以下、この発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
大量の米飯を供給する食堂等において使用される洗米炊飯装置の正面図を図1に、その側面図を図2に、また側面断面図を図3に示す。
コ型又は角筒材を縦横に枠組みする支持部材1は、下部にキャスタを備えた長方形状の台枠1aと、所定幅及び所定高さの左右支柱1b,1bと、左右支柱1b,1b間に支架した複数の横桟1c,1c…により構成されている。この支持部材1には貯米タンクや洗米タンクなどを支持する構成である。
上記支持部材1には各機材を装着すべく平板状の仕切り部材3を設け、その上部に貯米タンク4を設け、この貯米タンク4の下方には洗米タンク5を設け、洗米タンク5の下方には、引き出し式の架台9を備え適宜の容器6を配置できる構成である。
貯米タンク4は、断面方形状の上部の主タンク4aと、下部の漏斗状ホッパ部4bとからなり、このホッパ部4bの下端部に計量ドラムケース10が取り付けられている。該計量ドラムケース10内には、円筒状で切欠き部11を形成したドラム部11aと、前後の側壁部12a,12bとからなる計量ドラム13を設け、該前後の側壁部12a,12bを貫通すべく横軸14によって回転自在にドラムケース10に支持している。またこの軸14を直接連動すべくドラムケース10の後面側にモータ15を装着し、貯米タンク4から切欠き部11を介して計量ドラム13に一定量ずつ流下した米が充填され、回転によって切欠き部11位置が下方に反転してドラムケース10に形成した排出口16に至ると計量ドラム13から流下排出される構成である。
前記仕切り部材3には排出口16に対応する開口17を備え、上記計量ドラム13を所定回転数だけ回転させることで、所定量の米を貯米タンク4から洗米タンク5に繰り出すよう構成されている。又、その繰り出し回数をカウントする回転センサ(図示せず)の検出によって所定量を供給できる構成としている。
上記ドラムケース10と漏斗状ホッパ4bとは、一体的に構成され、上部の主タンク4aを取り外した後、このホッパ4bとドラムケース10との一体物は、仕切り部材3から外すことができるよう構成される。即ち、後方側は仕切り部材3に形成したフック状部18にドラムケース10の係合凸状部19を係脱可能に係合部20を設け、前方側にはこれら仕切り部材3とドラムケース10との間に螺子で着脱固定自在の着脱係合ステー21を設け、螺子22を緩めてステー21を螺子部中心に回動することにより、ドラムケース10との係合を解く構成である。ドラムケース10はその下端縁が仕切り部材3の長方形状の開口に嵌合すべく形成されるが、上記の係合ステー21の係合を外してその側を上方にやや持ち上げて上記下端縁の仕切り部材3からの嵌合を解き、前方から手前方向斜めに引き抜くことによって後方側の下端縁の嵌合を解きつつ係合部20の係合から解放できる。
前記貯米タンク2及び計量部は、外方をカバー部材23で覆う構成で、左右側壁及び後側壁は適宜前記仕切り部材3等に固定して設けられ、前側壁23aは例えば正面視右側部を支点として開閉可能な扉形態に構成される。従って、前記貯米タンク2やドラムケース10の点検着脱はこの前側壁23aを解放した状態で行える。なお、24は上方から着脱自在に施蓋する方形の覆板である。
25は、漏斗状ホッパ部4bの一側(図例では前側)に設けた排米用の排出シャッタで、起立姿勢で排米を遮断し、軸支部回りに回動することによって傾斜案内シュート状になり内部の米を排出できる構成としている。
55は前記電動モータ15と連繋して排出口16を開閉動するシャッタで、モータ15の回転をリンク機構56,57を介してシャッタ支軸58部に連結しドラム開口部が排出口16に一致するときシャッタ55開状態となるよう連動構成している。このため、常時はシャッタ55は閉じ姿勢にあり、洗米タンク3における洗米途中での拡散水の飛散を防いで計量ドラム13内の水の浸入を防止している(図9)。
図9は計量ドラム13部の断面図を示し、漏斗状の下部ホッパ4bとドラムケース10との間に米を傾斜案内するガスケット26a,26bを斜設し、計量ドラム13外周とドラムケース10内周との間隔を米の浸入によってもこれを圧砕しない程度の隙間t(例えば約1mm)を有する構成とし、さらに、この隙間tに上部側から米が浸入しても、該浸入米が外部に退避できるように、上記ガスケットのうち、計量ドラム10回転上手側のガスケット26a支持構成を、ドラムケース10延長部10aに対するボルト27及びナット28による固定とするが、さらにナット29を当該延長部10aとガスケット26a保持金具との間に介在する。もってこのナット29による周辺部から米が退避しうる空間が形成でき、不測に米が計量ドラム13とドラムケース10との間隔に浸入しても計量ドラム13の回転に伴い容易に脱出できる。
