JP4527364B2 - シート型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作用電極と対極との間に、酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うことのできる発色性物質を配し、電気化学的な酸化もしくは還元反応により、この発色性物質を発色させ、画像や文字等の像表示を行うシート型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯情報端末や高度情報通信網などの発達に伴い、薄型かつ軽量で、携帯性に優れた表示装置の開発に注目が集まっている。なかでも、電界により光学的吸収特性や光学的反射特性を変化させて像表示を行い、紙と同様なフレキシビリティと電子情報を容易に書き換えることが可能な機能を有する表示装置、いわゆる電子ペーパ、ペーパーライクディスプレイ、デジタルペーパなどと呼ばれる表示装置への期待が高まっている。
【0003】
電界により光学的吸収特性や光学的反射特性が変化する素子としては、色と電気的特性の双方が異なる半球を合わせた回転粒子を誘電性液体とともに内包したマイクロカプセル(たとえば特許文献1参照。)、電気泳動粒子を分散させた溶媒を着色し、この溶媒を内包したマイクロカプセル(たとえば特許文献2参照。
)、2色性色素とスメクチック液晶とを含む液晶/高分子複合膜などがある。
【0004】
これらの方法は、電源が無くても像情報の保持が可能なメモリ性、反射型表示装置などの特徴を有し、また素子を電極のあるポリエチレンテレフタレートフィルム上などに形成できるため、薄くて、軽く、曲げることが可能なシート型の表示装置を実現できることから、紙の代替として期待されている。
【0005】
特に、エレクトロデポジションディスプレイ(EDD)に代表される、酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うシート型表示装置は、紙なみのコントラストや白色度を実現できることから注目されている。このシート型表示装置は、たとえば、ハライドである支持電解質と共にハロゲン化銀が液中に溶解し、電界をかけることで、イオン化したAg+が還元されると、電極表面にAgが析出することで発色し、析出したAgが酸化されるとAg+に戻り、液中に再溶解することで消色する酸化還元反応メカニズムを利用した表示デバイスである。白色の多孔質の背景板を用いる方法(たとえば特許文献3参照。)や、白色の無機顔料を分散した固体電解質を用いる方法(たとえば特許文献4参照。)では、背景部の反射率や白色度を高めることで高コントラスト、高白色度も実現されている。
【0006】
しかし、表示装置に紙に近いフレキシブル性を付与する面では下記の問題が存在する。すなわち、電解質を用いた電気化学反応により表示を行う表示装置の場合、使用する透明電極として通常のやり方である、ガラス板またはプラスチック板にインジウム錫酸化物(ITO)を蒸着したものを使用すると、基板であるガラス板またはプラスチック板の剛直性に妨げられて、表示装置に紙に近いフレキシブル性を付与することは困難である。
【0007】
表示装置に紙に近いフレキシブル性を付与するには、ITO蒸着フィルムを透明電極として用いるのが一般的である。ITO蒸着フィルムは、透明性、加工性、ITOとの密着性を要求されることから、基板にポリカーボネートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムを用いるのが主流である。ポリカーボネートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムを基板としたITO蒸着フィルムは、タッチパネルやエレクトロルミネッセンス素子分野で用いられ、積層膜や発色層など、固体と電極表面とが接触して電圧駆動するデバイスには有効な透明電極である。
【0008】
しかしながら、作用電極と対極との間に、酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うことのできる発色性物質を配し、電気化学的な酸化もしくは還元反応により、この発色性物質を発色させ、画像や文字等の像表示を行うシート型表示装置においては、使用する溶媒によっては、基板が溶解または膨潤するといった問題があり、時間経過と共に著しく透明電極表面が劣化し、電極表面抵抗が高まることにより、表示速度が徐々に遅くなる、更には表示しない、消色しないといった問題が生じていた。すなわち、溶媒によっては、シート型表示装置のフレキシブル化が非常に困難であった。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−234686号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献2】
特開平01−086116号公報(特許請求の範囲)
【0011】
【特許文献3】
特開平11−101994号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献4】
特開2002−258327号公報(特許請求の範囲)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決し、シート状基板が溶媒によって溶解または膨潤する問題や電極表面が経時的に劣化する問題を回避し、コントラストおよび白色度の反射率が高く、良好な表示を、低電圧で、長時間行うことができる、フレキシブルなシート型表示装置を提供することを目的としている。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、作用電極と対極との間に、酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うことのできる発色性物質と非プロトン系極性溶媒とを含む表示用組成物を配し、作用電極と対極とが配され、表示用組成物に接触するシート状基板にポリオレフィン系材料を使用し、電極間の通電により、発色性物質を発色または消色させることにより表示を行うシート型表示装置が提供される。
【0015】
本発明により、シート状基板が溶媒によって溶解または膨潤する問題や電極表面が経時的に劣化する問題を回避し、コントラストおよび白色度の反射率が高く、良好な表示を、低電圧で、長時間行うことができる、フレキシブルなシート型表示装置を提供することが可能となる。
【0016】
ポリオレフィン系材料がポリシクロオレフィンであること、ポリオレフィン系フィルムに、インジウム錫酸化物または酸化錫を、蒸着または塗布して作用電極を構成すること、銀、金、白金、アルミニウムまたは銅の金属薄膜をポリオレフィン系フィルムに配し、または、それらのいずれかの金属をポリオレフィン系フィルムに蒸着または塗布して対極を構成すること、非プロトン系極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオン酸アミド、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、2−エトキシエタノール、2−メトキシエタノール、ジオキソラン、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトンからなる群から選ばれた、少なくとも1種類の溶媒であること、発色性物質がハロゲン化銀であること、ハロゲン化銀がヨウ化銀であること、ハロゲン化銀の濃度が、表示用組成物中、0.05〜2.0moL/Lであること、対極表面に銀の導電層が形成されてなること、表示用組成物が、さらに支持電解質を含むこと、支持電解質が、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの物質を含むこと、支持電解質が、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、チオシアン酸イソシアネート、硫化ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの物質を含むこと、発色性物質の1重量部に対し、支持電解質が、総量で、0.5〜2重量部の割合で含まれること、表示用組成物が、さらに二酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとの1種類の無機白色顔料粒子を含むこと、表示用組成物の100重量部に対し、無機白色顔料粒子が、5〜20重量部の割合で含まれることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0018】
本発明に係るシート型表示装置は、作用電極と対極との間に、酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うことのできる発色性物質と非プロトン系極性溶媒とを含む表示用組成物を配してなる。表示用組成物は液状またはゾル状から固体状またはゲル状までに渡る形態を有し、一般的には電解質である。
【0019】
作用電極は、表示面側に配されるため、透明性が要求される。このため、一般的には、ITOや酸化錫といった透明電極が使用される。像の表示は、上記電極間の通電により、作用電極の近傍の発色性物質が電気化学的な酸化または還元反応により発色することで行われる。
【0020】
作用電極は、表示を行うため透明であり、更にフレキシブルな状態にするため、フィルムをシート状基板として使用し、その表面に、たとえばITO、SnO2といった導電性材料を蒸着、または塗布することで作製される。
【0021】
本発明においては、作用電極と対極とが配され、かつ、上記表示用組成物に接触するシート状基板にポリオレフィン系材料を使用する。ポリオレフィン系材料の代表例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)が挙げられるが、加工性、透明性、作用電極との密着性に問題がないのであれば、ポリオレフィンである限り、公知のどのような材料を用いても問題ない。ポリシクロオレフィンも使用できる。共重合体でもよい。
【0022】
ポリオレフィンは、後述する、表示用組成物中の非プロトン系極性溶媒に対しても、溶解、膨潤することがなく、有機溶媒に対し耐久性の強い材料であり、このようなフィルムを使用することにより、電極表面が経時的に劣化する問題を回避できる。
【0023】
ポリオレフィンの中では、特にポリシクロオレフィンは、蒸着またはエッチングの際、発生するガスが少ないため、電極の加工に適した材料である。また、吸水性が0.01重量%以下と小さいため、成形物の反り、変形がほとんどなく、ディスプレイ用フィルムに適した材料といえる。
【0024】
対極に使用する材料としては、フレキシブル性のある電極を形成できるものであれば特に問題ない。導電性の高い金属、たとえば、銀、金、白金、アルミニウム、銅の薄膜、または、蒸着膜、または塗布膜により導電層を形成してあるものが好ましい。特に、銀の析出、溶解により表示を行うシート型表示装置では、対極の電極表面に銀の導電層が形成されるようになっていると、対極側からも銀イオンが溶出するため、常に銀イオンが補充される状態であることから、表示速度が速く、高いコントラストが得られるため優位である。
【0025】
この作用電極(透明電極)と対極の間にスペーサを挟み、表示用組成物の投入口を除いてシールすることにより、シート型表示装置のセルを形成できる。このとき使用するスペーサには、作用電極と対極が接触することなく、十分な電極間距離が得られるのであれば特に制限なく、ポリプロピレン、ポリエステルなどの不織布、メッシュの類、または、粒径分布のシャープなポリマ球などを使用できる。
【0026】
また、シール材として使用できる材料としては、中に注入する表示用組成物が漏れさえしなければ特に制限なく、一般に使用される熱融着テープ、または2液性のエポキシ接着剤を使用してもよい。ただし、表示用組成物に使用する溶媒に対し、耐久性の高いポリオレフィン系スペーサ、シール材がより好ましい。
【0027】
このようにして作製したセルに表示用組成物を注入する。本発明に係る表示用組成物は、酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うことのできる発色性物質と非プロトン系極性溶媒とを含んでなる。支持電解質が含まれる場合が多い。本発明の趣旨に反しない限り、その他の材料を含んでいてもよい。
【0028】
酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うことのできる発色性物質としては、ハロゲン化銀を含んでいることが好ましい。ハロゲン化銀としては、フッ化銀(AgF)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)、ヨウ化銀(AgI)を用いることができる。なお、溶解性の観点からヨウ化銀を用いるのが好ましい。また、ハロゲン化銀の濃度は、表示用組成物中、0.05〜2.0moL/Lが適当である。
【0029】
これらの発色性物質は支持電解質とともに使用することが好ましい。酸化と還元とを迅速に繰り返すことが可能となるからである。支持電解質としては、ハライドやハライドではないものを使用することが好ましい。
【0030】
ハライドである支持電解質として、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウムなどの公知の材料を用いることができる。ハライドである支持電解質は、ハロゲン化銀を溶解する効果が高く、シート型表示装置の表示速度やハロゲン化銀の溶解性の観点からアンモニウム塩を用いるのが好ましい。
【0031】
また、ハライドではない支持電解質としては、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、チオシアン酸イソシアネート、硫化ナトリウムなどの、過塩素酸塩、チオシアン酸塩、硫化物などの公知の材料が挙げられる。支持電解質として、ハライドである支持電解質単独でもよいが、環境面を考慮すると、ハライドではない支持電解質の中からハロゲンを含まないものを選択し、これを混用するほうが好ましい場合もある。支持電解質の量は、総量で、ハロゲン化銀の1重量部に対し、0.5〜2重量部の割合であるのが適当である。
【0032】
これらハロゲン化銀や支持電解質を溶解する溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルプロピオン酸アミド(MPA)、N−メチルピロリドン(NMP)、プロピレンカーボネート(PC)、アセトニトリル(AN)、2−エトキシエタノール(EEOH)、2−メトキシエタノール(MEOH)、ジオキソラン(DOL)、エチルアセテート(EA)、テトラヒドロフラン(THF)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)等の非プロトン系極性溶媒を用いることができ、これらを混合してもよい。これらは、上記発色性物質や支持電解質の溶解性に優れたものが多い。
【0033】
なお、導電率や溶解性の観点から、DMSO、DMF、DMA、DEF、PC、EA、THF、MeTHF、DME、GBL、AN等を用いることが好ましい。
【0034】
また、銀の溶解を促進するため、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸等を適宜添加してもよい。
【0035】
コントラスト向上のために、表示用組成物中に無機白色顔料粒子を添加することができる。無機白色顔料粒子としては、二酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムが挙げられるが、隠蔽率の観点から二酸化チタンを用いるのが好ましい。また、無機白色顔料粒子としては表示用組成物の100量部に対して5〜20重量部添加するのが適当である。白色顔料を均一かつ安定に分散するために、増粘材としてポリビニルピロリドン等の材料を適当量加えてもよい。
