JP4493905B2 - 発光装置及びその作製方法 - Google Patents

発光装置及びその作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4493905B2
JP4493905B2 JP2002324444A JP2002324444A JP4493905B2 JP 4493905 B2 JP4493905 B2 JP 4493905B2 JP 2002324444 A JP2002324444 A JP 2002324444A JP 2002324444 A JP2002324444 A JP 2002324444A JP 4493905 B2 JP4493905 B2 JP 4493905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
insulator layer
inorganic insulator
inorganic
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002324444A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004047411A (ja
JP2004047411A5 (ja
Inventor
舜平 山崎
智史 村上
真之 坂倉
徹 高山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2002324444A priority Critical patent/JP4493905B2/ja
Publication of JP2004047411A publication Critical patent/JP2004047411A/ja
Publication of JP2004047411A5 publication Critical patent/JP2004047411A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4493905B2 publication Critical patent/JP4493905B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光又は燐光により発光する発光素子を備えた発光装置に関する。特に本発明は、絶縁ゲート型トランジスタ又は薄膜トランジスタ等の能動素子とそれに接続する発光素子が備えられた発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶を用いた表示装置は、その代表的な形態としてバックライト又はフロントライトが用いられ、その光により画像を表示する仕組である。液晶表示装置は様々な電子装置における画像表示手段として採用されているが、視野角が狭いといった構造上に欠点を有していた。それに対し、エレクトロルミネセンスが得られる発光体を表示手段として用いた表示装置は視野角が広く、視認性も優れることから次世代の表示装置として注目されている。
【0003】
エレクトロルミネッセンスによる発光機構は、陰極から注入された電子と、陽極から注入された正孔が発光体で成る層(発光層)で再結合して励起子を形成し、その励起子が基底状態に戻る時に光を放出する現象として考えられている。エレクトロルミネッセンスには蛍光と燐光とがあり、それらは励起状態における一重項状態からの発光(蛍光)と、三重項状態からの発光(燐光)として理解されている。発光による輝度は数千〜数万cd/m2におよぶことから、原理的に表示装置等への応用が可能であると考えられている。
【0004】
薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)と発光素子を組み合わせの一例はとして、多結晶珪素を用いたTFTの上層に二酸化珪素から成る絶縁膜を介して有機エレクトロルミネセンス層が形成された構成が開示されている(特許文献1参照)。陽極上にテーパー形状に加工された端部を有するパッシベーション層は、有機エレクトロルミネセンス層の下層側に位置している。陰極は仕事関数が4eVより低い材料が選択され、銀又はアルミニウムのような金属とマグネシウムを合金化したものが適用される。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−241047号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
有機エレクトロルミネセンス層の作製法には真空蒸着法や印刷法、又はスピン塗布法などが知られている。しかし、有機エレクトロルミネセンス層は、半導体素子の製造技術と同様に写真蝕刻技術を用いて所定のパターンを形成することは困難であった。そのために、発光素子をマトリクス状に配列させて表示画面を構成するためには、上記公報にあるように、絶縁体材料で各画素を区分けして分離する特殊な構造が必要であった。
【0007】
そもそも、発光素子を構成する有機化合物や、電極として用いられるアルカリ金属又はアルカリ土類金属は、水や酸素と反応して劣化してしまうことが問題として指摘されていた。
【0008】
有機発光素子の劣化の要因としては、(1)有機化合物の化学的な変化、(2)駆動時の発熱による有機化合物の溶融、(3)マクロな欠陥に由来する絶縁破壊(4)電極又は電極と発光体を含む有機化合物層界面の劣化、(5)有機化合物の非晶質構造における不安定性に起因する劣化、(6)素子構造に起因する応力又は歪みによる不可逆的な破壊といったことを考えることができる。
【0009】
上記(1)は励起状態を経た化学変化や、有機化合物に対し腐食性のあるガス又は蒸気による化学変化等が原因である。(2)と(3)は有機発光素子を駆動することにより劣化するものである。発熱は素子を流れる電流がジュール熱に変換されることにより必然的に発生する。有機化合物の融点又はガラス転移温度が低いと溶融するし、ピンホールや亀裂の存在によりその部分に電界が集中して絶縁破壊が起こる。(4)と(5)は室温で保存しても劣化が進行する。(4)はダークスポットとして知られ、陰極の酸化や水分との反応が原因である。(5)は有機発光素子に用いる有機化合物はいずれも非晶質材料であり、長期保存や経時変化、熱により結晶化し、非晶質構造を安定に保存できるものは殆どないと考えられている。また、(6)は構成部材の熱膨張係数の差により発生する歪みにより被膜の亀裂や破断といった不良が発生する。さらにその部分からダークスポット等の進行性不良が発生する。
【0010】
ダークスポットは封止技術の向上によりかなり抑制されてきたが、実際の劣化は上記の要因が複合して発生するものであり、その防止策を困難なものとしている。典型的な封止技術は、基板上に形成された有機発光素子を封止材で密閉し、その空間に酸化バリウム等の乾燥剤を設ける方法が考案されている。しかしながら、このような種々の対策を講じたとしても、発光装置の劣化を実用可能な程度にまで低減することはできなかった。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、TFTと有機発光素子を組み合わせて構成される発光装置の信頼性を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明の構成は、TFTと発光素子が電気的に接続されている構成の画素を有する発光装置において、陽極層及び陰極層と、その間に発光体を含む層を積層して形成される発光素子の上部と下部及び側部とを無機絶縁層で囲み、且つ、陽極層と陰極層及び発光体を含む層の各層は、当該無機絶縁層と接している構成とする。無機絶縁層は窒化珪素膜、酸窒化珪素膜など珪素の窒化物又は酸窒化物、或いは窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムなどアルミニウムの窒化物又は酸窒化物で形成する。特に好ましくは、珪素をターゲットとして13.56乃至120MHzの高周波スパッタリングで形成する窒化珪素膜を適用する。
【0013】
前記した高周波スパッタリングで作製される窒化珪素膜は、「▲1▼エッチング速度が9nm/min以下(好ましくは、0.5〜3.5nm/min以下)である窒化珪素膜を用いること、▲2▼水素濃度が1×1021atoms/cm3以下(好ましくは、5×1020atoms/cm3以下)であること、▲3▼水素濃度が1×1021atoms/cm3以下(好ましくは、5×1020atoms/cm3以下)で、かつ、酸素濃度が5×1018〜5×1021atoms/cm3(好ましくは、1×1019〜1×1021atoms/cm3)であること、▲4▼エッチング速度が9nm/min以下(好ましくは、0.5〜3.5nm/min以下)で、且つ、水素濃度が1×1021atoms/cm3以下(好ましくは、5×1020atoms/cm3以下)であること、▲5▼エッチング速度が9nm/min以下(好ましくは、0.5〜3.5nm/min以下)で、かつ、水素濃度が1×1021atoms/cm3以下(好ましくは、5×1020atoms/cm3以下)で、かつ、酸素濃度が5×1018〜5×1021atoms/cm3(好ましくは、1×1019〜1×1021atoms/cm3)であること」のいずれかを満たすことにより外因性の不純物を遮断するブロッキング性が高められ、発光素子の劣化を抑制する効果を有する。
【0014】
発光素子をマトリクス状に配列させて表示画面を構成する構成において、各画素を区画する絶縁層の構成として最も好ましい形態は、ポジ型又はネガ型の感光性有機樹脂材料を用い、そのパターンの端部において0.2〜2μmの曲率半径、又はこの範囲において連続的に変化する曲率半径を有し、且つ、10乃至75度好ましくは35乃至45度の傾斜角を有する傾斜面を有している。本発明に係る発光装置の画素構造は、TFTに接続する画素の個別電極(陽極又は陰極側となる)の端部を覆って当該各画素を区画する絶縁層を形成し、発光体を含む層及び陽極層又は陰極層の一方を画素電極上から当該絶縁層上にかけて形成することで、特に画素電極端部の応力が緩和され、発光素子の劣化を抑制することができる。
【0015】
本発明の発光装置は、以下に示す構成とすることができる。
【0016】
半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタと、陰極層及び陽極層の間に発光体を含む有機化合物層を有する発光素子を備え、ゲート電極の上層側に第2無機絶縁体層と、第2無機絶縁体層上に第1有機絶縁体層と、第1有機絶縁体層上に第3無機絶縁体層と、第3無機絶縁体層上に形成された陽極層と、陽極層の端部と重なり35乃至45度の傾斜角を有する第2有機絶縁体層と、第2有機絶縁体層の表面及び側面に形成され陽極層上で開口部を有する第4無機絶縁体層と、陽極層と第4無機絶縁体層に接して形成された発光体を含む有機化合物層と、発光体を含む有機化合物層に接して形成された陰極層とを有し、第3無機絶縁体層及び第4無機絶縁体層は、珪素の窒化物又はアルミニウムの窒化物で形成されているものである。
【0017】
半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタと、陽極層及び陰極層の間に発光体を含む有機化合物層を有する発光素子を備えた画素部と、半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタで形成された駆動回路部とが備えられ、駆動回路部は画素部の周辺領域に形成された発光装置であって、半導体層の下層側に第1無機絶縁体層と、ゲート電極の上層側に第2無機絶縁体層と、第2無機絶縁体層上に第1有機絶縁体層と、第1有機絶縁体層上に第3無機絶縁体層と、第3無機絶縁体層上に形成された陽極層と、陽極層の端部と重なり35乃至45度の傾斜角を有する第2有機絶縁体層と、第2有機絶縁体層の表面及び側面に形成され陽極層上で開口部を有する第4無機絶縁体層と、陽極層と第4無機絶縁体層に接して形成された発光体を含む有機化合物層と、発光体を含む有機化合物層に接して形成された陰極層とを有し、第3無機絶縁体層及び第4無機絶縁体層は、珪素の窒化物又はアルミニウムの窒化物で形成され、第4無機絶縁層上にシールパターンが形成され、当該シールパターンは駆動回路部と一部又は全部が重なって形成されているものである。
【0018】
陰極層上には第5無機絶縁体層とが形成された構成としても良く、珪素の窒化物又はアルミニウムの窒化物で形成する。
【0019】
第3無機絶縁体層乃至第5無機絶縁体層は、上記したエッチング特性の他、水素濃度や酸素濃度が表記した範囲内であるものとする。窒化珪素膜中のN−H結合やSi−H結合、またSi−O結合の密度を低減することにより、熱的安定性を高め、且つ膜を緻密化することができる。
【0020】
