JP4560860B2 - 積層型圧電体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層型圧電体の製造方法に関する。特に、積層型圧電体の信頼性と経済性とを高めた積層型圧電体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、薄型の圧電アクチュエータとして、積層型圧電体が多用されている。この積層型圧電体は、一般に、板状の圧電セラミックス層と電圧を印加するための膜状の内部電極層とが交互に複数積層され、この内部電極層の端面の所定位置に外部電極が設けられた構造を有する。
【0003】
前記積層型圧電体が小型であったり、形状が複雑な場合には、積層型圧電体の側面に内部電極層の端面が露出した部分が存在することがある。この状態で内部電極層に電圧を印加し積層型圧電体を駆動させると、内部電極層を構成する金属等がイオン化し電極間を電界に応じて移動する、いわゆるマイグレーション現象が誘起される。なお、内部電極層としては、コスト等の制約により、一般に、銀を主成分とした合金、例えば、銀(Ag)−パラジウム(Pd)合金等が採用されている。しかしながら、Agを含む合金からなる内部電極層においては、マイグレーションが生じ易く、マイグレーションが進展すると、やがて、互いに対向する内部電極層の間にAg等からなる金属の架橋が形成される。その結果、金属の架橋により、対向する内部電極層の間で電気的ショートが生じる場合があり、信頼性が損なわれるおそれがある。
【0004】
このようなマイグレーションは、特に、高温高湿度、高電界下で促進される。
そこで、以下の方策により、前記積層型圧電体の耐湿性向上が図られてきた。
(1)前記積層型圧電体の外面を、樹脂フィルムまたはガラス層からなる絶縁体で被覆する方法。
【0005】
(2)前記積層型圧電体の外面を、シリカ(SiO2 )からなる絶縁体でコーティングする方法。
例えば、特開昭61−15382号公報では、内部電極層の露出部に、シリカからなる絶縁膜を減圧CVD法により均一に形成し、内部電極層の露出部をシリカ膜でコーティングする技術が開示されている。
【0006】
(3)前記積層型圧電体の内部電極層が側面に露出した部分のみに、無機材料、または高分子材料からなる絶縁体を選択的に固着させ被覆させる方法。
例えば、特開平7−176802号公報では、電気泳動法により、圧電セラミックス等の無機物、またはポリイミド等の高分子の絶縁体からなる粒子を、前記積層型圧電体の内部電極層が露出した部分のみに選択的に固着させ被覆させる技術が開示されている。
【0007】
(4)前記積層型圧電体に孔部が設けられた構造を有するものにおいて、その孔部に充填材を充填し、その内面に内部電極層の端面が露出している部分を被覆した構造。
例えば、特開平10−136665号公報では、前記積層型圧電体に孔部が設けられた構造を有するものにおいて、その孔部にシリコーン樹脂やウレタン樹脂等の柔軟性充填材が充填された構造が開示されており、孔部の内部電極層の端面が露出している部分が被覆されることによって耐湿性を向上させる効果も付与されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記(1)の方策によれば、前記積層型圧電体の外面を樹脂フィルムでコーティングした場合、耐湿性付与の効果が小さく信頼性の点で問題が残る。また、前記積層型圧電体の外面をガラス層で被覆した場合、耐湿性は向上するが、ガラス層の弾性率と前記圧電セラミックスの弾性率との差が許容範囲を越える場合があり、前記積層型圧電体を駆動させた際に、ガラス層が圧電セラミックスの変位を阻害するおそれがある。
【0009】
前記(2)の方策によれば、耐湿性は向上するが、前記積層型圧電体を駆動させシリカ膜に引張応力が繰返し作用した場合に、シリカ膜にクラックが発生し易くなる。シリカ膜にクラックが発生すると内部電極層の端面が再び露出して、信頼性が損なわれるという問題が内包される。
【0010】
また、前記シリカ膜を所定膜厚に形成させるには比較的長い処理時間を要するため、コストアップ要因となるという問題もある。
【0011】
前記(3)の方策によれば、耐湿性が向上し、さらに内部電極層が露出している部分のみに選択的に絶縁体が固着され被覆されるため、前記積層型圧電体を駆動させシリカ膜に引張応力が繰返し作用した場合にもクラックの発生は充分に抑止することが可能となる。したがって、信頼性を大きく向上させることができる。また、電気泳動法によれば、前記(2)の方策に比べ絶縁体の被覆時間も短かくなるため、コストアップをある程度低く抑えることが可能となる。
【0012】
前記(4)の方策によれば、孔部で内部電極層が露出している部分の耐湿性は向上するが、外面に内部電極層が露出している部分については、別途絶縁体からなるコーティング層等を設け外界から遮蔽することが必要となる。
【0013】
したがって、本発明は前記積層型圧電体の内部電極層の端面が露出している部分に均一なセラミックスコーティング層を形成し、信頼性に優れた積層型圧電体を用途に対応させてコストを抑えて製造する方法を提供することを目的とする。
なお、「セラミックスコーティング層」とは局所的または比較的広い面積を被覆するセラミックスからなる膜のことをいう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、圧電セラミックス層と内部電極層とを交互に複数積層させ、その内部電極層の端面が側面等に露出した構造を有する積層型圧電体の製造方法において、その内部電極層が露出している部分にセラミックスをコーティングし、しかも、要求特性に適合する方法でセラミックスをコーティングすることにより、前記目的を達成できることを見出し、本発明を創作するに至った。
【0015】
(1)本発明の積層型圧電体の製造方法の態様は、圧電セラミックス層からなるグリーンシートと前記内部電極層とを交互に複数積層させて所定形状のグリーンシート積層体を形成し、前記グリーンシート積層体に脱バインダ処理と、予備焼成とを施し、その外面を前記圧電セラミックス層と同一の化学量論的組成比を有するセラミックスでコーティングし、脱バインダ処理と、焼成と、を施して前記内部電極層の端面が露出している部分にセラミックスコーティング層を形成する構成とした。
【0017】
)なお、本発明態様において、前記グリーンシートと内部電極層とを交互に複数積層したものを所定形状に形成する形状加工を、前記セラミックスをコーティングする前であれば、前記脱バインダ処理と予備焼成とを施す前に行っても、または、その後に行っても、いずれの工程手順で行ってもよい。
【0018】
)また、本発明態様において、前記予備焼成の温度が、800℃以上、かつ、前記焼成の温度以下であることが好ましい。
【0019】
)また、本発明態様において、前記セラミックコーティング層の厚みが、5〜10μmであることがさらに好ましい。
【0020】
)本発明態様において、前記セラミックスをコーティングする方法が、ディップコート法、または、スピンコート法であることが好ましい。
【0021】
)本発明態様においては、前記セラミックスをコーティングする方法が、電気泳動法であってもよい。この場合には、前記所定形状のグリーンシート積層体に内部電極層が露出している部分のみに前記セラミックスがコーティングされる。
【0022】
)本発明態様において、前記積層型圧電体を圧電アクチュエータに適用すると都合がよい。
【0023】
)本発明態様においては、前記セラミックス積層体の外面をセラミックスでコーティングした後に行う脱バインダ処理を適宜省略してもよい。
【0024】
)本発明態様において、前記内部電極層を、Agを含む合金で構成すると前記圧電アクチュエータの要求特性とコストとを調和させて満足させることができ都合がよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1(a)、(b)、(c)を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施の形態に係る積層型圧電体1の構成を示す斜視図であり、図1(b)は(a)のA−A線断面図であり、図1(c)は(a)のB−B線断面図である。図1(a)、(b)、(c)に示すように、本実施の形態に係る積層型圧電体1は、圧電セラミックス層2と、内部電極層3と、セラミックスコーティング層4とを含んでなり、側面で内部電極層3が露出した部分にセラミックスコーティング層4を設けた構造となっている。
【0026】
[セラミックスコーティング層]
セラミックスコーティング層4は、積層型圧電体1の内部電極層3の端面が露出している部分を外界と遮断し充分な耐湿性を付与するものである。このようなセラミックスコーティング層4の必要条件として以下の事項が挙げられる。
(A)積層型圧電体1の駆動時に、その圧電体の伸びを阻害することを防ぐために、セラミックスコーティング層4の弾性率が、積層型圧電体1を構成する圧電セラミックス層2の弾性率と同程度以上、若しくは同一であること。
(B)吸湿性、透過性(液体、気体)が充分に低いこと。
(C)積層型圧電体1に充分な密着性を保持してコーティングできること。
(D)均質で、かつ、欠陥が比較的少ないセラミックスコーティング層4を形成できること。
このような条件を備えたセラミックスコーティング層4に適用されるセラミックスとしては、例えば、以下のようなセラミックスが挙げられる。
【0027】
圧電セラミッスス層2が、例えば、PZT{Pb(Zr,Ti)O3 }系セラミックスからなる場合には、セラミックスコーティング層4を、そのPZT系セラミックスの主要構成元素である鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、酸素(O)を含む圧電セラミックスとするのが好ましい。このようにすればセラミックスコーティング層4の弾性率と圧電セラミックス層2の弾性率とを略同一にすることができ、積層型圧電体1の駆動時にその変位を阻害することを防いだセラミックスコーティング層4を形成することが可能となる。