【0036】
これらの材料を混合して作製した表示用組成物を、セルに注入し、注入口を封止することによりシート型表示装置を作製できる。なお、表示用組成物注入後、セル内の空気を除くため真空に引いてから封止を行った方がよい。
【0037】
上記の技術により、作用電極と対極との間に表示用組成物が充填され、これらの電極間の通電により、作用電極となる透明電極近傍で、電気化学的な酸化もしくは還元反応により、発色性物質を発色または消色させることで表示を行う、フレキシブルなシート型表示装置を得ることができる。
【0038】
この場合に、本発明に従い、シート状基板にポリオレフィン系フィルムを用いることにより、表示用組成物に用いる溶媒が非プロトン系極性溶媒を含んでいても、ポリオレフィン系フィルムが溶解したり膨潤したりすることがなく、電極表面の劣化に起因した高抵抗化を防止でき、長時間使用しても応答性、コントラストの面で良好な表示性能を示すシート型表示装置を実現できる。
【0039】
また、このシート型表示装置は、低電圧で駆動でき、高解像度、高表示応答性、良好な表示を実現でき、低エネルギー、低コストが実現でき、紙のように薄くフレキシブルでかつ画像の書き込み、表示、消去が容易なペーパライクディスプレイへの応用が期待できる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例に沿って、本発明に係るシート型表示装置の製造方法について説明を行う。
【0041】
[実施例1]
図1の断面構造を有するシート型表示装置を作製した。図1中、表示用組成物1は、作用電極2を配したシート状基板3と対極4を配したシート状基板5との間に挟持され、その両端でシール材6でシールされている。均一な厚さの表示用組成物1の層を実現するには、(図示されていない)スペーサを使用することができる。このシート型表示装置の表示は図1中の矢印方向から観察することになる。
【0042】
まず、日本ゼオン社製のポリシクロオレフィンフィルムをシート状基板とし、このシート状基板上に作用電極としてITOを0.2μmの厚さで蒸着したフィルムを用い、対極としてポリシクロオレフィンフィルムシート状基板に銀を1μmの厚さで蒸着したフィルムを用い、電極間にポリプロピレン不職布を挟み、表示用組成物注入口を除いた電極周囲をポリオレフィン熱融着テープでシールすることによりシート型表示装置のセルを作製した。
【0043】
表示用組成物は、DMFとDMSOとの混合溶媒(体積比率7:3)に、ヨウ化銀(0.15moL/L)、ヨウ化アンモニウム(0.15moL/L)、過塩素酸テトラーn−ブチルアンモニウム(0.15moL/L)、シュウ酸(0.18moL/L)を溶解して調製した。
【0044】
この表示用組成物85重量部に、白色顔料として酸化チタン(石原産業社製)5重量部、増粘剤としてポリビニルピロリドン10重量部を加えて混合した分散スラリーをセルの注入口より注入し、真空状態で引いてから注入口を熱圧着機で封止することによりシート型表示装置を作製した。
【0045】
このシート型表示装置の銀対極に対し、ITO作用電極に−1.2Vの電圧を10秒間印加することで、銀が析出し、黒色を表示できた。更に電圧0.8Vを10秒間印加することで銀が溶解し、消色した。
【0046】
この時、X−rite社製の測色計Spectroeye938で測定すると、最大反射率52%、コントラスト200が実現していた。1週間後、この電圧条件で表示試験を行ったところ、初期と同等の表示性能を示した。
【0047】
ディスプレイデバイスを分解し、透明電極の表面抵抗を測ると、初期抵抗30Ωと比べ、35Ωとほとんど変わらなかった。また、ポリシクロオレフィンフィルムの表面には、溶解や膨潤の兆候は観察されなかった。
【0048】
[比較例1]
作用電極、対極に使用するシート状基板を、ポリシクロオレフィンフィルムから、帝人社製ポリカーボネートフィルムに変更した以外は、実施例1と同様の組成および方法でディスプレイデバイスを作製し、表示試験を行った結果、最大反射率52%、コントラスト200が実現した。
【0049】
しかし、わずか1時間で表示および消色ができなくなった。ディスプレイデバイスを分解し、透明電極の表面抵抗を測ると、初期抵抗30Ωに比べ、600Ωと、初期抵抗の20倍に増加し、電極表面が破壊されていることが確認された。
また、ポリカーボネートフィルムの表面は、透明性を失い、白濁状態であることが確認された。
【0050】
[比較例2]
作用電極、対極に使用するシート状基板を、ポリシクロオレフィンフィルムから、東ビ社製ポリエチレンテレフタレートフィルムに変更した以外は、実施例1と同様の組成および方法でディスプレイデバイスを作製し、表示試験を行った結果、最大反射率52%、コントラスト200が実現した。
【0051】
しかし、6時間後、表示試験を行ったところ、表示および消色ができなくなった。ディスプレイデバイスを分解し、透明電極の表面抵抗を測ると、初期抵抗30Ωに比べ、300Ωと、初期抵抗の10倍に増加し、電極表面が破壊されていることが確認された。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面は、透明性を失っていることが確認された。
