構造としたものである。二部材30a’,30b’の突合せ面には、円形凸部33と円形凹部34をそれぞれに形成し、これら円形凸部33と円形凹部34を嵌合させることにより、径方向の位置決めを可能としている。
UJ10とDOJ20を連結する球対偶40’は、UJ10のシャフト11’の端部から一体的に延びる凸球面部15’とDOJ20のシャフト21’の端部に形成された凹球面部25’とで構成される。DOJ20のシャフト21’の端部に設けられた凹球面部25’は、内輪22’のスプライン嵌合したシャフト部分よりも大径をなし、その大径端部22a’を内輪22’に係合させることにより軸方向に位置規制されている。
また、この球対偶40’では、図6に示すように凸球面部15’の外周面の円周方向等間隔に複数の切り欠き15b’を設けると共に、凹球面部25’の内周面の円周方向等間隔に前述の凸球面部15’の切り欠き15b’と対応させて複数の切り欠き25b’を設ける。この凸球面部15’の切り欠き15b’と凹球面部25’の切り欠き25b’を対応させて位相合わせした状態で、凹球面部25’に凸球面部15’を嵌め込んだ上で両者を相互に回転させることにより球対偶40’を形成することが可能である。
なお、この実施形態の外輪30’では、UJ10のトラック溝31’のストレート部分を軸方向に延長することによりDOJ20のトラック溝32’としているが、この構造は、前述した図1に示す実施形態においても適用可能である。
以上の構成からなる実施形態の固定型等速自在継手は、次に述べる要領でもって組み立てることが可能である。
図7に示すように外輪30’の一方の部材30a’にUJ10を配設すると共に他方の部材30b’にDOJ20を配設する。このUJ10の組み込みは、前述した実施形態と同様であるため、重複説明は省略する。また、DOJ20の組み込みは、DOJ20の内輪22、ケージ23およびボール24を組んだ状態で外輪30’の他方の部材30b’に挿入配置すればよい。
その上で、UJ10のシャフト11’に設けられた凸球面部15’とDOJ20のシャフト21’に設けられた凹球面部25’を相互の切り欠き15b’,25b’を対応させて位相合わせした状態で、凹球面部25’に凸球面部15’を嵌め込んだ上で両者を軸周りに相対回転させることにより球対偶40’で連結する。この時、外輪30’の一方の部材30a’と他方の部材30b’も円形凸部33と円形凹部34による凹凸嵌合状態で相対回転することになる。このようにしてUJ10とDOJ20が球対偶40’で連結された状態で外輪30’の二部材30a’,30b’の突合せ部分を溶接(図5のAは溶接部分を示す)などの手段により接合することで一体化する。
本発明に係る固定型等速自在継手の実施形態を示す断面図である。 図1の固定型等速自在継手が作動角をとった状態を示す断面図である。 図2におけるUJとDOJの作動角およびUJとDOJの継手中心から球対偶中心までの距離の関係を説明するための図である。 図1の固定型等速自在継手の組み立て要領を説明するための断面図である。 本発明の他の実施形態を示す断面図である。 図5の球対偶の組み立て要領を説明するための断面図である。 図5の固定型等速自在継手の組み立て要領を説明するための断面図である。
符号の説明
10 固定型継手部(UJ)
11 固定型継手部の内方部材(シャフト)
12 固定型継手部の内方部材(内輪)
13 ケージ
14 ボール
15,15’ 凸球面部
16 トラック溝
20 摺動型継手部(DOJ)
21 摺動型継手部の内方部材(シャフト)
22 摺動型継手部の内方部材(内輪)
23 ケージ
24 ボール
25,25’ 凹球面部
30 外方部材(外輪)
30’ 外方部材(外輪)
30a’,30b’ 二部材
31,32 トラック溝
40,40’ 球対偶
50 アッセンブリ体
O 球対偶の球面中心

Claims (7)