【0028】
また、必要に応じて本発明の目的・効果が損なわれない範囲で、前記PZT系セラミックスの主要構成元素であるPb、Zr、Ti、O以外に、従来公知の各種添加元素を添加することができる。例えば、ストロンチウム(Sr)、コバルト(Co)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、タンタル(Ta)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)等を適宜添加し、前記PZT系セラミックスの構成元素の一部を置換してもよい。また、前記圧電セラミックス層2が前記PZT系セラミックス以外の場合、例えば、チタン酸バリウム系セラミックスや、チタン酸鉛系セラミックスからなる場合にも、前記PZT系セラミックスの場合の対処法に準じて調整されたセラミックスコーティング層4を形成することが好ましい。
【0029】
さらに、セラミックスコーティング層4を圧電セラミックス層2と同一の化学量論的組成比で構成することにより、セラミックスコーティング層4の弾性率と圧電セラミックス層2の弾性率とが同一となり、積層型圧電体1の駆動時に、その変位を阻害することを抑制することが可能である。したがって、セラミックスコーティング層4を圧電セラミックス層2と同一の化学量論的組成比で構成することがさらに好ましい。
【0030】
このようなセラミックスコーティング層4の厚みは、5〜10μmであることが好ましい。その厚みが5μm未満であると、厚みの均一度が低下しピンホール等の欠陥や下地の露出が生じ易くなり、局部的に内部電極層3の端面が露出する危険性がある。その結果、内部電極層3を構成するAg等のマイグレーションの防止が不充分となるため好ましくない。また、その厚みが10μmを越えると、積層型圧電体1の変位を阻害する作用が過大となるため好ましくない。また、セラミックスコーティング層4の内部応力が増大するため、積層型圧電体1の繰返し引張応力によってクラックが発生する危険性が高まる可能性もある。
【0031】
〔予備焼成の温度〕
積層型圧電体1の予備焼成は、前記グリーンシート積層体を、以後の工程のハンドリングに支障をきたさないような充分な強度に形成し、また圧電セラミックス層2と異なる材質のセラミックスでコーティングする場合には、セラミックスコーティング層4と圧電セラミックス層2との化学反応を抑制するために行われるものである。本実施の形態においては、この予備焼成の温度は、圧電セラミックス層2の強度を一定以上に確保する観点から、800℃以上とすることが好ましい。また、前記グリーンシート積層体の予備焼成の温度は信頼性の点から、焼成の温度以下、例えば、前記PZT系圧電セラミックスの場合には1100℃以下とすることが好ましい。前記PZT系圧電セラミックスの場合には、後記するように信頼性試験の結果を踏まえ、予備焼成の温度を950〜1050℃とするのがさらに好ましい。
【0032】
また、この予備焼成はPb等の比較的低沸点の元素の蒸発を防止し、圧電セラミックスの化学量論的組成比を維持するため密閉雰囲気で行うことが好ましい。
【0033】
なお、前記したグリーンシート積層体が、その後の工程に対して支障をきたさないような充分な強度を備えている場合、または、圧電セラミックス層2と異なる材質のセラミックスでコーティングする際にセラミックスコーティング層4と圧電セラミックス層2との化学反応が起こらない場合には、脱バインダおよび予備焼成の工程は省略してもよい。予備焼成を省略する場合には、そのまま直接、加工を施すことができる。
【0034】
〔焼成の温度〕
また、積層型圧電体1の焼成は、圧電セラミックス層2とセラミックスコーティング層4とを充分な温度で充分な時間焼成し、所望の圧電特性およびセラミックスの構造特性を得るべく行われる。例えば、圧電セラミックス層2が前記PZT系セラミックスからなる場合の焼成の温度としては、900〜1200℃であることが好ましい。また、信頼性試験の結果を踏まえ、焼成の温度を950〜1100℃とするのがさらに好ましい。この焼成の温度は、圧電セラミックス層2やセラミックスコーティング層4の種類、および両者の組み合わせに応じて適切に設定される。
【0035】
[セラミックスコーティング層の形成方法]
積層型圧電体1のセラミックスコーティング層4の形成は、積層型圧電体1の内部電極層3の端面が露出している部分にセラミックスをコーティングすることにより、内部電極層3の端面を外界から遮断して内部電極層3の構成金属のイオン化を防ぎ、そのマイグレーションを抑止するために行われるものである。そこで、セラミックスコーティング層4を均質に、なおかつ欠陥を可及的に抑えて形成することが必要となる。さらに、経済性の観点から、生産性よく形成することも要求される。このようなセラミックスコーティング層4の形成方法の必要条件として以下の事項が挙げられる。
