JP4517828B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、より詳しくは、接触転写方式を用いた画像形成装置等に関する。
従来における画像形成装置として、トナー像が形成担持される感光体ドラムと、感光体ドラム上のトナー像を用紙に転写する転写装置とを備えたものが知られている。感光体ドラムは、帯電装置によって帯電された後に露光装置によって静電潜像が形成され、その後現像装置によって現像されることによりトナー像が形成される。また、転写装置としては、例えば感光体ドラムに圧接配置される転写ロールと、転写ロールと感光体ドラムとの間に転写バイアスを印加するバイアス電源とを備えたものが用いられる。転写装置では、これら感光体ドラムと転写ロールとの間に転写バイアスを印加することにより、転写ロールと感光体ドラムとの間に転写電界を形成する。そして、形成された転写電界により、感光体ドラム上に形成されたトナー像が用紙に静電的に転写される。
転写ロール等の接触転写部材を用いた接触転写方式では、非接触転写方式であるコロナ方式の問題点であったオゾンの発生量を減少させることができ、また、転写画像のぼけを抑えられるという利点を有している。
ところで、上述した接触帯電方式では、転写部を構成する各部材(転写ロール、感光体ドラム)に転写バイアスを印加することによって、転写電界が形成される。このため、これら各部材の経時的な抵抗変化や環境による抵抗変化などを考慮して、転写バイアスを設定する必要がある。ここで、例えば転写バイアスが小さすぎると、転写電界が弱くなりすぎ、転写不足による転写不良が発生することになる。逆に、例えば転写バイアスが大きすぎると、転写電界が強くなりすぎ、放電マーク(感光体ドラム−用紙間で放電が発生し、その部分でトナー像が欠落することに起因する画質欠陥)やリトランスファー現象(用紙側から感光体ドラム側へトナーが再転移する現象)による転写不良が発生することになる。
従来における転写バイアスの設定手法として、非画像形成時に、感光体ドラムを帯電した状態で転写ロールに定電流を印加し、このときの電圧を検知して得られる検知電圧値に応じて、画像形成時の転写電流を決定する技術が存在する(特許文献1参照。)。
特開2003−241444号公報(第3−4頁)
ところで、上述した転写電流の設定手法では、感光体ドラムが帯電された状態で転写電流を供給しているため、検知電圧値は、転写電流を供給することによって発生した電圧と、感光体ドラムの帯電電位によって発生する電圧とが重畳されたものとなる。
しかしながら、従来の設定手法においては、この感光体ドラムの帯電電位を無視した状態で転写バイアスの設定を行っていたため、本当に必要な転写バイアスに対して過不足が生じ、転写不良を招くおそれがあった。これを具体的に説明すると、例えば感光体ドラムの帯電電位が高い場合には、帯電電位に引きずられて検知電圧値が高くなるため、転写部が高抵抗状態にあると見なされ、転写電流の値が低く設定される可能性がある。しかし、実際の転写部の抵抗が低い場合には、転写不足が発生してしまうことになる。逆に、感光体ドラムの帯電電位が低い場合には、帯電電位に引きずられて検知電圧値が低くなるため、転写部が低抵抗状態にあると見なされ、転写電流の値が高く設定される可能性がある。しかし、実際の転写部の抵抗が高い場合には、放電による転写不良が発生してしまうことになる。
また、このような感光体ドラムの帯電電位は、感光体ドラムの表面に形成される感光層の膜厚によって変化する。通常、感光層の膜厚は、画像形成回数の増加と共に減少していき、徐々に帯電電位が低下する。
従来においては、感光体ドラムに表面電位センサ等を対向配置することによって感光体ドラムの表面電位をモニタし、感光体ドラムの寿命等を判断していたが、表面電位センサ等を設けなければならない分、装置構成が大型化、複雑化し、また、かかるコストも増加してしまうという問題があった。
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、転写部を構成する部材の状態変化に対応して、転写電流値を適切に設定することにある。
また、他の目的は、簡易な構成で、感光体ドラム等の像担持体の寿命を判断することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体と、像担持体に直接または間接的に圧接配置され、転写電流が供給されることにより像担持体上のトナー像を被転写体に転写する転写部材と、像担持体および転写部材にかかる電圧を検出する電圧検出手段と、転写部材に第1の電流値にて電流を流したときに電圧検出手段で検出される第1の電圧値および転写部材に第2の電流値にて電流を流したときに電圧検出手段で検出される第2の電圧値に基づいて、転写動作に関連する転写パラメータを設定する設定手段とを含んでいる。
ここで、設定手段により設定される転写パラメータは、転写部材に供給される転写電流値であることを特徴とすることができる。この場合において、設定手段は、電圧検出手段で検出された第1の電圧値と第2の電圧値との電圧差を求め、電圧差に応じて転写電流値を設定することを特徴とすることができる。また、設定手段は、電圧検出手段によって検出された第1の電圧値と第1の電圧値が検出されたときに流された第1の電流値とから求められた第1のシステム抵抗と、電圧検出手段によって測定された第2の電圧値と第2の電圧値が検出されたときに流された第2の電流値とから求められた第2のシステム抵抗とに応じて転写電流値を設定することを特徴とすることができる。さらに、設定手段は、第1の電流値、第1の電圧値、第2の電流値、および第2の電圧値から一次回帰分析を行い、一次回帰分析によって求められた傾きに応じて転写電流値を設定することを特徴とすることができる。
また、設定手段により設定される転写パラメータは、像担持体に対する帯電バイアスの大きさであることを特徴とすることができる。
他の観点から捉えると、本発明が適用される画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体と、像担持体に直接または間接的に圧接配置される転写部材と、転写部材に転写電流を供給する転写電源と、像担持体と帯電部材との間に生じる電圧を測定する電圧測定部と、転写部材に第1の電流値にて電流を流したときに電圧測定部で測定される第1の電圧値および転写部材に第2の電流値にて電流を流したときに電圧測定部で測定される第2の電圧値に基づいて、像担持体の寿命を判断する判断部とを含んでいる。
ここで、判断部は、複数の電圧と対応する複数の電流との関係から一次回帰分析を行い、一次回帰分析によって求められた切片に基づいて像担持体の寿命を判断することを特徴とすることができる。また、像担持体は、表面に感光層を備えた感光体からなり、判断部は、切片に基づいて感光層の膜厚を推定することを特徴とすることができる。
さらに、方法のカテゴリーから捉えると、本発明は、像担持体に形成されたトナー像を接触転写によって記録材に転写する転写部に供給する転写電流値の設定方法であって、転写部に第1の電流値にて電流を流すステップと、第1の電流値にて電流が流された際に転写部に発生する第1の電圧値を測定するステップと、転写部に第2の電流値にて電流を流すステップと、第2の電流値にて電流が流された際に転写部に発生する第2の電圧値を測定するステップと、第1の電流値、第1の電圧値、第2の電流値、第2の電圧値に基づいて、転写電流値を決定するステップとを含んでいる。
ここで、転写電流値を決定するステップでは、第1の電流値、第1の電圧値、第2の電流値、および第2の電圧値から一次回帰分析を行い、一次回帰分析によって求められた傾きに応じて転写電流値を決定することを特徴とすることができる。
本発明によれば、転写部に流れる電流と電圧との関係から、像担持体側に起因する状態変化と転写側に起因する状態変化とを区別するようにしたので、転写部を構成する部材の状態変化に対応して、転写電流値を適切に設定することができる。
また、本発明によれば、転写部に流れる電流と電圧との関係から、像担持体の寿命を判断することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
―実施の形態1―
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示している。この画像形成装置は、矢印A方向に回転可能に配設される感光体ドラム11、矢印B方向に回動可能に配設され、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト20を備えている。またこのカラー画像形成装置は、中間転写ベルト20上に転写された重ねトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置30、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置50を備えている。
ここで、感光体ドラム11の周囲には、この感光体ドラム11を所定の電位に帯電する帯電装置12が配設されている。また、帯電装置12よりも感光体ドラム11の回転方向下流側には、帯電装置12によって帯電された感光体ドラム11に露光により静電潜像を書き込むレーザ露光装置13が設けられている。さらに、レーザ露光装置13よりもさらに感光体ドラム11の回転方向下流側には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14Y,14M,14C,14Kを回転可能に取り付けた回転式現像装置14が配設されている。また、回転式現像装置14よりも感光体ドラム11の回転方向下流側には、感光体ドラム11上に担持されたトナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ロール15が設けられ、さらに下流側には一次転写後の感光体ドラム11上の残留物を除去するドラムクリーナ16が設けられている。なお、本実施の形態では、負極性に帯電するトナーが使用されている。
また、中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では四つ)の支持ロール21〜24に掛け渡されている。ここで、支持ロール21は中間転写ベルト20の駆動ロールである。
また、支持ロール22は、中間転写ベルト20の位置決めや平坦な一次転写面の形成に用いられる金属製のアイドルロールである。さらに、支持ロール23は中間転写ベルト20の搬送方向に略直交する方向の蛇行を規制する補正ロール(ステアリングロール:軸方向一端部を支点として傾動自在に配設される)である。支持ロール24は、後述する二次転写装置30のバックアップロールである。そして、駆動ロール21を挟んで中間転写ベルト20と対向する位置には、二次転写後の中間転写ベルト20上の残留物を除去するベルトクリーナ25が配設されている。中間転写ベルト20は、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、塩化ビニル等の樹脂または各種ゴム等に導電剤としてカーボンブラックを適量含有させたものからなり、その体積抵抗率が106〜1015Ω・cmとなるように形成され、その厚みは例えば0.1mmに設定される。
二次転写装置30は、中間転写ベルト20のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール24とを備えている。さらに、バックアップロール25には金属製の給電ロール32が当接配置されている。ここで、バックアップロール24は、その体積抵抗率が103〜1010Ω・cmの範囲内に設定されている。また、二次転写ロール25は、例えば、表面にカーボンを分散した発泡ウレタンゴム、ロール表面にフッ素コートを施したものを使用し、その体積抵抗率は103〜1010Ω・cmの範囲内に設定される。
そして、中間転写ベルト20を挟んで駆動ロール21と対向する部位には、二次転写後の中間転写ベルト20上の残留物を除去するベルトクリーナ25が配設されている。なお、二次転写ロール31及びベルトクリーナ25は、中間転写ベルト20と接離自在に配設されており、カラー(複数色)画像が形成される場合には最終色前のトナー像が二次転写ロール31、ベルトクリーナ25を通過するまで、これらは中間転写ベルト20から離間している。
また、用紙搬送系は、用紙Pを収容する用紙トレイ40、この用紙トレイ40に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して送り出すピックアップロール41、ピックアップロール41にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール42を備えている。また、搬送ロール42の用紙搬送方向下流側には、所定のタイミングで二次転写装置30に用紙Pを送り込むためのレジストレーションロール(レジロール)43が配設されている。また、二次転写装置30よりも用紙搬送方向下流側には、二次転写後の用紙Pを定着装置50まで搬送するためのベルト搬送装置44が設けられている。
さらに、定着装置50は、内部に加熱源を有し、回転可能に配設される加熱ロール51を備えている。また、定着装置50は、加熱ロール51に圧接配置され、加熱ロール51に従動回転する加圧ロール52を備えている。ここで、加熱ロール51は図示しない温度調整部によってその表面温度が所定の温度範囲内となるように制御されている。
次に、本実施の形態に係るカラー画像形成装置の作像プロセスについて説明する。今、図示外のスタートスイッチがオンされると、所定の作像プロセスが実行される。まず、感光体ドラム11および中間転写ベルト20が回転を開始する。そして、帯電装置12により感光体ドラム11表面が所定の電位に帯電され、次いでレーザ露光器13により画像に対応した静電潜像が書き込まれ、対応する現像器14Y,14M,14C,14Kのいずれかによってこの静電潜像が現像される。例えば、この感光体ドラム11上に書き込まれた静電潜像がイエローに対応したものであれば、この静電潜像はイエローのトナーを内包するイエロー現像器14Yで現像され、感光体ドラム11上にはイエローのトナー像が形成される。そして、感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、感光体ドラム11と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置において、一次転写ロール15に印加される一次転写バイアスにより感光体ドラム11から中間転写ベルト20に一次転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム11上に残留したトナーはドラムクリーナ16によって除去される。
ここで、単色画像を形成する際には、中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像を直ちに用紙に二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上でのトナー像の形成並びに感光体ドラム11上に形成されたトナー像の一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。例えば、四色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合、感光体ドラム11上には順次イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のトナー像が形成され、これら各色のトナー像は順次中間転写ベルト20に一次転写される。一方、中間転写ベルト20は、一次転写されたトナー像を保持したまま感光体ドラム11と同一周期で回動し、中間転写ベルト20上にはその一回転毎にマゼンタ、シアンおよび黒のトナー像が転写され、重ねられる。
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト20の回動に伴って二次転写位置へと搬送される。一方、用紙Pは、図示しないレジロール43にて所定のタイミングで二次転写位置へと供給され、中間転写ベルト20(バックアップロール24)に対して二次転写ロール31が用紙Pをニップする。すると、二次転写位置では、二次転写装置30である二次転写ロール31とバックアップロール24との間に形成される二次転写電界の作用で、中間転写ベルト20に担持されたトナー像が用紙Pに静電転写(二次転写)される。その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着装置50へと搬送されて用紙P上のトナー像が加熱加圧定着され、図示しない排紙トレイに排出される。一方、二次転写位置を通過した中間転写ベルト20上に残留した残留トナーは、ベルトクリーナ25によって除去される。
次に、本実施の形態の特徴点である、一次転写バイアス(一次転写電流)の設定手法について詳細に説明する。
図2は、本実施の形態に係るカラー画像形成装置における一次転写系を説明するための図である。本実施の形態において、像担持体としての感光体ドラム11は、例えば円筒状のアルミニウムで構成される基材11aと、この基材11aの外周面に形成される有機系の感光層11bとを有している。また、帯電装置12は、感光体ドラム11に対して回転可能に圧接配置され、感光体ドラム11の回転に伴って従動回転する帯電ロール12aと、この帯電ロール12aに所定の帯電バイアス(本実施の形態では負極性)を印加する帯電電源12bとを備えている。さらに、転写部材としての一次転写ロール15は、例えばステンレス製の導電性心材の外周にゴム製の導電性発泡弾性体を被覆して構成されている。そして、この導電性発泡弾性体に、イオン伝導性を有する物質(例えばNBRゴム)や電子伝導性を有する物質(例えばカーボンブラック)等を混入することで、適宜抵抗調整を行っている。
一次転写ロール15には、出力電流値を調整可能な転写電源としての一次転写電流源61が接続されており、その一方で感光体ドラム11は接地されている。一次転写電流源61は、定電流制御を行うことにより一次転写ロール15に正極性の一次転写バイアス(一次転写電流)を供給する。そして、一次転写電流源61から一次転写ロール15,中間転写ベルト20,感光体ドラム11を通して一次転写電流が流れることにより、感光体ドラム11と中間転写ベルト20との間に転写電界を形成し、感光体ドラム11上のトナー像を被転写体としての中間転写ベルト20に転写する。また、一次転写電流源61と感光体ドラム11との間には電圧検出手段あるいは電圧測定部としての一次転写電圧計62が接続されている。この一次転写電圧計62は、一次転写電流源61と感光体ドラム11との間に発生する電圧を計測する。そして、本実施の形態では、この一次転写電圧計62による電圧測定結果に基づいて、一次転写電流源61より流す一次転写電流値を設定する設定手段としての転写制御部70が設けられている。
図3は、上述した転写制御部70の機能ブロック図を示している。転写制御部70は、一次転写電流源61より出力する一次転写電流値(以下、単に転写電流値とよぶ)を設定する転写電流値設定部71を備えている。また、転写制御部70は、転写電流値設定部71にて設定された第1の電流値I1を流したときに一次転写電圧計62から出力されてくる第1の電圧値V1と、同じく転写電流値設定部71にて設定された第2の電流値I2(I2≠I1)を流したときに一次転写電圧計62から出力されてくる第2の電圧値V2との電圧差ΔV=V2−V1を計算する電圧差計算部72を備えている。さらに、転写制御部70は、電圧差計算部72で求められた電圧差ΔVと基本転写電流値I0に対する補正値kとを対応付けたテーブルを格納する補正値格納部73を備えている。さらにまた、転写制御部70は、電圧差計算部72で求められた電圧差ΔVに基づいて、補正値格納部73から対応する補正値kを読み出し、基本転写電流値I0に対して補正値kを加味した転写電流値Iを求め、転写電流値設定部71に出力する補正部74を備えている。
次に、図4を参照しながら、本実施の形態における転写電流値Iの設定プロセスについて説明する。なお、この転写電流値Iの設定は、例えばジョブのスタート前など、非画像形成時に行われる。また、その際、帯電装置12は通常の画像形成時と同様に感光体ドラム11を帯電しており、また回転式現像装置14を構成する現像器のうち、感光体ドラム11と対向する位置にある現像器(例えばイエロー現像器14Y)には通常の画像形成時と同様に現像バイアスが印加されている。そして、転写電流値Iの決定は、一次転写電流源61の出力が安定する時間が経過した後に行われる。
このプロセスでは、まず、転写電流値設定部71により第1の電流値I1が設定され、一次転写電流源61によって一次転写ロール15に第1の電流値I1が流される(ステップ101)。そして、第1の電流値I1が流された状態において、一次転写電圧計62により第1の電圧値V1が測定される(ステップ102)。一次転写電圧計62によって測定された第1の電圧値V1は電圧差計算部72に出力され、電圧差計算部72に設けられたメモリ(図示せず)に一時的に格納される。
次に、転写電流値設定部71により第2の電流値I2が設定され、一次転写電流源61によって一次転写ロール15に第2の電流値I2が流される(ステップ103)。そして、第2の電流値I2が流された状態において、一次転写電圧計62により第2の電圧値V2が測定される(ステップ104)。一次転写電圧計62によって測定された第2の電圧値V2は電圧差計算部72に出力される。
なお、この説明では、第2の電流値I2が第1の電流値I1よりも大きい値に設定されているものとする。
電圧差計算部72では、一次転写電圧計62から出力された第2の電圧値V2とすでに一次転写電圧計62から出力されメモリに格納されていた第1の電圧値V1とから、両者の差である電圧差ΔV=V2−V1を計算し(ステップ105)、補正部74に出力する。補正部74では、入力されてきた電圧差ΔVに対応する補正値kを補正値格納部73から読み出し(ステップ106)、流すべき転写電流値I=k×I0を計算して(ステップ107)、転写電流値設定部71に出力する。その後、転写電流値設定部71では、設定された転写電流値Iを一次転写電流源61に対して設定し(ステップ108)、処理を終了する。
なお、上述したステップ102およびステップ104では、一次転写ロール15のロール表面に対して同一位置を外して、例えば10msec毎に30箇所の出力電圧を測定した後、全測定値の上下3点ずつを削除した値を用いて平均化を行い、第1の電圧値V1または第2の電圧値V2を求めている。
ここで、図5は、転写制御部70の補正値格納部73に格納されるテーブルの一例を示している。本実施の形態では、第1の転写電圧値V1と第2の転写電圧値V2との電圧差ΔVに応じて、100V毎に異なる補正値kが選択されるようになっている。
このように、本実施の形態では、第1の電流値I1を流したときに得られる第1の電圧値V1と、第1の電流値I1とは異なる第2の電流値I2を流したときに得られる第2の電圧値V2との電圧差ΔVに基づいて補正値kを選択し、実際の画像形成動作において用いる転写電流値Iを決定している。
これは、本発明者が行った実験に基づいて得られたものである。以下、この理由について説明する。
本発明者は、まず、同一の感光体ドラム11に対し、それぞれ抵抗値が異なる一次転写ロール15,中間転写ベルト20を組み合わせ、一次転写電流源61によって流される電流値と、そのときに一次転写電圧計62によって測定される電圧値との関係を調査した。
図6は、実験の結果として得られたI-V特性を示している。図6に示すように、一般的に使用される一次転写電流値の範囲(〜60μA程度)において、I-V特性は、
V=RI+A
と線形回帰で表すことができる。ここで、Iは電流値、Vは電圧値である。また、傾きを表すRは感光体ドラム11(感光層11b)、中間転写ベルト20、一次転写ロール15全体のシステム抵抗である。このシステム抵抗Rには、感光体ドラム11、中間転写ベルト20、一次転写ロール15それぞれが有する抵抗の他、一次転写ニップ部における接触抵抗(感光体ドラム11−中間転写ベルト20間、中間転写ベルト20−一次転写ロール15間)等も含まれている。さらに、切片を表すAは感光体ドラム11の初期帯電電位によるオフセット電位である。オフセット電位は、帯電装置12によって帯電された感光体ドラム11(感光層11b)が、一次転写部位において示す電位を意味している。このことから、I-V特性の直線回帰から求めた傾きRは、一次転写部(感光体ドラム11、中間転写ベルト20、一次転写ロール15)の電気抵抗を、切片Aは感光体ドラム11側の帯電状態を、それぞれ示すものであるといえる。
したがって、システム抵抗Rの変化は、一次転写部、特に中間転写ベルト20および一次転写ロールの状態の変化に伴って発生するものとして判別することができる。また、オフセット電位Aの変化は、主として感光体ドラム11(特に感光層11b)の状態の変化に伴って発生するものとして判別することができる。
本発明者は、次に、同一の一次転写ロール15,中間転写ベルト20に対し、感光層11bの厚さが異なる感光体ドラム11を組み合わせ、一次転写電流源61によって流される電流値と、そのときに一次転写電圧計62によって測定される電圧値との関係を調査した。
図7は、実験の結果として得られたI-V特性を示している。図7より、感光層11bの膜厚だけが変化している場合には、システム抵抗Rはほとんど変わらない(傾きがほとんど変わらない)一方で、オフセット電位Aが変化していることがわかる。具体的には、感光層11bの膜厚が薄くなるほど、オフセット電位Aの値が低下している。つまり、オフセット電位Aは、感光層11bの膜厚変化に伴う帯電電位の変化に対応するものであることが理解される。また、図7からは、感光体ドラム11の感光層11bの厚さが変わっても、感光体ドラム11(感光層11b)、中間転写ベルト20および一次転写ロール15全体のシステム抵抗Rにはほとんど影響を与えていないということが理解される。
本発明者は、さらに、低温低湿環境下において、同一の感光体ドラム11に対し、異なる一次転写ロール15,中間転写ベルト20を組み合わせ、一次転写電流源61によって流される電流値と、そのときに一次転写電圧計62によって測定される電圧値との関係を調査した。
図8は、実験の結果として得られたI-V特性を示している。高温高湿環境下では、一次転写ロール15および中間転写ベルト20の抵抗が低下するため、一次転写電流を流したときに発生する電圧は低くなり、システム抵抗Rは小さくなる。一方、低温低湿環境下では、一次転写ロール15および中間転写ベルト20の抵抗が増加するため、一次転写電流を流したときに発生する電圧も高くなり、システム抵抗Rが大きくなる。
ここで、従来の画像形成装置のように、一次転写電流源61により一定値の電流を流し、そのときに一次転写電圧計62にて測定された電圧から転写電流値Iを決定する場合について考えてみる。つまり、この場合は、一点の電流値および電圧値で転写電流値を決定していることになる。
