JP4527970B2 - 顕微鏡制御装置、顕微鏡の制御方法、及びプログラム、並びに走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents
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Description
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、強いレーザ光を照射しているときの標本画像の観察を、その照射前後における標本画像の観察と同一の観察条件で行えるようにすることである。
また、前述した本発明に係る顕微鏡制御装置において、前述した第一の強度は、前述した観察標本にフォトブリーチを生じさせるために当該観察標本へ照射するレーザ光の強度としてもよい。
また、本発明の別の態様のひとつである顕微鏡の制御方法は、観察標本へ照射されるレーザ光を平面上に定義される第一の方向へ走査させる主走査と、当該平面上に定義される第二の方向について一定の間隔で当該主走査の走査位置の移動をさせる副走査とを走査型レーザ顕微鏡に行わせて当該レーザ光を当該観察標本へ照射するときに、第一の強度のレーザ光での主走査に続けて当該第一の強度よりも弱い第二の強度のレーザ光での主走査を同一の走査位置に対して行わせてから当該副走査である走査位置の移動をさせるように制御し、当該第二の強度のレーザ光での主走査を行って当該レーザ光を当該観察標本へ照射したときに当該観察標本から到来する光に基づいた当該観察標本についての画像の生成を当該走査型レーザ顕微鏡に行わせる、ことを特徴とするものである。
また、本発明の更なる別の態様のひとつであるプログラムは、観察標本へ照射されるレーザ光を平面上に定義される第一の方向へ走査させる主走査を第一の強度のレーザ光で走査型レーザ顕微鏡に行わせて当該観察標本へ照射する第一主走査制御処理と、当該第一の強度のレーザ光での主走査に続けて当該第一の強度よりも弱い第二の強度のレーザ光での同一の走査位置に対しての主走査を当該走査型レーザ顕微鏡に行わせて当該レーザ光を当該観察標本へ照射する第二主走査制御処理と、当該主走査による走査位置を当該平面上に定義される第二の方向について所定の間隔だけ移動させた後に、改めて当該第一主走査制御処理及び当該第二主走査制御処理の各々の実行によって行われる主走査を当該走査型レーザ顕微鏡に続けて行わせる副走査制御処理と、当該第二の強度のレーザ光での主走査を行って当該レーザ光を当該観察標本へ照射したときに当該観察標本から到来する光に基づいた当該観察標本についての画像の生成を当該走査型レーザ顕微鏡に行わせる画像生成制御処理と、をコンピュータに行わせるためのものである。
また、本発明の更なる別の態様のひとつである走査型レーザ顕微鏡は、観察標本へ照射するレーザ光の強度を第一の強度と当該第一の強度よりも弱い第二の強度との間で切り替える強度切り替え手段と、平面上に定義される第一の方向へ当該レーザ光を走査させる主走査と当該平面上に定義される第二の方向について一定の間隔で当該主走査の走査位置の移動をさせる副走査とを行って当該レーザ光を当該観察標本へ照射するときに、当該第一の強度のレーザ光での主走査に続けて当該第二の強度のレーザ光での主走査を同一の走査位置で行ってから当該副走査である走査位置の移動を行う走査手段と、当該第二の強度のレーザ光での主走査を行って当該レーザ光を当該察標本へ照射したときに当該観察標本から到来する光に基づいて当該観察標本についての画像を生成する画像生成手段と、を有することを特徴とするものである。
図1は、本発明を実施する走査型レーザ顕微鏡システムの構成を示している。
図1に示すように、本実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡システムは、走査型レーザ顕微鏡100とコンピュータシステム200とが接続インタフェース7で接続されて構成されている。
コンピュータシステム200は、これらの画像データを記憶媒体3に格納するとともに、これらの画像データで表現されている画像を、データ出力装置であるモニタ1に表示させる。
また、コンピュータシステム200では、記憶媒体3に更に格納されている制御プログラムがCPU(Central Processing Unit :中央演算装置)2によって読み出されて実行される。この制御プログラムは、以下に説明する走査型レーザ顕微鏡100の制御の他、画像データの保存などの処理をコンピュータシステム200に行わせるものである。
また、コンピュータシステム200は、図1に示したシステムの使用者によって操作されるキーボード4、マウス5を有しており、これらに対する操作に対応付けられている各種のデータが取得される。
なお、このコンピュータシステム200の有している各構成要素は、ごく標準的な構成のコンピュータシステムの多くが備えているものである。
図2は、この制御処理の第一の例の処理内容を示すフローチャートであり、上述した制御プログラムがCPU2によって実行されることによって実現される。
S102では、前ステップの処理によって記憶させた各種の条件のうち通常観察時の走査条件及び画像検出条件を読み出し、これらの条件に従って観察標本300の画像(フォトブリーチ実行前の画像)を走査型レーザ顕微鏡100に取得させてその画像についての画像データを伝送させる指示をコントロールユニット10に与えてその画像データを取得し、取得した画像データを記憶媒体3の所定の記憶領域に記憶させる処理が行われる。なお、このときには、AOTF30は通常観察時の走査条件に合致する波長のレーザ光を選択すると共に選択されたレーザ光をその条件に従った強度に制御して出射させる。
S104では、S101の処理によって記憶させた各種の条件のうちフォトブリーチの走査条件を読み出し、コントロールユニット10に指示を与えてAOTF30へ制御信号を与えさせ、S102の処理によって選択されているレーザ光をその条件に従った強度まで強めるように制御して出射させるようにする処理が行われる。
S106では、S101の処理によって記憶させた各種の条件のうち通常観察時の走査条件を読み出し、コントロールユニット10に指示を与えてAOTF30へ制御信号を与えさせ、S102の処理によって選択されているレーザ光をその条件に従った強度まで弱めるように制御して出射させるようにする処理が行われる。
この第二の例は、フォトブリーチ実行時において観察標本300に照射するレーザ光と通常観察時において観察標本300に照射するレーザ光との種類を切り替える、すなわちレーザ光の波長を切り替えるというものであり、例えば、通常観察時においてはレーザ光源26であるヘリウム・ネオン緑色レーザを照射し、フォトブリーチ実行時においてはレーザ光源25であるアルゴン・レーザを照射するというものである。
図2のS104に続けて行われるS201では、図2のS101の処理によって記憶させた各種の条件のうちフォトブリーチの走査条件を読み出し、コントロールユニット10に指示を与えてAOTF30へ制御信号を与えさせ、その条件に従った種類(波長)のレーザ光が出射されるようにする処理が行われる。この処理によって、観察標本300へ照射するレーザ光の波長の切り替えが行われる。
続くS202では、図2のS101の処理によって記憶させた各種の条件のうち通常観察時の走査条件を読み出し、コントロールユニット10に指示を与えてAOTF30へ制御信号を与えさせ、その条件に従った種類(波長)のレーザ光が出射されるようにする処理が行われる。この処理によって、観察標本300へ照射するレーザ光の波長を元に戻す切り替えが行われる。
以上の制御処理をコンピュータシステム200が行うことにより、フォトブリーチ実行時において観察標本300に照射するレーザ光と通常観察時において観察標本300に照射するレーザ光との波長を異ならせて行う観察が可能となる。
この第三の例は、観察標本300の指定された領域全体に対してフォトブリーチを繰り返し継続して実行させるが、予め設定された条件を満たしたとき、例えばフォトブリーチが所定の程度以上に進行した場合には、その時点でフォトブリーチの実行及びフォトブリーチ実行時の画像取得を自動的に中止して観察標本300の画像(フォトブリーチ実行後の画像)を取得させるように走査型レーザ顕微鏡100を制御するというものである。
S302では、以上までの処理によって取得されたフォトブリーチ実行時の観察標本300の画像からフォトブリーチを施した領域の輝度(例えば平均の輝度)を検出して取得する処理が行われ、続くS303において、前述したS301の処理によって取得されていたフォトブリーチの終了条件に合致したか否か、本実施形態においては、S302の処理によって取得された輝度が、前述したS301の処理によって取得されていたフォトブリーチの完了とみなすときの輝度を下回ったか否か、を判定する処理が行われ、この判定結果がYesならば、フォトブリーチが所定の程度以上に進行したとみなし、S110に処理を進める。一方、この判定結果がNoならばS103へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
以上の制御処理をコンピュータシステム200が行うことにより、フォトブリーチの終了条件を実験開始前に設定しておくことで、FRAPの一連の経過が分かる画像の取得を走査型レーザ顕微鏡100に自動的に行わせることが可能となる。
例えば、図1に示した実施形態においては、観察標本300に照射するレーザ光の強度及び波長の切り替えをAOTF30で行うようにしていたが、その代わりに、例えばレーザダイオードをレーザ光源として用いることにより、レーザ光源自体を制御して光源からのレーザ光の出力を切り替えることで観察標本300に照射するレーザ光の強度及び波長の切り替えを行うようにすることもできる。
2 CPU
3 記憶媒体
4 キーボード
5 マウス
7 接続インタフェース
8 対物レンズ
9 ステージ
10 コントロールユニット
11 走査ユニット
12、13 分光フィルタ
14、21、24 ミラー
15、16 ピンホール
17、18 光検出器
22、23 合成用ダイクロイックミラー
25 レーザ光源(アルゴン・レーザ)
26 レーザ光源(ヘリウム・ネオン緑色レーザ)
27 レーザ光源(ヘリウム・ネオン赤色レーザ)
30 AOTF(音響光学素子)
100 レーザ走査型顕微鏡
200 コンピュータシステム
300 観察標本
400 コンピュータ
401、406 記憶装置
402 媒体駆動装置
403 携帯可能記録媒体
404 ネットワーク回線
405 プログラムサーバ
Claims (6)
- 走査型レーザ顕微鏡によって観察標本へ照射されるレーザ光の強度を、当該観察標本にフォトブリーチを生じさせるための第一の強度と当該第一の強度よりも弱い第二の強度との間で切り替えさせる制御を行う強度制御手段と、
平面上に定義される第一の方向へ前記レーザ光を走査させる主走査と当該平面上に定義される第二の方向について一定の間隔で当該主走査の走査位置の移動をさせる副走査とを前記走査型レーザ顕微鏡に行わせて当該レーザ光を前記観察標本へ照射するときに、前記第一の強度のレーザ光での主走査に続けて前記第二の強度のレーザ光での主走査を同一の走査位置に対して行わせてから当該副走査である走査位置の移動をさせるように制御する走査制御手段と、を有し、
前記走査型レーザ顕微鏡は、前記第二の強度のレーザ光での主走査を行って当該レーザ光を前記観察標本へ照射したときに当該観察標本から到来する光に基づいて当該観察標本についての画像を生成するとともに、
前記走査制御手段は、前記第一の強度のレーザ光での走査によって前記観察標本に生じさせたフォトブリーチが所定の程度以上に進行したときには、前記主走査の繰り返しを中止させて前記第二の強度のレーザ光のみでの前記主走査と前記副走査とを前記走査型レーザ顕微鏡に行わせるように制御することを特徴とする顕微鏡制御装置。 - 前記第一の強度での主走査と前記第二の強度での主走査との間で前記レーザ光の波長を切り替えさせる制御を行う波長制御手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡制御装置。
- 前記観察標本におけるフォトブリーチを生じさせた領域の輝度を検出する輝度検出手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡制御装置。
- 観察標本へ照射されるレーザ光を平面上に定義される第一の方向へ走査させる主走査と、当該平面上に定義される第二の方向について一定の間隔で当該主走査の走査位置の移動をさせる副走査とを走査型レーザ顕微鏡に行わせて当該レーザ光を当該観察標本へ照射するときに、当該観察標本にフォトブリーチを生じさせる第一の強度のレーザ光での主走査に続けて当該第一の強度よりも弱い第二の強度のレーザ光での主走査を同一の走査位置に対して行わせてから当該副走査である走査位置の移動をさせるように制御し、
前記第二の強度のレーザ光での主走査を行って当該レーザ光を前記観察標本へ照射したときに当該観察標本から到来する光に基づいた当該観察標本についての画像の生成を前記走査型レーザ顕微鏡に行わせるとともに、
前記第一の強度のレーザ光での走査によって前記観察標本に生じさせたフォトブリーチが所定の程度以上に進行したときには、前記主走査の繰り返しを中止させて前記第二の強度のレーザ光のみでの前記主走査と前記副走査とを前記走査型レーザ顕微鏡に行わせて画像を生成させることを特徴とする顕微鏡の制御方法。 - 観察標本へ照射されるレーザ光を平面上に定義される第一の方向へ走査させる主走査を当該観察標本にフォトブリーチを生じさせる第一の強度のレーザ光で走査型レーザ顕微鏡に行わせて当該観察標本へ照射する第一主走査制御処理と、
前記第一の強度のレーザ光での主走査に続けて当該第一の強度よりも弱い第二の強度のレーザ光による同一の走査位置に対しての主走査を前記走査型レーザ顕微鏡に行わせて当該レーザ光を当該観察標本へ照射する第二主走査制御処理と、
前記主走査による走査位置を前記平面上に定義される第二の方向について所定の間隔だけ移動させた後に、改めて前記第一主走査制御処理及び前記第二主走査制御処理の各々の実行によって行われる主走査を前記走査型レーザ顕微鏡に続けて行わせる副走査制御処理と、
前記第二の強度のレーザ光での主走査を行って当該レーザ光を前記観察標本へ照射したときに当該観察標本から到来する光に基づいた当該観察標本についての画像の生成を前記走査型レーザ顕微鏡に行わせる画像生成制御処理と、
前記第一の強度のレーザ光での走査によって前記観察標本に生じさせたフォトブリーチが所定の程度以上に進行したときには、前記主走査の繰り返しを中止させて前記第二の強度のレーザ光のみでの前記主走査と前記副走査とを前記走査型レーザ顕微鏡に行わせる走査制御処理をコンピュータに行わせるためのプログラム。 - 観察標本へ照射するレーザ光の強度を当該観察標本にフォトブリーチを生じさせるための第一の強度と当該第一の強度よりも弱い第二の強度との間で切り替える強度切り替え手段と、
平面上に定義される第一の方向へ前記レーザ光を走査させる主走査と当該平面上に定義される第二の方向について一定の間隔で当該主走査の走査位置の移動をさせる副走査とを行って当該レーザ光を前記観察標本へ照射するときに、前記第一の強度のレーザ光での主走査に続けて前記第二の強度のレーザ光での主走査を同一の走査位置で行ってから当該副走査である走査位置の移動を行う走査手段と、
前記第二の強度のレーザ光での主走査を行って当該レーザ光を前記観察標本へ照射したときに当該観察標本から到来する光に基づいて当該観察標本についての画像を生成する画像生成手段と、
前記第一の強度のレーザ光での走査によって前記観察標本に生じさせたフォトブリーチが所定の程度以上に進行したかどうかを判定する判定手段とを有し、
前記走査手段は、前記判定手段により前記フォトブリーチが所定程度以上に進行したと判定されたとき、前記主走査の繰り返しを中止して前記第二の強度のレーザ光のみでの前記主走査と前記副走査とを行い、前記フォトブリーチが所定程度以上に進行したと判定されなかったとき、前記第一及び第二の強度のレーザ光による同一走査位置での主走査の後に副走査を行う動作を続行することを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
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