【0052】
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
【0053】
(付記1) 作用電極と対極との間に、酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うことのできる発色性物質と非プロトン系極性溶媒とを含む表示用組成物を配し、
当該表示用組成物に接触するシート状基板にポリオレフィン系材料を使用し、当該作用電極と当該対極との間の通電により、当該発色性物質を発色または消色させることにより表示を行うシート型表示装置。
【0054】
(付記2) 前記ポリオレフィン系材料がポリシクロオレフィンである、付記1に記載のシート型表示装置。
【0055】
(付記3) ポリオレフィン系フィルムに、インジウム錫酸化物または酸化錫を、蒸着または塗布して前記作用電極を構成した、付記1または2に記載のシート型表示装置。
【0056】
(付記4) 銀、金、白金、アルミニウムまたは銅の金属薄膜をポリオレフィン系フィルムに配し、または、それらのいずれかの金属をポリオレフィン系フィルムに蒸着または塗布して前記対極を構成した、付記1〜3のいずれかに記載のシート型表示装置。
【0057】
(付記5) 前記非プロトン系極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオン酸アミド、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、2−エトキシエタノール、2−メトキシエタノール、ジオキソラン、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトンからなる群から選ばれた、少なくとも1種類の溶媒である、付記1〜4のいずれかに記載のシート型表示装置。
【0058】
(付記6) 前記発色性物質がハロゲン化銀である、付記1〜5のいずれかに記載のシート型表示装置。
【0059】
(付記7) 前記ハロゲン化銀がヨウ化銀である、付記6に記載のシート型表示装置。
【0060】
(付記8) 前記表示用組成物が、さらに、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの支持電解質を含む、付記1〜7のいずれかに記載のシート型表示装置。
【0061】
(付記9) 前記表示用組成物が、さらに、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、チオシアン酸イソシアネート、硫化ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの支持電解質を含む、付記1〜8のいずれかに記載のシート型表示装置。
【0062】
(付記10) 前記表示用組成物が、さらに二酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとの1種類の無機白色顔料粒子を含む、付記1〜9のいずれかに記載のシート型表示装置。
【0063】
【発明の効果】
本発明により、シート状基板が溶媒によって溶解または膨潤する問題や電極表面が経時的に劣化する問題を回避し、コントラストおよび白色度の反射率が高く、良好な表示を、低電圧で、長時間行うことができる、フレキシブルなシート型表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート型表示装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 表示用組成物
2 作用電極
3 シート状基板
4 対極
5 シート状基板
6 シール材

Claims (4)

  1. 作用電極と対極との間に、酸化と還元とにより発色と消色とを繰り返し行うことのできる発色性物質であるハロゲン化銀と非プロトン系極性溶媒とを含む表示用組成物を配し、
    当該表示用組成物に接触するシート状基板にポリシクロオレフィンを使用し、
    当該作用電極と当該対極との間の通電により、当該ハロゲン化銀を発色または消色させることにより表示を行うシート型表示装置。
  2. ポリシクロオレフィンのフィルムに、インジウム錫酸化物または酸化錫を、蒸着または塗布して前記作用電極を構成した、請求項1に記載のシート型表示装置。
  3. 銀、金、白金、アルミニウムまたは銅の金属薄膜を前記フィルムに配し、または、それらのいずれかの金属を前記フィルムに蒸着または塗布して前記対極を構成した、請求項1または2に記載のシート型表示装置。
  4. 前記非プロトン系極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオン酸アミド、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、2−エトキシエタノール、2−メトキシエタノール、ジオキソラン、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトンからなる群から選ばれた、少なくとも1種類の溶媒である、請求項1〜3のいずれかに記載のシート型表示装置。
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