JP4502740B2 - 積層セラミックコンデンサおよびその製法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサおよびその製法 Download PDF

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Description

本発明は、積層セラミックコンデンサおよびその製法に関し、特に、パソコン、携帯電話など、高機能の電子機器に使用され、それぞれ極めて薄い誘電体層と内部電極層とが交互に積層され、容量温度特性および高温負荷寿命などの信頼性に優れた小型高容量の積層セラミックコンデンサおよびその製法に関する。
近年、電子機器の小型化、高機能化に伴い、これに用いる積層セラミックコンデンサは小型高容量化が求められており、このため誘電体層および内部電極層の積層数の増加と誘電体層自体の薄層化が進められ、また、積層セラミックコンデンサとしての特性としても容量温度特性や高温負荷寿命などの信頼性の向上が図られている。
そして、このような積層セラミックコンデンサとして、例えば、下記の特許文献1〜3に開示されるようなものが知られている。
まず、特許文献1に開示された積層セラミックコンデンサでは、誘電体磁器の調製において、予め、BaTiOとMgOとを仮焼し、次いで、この仮焼粉末に対して希土類元素やアクセプタ型元素の各種酸化物を添加する方法を用いている。このような2段階の混合方法を採用することにより、焼成後においても、先に固溶させたMgOのために、後に添加した希土類元素やアクセプタ型元素の各種酸化物のBaTiO結晶粒子内への拡散が抑制され、結果的に上記した所望の特性が得られると記載されている。
特許文献2では、平均粒径が0.1〜0.3μmで、かつ容量温度特性の異なる2種類以上の結晶粒子により誘電体磁器を構成することにより、容量温度特性が平坦かつDCバイアス特性に優れた積層セラミックコンデンサが得られることが記載されている。
この公報によれば、BaTiOを主成分とする誘電体粒子において、粒子サイズが1μm以下になると平坦な容量温度特性や優れたDCバイアス特性を実現する、通称、コアシェル構造と呼ばれる結晶粒子の形成が困難となるために、このように粒子サイズが1μm以下の誘電体粒子については、さらなる微粒化を行い、誘電的活性を抑えることで、誘電体磁器全体についての平坦な容量温度特性や優れたDCバイアス特性を得ている。
特許文献3では、誘電体磁器を構成するBaTiOのBaの一部をCaで置換したBa1−xCaTiOとすることにより、これも平坦な容量温度特性や優れたDCバイアス特性が得られると記載されている。
特開2001−230149号公報 特開平9−241075号公報 特開2000−58378号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された積層セラミックコンデンサは、BaTiOとMgOを予め混合し仮焼するという予備的な工程を採用していることから、誘電体磁器の比誘電率を高くでき、かつ容量温度特性についてもB特性(温度範囲:−25℃〜85℃、容量変化率±10%以内)を満足することができるものの、いまだ、容量温度特性について温度範囲の広いX7R(温度範囲:−55℃〜125℃、容量変化率±15%以内)を満足できるものではなかった。
次に、特許文献2に記載された誘電体磁器では、誘電体粒子の微粒化のために、比誘電率がせいぜい2100程度までしか上がらないものであった。
特許文献3に記載された誘電体磁器についても、Ba1−xCaTiOでは、Ca置換による比誘電率の低下が大きく、比誘電率を2000より高くすることは困難であった。
従って、本発明は、誘電体層を薄層化しても、容量温度特性および高温負荷寿命等の信頼性に優れた小型高容量の積層セラミックコンデンサおよびその製法を提供することを目的とする。
本発明の積層セラミックコンデンサは、BaTiO 粒子(BMTL)と、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子(BMTH)とが、面積比で、BMTL/BMTH=0.0.52の関係を有する組織的な割合で共存し、かつ前記BaTiO 粒子の平均粒径をDL、前記Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子の平均粒径をDHとしたときに、DL≦DHの関係を満足するとともに、前記BaTiO 粒子および前記Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子は、希土類元素,MnおよびMgを含有し、前記希土類元素が、粒界表面である粒界層を最高濃度として、結晶粒子表面から結晶粒子内部にかけて0.09〜0.13原子%/nmの濃度勾配を有する誘電体磁器からなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積層されたコンデンサ本体を具備してなることを特徴とする。