  1. 円筒状外方部材を共通にしてその一端側に固定型継手部を配設すると共に他端側に摺動型継手部を配設し、前記固定型継手部の内方部材あるいは前記摺動型継手部の内方部材のいずれか一方の対向端部に凸球面部を設けると共に他方の対向端部に凹球面部を設け、前記凸球面部と凹球面部からなる球対偶を介して前記固定型継手部の内方部材と摺動型継手部の内方部材を連結し、前記固定型継手部と摺動型継手部の作動角を0°とした時、前記凸球面部と凹球面部からなる球対偶の球面中心から固定型継手部の継手中心までの距離L 1 と、前記球対偶の球面中心から摺動型継手部の継手中心までの距離L 2 とを、L 1 <L 2 の条件を満足するように設定したことを特徴とする固定型等速自在継手。
  2. 前記固定型継手部は、前記外方部材と、球面状外周面に外方部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝を円周方向等間隔に軸方向に沿って形成した内方部材と、前記外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外方部材の球面状内周面と内方部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを備えた請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  3. 前記摺動型継手部は、前記外方部材と、球面状外周面に外方部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝を円周方向等間隔に軸方向に沿って形成した内方部材と、前記外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外方部材の円筒状内周面と内方部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを備え、前記ケージの球面状外周面の中心と球面状内周面の中心を、継手中心を挟んで等距離だけ軸方向にオフセットさせた請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  4. 前記外方部材は、固定型継手部側と摺動型継手部側の二部材で分割構成し、両部材を同軸的に突き合わせて接合一体化した請求項1〜のいずれか一項に記載の固定型等速自在継手。
  5. 前記球対偶は、嵌め合い構造の凸球面部と凹球面部からなり、前記凸球面部と凹球面部の相対回転による位相合わせでもって両者の係合離脱を可能とした請求項1〜のいずれか一項に記載の固定型等速自在継手。
  6. 円筒状外方部材を共通にしてその一端側に固定型継手部を配設した上で、摺動型継手部の内方部材の前記固定型継手部と対向する端部に凸球面部と凹球面部からなる球対偶を設けてアッセンブリ体とし、そのアッセンブリ体を前記円筒状外方部材の他端側から挿入し、前記摺動型継手部の内方部材に設けられた球対偶を固定型継手部の内方部材に連結することを特徴とする固定型等速自在継手の製造方法。
  7. 円筒状外方部材を固定型継手部側と摺動型継手部側の二部材で分割構成し、一方の部材に前記固定型継手部を配設すると共に他方の部材に前記摺動型継手部を配設した上で、前記固定型継手部の内方部材あるいは前記摺動型継手部の内方部材のいずれか一方の対向端部に設けられ、位相に応じて係合離脱可能な構造の凸球面部と凹球面部からなる球対偶を連結した後、前記凸球面部と凹球面部が離脱不可な位相となるように外方部材の二部材を相対回転させた上で両部材を接合一体化することを特徴とする固定型等速自在継手の製造方法。
JP2005263941A 2005-09-12 2005-09-12 固定型等速自在継手及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4588591B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005263941A JP4588591B2 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 固定型等速自在継手及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005263941A JP4588591B2 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 固定型等速自在継手及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007078023A JP2007078023A (ja) 2007-03-29
JP4588591B2 true JP4588591B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=37938566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005263941A Expired - Fee Related JP4588591B2 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 固定型等速自在継手及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4588591B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4943048A (ja) * 1972-06-01 1974-04-23
JPS52133453A (en) * 1976-05-01 1977-11-08 Ntn Toyo Bearing Co Ltd Bearing system
JPH01210619A (ja) * 1988-02-17 1989-08-24 Matsui Seisakusho:Kk 自在継手
JPH04191523A (ja) * 1990-11-26 1992-07-09 Matsui Seisakusho:Kk 等速自在継手
JPH07269585A (ja) * 1994-03-31 1995-10-17 Ntn Corp ダブルドラム形等速自在継手

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4943048A (ja) * 1972-06-01 1974-04-23
JPS52133453A (en) * 1976-05-01 1977-11-08 Ntn Toyo Bearing Co Ltd Bearing system
JPH01210619A (ja) * 1988-02-17 1989-08-24 Matsui Seisakusho:Kk 自在継手
JPH04191523A (ja) * 1990-11-26 1992-07-09 Matsui Seisakusho:Kk 等速自在継手
JPH07269585A (ja) * 1994-03-31 1995-10-17 Ntn Corp ダブルドラム形等速自在継手

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007078023A (ja) 2007-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5634777B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP5912419B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP5073190B2 (ja) 摺動式等速自在継手
WO2012165096A1 (ja) 固定式等速自在継手
JP2012017809A5 (ja)
WO2013069434A1 (ja) 固定式等速自在継手
JP2007100797A (ja) 摺動式等速自在継手
JP4579112B2 (ja) 摺動型等速自在継手及びその製造方法
WO2015068536A1 (ja) 固定式等速自在継手
JP5885997B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP2008256180A (ja) 固定式等速自在継手及びその組立方法
JP4588591B2 (ja) 固定型等速自在継手及びその製造方法
US20080064509A1 (en) Fixed Type Constant Velocity Universal Joint
JP2008196591A (ja) 固定式等速自在継手及びその製造方法
WO2017141731A1 (ja) 固定式等速自在継手
JP2010127311A (ja) 固定式等速自在継手およびこれを用いた車輪軸受装置
JP5885998B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP2008019961A (ja) 固定式等速自在継手
JP5143453B2 (ja) 等速自在継手
JP2009121667A (ja) 摺動式等速自在継手
JP2010249295A (ja) 固定式等速自在継手およびその製造方法
JP2011069404A (ja) 固定式等速自在継手
JP2010025207A (ja) 等速自在継手
JP2008175362A (ja) 固定型等速自在継手
JP4637723B2 (ja) 摺動式等速自在継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080805

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100826

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees