JP2005179808A - 立体構造編地 - Google Patents

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真一 岡嶋
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Abstract

【課題】 洗濯時、特に高温洗濯時の収縮防止効果に優れ、かつ良好なクッション性を有する立体構造編地を提供する。
【解決手段】 表裏面二層の編地と、該二層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸から構成された立体構造編地であって、表裏編地の両面が網目構造であって、該連結糸の少なくとも一対の2本の連結糸が表裏編地の相対するコース上の編目から隣接したウェール列のコース上の編目を互いに斜めに交又して連結した構造をとっており、その2本の連結糸が交又して形成される角度の内、表編地又は裏編地と2本の交又する連結糸で形成された2つの三角形の外角の角度θが30〜100度の範囲であり、編地緯方向の10%圧縮変形時の応力が0.2〜3N/2cm巾であることを特徴とする立体構造編地。
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、洗濯時、特に高温洗濯時の収縮防止効果に優れ、かつ、良好なクッション性を有する立体構造編地に関する。さらに、このの編地を用いた、例えば、細菌感染を予防するために高温洗濯を必要とする病院用及びリネン用の、寝具クッション材に関する。
医療分野及びリネン分野では、寝具の使用者間の細菌による感染症を予防するため、感染症の病原体に汚染されていると思われる寝具類を消毒することを定めた医療法がある。
本法には、100℃以上の湿熱に10分以上さらす蒸気消毒、80℃以上の熱湯に10分以上浸す熱湯消毒、塩素剤、界面活性剤、クロールヘキシジン、ホルムアルデヒドや酸化エチレンガス等のガスを用いた化学的消毒等があるが、残留化学物質の影響、洗濯工程コストに鑑み、熱湯消毒が洗濯業界では一般的に行われている。
一方、寝具用クッションは、ウレタンマットレスやポリエステル硬綿マットレスの上に、ベッドパッドとシーツを重ね合わせ使用するのが病院やホテル等では一般的であり、本医療法に準じ、特にベッドパッドやシーツを熱湯消毒して用いられている。ベッドパッドとして綿又は綿/合繊混のベッドパッドが通常使用されているが、通気性が悪いため熱がこもりやすく、患者に不快感を与えると共に、細菌の温床となっていた。更には、クッション性や耐圧分散性がないため、長期療養患者は床ずれを発現していた。
近年、こうした問題点を鑑み、通気性に優れた網目構造を有する立体構造編地及びそれを使用した寝具が各種提案されている。
特許文献1には、通気性とクッション性を改善するために、構成する連結糸のクロス角度と単位面積当たりの充填度が規定された立体構造編地が提案されている。しかし、厚み方向のクッション性及び圧縮回復性は良好なものの、高温時の洗濯収縮対策に対する記載は一切なく、また実施例記載の立体構造編地では高温洗濯時には大きく変形、収縮を起こすものであった。
特許文献2には、編地の変形、収縮を防止するために、ハニカム部のV部位置に筋交状に連結糸を交又させた網目構造状の立体構造編地が提案されているが、高温で揉み効果の大きい洗濯条件の場合、ハニカム形状を十分に保つことができず形状が崩れ、洗濯収縮が大きくなっていた。
特許文献3には、表裏編地を繋ぐ連結糸の充填指数が規定されているが、洗濯時の緯方向の形状変形を防止するクロス連結糸角度及び網目構造形状が何ら記載されていないため、十分な洗濯収縮防止効果が発現できなかった。
特許第2847651号報 特開2002−146657号報 特開2001−234456号報
本発明の目的は、洗濯時、特に高温洗濯時の収縮防止効果に優れ、かつ、良好なクッション性を有する立体構造編地を提供することにある。
本発明者らは、立体構造編地の構造と高温洗濯時の収縮挙動及びクッション性発現との関係を鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1) 表裏面二層の編地と、該二層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸から構成された立体構造編地であって、表裏編地の両面が網目構造であって、該連結糸の少なくとも一対の2本の連結糸が表裏編地の相対するコース上の編目から隣接したウェール列のコース上の編目を互いに斜めに交又して連結した構造をとっており、その2本の連結糸が交又して形成される角度の内、表編地又は裏編地と2本の交又する連結糸で形成された2つの三角形の外角の角度θが30〜100度の範囲であり、編地緯方向の10%圧縮変形時の応力が0.2〜3N/2cm巾であることを特徴とする立体構造編地。
(2) 表裏編地の網目構造の少なくとも一方の網目構造開口部の緯方向の長さAと厚みDの比A/Dが0.5<A/D<3であり、編み終わり方向を上にした時の網目開口部の最も上方に位置する内角の角度θが60〜170度であり、更に連結糸が30〜1000dtexのポリエステル系モノフィラメントからなることを特徴とする(1)に記載の立体構造編地。
(3) 表裏編地の少なくともいずれか一方の編地の一部に熱融着繊維が含まれていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の立体構造編地。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つに記載の立体構造編地が1枚又は複数枚積層されていることを特徴とする寝具クッション。
本発明の立体構造編地は、洗濯時、特に高温洗濯時の収縮防止効果に優れ、かつ、良好なクッション性を有するため、医療分野やリネン分野で、高温洗濯処理が必要とされる長期間使用する老人用又は病院用の床ずれ予防用寝具、療養型寝具、ホテル用寝具等の用途に好適に利用できる。
以下、本発明の立体構造編地を詳細に説明する。
本発明の立体構造編地は、相対する2列の針床を有する編機で編成することができ、ダブルラッセル編機、ダブルトリコット編機、ダブル丸編機、Vベッドを有する横編機等で編成できる。洗濯収縮防止効果に優れた立体構造編地を得るためには、ダブルラッセル編機を用いるのが好ましい。編機のゲージは9ゲージから28ゲージが好ましく用いられる。
本発明の立体構造編地を構成する表裏面二層の編組織は、通気性を確保しながら良好なクッション性を発現させる点で、表裏編地の両面が、好ましくは4角形又は6角形(以下、ハニカム形状、という)の、網目構造を有する孔空き組織であることが必要である。形状安定性の点からハニカム形状が好ましい。
1つの網目構造を構成する編目数(コース数)は12コース以下が好ましい。また、幅方向に幅出しし易いシングルトリコット編みも網目構造を有するので、本発明に含まれる。
表裏面二層の編地を構成する糸としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維等のポリエステル系繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリフッ化ビニリデン繊維、ポリアクリル繊維、ポリアリレート繊維、生分解性繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維等、任意の繊維を用いることができるが、洗濯時の安定性、強度、編成性、ケミカルリサイクル性の点からポリエステル系繊維がより好ましい。
繊維の断面形状としては、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平型、ドッグボーン型等の多角形型、中実型や同多角形、中空型や不定形なものでもよい。洗濯時の表面摩耗強度等の物性を立体構造編地に付与できる点から、丸型中実型又は丸型中空型が好ましい。
繊維の形態も、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等、いずれであってもよい。マルチフィラメントでもモノフィラメントでもよいが、コスト面及び連結糸のモノフィラメントを編地表面へ露出しないように被覆率を上げて肌触りをよくするためには、立体構造編地の少なくとも片側面、特に表面層側にマルチフィラメントの仮撚加工糸、紡績糸等の嵩高糸を用いることが好ましい。
マルチフィラメントは、総繊度が50〜2500dtex、単糸繊度が0.1〜30dtexのものが通常用いられ、任意に繊度に設定できる。この際、編機の針1本にかかる連結糸モノフィラメントの繊度T(デシテックス)と全マルチフィラメントの繊度d(デシテックス)がT/d≦0.9であると、立体構造編地表面でのマルチフィラメントのモノフィラメント被覆によりモノフィラメント独特のギラツキ感を抑制でき、かつ、編地表面の肌触りを向上できる点で好ましい。
意匠性の面から、編成前に予め常法で染色された先染糸や、必要に応じた着色顔料が混入された原着糸を用いてもよい。また必要に応じて、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
マルチフィラメントの物性としては、例えば、マルチフィラメントとしてポリエチレンテレフタレート繊維を使用する場合、表面耐摩耗性等の耐久性の面から、繊維の極限粘度[η]は0.4〜0.8dl/gが好ましく、繊維破断強度は3〜5cN/dtex、破断伸度は20〜40%であることがより好ましい。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維を使用する場合、極限粘度[η]は0.8〜1.5dl/gが好ましく、繊維破断強度は2〜5cN/dtex、破断伸度は30〜60%であることがより好ましい。
モノフィラメントとしては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維等のポリエステル系繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリフッ化ビニリデン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、生分解性繊維、ポリエステル系やポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマー繊維、ガラス繊維、金属繊維等の任意の繊維を用いることができる。洗濯時、特に高温洗濯時の安定性及び良好なクッション性を保つ点からも、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系モノフィラメントが好ましい。
ポリエステル系モノフィラメントは、総繊度が30〜1000dtexが好ましく、より好ましくは50〜800dtex、最も好ましくは80〜600dtexである。総繊度が30dtex未満の場合、洗濯時、特に高温洗濯時の変形応力に対し、十分に保持できず収縮が起こりやすくなる場合があり、1000dtexを越えると、洗濯時の変形応力に対しては十分安定性を発現するが、非常に硬く立体構造編地としての柔軟性、クッション性が低下する場合がある。
モノフィラメント繊維の断面形状としては、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平型、ドッグボーン型等の多角形型、中実型や同多角形、中空型や不定形なものでもよいが、洗濯時、特に高温洗濯時の収縮防止効果、安定性、良好なクッション性、圧縮回復性を付与する面から丸型中実型又は丸型中空型であるのが好ましい。
立体構造編地中の連結糸密度は、立体構造編地6.45cm2(=2.54cm×2.54cm)の面積中にある連結糸の本数をN(本/6.45cm2)、連結糸のデシテックスをT(g/(1×106)cm)、連結糸の比重をρ(g/cm3)とした時、立体構造編地6.45cm2の面積中にある連結糸の総断面積(N×T/(1×106×ρ))が0.01〜0.35cm2が好ましく、より好ましくは0.02〜0.2cm2である。この範囲に設定することによって、良好なクッション性を付与できると共に、洗濯時、特に高温洗濯時の収縮防止効果が高くなる。
本発明において、連結糸モノフィラメントの少なくとも一対の2本の連結糸が表裏編地の相対するコース上の編目から隣接したウェール列のコース上の編目を互いに斜めに交又して連結することが必要である。
図1は、本発明の立体構造編地の網目構造の平面拡大図であり、編み終わり方向を上にしており、表編地3で構成された一つの網目構造には一対の2本の連結糸1が交又した状態を平面状に描いている。ここで、編み終わり方向を上にした時の網目開口部の最も上方に位置する内角の角度θ、交又する連結糸1を観察するためのコース列に沿った切断箇所2、網目構造開口部の緯方向の長さAからなる。
図2は、図1の平面拡大図において、交又する連結糸1を観察するためのコース列に沿った切断箇所2の断面図である。ここで表編地3、裏編地4、交又する連結糸1、表編地3又は裏編地4と2本の交又する連結糸1で形成された2つの三角形の外角の角度θからなる。
図2の一対の2本の連結糸モノフィラメント1が、見掛け上、クロス状(X状)に表裏編地間を連結することにより、特に立体構造編地の緯方向の形態安定性が向上し、洗濯収縮防止効果が高まる。ここで見掛け上クロス状(X状)とは、切断面から見た場合の最前面の2本の交又する連結糸1を無限遠点から平面に投影した投影画の状態であり、2本の交又する連結糸1は必ずしも接触している必要は無い。また交又する連結糸1は一対より多い方が、同様に立体構造編地の緯方向の形態安定性が向上し、洗濯収縮防止効果が高まる。
そして、クロス状に2本の連結糸が交又する場合、洗濯時、特に高温洗濯時に編地緯方向にかかる変形応力に対し高い安定性を発現できる点から、表編地又は裏編地と2本の交又する連結糸で形成された2つの三角形の外角の角度θが30〜100度であることが必要であり、好ましくは40〜90度、より好ましくは50〜80度である。外角の角度θが30度未満の場合、立体構造編地のクッション性が小さくなる。また、100度を越えると、洗濯時、特に高温洗濯時に編地緯方向にかかる変形応力に対し、変形を起こし易くなる。
立体構造編地中の連結糸モノフィラメントの曲率は0.01〜1.6であることが好ましく、より好ましくは0.03〜1.0、最も好ましくは0.05〜0.7である。
図3は、表編地3、裏編地4、交又する連結糸1からなる立体構造編地の断面において、連結糸モノフィラメントの中心線5及び曲率半径rを示したものである。連結糸モノフィラメントの曲率とは、立体構造編地中でモノフィラメントが湾曲した部分におけるモノフィラメントの中心線1でできる円弧の曲率半径rの逆数1/rのことをいう。連結糸モノフィラメントの曲率が0.01未満であると、洗濯時に表面編地と裏面編地が立体構造編地の長さ方向(ウエール列に沿った方向)にずれるせん断変形が生じやすく、また厚み方向の圧縮回復時のヒステリシスロスが大きく弾力感のないクッション性となる場合がある。また、繰り返し圧縮によりその傾向がさらに増長する。連結糸モノフィラメントの曲率が1.6を越えると、洗濯時のせん断変形は生じ難いが、同様に弾力感のないクッション性となる場合がある。
本発明の立体構造編地の編地緯方向の10%圧縮変形時の応力が0.2〜3N/2cm巾であることが特に重要であり、好ましくは0.3〜2N/2cm巾、より好ましくは0.5〜1.5Nである。10%圧縮変形時の応力が0.2N/2cm巾未満の場合、洗濯時、特に高温洗濯時に大きな変形を起こし易く、洗濯収縮防止効果は低い。一方、3N/2cm巾を越えると、洗濯収縮防止効果は高くなるが、立体構造編地に柔軟性が全く無くなり、取扱性が非常に劣るものとなる。
図1の網目構造開口部の緯方向の長さAと厚みDの比A/Dが0.5<A/D<3であることが好ましく、より好ましくは0.7〜2.5、最も好ましくは0.95〜2である。ここで、網目構造開口部の緯方向の長さAはハニカム形状の場合、図1上での網目構造開口部を構成するニットループで出来た経方向の相対する辺の中心線間の垂直距離を指す。また4角形状の場合、ニットループでできた4角形の緯方向の対角線距離を指す。この比が0.5未満の場合、クッション性は高くなるが、クロス連結モノフィラメント糸が交又してなる角度が大きくなり洗濯時の収縮が大きくなる場合があり、3を越えると、厚みに対し網目構造開口部が大きすぎるため、網目構造形状が不安定となり同様に洗濯時に収縮が大きくなる場合がある。
また、図1で示す編み終わり方向を上にした時の網目開口部の最も上方に位置する内角の角度θが60〜170度であることが好ましく、より好ましくは80〜170度であり、最も好ましくは100〜170度である。この角度が60度未満の場合、洗濯時、特に高温洗濯時に編地緯方向にかかる変形応力に対し、変形を起こし易くなる場合があり、170度を越えるものは実現が困難である。
さらには、表裏編地の少なくともいずれか一方の編地の一部に熱融着繊維が含まれていることが好ましい。洗濯時、特に高温洗濯時に、形状が変形し収縮を起こしやすい網目構造編地の一部に熱融着繊維が含まれると、形状が安定化し有効である。
熱融着繊維とは、熱処理した際に、溶融し密着している同素材又は異素材からなる繊維又はモノフィラメントと接着する繊維を指す。熱融着繊維は、熱処理時に繊維全体又は鞘芯断面形状の鞘部のみが溶融接着するものが挙げられるが、立体構造編地の強度保持及び洗濯時の形状安定性の面から、鞘芯断面形状繊維が好ましい。
鞘芯断面形状繊維とは、繊維断面において芯成分の周りに鞘が形成されたものであり、糸全体の断面形状及び芯成分の断面形状はそれぞれ丸型、三角型、四角型、L型、T型、Y型、W型、八葉型、扁平型、ドッグボーン型等の多角形型が挙げられ、鞘芯複合形状としては、同心鞘芯型、偏芯鞘芯型、海島鞘芯型等が挙げられるが、熱融着繊維の力学強さや弾性特性を十分に発現されるためにも同心鞘芯型であることが好ましい。
鞘成分を構成する樹脂は、熱融着性の低融点の共重合ポリエステル樹脂、共重合ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等が挙げられるが、リサイクル性、洗濯時の接着耐久性、樹脂強度の点から低融点の共重合ポリエステル樹脂が好ましい。
また、高温洗濯時にも接着耐久性が得られるよう、共重合ポリエステル樹脂の融点は100〜160℃、ガラス転移温度が−30〜25℃であることが好ましい。こうした共重合ポリエステル樹脂としては、結晶性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等の熱可塑性飽和ホモポリエステルに、共重合成分としてアジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、トリメリット酸、ε―カプロラクトン等の飽和多価カルボン酸及び/又はエチレングリコール、1,2―プロピレングリコール、1,3―プロピレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,5―ペンタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコールを導入したものが挙げられる。
特にポリエチレンテレフタレートに共重合成分として、アジピン酸、又はエチレングリコール及びジエチレングリコールを適度な比率で導入したものが100〜180℃の融点、―30〜25℃のガラス転移温度を満足しつつ、耐光性、接着性、接着強度も兼ね備えている点で好ましい。分子鎖構造としては、ランダム共重合が好ましいが、エラスチック性を付与するため一部ブロック共重合としてもよい。
芯成分を構成する樹脂としては、リサイクル性、強度、洗濯時の耐水性、鞘成分樹脂との接着性の点からポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。
鞘芯断面形状の熱融着繊維の繊維断面積に占める芯部の面積比は40%以上であることが好ましい。芯部の面積比が40%未満であると、熱接着性には優れるが、繊維繊度と鞘部厚みとのバランスにもよるが低強度の鞘成分比が高くなるため、実質的に熱融着繊維の強度が低下することがある。
熱融着繊維の繊維繊度は、熱融着後の繊維強度及び接着耐久性の点から50〜1000dtex、単糸繊度が0.1〜30dtexの繊度のものが好ましく用いられる。熱融着繊維の繊維破断強度は、洗濯時の耐久性の点から、繊維強度1.5cN/dtex以上、破断伸度が30〜60%であることが好ましい。
本発明の立体構造編地の厚み及び目付は、目的に応じて任意に設定できるが、厚みは2〜30mmが好ましい。厚みが2mm未満であると、クッション性が低下する場合があり、30mmを越えると、形態固定化のための仕上げ加工が難しくなる場合がある。目付は、好ましくは50〜3000g/m2、より好ましくは100〜2000g/m2である。
立体構造編地は、一般的に仕上げ加工時に生機から幅出ししながら熱処理を行い形態安定化を図るが、従来は仕上げ加工時に本発明の立体構造編地のような構造規定を行なわずに熱処理を行っていたため、仕上げ加工後の立体構造編地はJIS−L0217法家庭用洗濯機法に記載されているような低温洗濯時には何ら洗濯収縮は問題無かったが、医療法に記載のあるような80℃以上の高温洗濯時には非常に大きな洗濯収縮となり問題となっていた。それ故、本発明を達成するためには、立体構造編地の仕上げ加工時の熱処理方法が特に重要である。
熱処理方法としては、洗濯時、特に高温洗濯時の形状安定性を保つため、本発明の立体構造編地となるようオーバーフィード率、幅出し率、熱処理温度を調整しながら熱処理を行なうのが好ましい。
熱処理には、シリンダ乾燥機、過熱蒸気乾燥機、サクションドラム乾燥機、ループドライヤー、ショートループドライヤー、ピンテンタードライヤー、クリップテンタードライヤー、ノンタッチドライヤー等の一般的な乾燥機の使用が挙げられるが、オーバーフィード率、幅出し率、熱処理温度の調整の面から、ピンテンタードライヤー又はクリップテンタードライヤーを使用するのが好ましい。
到達する熱処理温度は160〜210℃が好ましい。160℃未満では、熱処理による形態固定化効果が少なく、高温洗濯時の洗濯収縮が大きくなり、210℃を越えると、形態固定化効果は高いが、連結糸モノフィラメント及び表裏編地使用原糸が硬くなり、編地強度が低下すると共にクッション性が低下する。
ヒートセット時間は1〜5分が好ましい。ヒートセット時間が1分未満では、熱処理温度同様、形態固定化効果が少なく、高温洗濯時の洗濯収縮が大きくなり、5分を越えると、形態固定化効果は高いが、連結糸モノフィラメントが硬く、クッション性が劣ったり、繊維強度が大きく低下して長期使用時に破れが発生する場合がある。
この熱処理の際には、熱処理前の生機、精練上がり又は染色上がりの立体構造編地を、生機を基準として引張率をオ−バーフィード率が8〜30%、幅出し率が30〜160%となるよう変化させることが好ましい。表裏編地両面に網目構造開口部がある場合は、幅出し率が90%以上となるようにすることによって、表編地又は裏編地と2本の交又する連結糸で形成された2つの三角形の外角の角度θが小さくなり、編み終わり方向を上にした時の網目開口部の最も上方に位置する内角の角度θが大きくなるため、高温洗濯時の収縮が小さくなるので好ましい。
ここで引張率(%)は、下記式で表される。
引張率(%)=(熱処理後の長さ/熱処理前の生機の長さ−1)×100
この引張率は、連結糸をクロス状(X状)又はトラス状にして立体構造編地の形態安定性を向上させるために重要である。
さらに熱処理工程前に、シリコーン系仕上げ剤を付与すると、繊維間の摩擦力を低減したり、ストレッチ性を付与し高温洗濯時の形態安定性を向上できるので好ましい。シリコーン系仕上げ剤としては、アミノ変性シリコーン、ジメチルシリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。洗濯耐久性及び高温洗濯時の形態安定性をより向上させることができる点でアミノ変性シリコーンが好ましい。付与量としては、繊維重量に対して0.1〜3wt%であることが形態安定性向上の点で好ましい。付与方法としては、Dip−Nip(いわゆる浸漬脱液)法、キスロール付与法、グラビアロール付与法、スプレー付与法、フォーム式付与法等が挙げられる。連結糸に十分シリコーン系仕上げ剤が付与できる点でDip−Nip法が好ましい。
本発明の寝具クッションは、本発明の立体構造編地が1枚又は複数枚積層されていることが好ましい。ここでいう寝具クッションとは、本発明の立体構造編地を1枚又は複数枚積層し、縁部を袋状に布帛で覆い縫製したものである。寝具クッション材の形状は、特に限定されないが、ベッドや布団に使用する場合、一般的な長方形のシングルサイズ、セミダブルサイズ、ダブルサイズが好ましい。
厚みは、立体構造編地の厚みとの関係で適宜変更でき、1枚又は複数枚積層し、2〜200mmの厚みとすることができる。縁部を袋状に覆い縫製する布帛としては、立体構造編地の連結糸モノフィラメントの突き抜けがないような織物、編物等が挙げられ、樹脂コーティングが無い場合は高密度であることが好ましい。高密度でない場合は、ポリウレタン樹脂やポリアクリル樹脂等の合成樹脂をコーティングしていることが好ましい。
使用される繊維素材は限定されるものではなく、合成繊維、再生セルロース繊維、天然繊維或いはそれらを複合した繊維であってもよい。好ましくは高温時の洗濯時にも変化が少ない合成繊維、又は合成繊維が混繊され洗濯時寸法安定性に優れた布帛が好ましい。
寝具クッションは、厚みが2〜30mmのように薄い場合は、夏場の蒸れ感を解消するベッドや布団上に置き使用するベッドパッドとして、厚みがそれ以上の場合は、マットとして使用することができる。特に本発明の寝具クッションは、蒸れ解消だけでなく、洗濯時の速乾性や床ずれ防止効果も発現される。
本発明の立体構造編地は、寝具クッション以外に、自動車、電車、汽車等の車両用、旅客機等の航空機用、チャイルドシート、ベビーカー、家具、こと務用等の座席用クッション材、枕、座布団等のクッション材、衣料用パッド等のスペーサー、リュック、ランドセル等のクッション材、保型材、緩衝材、保温材、生鮮食品の下敷き、シューズ用アッパー材、中敷材、サポーター、プロテクター等にも好適に用いられる。
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
本発明に用いられる測定法は、以下のとおりである。
(1)表編地又は裏編地と2本の交又する連結糸で形成された2つの三角形の外角の角度θ
立体構造編地を目曲がりや傷等の無い箇所から、経緯方向に沿って経3cm、緯5cmにサンプリングする。さらに、交又する連結糸1が切断面から見えるように図1のようにカットする。次に切断面の交又する連結糸1を切断面に対し垂直方向からカメラで接写し、接写写真上で切断面に最も近い交又する2本の連結糸1が交又して形成される角度の内、図2に示す表編地3又は裏編地4と2本の交又する連結糸1で形成された2つの三角形の外角の角度θを分度器で測定する。この操作を5回繰り返し、得られた角度の平均値を表編地3又は裏編地4と2本の交又する連結糸で形成された2つの三角形の外角の角度θとする。
(2)編地緯方向の10%圧縮変形時の応力(N/2cm巾)
立体構造編地を目曲がりや傷等の無い箇所から、経緯方向に沿って経2cm、緯5cmにサンプリングする。
次に、島津オートグラフAG−B型((株)島津製作所製)を用い、立体構造編地の厚みを保ったまま圧縮できるようにセットする。
ここで、図4及び図5はサンプルの冶具への装着状態を示し、図4は立体構造編地6と両端の同厚みのゴムスペーサー9を粘着テープ8で巻きつけ固定したものを掴み冶具7で挟み込んだ状態の本発明の立体構造編地の断面図であり、図5は同サンプル装着状態の平面図(透視)である。
そして、10mm/minの速度で掴み間隔の30%、つまり3mmになるまで圧縮し、直ぐに10mm/minの速度で開放する。この際、得られる変位−荷重曲線のうち、行き(圧縮)の曲線の立ち上がり部分の掴み間隔の10%、つまり1mm圧縮された時の荷重を読み取る。この操作を5回繰返し、得られた荷重の平均値を編地緯方向の10%圧縮変形時の応力(N/2cm巾)とする。
(3)立体構造編地の厚み
接触圧力490Paの厚み測定計(ピーコック(株)製)で10回測定し、平均値を求める。
(4)常温洗濯時洗濯収縮
商業用全自動脱水洗濯機(エレクトロラックス・ジャパン(株)製、W3130H(登録商標))を用い、水温30℃で本洗い25分、脱水3分、水温30℃ですすぎ6分、脱水7分の連続操作を行った後、室温20℃、相対湿度65%の調湿環境下で水平な状態で平干し乾燥を行う。この洗濯から乾燥までの一連の操作を10回繰返した後の立体構造編地の緯方向の洗濯収縮率(%)を測定する。
洗濯収縮率(%)={1−(洗濯乾燥後の調湿環境下での長さ/洗濯乾燥前の調湿環境下での長さ)}×100
(5)高温洗濯時洗濯収縮
商業用全自動脱水洗濯機(エレクトロラックス・ジャパン(株)製、W3130H(登録商標))を用い、水温80℃で本洗い25分、脱水3分、水温30℃ですすぎ6分、脱水7分の連続操作を行った後、タンブラー型乾燥機で80℃で50分乾燥を行い、その後室温20℃、相対湿度65%の調湿環境下で1時間水平な状態で放置する。この洗濯から乾燥、放置までの一連の操作を10回繰返した後の立体構造編地の緯方向の洗濯収縮率(%)を測定する。
洗濯収縮率(%)={1−(洗濯乾燥後の調湿環境下での長さ/洗濯乾燥前の調湿環境下での長さ)}×100
(6)クッション性
室温20℃、相対湿度65%の環境下で、体重65kgの男性が、座った瞬間(立体構造編地に接した瞬間)の弾力感を官能評価により、以下にの基準により評価する。
◎:適度な弾力感がある
○:適度な弾力感がややある
△:適度な弾力感がやや少ない
×:適度な弾力感が少ない
[実施例1]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッシェル機を用い、編地の連結部を形成する筬(L3、L4)に連結糸として140dtexのポリエチレンテレフタレートモノフィラメント糸を供給する。表側の編地を形成する筬(L1、L2)に表編地用糸として、168dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント糸を、裏側の編地を形成する筬(L5、L6)に裏編地用糸として168dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント糸を、L1、L3、L5のガイドに1イン1アウト、L2、L4、L6のガイドに1アウト1インの配列で供給して、打ち込み27コース/イン次いで、以下に示す編組織の表裏疎な網目構造の立体構造編物を得た。
次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率22%、幅出し率124%となるように熱処理(190℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表1に示す。
(編組織)
L1:2322/2122/2322/2122/2322/2111/1011/
1211/1011/1211/1011/1222/(1イン1アウト)
L2:1011/1211/1011/1211/1011/1222/2322/
2122/2322/2122/2322/2111/(1アウト1イン)
L3:2121/2323/2121/4545/2121/2323/3434/
3232/3434/1010/3434/3232/(1イン1アウト)
L4:3434/3232/3434/1010/3434/3232/2121/
2323/2121/4545/2121/2323/(1アウト1イン)
L5:2223/2221/2223/2221/2223/2221/1110/
1112/1110/1112/1110/1112/(1イン1アウト)
L6:1110/1112/1110/1112/1110/1112/2223/
2221/2223/2221/2223/2221/(1アウト1イン)
[実施例2]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間6.5mmのダブルラッシェル機を用い、編地の連結部を形成する筬(L3、L4)に連結糸として140dtexのポリエチレンテレフタレートモノフィラメント糸を供給した。表側の編地を形成する筬(L1、L2)に表編地用糸として、168dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント糸を、裏側の編地を形成する筬(L5、L6)に裏編地用糸として168dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント糸を、L1、L3、L5のガイドに1イン1アウト、L2、L4、L6のガイドに1アウト1インの配列で供給して、打ち込み27コース/イン次いで、以下に示す編組織の表裏疎な網目構造の立体構造編物を得た。
次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率25%、幅出し率110%となるように熱処理(190℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表1に示す。
(編組織)
L1:2322/2122/2322/2122/2322/2111/1011/
1211/1011/1211/1011/1222/(1イン1アウト)
L2:1011/1211/1011/1211/1011/1222/2322/
2122/2322/2122/2322/2111/(1アウト1イン)
L3:3434/3232/3434/1010/3434/1010/2121/
2323/2121/4545/2121/4545/(1イン1アウト)
L4:2121/2323/2121/4545/2121/4545/3434/
3232/3434/1010/3434/1010/(1アウト1イン)
L5:2223/2221/2223/2221/2223/2221/1110/
1112/1110/1112/1110/1112/(1イン1アウト)
L6:1110/1112/1110/1112/1110/1112/2223/
2221/2223/2221/2223/2221/(1アウト1イン)
[実施例3]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッシェル機を用い、編地の連結部を形成する筬(L3、L4)に連結糸として140dtexのポリエチレンテレフタレートモノフィラメント糸を供給した。表側の編地を形成する筬(L2)に表編地用糸として168dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント糸を、裏側の編地を形成する筬(L5、L6)に裏編地用糸として168dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント糸をL2のガイドにオールイン、L3,L5のガイドに1イン1アウト、L4、L5のガイドに1アウト1インの配列で供給した。打ち込み20コース/イン次いで、以下に示す編組織の表が密な網目構造で、裏が疎な網目構造の立体構造編地を得た。
次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率17%、幅出し率50%となるように熱処理(190℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表1に示す。
(編組織)
L1:未使用
L2:1211/1011/(オールイン)
L3:2334/4332/2334/4310/0134/4332/2321/
2123/2321/2145/4521/2123/(1イン1アウト)
L4:2321/2123/2321/2145/4521/2123/2334/
4332/2334/4310/0134/4332/(1アウト1イン)
L5:2223/2221/2223/2221/2223/2221/1110/
1112/1110/1112/1110/1112/(1イン1アウト)
L6:1110/1112/1110/1112/1110/1112/2223/
2221/2223/2221/2223/2221/(1アウト1イン)
[実施例4]
実施例1において、表編地用糸として、168dtex/48fの鞘が融点120℃のアジピン酸共重合の共重合ポリエチレンテレフタレート、芯がポリエチレンテレフタレート、芯部面積比が65%である鞘芯構造の熱融着ポリエステルマルチフィラメント糸を用いた以外は同様の方法で、表裏疎な網目構造の立体構造編地を得た。
次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率21%、幅出し率122%となるように熱処理(190℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表1に示す。
[実施例5]
実施例2において、表編地用糸として、実施例4使用と同様の168dtex/48fの鞘が融点120℃のアジピン酸共重合の共重合ポリエチレンテレフタレート、芯がポリエチレンテレフタレート、芯部面積比が65%である鞘芯構造の熱融着ポリエステルマルチフィラメント糸を用いた以外は同様の方法で、表裏疎な網目構造の立体構造編地を得た。
次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率23%、幅出し率108%となるように熱処理(190℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表1に示す。
[実施例6]
実施例3において、表編地用糸として、実施例4使用と同様の168dtex/48fの鞘が融点120℃のアジピン酸共重合の共重合ポリエチレンテレフタレート、芯がポリエチレンテレフタレート、芯部面積比が65%である鞘芯構造の熱融着ポリエステルマルチフィラメント糸を用いた以外は同様の方法で、編組織の表が密な網目構造で、裏が疎な網目構造の立体構造編地を得た。
次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率17%、幅出し率51%となるように熱処理(190℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表1に示す。
[実施例7]
実施例2において、連結糸として、140dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸を用いた以外は同様の方法で、表裏疎な網目構造の立体構造編地を得た。次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率24%、幅出し率109%となるように熱処理(190℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表1に示す。
[実施例8]
実施例5において、連結糸として、140dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸を用いた以外は同様の方法で、表裏網目構造の立体構造編地を得た。次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率22%、幅出し率109%となるように熱処理(190℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、連結糸として、140dtexのナイロン6モノフィラメント糸を用いた以外は同様の方法で、表裏網目構造の立体構造編地を得た。次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率6%、幅出し率25%となるように熱処理(180℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表2に示す。本立体構造編地は手で押した時、せん断ズレの発生する不安定な編地であった。
[比較例2]
実施例2において、連結糸として、140dtexのナイロン6モノフィラメント糸を用いた以外は同様の方法で、表裏網目構造の立体構造編地を得た。次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率5%、幅出し率28%となるように熱処理(180℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表2に示す。本立体構造編地は手で押した時、せん断ズレの発生する不安定な編地であった。
[比較例3]
実施例2において、連結糸として、140dtexのナイロン6モノフィラメント糸を用いた以外は同様の方法で、表裏網目構造の立体構造編地を得た。次いで、本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率3%、幅出し率10%となるように熱処理(180℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表2に示す。本立体構造編地は手で押した時、せん断ズレの発生する不安定な編地であった。
[比較例4]
実施例1と同様の方法で作成した本立体構造編地を75℃で精練後、生機を基準としてオーバーフィード率6%、幅出し率28%となるように熱処理(180℃×2分)し、表裏網目構造の立体構造編地を得た。得られた立体構造編地の構造及び物性を表2に示す。本立体構造編地は手で押した時、せん断ズレの発生する不安定な編地であった。
Figure 2005179808
Figure 2005179808
本発明の立体構造編地は、洗濯時、特に高温洗濯時の収縮防止効果に優れ、かつ良好なクッション性を有するため、医療分野やリネン分野で、高温洗濯処理が必要とされる長期間使用する老人用又は病院用の床ずれ予防用寝具、療養型寝具、ホテル用寝具等の用途に好適に利用できる。
本発明の立体構造編地の網目構造開口部の拡大図。 図1のコース列に沿った切断面の平面拡大図。 本発明の立体構造編地の連結糸モノフィラメントの中心線と曲率半径を示す図。 編地緯方向の10%圧縮変形時の応力測定時のサンプルの掴み冶具への装着状態の側面図。 図3のサンプル装着状態の平面図(透視)。

Claims (4)

  1. 表裏面二層の編地と、該二層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸から構成された立体構造編地であって、表裏編地の両面が網目構造であって、該連結糸の少なくとも一対の2本の連結糸が表裏編地の相対するコース上の編目から隣接したウェール列のコース上の編目を互いに斜めに交又して連結した構造をとっており、その2本の連結糸が交又して形成される角度の内、表編地又は裏編地と2本の交又する連結糸で形成された2つの三角形の外角の角度θが30〜100度の範囲であり、編地緯方向の10%圧縮変形時の応力が0.2〜3N/2cm巾であることを特徴とする立体構造編地。
  2. 表裏編地の網目構造の少なくとも一方の網目構造開口部の緯方向の長さAと厚みDの比A/Dが0.5<A/D<3であり、編み終わり方向を上にした時の網目開口部の最も上方に位置する内角の角度θが60〜170度であり、更に連結糸が30〜1000dtexのポリエステル系モノフィラメントからなることを特徴とする請求項1記載の立体構造編地。
  3. 表裏編地の少なくともいずれか一方の編地の一部に熱融着繊維が含まれていることを特徴とする請求項1又は2記載の立体構造編地。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の立体構造編地が1枚又は複数枚積層されていることを特徴とする寝具クッション。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008150724A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Toray Ind Inc 布帛
JP2010246647A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Toshihiro Niwa
JP2020165020A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 ユニチカ株式会社 リュックサック用素材および同素材を用いたリュックサック

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