このとき、測定される電圧は、上述したようにシステム抵抗R(主として一次転写ロール15、中間転写ベルト20の状態によって決まる)に起因するものと、オフセット電位A(主として感光体ドラム11の感光層11bの膜厚によって決まる)に起因するものとが含まれている。しかしながら、得られた電圧と流した電流とを用いて見かけ上のシステム抵抗を求めた場合には、オフセット電位Aだけ誤差が含まれることになってしまう。このため、この見かけ上のシステム抵抗に基づいて転写電流値を設定した場合には、本来必要な転写電流値からずれが生じ、結果として転写不良を招いてしまうおそれがあった。
これに対し、本実施の形態では、一次転写電流源61により複数(本実施の形態では二つ)の電流値I1,I2を流し、そのときに一次転写電圧計62にて測定された複数の電圧値V1,V2から、電圧差ΔVを得ている。この電圧差ΔVの大きさは、システム抵抗Rに比例したものとなる。つまり、電圧差ΔVを取得することにより、感光体ドラム11側に起因するオフセット電位Aの影響を除去することができる。そして、本実施の形態では、得られた電圧差ΔVより対応する補正値kを選択し、得られた補正値kで基本転写電流値I0を補正することによって画像形成時に使用する転写電流値Iを決定することとした。これにより、正確な転写電流値Iを得ることが可能となり、良好な一次転写を行うことができる。
次に、具体例を挙げて説明する。
まず、感光体ドラム11、中間転写ベルト20、一次転写ロール15の組み合わせを変えたサンプルを三つ準備した。これらをそれぞれサンプル1〜3とする。そして、各サンプル1〜3に対して第1の電流値I1=20μA、第2の電流値I2=30μAを流し、対応する第1の電圧値V1,第2の電圧値V2を測定した。結果を以下に示す。また、これらサンプル1〜3のI−V特性を図9に示す。なお、図9には、参考のため、サンプル1〜3のI−V特性から求められた一次回帰直線も例示している。
サンプル1:I1=20μAのとき、V1=450V
I2=30μAのとき、V2=700V
ΔV=700−450=250V
サンプル2:I1=20μAのとき、V1=220V
I2=30μAのとき、V2=300V
ΔV=300−220=80V
サンプル3:I1=20μAのとき、V1=580V
I2=30μAのとき、V2=900V
ΔV=900−580=320V
図9より、電圧差ΔVの大きさが、傾きすなわちシステム抵抗Rに対応していることが理解される。具体的には、システム抵抗Rが大きければ電圧差ΔVは大きくなり、システム抵抗Rが小さければ電圧差ΔVは小さくなる。
電圧差ΔVが大きい場合(システム抵抗Rが大きい場合)は、その分、転写電流値Iを小さめに設定する必要があり、一方、電圧差ΔVが小さい場合には、その分、転写電流値Iを大きめに設定する必要がある。
そこで、本実施の形態では、補正値格納部73に格納される補正値kの大きさをA>B>C>D>E>F>Gに設定している。つまり、電圧差ΔVが大きくなるほど、補正値kは小さくなっている。これにより、転写電流値Iを適正な大きさに設定することが可能となる。
なお、上述したように、一次転写ロール15や中間転写ベルト20の抵抗は温度や湿度などの周辺環境によって変動する。したがって、これら温度や湿度を考慮して転写電流値Iを設定することが好ましい。そこで、例えば図3に一点鎖線で示すように、カラー画像形成装置内に温度センサ81、湿度センサ82を取り付けておき、補正部74にて補正を行う際に、これら温度湿度の測定結果を加味して補正を行うことが好ましい。
また、本実施の形態では、基本的に、第1の電流I1および第2の電流I2を常時一定の大きさとしている。ここで、好ましい転写電流値Iの大きさは、温度や湿度等の環境によって変わることが知られており、例えば低温低湿度環境では低めの値が好ましく、例えば高温高湿環境では高めの値が好ましい。そこで、温度センサ81や湿度センサ82を備える場合においては、まず、温度および湿度の測定を行い、環境条件に適した第1の電流I1および第2の電流I2を選択してから転写電流値Iの設定プロセスを開始することが好ましい。
―実施の形態2―
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、第1の電流値I1と対応する第1の電圧値V1とから求められる見かけ上のシステム抵抗R1と、第2の電流値I2と対応する第2の電圧値V2とから求められる見かけ上のシステム抵抗R2とに基づいて、転写電流値Iの設定を行うようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、実施の形態1と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10は、本実施の形態における転写制御部70の機能ブロック図を示している。転写制御部70の基本的な構成は、実施の形態1で説明したものと略同じであるが、電圧差計算部72に代えて、転写電流値設定部71にて設定された電流とこの電流を流したときに一次転写電圧計62から出力されてくる電圧とから、見かけ上のシステム抵抗を求めるシステム抵抗計算部75が設けられている。
次に、図11を参照しながら、本実施の形態における転写電流値Iの設定プロセスについて説明する。
このプロセスでは、まず、転写電流値設定部71により第1の電流値I1が設定され、一次転写電流源61によって一次転写ロール15に第1の電流値I1が流される(ステップ201)。そして、第1の電流値I1が流された状態において、一次転写電圧計62により第1の電圧値V1が測定される(ステップ202)。転写電流値設定部71にて設定された第1の電流値I1および一次転写電圧計62によって測定された第1の電圧値V1はシステム抵抗計算部75に入力され、第1のシステム抵抗R1=V1/I1が計算される(ステップ203)。求められた第1のシステム抵抗R1は、システム抵抗計算部75に設けられたメモリ(図示せず)に一時的に格納される。
次に、転写電流値設定部71により第2の電流値I2が設定され、一次転写電流源61によって一次転写ロール15に第2の電流値I2が流される(ステップ204)。そして、第2の電流値I1が流された状態において、一次転写電圧計62により第2の電圧値V2が測定される(ステップ205)。転写電流値設定部71にて設定された第2の電流値I2および一次転写電圧計62によって測定された第2の電圧値V2はシステム抵抗計算部75に入力され、第2のシステム抵抗R2=V2/I2が計算され(ステップ206)る。そして、第1のシステム抵抗R1および第2のシステム抵抗R2が補正部74に出力される。
なお、この説明では、第2の電流値I2が第1の電流値I1よりも大きい値に設定されているものとする。
補正部74では、まず、第1のシステム抵抗R1が第2のシステム抵抗R2よりも著しく大きくなっているか否かを判断する(ステップ207)。ここで、第1のシステム抵抗R1が第2のシステム抵抗R2よりも著しく大きくなっている場合には、補正値格納部73に格納される補正値テーブル1より対応する補正値kを読み出す(ステップ208)。
一方、ステップ207において、第1のシステム抵抗R1が第2のシステム抵抗R2よりも著しく大きくなっていない場合には、次に、第2のシステム抵抗R2が第1のシステム抵抗R1よりも著しく大きくなっているか否かを判断する(ステップ209)。ここで、第2のシステム抵抗R2が第1のシステム抵抗R1よりも著しく大きくなっている場合には、補正値格納部73に格納される補正値テーブル2より対応する補正値kを読み出す(ステップ210)。
他方、ステップ209において、第2のシステム抵抗R2が第1のシステム抵抗R1よりも著しく大きくなっていない場合、換言すれば、第1のシステム抵抗R1と第2のシステム抵抗R2とが略同じである場合には、補正値格納部73に格納される補正値テーブル3より対応する補正値kを読み出す(ステップ211)。
補正部74では、流すべき転写電流値I=k×I0を計算して(ステップ212)、転写電流値設定部71に出力する。その後、転写電流値設定部71では、設定された転写電流値Iを一次転写電流源61に対して設定し(ステップ213)、処理を終了する。
本実施の形態では、求められた第1のシステム抵抗R1と第2のシステム抵抗R2との相対的な大小関係に基づいて、複数の補正値テーブルの中から適切な補正テーブルを選択し、転写電流値の補正を行っている。この理由について以下に説明する。
上述したように、本実施の形態では、第1の電流値I1よりも第2の電流値I2の方が大きい値に設定される。このため、第1のシステム抵抗R1が第2のシステム抵抗R2より著しく大きくなるということは、電流が大きくなるほど真のシステム抵抗Rが低下することを意味する。一方、第1のシステム抵抗R1が第2のシステム抵抗R2よりも著しく小さくなるということは、電流が大きくなるほど真のシステム抵抗Rが増加することを意味する。つまり、これらにおいては、真のシステム抵抗Rが電流依存性を有している(I−V特性が非線形である)ことが理解される。これに対し、第1のシステム抵抗R1≒第2のシステム抵抗R2になるということは、真のシステム抵抗Rが電流依存性を持たない(I−V特性が線形である)ことが理解される。
