JP4557369B2 - 表面実装型ノイズ抑制素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は表面実装型ノイズ抑制素子に係り、特にノイズ抑制素子内部にリードを通すことによって、ノイズを抑制する表面実装型ノイズ抑制素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器等の安定化電源として小型、軽量化が可能なスイッチング電源が多用されている。このようなスイッチング電源においては、スイッチング周波数を基本周波数とする高周波ノイズ等が発生するため、ノイズ対策が重要な課題となっている。
【0003】
上記したノイズ対策の一つとして、例えばノイズ抑制素子が挙げられる。このノイズ抑制素子には、フェライト等の磁性材料からなる環状磁心にリードを複数回巻きつけたものや、円筒形の磁心にリードを挿入するもの等がある。
【0004】
円筒形の磁心にリードを挿入するものとしては、図9に示されるように、円筒形のケース4に、円筒形の磁心8を挿入し、キャップ9等で固定するものがある。このように構成されたノイズ抑制素子の中心軸部分12にリードを挿入することによって、リードに発生したノイズを抑制することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のノイズ抑制素子は、キャップの一方の先端部を円筒形磁心の内部に挿入することにより磁心を固定する構造となっている。このため、コアを挿入する際やキャップを設置する際に、ケースの内筒部やキャップの先端部が円筒形磁心の内壁部分と接触し、磁心の内壁部分を破損することがある。このように磁心が破損すると、磁心の特性が変化し十分なノイズ抑制効果が得られないことがある。
【0006】
さらに、従来の構造を有するノイズ抑制素子では、キャップ側からリードを挿入する際、ケースの内部でリードの先端がケースの中心軸からはずれ、リードがケースに設けられている穴に正確に入らないことがある。このため、リードの挿入には高い技術と時間が必要となっている。また、リードが穴に正確に入らずにケースの内壁等に接触することにより、リード自身あるいはケースの内壁等が損傷することがあり、製品の歩留まりが低くなることがある。
【0007】
本発明は上記したような問題を解決するためになされたものであって、磁心の損傷が抑制され、品質の安定した表面実装型ノイズ抑制素子を提供することを目的としている。また、本発明はリードの挿入が容易で、リード挿入の際のリードおよび磁心の損傷を抑制することのできる表面実装型ノイズ抑制素子を提供することを目的としている。
【0008】
さらに、本発明は作製中の磁心の破損を抑制し、品質の安定した製品を、歩留まり良く作製する方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子は、外筒部及び内筒部からなり、前記外筒部と前記内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部と、前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入されたコア部と、中心部に孔を有し、前記開放部に挿入されたキャップ部とからなるものであって、前記外筒部および前記内筒部の軸長が前記コア部の軸長よりも長く、かつ前記キャップ部が前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入され、前記外筒部の開放部側の端部が中心軸方向へ曲げられていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子に用いられる前記コア部は、主として磁性材料からなるものであることが好ましい。
【0014】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法は、外筒部及び内筒部からなり、前記外筒部と前記内筒部の一端が封止され、他端に開放部を有し、前記外筒部および前記内筒部の軸長が挿入されるコア部の軸長よりも長いケース部を作製する工程と、前記開放部側から前記外筒部と前記内筒部との間隙に前記コア部を挿入する工程と、前記開放部側から前記外筒部と前記内筒部との間隙に中心部に孔を有するキャップ部を挿入した後、前記外筒部の開放部側の端部を中心軸方向へ曲げる工程とを有することを特徴とするものである。また、前記キャップ部は前記外筒部と前記内筒部との間隙に嵌合により固定されるものであってもよい。
【0015】
前記外筒部の軸長は、前記内筒部の軸長よりも長いものであることが好ましい。
【0017】
前記外筒部と前記内筒部との間に挿入される前記コア部は、主として磁性材料からなるものとすることが好ましい。
【0018】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子は、外筒部と内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部と、前記開放部側より挿入されたコア部と、さらに前記開放部に嵌め込まれたキャップ部とを具備することで、キャップ装着時のコア部の破損を抑制し、特性に優れた表面実装型ノイズ抑制素子とすることが可能となる。また、このような本発明の表面実装型ノイズ抑制素子は、製造工程を従来に比較して少なくすることが可能であり、容易に作製することが可能となる。
【0019】
外筒部の軸長をコア部の軸長よりも長くすることによって、キャップ部を外筒部内側に容易に装着することが可能となる。また、内筒部の軸長をコア部の軸長よりも長くすることによって、キャップ部を外筒部と内筒部の間に装着することも可能となる。さらに、外筒部の開放部側の端部を中心軸方向へ曲げることによってキャップ部を固定することにより、容易かつ確実にキャップ部を固定することが可能となる。また、リードを設けることにより、表面実装を容易にすることが可能となる。
【0020】
このような本発明の表面実装型ノイズ抑制素子においては、主として磁性材料からなるコア部を用いることによって、効率的にノイズを抑制することが可能となる。
【0021】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法は、外筒部及び内筒部からなり、外筒部と内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部に、開放部側からコア部を挿入し、さらに開放部にキャップ部を嵌め込むことで、作製時のコア部の破損を抑制するとともに、キャップ部の装着を容易に行うことが可能となる。
【0022】
外筒部の軸長をコア部の軸長よりも長くすることによって、キャップ部を外筒部内側に容易に装着することが可能となる。また、内筒部の軸長をコア部の軸長よりも長くすることによって、キャップ部を外筒部と内筒部の間に装着することも可能となる。さらに、キャップ部を装着後、外筒部の開放部側の端部を中心軸方向へ曲げることにより、キャップ部を容易かつ確実に固定することが可能となる。
【0023】
このような本発明の表面実装型ノイズ抑制素子においては、主として磁性材料からなるコア部を用いることによって、効率的にノイズを抑制することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子について詳説する。
【0025】
図1は本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した外観図である。
【0026】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子1は、例えば円筒形等の形状をしており、基板2上に基板平面と軸方向が平行になるように設置される。また、内部には、軸方向と平行にリード3が挿入されて、リード3に発生するノイズを抑制するものである。本発明の表面実装型ノイズ抑制素子1は、例えば表面実装型ノイズ抑制素子1から出たリード3を基板方向に曲げ、さらに基板に接する個所でさらに基板と平行にリード3を曲げ、リード3を基板に固定することによって、基板上に設置することができる。なお、図1では円筒形形状の例を示したが、例えば四角柱状であってもよい。四角柱などの多角形状の場合、インダクタンス素子の側面に平面ができることから表面実装を行う際の吸着移動や基板に配置する際に転がり難い等の利点がある。
【0027】
図2は、本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した断面図である。
【0028】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子1のケース部4は、外筒部5および内筒部6からなり、外筒部5と内筒部6は一端が封止された封止部7を有し、他端は封止されていない開放部を有している。コア部8は外筒部5および内筒部6の間隙に挿入されている。さらに、キャップ部9は、開放部に挿入され、コア部の脱落を防止する等の効果を有する。このようにコア部8を外筒部5と内筒部6とで挟みこむことで、コア部8を確実に固定することが可能となる。また、コア部8は内筒部6で保護されるため、リードを表面実装型ノイズ抑制素子1に挿入する際に、リードがコア部8を傷つけることを抑制することが可能となる。さらに、リード挿入の際、リードが内筒部6内側によって案内されるので、容易にリードを通すことが可能となる。
【0029】
このような本発明の表面実装型ノイズ抑制素子1においては、外筒部5の長さはコア部8よりも長くしておくことで、キャップ部9を外筒部5内部に嵌め込むことができる。さらに、外筒部5は、コア部8とキャップ部9を足した長さよりもわずかに長くしておくことで、中心軸方向へ折り曲げることが可能となり、キャップ部9を確実に固定することができる。内筒部6は、コア部8と同じ長さ、あるいは僅かに長くしておくことで、コア部8とリードの接触を防ぎ、コア部8の損傷を抑制することが可能となる。
【0030】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子1におけるケース部4は、成型のしやすさやコア部の保護の点から、例えば絶縁性樹脂、絶縁性セラミックス等からなるものであることが好ましい。また、キャップ部も絶縁性樹脂、絶縁性セラミックス等からなるものであることが好ましい。特に、ケース部およびキャップ部を絶縁性樹脂である液晶ポリマーで形成することが好ましく、液晶ポリマーは耐熱性に優れることから表面実装時に行われるリフロー工程(ろう付け工程)中の約150〜200℃程度の高温中においても型崩れ等の不具合を示さないですむ。コア部は磁性材料であることが好ましい。磁性材料としては、例えばフェライト、アモルファス等を用いることが好ましい。これらの材料を用いることによって、ノイズを効率的に抑制することが可能となる。特に、アモルファス合金はフェライトと比較して磁気特性に優れていることから本発明のノイズ抑制素子に好適である。一般にアモルファス合金は単ロール法等の急冷ロール法により板厚30μm以下の磁性薄帯として作製される。この磁性薄帯は板厚が薄いことから応力に弱く、必要以上に応力をかけると磁性薄帯が破損しやすいが、本発明のノイズ抑制素子においては磁性材料への応力の負荷を低減していることから、特に板厚30μm以下の磁性薄帯を用いたコア部の場合に効果的であると言える。
【0031】
本発明におけるキャップ部9は、外周の角部分10を落としておくことが好ましい。図2に示されるように、角部分10を落としておくことで、角部分10が外筒部内壁に当たりにくくなり、ケース部4への挿嵌を容易に行うことが可能となる。
【0032】
図3は、本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の他の例を示した断面図である。
図3に示される表面実装型ノイズ抑制素子1は、外筒部5および内筒部6からなり、外筒部5と内筒部6は一端が封止された封止部7を有し、他端は封止されていない開放部を有している。ここで、図3に示した表面実装型ノイズ抑制素子1は、内筒部6の軸方向の長さを、コア部8とキャップ部9を合わせた軸方向の長さと同じ、あるいはそれより長くしたものである。このようにすることで、キャップ部9も外筒部5と内筒部6の間隙に挿入することが可能となる。従って、キャップ部9が内筒部6によりリードに直接触れることがなくなるので、リードの損傷を抑制することが可能となる。また、従来のようにキャップの孔が中心軸からずれることにより、リードを挿入する際、キャップにリードがぶつかり挿入が困難になるということを抑制することができる。さらに、キャップ部がコア部に直接的に接触しないようにすることにより、キャップ挿入時の応力およびリード挿入時の応力によりコア部の破損を防止しやすくする。
【0033】
次に、本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法の一例について、図を参照して説明する。
【0034】
図4は表面実装型ノイズ抑制素子において、コア部を収容するケース部4を示した断面図である。ケース部4は外筒部5および内筒部6からなり、外筒部5と内筒部6との間隙(W)は、コア部が収容できる程度の間隙を設けている。外筒部5の高さ(Ho )は、コア部の長さ(Hc )とキャップ部の長さ(Hp )とを 合わせた長さ程度とするのがよい。より好ましくは、コア部の長さ(Hc )とキャップ部の長さ(Hp )とを合わせた長さよりも若干長くすることがよい。このようにすることで、キャップ部を嵌め込んだ後、外筒部6の先端を中心方向に折り曲げて、キャップ部を固定することが可能となる。
【0035】
内筒部6の高さ(Hi )は、コア部の長さ(Hc )と同じもしくはそれ以上でもよいし、コア部とキャップ部を足し合わせた長さ(Hc +Hp )と同じもしくはそれ以上であってもよい。内筒部6の高さ(Hi )をコア部の長さ(Hc )と同じもしくはそれ以上とすることによって、コア部全体を保護することができ、リード挿入時の接触による損傷等を抑制することが可能となる。また、内筒部6の高さ(Hi )をコア部の長さと同じもしくはそれ以上とすることによって、コア部を確実に固定することが可能となる。一方、内筒部の高さ(Hi )を、コア部の長さとキャップ部の長さとを合わせた長さ(Hc +Hp )と同じもしくはそれ以上にすることによって、コア部だけでなくキャップ部も外筒部5と内筒部6との間隙に挿入できるようになり、従来のようにキャップ部の孔が中心軸からずれることにより、リードを挿入する際、キャップ部にリードがぶつかり挿入が困難になるということを抑制することができる。
【0036】
図5はケース部4の外筒部5と内筒部6との間に、コア部8を挿入した状態を示した断面図である。コア部8は外筒部5と内筒部6との間隙の底部まで挿入される。コア部8は間隙に挿入するだけでもよいが、必要に応じて接着剤等で固定することが好ましい。
【0037】
図6はコア部8が収容されたケース部4にキャップ部9を嵌め込んだ状態を示した断面図である。キャップ部9は、例えば外筒部5と内筒部6との間隙に挿入される。キャップ部9の外径は、外筒部5の内径よりも若干大きくすることで、嵌め込み式とすることもでき、作業を簡素化することができる。キャップ部9は、前記したような嵌め込み式に限られず、接着剤等により固定してもよいし、溶着してもよい。また、図7に示されるように、キャップ部9を嵌め込んだ後、外筒部の開放部側の先端11を中心軸方向に折り曲げてキャップ部9を固定してもよい。このようにすることで、より一層キャップ部9の固定を確実に行うことができるようになる。また、キャップ部の固定には、外筒部の内側および/または内筒部の外側に溝を設けることにより嵌合形式としてもよい。
【0038】
このようにして作製された表面実装型ノイズ抑制素子は、例えば図8に示すように、リード3を中心に挿入することによって使用される。本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法によれば、キャップ部がコア部の内径部分に接触することがないので、コア部の破損を抑制することが可能となる。また、コア部がケース部の外筒部と内筒部との間に確実に固定されるので、キャップ取り付け等を容易に行うことができる。さらには、コア部がケース部の内筒部により保護されるので、リード挿入時のコア部の破損を抑制することが可能となる。なお、リードの形状は板状、棒状、線状等、特に限定されるものではなく、必要に応じて様々な形状のものを適用することが可能である。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の実施の形態について、実施例を参照して説明する。
【0040】
実施例1
外筒部及び内筒部からなり、外筒部と内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部を作製した。内筒部の長さはコア部の長さより1mm長くし、外筒部はコア部とキャップ部とを足した長さにキャップ部を固定するための長さを足したものとした。このケース部に板厚20μmのアモルファス薄帯を巻回した円筒形の磁心を開放部側から、外筒部と内筒部との間隙に挿入した。さらに、キャップ部をケース部の開放部に挿入し、図2に示すような高さ5mm×横5mm×縦4mmの四角柱状(高さがリード挿入方向)の表面実装型ノイズ抑制素子を作製した。さらに、外筒部の開放部側の先端を中心軸方向に折り曲げキャップ部を固定した。
【0041】
実施例2
外筒部及び内筒部からなり、外筒部と内筒部が一端で封止され、他端に開放部を有するケース部を作製した。内筒部の長さは、コア部とキャップ部を足した長さとした。外筒部はコア部とキャップ部を足した長さに、キャップ部を固定するための長さを足したものとした。このケース部にアモルファスからなる円筒形の磁心を開放部側から、外筒部と内筒部の間隙に挿入した。さらに、キャップ部をケース部の外筒部と内筒部の間隙に挿入し、図3に示されるような高さ5mm×直径5mmの円柱状(高さがリード挿入方向)の表面実装型ノイズ抑制素子を作製した。さらに、外筒部の開放部側の先端を軸方向に折り曲げキャップ部を固定した。
【0042】
比較例1
一端が封止され、他端が開放されている円筒状のケース部を作製した。なお、封止されている部分にはリードを通すためのリード孔が設けてある。次に、このケース部の開放部側より、アモルファスからなる円筒状のコア部を挿入し、さらにキャップ部を挿入した。なお、キャップ部は一部が、円筒状のコア部の内部に挿入される構造とし、図9に示されるような表面実装型ノイズ抑制素子を作製した。
【0043】
なお、実施例1、2および比較例1において、ケース部に挿入されるコアの形状、材質は同一のものとした。
【0044】
次に、これらの実施例1、2および比較例1について、コア部の破損状況を調べた。これらの結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
本発明の実施例1、2では、いずれもコア部の破損はほとんどなく、歩留まりよく表面実装型ノイズ抑制素子を作製できることがわかった。これに対して、比較例1では、キャップ部が挿入される側のコア部内径部分に破損が多く見られ、歩留まりよく表面実装型ノイズ抑制素子を作製することが困難であることがわかった。これは、キャップ部を挿入する際、キャップ部の中心軸とコア部の中心軸とが正確に揃っていないために、キャップ部挿入時に損傷したものと思われる。
【0046】
次に、これらの実施例1、2および比較例1について、同一の太さのリードをキャップ部側から挿入し、リードの挿入具合を調べた。さらに、リードを実際の回路に接続し、ノイズ除去特性を調べた。これらの結果を表2に示す。なお、結果は実施例1、2および比較例1のそれぞれにつき、100回ずつ行ったときの平均的なものを示した。
【0047】
【表2】
実施例1、2ではいずれもリードの挿入具合は良好であり、ノイズ除去特性についても十分な結果が得られた。特に、実施例2のような、キャップ部を外筒部と内筒部との間隙に挿入したものは、リードを挿入する際の引っかかりがなく、またリード挿入の際に加える圧力もほぼ一定であり、挿入具合が良好であることがわかった。
【0048】
これに対して、比較例1では、リードの挿入時にリードが中心軸からずれて正確にケースの孔の位置に合わず、ケースの内壁にぶつかるなど挿入具合は不良であった。また、リードがケースの内壁に接触するため、リード自身に傷が発生する等、いくつかの問題があることがわかった。さらに、比較例1では、コア部あるいはリードの損傷により、ノイズ除去特性が低くなることもわかった。
【0049】
以上の結果より、本発明の表面実装型ノイズ抑制素子は、リード挿入性に優れるものであるとともに、ノイズ除去特性に優れるものであることが確認された。
【0050】
【発明の効果】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子は、リード挿入性に優れるとともに、ノイズ除去特性に優れるものである。
【0051】
また、本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法は、製造が容易であるとともに、製造の際のコア部の損傷を抑制し、特性の安定した表面実装型ノイズ抑制素子の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した外観図。
【図2】 本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した断面図。
【図3】 本発明の表面実装型ノイズ抑制素子の他の例を示した断面図。
【図4】 本発明の表面実装型ノイズ抑制素子のケース部の一例を示した断面図。
【図5】 ケース部にコア部を挿入した場合の一例を示した断面図。
【図6】 キャップ部を装着した場合の一例を示した断面図。
【図7】 外筒部先端を中心軸方向へ折り曲げた場合の一例を示した断面図。
【図8】 本発明の表面実装型ノイズ抑制素子にリードを挿入した場合の一例を示した断面図。
【図9】 従来の表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した断面図。
【符号の説明】
1……表面実装型ノイズ抑制素子
3……リード
4……ケース部
5……外筒部
6……内筒部
7……封止部
8……コア部
9……キャップ部
Claims (10)
- 外筒部及び内筒部からなり、前記外筒部と前記内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部と、
前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入されたコア部と、
中心部に孔を有し、前記開放部に挿入されたキャップ部と
からなる表面実装型ノイズ抑制素子であって、
前記外筒部および前記内筒部の軸長が前記コア部の軸長よりも長く、かつ前記キャップ部が前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入され、前記外筒部の開放部側の端部が中心軸方向へ曲げられていることを特徴とする表面実装型ノイズ抑制素子。 - 前記コア部は主として磁性材料からなることを特徴とする請求項1記載の表面実装型ノイズ抑制素子。
- 前記キャップ部の孔および前記内筒部内部にリードが挿入されていることを特徴とする請求項1または2記載の表面実装型ノイズ抑制素子。
- 前記キャップ部と前記リードとが直接接触していないことを特徴とする請求項3記載の表面実装型ノイズ抑制素子。
- 前記コア部はアモルファス薄帯からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の表面実装型ノイズ抑制素子。
- 外筒部及び内筒部からなり、前記外筒部と前記内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有し、前記外筒部および前記内筒部の軸長が挿入されるコア部の軸長よりも長いケース部を作製する工程と、
前記開放部側から前記外筒部と前記内筒部との間隙に前記コア部を挿入する工程と、
前記開放部側から前記外筒部と前記内筒部との間隙に中心部に孔を有するキャップ部を挿入した後、前記外筒部の開放部側の端部を中心軸方向へ曲げる工程と
を有することを特徴とする表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法。 - 前記コア部は主として磁性材料からなることを特徴とする請求項6記載の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法。
- 前記キャップ部の孔および前記内筒部内部にリードを挿入することを特徴とする請求項6または7記載の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法。
- 前記キャップ部と前記リードとが直接接触していないことを特徴とする請求項8記載の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法。
- 前記コア部はアモルファス薄帯からなることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法。
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