前記計量ドラム13はモータ15によって一定方向イに回転、停止を繰り返すが、計量ドラム13の停止位置は図9の実線にて示す位置としている。即ち、漏斗状ホッパ4bの側壁に加振手段(図例では後記空気供給用のポンプ66としている)を回転後方側ガスケット26bの存在側近傍の傾斜壁に装着して内部の米流動の促進を図る構成とし、併せて計量ドラム13はその開口端縁が当該加振側ガスケット26bの回転後位にて停止し、他方の開口端縁は非加振側ガスケット26aの前位にて停止するようになして、上記加振手段の振動によって入り込もうとする米を計量ドラム13をもって遮蔽する一方、非加振側では自然に計量ドラム13内に米を送り込むことにより供給量の精度を安定できる。
洗米タンク5は、図3に示すように、天井部に上記ドラムケース10から供給される米を案内する受け筒部31を備え、中間部に円筒状の胴部と、下部にホッパ状部を持つ構成である、洗米タンク3のホッパ状部の下方にジャケット部32を接続し、ホッパ状部とジャケット部32との境界部に米粒を漏下させない程度の開口を持つ網状体からなるフィルタ33を設けている。
洗米タンク5の中心部には鉛直方向の回転軸34を設け、この回転軸34には棒状体を逆L型に折り曲げ成形した複数の攪拌棒35,35…を、これらの上側端部を軸34に溶接等によって取り付ける。回転軸34は洗米モータ36によりベベルギヤ機構37を介して回転され、回転によってタンク内の米と水とを撹拌すべく構成する。
上記回転軸34は中空軸であり、内側の軸38は外側の中空軸34の内部に上下摺動自在に遊嵌されていて、下方に延出するこの軸38の下端に着脱自在に円錐形状の投下弁39を設ける。該軸38の上端を投下弁駆動用モータ40で駆動するカム41、投下アーム90等の連動機構により上下動させて、投下弁39の開閉制御がなされる構成である。投下弁39が開くと、洗米タンク5内の米は下方に待機する容器6中に落下するよう構成する。
上記投下弁39は、上記の軸38に下方側から嵌合装着する構成である。すなわち、円錐状の弁体39aの中央に軸案内部39bを形成し、軸38側には先端側38aを断面小判型に形成すると共に異径部38bを形成し、弁体39a側に固着したプレート39cに小判型開口を形成して、上記軸38側の小判型先端38aが所定の位相角度ではプレート39cの小判型開口に抜き差し自在で所定に挿通して位相角度を変更すると抜けない構成である。弁体39aの側に適宜に固定した左右一対の取付スプリング39dは上記異径部38bを挟持すべく作用して不測の軸の回転を防止して弁体39aの下方への抜け止めを行う構成である。ところで、弁体39aの軸38に対する装着方向は一定であるにもかかわらず、弁体39a側には軸案内部39bの装着孔39eのほか、弁体39a加工上で対抗側にも開口39fが形成されるため、逆組付けの恐れがある。このため図10,11に示すように、非装着側には逆付け防止プレート39gを装着し開口39fを塞いで当該側からの誤組付けを防止している。逆付け防止プレート39gには全く開口のない場合(図10)と、軸38を嵌合できない程度の開口39hとする場合がある(図11)。
42は、洗米タンク5の正面側において、上部の円筒状部からこれに続く円錐状部に亘って開口した点検窓43を覆う点検蓋で、左右の一側と上記円錐状部との間にヒンジ44を設け、他方には所謂パッチン錠形態の固着具45をもって点検蓋42は施蓋状態に維持される。従って、ヒンジ44の開閉支持軸芯ハは、上記円錐状部に沿う傾斜方向となって、開蓋状態では不測に施蓋状に自然復帰せず、常時開蓋姿勢を維持して、点検作業に支障を来たさない。なお、このヒンジ44部に、弾性付勢力による位置規制手段を構成すると、施蓋位置や開蓋位置で固定維持でき、軸芯回りの不測の回動を阻止して一層便利である。さらに、この点検蓋42の内面には、施蓋時点検窓43の周縁に略沿わせて軟質性の弾性体による線状パッキン42aを配置するとともに、点検蓋42の内側面の略全面には硬質性の弾性体による面状パッキン42bが構成されている。従来は上記面状パッキン42bのみで線状パッキン42aが無いために、シール性が悪かったが、この線状パッキン42aが面状パッキン42cに囲われる状態となって保護され、シール性を向上しながら、パッキン42a,b自体の耐久性を増加させることができる。なお、線状パッキン42aは、開口部の全周にあたる部分に点検蓋42と面状パッキン42bとの間で挟み状態で貼付け固定する構成である。なお、図12(2)のように、洗米タンク5の点検窓43の外周縁に沿って線状パッキン42cを設け、点検蓋42側の面状パッキン42dとの関係によっても同様の効果がある。
洗米タンク5への水の供給は水道蛇口に連通する主配水管46、上側給水弁47及び2連の可撓性の上給水管48,48、洗米タンク5の天井部の上部給水口49,49を経由する上側給水ルートと、上記主配水管46から分岐して下側給水弁50、配水管51、下部給水口52からジャケット部32を経由する下側給水ルートの2系統で行われる。なお各給水ルートには流量センサを備えている。
即ち、前記ドラムケース10近傍で仕切り部材3をベースにして、主配水管46に通じる2本の上給水管48,48を配設すると共に、仕切り部材3を貫通状に設ける配水管51には下給水管53を接続している。