【0036】
(A)均質に、かつ、欠陥をより少なく形成できること。
(B)比較的短時間で所定の厚みに形成できること。
(C)層の厚みを精度よく形成できること。
以上の必要条件を備えたコーティング方法として、以下の方法が挙げられる。
【0037】
(1)ディップコート法
所定のセラミックスの粒子を溶媒および樹脂中に分散させた分散液中に、グリーンシート積層体、または前記予備焼成を行ったグリーンシート積層体(以下、予備焼成積層体という)を一定時間浸漬させ、セラミックスをコーティングする。その後、このグリーンシート積層体または予備焼成積層体に脱バインダ処理を施し、所定の厚みにセラミックスコーティング層4を形成する。脱バインダ処理法としては、例えば、前記セラミックスの粒子がPZT系圧電セラミックスを樹脂(アクリル系、ポリビニルアルコール系等)に分散させたものからなる場合には、大気中、350〜700℃の温度で加熱して行われる。この方法によれば、セラミックスコーティング層4を比較的簡便に短時間で形成できるため、大量生産に好適である。
【0038】
(2)スピンコート法
所定のセラミックスの粒子を溶媒および樹脂中に分散させた分散液を、回転ステージ上に固定された前記グリーンシート積層体または予備焼成積層体上に所定量滴下し、所定の回転速度で、一定時間回転させ、セラミックスをコーティングする。その後、このグリーンシート積層体または予備焼成積層体に脱バインダ処理を施し、所定の厚みにセラミックスコーティング層4を形成する。脱バインダ処理法は前記(1)の場合に準ずる。この方法によれば、ディップコート法に比べ均一に、かつ、精度よくセラミックスをコーティングできるため、セラミックスコーティング層4の厚みをより精度よく形成したい場合に好適である。
【0039】
(3)電気泳動法
所定のセラミックスの粒子を分散させた溶液中に前記予備焼成積層体と、参照電極とを浸漬する。そして、この予備焼成積層体の内部電極層3の露出部分の一部に設けられた外部電極(図示せず)、または仮外部電極(図示せず)と、参照電極(図示せず)との間に所定の電圧を印加する。このようにして内部電極層3と外部電極、または仮外部電極との間に電圧を印加することにより、前記溶液中に分散しているセラミックス粒子を電界に沿って内部電極層3の露出部分に移動させ、セラミックスをコーティングする。その後、この予備焼成積層体を焼成し、所定の厚みにセラミックスコーティング層4を形成する。この方法は、内部電極層3が露出した部分のみに選択的にセラミックスコーティング層4を形成でき、かつ、厚みの制御も高精度に行える方法であり、特に高い信頼性を得たい場合に好適である。
【0040】
また、セラミックスコーティング層4は、前記(1)〜(3)の、いわゆる「湿式」による膜形成法以外にも、多少時間を要するが、気相中で行う、いわゆる「乾式」による膜形成法を用いることも可能である。
【0041】
以上説明したセラミックスコーティング層4の形成方法は、必要に応じて適宜使い分けることが可能であるが、信頼性と経済性とを可及的に好ましい調和点で満足させた積層型圧電体1を製造するには、前記ディップコート法を用いることで、本発明の目的を充分に達成することができる。
【0042】
〔内部電極層〕
積層型圧電体1に用いられる内部電極層3は、圧電セラミックスからなるグリーンシート上に膜状の所定のパターン形状に形成されるものである。そして、この内部電極層3は、そのグリーンシートを積層することにより圧電セラミックス層2と内部電極層3とが交互に複数積層して圧電セラミックス層2に電界を作用させるための対向電極となる。この内部電極層3に電圧を印加することによって、圧電セラミックス層2に変位を発生させ積層型圧電体1を駆動させることができる。なお、この内部電極層3の形成方法は特に限定されず、圧電セラミックスの形成方法を考慮して、導電性ペーストの焼成や、スパッタリング法、真空蒸着法、無電解めっき法等の従来公知の各種膜形成法から適宜選択すればよい。
【0043】
また、内部電極層3を膜状の所定のパターン形状に形成する方法は特に限定されず、例えば、導電性ペーストを用いて形成する場合には、所定のパターン形状を有するスタンプやローラ、スクリーン、あるいはマスク等を用いてグリーンシート上に塗布して行う、いわゆる印刷法で行ってもよい。また、グリ−ンシートの表面にフォトレジスト膜を形成し、マスクを用いて露光処理を行うフォトリソグラフィ法により所定のパターンにフォトレジスト膜を形成し、その後、前記膜形成法により内部電極層3を所定の厚みで所定のパターンに形成してもよい。このような内部電極層3の必要条件として、以下の事項が挙げられる。
【0044】
(A)グリーンシート上の所定の位置に容易に形成できること。
(B)グリーンシート上に密着性良く形成できること。
(C)所定の温度で焼成した後にも電極としての機能を保持できること。
(D)所定の電極構造を保持したまま圧電セラミックス層2の変位に対応して変位できること。
