JP4559022B2 - 保水性編地 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水性及び乾燥性に優れた保水性編地及びそれを用いてなる体液吸収用物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から幼児及び成人向けおむつ、並びに失禁パンツなどの体液吸収用物品は、綿を主成分とする織編物を用いることで多くの商品が上市されたが、最近は、乾燥性や吸水量及び利便性の向上を図るため、不織布などに高吸水性ポリマーを組み合わせる使い捨てタイプのものが主流となっている。
この使い捨てタイプの商品は安価で大量生産が可能であり、生産者側にとっては好都合であるものの、消費者、特に大量におむつや失禁パンツを使用する病院や介護施設にとっては、処理が大きな問題であり、資源・環境の両面から、既述した繰り返し使用可能な綿を主成分とする商品が再度見直され始めている。
しかし、利便性に慣れた消費者にとって、吸水性並びに洗濯後の乾燥性に劣る従来の綿おむつ,失禁パンツは、資源・環境の他、処分にかかるコストを勘案しても利便性を犠牲にするほどの魅力を呈していないのが現状である。
【0003】
この問題を解決するため、特定の複合繊維ステープルから形成された不織布を吸収体として綿布製の袋中に挿入し、全面をキルティングして作製されたおむつが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このおむつは、吸水速度,吸水量,耐洗濯性などに優れ、洗濯・乾燥を繰り返した後もそれらの性能は良好であるので、体液吸収用物品に供した際、優れた機能を発揮するものの、単に従来のおむつを性能面で向上させたにすぎず、肌に触れる部分は綿布であってフラットなため濡れ感が強く、吸収体が水分を吸い上げるまでの間は不快な思いをしなければならない上、洗濯も前記不織布を取り出して行う手間の問題だけでなく、洗濯を多数繰り返すと破損、変形、毛羽立ちといった洗濯耐久性に課題を残している。
【0004】
さらに、この問題を解決するため、非異型断面繊維を含む面と凹状異型断面繊維を含む面とで構成された二層構造布帛にあって、肌面側へ非異型断面繊維を含む面を配し、もう片方の面には吸水性繊維シート及び防水シートを順次積層させる三層構造積層布帛が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この三層構造積層布帛は、吸水性繊維シートを介在させることで、肌面の湿った感触を低減させる効果を奏するが、吸水性繊維シートが三層の内部に配置されていることで、洗濯時、尿などの汚れ成分が外部へ移行しづらく、乾燥も良好でないという課題を残している。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−245952号公報(〔0036〕,〔0048〕)
【特許文献2】
特開平7−148876号公報(〔0007〕,〔0008〕)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に鑑みて行われたもので、繰り返し使用が可能で吸水性や洗濯乾燥性及び耐久性に優れ、サラっとした快適な感覚(サラサラ感)を有する保水性編地を提供する事を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、編地表裏面のコース密度比を特定範囲に設定した上で凹凸感を有する編成を行えば、編地表面にサラっとした快適な感覚が発現することを見出し、また大量失禁の際にも良好な吸水性を維持するには、編地全体で水分を蓄える機能(保水性)が必要で、併せて洗濯後の乾燥性を良好なものとするには、前記編地の気孔容積率並びに疎水性及び親水性繊維の重量比率に三者間相関があることを見出し、かかる気孔容積率をある数値以下にし、かつ編地全体に占める疎水性及び親水性繊維の重量比率を特定範囲に設定すれば優れた保水性が発現することも見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、(1)ポリエステル仮撚捲縮加工糸に沸水収縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸を添え糸として交