半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタと、陽極層及び陰極層の間に発光体を含む有機化合物層を有する発光素子を備えた画素部と、半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタで形成された駆動回路部とが備えられ、駆動回路部は画素部の周辺領域に形成された発光装置であって、画素部に有機絶縁体層で形成された隔壁層が駆動回路部上に延在し、隔壁層の上面及び側面部に珪素の窒化物又はアルミニウムの窒化物から成る無機絶縁体層が形成され、無機絶縁体層上にシールパターンが形成され、当該シールパターンは駆動回路部と一部又は全部が重なっていて、陰極層とその下層に形成された配線との接続部がシールパターンの内側に設けられているものである。
【0021】
半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する第1薄膜トランジスタと、陽極層及び陰極層の間に発光体を含む有機化合物層を有する発光素子を備えた画素部と、半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する第2薄膜トランジスタで形成された駆動回路部とが備えられ、駆動回路部は画素部の周辺領域に形成された発光装置であって、画素部に有機絶縁体層で形成された隔壁層が駆動回路部上に延在し、隔壁層の上面及び側面部に珪素の窒化物又はアルミニウムの窒化物から成る無機絶縁体層が形成され、無機絶縁体層上にシールパターンが形成され、第1薄膜トランジスタはシールパターンの内側に形成され、第2薄膜トランジスタはシールパターンと一部又は全部が重なって形成され、陰極層とその下層に形成された配線との接続部がシールパターンの内側に設けられているものである。
【0022】
無機絶縁体層は、高周波スパッタリング法で作成された窒化珪素であり、上記したエッチング特性の他、水素濃度や酸素濃度が表記した範囲であるものとする。
【0023】
本発明の発光装置の作製方法は、以下に示す構成とすることができる。
【0024】
半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタと、陽極層及び陰極層の間に発光体を含む有機化合物層を有する発光素子を備えた画素部と、半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタで形成された駆動回路部とが備えられ、駆動回路部は画素部の周辺領域に形成された発光装置の作製方法であって、基板上に第1無機絶縁体層を形成し、第1無機絶縁体層上に結晶性珪素で成る半導体層を形成し、半導体層上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成すると共に、当該半導体層に一導電型又はそれとは反対の導電型の不純物領域を形成し、ゲート電極上に第2無機絶縁体層を形成し、第2無機絶縁体層上に第1有機絶縁体層を形成し、第2有機絶縁体層上に第3無機絶縁体層を形成し、第3無機絶縁体層に接して陽極層を形成し、陽極層の端部と重なり35乃至45度の傾斜角を有する第2有機絶縁体層を形成し、第2有機絶縁体層の表面及び側面に形成され陽極層上で開口部を有する第4無機絶縁体層を形成し、陽極層に接して形成され、側端部が第4無機絶縁体層と重なる発光体を含む有機化合物層と、発光体を含む有機化合物層に接して形成された陰極層とを形成する各段階から成り、第3無機絶縁体層及び第4無機絶縁体層とは、高周波スパッタリング法により珪素の窒化物又はアルミニウムの窒化物を形成する工程を有している。
【0025】
また、他の構成は、半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタと、陽極層及び陰極層の間に発光体を含む有機化合物層を有する発光素子を備えた画素部と、半導体層とゲート絶縁膜及びゲート電極とを有する薄膜トランジスタで形成された駆動回路部とが備えられ、駆動回路部は画素部の周辺領域に形成された発光装置の作製方法であって、基板上に第1無機絶縁体層を形成し、第1無機絶縁体層上に結晶性珪素で成る半導体層を形成し、半導体層上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成すると共に、当該半導体層に一導電型又はそれとは反対の導電型の不純物領域を形成し、ゲート電極上に第2無機絶縁体層を形成し、第2無機絶縁体層上に第1有機絶縁体層を形成し、第2有機絶縁体層上に第3無機絶縁体層を形成し、第3無機絶縁体層に接して陽極層を形成し、配線層の端部と重なり35乃至45度の傾斜角を有する第2有機絶縁体層を形成し、第2有機絶縁体層の表面及び側面に形成され陽極層上で開口部を有する第4無機絶縁体層を形成し、陽極層に接して形成され、側端部が第4無機絶縁体層と重なる発光体を含む有機化合物層と、発光体を含む有機化合物層に接して形成された陰極層とを形成し、第4無機絶縁体層上であって、駆動回路部と一部又は全部が重なる位置にシールパターンを形成し、シールパターンに合わせて封止板を張り付ける各段階から成り、第3無機絶縁体層及び第4無機絶縁体層は、高周波スパッタリング法により珪素の窒化物又はアルミニウムの窒化物を形成する工程を有している。
【0026】
上記発明の構成において、第3無機絶縁体層及び第4無機絶縁体層は、珪素をターゲットとし、窒素のみをスパッタガスとして用いた高周波スパッタリング法により窒化珪素を形成する。さらに、第1有機絶縁体層を形成した後に、減圧下にて加熱処理を行い、脱水処理をし、減圧状態を保持したまま、第3無機絶縁体層を形成する。又は、第2有機絶縁体層を形成した後に、減圧下にて加熱処理を行い、脱水処理をし、減圧状態を保持したまま、第4無機絶縁体層を形成する。
【0027】
尚、発光装置とは、エレクトロルミネッセンスを利用して発光する装置全般を指し、それを目的として基板上にTFTで回路を形成したTFT基板、TFT基板にエレクトロルミネッセンス材料を用いて形成した発光素子を組み合わせたELパネル、ELパネルに外部回路を組み合わせたELモジュールも含めていう。本発明の発光装置は携帯電話やパーソナルコンピュータ、テレビ受像器など様々な電子機器に組み込むことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の態様を図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の説明において同じ要素には同じ符号を用いて表記する。
【0029】
図1はアクティブマトリクス駆動方式の発光装置の構成を説明する一例である。TFTは画素部302とその周辺部に形成される駆動回路部301に設けられている。TFTのチャネル形成領域を形成する半導体層は、非晶質珪素又は多結晶珪素などが選択可能であり、本発明はどれを採用しても構わない。
【0030】
基板101はガラス基板又は有機樹脂基板が採用される。有機樹脂材料はガラス材料と比較して軽量であり、発光装置自体の軽量化に有効に作用する。発光装置を作製する上で適用できるものとしては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アラミド等の有機樹脂材料を用いることができる。ガラス基板は無アルカリガラスと呼ばれる、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスを用いることが望ましい。ガラス基板の厚さは0.5〜1.1mmのものが採用されるが、軽量化を目的とすると厚さは薄くする必要がある。また、さらに軽量化を図るには密度が2.37g/cm3と小さいガラスを採用することが望ましい。
【0031】
図1では駆動回路部301にnチャネル型TFT303とpチャネル型TFT304が形成され、画素部302にはnチャネル型の第1TFT305とpチャネル型の第4TFT306、容量部307が形成されている。そして、第4TFT306は発光素子309の陽極層126と接続する構成となっている。
【0032】
これらのTFTは、窒化珪素又は酸化窒化珪素から成る第1無機絶縁体層102上に半導体層103〜106、ゲート絶縁膜108、ゲート電極110〜113により構成されるものである。ゲート電極の上層には、水素を含有する窒化珪素又は酸化窒化珪素からなる第2無機絶縁体層114が形成され、第1無機絶縁体層102との組み合わせにより半導体層に水分や金属などの不純物が拡散して汚染されないようにする保護膜として機能している。
【0033】
第2無機絶縁体層114上には、平坦化膜としてポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、BCBから選択される第1有機絶縁体層115が0.5〜1μmの厚さで形成されている。第1有機絶縁体層115は、スピン塗布法で当該有機化合物を塗布した後焼成によって形成する。有機絶縁体材料は吸湿性があり、水分を吸蔵する性質を持っている。その水分が再放出されると、この上層部に形成される発光素子の有機化合物に酸素を供給して有機発光素子を劣化させる原因となる。水分の吸蔵及び再放出を防ぐため、第1有機絶縁体層115の上に第3無機絶縁体層116を50〜200nmの厚さで形成する。第3無機絶縁体層116は下地との密着性及びバリア性の観点から緻密な膜とする必要があり、好ましくはスパッタリング法で形成される窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、窒化アルミニウム等から選択される無機絶縁材料で形成する。
【0034】
有機発光素子309は、第3無機絶縁体層116上に形成される。基板101を通して発光する光を放射する構成の発光装置は、第3無機絶縁体層116上に陽極層126としてITO(酸化インジウム・スズ)層を形成する。ITOには平坦化や低抵抗化を目的として酸化亜鉛又はガリウムが添加されていても良い。配線117〜125は陽極層126の前に形成し、第3無機絶縁体層116上で重ね合わせて電気的接続を形成している。
【0035】
画素毎を分離する第2有機絶縁体層(隔壁層)128はポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、ベンゾシクロブテン(BCB)から選択される材料により形成する。これらは熱硬化型又は光硬化型の材料が適用可能である。第2有機絶縁体層(隔壁層)128は当該有機絶縁体材料を0.5〜2μmの厚さで全面に形成した後、陽極層126に合わせて開口部を形成する。この場合、陽極層126の端部を覆うように形成し、その側壁の傾斜角を35〜45度とする。第2有機絶縁体層(隔壁層)128は画素部302のみでなく、駆動回路部301に渡って延在して形成され、配線117〜124を覆って形成することで層間絶縁膜としての機能も兼ね備えている。
【0036】
有機絶縁体材料は吸湿性があり、水分を吸蔵する性質を持っている。その水分が再放出されると、発光素子309の有機化合物に水分を供給して有機発光素子を劣化させる原因となる。水分の吸蔵及び再放出を防ぐため、第2有機絶縁体層128の上に第4無機絶縁体層129を10〜100nmの厚さで形成する。第4無機絶縁体層129は窒化物で成る無機絶縁物材料をもって形成する。具体的には、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムから選択される無機絶縁物材料により形成する。第4無機絶縁体層129は、第2有機絶縁体層128の上面及び側面を覆って形成され、陽極層126に重なる端部をテーパー形状となるように形成する。
【0037】
有機発光素子309は陽極層126と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む陰極層131と、その間に形成される発光体を含む有機化合物層130で形成される。発光体を含む有機化合物層130は一層又は複数の層が積層されて形成されている。各層はその目的と機能により、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等と区別して呼ばれている。これらは、低分子系有機化合物材料、中分子系有機化合物材料、又は高分子系有機化合物材料のいずれか、或いは、両者を適宣組み合わせて形成することが可能である。また、電子輸送性材料と正孔輸送性材料を適宜混合させた混合層、又はそれぞれの接合界面に混合領域を形成した混合接合を形成しても良い。
【0038】
陰極層131は仕事関数の小さいアルカリ金属又はアルカリ土類金属により形成され、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)若しくはカルシウム(Ca)を含む材料を用いる。好ましくはMgAg(MgとAgをMg:Ag=10:1で混合した材料)でなる電極を用いれば良い。他にもMgAgAl電極、LiAl電極、また、LiFAl電極が挙げられる。又は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物とアルミニウムなどの低抵抗金属とを組み合わせて形成しても良い。陰極層131は共通電極として複数の画素に渡って形成され、画素部302の外側、或いは画素部302と駆動回路部301との間で配線120に接続され、外部端子に導かれる。図1ではこの接続部310を点線で囲む領域で示している。