前記(A)〜(D)の条件を満たし、かつ、経済性を加味し、これらを可及的に好ましい調和点で満足させる内部電極層3としては、通常、AgをベースとしこれにPdを適量加えたAg−Pd合金が用いられる。この内部電極層3は、例えば、ペースト状のAg−Pd合金をグリーンシート上に印刷して形成することができる。Ag−Pd合金の化学組成は、焼成温度によりAgとPdの含有比率を適宜決定する。また、必要に応じて、Ag−Pd合金に他の金属および酸化物の両者、あるいはいずれか一方を添加してもよい。なお、最も外側にある内部電極層3のさらに外側には、いわゆる蓋としての圧電セラミックス層2が設けられる。
【0045】
そして、内部電極層3は、前記脱バインダ処理と予備焼成とを施した後に、必要に応じてその端面を露出させる加工を施すこともできる。
【0046】
また、本発明に係る積層型圧電体1には、内部電極層3の端面の所定位置に接続される外部電極(図示せず)が設けられる。この外部電極の形成は、セラミックスコーティング層4が形成された後に行われてもよい。その際、この外部電極が設けられる位置の内部電極層3を被覆しているセラミックスコーティング層4は、従来公知の各種の切断法、研削法等を用いて、例えば、サンドブラスト処理法によって削られ、内部電極層3の端面を露出させることができる。
【0047】
なお、本発明に係る製造方法で作製された積層型圧電体1は、圧電セラミックス層2と内部電極層3との積層数や、大きさ(面積、厚み、幅等)に特に制限はなく、少なくとも2層からなる積層型圧電体1であれば適用できる。
【0048】
また、本発明に係る製造方法で作製された積層型圧電体1には、形状の制限は特になく、セラミックスコーティング層4が形成可能であれば適用できる。例えば、内部に孔部が設けられた形状の積層型圧電体にも適用可能である。
【0049】
【実施例】
以下に、本発明の積層型圧電体の製造方法の実施例を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限りにおいて適用可能である。
【0050】
[実施例1]
実施例1を図1〜図3および表1を参照して説明する。図1(a)は本実施例で作製した積層型圧電体1の斜視図であり、図1(b)は(a)のA−A線断面図であり、図1(c)は(a)のB−B線断面図である。また、図2は本実施例の工程フローを示す図であり、図3は図2の主要部を示す模式図である。図2および図3において、まず、圧電セラミックス粉末材料、バインダ、溶剤等を混練してペーストを調製し(S1〜S4)、これを成形してグリーンシートを作製した(S5)。また、別途、導電性材料、バインダ、溶剤等を混練して内部電極層用ペーストを調製した。つぎに、前記グリーンシート上に所定のパターンの内部電極層用ペーストを印刷した(S6)後、これを所定の大きさに切断し(S7)、30枚積層(S8)し、プレス(S9)してグリンーンシート積層体を作製した(S10)。このグリーンシート積層体に予備焼成(S12)を施したもの(脱バインダ処理(S11) あり)と、予備焼成(S12)を施さなかったものとの水準振りを行い、各々に加工(S13)を施し側面に内部電極層3の端面が露出した形状のグリーンシート積層体7を作製後、ディップコート法を用いて内部電極層3が露出した部分を含む外面全体に下記に示すセラミックスコーティング層4を形成し(S14)、セラミックスコーティング積層体8を作製した。その後、乾燥(S15)、脱バインダ処理(S16)、焼成(17)を施し最終形状に加工(S18)後、所定の位置に外部電極を設け(S19〜S20)、積層型圧電体1の試験サンプルを作製した(S21)。また、比較例としてセラミックスコーティング層4を形成していない試験サンプルも作製した。その後、初期電気特性測定を行い(S22)、さらに、高温高湿度、高電界条件下で内部電極層からのマイグレーション現象を促進させて信頼性の耐湿性試験を行い(S23)、試験時間と累積不良率との関係について調べた。表1に試験結果を示す。試験サンプルの構成および耐湿性試験の条件を以下に示す。
【0051】
(1)外形寸法:2.0 ×1.2 ×3.0mm
(2)圧電セラミックス層2の化学組成
Pb0.96Sr0.04[(Co1/3Nb2/3)0.01Ti0.46Zr0.53]O3+WO3
(3)セラミックスコーティング層4の化学組成
(a) 積層型圧電体1本体の圧電セラミックス層2と同一化学量論的組成比からなるもの
Pb0.96Sr0.04[(Co1/3Nb2/3)0.01Ti0.46Zr0.53]O3+WO3
(b) 積層型圧電体1本体の圧電セラミックス層2とは異なる圧電セラミックスからなるもの
Pb0.96Sr0.04[(Zn1/3Nb2/3)0.1Ti0.42Zr0.48]O3 +T2O5
(c) 圧電セラミックスではないセラミックスからなるもの
BaTiO3+Li2SiO3
(4)圧電セラミックス層2と内部電極層3との層間隔:25μm
(5)層数:30層
(6)内部電極:Ag−Pd(化学組成比 Ag:Pd=70:30)
(7)外部電極:Au(金)
(8)予備焼成温度:800〜1100℃
(9)ディップコート法の条件
樹脂(アクリル系)を溶解させた分散液に前記各種セラミックスの粉末を分散させたものを使用した。
分散媒:酢酸エチル、および、塩化メチレンの混合溶媒
セラミックス粉末濃度:30質量%
浸漬時間:10秒
温度:室温
雰囲気:大気下
(10)焼成温度:1100℃
(11)耐湿性試験の条件:
試験槽:85℃/85%RH
印加電圧:D.C.50V(2kV/mm)
(12)不良の判定条件:絶縁抵抗が3桁低下した場合に不良と判定した。
【0052】
【表1】
Figure 0004560860
【0053】
表1より、セラミックスコーティング層4を形成していない比較例No.25 では、累積不良率が10時間経過後では60%、50時間では100%となっており、信頼性が著しく低くなっている。また、セラミックスコーティング層4が圧電体ではないセラミックスからなる実施例No.17 〜24では、累積不良率が10時間経過後で0%、50時間経過後で10〜60%、100時間で15〜75%であり、セラミックスコーティング層4がない比較例No.25 に比べ信頼性が向上している。一方、セラミックスコーティング層4が圧電セラミックスからなる実施例No.1〜16では、累積不良率が10時間経過後では0%、50時間では0〜25%、さらに100時間経過後でも0〜60%であり、信頼性がより向上している。
その中で、セラミックスコーティング層4が積層型圧電体1本体の圧電セラミックス層2と同一の実施例No.1〜8 は、セラミックスコーティング層4が積層型圧電体1本体の圧電セラミックス層2と異なる圧電セラミックス層からなる実施例No.9〜16に比べ、20時間以上で累積不良率が低くなっている。特に、セラミックスコーティング層4が積層型圧電体1本体の圧電セラミックス層2と同一かつ予備焼成温度が950〜1050℃の実施例No.2、3 、4 では、100時間経過後でも累積不良率が0%となっており、飛躍的に信頼性が向上したものとなっている。
【0054】
また、本発明に係る実施例で、予備焼成あり、なしの効果を比較すると、予備焼成なしのNo.8、16、24の累積不良率は、それぞれ予備焼成ありのNo.1〜7 、No.9〜15、No.17 〜23と比べて特に有意な差がみられず、したがって、予備焼成あり、なしの信頼性に対する影響はほとんどないことが分かる。
このことから、前記グリーンシート積層体が充分な強度を備えていれば、予備焼成を省略しても信頼性に特に悪影響を及ぼさないと言える。
【0055】
[実施例2]
実施例2を図1〜図3および表2を参照して説明する。なお、実施例1と同じ図面または構成は説明を省略する。実施例1と同様にして作製したグリーンシート積層体(S10)に脱バインダ処理(S11)と、予備焼成(S12)と、加工(S13)とを施して側面に内部電極層3の端面が露出した形状のグリーンシート積層体7を作製後、スピンコート法を用いて内部電極層3が露出した部分を含む外面に、積層型圧電体1本体と同一の化学量論的組成比からなるセラミックスコーティング層4を形成し(S14)、セラミックスコーティング積層体8を作製した。その後、乾燥(S15)、脱バインダ処理(S16)、焼成(S17)を施し、最終形状に加工(S18)後、外部電極5を設け(S19〜S20)、積層型圧電体1の試験サンプルを作製した(S21)。また、比較例としてセラミックスコーティング層4を形成していない試験サンプルも作製した。その後、実施例1と同様にして、初期電気特性測定(S22)を行った後、高温高湿度、高電界条件下で信頼性の耐湿性試験(S23)を行い、試験時間と累積不良率との関係について調べた。表2に試験結果を示す。なお、試験サンプルの構成および不良の判定条件は実施例1に準ずる。
(1)スピンコート法の条件
樹脂(アクリル系)を溶解させた分散液に前記各種セラミックスの粉末を分散させたものを使用した。
分散媒:酢酸エチル、および、塩化メチレンの混合溶媒
セラミックス粉末濃度:30質量%
温度:室温
雰囲気:大気下
回転数:2000rpm
実効回転時間:30秒
(2)予備焼成温度:1100℃
(3)焼成温度:1100℃
【0056】
【表2】
Figure 0004560860
【0057】
表2より、セラミックスコーティング層4を形成していない比較例No.27 は、10時間で累積不良率が60%となり、50時間で100%となっている。それに対して、本発明に係る実施例No.26 では、累積不良率が50時間経過まで0%、さらに200時間でも35%に留まっており、比較例No.27 に比べ信頼性が著しく向上していることが分かる。
【0058】
[実施例3]