編すること、もしくはポリエステル仮撚捲縮加工糸と沸水収縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸とからなる異収縮混繊糸を用いて編成することにより裏面が構成され、かつ表面に綿糸を含んでなる、リップル組織の編地において、編地表裏面のコース密度比が2:1〜12:1であると共に編地表面に凹凸感を有し、さらに編地全体に占めるポリエステル糸及び綿糸の重量比率が25:75〜75:25重量%であり、前記編地の気孔容積率が90%以下であることを特徴とする保水性編地であり、好ましくは、(2)室温20℃,湿度65%の環境下における120分乾燥後の乾燥水分率が10%以下であることを特徴とする(1)記載の保水性編地、並びに(3)前記(1)又は(2)記載の保水性編地を用いたことを特徴とする体液吸収用物品を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の保水性編地に用いる親水性繊維は、長短繊維のいずれでもよいが、フィラメントもしくはステープル間に水分を溜め込みやすい繊維であることが必要である。通常は綿、ウールなどの天然繊維あるいはビスコースレーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維などの再生繊維の短繊維糸条が用いられる。また、目的に応じ、かかる親水性繊維は、ポリエステルやナイロンといった合成繊維と混紡、合撚、空気混繊またはカバリングして用いられることに何ら制限されない。
【0009】
一方、本発明に用いる疎水性繊維も、長短繊維のいずれでもよいが、フィラメントもしくはステープル間に水分を溜め込みづらい繊維であることが必要である。
通常は合成繊維マルチフィラメント糸が用いられ、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリオキシエトキシベンゾエート、ポリエチレンナフタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル、及びこれらのポリエステルにイソフタル酸、スルホイソフタル酸などの第三成分、プロピレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールのような第三グリコール成分を共重合した共重合ポリエステルからなるポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ナイロンなどのポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンからなるポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維などがあげられる。断面形状は、丸断面・異型断面いずれでもよいが、毛細管現象による吸水速度及びサラサラ感の向上を図りたい場合は、異型度の大きいアルファベット状断面糸などを用いるとよい。
他方、特に環境面を考慮するならば、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸などのように、土壌中や水中で微生物の作用によって炭酸ガスと水に分解される脂肪族ポリエステル化合物からなる生分解性合成繊維の長短繊維のいずれかを用いてもよい。
【0010】
本発明の保水性編地にあっては、両面編機で編成される編地が特に好ましく、表面を肌側、裏面を外気側とし、表面に凹凸部を有する組織を採用する。具体的には、少なくとも表面に凹凸部を有しさえすれば特に限定されるものでないが、通常は、鹿の子、リップル、ツイル、ストライプ、コードストライプ、ダブルブリスタ、キルト、ジャガード編地、パイル編地、パイルジャガードなどが用いられ、好ましくはツイル、リップルなどのように凹凸が鮮明に発現する組織、さらに好ましくは、リップル編地のように、凹凸が鮮明な上、任意に両面のコース密度が選定できる組織が採用される。
【0011】
さらに、前記親水性繊維及び疎水性繊維の分布は、親水性繊維が編地表面へ、疎水性繊維が裏面へ多く配されると吸水性及び肌触りが良好となる傾向にある。
そして、編地に意匠性を付与したい場合、原着糸や意匠糸、カチオン可染混合糸などを配列・交編させたりプリントを施すなど、目的に応じ適宜行うことができる。