発明によれば、BaTiO 粒子とBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子とが共存することにより、BaTiO 粒子により高い比誘電率を発現できるとともに、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子により比誘電率の温度特性を平坦化でき、さらに、これらのBaTiO 粒子とBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子と、前記BaTiO 粒子の平均粒径をDL、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子の平均粒径をDHとしたときに、上記DL≦DHの粒径の関係を有する状態で複合化することにより、高い比誘電率でかつ比誘電率の温度特性をより平坦化できる
また本発明の積層セラミックコンデンサでは、誘電体層の薄層化および高絶縁化に対して、前記BMTLおよび前記BMTHの平均粒径がいずれも0.5μm以下であることが望ましい
発明の積層セラミックコンデンサの製法は、(a)BaTiO粉末およびBa 0.95 Ca 0.05 TiO 末を準備する工程と、(b)前記BaTiO粉末に、MgOを添加し、600〜850℃の温度で仮焼して、BaTiO仮焼粉末を調製する工程と、(c)該BaTiO仮焼粉末と、前記Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 末と、希土類元素化合物、MnCO MgOと、有機ビヒクルとを所定の割合で混合してスラリを調製し、成形して誘電体グリーンシートを形成する工程と、(d)該誘電体グリーンシートの主面上に、内部電極パターンを形成する工程と、(e)内部電極パターンが形成された誘電体グリーンシートを複数積層してコンデンサ本体成形体を形成し、焼成する工程と、を具備することを特徴とする。
発明の積層セラミックコンデンサの製法では、誘電体磁器を形成するための原料粉末として、異なる焼結性および粒成長速度を有するBaTiO粉末及びBa 0.95 Ca 0.05 TiO 末を用いる場合、焼成時に、これらの原料粉末同士の反応を抑制するために、Caを含まない側のBaTiO 末に、MgOを、600〜850℃の温度で一部固溶させて、BaTiO の表面層付近にMgOを固溶させておくことにより、Caを含むBa 0.95 Ca 0.05 TiO 末側から、Caを含まないBaTiO側へのCaの拡散を抑制でき、誘電体層内におけるCa成分濃度の異なる誘電体粒子の共存状態を維持できる。
また、BaTiO 末にCa600〜850℃の温度で一部固溶させておくことにより、後に添加する希土類元素化合物やその他の添加物のBaTiO粉末に対する固溶をも抑制できる。
さらにBaTiO粉末に、MgO600〜850℃の温度で一部固溶させておくことにより、誘電体層内において、BaTiO 粒子の平均粒径DLとBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子の平均粒径DHの関係であるDL≦DHの関係を容易に満足できる。
この場合、(b)工程において添加するMgOの割合、モル比で、(b)工程および(c)工程で添加する全MgOの30〜70%とすることにより、MgOの添加効果を高めることができる。添加するMgO、BaTiOのBaイオンとのイオン半径に大きな差があることから、BaTiOへのイオンの固溶量を小さくでき、MgOをBaTiOの表面層付近に固溶させることができる。
aTiO中に予めMgのようなCaよりも小さい元素が固溶しているために、後で拡散してくるCaなど大きなイオン半径を有するアルカリ土類元素の拡散を抑制できる。つまり、本発明におけるBaTiO粉末に対する、MgOの添加効果は、BaTiO粉末に先に添加するMgOのイオン半径の小さい元素を用いるほど、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 末側からのCaの拡散を抑制できる
(積層セラミックコンデンサ構造)
本発明の積層セラミックコンデンサについて、図1の概略断面図をもとに詳細に説明する。本発明の積層セラミックコンデンサは、コンデンサ本体1の両端部に外部電極3を形成して構成されている。この外部電極3は、例えば、CuもしくはCuとNiの合金ペーストを焼き付けて形成されている。