【0039】
さらにその上層には、窒化珪素、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、酸化窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどから選択される材料で第5無機絶縁体層132を形成しても良い。特に、DLC膜は酸素、CO、CO2、H2O等のガスバリア性が高いことが知られている。第5無機絶縁体層132は、陰極131を形成した後、大気解放しないで連続的に形成することが望ましい。第5無機絶縁体層132の下層には窒化珪素のバッファ層を設けて密着性を向上させても良い。
【0040】
また、図示しないが陽極層126と発光体を含む有機化合物層130との界面に0.5〜5nmでトンネル電流が流れる程度の厚さの第6無機絶縁体層を形成しておいても良い。これは陽極表面の凹凸に起因する短絡の防止と、陰極に用いるアルカリ金属等が下層側に拡散するのを抑止する効果がある。
【0041】
画素部302に形成された第2有機絶縁体層128は駆動回路部301上に延在し、第2有機絶縁体層128上に形成された第4無機絶縁体層129上にシールパターン133が形成される。当該シールパターン133は駆動回路部301及び当該駆動回路部301と入力端子とを接続する配線117と一部又は全部が重なって設けられ、発光装置の額縁領域(画素部の周辺領域)の面積を縮小させている。
【0042】
このシールパターン133を介して封止板134を固着している。封止板134にはステンレス鋼やアルミニウムなどの金属を用いることができる。また、ガラス基板などを適用しても良い。シールパターン133と封止板134で囲まれた内側には、酸化バリウムなどの乾燥剤135を封入して水分による劣化を防いでいる。封止板の厚さは30〜120μm程度の有機樹脂材料を使って可撓性を持たせても良い。その表面にはガスバリア層としてDLCや窒化珪素など無機絶縁体から成る被膜を形成しておいても良い。シールパターンに用いられる材料の一例はエポキシ系接着剤であり、その側面部も無機絶縁体から成る被膜で覆うことによりその部分から浸透する水蒸気を防ぐことができる。
【0043】
図1では第1TFT305をマルチゲート構造とし、且つ、低濃度ドレイン(LDD)を設けオフ電流を低減させている。pチャネル型の第4TFT306にはゲート電極とオーバーラップする不純物領域を設けている。
【0044】
これらのTFTが設けられた画素部の一画素分の上面図は図2で示されている。尚、図2は各TFTの配置を明瞭に示すため、発光素子309、第2有機絶縁体層128及び第4無機絶縁体層129のパターンは省略されている。一画素には第1TFT305、第2TFT311、第3TFT312、第4TFT306、容量部307が設けられている。その等価回路図を図17に示す。図2において、A−A'線に対応する断面構造を図1で示している。また、B−B'線における断面構造を図3で示し、C−C'線における断面構造を図4で示している。
【0045】
また、第2有機絶縁体層128及び第4無機絶縁体層129の画素部における構成の一例は、図15で示すように、その両者が陽極層126の周辺を覆う形態をとることができる。或いは、図16で示すように第2有機絶縁体層128は陽極層126の2辺のみを覆い、第4無機絶縁体層129は陽極層126の周辺全てを覆うという構成をとることができる。勿論、ここで示す画素構成は一例であり、本発明を構成するための必須要件とはならない。
【0046】
図1において、駆動回路部301の回路構成は、ゲート信号側駆動回路とデータ信号側駆動回路とで異なるがここでは省略する。nチャネル型TFT303及びpチャネル型TFT304には配線118、119が接続され、これらのTFTを用いて、シフトレジスタやラッチ回路、バッファ回路等を形成することが可能である。
【0047】
入力端子部308はゲート電極と同一層で形成される配線又は第3無機絶縁体層116上に形成される配線で形成される。図1ではゲート電極と同一層で形成する一例を示し、導電層109と127で形成されている。導電層127は陽極層126と同時に形成されるものであり、酸化物導電性材料で形成される。実際には表面に露出する部分をこの酸化物導電性材料で覆うことにより、酸化反応による表面抵抗の増大を防いでいる。図7は入力端子部308の詳細を示す図である。図7(A)はその上面図を示し、D−D'線及びE−E'線に対応する断面構造を図7(B)及び(C)に示し、いずれにしても導電層109と127で形成されている。
【0048】
図1で示すように、半導体層105、106を挟み包むように第1無機絶縁体層102と第2無機絶縁体層114とが形成されている。一方、有機発光素子309は、第3無機絶縁体層116、第5無機絶縁体層132、第4無機絶縁体層129とに囲まれている。即ち、TFTの半導体層と発光素子は、それぞれ無機絶縁体層で被覆された構造となっている。無機絶縁体層は窒化珪素や酸化窒化珪素膜であり、水蒸気やイオン性の不純物に対してバリア性のある材料を用いている。
【0049】
第1TFT305や第4TFT306に対しナトリウム等のアルカリ金属の汚染源として基板101や有機発光素子309が考えられるが、第1無機絶縁体層102と第2無機絶縁体層114で囲むことによりそれを防ぐことができる。一方、有機発光素子309は酸素や水分を最も嫌うため、それを防ぐために第3無機絶縁体層116、第4無機絶縁体層129、第5無機絶縁体層132が無機絶縁体材料で形成されその汚染を防いでいる。また、これらは有機発光素子309が有するアルカリ金属元素を外に出さないための機能も備えている。
【0050】
図5は図1乃至図4を用いて説明した発光装置の構成要素を具備する基板の外観図を示している。基板101には画素部302、ゲート信号側駆動回路301a、301b、データ信号側駆動回路301c、陰極層の接続部310、入出力端子部308、配線又は配線群117が備えられている。シールパターン133はゲート信号側駆動回路301a、301b、データ信号側駆動回路301c及び当該駆動回路部と入力端子とを接続する配線又は配線群117と一部又は全部が重なるように設けられ、発光装置の額縁領域(画素部の周辺領域)の面積を縮小させている。陰極層の接続部310は、図5で示すように一カ所ではなく、駆動回路部と301a〜301cと干渉しない限りは画素部302の周辺領域の何処に設けても良い。
【0051】
図6で示すように、このような構成の基板101はマザーガラス201上に複数個(101a〜101d)作り込まれ、第4無機絶縁体層形成後、又は陰極層形成後、又は第5無機絶縁体層形成後、又は封止板形成後に切断線202に沿って分断される。分断はダイヤモンドカッターやレーザーカッターなどで行うが、この時分断を容易とするため、切断線202上では第3乃至第5無機絶縁体層及び第1及び第2有機絶縁体層は除去されていることが望ましい。
【0052】
以上のように、TFTと発光素子を組み合わせて画素部を形成し、発光装置を完成させることができる。このような発光装置はTFTを用いた駆動回路を画素部と同一基板上に形成することもできる。図1で示すように、TFTの主要構成要素である半導体膜、ゲート絶縁膜及びゲート電極を、その下層側及び上層側を窒化珪素又は酸化窒化珪素から成るブロッキング層と保護膜により囲むことにより、アルカリ金属や有機物の汚染を防ぐ構造を有している。一方有機発光素子はアルカリ金属を一部に含み、窒化珪素又は酸化窒化珪素又はDLC膜から成る保護膜と、窒化珪素又は炭素を主成分とする絶縁膜から成るガスバリア層とで囲まれ、外部から酸素や水分が浸入することを防ぐ構造を有している。
【0053】
尚、本実施の形態において、無機絶縁層に用いることができる窒化珪素からなる膜(窒化珪素膜)は、高周波スパッタ法により形成される極めて緻密な膜質を有し、以下の表1に示すプロセス条件で形成される(代表的な例についても併記した。)。尚、表中の「RFSP−SiN」とは、高周波スパッタ法により形成された窒化珪素膜を指す。また、「T/S」とは、ターゲットと基板との距離である。
【0054】
【表1】
Figure 0004493905
【0055】
スパッタガスとして用いるArは、基板を加熱するためのガスとして基板裏面側に吹き付けるように導入され、最終的にN2と混合されてスパッタに寄与する。また、表1に示す成膜条件は、代表的な条件であってここに示す数値に限定されるものではなく、成膜されたSiN膜の物性パラメータが後に表4において示す物性パラメータの範囲内に入る限り、実施者が適宜変更しても良い。
【0056】
ここで上記高周波スパッタ法により窒化珪素膜を成膜するにあたって使用するスパッタ装置の概略図を図30に示す。図30において、30はチャンバー壁、31は磁場を形成するための可動式マグネット、32は単結晶シリコンターゲット、33は防護シャッター、34は被処理基板、36a及び36bはヒーター、37は基板チャック機構、38は防着板、39はバルブ(コンダクタンスバルブもしくはメインバルブ)である。また、チャンバー壁30に設置されたガス導入管40、41は、それぞれN2(もしくはN2と希ガスの混合ガス)及び希ガスの導入管である。
【0057】
また、比較例として従来のプラズマCVD法により形成される窒化珪素膜の成膜条件を表2に示す。尚、表中の「PCVD−SiN」とは、プラズマCVD法により形成された窒化珪素膜を指す。
【0058】
【表2】
Figure 0004493905
【0059】
次に、表1の成膜条件で成膜された窒化珪素膜と表2の成膜条件で成膜された窒化珪素膜の代表的な物性値(物性パラメータ)について、比較した結果を表3にまとめる。尚、「RFSP−SiN(No.1)」と「RFSP−SiN(No.2)」との違いは、成膜装置による違いであり、本発明のバリア膜として用いる窒化珪素膜としての機能を損なうものではない。また、内部応力は、圧縮応力か引っ張り応力かで数値の正負の符号が変わるが、ここでは絶対値のみを取り扱う。
【0060】
【表3】
Figure 0004493905
【0061】
表3に示すように、これらRFSP−SiN(No.1)及びRFSP−SiN(No.2)に共通の特徴点は、PCVD−SiN膜と比較して、エッチング速度(LAL500を用いて20℃でエッチングした際のエッチング速度をいう。以下、同じ。)が遅く、水素濃度が低い点が挙げられる。尚、「LAL500」とは、橋本化成株式会社製「LAL500 SAバッファードフッ酸」であり、NH4HF2(7.13%)とNH4F(15.4%)の水溶液である。また、内部応力は、プラズマCVD法で成膜された窒化珪素膜よりも絶対値で比較して小さい値となっている。
【0062】
ここで本発明者らが表1の成膜条件によって成膜した窒化珪素膜の諸物性のパラメータを表4にまとめる。
【0063】
【表4】
Figure 0004493905
【0064】
また、当該窒化珪素膜をSIMS(質量二次イオン分析)により調べた結果を図24に、そのFT−IRの結果を図25に、その透過率を図26に示す。尚、図26には表2の成膜条件で成膜した窒化珪素膜についても併せて表記する。透過率については、従来のPCVD−SiN膜と比べて遜色はない。
【0065】
本発明の無機絶縁層として用いる窒化珪素膜においては、表4に示すパラメータを満たす窒化珪素膜が望ましい。即ち、無機絶縁層として、▲1▼エッチング速度が9nm/min以下(好ましくは、0.5〜3.5nm/min以下)である窒化珪素膜を用いること、▲2▼水素濃度が1×1021atoms/cm3以下(好ましくは、5×1020atoms/cm3以下)であること、▲3▼水素濃度が1×1021atoms/cm3以下(好ましくは、5×1020atoms/cm3以下)で、かつ、酸素濃度が5×1018〜5×1021atoms/cm3(好ましくは、1×1019〜1×1021atoms/cm3)であること、▲4▼エッチング速度が9nm/min以下(好ましくは、0.5〜3.5nm/min以下)で、かつ、水素濃度が1×1021atoms/cm3以下(好ましくは、5×1020atoms/cm3以下)であること、▲5▼エッチング速度が9nm/min以下(好ましくは、0.5〜3.5nm/min以下)で、かつ、水素濃度が1×1021atoms/cm3以下(好ましくは、5×1020atoms/cm3以下)で、かつ、酸素濃度が5×1018〜5×1021atoms/cm3(好ましくは、1×1019〜1×1021atoms/cm3)であること、のいずれかを満たすことが望ましい。
【0066】
また、内部応力の絶対値は、2×1010dyn/cm2以下、好ましくは5×109dyn/cm2以下、さらに好ましくは5×108dyn/cm2以下とすると良い。内部応力を小さくすれば、他の膜との界面における準位の発生を低減できる。さらに、内部応力による膜はがれを防止できる。
【0067】
また、本実施の形態に示した表1の成膜条件による窒化珪素膜は、Na、Liその他の周期表の1族もしくは2族に属する元素に対するブロッキング効果が極めて強く、これらの可動イオン等の拡散を効果的に抑制することができる。例えば、本実施の形態に用いる陰極層としては、アルミニウムに0.2〜1.5wt%(好ましくは0.5〜1.0wt%)のリチウムを添加した金属膜が電荷注入性その他の点で好適であるが、この場合において、リチウムの拡散によってトランジスタの動作に害を及ぼすことが懸念される。しかしながら、本実施の形態では、無機絶縁層で完全に保護されることとなるため、リチウムのトランジスタ方向への拡散は気にする必要がない。
【0068】
この事実を示すデータを図27〜29に示す。図27は、表2の成膜条件で成膜した窒化珪素膜(PCVD−SiN膜)を誘電体としたMOS構造のBTストレス試験前後におけるC−V特性の変化を示す図である。試料の構造は、図29(A)に示す通りであり、表面電極にAl−Li(リチウムを添加したアルミニウム)電極を用いることによりリチウム拡散による影響の有無を確かめることができる。図27によれば、BTストレス試験によりC−V特性が大きくシフトし、表面電極からのリチウムの拡散による影響が顕著に現れていることが確認できる。
【0069】
次に、図28(A)、(B)は、表1の成膜条件で成膜した窒化珪素膜を誘電体としたMOS構造のBTストレス試験前後におけるC−V特性である。図28(A)、(B)の違いは、図28(A)が表面電極にAl−Si(シリコンを添加したアルミニウム膜)電極を用いるのに対し、図28(B)が表面電極にAl−Li(リチウムを添加したアルミニウム膜)電極を用いる点である。尚、図28(B)の結果は、図29(B)に示すMOS構造の測定結果である。ここで熱酸化膜との積層構造としたのは、窒化珪素膜とシリコン基板との間の界面準位の影響を低減するためである。
【0070】
図28(A)、(B)の両グラフを比較すると、両グラフともにBTストレス試験前後におけるC−V特性のシフトは殆ど差がなく、リチウム拡散の影響が現れていないこと、即ち、表1の成膜条件で成膜した窒化珪素膜が効果的にブロッキング膜として機能していることが確認できる。
【0071】
このように、本発明に用いる無機絶縁層は、非常に緻密でNaやLiといった可動元素に対するブロッキング効果が高いため、平坦化膜からの脱ガス成分の拡散を抑制すると共に、Al−Li電極等からのLi拡散を効果的に抑制することで信頼性の高い表示装置を実現することができる。緻密である理由として、本発明者らは、単結晶シリコンターゲットの表面で薄い窒化シリコン膜が形成され、その窒化シリコン膜が基板へ積層されて成膜されるため、膜中にシリコンクラスタが混入されにくくなった結果として緻密になるのではないかと推測している。
【0072】
また、室温から200℃程度の低温下のスパッタ法で成膜されるため、本発明のバリア膜として用いる場合のように、樹脂膜の上に成膜できる点においてプラズマCVD法よりも有利である。尚、上述した窒化珪素膜は、ゲート絶縁膜を積層膜で形成する場合において、その一部に用いることもできる。
【0073】
【実施例】
[実施例1]
本実施例は図1に示す発光装置を作製する工程について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0074】
図8(A)において、基板101はガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。また、珪素基板、金属基板又はステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0075】
基板101上に酸化珪素膜、窒化珪素膜又は酸化窒化珪素膜(SiOxy)等の絶縁膜から成る第1無機絶縁体層102を形成する。代表的な一例は2層構造を有し、SiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第1酸化窒化珪素膜を50nm、SiH4、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第2酸化窒化珪素膜を100nmの厚さに積層形成する構造とする。
【0076】
活性層とする半導体膜は、第1無機絶縁体層102上に形成した非晶質半導体膜を結晶化して得る。非晶質半導体膜は30〜60nmの厚さで形成し、加熱処理やレーザー光の照射により結晶化させる。非晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくは珪素又はシリコンゲルマニウム(Si1-xGex;0<x<1、代表的には、x=0.001〜0.05)合金などで形成すると良い。
【0077】
代表的な一例は、プラズマCVD法によりSiH4ガスを用いて、非晶質珪素膜を54nmの厚さに形成する。結晶化は、パルス発振型又は連続発振型のエキシマレーザーや、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドーピングしたYAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザーを用いることができる。YAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザーを用いる場合には、その第2高調波〜第4高調波を利用する。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放出されたレーザー光を光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は、実施者が適宜選択すればよい。
【0078】
結晶化法として、ニッケルなどの半導体の結晶化に対し触媒作用のある金属元素を添加して結晶化させても良い。例えば、ニッケルを含有する溶液を非晶質珪素膜上に保持させた後、脱水素化(500℃、1時間)続けて熱結晶化(550℃、4時間)を行い、更に結晶性を向上させるためYAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザーから選ばれた連続発振レーザー光の第2高調波を照射する。
【0079】
その後、得られた結晶性半導体膜をフォトマスク(1)を用いて写真蝕刻法により所望の形状にエッチング処理し、島状に分離された半導体層103〜107を形成する。尚、図12はこの段階における画素の上面図を示している。
【0080】
また、非晶質半導体膜を結晶化した後、TFTのしきい値を制御するためにp型を付与する不純物元素を添加してもよい。半導体に対してp型を付与する不純物元素には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律第13族元素が知られている。
【0081】
次いで、図8(B)で示すように、島状に分離された半導体層103〜107を覆うゲート絶縁膜108を形成する。ゲート絶縁膜108はプラズマCVD法やスパッタ法で、酸化珪素又は酸化窒化珪素などの無機絶縁体材料を用いて形成し、その厚さを40〜150nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。勿論、このゲート絶縁膜は、珪素を含む絶縁膜を単層或いは積層構造として用いることができる。
【0082】
ゲート絶縁膜108上には、ゲート電極を形成する目的で、膜厚10〜50nmの窒化タンタル(TaN)から成る第1導電膜10と、膜厚100〜400nmのタングステン(W)から成る第2導電膜11とを積層形成する。ゲート電極を形成するための導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、又は当該元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成する。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、第1導電膜をタンタル(Ta)膜で形成し、第2導電膜をW膜とする組み合わせ、第1導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2導電膜をAl膜とする組み合わせ、第1導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2導電膜をCu膜とする組み合わせとしてもよい。
【0083】
次に、図8(C)に示すようにフォトマスク(2)を用い、写真蝕刻法によりゲート電極パターンが形成されるマスク12を形成する。その後、ドライエッチング法により第1エッチング処理を行う。エッチングには例えばICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法が適用される。エッチング用ガスに限定はないが、WやTaNのエッチングにはCF4とCl2とO2とを用いると良い。第1エッチング処理では、基板側には所定のバイアス電圧を印加して、形成される電極パターン13〜17の側面に15〜50度の傾斜角を持たせる。第1エッチング処理によりこの絶縁膜表面の露出している領域は同時にエッチングが進み10〜30nm程度薄くなる領域が形成される。
【0084】
この後、第2エッチング条件に変え、エッチング用ガスにSF6とCl2とO2とを用い、基板側に印加するバイアス電圧を所定の値として、W膜の異方性エッチングを行う。こうして、ゲート電極110〜113及び、入力端子部の配線109を形成する。その後、マスク12は除去する。第2エッチング処理によりこの絶縁膜表面の露出している領域は同時にエッチングが進みさらに10〜30nm程度薄くなる領域が形成される。尚、図13はこの段階における画素の上面図を示している。
【0085】
ゲート電極が形成された後、図9(A)で示すように第1ドーピング処理を行い、半導体層に第1n型不純物領域18〜22を形成する。この第1n型不純物領域はゲート電極がマスクとなり自己整合的に形成されるものである。ドーピング条件は適宜設定すれば良いが、水素希釈5%のPH3を用い、50kV、6×1013/cm2のドーズ量で注入する。
【0086】
次いで、図9(B)に示すように、フォトマスク(3)を用い、写真蝕刻法によりマスク23を形成し第2ドーピング処理を行う。第2ドーピング処理は水素希釈5%のPH3を用い、65kV、3×1015/cm2のドーズ量で行い、第2n型不純物領域24、25と第3n型不純物領域26を形成する。半導体層103にはゲート電極がマスクとなり自己整合的に形成されるものであり、ゲート電極の外側に形成される第2n型不純物領域24と、ゲート電極と重なる位置に形成される第3n型不純物領域26が形成される。半導体層105にはマスク23により形成される第2n型不純物領域25が形成される。
【0087】
図9(C)では、フォトマスク(4)を用い、写真蝕刻法によりマスク27を形成し第3ドーピング処理を行う。第3のドーピング処理は、水素希釈5%のB26を用い、80kV、2×1016/cm2のドーズ量で行い、半導体層104、106、107にp型不純物領域28〜30を形成する。
【0088】
以上までの工程でそれぞれの半導体層にn型又はp型の導電型を有する不純物領域が形成される。図10(A)で示すように、半導体層103において第2n型不純物領域24はソース又はドレイン領域、第3n型不純物領域26はLDD領域として機能する。半導体層104においてp型不純物領域28はソース又はドレイン領域として機能する。半導体層105において、第2n型不純物領域25はソース又はドレイン領域として機能し、第1n型不純物領域20はLDD領域として機能する。半導体層106において、p型不純物領域29はソース又はドレイン領域として機能する。
【0089】
そして、ほぼ全面を覆う第2無機絶縁体層114を形成する。第2無機絶縁体層114は、プラズマCVD法又はスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素と水素を含む無機絶縁体材料で形成する。その好適な一例は、プラズマCVD法によりSiH4、N2O、NH3、H2を用いて形成する膜厚100nmの酸化窒化珪素膜である。その後、窒素雰囲気中にて410℃で1時間の熱処理を行う。この熱処理は酸化窒化珪素膜を水素の供給源とする水素化処理を目的としている。
【0090】
次いで、図10(B)に示すように、第2無機絶縁体層114上に第1有機絶縁体層115を0.5〜1μmの厚さで形成する。有機絶縁体材料としては熱硬化型のアクリル材料を用い、スピン塗布後、250℃で焼成することにより平坦性のある被膜を形成することができる。さらにその上に、第3無機絶縁体層116を50〜100nmの厚さで形成する。
【0091】
第3無機絶縁体層116を形成するに当たっては、第2有機絶縁体層114が形成された基板を減圧下において80〜200℃で加熱処理を行い脱水処理をする。第3無機絶縁体層116はを形成するのに適した材料の一例は、珪素をターゲットとして用い、スパッタリング法により作製される窒化珪素膜である。成膜条件は適宜選択すれば良いが、特に好ましくはスパッタガスには窒素(N2)又は窒素とアルゴンの混合ガスを用い、高周波電力を印加してスパッタリングを行う。基板温度は室温〜200℃の範囲で行うことができる。
【0092】
次いで、図10(C)に示すように、フォトマスク(5)を用い、写真蝕刻によりマスクパターンを形成し、ドライエッチングによりコンタクトホール30及び入力端子部の開口31を形成する。ドライエッチングの条件は、CF4、O2、Heを用いて第3無機絶縁体層116と第1有機絶縁体層115とをエッチングし、その後、CHF3を用いて第2無機絶縁体層とゲート絶縁膜をエッチングする。
【0093】
その後、図11(A)で示すように、Al、Ti、Mo、Wなどを用いて配線及び画素電極を形成する。配線の形成にはフォトマスク(6)を用いる。例えば、膜厚50〜250nmのTi膜と、膜厚300〜500nmの合金膜(AlとTiとの合金膜)との積層膜を用いる。こうして、配線117〜125を形成する。そして、30〜120nmのITOをスパッタリング法で形成し、フォトマスク(7)を用いて写真蝕刻により所定のパターンに形成する。これにより、発光素子の陽極層126が形成され、また、入力端子部において配線上にITO膜127が形成される。尚、図14はこの段階における画素の上面図を示している。
【0094】
さらに図11(B)で示すように、第2有機絶縁体層128を形成する。これは第1有機絶縁体層115と同様にアクリル材料を用いて形成する。そして、フォトマスク(8)を用いて陽極層126上、陰極層の接続部310、及び入力端子部に開口部を形成する。第2有機絶縁体層128は、陽極層126の端部を覆うように形成しその側壁の傾斜角を40度とする。
【0095】
有機絶縁体材料は吸湿性があり、水分を吸蔵する性質を持っている。水分の吸蔵及び再放出を防ぐため、第2有機絶縁体層128の上に第4無機絶縁体層129を10〜100nmの厚さで形成する。第4無機絶縁体層129は窒化物で成る無機絶縁体材料をもって形成する。第4無機絶縁体層129は、スパッタリング法により作製される窒化珪素膜を用いる。これは第3無機絶縁体層116と同様なものが適用される。第4無機絶縁体層129は、第2有機絶縁体層128の上面及び側面を覆って形成され、陽極層126に重なる端部をテーパー形状となるように形成する。入力端子部において、第2有機絶縁体層128に形成した開口の側面部に回り込ませてこの第4無機絶縁体層129を形成することにより、この部分からの水分のしみ込みを防止することができる。
【0096】
その後、発光体を含む有機化合物層130を形成する。発光体を含む有機化合物層上には、スパッタリング法又は抵抗加熱蒸着法により陰極層131を形成する。陰極材料としてフッ化カルシウム又はフッ化セシウムを真空蒸着法により被着させ、陰極層131を形成する。
【0097】
陰極131は仕事関数が3.5eV以下の材料であるフッ化リチウムと、アルミニウムの積層構造とする。スパッタリング法では、スパッタガスに希ガス(代表的にはアルゴン)を用いる。スパッタガスのイオンは電界で加速されてターゲットと衝突するものの他に、基板側に生じる弱いシース電界でも加速されて、陰極の下地にある発光体を含む有機化合物層130に注入される。その希ガス元素は、有機化合物層の格子間に位置することで、有機化合物中の分子又は原子が変位するのを防ぎ、有機化合物の安定性を向上する。また、陰極131上に形成する第5無機絶縁体層132は、窒化珪素膜やDLC膜で形成する。これも同様にスパッタリング法で形成する場合、希ガス(代表的にはアルゴン)のイオンが基板側にある弱いシース電界により加速され、陰極131を通過してその下層にある有機化合物層130に注入される。そして、有機化合物の安定性が向上する効果を得ることが可能となる。
【0098】
最後に、シールパターンなどを形成し、封止板を固着することにより図1で示す発光装置を作製することができる。
【0099】
[実施例2]
本実施例は、画素部の構成が実施例1と異なる態様を図31と図32に例示する。尚、本実施例では図1で示す第3無機絶縁体層116、配線123、陽極層126までは同じ工程で形成する。
【0100】
図31(A)は陽極層126の端部を覆う第2有機絶縁体層180を感光性でネガ型のアクリル樹脂で形成する。これにより、第2有機絶縁体層180が配線126と接する端部は図で示すように曲率を有する傾斜面となり、その形状は少なくとも2つの曲率R1、R2で表すことができる。ここでR1は中心点が配線の上層側にあり、R2は下層側にあることになる。この形状は露光条件によっても若干変化するが、膜厚は1.5μmであり、R1、R2の値は0.2〜2μmとなる。いずれにしても連続的に曲率が変化する傾斜面が形成される。
【0101】
その後、図31(B)で示すようにこのなだらかな曲率を有する傾斜面に沿って第4無機絶縁体層129、有機化合物層130、陰極層131、第5無機絶縁体層132を形成する。この第2有機絶縁体層180の断面形状は、応力を緩和する作用(特に図中点線で囲む、陽極層126、第4無機絶縁体層129、有機化合物層130が重なる領域)があり、これにより発光素子がこの端部から劣化するのを抑えること可能となる。即ち画素の周辺から劣化して非発光領域が拡大する進行性の劣化を抑制することができる。
【0102】
図32(A)は、感光性のネガ型アクリル樹脂に換えて、感光性のポジ型アクリル樹脂で第2有機絶縁体層181を形成した例であり、この場合端部における断面形状が異なっている。曲率半径R3は0.2〜2が得られ、その中心点は陽極層126の下層側に位置する。これを形成した後、図32(B)に示すように曲率を有する傾斜面の沿って第4無機絶縁体層129、陰有機化合物層130、陰極層131、第5無機絶縁体層132を形成する。この場合も同様な効果を得ることができる。
【0103】
本実施例は実施例1及び2と組み合わせて実施することができる。
【0104】
[実施例3]
実施例1又は2において、発光素子309における有機化合物層の構成に特段の限定事項はなく、公知の構成を用いることができる。有機化合物層130は、発光層、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれ、これらの層が積層された形態又はこれらの層を形成する材料の一部又は全部が混合された形態をとることができる。具体的に、発光層、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。基本的にEL素子は、陽極/発光層/陰極が順に積層された構造を有しており、この構造に加えて、陽極/正孔注入層/発光層/陰極や、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極等の順に積層した構造を有していても良い。
【0105】
発光層は典型的には有機化合物を用いて形成するが、有機化合物又は無機化合物を含む電荷注入輸送物質及び発光材料で形成され、その分子数から低分子系有機化合物、中分子系有機化合物、高分子系有機化合物から選ばれた一種又は複数種の層を含み、電子注入輸送性又は正孔注入輸送性の無機化合物と組み合わせても良い。尚、中分子とは昇華性を有さず、分子数が20以下、又は連鎖する分子の長さが10μm以下の有機化合物を指していう。
【0106】
発光材料は、低分子系有機化合物としてトリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体やビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体等の金属錯体をはじめ、フェニルアントラセン誘導体、テトラアリールジアミン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体等が適用可能であり、これをホスト物質としてクマリン誘導体、DCM、キナクリドン、ルブレン等が適用され、その他公知の材料を適用することが可能である。高分子系有機化合物としては、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、ポリフルオレン系等があり、ポリ(パラフェニレンビニレン)(poly(p-phenylene vinylene)):(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)(poly(2,5-dialkoxy-1,4-phenylene vinylene)):(RO−PPV)、ポリ(2−(2'−エチル−ヘキソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)(poly[2-(2'-ethylhexoxy)-5-methoxy-1,4-phenylene vinylene]):(MEH−PPV)、ポリ(2−(ジアルコキシフェニル)−1,4−フェニレンビニレン)(poly[2-(dialkoxyphenyl)-1,4-phenylene vinylene]):(ROPh−PPV)、ポリパラフェニレン(poly[p-phenylene]):(PPP)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレン)(poly(2,5-dialkoxy-1,4-phenylene)):(RO−PPP)、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)(poly(2,5-dihexoxy-1,4-phenylene))、ポリチオフェン(polythiophene):(PT)、ポリ(3−アルキルチオフェン)(poly(3-alkylthiophene)):(PAT)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(poly(3-hexylthiophene)):(PHT)、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)(poly(3-cyclohexylthiophene)):(PCHT)、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェン)(poly(3-cyclohexyl-4-methylthiophene)):(PCHMT)、ポリ(3,4−ジシクロヘキシルチオフェン)(poly(3,4-dicyclohexylthiophene)):(PDCHT)、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン](poly[3-(4octylphenyl)-thiophene]):(POPT)、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン](poly[3-(4-octylphenyl)-2,2-bithiophene]):(PTOPT)、ポリフルオレン(polyfluorene):(PF)、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(poly(9,9-dialkylfluorene):(PDAF)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(poly(9,9-dioctylfluorene):(PDOF)等が挙げられる。
【0107】
無機化合物材料を電荷注入輸送層に適用しても良く、ダイヤモンド状カーボン(DLC)、Si、Ge、及びこれらの酸化物又は窒化物であり、P、B、N等が適宜ドーピングされていても良い。またアルカリ金属又はアルカリ土類金属の、酸化物、窒化物又はフッ化物や、当該金属と少なくともZn、Sn、V、Ru、Sm、Inの化合物又は合金であっても良い。
【0108】
以上に掲げる材料は一例であり、これらを用いて正孔注入輸送層、正孔輸送層、電子注入輸送層、電子輸送層、発光層、電子ブロック層、正孔ブロック層等の機能性の各層を適宜積層することで発光素子を形成することができる。また、これらの各層を合わせた混合層又は混合接合を形成しても良い。エレクトロルミネッセンスには一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明に係るエレクトロルミネセンス素子はいずれか一方の発光を用いていても良いし、又は両方の発光を用いていても良い。