【0012】
また、編地表面と編地裏面とのコース密度比は2:1〜12:1であることが肝要で、好ましくは3:1〜12:1、より好ましくは5:1〜12:1である。これは、コース密度比の差が大きくなるにつれ編地表面の凹凸が大きくなり、それにつれ編地表面積も大きくなるため吸水性が向上するためである。編地表面のコース密度が編地裏面の2倍未満になると、編地表面の凹凸部が奏する点接触効果によるサラサラ感が減少し、濡れ感増大による不快感を誘発し、また12倍を超えると編成が難しく、編欠点が発生しやすくなるためである。
【0013】
さらに、本発明の保水性編地の編成にあたっては、前記親水性繊維及び疎水性繊維の使用重量比率が25:75〜75:25重量%であることが肝要である。
親水性繊維の重量比率が25%未満の場合、保水率が200%未満となり、大量失禁に対応できない。本発明者らの研究では、保水率が200%未満であると水分を蓄える能力が不十分で、良好な吸水性が得られず、おむつあるいは失禁パンツなどに供する保水性編地として不適当であった。なお保水率は、おむつあるいは失禁パンツなどに供する場合、200%以上必要で、好ましくは250%以上である。
また、親水性繊維の重量比率が75%を超えると、保水性は良好であるものの、乾燥性能に欠ける。
【0014】
一方、本発明の保水性編地は、JIS L−1018 8.9.2に準じて算出した気孔容積率が90%以下、より好ましくは85%以下であることが肝要である。これは90%を超えた場合は、編地に空隙が多く吸水性能面や洗濯・乾燥性では良好であるが、保水性にあっては、蓄えている水分が外部へ容易に漏れ出しやすくなるため好ましくない。気孔容積率を90%以下にする方法は、設計の適宜変更の他、上記疎水性繊維として仮撚捲縮加工糸条を用いるとよい。好ましくは仮撚捲縮加工糸条に沸水収縮率15%以上の疎水性マルチフィラメント糸条を添え糸として交編させる他、同時に編地へソフト感、ドライ感を付与したい場合は、疎水性繊維として熱収縮性の異なる少なくとも二糸条からなるマルチフィラメント糸をインターレース、合撚もしくはカバリングなどの手法で合糸し、異収縮混繊糸として編成に供する。これにより、捲縮加工糸の捲縮応力と熱水収縮糸の収縮応力により、編地密度が向上し気孔容積率を容易に90%以下にすることができる。また、ニットデニット糸もしくは合成繊維からなる短繊維糸条を用いるとさらに保温性も付与できる。
【0015】
次に、本発明の保水性編地は、乾燥水分率が10%以下であることが好ましい。以下、乾燥水分率について言及する。
まず、編地をタテ/ヨコ:20cm/20cmの大きさに裁断し試料を2枚用意する
。用意した試料を12時間以上室温20℃、湿度65%の環境で調湿した後に試料重量(W0)を測定する。次いで試料を、JIS L−1042記載の常温水浸漬法に基付き、十分に吸水させた後、試料を四つ折りにし1枚ずつ遠心脱水機(國産遠心機(株)製 H−130B型式)にて30秒間遠心脱水を行い、試料を室温20℃
、湿度65%の環境で120分間吊り干しを行った後に、重量(W1)を測定し、下記式により乾燥水分率を求める。
乾燥水分率(%)=(W1−W0)÷W0×100
ここで重要なことは、120分後の乾燥水分率が10%以下であることが好ましいことである。この理由は、10%を超える場合は乾燥が十分とはいえず、そのまま着用すればムレ感などを感じることになる。また、夏期に高温・高湿度状態で放置した場合は、細菌の繁殖になり不衛生状態になりやすいので好ましくない。
さらに、最近は室内で乾燥を行う場合も増加しており、この様な実体を踏まえても120分間で乾燥水分率10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下である。
【0016】
以上の如く得られた編地を、公知の染色仕上加工を行った後に目的に応じた縫製することで、従来にない吸水性、乾燥性、耐久性に優れた体液吸収用物品を得ることができる。
【0017】
【作用】
本発明の保水性編地は、編地表裏面のコース密度比を2:1〜12:1に設定した上で表面に凹凸感を有する編成を行っているので、肌面との接触面積が低く濡れ感が軽減できる作用を奏す。また大量失禁の際にも良好な吸水性を維持するには、編地全体で水分を蓄える機能(保水性)が必要で、併せて洗濯後の乾燥性を良好なものとするには、編地の気孔容積率を90%以下にし、編地を構成する疎水性及び親水性繊維の重量比率を25:75〜75:25重量%とする。そうすれば、高い保水性と良好な洗濯乾燥性を同時に維持できる作用を奏することができる。
また、本発明の保水性編地は、繊維糸条からなるため耐久性に優れ、家庭洗濯後の破損、変形、毛羽立ちを起こしづらい作用を奏す。したがって、幼児及び成人向けおむつ並びに失禁パンツのような体液吸収用物品として快適かつ衛生的に使用できる作用を奏する。
【0018】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明する。
▲1▼不快性評価
男女10〜50歳代各3人ずつからなるパネラー計30人で、各試料に人工尿(尿素20g/l、塩8g/l、硫酸マグネシウム1g/l、塩化カルシウム0.5g/l)を試料重量分滴下し10分間放置後、手のひらで試料を押さえ、官能試験を行って評価する。
○…快適 △…やや不快 ×…不快
▲2▼保水率
まず、編地から20cm四方に切り出したサンプルを用意し、室温20℃、湿度65%の環境で120分間吊り干し乾燥を行った後重量を測り、元重量とする。続いて蒸留水の入ったバットを用意し、サンプルを5分間浸漬させる。サンプルを取り出した後、絞らずに室温20℃、湿度65%の環境で吊り干しし、水滴が落ちなくなった時点で重量を測り、浸漬後の重量とする。次に下記式に従い保水率を算出する。この操作をサンプル3枚について行い、3枚の平均を編地の保水率とする。
保水率(%)=(浸漬後の重量−元重量)÷元重量×100
【0019】
(実施例1)
福原精機製丸編機(LPJ−H 33”×22G)を用いて、図1に示す編成組織にて、編地面の親水性繊維として綿コーマ糸30番手単糸を用い、編地連結部及び編地面には疎水性繊維として、沸水収縮率5.9%のポリエステル捲縮加工糸167dtex/48fと沸水収縮率25.0%のポリエステルマルチフィラメント糸33dtex/12fをインターレース混繊して作製された異収縮混繊糸を用い編成した。得られた編地をサーキュラー染色試験機((株)日阪製作所製)にて、サンモールFL(日華化学(株)面活性剤)1g/lで浴比1:25にて80℃×30分リラックス精練を行った後に、サーキュラー染色試験機て、アルカリ濃度NaOH 1g/l、過酸化水素水 5g/l を用い、浴比1:25で80℃×30分サラシ処理を行い、その後サーキュラー染色試験機((株)日阪製作所製)にて、130℃×30分染色を行い、ピンテンターにて仕上げセットを行って本発明の保水性編地を得た。
なお、親水性繊維の交編率は60.6%であった。
続いて、本発明の保水性編地を公知の縫製方法に準じて、成人向けおむつを作製し使用したところ、吸水性の他、サラサラ感、ソフト感、ドライ感にも優れ、家庭洗濯により破れたり形状が崩れたりすることなく衛生的に使用することができた。
【0020】
(実施例2)
編地表面を沸水収縮率5.9%のポリエステル加工糸165dtex/48fと綿コーマ糸30番手単糸で1:1に交編する以外は、実施例1と同様にして本発明の保水性編地を得た。
なお、親水性繊維の交編率は26.2%であった。
【0021】
(実施例3)
編成組織を図2に変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の保水性編地を得た。
なお、親水性繊維の交編率は46.8%であった。
【0022】
(比較例1)
編地表面を疎水性繊維の熱水収縮率10.9%ポリエステルマルチフィラメント165dtex/48fにした以外は実施例1と同様にして比較例1の編地を得た。
なお、親水性繊維の交編率は0%であった。
【0023】
(比較例2)
構成組織を組織図3に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2の編地を得た。
なお、親水性繊維の混率は55.2%であった。
【0024】
(比較例3)
編地全体を綿コーマ糸30番手単糸で編成した以外は実施例1と同様にして比較例3の編地を得た。
なお、親水性繊維の混率は100%であった。
【0025】
【表1】
Figure 0004559022
【0026】
表1から分かるように、実施例1から実施例3については保水率、乾燥率ともに良好な結果となった。実施例1については、気孔容積率、保水率、乾燥率及び不快評価で良好な結果が得られ、編地裏面の凹凸がはっきりしており、サラサラ感に優れていた。また疎水性繊維としてポリエステル捲縮加工糸を異収縮混繊糸として使用していることから、ソフト感、ドライ感にも優れていた。
一方、比較例1については、疎水性繊維のみで編成したために乾燥率は良好なものの、吸水性不良のため不快性評価で悪く、また保水率でも劣るものとなった。
比較例2は、編地表面と編地裏面とのコース密度比が1:1であるために、気孔容積率、保水率が劣るものであった。比較例3については、親水性繊維のみで編成したため、保水率は良好なものの、乾燥性、不快性評価で劣るものであった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の保水性編地は、表面に凹凸感を有する編成を行い、肌面との接触面積を低く抑えているので濡れ感がほとんどなく、快適な使用が可能である。この凹凸は、編地表裏面のコース密度比を2:1〜12:1に設定することで、サラサラ感を感じる程度に鮮明に発現するが、かかるコース密度比の差をできるだけ大きく設定することで凹凸が大きくなり、編地表面の表面積も増大し吸水効果も向上する。
また大量失禁の際にも良好な吸水性を維持するには、編地全体で水分を蓄える機能(保水性)が必要で、併せて洗濯後の乾燥性を良好なものとするには、編地の気孔容積率を90%以下にし、編地を構成する疎水性及び親水性繊維の重量比率を25:75〜75:25重量%とする。そうすれば、高い保水性と良好な洗濯乾燥性を同時に維持できる効果を奏す。
本発明の保水性編地は、表面を肌側にして使用される。表面に親水性繊維を多く配することで肌触りが良好となる傾向にあり、さらに表面に配する糸条を適宜選択することで種々の機能性を付与できる。例えばソフト感、ドライ感を付与したい場合は異収縮混繊糸などを、保温性も併せて付与したい場合は合成繊維からなる短繊維糸条などを用いればよい。
【0028】
一方、本発明の保水性編地は、ムレ感軽減あるいは室内での乾燥効率向上などの観点から、室温20℃,湿度65%の環境下における120分乾燥後の乾燥水分率が10%以下であることが望ましい。
以上から、本発明の保水性編地は、家庭洗濯により繰り返し使用が可能で吸水性及びサラサラ感に優れ、従来からある、不織布を吸収体として不織布シートや綿布などの袋中に挿入するタイプの商品と異なり、乱暴に扱っても破損、変形、毛羽立ちを起こしづらく、縫製するだけで幼児及び成人向けおむつ並びに失禁パンツのような体液吸収用物品として快適かつ衛生的に使用できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2及び比較例1,3に用いた組織図である。
【図2】実施例3に用いた組織図である。
【図3】比較例2に用いた組織図である。
【符号の説明】
A シリンダー針。
B ダイヤル針。
F1〜F4 給糸口
a 実施例1で用いた疎水性繊維。
b 実施例1で用いた親水性繊維。
c 実施例1で用いた沸水収縮率25.0%の疎水性繊維。

Claims (3)

  1. ポリエステル仮撚捲縮加工糸に沸水収縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸を添え糸として交編すること、もしくはポリエステル仮撚捲縮加工糸と沸水収縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸とからなる異収縮混繊糸を用いて編成することにより裏面が構成され、かつ表面に綿糸を含んでなる、リップル組織の編地において、編地表裏面のコース密度比が2:1〜12:1であると共に編地表面に凹凸感を有し、さらに編地全体に占めるポリエステル糸及び綿糸の重量比率が25:75〜75:25重量%であり、前記編地の気孔容積率が90%以下であることを特徴とする保水性編地。
  2. 室温20℃,湿度65%の環境下における120分乾燥後の乾燥水分率が10%以下であることを特徴とする請求項1記載の保水性編地。
  3. 請求項1又は2記載の保水性編地を用いたことを特徴とする体液吸収用物品。
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