洗米タンク3の下部後方には排水箱60が設けられる。排水口61を有した排水箱60は、上端が洗米タンク3の上部側面に開口する開口部62aに接続したオーバーフロー管62の下端部と、一端部が前記ジャケット部32に連通する2本のジャケット排水管63a,63bの他端部とが接続されている。これらジャケット排水管63a,63bからの排水は排水弁64の開閉で行われ、水位弁65で洗米タンク5内の水位を下げながら所定水量に調整する。
常時、排水箱60は排水弁64及び水位弁65で閉鎖されているが、洗米タンク5内の水を排水する場合には、ジャケット部32のフィルタ33から、ジャケット排水管63a,63b、排水弁64及び/または水位弁65、排水箱60及び排水口61を経て排水される。排水弁64及び水位弁65は適宜の開閉出力によって開閉する。また、洗米タンク3内上部には洗米タンク5内の水量を検出する電気接点付きフロートセンサ(図示せず)を備えている。
前記洗米タンク5への水の供給は、洗米タンク5の天井部の上部給水口48を経由する上部給水ルートと、下部給水口51,下給水管53からジャケット部32を経由する下部給水ルートの2系統で行われる構成とするが、下部給水ルートの下給水管52に並列して、ポンプ66に連通して空気を噴出する空気噴出管67を配置し、下部給水ルートの水と並列して空気を併せてジャケット部32内に噴出する構成としており、下部給水管52、空気噴出管67は、それぞれ図13(b)において、ジャケット部32の中心より偏芯した位置に設けられ、空気と水が混合された旋回流が生じやすくしている。
さらに、洗米タンク5での洗米作業時には、洗米タンク5内の回転軸34に設けられている大小の攪拌棒35,35…の回転方向と、下部給水ルートからの水噴出方向及び空気噴出管67からの空気噴出方向を互いに逆方向となるように構成している。
即ち、洗米作業時には、攪拌棒35,35…を、図13(b)に示すように、反時計方向に回転させ、下部給水ルートからの水及び空気噴出管67の空気の噴出方向を時計方向に回転するように噴出させる。すると、洗米タンク5内の特に底部近傍において、米は攪拌棒35,35…による撹拌と共に、空気の噴出により気泡が生じて気泡洗米状態となって、高い洗米効果を得ることができる。
図14において、糠抜き工程イ(T1)、研米・気泡洗米工程ロ(T2〜T4)、荒ゆすぎ工程ハ(T5〜T7)、及び仕上げゆすぎ工程ニ(T8〜T12)の順に洗米処理される。糠抜き工程イは、排水弁64・水位弁65共に開いた状態のまま上側給水弁46によって給水しながら洗米モータ20を駆動状態に置くもので(区間T1)、水をたれ流しながらの攪拌棒35,35…による撹拌を行なうものである。研米・気泡洗米工程ロは、上下の給水を停止したまま、湿潤状態の米を洗米モータ36の駆動によって撹拌する(区間T2,T4)ものである。上記気泡洗米の工程(区間T3)をこの研米工程の途中に組み込んでいる。荒ゆすぎ工程ハは、上側給水弁47の開動作によるたれ流しによる撹拌状態(区間T5)の後、排水弁64・水位弁65共に閉じて上・下側給水弁47,50によって給水しながらポンプ66駆動し空気噴出管67から空気を噴出する上記気泡洗米状態(区間T6)とする。区間T6の後、排水弁64・水位弁65共に開いて洗米モータ36のみ駆動の研米処理を行なう(区間T7)。
最後に仕上げ工程ニは、排水弁64・水位弁65共に閉じて下側給水弁50から給水しながらポンプ66駆動する気泡洗米状態(区間T8)とし、この気泡洗米状態を洗米タンク5が満水となってフロートセンサ(図示せず)がオンするまで継続し、満水となると一旦ポンプ66を停止した洗米に切り換える(T9)ようになし、もって洗米モータ36を停止して洗米を終了する。なお、区間T11は、上側給水弁47を開いて給水する処理を施し、タンク壁面に付着残留する米を洗い流す。後この上側給水を停止して所定時間(区間T12)経過後洗米工程を終了する。
図15には、操作パネル(操作表示装置)70を示している。
操作パネル70には、工程表示部72、予約スイッチ73、設定スイッチ群74、スタートスイッチ75、ヘルプスイッチ76等が配置され、下方には液晶表示画面77を備えている。上記工程表示部72には米の計量、洗米及び浸し(浸漬)からなる洗米タンク側工程、及び容器準備、浸漬、洗米完了の容器側工程を夫々表記し、現在どの工程を実行中であるかを各工程表示部毎に設けたLED78,78…を点灯して識別できるようにし、正常な運転状態では緑色、異常時に赤色の2色に発光するようにして、運転状態を容易に認識できるようにしている。
上記設定スイッチ群74は、上下左右に「UP(+)」「DOWN(−)」及び「送り」の各スイッチを配設してなり、詳細な設定方法は省略するが、主な洗米量設定、水加減調整、浸漬時間設定等を行なえる構成である。また、上記洗米タンク側工程の表記部近傍には投下スイッチ68、および容器側工程の表記部近傍には洗浄スイッチ69を配設している。このうち投下スイッチ68は、前記投下弁駆動モータ40を起動して前記投下弁39を下降させる構成である。オペレータは投下弁39やジャケット部32の分解によって清掃メンテを行うことができる。洗浄スイッチ69は、以下のような洗米タンク5が空の状態で内部洗浄する際にオンするスイッチである。
次に前記操作表示装置(操作パネル)70の操作に基づく洗浄機能を説明する。洗米タンク5が空の状態で内部を洗浄することができるもので、上記の洗浄スイッチ69を操作することで実行できる。
上記の洗浄モードが選択されると、上給水手段、下給水手段、排水弁64、水位弁65、洗米モータ36、およびポンプ66へ図16に基づき各信号が出力される。洗浄モードは図例では工程t1〜t5の5段階に構成される。工程t1では、下給水手段で給水、水位弁65・排水弁64共閉じ、洗米モータ36駆動、およびポンプ66駆動の状態とし、気泡洗浄状態とする。従って、この工程t1では、排水を遮断し下給水手段で給水しながら気泡供給状態で攪拌することとなり、主としてジャケット部32内フィルタ33周辺の洗浄が行われる。
工程t2は、工程t1の状態が継続して洗米タンク5が満水となってフロートセンサがオンする状態である。しばらく満水状態を継続して浮遊する塵埃類をオーバーフローによって排出できる。所定時間を継続の後、下給水手段をオフし、かつ水位弁65・排水弁64を開く工程t3に入る。この工程t3は、満水状態から各弁からの排水によって、一定水圧を確保した状態でポンプ66駆動を伴うから気泡が発生する状態で勢いよく排水するから、ジャケット部32内フィルタ33以降の排水管63a,63b、排水弁64・水位弁65、および排水箱60の排水経路の洗浄を行う。
続いて工程t4では洗米モータ36およびポンプ66駆動を伴いながら上給水手段で給水するもので、洗米タンク5の内側をすすぎ洗浄するものである。あらかじめ設定した所定時間のすすぎ洗浄の工程を終えると上給水手段をオフし、あらかじめ設定した時間遅れて洗米モータ36およびポンプ66を停止することで(工程t5)、洗浄モードは終了する。
上記のように、工程t1およびt3では、水流と共に気泡が発生して上記各部が洗浄できるが、下給水手段からの(t1)あるいは満水水位からの(t3)高い水圧を維持しながらポンプ66駆動を行わせることにより洗浄効果を助長するものである。
上記の洗浄モードは、標準的な洗米炊飯の設定状態から拡張モードに入り、拡張機能初期画面の選択、洗米タンク洗浄選択の順で指定することにより当該洗浄モードに入る構成としている。また、予約炊飯等の運転の予約を設定できるようにコントローラには時計機能及びカレンダ機能を備えているが、コントローラ(制御装置)により、当日最初の洗米工程が行われる前にのみ自動的に洗浄モードに入り、同じ日の2回目以降の洗米工程では洗浄モードに入らない構成となっている。これにより、その日の運転初期で洗米工程が行われる直前に効率良く洗浄できて水加減の安定や清掃効果が向上すると共に、過剰な洗浄による使用水量の増加を抑えることができる。なお、複数の日にわたる予約運転を設定したときにも、各日の最初の洗米工程が行われる前にのみ自動的に洗浄モードに入る構成となっている。なお、複数の日にわたる予約運転の設定期間において、実際に作業運転が実施されない空白日がある場合は、その空白日においても適宜の時刻で自動的に洗浄モードに入るようになっている。
図17に基づき上記水位弁65・排水弁64の構成について、ジャケット排水管63a,63bの排水側夫々に、バルブユニット92を構成している。該バルブユニット92は、ジャケット排水管63a,63bに嵌合する収容部92aと、この収容部92a内には支軸93周りに回動すべくバルブ体94をリンク機構95を介して正逆転モータ96に連携している。該モータ96の正転によってバルブ体94は開き、逆転によって閉じる構成である。ところで、バルブ体94は、ガスケット94aをジャケット排水管63a,63bの端面に押し当てて閉じたり、角度をもって離れて開く構成である。この開き姿勢のときにはジャケット排水管63a,63bは分解状態で洗浄ブラシ97の作用をもって内部洗浄が行われる。従って、ブラシ97先端がガスケット94aを強く押されるため台座部94bに接着されている該ガスケット94aは剥がれてしまうことがあった。このため、図17(2)(3)に示すように、台座部94bは、コ型に形成されてガスケット94aを抱きこむ状態に保持されるからその立ち上がりをもってブラシ97の押圧に耐える構成とするものである。
次いで洗米タンク5の下方に構成する架台9へ容器6を載置する構成について説明する。架台9がガイドレール81に沿って前後に往復移動可能に設けてなる。すなわち、架台9の左右側は、支持部材1の下部フレーム1dの内側に構成したガイドレール81によって前後に引出しまたは収納自在に構成される。この架台9の前側には取っ手82を設けてなる。架台9に載せる容器6を検知して洗米投下指令信号を許可する容器検知手段83を架台9の奥側であって横桟1cの略中央部に構成している。取っ手82'は高さをバケツ6aの把手6dを受け得る構成で、架台9への載置状態でこの取っ手82'に把手6dを載せておくことにより、洗米を受けて取出す際に把手6dを容易に掴み上げることができて便利である。
上記容器検知手段83は、左右の支柱1b、1bを連結する横桟1cの中央部において、スイッチ部材84と、このスイッチ部材84を囲うように上記横桟1cに取り付けられる筐体85と、該筐体85に横軸86を介して前後に揺動可能に設けたプレート部材87と、このプレート部材87に対して固定され湾曲延長部が載置台の前後中央側に延びたアクチュエータ88とから構成される。なおプレート部材87がスイッチ部材84の前方に接近位置するときはスイッチ部材84はオフし、後方側に回動して所定距離以上に離れるとオンに切りかわる構成としている。プレート部材87は常時はスイッチ部材84に接近位置してこれをオフすべくばね89で付勢されている。上記アクチュエータ88は弾性線材によって構成する。プレート部材87に対するアクチュエータ88の取付けは、弾性線材をU状に折り曲げ該折り曲げ端部を受け座90と共に固定する構成である。一方この弾性線材は、この取付け箇所からプレート部材87に平行に沿わせて下向きに垂下する部分88aを有し、該垂下部分88aから略直角に折り曲げて前方に向かう中間部分88bとやや下方に向けて折り曲げられ先端をT字状に形成した先端部分88cとからなるよう1本の弾性線材を屈曲形成している。なお、上記筐体85の延長部85aを横桟1cに装着している。この装着位置は適宜範囲で前後に位置調整可能に長孔と固定具等の組み合わせで構成される。従って、上記回動支点Pはバケツのように高さの高い容器6aの上端でジャケット部32に略沿う高さ位置に構成され、アクチュエータ88の先端はジャケット32の投影圏内にまで延長されている。
従って、上記アクチュエータ88はその先端部分88cがバケツ等のように径がやや小さい容器6aから炊飯釜のように径が大きい容器6bに至るまで左右方向に多少の位置ずれがあっても適確に作用し得て、前後方向に正規の容器載置位置にあるときは、その後方側のアクチュエータ88を押してプレート部材87を支点P回りに回動させ、スイッチ部材84からプレート部材87を離してスイッチ部材87をオンに切り替えるものとなる。
引き出された架台9に容器6を乗せて押し込むと、アクチュエータ88が容器6の後面に接当して支点P周りに回動させ、スイッチ部材84をオン状態とする。そして操作パネル70の各操作に従って洗米条件や浸漬条件の設定を行ない、スタートスイッチ75をオンすると、運転開始される。即ち、図20に示すステップ1でスタートスイッチ75を押すと、ステップ2で貯米タンク4の米を計量ドラムで計量し、洗米タンク5に設定量の米を供給し、ステップ3で洗米する。
ステップ3の洗米工程は、水をたれ流しながら米を攪拌する糠抜き工程、一旦給水した後水切りし米を湿潤状態で攪拌する研米工程、所定水位で米を攪拌する荒ゆすぎ工程、水をタンクよりオーバーフローしながら攪拌する仕上げゆすぎ工程からなる。荒ゆすぎ工程及び仕上げゆすぎ工程は米を水中で撹拌する狭義の洗米工程を意味する。
この洗米工程において洗米タンク5への給水の流量が不足して作業能率が低下するような場合、すなわち上側給水ルート又は下側給水ルートの流量センサの検出値が適正範囲内にない場合には、図26に示すように、操作パネル(操作表示装置)70の液晶表示画面77にて給水量(流量)不足の異常を出力して告知し、現在の給水量(流量)の状態を出力し、その処置方法を出力する。そして、液晶表示画面77の表示をメンテナンス用に切り替え、その流量表示スイッチ101に触れると液晶表示画面77に現在の給水量(流量)が表示される。作業者は、カバーである前側壁23aを開いて上側給水ルート又は下側給水ルートの給水栓を操作して表示されている給水量(流量)が適正値となるように調整する。このように、運転中でも液晶表示画面77に現在の給水量(流量)が表示され、給水量(流量)を調整することができるので、運転を中断せずに作業能率を維持することができる。従来は、運転を中断して給水量(流量)を調整する構成となっていたので、作業能率を低下させる要因となり、特に炊飯が行われているときには運転を中断できずに炊飯工程が終了するまで待たなくてはならず、効率良く運転させることができなかった。
上記ステップ3の洗米工程の次は、ステップ4の水加減処理工程に進む。このステップ4では洗米タンク3内の米の量、米の質、気温、水温等に見合った水量をマイクロコンピュータが計算して、洗米タンク5に給水し、洗米タンク5の満水後に、水位弁65を算出された時間分「開」して水加減をする。
ステップ6では、洗米タンク5内の洗米済の米とステップ4の水加減の計量された水が、投下弁39の開閉により容器6に投下される。この投下弁39の開信号出力は、ステップ4の水加減が終わり、容器検知手段83のスイッチ部材84がオンのとき(ステップ5)、立ち上がる構成である。
容器検出手段83による容器6の検出の作用については、径や高さの異なるバケツ6aや炊飯内釜6bを容器とする場合、バケツ6aに接触させる場合はアクチュエータ88の先端部分88cがジャケット部32の投影圏内に入る程度に下方に向けて延長形成されるため、径が小さくとも届き易い。一方径の大きい炊飯内釜6bにおいては、その上部に形成される鍔状張り出し部6cへの接触を、垂下部分88aから中間部分88bへの屈曲部で迂回回避しながら釜の後方に接触して退避動できる上、その際後端部となる垂下部分から中間部分への上記屈曲部88dが支柱1bの後端部Xから後方にはみ出さない形状に形成でき、後部において他物との不測の接触による破損の恐れもなく良好に検出動作を行うことができる。また、先端にT字部を構成して幅方向に多少の位置ずれが生じても良好に検出しうる。
上記のように、容器検出手段83のアクチュエータ88は大きさの異なる容器6に対して良好にその後端に接触し得るものでありながら、スイッチ部材84はジャケット部32高さ程度にまで高い位置に配置できるため、先端部分88cの後退動が大きくとも支点P部付近での揺動角度は小さく、スイッチ部材84の作動は容器の大小に関わらず小さい範囲の作動で済むため作動不良が少ない。
なお、容器検出手段83により容器6が正常にセットされていると判断されるとき、操作パネル(操作表示装置)70に備える容器準備工程ランプ102を即座に点灯させる構成となっている。これにより、洗米工程等の投下工程前であっても、作業者が容器6を正常にセットできたことを直ちに確認でき、作業効率が向上する。従来は、容器6が正常にセットされている場合に、水加減工程が終了して米の投下が可能な状態で容器準備工程ランプ102をはじめて点灯させる構成であったため、作業者が引き出し式の架台9により容器6をセットしたときには容器6が正常にセットされているか否かが判らず、容器6が正常にセットされていない場合には水加減工程終了時に容器6が正常にセットされていないことを認識して再度容器6の位置調整を行わなければならず、作業効率を悪化させる要因となっていた。なお、容器準備工程ランプ102が点灯している状態で容器6への米の投下工程が行われ、投下工程が終了すると容器準備工程ランプ102が消灯し、炊飯終了後、次に炊飯するための別の容器6が正常にセットされたことを容器検出手段83が検出すると、再び容器準備工程ランプ102が点灯する構成となっている。
そして、前記の水加減処理工程(ステップ4)において水位弁65が「開」から「閉」に切り替わって水加減処理が完了すると同時に、コントローラからの出力により、洗米モータ36が駆動し始めて攪拌棒35を回転させると共に、ポンプ66が駆動し始めて空気噴出管67を介してジャケット部32内に空気を噴出する。従って、攪拌棒35の回転及びジャケット部32からの空気の噴出で水が洗米タンク5内で対流して米が攪拌され、更に水加減水中で気泡により米が拡散される。容器検出手段83による容器6の検出で投下弁39の開信号出力により投下工程が開始されると、洗米モータ36及びポンプ66が停止して攪拌棒35の回転及びジャケット部32からの空気の噴出が停止する。よって、攪拌棒35の回転及びジャケット部32からの空気の噴出は、投下弁39を開く直前になされ、また洗米タンク5内へ水加減処理による所定量の水が供給されてから投下弁39が開くまでの間になされる。洗米タンク5下部のジャケット部32から空気が噴出されるので、気泡が水中で上方へ向かって移動し、米を浮き上がらせることができると共に、米の投下口(排出口)となるジャケット部32に米がまとまって滞留することを適確に防止し得る。
なお、この攪拌棒35の回転及びジャケット部32からの空気の噴出は、水加減処理が終了してから所定時間後に開始されるようにしたり、タイマ等により投下開始直前の所定時間のみなされるようにしてもよい。これにより、不必要に米を攪拌するようなことを防止し、砕米や米の品質劣化を防止できる。また、攪拌棒35の回転及びジャケット部32からの空気の噴出の何れか一方が先に停止し、他方のみが投下開始直前までなされる構成としてもよい。
また、攪拌棒35の回転及びジャケット部32からの空気の噴出を、上述では投下開始直前に行うことについて説明したが、投下弁39を開いての投下時にも行うようにしてもよい。つまり、投下弁39が閉じて投下工程が完了すると攪拌棒35の回転及びジャケット部32からの空気の噴出が停止するようにすれば、投下中にジャケット部32における米の投下口(排出口)に付着する米を吹き飛ばすことができ、ジャケット部32と投下弁39との間に米粒を挟み込むことで投下口(排出口)の密閉性が悪くなってジャケット部32で水漏れが発生するようなことを防止できる。なお、ジャケット部32からの空気の噴出を投下開始前のみ行うか投下工程中も行うかを切替可能な切替手段を設けてもよい。これにより、ジャケット部32への米の付着度合いに応じて、米が付着しやすいときには投下工程中も空気の噴出を行って米の付着を防止し、あまり米が付着しないときは投下工程中は空気の噴出を行わずに空気の噴出で米の流下を阻害して米の投下位置が不適正になって容器6a,6bから外れてしまうようなことを防止できる。なお、前記切替手段を洗米量(計量装置13により洗米タンク5へ供給される米の量)によってコントローラにより自動的に切り替える構成とし、洗米量が所定量(例えば2升)未満のときは、水加減水も少なく洗米タンク5内の米に対する水加減水の水面が低くなるので米が勢いよく流下しないおそれがあるが、投下工程中も空気を噴出するように自動的に切り替えてジャケット部32への米の付着を防止することができる。逆に、洗米量が所定量(例えば2升)以上のときは、水加減水も多く洗米タンク5内の米に対する水加減水の水面が高くなって米が勢いよく流下すると見込まれるので、投下工程中は空気を噴出しないように自動的に切り替えて米の投下を適正に且つ円滑に行うことができる。また、前記切替手段を水加減処理終了時から米投下開始時までの時間間隔によって自動的に切り替える構成とし、前記時間間隔が所定時間(例えば30分)以上のときは、洗米タンク5内で米粒が十分に吸水して膨張し洗米タンク5やジャケット部32へ付着しやすくなるので、投下工程中も空気を噴出するように自動的に切り替えて米の付着を防止することができる。逆に、前記時間間隔が所定時間(例えば30分)未満のときは、投下工程中は空気を噴出しないように自動的に切り替えて米の投下を適正に且つ円滑に行うことができる。なお、投下工程前に洗米タンク5内で米を水に所定時間浸漬する浸漬工程がコントローラにより自動的になされるときは、その浸漬時間により前記切替手段を自動的に切り替えるようにすればよい。なお、前記切替手段は、空気の噴出を投下開始前のみ行うか投下工程中も行うかを切り替える構成としたが、水加減処理後における投下開始前を含む空気の噴出自体を行うか否かを切り替える構成としてもよい。
なお、洗米タンク5内で浸漬工程を行う場合、洗米タンク5内の水分の不足を防止するために、コントローラにより上側の給水弁47を所定時間おきに開いて、洗米タンク5内へ上部給水口49から若干量の水を所定時間おきに供給する構成とすることができる。このとき、設定された浸漬時間が長いと、米粒が過度に膨張して洗米タンク5やジャケット部32へ付着しやすくなる。また、設定された水加減水量が少なかったり洗米量が少ないと、洗米タンク5内の米に対する水加減水量が少なくなるので、投下工程で米が投下されずに洗米タンク5内に残留しやすくなる。そこで、浸漬時間が所定時間(例えば46分)以上で設定された水加減水量が少なくて且つ洗米量が所定量(例えば2升)未満のときは、浸漬工程中における上部給水口49から洗米タンク5内への水供給を行わず、米粒の膨張を抑えて米の投下の適正化及び円滑化を図る構成とすればよい。
投下開始から終了までは図21のタイムチャートのように、投下信号出力に伴い、上下の給水を停止し、水位弁65・排水弁64を閉じた状態で洗米モータ36を駆動する。所定短時間経過後、投下弁駆動モータ40を駆動すると投下弁39が開き投下が開始される。その後洗米モータ36をオフしてしばらくの間で出力信号により投下弁39を閉じると投下が完了する。引き続き、洗浄工程に入るが、先ず上給水状態として水を溜め、所定時間経過で水位弁65・排水弁64を開くと同時に下給水を開始して洗浄終了となす。
上記投下工程から洗浄工程を経て、当該洗米を完了するが、順次洗米を行う多量処理に関しては、投下完了をもって当該洗米完了とするモードを併せ備えると利便である。すなわち、適宜のモード切替手段によって、洗米完了を投下弁駆動モータ40による投下弁39の閉じ作動をもって洗米完了とするもので、以後の洗浄工程を省略する構成である。このように構成することによって、時間短縮の効果があり、徒に洗浄水として無駄にしないで済む。また上記のような洗米工程に入る前に、洗浄スイッチ69操作により洗浄工程を実行することによって、ジャケット部32や排出部の洗浄を行い得るものである。
ところで、自動炊飯モードに設定されていれば、投下工程が終了すると、容器(炊飯釜)6の下部に備えるガス台に自動着火され、容器(炊飯釜)6内で自動的に炊飯を開始する。このとき、何らかの異常で前記自動着火が行われないときは、操作パネル70においてヘルプスイッチ76を押しながら点火スイッチ103を3秒以上押す操作による強制点火手段により、運転状態に拘らずコントローラからガス台へ強制的に点火指令信号を発する構成となっている。この強制点火手段により点火操作が行われたときは、点火スイッチ103の下の点火ランプ104が点灯し、コントローラからガス台への点火指令信号が正常に出力されていることを確認できる。従って、強制点火手段によりガス台に着火されない場合に点火ランプ104が点灯していれば、少なくとも前記点火指令信号が正常でありガス台やコントローラからガス台への接続配線等に異常が生じていることが判り、修理等のメンテナンスが容易になる。また、容器(炊飯釜)6をセットしていなくても、強制点火手段により点火ランプ104が点灯することを確認して、コントローラからの点火指令信号が正常に出力されることを判断することができる。
操作パネル70の液晶表示画面77には、洗米量、水加減、浸漬の各表示があり、このうち浸漬は、洗米タンク5内あるいは容器6内、もしくはその両方における浸漬時間を設定するもので、洗米中は設定時間を表示し、洗米完了時点からカウントダウンして浸漬残時間を表示できる構成としている。ところで従来は、所定浸漬時間の経過によって洗米完了の報知を行う構成としてオペレータは次工程に以降しうるものとなっている。ところがこの報知を逃してしまうと、浸漬過多の状態になるが、カウントダウン値は「0」表示で止まり、実際の浸漬時間を把握できない構成となっている。したがって、浸漬過多の米は所望の硬さを得られないなど炊き上がりに影響していた。そこで、図22におけるように、設定浸漬時間の経過後はその経過時間を表示する構成として、浸漬過多の状況を具体的にオペレータに知らせる構成とした。例えば前記液晶表示画面77に浸漬の項目を設け、ここに設定浸漬時間を表示する(図22(1))と共に、時間経過と共に減算して残時間を表示し、所定浸漬時間が経過後はその過剰時間を順次表示するように構成する。このように構成することにより、所望浸漬時間からの延長時間を具体的に把握でき、炊飯条件を再設定することで対応が可能である。なお、延長の時間について、実施例ではマイナス表示としたが、他の方法でもよい。
次いで図23の洗米方法について説明する。洗米対象の米の形態としての通常の白米(以下、「白米」という)、所謂無洗米処理を施して流通する無洗米(以下、「無洗米」という)、および所定計量されてパック詰めされている米(以下、「パック米」という)
があり、これらに効率的に対応させようとする。スタートスイッチ操作後(ステップ101)、上記使用する米の形態によって、モードを選択する(ステップ102)。白米モードでは通常の洗米が実行される。すなわち、洗米量設定、水加減設定、浸漬時間設定、洗い方設定すると(ステップ103〜106)、装置は計量工程に入る(ステップ107)。次いで無洗米でないときは(ステップ108)、以下洗米工程、水加減工程を経て(ステップ109〜110)、洗米タンク5内の処理が完了し、容器有無検知手段83による容器有りの判定を条件に当該容器6に洗米と水加減水とが投下される(ステップ111,112)。容器内での浸漬が必要のときはこれを行い(ステップ113)、その後洗米終了のブザー報知がなされ(ステップ114)、一連の工程が終了する。
上記ステップ102で無洗米モードが選択されると、洗米量、水加減、浸漬時間が各設定され(ステップ115〜117)、以下予め計量済の無洗米パック米であるか否かを判定し(例えばスイッチ手動入力でよい。ステップ118)、無洗米パックでないときは、前記ステップ107に移行して、計量し水加減して容器に投下される。なお、ステップ118でパック米であるときは既に計量済としてステップ110の水加減工程に入ることができる。予め計量済の場合は計量工程が省略でき、かつ予め無洗米処理を施されているから洗米工程が省略される。従って、無洗米モードでは一連の工程に要する時間が短縮されるので、短いサイクルで連続的に炊飯することができる。なお、予約運転設定をする場合に、無洗米モードにおいて炊き上がり時刻を設定すれば運転に要する時間が短い分を考慮してコントローラにより運転開始時刻を演算し、自動的に運転を開始するため、炊き上がり時刻が正確になる。
前記ステップ2でパック米モードが選択されると、洗米量、水加減、浸漬時間が各設定され(ステップ119〜122)、以下前記ステップ109の洗米工程移行を順次実行するもので、計量工程の省略がなされる。
以上のように各種の作業前設定手段による設定の後、扱う米の形態によって、通常の白米モードにおける計量工程(ステップ107)及び/または洗米工程(ステップ109)を省略して各部運転を行わせる構成であるから、扱う米形態が白米、無洗米、またはパック米と夫々異なっても、扱う米のモードを選択できる手段とこれに基づき作動する装置各部の構成とすることにより、扱う米形態に関わらず下方に待機する容器内に、所定の水加減と浸漬時間を実施した米を供給することができる。
なお、図24は前記パック米を扱う場合の改良構造を示すもので、貯米タンクを2区分に形成して一方の第1貯米タンク4Aは計量ドラム13等からなる計量手段へ供給可能に構成され、他方の第2貯米タンク4Bは直接洗米タンク5に連通する構成である。従って、この第2貯米タンク4Bには計量の必要がない形態のパック米(パック入り無洗米を含む)を供給することとなる。従って多機能を備える洗米装置の貯米タンクとして有効である。
図25のフローチャートは、無洗米の工程管理に関する。なお扱う無洗米は予め無洗米処理を施されるがバラ状態で持ち込まれる形態である。スタートスイッチ操作後ステップ202で洗米条件を設定の後、扱う米形態として無洗米が選択されると、先ず水加減工程が先に行われ(ステップ204)、その後計量工程(ステップ205)に入る。その後待機する容器6内に投下処理される。流通する無洗米は様々で個々の外観形状も相違し、特に満杯状態から排水水位をもって所定の水加減を行う形態では水抜けに差が生じて正確な水加減が不可能である。また、計量後の水加減では無洗米が水分を含み外観形状を変化させてしまうこととなり、ひいては上記のように正確な水加減が行えない。そこで、前記のように無洗米のときは、計量工程を先に行うことによって正確な水加減量を確保できる効果がある。