実施例3を図1〜図3および表3を参照して説明する。なお、実施例1または実施例2と同じ図面または構成は説明を省略する。実施例1、2と同様にして作製したグリーンシート積層体(S10)に脱バインダ処理(S11)と、予備焼成(S12)と、加工(S13)とを施して側面に内部電極層3の端面が露出した形状のグリーンシート積層体7を作製後、電気泳動法を用いて内部電極層3が露出した部分に選択的にセラミックスコーティング層4を形成した(S14)。
その後、乾燥(S15)、焼成(S17)を施し、最終形状に加工(S18)し、外部電極5を設け(S19〜S20)、積層型圧電体1の試験サンプルを作製した(S21)。また、比較例として、セラミックスコーティング層4を形成していない試験サンプル作製した。その後、実施例1、2と同様にして、初期電気特性測定(S22)を行い、高温高湿度、高電界条件下で信頼性の耐湿性試験(S23)を行い、試験時間と累積不良率について調べた。試験結果を表3に示す。なお、試験サンプルの構成および不良の判定条件は実施例1、2に準ずる。
(1)電気泳動法の条件
分散媒:アセトン
粉末濃度:1質量%
印加電圧:DC100V
処理時間:1分
(2)予備焼成温度:1100℃
(3)焼成温度:1100℃
【0059】
【表3】
Figure 0004560860
【0060】
表3より、セラミックスコーティング層4を形成していない比較例No.29 は、10時間で累積不良率が60%となり、50時間で100%となっている。それに対して、本発明に係るNo.28 は、累積不良率が50時間経過まで0%、さらに200時間経過後でも30%に留まっており、前記比較例No.29 に比べ信頼性が著しく向上していることが分かる。
【0061】
以上の結果より、本発明に係る積層型圧電体1の製造方法によれば、図3に示すように、前記グリーンシート積層体(S10)に必要に応じて脱バインダ処理(S11)と予備焼成(S12)とを行った後、加工(S13)を施して側面に内部電極層3の端面が露出した形状のグリーンシート積層体7にした後、その内部電極層3が露出した部分に、セラミックスコーティング層4、好ましくは圧電セラミックスからなるセラミックスコーティング層4、さらに好ましくは前記積層型圧電体1本体の圧電セラミックス層2と同一の化学量論的組成比からなるセラミックスコーティング層4を、ディップコート法、または、スピンコート法、または、電気泳動法を用いて形成(S14)したセラミックスコーティング積層体8を作製することができる。その後、セラミックスコーティング積層体8に乾燥(S15)、必要に応じて脱バインダ処理(S16)、および焼成(S17)を施し、最終形状に加工(S18)し、外部電極を設け(S19〜S20)、耐湿性に優れ、信頼性に優れる積層型圧電体1を製造することができる(S21)。
【0062】
その中で、ディップコート法によれば、比較的簡便にしかも短時間でセラミックスコーティング層4を形成することができ、信頼性を向上させた積層型圧電体1を比較的安価に提供することができる。また、スピンコート法によれば、セラミックスコーティング層4の厚みの均一性をさらによくでき、信頼性に優れ、寸法精度のよい積層型圧電体1を提供することができる。そして、電気泳動法によれば、内部電極層3の端面が露出した部分のみに選択的にセラミックスコーティング層4を形成できるため、その駆動時に繰返し引張応力の影響を抑えることができ、セラミックスコーティング層4のクラック発生をより効果的に防止することができる。さらに、必要に応じて予備焼成(S12)を施す場合には、その温度を焼成(S17)の温度以下とすることで、安定して駆動する積層型圧電体1を提供することができる。
【0063】
【発明の効果】
(1)以上のとおり、本発明における請求項1に係る発明によれば、圧電セラミックス層と内部電極層とを交互に積層し、内部電極層の端面が側面等に露出した構造を有する積層型圧電体の製造方法で、前記圧電セラミックス層からなるグリーンシートと前記内部電極層とを交互に複数積層したグリーンシート積層体に加工を施し、所定形状のセラミックス積層体を形成後に、外面をセラミックスでコーティングし、内部電極層の端面が露出している部分にセラミックスコーティング層を形成することで、耐湿性を向上させて内部電極層のマイグレーションの発生を防止した信頼性に優れる積層型圧電体を提供することができる。
【0064】
(2)また、請求項2に係る発明によれば、前記(1)において、前記グリーンシート積層体に必要に応じて予備焼成を施す工程を加えることで所定の強度を確保できるため後の工程のハンドリングに支障をきたすことがなくなり、また、前記圧電セラミックス層と異なる材質のセラミックスでコーティングする場合には、このセラミックスと前記圧電セラミックスとの化学反応を抑制するため、化学的に安定なセラミックスコーティング層を形成でき、前記した信頼性に優れる積層型圧電体を提供することができる。
【0065】
(3)請求項3に係る発明によれば、前記(2)において、予備焼成の温度を800℃以上、かつ、焼成の温度以下とすることにより、前記した優れた信頼性に加え、より安定して駆動する積層型圧電体を提供することができる。
