JP4495792B2 - ノイズ低減素子およびそれを用いた半導体回路素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズ低減素子に関するもので、特にスイッチング電源の整流回路におけるダイオードのリードに直接挿通するノイズ低減素子等に用いるもので、詳しくは、ケース形状を改良することや液晶ポリマー製絶縁ケースを用いることにより、装着性、耐振動性等を向上させたノイズ低減素子およびそれを用いた半導体回路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源などの電子回路におけるノイズ発生源として、ダイオードやトランジスタ等の半導体素子が挙げられるが、これらの半導体素子に対するノイズ対策方法として磁気ノイズ低減素子(以下、ノイズ低減素子と称す)を用いる方法がある。ノイズ低減素子は非晶質合金などの各種磁性材料からなる筒状体(磁心)およびこの筒状体の例えば周囲に配した絶縁部材により形成したもので、半導体素子のリードを挿通して使用される。
【0003】
この方法は通常のノイズフィルタなどによりノイズを低減する方法に比べ組み上がってしまった電源ユニットに対してもノイズ対策ができるため近年良く用いられている。また、磁性材料として、従来のフェライトから非晶質合金などの損失の小さい磁性材料に変えているためノイズ低減素子の発熱の問題や割損といった問題をも改良されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このノイズ低減素子は半導体素子のリードを挿通し易いように、リードが挿通する内孔部がリードの断面形状より大きい直径で形成されている。このため、ノイズ低減素子に半導体素子のリードを挿通すると、ノイズ低減素子が自由に動いてしまう。ノイズ低減素子にリードを挿通した状態で半導体素子を回路基板に取付ける際には、ノイズ低減素子をリードから落ちないように手で抑えておく必要があり、取付け作業が面倒であった。また、この取付け作業中に手での押さえが緩んでノイズ低減素子が抜け落ちることもあった。
【0005】
さらに、半導体素子を回路基板に取付けたときに、ノイズ低減素子が外部の振動でリードを挿通した状態で自由に動いて破損したり、他の回路基板おける他の導電部に接触してショートを起こす原因となっている。
【0006】
このため、ノイズ低減素子を使用する場合に、例えば特開平1−71164号のようにノイズ低減素子を樹脂モールドや接着剤により固定することが検討されているが、この場合には作業性が悪いことやノイズ低減素子を一度取付けたら外すことが困難であるという問題があった。
【0007】
また、特開平5−234760号のようにノイズ低減素子の空心部中に押さえ部材を用いリードと固定することも検討されている。この場合、ノイズ低減素子の固定については良好な結果が得られるものの、自動車等の振動が大きいものに搭載される半導体素子に用いた場合に固定強度が十分でなかったり、元々小型であるノイズ低減素子の空心部中に入るような小型の押さえ部材を製造することは製造工程を繁雑にするといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、半導体素子のリード等への固定を容易かつ十分な固定強度を持ち、振動に強い構造を持ち、放熱性が優れたノイズ低減素子及びそれを用いた半導体回路素子を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の目的を達成するため請求項1の発明に係るノイズ低減素子は、磁性材料からなる筒状磁心と該磁心を収納する絶縁ケースを有するノイズ低減素子において、該ノイズ低減素子を構成する絶縁ケースには半導体回路のライン又は各種素子のリードを挿通するための空心部が設けられており、該ケースの空心部入口が前記ライン又はリードと同じ形状であることを特徴とすることとし、
請求項2として、磁性材料からなる筒状磁心と該磁心を収納する絶縁ケースを有するノイズ低減素子において、該ノイズ低減素子を構成する絶縁ケースには半導体回路のライン又は各種素子のリードを挿通するための空心部が設けられており、なお且つ該ケースが液晶ポリマーからなることを特徴とするノイズ低減素子とし、
請求項3として、磁性材料が非晶質合金であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のノイズ低減素子とし、
請求項4として、磁性材料が微細結晶を有する磁性合金であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のノイズ低減素子とし、
請求項5として、磁心の平均外径をD、磁心の高さをHで表したとき、H/D≧1となることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のノイズ低減素子とし、
請求項6として、絶縁ケースにマーカーを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のノイズ低減素子とし、
請求項7として、空心部入口が4角形であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のノイズ低減素子とし、
請求項8として、絶縁ケースが直方体であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のノイズ低減素子とし、
請求項9として、非晶質合金からなる筒状磁心と該磁心を収納するための絶縁ケースからなるノイズ低減素子において、該ノイズ低減素子を構成する絶縁ケースには半導体回路のライン又は各種素子のリードを挿通するための空心部が設けられており、該ケースの空心部入口が角型であると共に、磁心の方向性を示すためのマーカーが設けられたことを特徴とするノイズ低減素子とし、
請求項10として、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のノイズ低減素子を用いたことを特徴とする半導体回路素子としている。
【0010】
本発明においては、ノイズ低減素子を構成する絶縁ケースの空心部入口を半導体回路のライン又は各種素子のリード形状に合わせること、具体的には角形形状とすること、特に4角形状にすること、絶縁ケースの材質として液晶ポリマーを用いること、及び磁性材料として非晶質合金又は微細結晶を有する磁性合金を用いることにより、耐振性に強く磁気特性や放熱性の優れたノイズ低減素子を得ることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明を実施するための形態について説明する。
本発明では、磁性材料からなる筒状磁心と、その磁心を収納する絶縁ケースを用いている。
【0012】
磁性材料からなる筒状磁心に用いる磁性材料としては、磁性材料であれば特に問題はないが、非晶質合金又は微細結晶を有する磁性合金であることが好ましい。
【0013】
まず、非晶質合金としては、Co系、Fe系、Ni−Fe系と特に限定するものではないが、Co系又はFe系としては次の一般式1を満たすものが好ましい。
【0014】
一般式1:(M1-a M’a100-bb
式中、MはFe、Coから選ばれる少なくとも1種の元素を、
M’はTi、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ta、Wから選ばれる少なくとも1種の元素を、
XはB、Si、C、Pから選ばれる少なくとも1種の元素
を示し、0≦a≦0.5、10≦b≦35 (各数字はat%)となる。ここでM元素はCo又は/及びFeとなり磁束密度や鉄損等の磁気特性に応じて組成比率を調整していく、M’元素は熱安定性、耐食性、結晶化温度の制御のために必要な元素であり、好ましくはCr、Mn、Zr、Nb、Moを用いるのがよく、X元素は非晶質合金を得るのに必要な元素であり、特にBは非晶質化するのに有効な元素であり、Siは非晶質形成を助成すること及び結晶化温度の上昇に有効な元素である。
【0015】
次に、Ni−Fe系非晶質合金については次の一般式2を満たすものが好ましい。
一般式2:(Ni1-a Fea100-x-y-zx Siyz
式中、MはV、Cr、Mn、Co、Nb、Mo、Ta、W、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0.2≦a≦0.5、0.05≦x≦10、4≦y≦18、5≦z≦20、15≦y+z≦30 (各数字はat%)となる。
【0016】
このNi−Fe系非晶質合金はNiリッチなNi−Fe系をベースとする非晶質合金である。ここでM元素は、熱安定性、耐食性、結晶化温度の制御のために必要な元素であり、特に好ましくはCr、Mn、Co、Nbである。
【0017】