【0109】
本実施例は実施例1〜3と組み合わせて実施することができる。
【0110】
[実施例4]
実施例1において発光素子309の陽極層126と陰極層131を反転させた構成とすることもできる。この場合、積層順は陰極層126、有機化合物層130、陽極層131という順番になる。陽極層126としてはITOの他、仕事関数が4eV以上の窒化物金属(例えば、窒化チタン)を10〜30nmの厚さで形成して透光性を持たせることで代用することもできる。また、陰極層131の構成としては10〜30nmのアルミニウム層上に0.5〜5nmのフッ化リチウム層を形成しても良い。
【0111】
本実施例は実施例1〜4と組み合わせて実施することができる。
【0112】
[実施例5]
本実施例は、実施例1でTFTに適用する半導体層の作製方法の一実施例を図18を用いて説明する。本実施例は、絶縁表面上に形成された非晶質珪素膜に連続発振レーザー光を走査して結晶化させるものである。
【0113】
図18(A)において、ガラス基板401上に100nmの酸化窒化珪素膜でなるバリア層402が形成されている。その上にプラズマCVD法で形成された非晶質珪素膜403が54nmの厚さに形成されている。
【0114】
レーザー光はNd:YVO4レーザー発振装置から連続発振により放射される連続光であり、波長変換素子により得られる第2高調波(532nm)である。連続発振レーザー光は光学系により長楕円形状に集光され、基板401とレーザー光405の照射位置を相対的に移動させることにより非晶質珪素膜403を結晶化させ結晶性珪素膜404を形成する。光学系としてはF20のシリンドリカルレンズが適用され、これによりΦ2.5mmのレーザー光を照射面において長軸2.5mm、短軸20μmの長楕円形状とすることができる。
【0115】
勿論、レーザー発振装置としては他を適用することも可能であり、連続発振の固体レーザー発振装置としてはYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振装置を適用することができる。
【0116】
Nd:YVO4レーザー発振装置の第2高調波(532nm)を用いる場合、当該波長はガラス基板401及びバリア層402を透過するので、図18(B)で示すようにガラス基板401側からレーザー光406を照射しても良い。
【0117】
こうして、レーザー光405が照射された領域から結晶化が進み、結晶性珪素膜404を形成することができる。レーザー光の走査は一方向のみの走査でなく、往復走査をしても良い。往復走査する場合には1回の走査毎にレーザーエネルギー密度を変えて、段階的に結晶成長をさせることも可能である。また、非晶質珪素膜を結晶化させる場合にしばしば必要となる水素出しの処理を兼ねることも可能であり、最初に低エネルギー密度で走査し、水素を放出した後、エネルギー密度を上げて2回目の走査で結晶化を完遂させても良い。このような作製方法によっても同様にレーザー光の走査方向に結晶粒が延在する結晶性半導体膜を得ることができる。その後、島状に分割した半導体層を形成し、実施例1に適用することができる。
【0118】
尚、本実施例で示す構成は一例であり、同様な効果が得られるものであれば他のレーザー発振装置や光学系との組み合わせを適用しても良い。
【0119】
[実施例6]
本実施例は、実施例1でTFTに適用する半導体層の作製方法の一実施例を図19を用いて説明する。本実施例は、絶縁表面上に形成された非晶質珪素膜を予め結晶化しておき、さらに連続発振レーザー光により結晶の大粒径化を図るものである。
【0120】
図19(A)に示すように、実施例1と同様にガラス基板501上にブロッキング層502、非晶質珪素膜503を形成する。その後、結晶化温度の低温化と結晶成長を促進させる金属元素としてNiを添加するため、酢酸ニッケル塩が5ppmの水溶液をスピン塗布して触媒元素含有層504を形成する。
【0121】
その後、図19(B)で示すように580℃、4時間の加熱処理により非晶質珪素膜を結晶化させる。結晶化はNiの作用により非晶質珪素膜中にシリサイドを形成しながら拡散してそれと同時に結晶成長する。こうして形成された結晶性珪素膜506は棒状又は針状の結晶が集合して成り、その各々の結晶は巨視的にはある特定の方向性をもって成長しているため結晶方位が揃っている。また、(110)面の配向率が高いという特徴がある。
【0122】
その後、図19(C)で示すように連続発振レーザー光508を走査して結晶性珪素膜506の結晶性を向上させる。レーザー光の照射により結晶性珪素膜は溶融し再結晶化する。この再結晶化に伴って、レーザー光の走査方向に結晶粒が延在するように結晶成長が成される。この場合、予め結晶面が揃った結晶性珪素膜が形成されているので、異なる面の結晶の析出や転位の発生を防ぐことができる。その後、島状に分割した半導体層を形成し、実施例1に適用することができる。
【0123】
[実施例7]
本実施例は、実施例1でTFTに適用する半導体層の作製方法の一実施例を図20を用いて説明する。
【0124】
図20(A)に示すように、実施例1と同様にガラス基板511上にブロッキング層512、非晶質珪素膜513を形成する。その上にマスク絶縁膜514として100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法で形成し、開口部515を設ける。その後、触媒元素としてNiを添加するため、酢酸ニッケル塩が5ppmの水溶液をスピン塗布する。Niは開口部515で非晶質珪素膜と接する。
【0125】
その後、図20(B)で示すように580℃、4時間の加熱処理により非晶質珪素膜を結晶化させる。結晶化は触媒元素の作用により、開口部515から基板表面と平行な方向に成長する。こうして形成された結晶性珪素膜517は棒状又は針状の結晶が集合して成り、その各々の結晶は巨視的にはある特定の方向性をもって成長しているため、結晶方位が揃っている。また、特定方位の配向率が高いという特徴がある。
【0126】
加熱処理が終了したらマスク絶縁膜514をエッチング除去することにより図20(C)で示すような結晶性珪素膜517を得ることができる。その後、島状に分割した半導体層を形成し、実施例1に適用することができる。
【0127】
[実施例8]
実施例6又は7において、結晶性珪素膜507又は517を形成した後、膜中に1019atoms/cm3以上の濃度で残存する触媒元素をゲッタリングにより除去する工程を加えても良い。
【0128】
図21で示すように、結晶性珪素膜507上に、薄い酸化珪素膜で成るバリア層509を形成し、その上にゲッタリングサイト510としてアルゴン又はリンが1×1020atoms/cm3〜1×1021atoms/cm3添加された非晶質珪素膜をスパッタリング法で形成する。
【0129】
その後、ファーネスアニール炉による600℃、12時間の加熱処理、又はランプ光又は加熱された気体を加熱手段とするRTAにより650〜800℃、30〜60分の加熱処理により、触媒元素として添加されているNiをゲッタリングサイト510に偏析させることができる。この処理により結晶性珪素膜507の触媒元素濃度は1017atoms/cm3以下とすることができる。
【0130】
同様な条件で行われるゲッタリング処理は実施例5で作製される結晶性珪素膜に対しても有効である。非晶質珪素膜にレーザー光を照射して形成される結晶性珪素膜中に含まれる微量の金属元素をこのゲッタリング処理で除去することができる。
【0131】
[実施例9]
実施例1に例示した、画素部と駆動回路部とがガラス基板上に一体形成されたELパネルをモジュール化する一形態を図23に示す。図23(A)は当該ELパネルに電源回路等を含むICが実装された状態にあるELモジュールを示している。
【0132】
図23(A)において、ELパネル800には、発光素子が各画素に設けられた画素部603と、前記画素部803が有する画素を選択する走査線駆動回路804と、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路805とが設けられている。またプリント基板806にはコントローラ801、電源回路802が設けられており、コントローラ801又は電源回路802から出力された各種信号及び電源電圧は、FPC807を介してELパネル800の画素部803、走査線駆動回路804、信号線駆動回路805に供給される。
【0133】
プリント基板806への電源電圧及び各種信号は、複数の入力端子が配置されたインターフェース(I/F)部808を介して供給される。なお、本実施例ではELパネル800にプリント基板806がFPCを用いて実装されているが、必ずしもこの構成に限定されない。COG(Chip on Glass)方式を用い、コントローラ801、電源回路802をELパネル800に直接実装させるようにしても良い。また、プリント基板806において、引きまわしの配線間に形成される容量や配線自体が有する抵抗等によって、電源電圧や信号にノイズが入り、信号の立ち上がりが鈍ったりすることがある。そこで、プリント基板806にコンデンサ、バッファ等の各種素子を設けて、電源電圧や信号にノイズがのったり、信号の立ち上がりが鈍ったりするのを防ぐようにしても良い。
【0134】
図23(B)に、プリント基板806の構成をブロック図で示す。インターフェース808に供給された各種信号と電源電圧は、コントローラ801と、電源電圧802に供給される。コントローラ801は、A/Dコンバータ809と、位相ロックドループ(PLL:Phase Locked Loop)810と、制御信号生成部811と、SRAM(Static Random Access Memory)812、813とを有している。なお本実施例ではSRAMを用いているが、SRAMの代わりに、SDRAMや、高速でデータの書き込みや読み出しが可能であるならばDRAM(Dynamic Random Access Memory)も用いることが可能である。
【0135】
インターフェース808を介して供給されたビデオ信号は、A/Dコンバータ809においてパラレル−シリアル変換され、R、G、Bの各色に対応するビデオ信号として制御信号生成部811に入力される。また、インターフェース808を介して供給された各種信号をもとに、A/Dコンバータ809においてHsync信号、Vsync信号、クロック信号CLK、交流電圧(AC Cont)が生成され、制御信号生成部811に入力される。
【0136】
位相ロックドループ810では、インターフェース808を介して供給される各種信号の周波数と、制御信号生成部811の動作周波数の位相とを合わせる機能を有している。制御信号生成部811の動作周波数は、インターフェース808を介して供給された各種信号の周波数と必ずしも同じではないが、互いに同期するように制御信号生成部811の動作周波数を位相ロックドループ810において調整する。制御信号生成部811に入力されたビデオ信号は、一旦SRAM812、813に書き込まれ、保持される。制御信号生成部811では、SRAM812に保持されている全ビットのビデオ信号のうち、全画素に対応するビデオ信号を1ビット分づつ読み出し、ELパネル800の信号線駆動回路805に供給する。
【0137】
また制御信号生成部811では、各ビット毎の、発光素子が発光する期間に関する情報を、ELパネル800の走査線駆動回路804に供給する。電源回路802は所定の電源電圧をELパネル800の信号線駆動回路805、走査線駆動回路804及び画素部803に供給する。
【0138】
このようなELモジュールを組み込んだ電子機器の一例を図22に示す。
【0139】
図22(A)はこのELモジュールをテレビ受像器に組み込んだ一例であり、筐体3001、支持台3002、表示部3003等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3003に適用され、本発明によりテレビ受像器を完成させることができる。
【0140】
図22(B)はこのELモジュールでビデオカメラを作製する一例であり、本体3011、表示部3012、音声入力部3013、操作スイッチ3014、バッテリー3015、受像部3016等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3012に適用され、本発明によりビデオカメラを完成させることができる。
【0141】
図22(C)はこのELモジュールをノート型のパーソナルコンピュータに組み込んだ一例であり、本体3021、筐体3022、表示部3023、キーボード3024等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3023に適用され、本発明によりパーソナルコンピュータを完成させることができる。
【0142】