【0066】
(4)請求項4に係る発明によれば、前記セラミックスコーティング層が圧電セラミックスで形成されているため、その駆動時に、前記セラミックスコーティング層が圧電セラミックス層の変位を阻害しにくくして動作特性を高め、しかも、前記した信頼性に優れる積層型圧電体を提供することができる。
【0067】
(5)請求項5に係る発明によれば、前記セラミックスコーティング層が、積層型圧電体本体の圧電セラミックス層と同一の化学量論的組成比からなるセラミックスで形成されているため、その駆動時に、圧電セラミックス層の変位をより阻害しにくくして動作特性を高め、しかも、前記した信頼性に優れる積層型圧電体を提供することができる。
【0068】
(6)請求項6に係る発明によれば、前記セラミックスコーティング層を、ディップコート法により形成するため、コストを低く抑え、しかも前記した信頼性に優れる積層型圧電体を提供することができる。
【0069】
(7)請求項7に係る発明によれば、前記セラミックスコーティング層を、スピンコート法により形成するため、寸法精度がより高く、しかも前記した信頼性に優れる積層型圧電体を提供することができる。
【0070】
(8)さらに、請求項8に係る発明によれば、前記セラミックスコーティング層を、電気泳動法により形成するため、駆動時の繰返し引張応力による前記セラミックスコーティング層のクラック発生をより一層抑えることができ、前記した優れた信頼性をより長期間に渡って発揮できる積層型圧電体を提供することができる。
【0071】
(9)そして、請求項9に係る発明によれば、前記した信頼性に優れる積層型圧電体を圧電アクチュエータに適用することで、コスト、性能、耐久性、精度等の多くのニーズにより的確に応えた圧電アクチュエータを提供することができる。
【0072】
以上説明したとおり、本発明に係る積層型圧電体の製造方法によれば、優れた信頼性と優れた経済性とを両立させた積層型圧電体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る積層型圧電体の構成を示す斜視図である。
(b)(a)における積層型圧電体1のA−A線断面図である。
(c)(a)における積層型圧電体1のB−B線断面図である。
【図2】本発明の積層型圧電体1の製造方法に係る工程フローを示す図である。
【図3】本発明の積層型圧電体1の製造方法に係る工程フローの主要部を示す模式図である。
【符号の説明】
1 積層型圧電体
2 圧電セラミックス層
3 内部電極層
4 セラミックスコーティング層
5 外部電極
7 内部電極層3の端面が露出した形状のグリーンシート積層体
8 内部電極層3の端面が露出した形状のグリーンシート積層体7にセラミックスコーティング層4が形成されたセラミックスコーティング積層体

Claims (7)

  1. 圧電セラミックス層と内部電極層とを交互に複数積層させ、かつ、その内部電極層の端面が露出した構造を有する積層型圧電体の製造方法において、
    前記圧電セラミックス層からなるグリーンシートと前記内部電極層とを交互に複数積層させて所定形状のグリーンシート積層体を形成し、前記グリーンシート積層体に脱バインダ処理と、予備焼成とを施し、
    その外面を前記圧電セラミックス層と同一の化学量論的組成比を有するセラミックスでコーティングし、脱バインダ処理と、焼成と、を施して前記内部電極層の端面が露出している部分にセラミックスコーティング層を形成することを特徴とする積層型圧電体の製造方法。
  2. 前記予備焼成の温度が、800℃以上で、かつ、前記焼成の温度以下であることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電体の製造方法。
  3. 前記セラミックコーティング層の厚みが、5〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電体の製造方法。
  4. 前記セラミックスをコーティングする方法が、ディップコート法であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の積層型圧電体の製造方法。
  5. 前記セラミックスをコーティングする方法が、スピンコート法であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の積層型圧電体の製造方法。
  6. 前記セラミックスをコーティングする方法が、電気泳動法であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の積層型圧電体の製造方法。
  7. 前記積層型圧電体が、圧電アクチュエータ用であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の積層型圧電体の製造方法。
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