非晶質合金の製造方法としては、液体急冷法が好ましく、具体的には、所定の組成比に調整した合金素材を溶融状態から105 ℃/秒以上の冷却速度で急冷することによって得られる。このような液体急冷法により製造された非晶質合金は、薄帯という形状で得られる。これら非晶質合金薄帯の厚みは30μm以下が好ましく、さらに好ましくは8〜20μmであり、薄帯の厚さを制御することにより低損失の磁心を得ることが可能となる。
【0018】
微細結晶を有する磁性合金については、次の一般式3を満たすものが好ましい。
一般式3:Fea Cubc Side
式中、Mは周期律表4a、5a、6a族元素又はMn、Ni、Co、Alから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a+b+c+d+e=100at%、0.01≦b≦4、0.01≦c≦10、10≦d≦25、3≦e≦12、17≦d+e≦30となる。
【0019】
ここでCuは耐食性を高め、結晶粒の粗大化を防ぐと共に、鉄損や透磁率等の軟磁気特性を改善するのに有効な元素であり、M元素は結晶径の均一化に有効であると共に、磁歪及び磁気異方性の低減、温度変化に対する磁気特性の改善に有効な元素である。微細結晶としては、50〜300オングストロームの結晶粒を合金中に面積比で50%以上、好ましくは90%以上存在することがよい。
【0020】
微細結晶を有する磁性合金の製造方法としては、液体急冷法により一般式3の合金組成を有する非晶質合金薄帯を得た後、前記非晶質合金の結晶化温度に対し−50〜+120℃、1分〜5時間の熱処理を行い、微細結晶を析出させる方法、又は液体急冷法の急冷温度を制御して微細結晶を直接析出させる方法等により得ることが可能となる。このような方法で微細結晶を有する磁性材料の薄帯を得ることができる。薄帯の板厚については、非晶質合金薄帯と同様に、30μm以下が好ましく、さらに好ましくは8〜20μmである。
【0021】
以上のような磁性材料からなる薄帯を巻回または積層することにより筒状磁心を得る。これらの磁心は磁性合金薄帯の絶縁性を得るために、磁性合金薄帯及び/又は磁心自体に絶縁処理を施す。絶縁処理については、薄帯の層間絶縁を得るためにマグネシア、アルミナ、シリカ、ジルコニアといった金属酸化物の被膜を薄帯表面に設けることが好ましく、磁心形成後は絶縁性ケースに収納することとなる。
【0022】
本発明では、絶縁ケースに空心部を設け、空心部入口の形状を半導体回路のラインや各種素子のリードと同じ形状にしている。絶縁ケースに収納する磁心は円筒状であるためもともと空心部は存在している、この空心部に半導体回路のライン又は各種素子、例えばダイオードやトランジスタのリードを挿通することになる。前述したように従来の樹脂モールドや接着剤による固定では作業性が悪いことやノイズ低減素子を一度取付けたら外すことが困難であるといった問題があるため、絶縁ケースを用いることが好ましい。
【0023】
そこで本発明は、ケースの空心部入口を半導体回路のライン又は各種素子のリード形状と同じ形状、具体的には角形、特に4角形とすることにより、ノイズ低減素子の装着後の樹脂モールドや接着剤の使用を不要にし、十分な固定強度を得ることを可能にした(図1)。
【0024】
最近の半導体回路や各種素子、特に1A以上のパワー系素子のラインやリードの形状は角形、特に4角形状になってきており絶縁ケースの空心部入口形状をこれらの形状に合わせることにより十分な固定強度を得ることができ、接着剤や樹脂モールドといった繁雑な作業が不必要になる。
【0025】
絶縁ケースの空心部入口の形状は、半導体回路のラインや各種素子のリード形状に合わせておけばとくに問題はないが、好ましくは、該ラインやリードの形状より±5%以内となる。空心部入口を小さくしておけばより固定強度が強くなるが、該リードより5%以上小さいと空心部の形状が小さくなりすぎ装着性が悪くなることや磁心に応力が掛かり磁気特性に悪影響が及ぼされたり破損の原因となり、逆に5%より大きいと空心部入口が大きくなりすぎ十分な固定強度が得られなくなる。
【0026】
また、装着性の観点からみると、空心部入口を該リードと同じ大きさにし、空心部の内面を円形状に凸部を設けることにより、装着を容易にし、さらに十分な固定強度を得ることが可能となる(図2)。
【0027】
絶縁ケースの外径形状は円筒、角形と特に限定されるものではないが、放熱性を考慮した場合、角形、特に放熱板と接触する面が平面であることが好ましい。
本発明のノイズ低減素子は、非晶質合金や微細結晶を有する磁性合金といった低損失の磁性材料を使用することにより、素子自体の磁気特性を向上させるのみではなく発熱量を低減させることが可能である。さらに、絶縁ケースの半導体回路における放熱板と接する面を平面とすることにより放熱性を向上させることが可能である。ノイズ低減素子の発熱については、発熱量が大きいと半導体素子そのものに悪影響を与え、その半導体素子を破壊してしまい、その結果半導体回路全体を機能しないものにしてしまうためノイズ低減素子の発熱量は少なくし、放熱性を良くしていくことが望まれている。
【0028】
放熱板と接する面を平面にする形状とする場合、ケース形状を直方体とするとより好ましくなる。通常、各種素子、例えばダイオードやトランジスタ等はリードが複数本備わっているものであり、本発明のノイズ低減素子は一般的にリード1本につき1個装備するものである。ここで、各種素子のリード断面形状は正方形、長方形といった4角形状が多くなっていることから、絶縁ケースの形状を直方体とすることにより、どの面が放熱基板側になっても問題のないように直方体とすることが好ましい。また、直方体とすることにより、機械作業時にノイズ低減素子を吸着による搬送、取付が行い易くなるといった製造性の向上も見られる。
【0029】
装着性を向上させるために、絶縁ケースの蓋形状において、空心部を蓋部よりも長くなった形状をとることが好ましい。本発明のノイズ低減素子の絶縁ケースは、本体部と蓋部に分かれており、蓋部と本体部は熱溶着等の方法により固定している。そのため、蓋部の空心部を蓋と同じ長さのままにしておくと蓋部の空心部におけるリードとの固定強度がやや弱くなるため、蓋部の空心部を蓋の厚みより長い形状(ラッパ型)にすることにより固定強度を強くすることが可能となる。例えば、図3にあるように蓋部の空心部入口部の厚みをW1、蓋部のケース本体部に装着する空心部の厚みをW2とした場合、W2>W1となることが好ましい。
【0030】
また、本発明のノイズ低減素子には、方向性を示すためのマーカーを設けてもよい(図4)。リード等の断面形状が長方形の場合、ノイズ低減素子空心部入口の形状も長方形となる。この場合、リード形状に合わせるようにノイズ低減素子を装着するためには、縦横の向きをお互いに合わせる必要があるが、通常のノイズ低減素子は表から見ても空心部入口の形状を確認することは難しい。そこで、方向性を示すためのマーカー、例えば、特定の側面(通常は上面)の向かって右上に目印を付けることにより、ノイズ低減素子の向きが分かり、空心部入口の向きを判断することが可能となる。そのため、マーカーを設ける場所や大きさ、マーカーの数は特に限定されるものではなく、方向性が分かるようになっていれば特に問題はない。
【0031】
絶縁ケースの材質としては、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)等の絶縁性有機樹脂が適しており、特に好ましくは液晶ポリマーである。ノイズ低減素子を半導体素子のリード等に挿通させた後、リードの先端を回路基板に半田付けすることになる。この半田付けの際、温度は200〜260℃にもなるため半田付け部付近にあるノイズ低減素子もかなり高温にさらされることになり、ケース材質についても耐熱性はかなり重要になってくる。この耐熱性を考慮すると液晶ポリマーが最適であり、コストや成形性の点でも優れている。また、半導体素子のリード等の形状に合わせた空心部を作るためには、ある程度の成形性も要求されその点でも液晶ポリマーは良好な結果を得ている。
【0032】
ノイズ低減素子の平均外径をD、高さをHで示したとき、H/D≧1、好ましくは3≧H/D≧1.2となる。同じ体積を持つノイズ低減素子が存在した場合、高さが平均外径より低いもの、H/D<1となるものよりはH/D≧1と高さ方向が長いものの方がノイズ低減効果が高くなる。一方、あまり高さが高く、細長いものH/D>3ものはリードへ取付難く、半導体基板への実装段階で取扱難いといった問題が生じるため、H/D≧1、特に3≧H/D≧1.2が好ましい。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
軟磁性磁心として、Co系非晶質合金を円筒状(トロイダル状)に、外径3mm、内径2mm、高さ3mmの円筒状磁心を作製し、熱処理を施した。
【0034】
絶縁ケースとして、液晶ポリマー製の、高さ5mm、縦4mm、横4mmの直方体からなるケースを用意し、前記磁心を収納した。このとき、内径の空心部入口は縦0.6mm、横1.0mmの4角形状とした。
【0035】
半導体素子として、ダイオード(東芝製20DL2CZ51A)のアノード側リードに本発明のノイズ低減素子を装着した(接着剤は使用しない)。
このときのノイズ低減素子の発熱温度を測定した。測定には、AC100V入力、5V−10A出力のフォワード方式電源を使用した。
【0036】
(比較例1)
比較のために、実施例1で使用したCo系非晶質磁心をエポキシ樹脂でモールドしたものの発熱温度を測定した。
【0037】
(比較例2)
実施例1で使用したノイズ低減素子と同じ材質を用い、空心部の形状を円形とし、さらに外径も円形状にしたものの発熱温度を測定した。
【0038】
【表1】
Figure 0004495792
【0039】
表1から本発明のノイズ低減素子の方が発熱温度が低く、放熱性が良いことが分かる。
(実施例2)
振動実験として、実施例1のCo系非晶質合金を用いた本発明のノイズ低減素子(実施例2)、比較例2のノイズ低減素子(比較例3)をガラスエポキシ基板に半田付け実装した。
【0040】
さらに、比較例1のリードを持たないノイズ低減素子は3端子の整流ダイオードに貫通させて実装した(比較例4)。
このように実装したノイズ低減素子を、振動条件として、XYZ方向に各2時間、1分間に10←→55Hzを1往復、振幅1.5mmp−pとした。
【0041】
この振動実験の前後における外観上の摩耗度と50kHz時のインダクタンスの変化率を比較した。
なお、インダクタンスの変化率は、[(実験後のインダクタンス値−実験前のインダクタンス値)/(実験前のインダクタンス値)]×100(%)で表した。
【0042】
【表2】
Figure 0004495792
【0043】
表2から分かる通り、本発明のノイズ低減素子は摩耗度が低くインンダクタンス値の変化率が少ないことが分かる。
これは比較例3や比較例4のノイズ低減素子は、素子内のコアがダイオードリード内で動くため、樹脂の摩耗や磁気特性への悪影響を及ぼすためである。それに対し、本発明のノイズ低減素子は、ケース内でコアが十分に固定されているため良好な結果を示すことが分かる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のノイズ低減素子は、ケースの空心部入口の形状を半導体回路のラインや各種素子のリードと同じ形状等のような絶縁ケース形状、及び/又は、液晶ポリマーからなる絶縁ケースというようにケースの形状や材質を特定することにより、放熱性や耐振性に優れ、磁性材料として非晶質合金や微細結晶をもつ磁性合金を用いることにより磁気特性をも良好な結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノイズ低減素子の断面図である。
【図2】本発明のケース空心部の一例を示す図である。
【図3】本発明のケースの蓋部と本体部を示す図である。
【図4】本発明のマーカーを付けたケースを示す図である。
【図5】従来のケース形状を示す図である。
【符号の説明】
1…ケース
1a…ケース蓋部
1b…ケース本体部
2…磁性材料からなる磁心
3…空心部
4…空心部中の凸部
5…マーカー

Claims (6)

  1. 磁性材料からなる筒状磁心と該磁心を収納する液晶ポリマーからなる絶縁有機樹脂ケースを有するノイズ低減素子において、磁心の平均外径をD、磁心の高さをHで表したとき、H/D≧1であり、該ノイズ低減素子を構成する絶縁ケースには各種素子のリードを挿通するための空心部が設けられており、該ケースの空心部入口が前記リードと同じ角型形状であり、該ケースの空心部入口の大きさは該リードの形状の±5%以内であることを特徴とするノイズ低減素子。
  2. 磁性材料が非晶質合金であることを特徴とする請求項1記載のノイズ低減素子。
  3. 磁性材料が微細結晶を有する磁性合金であることを特徴とする請求項1記載のノイズ低減素子。
  4. 絶縁有機樹脂ケースにマーカーを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のノイズ低減素子。
  5. 絶縁有機樹脂ケースが直方体であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のノイズ低減素子。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のノイズ低減素子を用いたことを特徴とする半導体回路素子。
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