図22(D)はこのELモジュールでPDA(Personal Digital Assistant)を作製する一例であり、本体3031、スタイラス3032、表示部3033、操作ボタン3034、外部インターフェース3035等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3033に適用され、本発明によりPDAを完成させることができる。
【0143】
図22(E)はこのELモジュールで車載用のオーディオ装置の表示部に組み入れた一例であり、本体3041、表示部3042、操作スイッチ3043、3044等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3042に適用され、本発明によりオーディオ装置を完成させることができる。
【0144】
図22(F)はこのELモジュールを用いてデジタルカメラを作製する一例であり、本体3051、表示部(A)3052、接眼部3053、操作スイッチ3054、表示部(B)3055、バッテリー3056等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部(A)3052および表示部(B)3055に適用され、本発明によりデジタルカメラを完成させることができる。
【0145】
図22(G)は携帯電話にこのELモジュールを組み込む一例であり、本体3061、音声出力部3062、音声入力部3063、表示部3064、操作スイッチ3065、アンテナ3066等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3064に適用され、本発明により携帯電話を完成させることができる。
【0146】
尚、ここで示す装置はごく一例であり、これらの用途に限定するものではなく様々な電子機器に本発明を適用することができる。
【0147】
【発明の効果】
また、本発明により、TFTの主要構成要素である半導体膜、ゲート絶縁膜及びゲート電極は、その下層側及び上層側を窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムから選択される無機絶縁物材料で囲むことにより、アルカリ金属や有機物の汚染を防ぐ構造を有している。一方有機発光素子はアルカリ金属を一部に含み、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、窒化アルミニウム、DLCから選択される無機絶縁物材料によって囲むことにより外部から酸素や水分が浸入することを防ぐ構造を実現する。そして、発光装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光装置の構造を説明する断面図。
【図2】 本発明の発光装置の画素部の構造を説明する上面図。
【図3】 本発明の発光装置の画素部の構造を説明する断面図。
【図4】 本発明の発光装置の画素部の構造を説明する断面図。
【図5】 本発明の発光装置の発光装置の構成要素を具備する基板の外観図。
【図6】 マザーガラス上に形成された発光装置を構成する基板と分断位置を説明する図。
【図7】 本発明の発光装置における入力端子部の構成を説明する図。
【図8】 本発明の発光装置の作製工程を説明する断面図。
【図9】 本発明の発光装置の作製工程を説明する断面図。
【図10】 本発明の発光装置の作製工程を説明する断面図。
【図11】 本発明の発光装置の作製工程を説明する断面図。
【図12】 本発明の発光装置の作製工程を説明する上面図。
【図13】 本発明の発光装置の作製工程を説明する上面図。
【図14】 本発明の発光装置の作製工程を説明する上面図。
【図15】 本発明の発光装置の画素部の構造を説明する上面図。
【図16】 本発明の発光装置の画素部の構造を説明する上面図。
【図17】 画素の等価回路図。
【図18】 本発明の発光装置を構成するTFTに適用する半導体層を作製する工程の一例を説明する図。
【図19】 本発明の発光装置を構成するTFTに適用する半導体層を作製する工程の一例を説明する図。
【図20】 本発明の発光装置を構成するTFTに適用する半導体層を作製する工程の一例を説明する図。
【図21】 本発明の発光装置を構成するTFTに適用する半導体層を作製する工程の一例を説明する図。
【図22】 本発明の応用例を示す図。
【図23】 ELモジュールの一形態を示す図。
【図24】 窒化珪素膜のSIMS(質量二次イオン分析)測定データ。
【図25】 窒化珪素膜のFT−IR測定データ。
【図26】 窒化珪素膜の透過率測定データ。
【図27】 MOS構造のBTストレス試験前後におけるC−V特性。
【図28】 MOS構造のBTストレス試験前後におけるC−V特性。
【図29】 MOS構造について説明する図。
【図30】 スパッタ装置について説明する図。
【図31】 本発明の発光装置の構造を説明する断面図。
【図32】 本発明の発光装置の構造を説明する断面図。

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた第1無機絶縁体層と、
    前記第1無機絶縁体層上に設けられた薄膜トランジスタと、
    前記薄膜トランジスタ上に設けられた第2無機絶縁体層と、
    前記第2無機絶縁体層上に設けられた第1有機絶縁体層と、
    前記第1有機絶縁体層上に設けられた第3無機絶縁体層と、
    前記第3無機絶縁体層上に設けられた第1電極層と、
    前記第3無機絶縁体層上に設けられ、且つ前記第1電極層の端部を覆う第2有機絶縁体層と、
    前記第2有機絶縁体層の上面及び側面を覆う第4無機絶縁体層と、
    前記第1電極層上及び前記第4無機絶縁体層上に設けられた発光体を含む有機化合物層と、
    前記有機化合物層上に設けられた第2電極層と、
    前記第2電極層上に設けられた第5無機絶縁体層と、を有し、
    前記発光体の発光は前記基板を通して視認できるものであり、
    前記第1無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、又はアルミニウムの酸窒化物のいずれかであり、
    前記第2無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、又はアルミニウムの酸窒化物のいずれかであり、
    前記第3無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、又はアルミニウムの酸窒化物のいずれかであり、
    前記第4無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、又はアルミニウムの酸窒化物のいずれかであり、
    前記第5無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、アルミニウムの酸窒化物、酸化アルミニウム、DLCのいずれかであり、
    前記第1有機絶縁体層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、またはBCBのいずれかであり、
    前記第2有機絶縁体層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、またはBCBのいずれかであり、
    前記第1の電極は陽極であり、
    前記第2の電極は陰極であり、
    前記有機化合物層は前記第4無機絶縁体層に接し、
    前記第4無機絶縁体層の端部は前記第1電極層に接することを特徴とする発光装置。
  2. 請求項において、
    前記第4無機絶縁層の端部は、テーパー形状を有することを特徴とする発光装置。
  3. 基板上に第1無機絶縁体層を形成し、
    前記第1無機絶縁体層上に半導体層を形成し、
    前記第1無機絶縁体層上及び前記半導体層上に絶縁膜を形成し、
    前記絶縁膜上の前記半導体層と重なる位置にゲート電極を形成するとともに、前記絶縁膜上の前記半導体層と重ならない位置に入力端子部の配線を形成し、
    前記ゲート電極上及び前記入力端子部の配線上に第2無機絶縁体層を形成し、
    前記第2無機絶縁体層上に第1有機絶縁体層を形成し、
    前記第1有機絶縁体層上に第3無機絶縁体層を形成し、
    前記第3無機絶縁体層、前記第1有機絶縁体層、及び前記第2無機絶縁体層に、前記半導体層に達するコンタクトホールを形成するとともに、前記入力端子部の配線に達する開口を形成し、
    前記第3無機絶縁体層上に、第1電極と、前記コンタクトホールを介して前記半導体層と前記第1電極とを電気的に接続する配線と、前記入力端子部の配線上の電極と、を形成し、
    前記第3無機絶縁体層上に、前記配線を覆い、前記入力端子部の配線上の電極上及び前記第1電極上に開口を有する第2有機絶縁体層を形成し、
    前記第2有機絶縁体層の上面及び側面を覆う第4無機絶縁体層を形成し、
    前記第1電極層上及び前記第4無機絶縁体層上に発光体を含む有機化合物層を形成し、
    前記有機化合物層上に第2電極層を形成し、
    前記第2電極層上に第5無機絶縁体層を形成し、
    前記発光体の発光は前記基板を通して視認できるものであり、
    前記第1無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、又はアルミニウムの酸窒化物のいずれかであり、
    前記第2無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、又はアルミニウムの酸窒化物のいずれかであり、
    前記第3無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、又はアルミニウムの酸窒化物のいずれかであり、
    前記第4無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、又はアルミニウムの酸窒化物のいずれかであり、
    前記第5無機絶縁体層は、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、アルミニウムの窒化物、アルミニウムの酸窒化物、酸化アルミニウム、DLCのいずれかであり、
    前記第1有機絶縁体層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、またはBCBのいずれかであり、
    前記第2有機絶縁体層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、またはBCBのいずれかであり、
    前記第1の電極は陽極であり、
    前記第2の電極は陰極であり、
    前記有機化合物層は前記第4無機絶縁体層に接し、
    前記第4無機絶縁体層の端部は前記第1電極層に接することを特徴とする発光装置の作製方法。
  4. 請求項において、
    前記第4無機絶縁層の端部は、テーパー形状を有することを特徴とする発光装置の作製方法。
JP2002324444A 2001-11-09 2002-11-07 発光装置及びその作製方法 Expired - Fee Related JP4493905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002324444A JP4493905B2 (ja) 2001-11-09 2002-11-07 発光装置及びその作製方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001345430 2001-11-09
JP2002143802 2002-05-17
JP2002324444A JP4493905B2 (ja) 2001-11-09 2002-11-07 発光装置及びその作製方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004047411A JP2004047411A (ja) 2004-02-12
JP2004047411A5 JP2004047411A5 (ja) 2005-12-22
JP4493905B2 true JP4493905B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=31721236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002324444A Expired - Fee Related JP4493905B2 (ja) 2001-11-09 2002-11-07 発光装置及びその作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4493905B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9660011B2 (en) 2014-10-13 2017-05-23 Samsung Display Co., Ltd. Organic light emitting diode display device and manufacturing method thereof