システム抵抗Rに電流依存性がある場合には、この電流依存性に対応した転写電流値の設定(補正)を行うことが必要になる。また、電流依存性がある場合は、システム抵抗Rが電流と共に増加するのかあるいは低下するのかによっても、必要とされる補正手法は異なる。さらに、システム抵抗Rが電流依存性を有していない場合にも、必要とされる補正手法は異なる。
そこで、本実施の形態では、第1のシステム抵抗R1および第2のシステム抵抗R2から抵抗変動の傾向を確認し、これに応じた補正テーブルにて転写電流値を補正している。これにより、転写電流値Iを適正な大きさに設定することが可能となる。
―実施の形態3―
本実施の形態は、実施の形態2と略同様であるが、第1の電流値および対応する第1の電圧値と、第2の電流値および対応する第2の電圧値とから一次回帰分析を行い、傾きであるシステム抵抗Rおよび切片であるオフセット電位Aを求め、得られたシステム抵抗Rに基づいて転写電流値Iの設定を行うようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、実施の形態1と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図12は、本実施の形態における転写制御部70のブロック図を示している。転写制御部70の基本的な構成は、実施の形態1で説明したものと略同じであるが、電圧差計算部72に代えて、I−V特性についての一次回帰分析を行ってシステム抵抗Rおよびオフセット電位Aを求める一次回帰分析部76が設けられている。また、本実施の形態に係る転写制御部70では、実施の形態1とは異なり、補正値格納部73は設けられていない。
次に、図13を参照しながら、本実施の形態における転写電流値Iの設定プロセスについて説明する。
このプロセスでは、まず、転写電流値設定部71により第1の電流値I1が設定され、一次転写電流源61によって一次転写ロール15に第1の電流値I1が流される(ステップ301)。そして、第1の電流値I1が流された状態において、一次転写電圧計62により第1の電圧値V1が測定される(ステップ302)。転写電流値設定部71にて設定された第1の電流値I1および一次転写電圧計62によって測定された第1の電圧値V1は一次回帰分析部76に出力され、一次回帰分析部76に設けられたメモリ(図示せず)に一時的に格納される。
次に、転写電流値設定部71により第2の電流値I2が設定され、一次転写電流源61によって一次転写ロール15に第2の電流値I2が流される(ステップ303)。そして、第2の電流値I2が流された状態において、一次転写電圧計62により第2の電圧値V2が測定される(ステップ304)。転写電流値設定部71にて設定された第2の電流値I2および一次転写電圧計62によって測定された第2の電圧値V2は一次回帰分析部76に出力される。
なお、この説明では、第2の電流値I2が第1の電流値I1よりも大きい値に設定されているものとする。
そして、一次回帰分析部76では、図示しないメモリから読み出された第1の電流値I1および第1の電圧値V1と、入力されてきた第2の電流値I2および第2の電圧値V2とを用いて、一次回帰分析を行う。そして、一次回帰分析によって、傾きであるシステム抵抗Rおよび切片であるオフセット電位Aを求め(ステップ305)、補正部74に出力する。
補正部74では、求められたシステム抵抗Rに応じ、転写電界を形成するのに適した転写電流値Iを計算して(ステップ306)、転写電流値設定部71に出力する。その後、転写電流値設定部71では、設定された転写電流値Iを一次転写電流源61に対して設定し(ステップ307)、処理を終了する。
このように、本実施の形態では、第1の電流値および対応する第1の電圧値と、第2の電流値および対応する第2の電圧値とを用いて一次回帰分析を行い、システム抵抗Rおよびオフセット電位Aを求めるようにした。そして、得られたシステム抵抗Rに基づいて転写電流値Iを設定するようにした。ここで、システム抵抗Rは、感光体ドラム11の帯電電位の影響が取り除かれた状態で求められているため、非常に真の値に近い。従って、このシステム抵抗Rに基づいて設定される転写電流値Iを適正な大きさに設定することが可能となる。
―実施の形態4―
本実施の形態は、実施の形態3と略同様であるが、一次回帰分析の結果から転写電流値Iの設定を行うのではなく、感光体ドラム11の帯電電位の調整あるいは感光体ドラム11の寿命の判断を行うようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、実施の形態3と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図14は、本実施の形態における転写制御部70のブロック図を示している。転写制御部70の基本的な構成は、実施の形態3で説明したものと略同じであるが、補正部74に代えて、帯電電源12bから帯電ロール12aに印加する帯電バイアスの大きさを設定する帯電設定部77が設けられている。また、帯電設定部77では、感光体ドラム11(感光層11b)の寿命判断も行っており、寿命に至った際には、その情報をユーザインタフェース(UI)63へと出力するようになっている。なお、本実施の形態において、転写制御部70は、判断部として機能するようになっている。
次に、図15を参照しながら、本実施の形態における帯電電位の設定プロセスについて説明する。
このプロセスでは、まず、帯電設定部77によって帯電バイアスが所定の基準値に設定される(ステップ401)。次に、転写電流値設定部71により第1の電流値I1が設定され、一次転写電流源61によって一次転写ロール15に第1の電流値I1が流される(ステップ402)。そして、第1の電流値I1が流された状態において、一次転写電圧計62により第1の電圧値V1が測定される(ステップ403)。転写電流値設定部71にて設定された第1の電流値I1および一次転写電圧計62によって測定された第1の電圧値V1は一次回帰分析部76に出力され、一次回帰分析部76に設けられたメモリ(図示せず)に一時的に格納される。
次に、転写電流値設定部71により第2の電流値I2が設定され、一次転写電流源61によって一次転写ロール15に第2の電流値I2が流される(ステップ404)。そして、第2の電流値I2が流された状態において、一次転写電圧計62により第2の電圧値V2が測定される(ステップ405)。転写電流値設定部71にて設定された第2の電流値I2および一次転写電圧計62によって測定された第2の電圧値V2は一次回帰分析部76に出力される。
なお、この説明では、第2の電流値I2が第1の電流値I1よりも大きい値に設定されているものとする。
そして、一次回帰分析部76では、図示しないメモリから読み出された第1の電流値I1および第1の電圧値V1と、入力されてきた第2の電流値I2および第2の電圧値V2とを用いて、一次回帰分析を行う。そして、一次回帰分析によって、傾きであるシステム抵抗Rおよび切片であるオフセット電位Aを求め(ステップ406)、帯電設定部77に出力する。
帯電設定部77では、求められたオフセット電位Aが予め定められた閾値A0以下となっているか否かを判断する(ステップ407)。なお、閾値A0については後述する。ここで、オフセット電位Aが閾値A0より大きい場合、帯電設定部77では、求められたオフセット電位Aに応じ、適切な帯電電位とするのに適した帯電バイアスを計算し(ステップ408)、求められた帯電バイアスを帯電電源12aに設定し(ステップ409)、処理を終了する。一方、オフセット電位Aが閾値A0以下の場合、帯電設定部77は、UI63に対して感光体ドラム11の寿命が到達したことを表示させ(ステップ410)、処理を終了する。
図7を用いて説明したように、感光体ドラム11の感光層11bの膜厚が減少することに伴ってオフセット電位Aは低下する。また、画像形成動作を繰り返すことによって感光層11bの膜厚は徐々に減少していく。画像形成を行うために必要な膜厚には限界がある。そこで、本実施の形態では、この限界より少し前の膜厚におけるオフセット電位Aを閾値A0として定めている。
このように、本実施の形態では、第1の電流値および対応する第1の電圧値と、第2の電流値および対応する第2の電圧値とを用いて一次回帰分析を行い、システム抵抗Rおよびオフセット電位Aを求めるようにした。本実施の形態では、感光体ドラム11の表面電位を測定する表面電位センサは設けられていないが、このような手法を採用することにより、感光体ドラム11の電位を得ることができる。
そして、得られたオフセット電位Aに基づいて、感光体ドラム11を帯電する帯電ロール12aに印加する帯電バイアスの設定を行うようにした。これにより、的確な帯電バイアスの設定を行うことができる。また、本実施の形態では、得られたオフセット電位Aに基づいて、感光体ドラム11の感光層11bの膜厚を予測し、感光体ドラム11の寿命判断を行うことができる。
なお、本実施の形態では、求められたオフセット電位Aに基づいて帯電ロール12aに印加する帯電バイアスの調整を行っていたが、これに限られるものではなく、例えば、レーザ露光装置による露光量(光ビームの強さ)や各現像器14Y,14M,14C,14Kに印加する現像バイアスを調整するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、オフセット電位Aから感光体ドラム11に印加する帯電バイアスを設定したり、あるいは、感光体ドラム11の寿命判断を行ったりしているが、これと併せて、システム抵抗Rに基づく転写電流値Iの設定も行ってもよいことは勿論である。
―実施の形態5―
図16は、本実施の形態が適用される画像形成装置の概要を示す図である。この画像形成装置は、本体100内に、例えば電子写真方式にて各色成分トナー像が形成される複数(本実施の形態では四つ)の画像形成ユニット110(具体的には110K,110Y,110M,110C)、各画像形成ユニット110で形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)保持させる中間転写ベルト120を備えている。また、画像形成装置は、中間転写ベルト120に転写された重ね画像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置130、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置150を備えている。
ここで、各色成分の画像形成ユニット110は、感光体ドラム111、この感光体ドラム111を所定の電位に帯電する帯電装置112を備えている。また画像形成ユニット110は、帯電された感光体ドラム111に静電潜像を書き込むレーザ露光装置113、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム111上の静電潜像を現像する現像装置114を有している。さらに、画像形成ユニット110は、感光体ドラム111上に担持されたトナー像を中間転写ベルト120に転写する一次転写ロール115、一次転写後の感光体ドラム111上の残留物を除去するドラムクリーナ116を具備している。
現像装置114では、トナーおよびキャリアを有する所謂二成分現像剤(以下、現像剤という)を用いた二成分現像方式が採用されている。また、本実施の形態に係る各現像装置114では、所定のタイミングで新たな現像剤を現像装置114内に供給し、その結果余剰となった現像剤を廃現像剤として外部に排出する所謂トリクル方式を採用している。これにより、長期間の使用に伴って劣化したキャリアを除去することができ、現像性能を確保することが可能となっている。このため、画像形成ユニット110の上部には、各画像形成ユニット110K,110Y,110M,110Cに対して各色の現像剤を供給するための現像剤カートリッジ117(具体的には117K,117Y,117M,117C)が配設されている。
中間転写ベルト120は、複数(本実施の形態では六つ)の支持ロール121〜126に掛け渡されている。ここで、支持ロール121は中間転写ベルト120の駆動ロールである。支持ロール122、123、126は従動ロールとして用いられる。支持ロール124は中間転写ベルト120の搬送方向に略直交する方向の蛇行を規制する補正ロール(ステアリングロール:軸方向一端部を支点として傾動自在に配設される)である。支持ロール125は後述する二次転写装置130のバックアップロールである。そして、駆動ロール121を挟んだ中間転写ベルト120には、二次転写後の中間転写ベルト120上の残留物を除去するベルトクリーナ127が配設されている。中間転写ベルト120は、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の導電剤を適当量含有させたものから構成される。
二次転写装置130は、中間転写ベルト120のトナー像担持面側に圧接配置される二次転写ロール131と、中間転写ベルト120の裏面側に配置されて二次転写ロール131の対向電極をなすバックアップロール125とを備えている。さらに、二次転写装置130は、バックアップロール125にトナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアスを印加する給電ロール132が当接配置されている。
また、用紙搬送系は、シートとしての用紙Pを収容する用紙トレイ140、この用紙トレイ140に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送経路144に搬送するピックアップロール141、ピックアップロール141にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール142を備えている。また、搬送ロール142の用紙搬送方向下流側には、所定のタイミングで二次転写装置130に用紙Pを送り込むためのレジストレーションロール(レジロール)143が配設されている。また、二次転写装置130よりも用紙搬送方向下流側の搬送経路144には、二次転写後の用紙Pを定着装置150まで搬送するためのベルト搬送装置171が設けられている。
さらに、定着装置150は、内部に加熱源を有し、回転可能に配設される加熱ロール151を備えている。また、定着装置150は、加熱ロール151に圧接配置され、加熱ロール151に従動回転する加圧ロール152を備えている。ここで、加熱ロール151は図示しない温度調整部によって所定の温度範囲となるように制御されている。
定着装置150よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pを上部側に向けて搬送する排出経路145が設けられている。この排出経路145には、複数の搬送ロール146が配設されている。そして、この排出経路145よりも下流側であって本体100の上部には、画像形成済みの用紙Pが排出される排紙トレイ101が設けられている。
また、本実施の形態では、両面モード選択時に、定着装置150で片面定着済みの用紙Pを反転させて再度二次転写装置130へと戻す用紙反転搬送機構160が設けられている。この用紙反転搬送機構160は、定着装置150からの排出経路145に対して下方に分岐する分岐経路161を設け、この分岐経路161にはさらに下方に向かって反転経路162を延設すると共に、この反転経路162からレジロール143手前の搬送経路144へと戻る戻し経路163を連通接続したものである。そして、これらの経路には必要に応じて適宜数の搬送ロール164が設けられている。また、定着装置150の出口側には、定着後の用紙Pの搬送方向を排出経路145または分岐経路161に切り替えるゲート165が設けられ、分岐経路161と戻し経路163との分岐点には反転前後の用紙Pの搬送方向を切り替えるゲート166が設けられている。さらに、反転経路162には、正逆回転可能に配設されるスイッチバックロール167が取り付けられている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図1に示すような画像形成装置に入力される。画像形成装置では、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット110等によって作像作業が実行される。画像処理装置(IPS)では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器113に出力される。
レーザ露光器113では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームを画像形成ユニット110K,110Y,110M,110Cの各々の感光体ドラム111に照射している。画像形成ユニット110K,110Y,110M,110Cの感光体ドラム111では、帯電装置112によって表面が帯電された後、このレーザ露光器113によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット110K,110Y,110M,110Cの現像器114にて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット110K,110Y,110M,110Cの感光体ドラム111上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム111と中間転写ベルト120とが当接する一次転写部にて、中間転写ベルト120上に転写される。より具体的には、一次転写部において、一次転写ロール115にて中間転写ベルト120の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスを付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト120の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト120の回転に伴って二次転写装置130に搬送される。
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール141が回転し、用紙トレイ140から用紙Pが供給される。ピックアップロール141により供給された用紙Pは、搬送ロール142により搬送経路144を搬送され、二次転写装置130に到達する。二次転写装置130に到達する前に、用紙Pはレジロール143によって一旦停止され、前述のようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト120の移動タイミングに合わせてレジロール143が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写装置130では、中間転写ベルト120を介して、二次転写ロール131がバックアップロール125に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト120と二次転写ロール131との間に挟み込まれる。このとき、給電ロール132にトナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアス(本実施の形態では負極性)が印加されると、二次転写ロール131を対向電極とする転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト120上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール131とバックアップロール125とによって押圧される二次転写位置にて、用紙Pに静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト120から剥離された後、ベルト搬送装置171によって定着装置150まで搬送される。定着装置150に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置150によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。その後、定着画像が形成された用紙Pがゲート165によって排出経路156側へ向けられ、用紙Pは排紙トレイ101に排出される。一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト120上に残った残留トナーは、中間転写ベルト120の回動に伴ってベルトクリーナ127との対向部まで搬送され、ベルトクリーナ127によって中間転写ベルト120上から除去される。
また、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置150を通過した用紙Pの先端がゲート165によって分岐経路161に進入し、分岐経路161を搬送された後にゲート166によって反転経路162に進入する。反転経路162において、用紙Pはスイッチバックロール167によって一旦奥側に向けて搬送された後、用紙Pの後端がゲート166を抜けた直後のタイミングで一旦停止し、その後所定のタイミングでスイッチバックロール167を逆回転させることにより今度は逆方向に向けて搬送される。その際、用紙Pはゲート166によって戻し経路163に進入する。戻し経路163を搬送される用紙Pは、搬送ロール164によって搬送経路144へと戻される。このとき、用紙Pは最初に搬送経路144にあったときとは異なり、表裏が反転された状態となっている。そして、今度は用紙Pの裏面に未定着トナー像が静電転写され、定着装置150によって定着された後、排出経路145を介して排紙トレイ101に排出される。
ここで、図17(a)は一次転写系を、図17(b)は二次転写系を、それぞれ説明するための図である。なお、一次転写系については、一つを例に説明するが、他の三つも同様の構成を有している。
図17(a)において、感光体ドラム111は、例えば円筒状のアルミニウムで構成される基材111aと、この基材111aの外周面に形成される有機系の感光層111bとを有している。また、帯電装置112は、感光体ドラム111に対して回転可能に圧接配置され、感光体ドラム111の回転に伴って従動回転する帯電ロール112aと、この帯電ロール112aに所定の帯電バイアス(本実施の形態では負極性)を印加する帯電電源112bとを備えている。さらに、一次転写ロール115は、例えばステンレス製の導電性心材の外周にゴム製の導電性発泡弾性体を被覆して構成されている。そして、この導電性発泡弾性体に、イオン伝導性を有する物質(例えばNBRゴム)や電子伝導性を有する物質(例えばカーボンブラック)等を混入することで、適宜抵抗調整を行っている。
一次転写ロール115には、出力電流値を調整可能な一次転写電流源181が接続されており、その一方で感光体ドラム111は接地されている。一次転写電流源181は、定電流制御を行うことにより一次転写ロール115に正極性の一次転写バイアス(一次転写電流)を供給する。そして、一次転写電流源181から一次転写ロール115,中間転写ベルト120,感光体ドラム111を通して一次転写電流が流れることにより、感光体ドラム111と中間転写ベルト120との間に転写電界を形成し、感光体ドラム111上のトナー像を中間転写ベルト120に転写する。また、一次転写電流源181と感光体ドラム111との間には一次転写電圧計182が接続されている。この一次転写電圧計182は、一次転写電流源181と感光体ドラム111との間に発生する電圧を計測する。そして、本実施の形態では、この一次転写電圧計182による電圧測定結果に基づいて、一次転写電流源181より流す一次転写電流値を設定する転写制御部200が設けられている。
なお、以下の説明では、黒画像形成ユニット110Kに設けられた一次転写電流源181をK色電流源181Kと呼ぶ。他色についても、それぞれ、Y色電流源181Y,M色電流源181M,C色電流源181Cと呼ぶことにする。また、黒画像形成ユニット110Kに設けられた一次転写電圧計182をK色電圧計182Kと呼ぶ。他色についても、それぞれY色電圧計182Y,M色電圧計182M,C色電圧計182Cと呼ぶことにする。
また、図17(b)において、二次転写ロール131には、出力電流値を調整可能な二次転写電源183が接続されており、その一方で給電ロール132は接地されている。二次転写電流源183は、定電流制御を行うことにより二次転写ロール131に正極性の二次転写バイアス(二次転写電流)を供給する。そして、二次転写電流源183から二次転写ロール131,中間転写ベルト120,バックアップロール125,給電ロール132を通して二次転写電流が流れることにより、中間転写ベルト120とニップされた図示しない用紙Pとの間に転写電界を形成し、中間転写ベルト120上のトナー像を用紙Pに転写する。また、二次転写電流源183と給電ロール132との間には二次転写電圧計184が接続されている。この二次転写電圧計184は、二次転写電流源183と給電ロール132との間に発生する電圧を計測する。そして、本実施の形態では、この二次転写電圧計184による電圧測定結果に基づいて、一次転写電流値と同様、転写制御部200において、二次転写電流源183より流す二次転写電流値を設定している。
本実施の形態において、一次転写系では、感光体ドラム111(111K,111Y,111M,111C)が像担持体として機能し、被転写体である中間転写ベルト120にトナー像を転写している。このとき、転写部材としての一次転写ロール115は、中間転写ベルト120を介して間接的に感光体ドラム111に圧接配置されることになる。また、一次転写系では、一次転写電流源181が転写電源として機能し、一次転写電圧計182が電圧検出手段あるいは電圧測定部として機能している。
一方、二次転写系では、中間転写ベルト120が像担持体として機能し、被転写体である用紙Pにトナー像を転写している。このとき、転写部材としての二次転写ロール131は中間転写ベルト120に直接圧接配置されることになる。また、二次転写系では、二次転写電流源183が転写電源として機能し、二次転写電圧計184が電圧検出手段あるいは電圧測定部として機能している。
図18は、上述した転写制御部200の機能ブロック図を示している。転写制御部200は、K色電流源181K,Y色電流源181Y,M色電流源181M,C色電流源181Cより出力する一次転写電流値を設定すると共に、二次転写電流源183より出力する二次転写電流値を設定する転写電流値設定部201を備えている。また、転写制御部200は、転写電流値設定部201にて設定された第1の電流値I1を流したときに一次転写電圧計182あるいは二次転写電圧計184から出力されてくる第1の電圧値V1と、同じく転写電流値設定部201にて設定された第2の電流値I2(I2≠I1)を流したときに一次転写電圧計182あるいは二次転写電圧計184から出力されてくる第2の電圧値V2との電圧差ΔV=V2−V1を計算する電圧差計算部202を備えている。さらに、転写制御部200は、電圧差計算部202で求められた電圧差ΔVと基本一次転写電流値Iaに対する補正値kとを対応付けたテーブルを格納する補正値格納部203を備えている。なお、補正値格納部203には基本二次転写電流値Ibに対する補正値jとを対応付けたテーブルも格納される。さらにまた、転写制御部200は、電圧差計算部202で求められた電圧差ΔVに基づいて、補正値格納部203から対応する補正値kを読み出し、基本一次転写電流値Iaに対して補正値kを加味した一次転写電流値If(IfK,IfY,IfM,IfC)を求め、転写電流値設定部201に出力する補正部204を備えている。また、補正部204は、電圧差計算部202で求められた電圧差ΔVに基づいて、補正値格納部203から対応する補正値jを読み出し、基本二次転写電流値Ibに対して補正値kを加味した一次転写電流値Isを求め、転写電流値設定部201に出力する。
次に、図19に示すフローチャートを参照しながら、本実施の形態における一次転写電流値Ifおよび二次転写電流値Isの設定プロセスについて説明する。なお、このプロセスでは、一次転写電流値Ifとして各色毎に黒の一次転写電流値IfK,イエローの一次転写電流値IfY,マゼンタの一次転写電流値IfM,シアンの一次転写電流値IfCが設定されることになる。また、このプロセスは、例えばジョブのスタート前など、非画像形成時に行われる。また、その際、各画像形成ユニット110に設けられた帯電装置112は通常の画像形成時と同様に各感光体ドラム111を帯電しており、各現像器には通常の画像形成時と同様に現像バイアスが印加されている。そして、このプロセスは、一次転写電流源181および二次転写電流源183の出力が安定する時間が経過した後に行われる。
このプロセスでは、まず、中間転写ベルト120の回動方向最上流側に配置される黒画像形成ユニット110Kにおいて一次転写電流値IfKの設定が行われ(ステップ501)、次に、その下流にあるイエロー画像形成ユニット110Yにおいて一次転写電流値IfYの設定が行われる(ステップ502)。そして、さらに下流側のマゼンタ画像形成ユニット110Mにおいて一次転写電流値IfMの設定が行われ(ステップ503)、続いてその下流にあるシアン画像形成ユニット110Cにおいて一次転写電流値IfCの設定が行われる(ステップ504)。そして、各一次転写電流値IfK,IfY,IfM,IfCが設定された後、二次転写電流値Isの設定が行われ(ステップ505)、一連のプロセスを終了する。
ここで、各一次転写電流値IfK,IfY,IfM,IfCの設定手法自体は、基本的に実施の形態1で説明したものと略同様である。但し、本実施の形態では、例えばイエロー画像形成ユニット110Yの一次転写電流値IfYを設定する際には、先に設定済みの黒画像形成ユニットの一次転写電流値IfKよりもわずかに大きくなるようにしている。これは他の画像形成ユニットにおいても同様であり、一次転写電流値はIfK<IfY<IfM<IfCなる関係を有している。
また、二次転写電流値Isの設定手法も、基本的に実施の形態1で説明したものと同様である。ただし、本実施の形態では、既に得られた一次転写電流値IfK,IfY,IfM,IfCの情報を加味して、二次転写電流値Isを設定している。
タンデム型画像形成装置の場合、各画像形成ユニット110でばらばらに一次転写電流値を設定したのでは、下流側の画像形成ユニットで転写不足となったり、あるいは既に中間転写ベルト120に転移したトナーが他の画像形成ユニットに逆転移してしまったりするおそれがある。これに対し、本実施の形態では、自身よりも上流側の画像形成ユニットにおける一次転写電流値を参照しながら自身の一次転写電流値を設定しているので、このような不具合の発生を防止することができる。
また、中間転写型の画像形成装置の場合、一次転写電流値Ifと二次転写電流値Isとを関連性を持たせずに設定したのでは、二次転写時に転写不良を生じてしまうおそれがある。これに対し、本実施の形態では、一次転写電流値を参照しながら二次転写電流値を設定しているので、このような不具合の発生を防止することができる。
なお、実施の形態1〜5では、中間転写ベルト20(120)を用いた画像形成装置を例に説明を行ったが、これに限られるものではなく、中間転写体を有しない画像形成装置にも適用することができる。また、転写ロールに代えて、転写ベルトを用いたタイプの画像形成装置にも適用することができる。
実施の形態1〜4が適用される画像形成装置を示す図である。 一次転写系の構成を説明するための図である。 実施の形態1における転写制御部の機能ブロック図である。 実施の形態1における転写電流値の設定プロセスを示すフローチャートである。 補正値格納部に格納されるテーブルの一例を示す図である。 同一の感光体ドラムに対して種々の一次転写ロールおよび中間転写ベルトを組み合わせたときのI-V特性を示す図である。 同一の一次転写ロールおよび中間転写ベルトに対して感光層の膜厚が異なる感光体ドラムを組み合わせたときのI-V特性を示す図である。 低温低湿環境下において、同一の感光体ドラムに対して種々の一次転写ロールおよび中間転写ベルトを組み合わせたときのI-V特性を示す図である。 実験によって得られたI-V特性を示す図である。 実施の形態2における転写制御部の機能ブロック図である。 実施の形態2における転写電流値の設定プロセスを示すフローチャートである。 実施の形態3における転写制御部の機能ブロック図である。 実施の形態3における転写電流値の設定プロセスを示すフローチャートである。 実施の形態4における転写制御部の機能ブロック図である。 実施の形態4における帯電バイアスの設定および感光体ドラムの寿命判断のプロセスを示すフローチャートである。 実施の形態5が適用される画像形成装置を示す図である。 (a)は一次転写系を、(b)は二次転写系を示す図である。 実施の形態5における転写制御部の機能ブロック図である。 実施の形態5における転写電流値の設定プロセスを示すフローチャートである。
符号の説明
11…感光体ドラム、11a…基材、11b…感光層、12…帯電装置、12a…帯電ロール、12b…帯電電源、15…一次転写ロール、20…中間転写ベルト、24…バックアップロール、30…二次転写装置、31…二次転写ロール、32…給電ロール、50…定着装置、61…一次転写電流源、62…一次転写電圧計、63…UI、70…転写制御部、71…転写電流値設定部、72…電圧差計算部、73…補正値格納部、74…補正部、75…システム抵抗計算部、76…一次回帰分析部、77…帯電設定部、81…温度センサ、82…湿度センサ、110(110K,110Y,110M,110C)…画像形成ユニット、111…感光体ドラム、111a…基材、111b…感光層、112…帯電装置、112a…帯電ロール、112b…帯電電源、115…一次転写ロール、120…中間転写ベルト、125…バックアップロール、130…二次転写装置、131…二次転写ロール、132…給電ロール、150…定着装置、181…一次転写電流源、182…一次転写電圧計、183…二次転写電流源、184…二次転写電圧計、200…転写制御部、201…転写電流値設定部、202…電圧差計算部、203…補正値格納部、204…補正部、I1…第1の電流値、I2…第2の電流値、V1…第1の電圧値、V2…第2の電圧値、R1…第1のシステム抵抗、R2…第2のシステム抵抗、R…システム抵抗、A…オフセット電位

Claims (3)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体を帯電する帯電手段と、
    前記帯電手段で帯電された前記像担持体を露光する露光手段と、
    前記露光手段で露光された前記像担持体をトナーで現像する現像手段と、
    前記像担持体に直接または間接的に圧接配置され、転写電流が供給されることにより当該像担持体上のトナー像を被転写体に転写する転写部材と、
    前記像担持体および前記転写部材にかかる電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記帯電手段によって基準となる帯電バイアスにて前記像担持体を帯電するとともに、当該帯電手段によって帯電された当該像担持体と接する前記転写部材に第1の電流値にて電流を流したときに前記電圧検出手段で検出される第1の電圧値および当該転写部材に第2の電流値にて電流を流したときに当該電圧検出手段で検出される第2の電圧値を用いて一次回帰分析を行い、当該一次回帰分析によって求められた切片に基づいて当該帯電バイアスの大きさを設定し、当該一次回帰分析によって求められた傾きに基づいて前記転写部材に供給する転写電流値を設定する設定手段と
    を含む画像形成装置。
  2. 前記一次回帰分析によって求められた前記切片に基づいて前記像担持体が寿命に到達したか否かを判断する判断手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体は、前記転写部材と対向する側に感光層を備え、
    前記判断手段は、前記切片に基づいて推定される前記感光層の膜厚に基づいて前記像担持体が寿命に到達したか否かを判断することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
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