コンデンサ本体1は誘電体層5と内部電極層7とを交互に積層してなるものである。この誘電体層5はCa濃度の低い、Ba及びTiを主成分とする誘電体粒子であるBaTiO 粒子11およCa濃度の高い、Ba及びTiを主成分とする誘電体粒子であるBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子13と粒界相15とからなり、その厚みは4μm以下が望ましく、特に、静電容量を高めるという点で3μm以下、一方、絶縁性を高く維持するという点で0.5μm以上、特に1μm以上が望ましい。さらに本発明では、静電容量のばらつきおよび容量温度特性の安定化のために、誘電体層5の厚みばらつきが10%以内であることがより望ましい。
内部電極層7は、高積層化しても製造コストを抑制できるという点で、NiやCuなどの卑金属が望ましく、特に、本発明の誘電体層との同時焼成を図るという点でNiがより望ましい。この内部電極層7の厚みは平均2μm以下が好ましい。
特に本発明では、誘電体層5においてBaTiO 粒子と、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子とが、面積比で、BaTiO 粒子Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子=0.0.52の関係を有する組織的な割合で共存することが重要である。この場合、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子Caは0.4〜1原子%の範囲が好ましい。
BaTiO 粒子のCa成分濃度が0.2原子以上では、その粒子の比誘電率が低下するとともに、Ca成分濃度の高いBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子との差別化が困難となり温度特性の制御も困難となる。
BMTL/BMTH比が0.1より小さい場合には、BMTL量比率が低いために、誘電体層5の比誘電率が低いものとなり、一方、BMTL/BMTH比が9より大きい場合には、BMTHによる比誘電率の温度特性の平坦化の効果が小さくなる。そして、上記比誘電率およびその温度特性をさらに向上させるという点で、BMTL/BMTH=0.25〜4がより望ましい。
また、本発明にかかる誘電体層を構成するBaTiO 粒子およびBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子では、BaTiO 粒子の平均粒径をDL、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子の平均粒径をDHとしたときに、DL≦DHの関係を満足することを特徴とするものであり、この場合、一般に低い比誘電率を示すアルカリ土類元素濃度の高いBa 0.95 Ca 0.05 TiO 側の比誘電率を高くかつ温度特性を高めることができる。
また、BaTiO 粒子に固溶しているCa、BaTiOへの固溶率が高く、BaTiOの比誘電率向上およびその温度特性向上という点でい。
また本発明によれば、BMTLおよびBMTHの平均粒径はいずれも0.5μm以下、特に0.4μm以下であることが高絶縁性化という点でより望ましく、比誘電率を高めるという点で0.1μm以上が望ましい。
さらには、誘電体層5の厚みが4μm以下、内部電極層7は卑金属(Cu、Ni、Coなど)のうち、特に、金属の焼結温度が上記誘電体材料の焼結温度と一致するという点でNiが好ましい。
また、本発明にかかる誘電体層5では、希土類元素化合物は、粒界表面である粒界相15を最高濃度として結晶粒子表面から粒子内部にかけて濃度勾配を有するとともに、0.05原子%/nm以上であることが好ましい。つまり、希土類元素の濃度勾配がこのような条件であれば、比誘電率および高温負荷寿命の向上とともに容量温度特性としてもX7R規格を満たすものを得ることができる。
ここで本発明における希土類元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Er、Tm、Yb、Lu、Scのうち少なくとも1種が好ましい。
さらに、本発明におけるBaTiO 子は、仮焼により、Mgが表面領域に固溶されたものであるが、BaTiO 子の表面領域におけるMgの濃度勾配は、希土類元素の拡散固溶の抑制を高めるという点で、粒界部を高濃度側として、粒内へ向けて0.003原子%/nm以上、望ましくは0.01原子%/nm以上であることが望ましい。
(製法)
本発明の積層セラミックコンデンサの製法は、(a)BaTiO粉末およびBa 0.95 Ca 0.05 TiO 末を準備する工程と、(b)前記BaTiO粉末に、MgOを添加し、600〜850℃の温度で仮焼して、BaTiO仮焼粉末を調製する工程と、を具備することを特徴とする。ここで用いるBa 0.95 Ca 0.05 TiO 末は、焼成後におけるBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子となるものであ。BaTiO およびBa 0.95 Ca 0.05 TiO )粉末のうち、BaTiO粉末にのみ、600〜850℃の温度で仮焼して、MgOがBaTiO粉末表面に固溶形成されたBaTiO仮焼粉末を調製することが重要であ
ここで用いる主原料のBaTiO粉末及びBa1−xTiO(M:Mg、Ca、Sr、X=0.01〜0.2)粉末としては粒度分布が狭く結晶性が高いという理由から水熱合成法により得られた粉末が望ましく、その平均粒径は0.1μm以上、0.4μm以下が望ましい。また、このように微細な粉末の比表面積としては1.7〜6.6(m/g)が好ましい。即ち、本発明においては、低温仮焼により、Baを除くアルカリ土類元素の酸化物が表面固溶したBaTiO粉末を形成するという理由から高い反応性を有する粉末としておくことが必要であることから、平均粒径とともに比表面積までも上記の範囲に規定しておくことが望ましい。
本発明の積層セラミックコンデンサの製法における仮焼温度としては、BaTiO粉末におけるMgOの固溶を抑制するという理由から、850℃以下、特に750℃以下が望ましいが、一方、BaTiO粉末表面へのMgOの拡散固溶を確実なものにするという理由から600℃以上、特には、650℃以上が望ましい。尚、用いるMgO粉末の平均粒径は0.3μm以下が望ましい。本発明では、MgOとともに仮焼を行ったBaTiOを用いることにより希土類元素の拡散固溶を抑制することができる。
これに対して、BaTiO粉末に対して、MgOを固溶させるための仮焼温度が850℃よりも高いと、粒界近傍でのMgが拡散固溶しやすくなり、希土類元素化合物の拡散固溶が進んでしまうため、Ca成分濃度の低いBaTiO 粒子の粒成長が生じてしまいやすく、静電容量の温度特性が所望の特性を満足できなくなる。
本発明における上記処理に対して、BaTiO粉末にMgOを先に固溶させる処理を行わないで、BaTiO粉末やBa 0.95 Ca 0.05 TiO 希土類元素化合物、MnCO などの添加物とともに一括で添加した場合には、BaTiOの表面層にMgOが固溶したものを形成しにくくなるために、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 末からのCa成分などの拡散が多くなり、BaTiO本来の比誘電率を維持できず低下し静電容量の低下をきたす。
本製法の(b)工程において添加するMgOの割合は、モル比(質量比)で、(b)工程および(c)工程で添加する全MgOの30〜70%が好まし
また、BaTiO粉末及びBa 0.95 Ca 0.05 TiO 末の平均粒径は0.4μm以下であることが望ましい。なお、本発明にかかる誘電体層はガラス相を含むものであるが、このガラス相として、Si―Li−Ca系のガラス粉末が好適である。
次に、(c)工程では、BaTiO仮焼粉末と、前記Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 末と、希土類元素化合物、MnCO と、MgOと、有機ビヒクルとを所定の割合で混合してスラリを調製し、成形して誘電体グリーンシートを形成する。上記したスラリを用いた成形はダイコータなどのシート成形法が好適であり、このような成形法により形成される誘電体グリーンシートの厚みは5μm以下、特に、4μm以下が好ましい。
次に、(d)工程では、誘電体グリーンシートの主面上に内部電極パターンを形成する。内部電極パターンは、例えば、NiやCuなどの卑金属粉末を有機樹脂や溶剤とともにペースト化したものをスクリーン印刷により形成する。内部電極パターンの厚みは、誘電体グリーンシート上における段差を小さくするという点で、誘電体グリーンシートの厚みよりも薄く4μm以下であることが望ましい。
次に、(e)工程では、内部電極パターンが形成された誘電体グリーンシートを複数積層してコンデンサ本体成形体を形成し、この後、コンデンサ本体成形体を大気中で40〜80℃/hの昇温速度で400〜500℃にて脱バインダ処理を行い、その後、還元雰囲気中で500℃からの昇温速度を100〜400℃/hとし、1100〜1300℃の温度で2〜5時間焼成し、続いて80〜400℃/hの降温速度で冷却し、大気雰囲気中750〜1100℃で再酸化処理を行う。
最後に、焼成して得たコンデンサ本体の両端面に、外部電極用ペーストを塗布して窒素中で焼き付けることによって、外部電極3を形成し、本発明の積層セラミックコンデンサを得ることができる。
本発明の積層セラミックコンデンサを以下のようにして作製した。まず、予めBaTiO(BT)+(Ba0.95Ca0.05)TiO(BCT)を準備し、MgOの0.25モル部をBaTiO粉末に添加して混合し、表1に示す温度で2時間加熱した。次に、この仮焼したBaTiO粉末と(Ba0.95Ca0.05)TiO粉末100モル部に対して、希土類元素を表1に示す量、MnCOを0.3モル部、MgOを0.25モル部、LiOとSiOとCaOからなる添加成分をBaTiO+(Ba0.95Ca0.05)TiO100質量部に対して0.5質量部混合して、この混合粉末を直径5mmφのZrOボールを用いたボールミルにて湿式粉砕し有機バインダを加えてスラリーを調製した。次に、このスラリーを用いてドクターブレードにより厚み2.5μmの誘電体グリーンシートを作製した。次に、この誘電体グリーンシート上に、Ni金属を含む導体ペーストをスクリーン印刷して内部電極パターンを形成した。次に、内部電極パターンを形成した誘電体グリーンシートを388枚積層し、その上下面に、内部電極パターンを形成していない誘電体グリーンシートをそれぞれ20枚積層しプレス機を用いて一体化し母体積層体を得た。
この後、母体積層体を格子状に切断して、2.3mm×1.5mm×1.5mmのコンデンサ本体成形体を作製した。
次に、このコンデンサ本体成形体を50℃/hの昇温速度で大気中500℃にて脱バインダ処理を行い、500℃からの昇温速度が200℃/hの昇温速度で、1200℃(酸素分圧10−11atm)で2時間焼成し、続いて200℃/hの降温速度で800℃まで冷却し、大気雰囲気中800℃で4時間再酸化処理をし、200℃/hの降温速度で冷却しコンデンサ本体を作製した。誘電体層の厚みは2.3μmであった。
次に、焼成したコンデンサ本体をバレル研磨した後、その両端部にCu粉末とガラスを含んだ外部電極ペーストを塗布し、850℃、窒素中で焼き付けを行い、外部電極を形成した。その後、電解バレル機を用いて、この外部電極の表面に、順にNiおよびSnメッキを行い、積層セラミックコンデンサを作製した。
次に、作製した積層セラミックコンデンサであるこれらの試料を、LCRメーター4284Aを用いて周波数1.0kHz、入力信号レベル0.5Vにて静電容量、誘電損失を測定した。比誘電率は、静電容量と内部電極層の有効面積、誘電体層の厚みから算出した。続いて、静電容量の温度特性を25℃の時の静電容量を基準として、−55〜125℃の範囲において測定した。高温負荷試験は、温度125℃、電圧は9.45Vの条件で、1000時間行い、試料数30個につき絶縁抵抗の変化を測定した。この場合不良なきものを良とした。また、結晶粒子径およびそのばらつきはインターセプト法により電子顕微鏡にて撮影した写真を用いて測定した。
また、誘電体層を構成する結晶粒子中の希土類元素の存在については断面研磨した試料について透過電子顕微鏡と制限視野電子回折像解析を用いて評価した。
また、Ca濃度に関しては、透過電子顕微鏡及びEDSを用いて、中心部近傍の任意の場所を分析した。その際、Ca濃度が0.4原子%よりも高いものに関して、Ca濃度の高い誘電体粒子とした。この分析は、主結晶粒子100〜150個に関して行った。
本発明の試料における結晶粒子の平均粒径は、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子は0.4μm、BaTiO 子は0.3μmであった。また、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子およBaTiO 子共に平均粒径のばらつき(CV値)は、0.5以下であった。
また、比較例として、BaTiO 粉末および(Ba0.95Ca0.05)TiO 粉末を一括仮焼した試料(試料No.7)を作製した。また、粒径をBaTiOが0.4μm、(Ba0.95Ca0.05)TiOが0.35μmとし、BaTiOへのMgOの仮焼温度を850℃とし、これ以外の添加物組成や手順は上記本発明の工程と同じとしたものを作製した。(No.8)
また、比較例として、BaTiO粉末のみで、もしくは、(Ba0.95Ca0.05)TiO粉末のみで、これ以外の添加物組成や手順は上記本発明の工程と同じとした。(No.9、10)
Figure 0004502740
Figure 0004502740
表1、2から明らかなように、本発明の製法を用いて作製した試料No.1〜No.6では、比誘電率が3050以上を満足し、容量温度特性がX7R規格を満足し、125℃、9.45Vでの高温負荷試験においても1000時間を満足するものであった。
比較例であるNo.7の試料では、希土類元素濃度勾配が本発明の範囲外であり、さらに固溶の進展により粒成長が起こり、Ca濃度が高い誘電体粒子であるBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子の平均粒径が0.4μmよりも大きくなり、誘電体層厚みが2.3μmの場合には容量温度特性がX7R規格を満足しなかった。
比較例であるNo.8の試料では、Ca濃度の低い誘電体粒子であるBaTiO 粒子の平均粒径の方が、Ca濃度が低い誘電体粒子であるBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子の平均粒径よりも大きいために、比誘電率は高いものの、容量温度特性がX7R規格を満足しなかった。
また、比較例であるNo.9の試料では、全てCa濃度の低い誘電体粒子であるBaTiO 粒子のため、静電容量の温度特性がX7R規格を満足しなかった。
また、比較例No.10の試料では、全てCa濃度の高い誘電体粒子であるBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子のため、粒成長が促進され、平均粒径が0.4μmよりも大きくなり、容量温度特性は満足するものの、比誘電率が低くかつ高温負荷寿命を満足できなかった。
本発明の積層セラミックコンデンサの概略断面図である。
符号の説明
1・・・コンデンサ本体
5・・・誘電体層
7・・・内部電極層
11・・Ca濃度の低い、Ba及びTiを主成分とする誘電体粒子であるBaTiO 粒子
13・・Ca濃度の高い、Ba及びTiを主成分とする誘電体粒子であるBa 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子
15・・粒界相

Claims (3)

  1. BaTiO 粒子と、Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子とが、面積比で、BaTiO 粒子Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子=0.0.52の関係を有する割合で共存し、かつ前記BaTiO 粒子の平均粒径をDL、前記Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子の平均粒径をDHとしたときに、DL≦DHの関係を満足するとともに、前記BaTiO 粒子および前記Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子は、希土類元素,MnおよびMgを含有し、前記希土類元素が、粒界表面である粒界層を最高濃度として、結晶粒子表面から結晶粒子内部にかけて0.09〜0.13原子%/nmの濃度勾配を有する誘電体磁器からなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積層されたコンデンサ本体を具備してなることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記BaTiO 粒子および前記Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 粒子の平均粒径がいずれも0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサの製法であって、(a)BaTiO粉末およびBa 0.95 Ca 0.05 TiO 末を準備する工程と、
    (b)前記BaTiO粉末に、MgOを添加し、600〜850℃の温度で仮焼して、BaTiO仮焼粉末を調製する工程と、
    (c)該BaTiO仮焼粉末と、前記Ba 0.95 Ca 0.05 TiO 末と、希土類元素化合物、MnCO と、MgOと、有機ビヒクルとを混合してスラリを調製し、成形して誘電体グリーンシートを形成する工程と、
    (d)該誘電体グリーンシートの主面上に、内部電極パターンを形成する工程と、
    (e)内部電極パターンが形成された誘電体グリーンシートを複数積層してコンデンサ本体成形体を形成し、焼成する工程と、を具備することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製法。
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