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7619258B2 (en) * 2004-03-16 2009-11-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device
JP4776949B2 (ja) * 2004-03-16 2011-09-21 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置
US7764012B2 (en) * 2004-04-16 2010-07-27 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd Light emitting device comprising reduced frame portion, manufacturing method with improve productivity thereof, and electronic apparatus
US7268498B2 (en) * 2004-04-28 2007-09-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device
JP5072202B2 (ja) * 2004-07-30 2012-11-14 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置の作製方法
US8217396B2 (en) 2004-07-30 2012-07-10 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device comprising electrode layer contacting wiring in the connection region and extending to pixel region
US7753751B2 (en) 2004-09-29 2010-07-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method of fabricating the display device
EP1760798B1 (en) * 2005-08-31 2012-01-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof
EP2494594B1 (en) 2009-10-29 2020-02-19 Semiconductor Energy Laboratory Co. Ltd. Semiconductor device
JP5471774B2 (ja) * 2010-04-27 2014-04-16 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器
JP5760699B2 (ja) * 2011-05-27 2015-08-12 セイコーエプソン株式会社 発光装置および電子機器
JP5674707B2 (ja) * 2012-05-22 2015-02-25 株式会社東芝 表示装置
KR20140016170A (ko) * 2012-07-30 2014-02-07 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 밀봉체 및 유기 전계 발광 장치
KR102218573B1 (ko) * 2013-09-30 2021-02-23 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치 및 표시 장치의 제조 방법
JP2016004109A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 表示装置
JP6801297B2 (ja) * 2016-08-26 2020-12-16 大日本印刷株式会社 配線基板及び表示装置
JP7002855B2 (ja) * 2017-04-05 2022-01-20 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置
CN110323228B (zh) * 2018-03-30 2022-04-15 京东方科技集团股份有限公司 基板及其制作方法、电子装置
KR20210118284A (ko) * 2020-03-19 2021-09-30 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000026139A (ja) * 1998-07-06 2000-01-25 Nippon Sheet Glass Co Ltd 絶縁膜の被覆方法およびそれを用いた画像表示用ガラス基板
JP2001005426A (ja) * 1999-06-23 2001-01-12 Semiconductor Energy Lab Co Ltd El表示装置及び電子装置
JP2001013893A (ja) * 1999-04-27 2001-01-19 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電子装置及び電気器具
JP2001052873A (ja) * 1999-06-04 2001-02-23 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電気光学装置及びその作製方法並びに電子装置
JP2001228485A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Nec Corp 液晶表示パネル及びその製造方法
JP2001236027A (ja) * 1999-12-15 2001-08-31 Semiconductor Energy Lab Co Ltd El表示装置
JP2001284041A (ja) * 2000-03-30 2001-10-12 Pioneer Electronic Corp 有機エレクトロルミネッセンス表示パネル及びその製造方法
JP2001290439A (ja) * 2000-02-01 2001-10-19 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2002118078A (ja) * 2000-10-12 2002-04-19 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法及び半導体装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2640910B2 (ja) * 1993-07-14 1997-08-13 株式会社フロンテック 電子素子およびその製造方法
JP3813217B2 (ja) * 1995-03-13 2006-08-23 パイオニア株式会社 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法
JPH07278805A (ja) * 1994-04-11 1995-10-24 Shin Etsu Chem Co Ltd 低酸素窒化けい素スパッタリングターゲットの製造方法
JP3377160B2 (ja) * 1996-12-13 2003-02-17 シャープ株式会社 半導体装置およびその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000026139A (ja) * 1998-07-06 2000-01-25 Nippon Sheet Glass Co Ltd 絶縁膜の被覆方法およびそれを用いた画像表示用ガラス基板
JP2001013893A (ja) * 1999-04-27 2001-01-19 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電子装置及び電気器具
JP2001052873A (ja) * 1999-06-04 2001-02-23 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電気光学装置及びその作製方法並びに電子装置
JP2001005426A (ja) * 1999-06-23 2001-01-12 Semiconductor Energy Lab Co Ltd El表示装置及び電子装置
JP2001236027A (ja) * 1999-12-15 2001-08-31 Semiconductor Energy Lab Co Ltd El表示装置
JP2001290439A (ja) * 2000-02-01 2001-10-19 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2001228485A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Nec Corp 液晶表示パネル及びその製造方法
JP2001284041A (ja) * 2000-03-30 2001-10-12 Pioneer Electronic Corp 有機エレクトロルミネッセンス表示パネル及びその製造方法
JP2002118078A (ja) * 2000-10-12 2002-04-19 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法及び半導体装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9660011B2 (en) 2014-10-13 2017-05-23 Samsung Display Co., Ltd. Organic light emitting diode display device and manufacturing method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004047411A (ja) 2004-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10516010B2 (en) Light emitting apparatus and method for manufacturing the same
US7432529B2 (en) Light emitting apparatus and method for manufacturing the same
US7129523B2 (en) Light-emitting device
JP4493905B2 (ja) 発光装置及びその作製方法
JP4515022B2 (ja) 発光装置
US7488986B2 (en) Light emitting device
JP4451054B2 (ja) 発光装置及びその作製方法
US7592193B2 (en) Light emitting device
JP4993938B2 (ja) 半導体装置の作製方法
US20040075092A1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
JP3825395B2 (ja) 発光装置および電気器具
JP2003178882A (ja) 発光装置
JP2003203783A (ja) 発光装置
JP2004079452A (ja) 発光装置
JP2004152542A (ja) 発光装置
JP2004146198A (ja) 発光装置
JP2004127592A (ja) 発光装置の作製方法
JP2004164853A (ja) 発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051101

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100406

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100407

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4493905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees