JP2003203783A - 発光装置 - Google Patents

発光装置

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JP2003203783A
JP2003203783A JP2002309755A JP2002309755A JP2003203783A JP 2003203783 A JP2003203783 A JP 2003203783A JP 2002309755 A JP2002309755 A JP 2002309755A JP 2002309755 A JP2002309755 A JP 2002309755A JP 2003203783 A JP2003203783 A JP 2003203783A
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organic compound
layer
light emitting
film
insulating film
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JP2002309755A
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Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Toshimitsu Konuma
利光 小沼
Hiroko Yamazaki
寛子 山崎
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクティブマトリクス型の発光装置におい
て、有機化合物層の上部に形成された陽極が光取り出し
電極となる上面出射型の発光装置を提供する。 【解決手段】 陰極と、有機化合物層と、陽極とからな
る発光素子において、光取り出し電極である陽極と有機
化合物層との界面に保護体を形成することを特徴とす
る。なお、有機化合物層上に形成された保護体は、透過
率が70〜100%であり、また、陽極をスパッタリン
グ法により成膜する際に有機化合物層に与えられるダメ
ージを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極間に有
機化合物を含む膜(以下、「有機化合物層」と記す)を
設けた素子に電界を加えることで、蛍光又は燐光が得ら
れる発光素子を用いた発光装置に関する。なお、本明細
書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デ
バイス、もしくは光源を指す。また、発光素子にコネク
ター、例えば異方導電性フィルム(FPC:Flexible prin
ted circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)
テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付
けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配
線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(C
hip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装さ
れたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
【0002】
【従来の技術】本発明でいう発光素子とは、電界を加え
ることにより発光する素子である。その発光機構は、電
極間に有機化合物層を挟んで電圧を印加することによ
り、陰極から注入された電子および陽極から注入された
正孔が有機化合物層中で再結合して、励起状態の分子
(以下、「分子励起子」と記す)を形成し、その分子励
起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光す
ると言われている。
【0003】なお、有機化合物が形成する分子励起子の
種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能
であると考えられるが、本明細書中ではどちらの励起状
態が発光に寄与する場合も含むこととする。
【0004】このような発光素子において、通常、有機
化合物層は1μmを下回るほどの薄膜で形成される。ま
た、発光素子は、有機化合物層そのものが光を放出する
自発光型の素子であるため、従来の液晶ディスプレイに
用いられているようなバックライトも必要ない。したが
って、発光素子は極めて薄型軽量に作製できることが大
きな利点である。
【0005】また、例えば100〜200nm程度の有
機化合物層において、キャリアを注入してから再結合に
至るまでの時間は、有機化合物層のキャリア移動度を考
えると数十ナノ秒程度であり、キャリアの再結合から発
光までの過程を含めてもマイクロ秒以内のオーダーで発
光に至る。したがって、非常に応答速度が速いことも特
長の一つである。
【0006】こういった薄型軽量・高速応答性・直流低
電圧駆動などの特性から、発光素子は次世代のフラット
パネルディスプレイ素子として注目されている。また、
自発光型であり視野角が広いことから、視認性も比較的
良好であり、携帯機器の表示画面に用いる素子として有
効と考えられている。
【0007】また、このような発光素子をマトリクス状
に配置して形成された発光装置には、パッシブマトリク
ス駆動(単純マトリクス型)とアクティブマトリクス駆
動(アクティブマトリクス型)といった駆動方法を用い
ることが可能である。しかし、画素密度が増えた場合に
は、画素(又は1ドット)毎にスイッチが設けられてい
るアクティブマトリクス型の方が低電圧駆動できるので
有利であると考えられている。
【0008】また、これまでアクティブマトリクス型の
発光装置としては、図17に示すように基板1701上
のTFT1705と陽極1702とが電気的に接続さ
れ、陽極1702上に有機化合物層1703が形成さ
れ、有機化合物層1703上に陰極1704が形成され
た発光素子1707を有する。なお、発光素子1707
における陽極材料としては、正孔注入性を容易にするた
めに仕事関数の大きい導電性材料が使用され、これまで
に実用特性を満たす材料としてITO(indium tinoxid
e)やIZO(indium zinc oxide)などの透光性を有す
る導電性材料が用いられている。そして、発光素子17
07の有機化合物層1703において生じた光は、透光
性を有する陽極1702からTFT1705の方向へ取
り出されるという構造(以下、下面出射型という)が主
流である。
【0009】しかし、下面出射型の構造においては、解
像度を向上させようとしても画素部におけるTFT及び
配線等の配置により、開口率が制限されるという問題が
生じる。
【0010】これに対して、近年、陰極側から光を取り
出す構造(以下、上面出射型という)が考案されてい
る。上面出射型の場合には、下面出射型に比べて開口率
を大きくすることができるので、より高輝度が得られる
発光素子を形成することができると考えられている(例
えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】特開2001−43980号公報
【0012】なお、上記発明においては、陰極材料とし
て透光性を有する材料が無いために陰極を形成した後、
透明導電膜であるITOを積層し、陰極側から光を取り
出すという構成を有している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記陰極側か
ら光を取り出す素子構造の場合には、陰極としての機能
を保持するために充分な成膜性が要求されるのに対し、
光取り出し電極としての透光性を確保するために極薄膜
で形成する必要があるため、両者の条件を満たすために
は矛盾が生じてしまう。
【0014】そこで、本発明では、これらの問題を解決
するため、上面出射型の発光装置の作製において、光取
り出し電極としては、既に実用化レベルの特性を有して
いるITOやIZOといった透明導電膜を電極材料とし
て用い、従来の上面出射型の発光装置と素子構造の異な
る発光素子を作製することを目的とする。
【0015】また、光取り出し電極として透明電極を形
成する場合には、有機化合物層を形成した後で透明導電
膜を形成することになる。通常、透明導電膜の成膜はス
パッタリング法により行われるため、成膜時に有機化合
物表面がスパッタリングダメージを受けることにより、
素子劣化の原因となるといった問題がある。
【0016】そこで、本発明では上面出射型の発光素子
の作製において、有機化合物層にダメージを与えること
なく、これまで以上に発光素子の発光効率を向上させる
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するために陰極と、有機化合物層と陽極とからなる
発光素子の陽極と有機化合物層との界面に保護体を形成
することを特徴とする。
【0018】なお、本発明において、陽極は透光性を有
する導電膜で形成され、光取り出し電極として機能を有
する。また、陰極は画素電極上に形成されるため、陰極
材料が必ずしも遮光性を有する必要はないが、画素電極
と陰極を積層形成させたときの積層膜が遮光性を有して
いる必要がある。これは、有機化合物層で生じた光を効
率よく陽極側から取り出すためである。なお、ここでい
う遮光性とは、その積層膜に対する可視光の透過率が1
0%未満であることをいう。また、陰極材料としては、
仕事関数が3.8eV以下の材料を用いることを特徴と
する。なお、このような陰極材料を用いることにより、
陰極と有機化合物層の間におけるエネルギー障壁を緩和
することができるので陰極からの電子の注入性が高めら
れる。
【0019】また、陰極上に有機化合物層が形成された
後で、有機化合物層上に保護体が形成される。なお、本
明細書中でいう保護体とは、有機化合物層形成後に形成
される陽極成膜時に有機化合物層に与えられるスパッタ
ダメージを防ぐための機能を有するものである。さら
に、保護体を形成する材料としては、保護体が有機化合
物層と陽極との間に形成されるため、陽極からの正孔
(ホール)の注入性を向上させることができるような仕
事関数が4.5〜5.5eVの材料を用いることを特徴
とする。
【0020】また、保護体を形成した後で発光素子の陽
極が形成されるが、本発明においては、従来の陽極材料
であるITOやIZOといった透明導電膜を用いること
ができるので、これまでの陽極と何ら変わりなく作製す
ることができる。
【0021】本発明において開示する発明の構成は、絶
縁表面上に設けられたTFTと、前記TFT上に形成さ
れた層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された画素
電極と、前記画素電極の端部を覆う絶縁膜と、前記画素
電極上に形成された陰極と、前記陰極上に形成された有
機化合物層と、前記有機化合物層上に形成された保護体
と、前記保護体上に形成された陽極とを有する発光装置
であって、前記TFTは、ソース領域およびドレイン領
域を有し、前記画素電極は、前記層間絶縁膜に形成され
た開口部において、前記ソース領域または前記ドレイン
領域のいずれか一方と電気的に接続され、前記保護体
は、仕事関数が4.5〜5.5eVである材料からなる
ことを特徴とする発光装置である。
【0022】また、他の発明の構成は、絶縁表面上に設
けられたTFTと、前記TFT上に形成された層間絶縁
膜と、前記層間絶縁膜上に形成された画素電極と、前記
画素電極の端部を覆う絶縁膜と、前記画素電極上に形成
された陰極と、前記陰極上に形成された有機化合物層
と、前記有機化合物層上に形成された保護体と、前記保
護体上に形成された陽極とを有する発光装置であって、
前記TFTは、ソース領域およびドレイン領域を有し、
前記画素電極は、前記層間絶縁膜に形成された開口部に
おいて、前記ソース領域または前記ドレイン領域のいず
れか一方と電気的に接続され、前記保護体は、その平均
膜厚が0.5〜5nmであることを特徴とする発光装置
である。
【0023】すなわち、前記保護体が接する陽極が光を
透過させる電極として機能する場合には、その平均膜厚
を0.5〜5nmとすることで、保護体における透過率
を確保することができるのでより好ましい。なお、本発
明では保護体の材料として仕事関数が4.5〜5.5e
Vである材料を用い、かつ平均膜厚を0.5〜5nmと
する構成も含めることとする。
【0024】また、他の発明の構成は、絶縁表面上に設
けられたTFTと、前記TFT上に形成された層間絶縁
膜と、前記層間絶縁膜上に形成されたバリア膜と、前記
バリア膜上に形成された画素電極と、前記画素電極の端
部を覆う絶縁膜と、前記画素電極上に形成された陰極
と、前記陰極上に形成された有機化合物層と、前記有機
化合物層上に形成された保護体と、前記保護体上に形成
された陽極とを有する発光装置であって、前記TFT
は、ソース領域およびドレイン領域を有し、前記画素電
極は、層間絶縁膜およびバリア膜に形成された開口部を
介して前記ソース領域または前記ドレイン領域のいずれ
か一方と電気的に接続され、前記陰極は、元素周期律の
1族または2族に属する金属を含む材料からなり、前記
保護体は、仕事関数が4.5〜5.5eVである材料か
らなることを特徴とする発光装置である。
【0025】さらに、他の発明の構成は、絶縁表面上に
設けられたTFTと、前記TFT上に形成された層間絶
縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成されたバリア膜と、前
記バリア膜上に形成された画素電極と、前記画素電極の
端部を覆う絶縁膜と、前記画素電極上に形成された陰極
と、前記陰極上に形成された有機化合物層と、前記有機
化合物層上に形成された保護体と、前記保護体上に形成
された陽極とを有する発光装置であって、前記TFT
は、ソース領域およびドレイン領域を有し、前記画素電
極は、層間絶縁膜およびバリア膜に形成された開口部を
介して前記ソース領域または前記ドレイン領域のいずれ
か一方と電気的に接続され、前記陰極は、元素周期律の
1族または2族に属する金属を含む材料からなり、前記
保護体は、その平均膜厚が0.5〜5nmであることを
特徴とする発光装置である。
【0026】なお、上記構成において、バリア膜は、窒
化アルミニウム(AlN)、窒化酸化アルミニウム(A
lNO)、酸化窒化アルミニウム(AlNO)、窒化珪
素(SiN)、窒化酸化珪素(SiNO)等のアルミニ
ウム又は珪素を含む絶縁膜からなり、層間絶縁膜からの
酸素等の脱ガスや水分等が発光素子の方へ侵入するのを
防ぐことができると共に、陰極材料として含まれている
アルカリ金属の層間絶縁膜側への侵入を防ぐことができ
る。
【0027】さらに、他の発明の構成は、絶縁表面上に
設けられたTFTと、前記TFT上に形成された層間絶
縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された画素電極と、前
記画素電極の端部を覆う絶縁膜と、前記画素電極上に形
成された陰極と、前記陰極上に形成された有機化合物層
と、前記有機化合物層上に形成された保護体と、前記保
護体上に形成された陽極とを有する発光装置であって、
前記TFTはソース領域およびドレイン領域を有し、前
記画素電極は、前記層間絶縁膜に形成された開口部にお
いて、前記ソース領域または前記ドレイン領域のいずれ
か一方と電気的に接続され、前記有機化合物層は、有機
化合物からなる第一の層と、前記第一の層を構成する物
質とは異なる有機化合物からなる第二の層と有し、前記
第一の層と前記第二の層との間に、前記第一の層を構成
する有機化合物、および前記第二の層を構成する有機化
合物、の両方を含む混合層を有することを特徴とする発
光装置である。
【0028】上記各構成において、層間絶縁膜および絶
縁膜は酸化珪素、窒化珪素および窒化酸化珪素等の珪素
を含む絶縁性の膜の他、ポリイミド、ポリアミド、アク
リル(感光性アクリルを含む)、BCB(ベンゾシクロ
ブテン)といった有機樹脂膜を用いることができる。ま
た、塗布法により形成される塗布シリコン酸化膜(SO
G:Spin On Glass)を用いることもできる。
【0029】また、上記各構成において、画素電極は基
板上に形成されたTFTと電気的に接続される配線とし
ての機能を有し、アルミニウム、チタンおよびタングス
テンなどの低抵抗な金属材料を単体若しくは積層して用
いることにより形成される。
【0030】上記各構成において、陰極は、仕事関数の
小さい材料からなり、画素電極上に形成される。ここで
は、元素周期律の1族または2族に属する元素、すなわ
ちアルカリ金属及びアルカリ土類金属の他、希土類金属
を含む遷移金属などが適しているが、本発明では、特に
これらを含む合金や化合物が適している。これは、仕事
関数の小さい金属は大気中で不安定であり、酸化や剥離
が問題となるためである。
【0031】具体的には、上記金属を含むフッ化物とし
てフッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(Ca
F)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化リチウム(L
iF)等を用いることができる。その他にもマグネシウ
ムに銀を添加した合金(Mg:Ag)や、アルミニウム
にリチウムを添加した合金(Al:Li)、アルミニウ
ムにリチウム、カルシウム及びマグネシウムを含んだ合
金などを用いることができる。なお、リチウムを添加し
たアルミニウム合金は、最もアルミニウムの仕事関数を
小さくすることができる。
【0032】なお、陰極は上述した材料を用いて、1〜
50nmの厚さで形成されるが、上述したフッ化物を用
いる場合には5nm以下の極薄膜で用いることが好まし
い。また、その他にもリチウムアセチルアセトネート
(Liacac)といった材料を用いることができる。
【0033】また、上記各構成において、有機化合物層
とは陰極及び陽極から注入されたキャリアが再結合する
場である。有機化合物層は、発光層のみの単層で形成さ
れる場合もあるが、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、
ブロッキング層、電子輸送層および電子注入層などの複
数の層が積層されて形成される場合も本発明に含まれ
る。さらに、複数の層が積層されて形成される場合に
は、各積層界面において、隣り合う層を形成する材料を
混合させて形成される層(これを本明細書中では混合層
という)を形成することもできる。なお、混合層を形成
することにより、積層界面に生じるエネルギーギャップ
を緩和させることができるので、有機化合物層内でのキ
ャリアの移動度を高めることができ、駆動電圧を低下さ
せることができる。
【0034】さらに本発明における有機化合物層は、低
分子系もしくは高分子系の有機化合物を用いて形成され
る場合だけではなく、有機化合物層の一部に無機材料
(具体的には、SiおよびGeの酸化物の他、窒化炭素
(CxNy)、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元
素、およびランタノイド系元素のいずれかの酸化物とZ
n、Sn、V、Ru、Sm、およびIrのいずれかとの
組み合わせた材料等)を用いることも可能である。
【0035】また、上記各構成において、保護体は有機
化合物層の上に形成され、陽極形成時のスパッタダメー
ジを防ぐ機能を有する。なお、保護体は陽極と接して形
成されるため、その材料としては、陽極材料となるIT
Oなどの仕事関数と同じであるかそれ以上の仕事関数
(4.5〜5.5eV)を有する金属材料を用いること
により形成される。なお、具体的には、金(Au)、銀
(Ag)、白金(Pt)等の元素周期律の第9族、第1
0族、または第11族に属する金属材料を用いることに
より形成される。
【0036】なお、本発明の素子構造の場合には、有機
化合物層で生じた光は、保護体を透過して、陽極から外
部に出射されるため可視光の透過率が70〜100%で
ある必要がある。そのため陽極および保護体の透過率は
いずれも70〜100%である必要がある。また、本発
明における保護体は、陽極成膜時におけるスパッタダメ
ージを防ぐことがその目的であることから、必ずしも均
一な膜である必要はなく、透過率が確保できればよいた
め5〜50nmの膜厚で形成すればよい。
【0037】尚、本発明の発光装置から得られる発光
は、一重項励起状態又は三重項励起状態のいずれか一
方、またはその両者による発光を含むものとする。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1(A)(B)を用いて説明する。なお、図1(A)に
は、画素電極101上に形成された発光素子102の素
子構造について示す。
【0039】図1(A)に示すように画素電極101上
に陰極103が形成され、陰極103と接して有機化合
物層104が形成され、有機化合物層104と接して保
護体105が形成され、その上に陽極106が形成され
る。なお、陰極103から有機化合物層104に電子が
注入され、陽極106からは有機化合物層104に正孔
が注入される。そして、有機化合物層104において、
正孔と電子が再結合することにより発光が得られる。
【0040】また、画素電極101は、発光素子を駆動
するための薄膜トランジスタ(以下、TFTと示す)の
ソース領域、またはドレイン領域のいずれか一方と陰極
とを電気的に接続する機能を有する。なお、図1に示す
ように陰極とは別に画素電極を設ける場合には、有機化
合物層と直接接することはなく、発光素子の電極(陰
極)として機能するわけでもないので、配線材料に要求
される導電率の高い材料で形成すればよい。ただし、画
素電極自体を発光素子の陰極として用いる場合には、陰
極として機能する程度に仕事関数の小さい金属材料(具
体的には、仕事関数が3.8eV以下)を用いる必要が
ある。
【0041】次に陰極103が画素電極101上に形成
される。なお、陰極103に用いられる仕事関数の小さ
い(具体的には、仕事関数が3.8eV以下)材料とし
ては、元素周期律の1族または2族に属する元素、すな
わちアルカリ金属及びアルカリ土類金属の他希土類金属
を含む遷移金属が適しているが、本発明では、特にこれ
らを含む合金や化合物が適している。これは、仕事関数
の小さい金属は大気中で不安定であり、酸化や剥離が問
題となるためである。
【0042】また、有機化合物層104は、発光層を含
み、正孔注入層、正孔輸送層、ブロッキング層、電子輸
送層、および電子注入層といったキャリアに対する機能
の異なる層のいずれか一つ、もしくは複数を組み合わせ
て積層することにより形成される。なお、有機化合物層
104を形成する材料としては、公知の材料を用いるこ
とができる。なお、本発明において、有機化合物層が2
種類以上の積層構造を有する場合においては、その積層
界面に隣り合う層を形成する材料からなる層(以下、混
合層という)を形成することもできる。なお、積層界面
に混合層を形成することにより、界面において仕事関数
によりエネルギーギャップを緩和することができるので
有機化合物層の内部におけるキャリア(正孔および電
子)の輸送性を高めることができる。
【0043】さらに、有機化合物層104上に形成され
る保護体106は、陽極107形成時のスパッタダメー
ジを防ぐ機能を有する。なお、本実施の形態で示す保護
体106はクラスター形状を有している。また、保護体
106は陽極107と接して形成されるため、その材料
としては、陽極からの正孔の注入性を妨げないために陽
極106の材料となるITOなどと同じであるかそれ以
上の仕事関数(4.5eV〜5.5eV)を有する金属
材料を用いるとよい。
【0044】また、図1(B)には、基板110上に形
成されたTFT(電流制御用TFTともいう)111と
図1(A)に示した発光素子102とが電気的に接続さ
れたアクティブマトリクス型の発光装置を示す。
【0045】図1(B)において、電流制御用TFT1
11はソース領域、ドレイン領域、チャネル領域、ゲー
ト絶縁膜およびゲート電極を有しており、これらを覆っ
て層間絶縁膜112が形成される。さらに、層間絶縁膜
112からの脱ガスや水分の放出を防ぐためにバリア膜
101が形成されており、バリア膜101上に配線11
3と同時に画素電極101が形成される。
【0046】なお、本実施の形態においては、TFT1
11のソース領域またはドレイン領域のいずれか一方に
電気的な信号を入力するのが配線113であり、また、
他方から電気的な信号を出力するのが画素電極101で
ある。
【0047】なお、画素電極101の端部は絶縁層11
4で覆われており、表面に露出している画素電極101
上に陰極103が形成される。また、陰極103上に
は、図1(A)で示したのと同様に有機化合物層10
4、保護体106および陽極107が積層され、発光素
子102が完成する。
【0048】ここで、図2および図3を用いてアクティ
ブマトリクス型の発光装置の作製方法について説明す
る。
【0049】図2(A)において、基板201上にTF
T202が形成されている。なお、本実施の形態では、
基板201としてガラス基板を用いるが、石英基板を用
いても良い。また、本発明において、光は発光素子から
基板と反対側に出射されるため、基板が特に透光性であ
る必要はなく、遮光性の公知の材料を用いることもでき
る。TFT202は公知の方法を用いて形成すれば良
く、TFT202は、少なくともゲート電極203と、
ゲート絶縁膜204を挟んでゲート電極203と反対側
に形成されたソース領域205と、ドレイン領域206
と、チャネル形成領域207、とを備えている。なお、
チャネル領域207は、ソース領域205と、ドレイン
領域206との間に形成されている。
【0050】また、図2(B)に示すようにTFT20
2を覆って層間絶縁膜208が1〜2μmの膜厚で設け
られ、層間絶縁膜208上にバリア膜209が形成され
る。
【0051】なお、層間絶縁膜208を形成する材料と
しては、酸化珪素、窒化珪素および窒化酸化珪素等の珪
素を含む絶縁性の膜の他、ポリイミド、ポリアミド、ア
クリル(感光性または非感光性アクリルを含む)、BC
B(ベンゾシクロブテン)といった有機樹脂膜を用いる
ことができる。また、例えばアクリルと酸化珪素との積
層膜のように上述した材料を積層させた膜を用いること
もできる。なお、層間絶縁膜は、スパッタリング法や蒸
着法により形成される。さらに、塗布法により形成され
るシリコン酸化膜として、塗布シリコン酸化膜(SO
G:Spin On Glass)を用いることもできる。
【0052】また、バリア膜209を形成する材料とし
ては、具体的には窒化アルミニウム(AlN)、窒化酸
化アルミニウム(AlNO)、酸化窒化アルミニウム
(AlON)、窒化珪素(SiN)、窒化酸化珪素(S
iNO)等のアルミニウム又は珪素を含む絶縁膜を用い
ることができる。また、0.2〜1.0μmの膜厚で形
成することが望ましい。なお、バリア膜209を設ける
ことで、アルカリ金属、水、または有機気体などの拡散
を防ぐことができる。
【0053】そして、層間絶縁膜208およびバリア膜
209に開口部を形成した後、バリア膜209の上に導
電膜210をスパッタリング法により成膜する(図2
(C))。
【0054】導電膜210を形成する導電性材料として
はタンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(T
i)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅
(Cu)から選ばれた元素、または前記元素を主成分と
する合金材料もしくは化合物材料を用いることができ
る。また、これらを複数組み合わせて積層構造としても
よい。なお、ここでは、膜厚50nmのタングステン
膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金
(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次
積層した3層構造を用いる。
【0055】次に図2(D)に示すように上記導電膜2
10をパターニングすることによりTFT202と電気
的に接続される配線211を形成する。なお、本発明に
おいては、配線としての機能も兼ねた画素電極212が
同時に形成される。また、パターニングの方法として
は、ドライエッチング法又はウエットエッチング法のい
ずれを用いてもよい。
【0056】また、図3(A)に示すように陽極の端部
と陽極間の隙間を覆うようにして絶縁層213が形成さ
れる。なお、絶縁層213は絶縁膜を形成した後で、画
素電極上に開口部を形成することにより得ることができ
る。絶縁層213を形成する材料としては、酸化珪素、
窒化珪素および窒化酸化珪素等の珪素を含む材料の他、
ポリイミド、ポリアミド、アクリル(感光性アクリルを
含む)、BCB(ベンゾシクロブテン)といった有機樹
脂膜を用いることができる。さらに、シリコン酸化膜と
して、塗布シリコン酸化膜(SOG:Spin On Glass)
を用いることもできる。なお、膜厚は、0.1〜2μm
で形成することができるが、特に酸化珪素、窒化珪素お
よび窒化酸化珪素等の珪素を含む材料を用いる場合には
0.1〜0.3μmの膜厚で形成することが望ましい。
【0057】次に陰極214が形成される。なお、陰極
214は、陰極材料をメタルマスクを用いてスパッタリ
ング法や蒸着法によりパターニングして作製される。な
お、陰極214を形成する材料としては陰極214から
の電子の注入性を向上させるために仕事関数の小さい材
料が好ましく、元素周期律の1族または2族に属する元
素、すなわちアルカリ金属及びアルカリ土類金属の他、
希土類金属を含む遷移金属などを用いる。
【0058】具体的には、上記金属を含むフッ化物とし
てフッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(Ca
F)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化リチウム(L
iF)等を用いることができる。その他にもマグネシウ
ムに銀を添加した合金(Mg:Ag)や、アルミニウム
にリチウムを添加した合金(Al:Li)、アルミニウ
ムにリチウム、カルシウム及びマグネシウムを含んだ合
金などを用いることができる。なお、リチウムを添加し
たアルミニウム合金は、最もアルミニウムの仕事関数を
小さくすることができる。
【0059】なお、陰極214は上述した材料を用い
て、1〜50nmの厚さで形成されるが、上述したフッ
化物を用いる場合には5nm以下の極薄膜で用いること
が好ましい。また、その他にもリチウムアセチルアセト
ネート(Liacac)といった材料を用いることがで
きる。
【0060】次に、有機化合物層215が、陰極214
上に形成される(図3(B))。なお、有機化合物層2
15を形成する材料としては、低分子系、高分子系、も
しくは中分子系の公知の有機化合物を用いることができ
る。なお、ここでいう中分子系の有機化合物とは、昇華
性や溶解性を有さない有機化合物の凝集体(好ましくは
分子数10以下)、又は連鎖する分子の長さが5μm以
下(好ましくは50nm以下)の有機化合物のことをい
う。また、成膜方法としては、蒸着法(抵抗加熱法)、
スピンコーティング法、インクジェット法、印刷法等を
用いることができる。なお、有機化合物層はメタルマス
クを用いて成膜することによりパターニングすることが
できる。
【0061】なお、有機化合物層215が単層構造、積
層構造のいずれの場合であってもその膜厚は10〜30
0nmであることが望ましい。
【0062】さらに、有機化合物層215上に保護体2
16を形成する。なお、保護体216を形成する材料と
しては、陽極106の材料となるITOなどの仕事関数
と同じであるかそれ以上の仕事関数(具体的には4.5
〜5.5eV)を有する金属材料を用いることにより形
成される。例えば、金(Au)、白金(Pt)、パラジ
ウム(Pd)、ニッケル(Ni)等の元素周期律第9
族、第10族または第11族に属する金属材料を用いる
ことにより形成することができる。また、本発明におけ
る保護体は、陽極成膜時におけるスパッタダメージを防
ぐことがその目的であることから、必ずしも均一な膜で
ある必要はなく、透過率が確保できればよいため、可視
光の透過率が70〜100%である導電膜を用い、0.
5〜5nmの膜厚で形成するとよい。さらに、その形状
は、図1(A)で示したように保護体が分離形成された
クラスター形状であっても良いし、一続きの膜を形成し
つつもその表面に凹凸を有する凹凸形状であっても良
い。
【0063】さらに、保護体216上に陽極217を形
成することにより発光素子218が完成する。陽極21
7を形成する材料としては、ITOやIZOといった透
明導電膜を用い、スパッタリング法により形成する。
【0064】なお、ここではトップゲート型のTFTを
例として説明したが、特に限定されず、トップゲート型
のTFTに代えて、ボトムゲート型TFTや順スタガ型
TFTやその他のTFT構造に適用することも可能であ
る。
【0065】このような構造とすることによって、有機
化合物層215において、キャリアの再結合により生じ
た発光を陽極217側から効率良く出射させることがで
きる。
【0066】また、本発明の発光装置においては、図4
に示す構造とすることも可能である。図4(A)に示す
構造は、図1(A)と比べて保護体の形状が異なってお
り、先に説明した凹凸形状を有するものである。また、
画素電極401を形成する材料としてITOを用いて形
成される点、および陰極材料に関して異なるが、それ以
外については、図1における説明を参照すればよい。
【0067】さらに、図4(B)には、基板410上に
形成されたTFT(電流制御用TFTともいう)411
と図4(A)に示した発光素子402とが電気的に接続
されたアクティブマトリクス型の発光装置を示すが、配
線413と画素電極401が別々に形成され、画素電極
がITOで形成されている点で図1(B)で示したもの
とは異なる構造を有する。なお、この構造を形成する場
合には、画素電極側からの無駄な光の出射を防ぐために
陰極403が遮光性を有するように形成することが望ま
しい。なお、図1の場合と同様に、陰極材料としては、
仕事関数の小さい(具体的には、仕事関数が3.8eV
以下)材料であり、さらに膜厚等を厚く形成することに
より遮光性を有することができる材料を用いることが望
ましい。
【0068】以上のような構造を有する本発明の発光装
置について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説
明を行うこととする。
【0069】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0070】(実施例1)本実施例では、本発明の発光
装置が有する発光素子の素子構造について図5を用いて
詳細に説明する。特に、有機化合物層に低分子系化合物
を用いて形成される場合について説明する。
【0071】実施の形態で説明したように、画素電極上
に陰極501が形成される。本実施例において、陰極5
01は、CsFを用いて蒸着法により5nmの膜厚で形
成される。
【0072】そして、陰極501上に有機化合物層50
3が形成されるが、初めに電子輸送層504が形成され
る。電子輸送層504は、電子受容性を有する電子輸送
性の材料により形成される。本実施例では、電子輸送層
504としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウム
(以下、Alq3と示す)を40nmの膜厚で蒸着法に
より成膜する。
【0073】さらに、ブロッキング層505を形成す
る。ブロッキング層505は、正孔阻止層とも呼ばれ、
発光層506に注入された正孔が電子輸送層504を通
り抜けて陰極501に到達してしまった場合に再結合に
関与しない無駄な電流が流れるのを防ぐための層であ
る。本実施例ではブロッキング層505としてバソキュ
プロイン(以下、BCPと示す)を10nmの膜厚で蒸
着法により成膜する。
【0074】次に発光層506が形成される。本実施例
では、発光層506において、正孔と電子が再結合し、
発光を生じる。なお、発光層506は、正孔輸送性のホ
スト材料として4,4’−ジカルバゾール−ビフェニル
(以下、CBPと示す)を用い、発光性の有機化合物で
あるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir
(ppy)3)と共に共蒸着することにより30nmの
膜厚で成膜する。
【0075】次に正孔輸送性に優れた材料により正孔輸
送層507が形成される。ここでは4,4'−ビス[N
−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェ
ニル(以下、α−NPDと示す)を40nmの膜厚で蒸
着法により成膜する。
【0076】最後に正孔注入層508を形成することに
より積層構造を有する有機化合物層503が完成する。
なお、正孔注入層508は、陽極からの正孔の注入性を
向上させる機能を有する。本実施例においては、正孔注
入層508として、銅フタロシアニン(Cu−Pc)を
30nmの膜厚で成膜して形成する。なお、ここでは、
蒸着法を用いて形成する。
【0077】次に保護体509が形成される。なお、保
護体509を形成する金属材料としては、具体的には、
可視光の透過率が70〜100%であり、なおかつ仕事
関数が4.5〜5.5の導電膜を用いる。また、金属膜
は、可視光に対して不透明であることが多いため0.5
〜5nmの膜厚で形成する。なお、本実施例では、金を
用い、膜厚4nmのクラスター形状に形成する。
【0078】次に陽極510が形成される。本発明にお
いて、陽極510は有機化合物層503で生じた光を透
過させる電極であるので透光性を有する材料で形成され
る。また、陽極510は、正孔を有機化合物層503に
注入する電極であるため仕事関数の大きい材料で形成す
る必要がある。なお、本実施例では、ITOを用いて1
00nmの膜厚で形成する。
【0079】なお、本実施例において、図5(B)に示
すように有機化合物層503を形成する電子輸送層50
4、ブロッキング層505、発光層506、正孔輸送層
507、正孔注入層508の積層界面に隣り合う層を形
成する材料からなる混合層を形成することもできる。
【0080】具体的には、電子輸送層504とブロッキ
ング層505との積層界面に混合層I(531)を形成
し、ブロッキング層505と発光層506との積層界面
に混合層II(532)を形成し、発光層506と正孔輸
送層507との積層界面に混合層III(533)を形成
し、正孔輸送層507と正孔注入層508との積層界面
に混合層IV(534)を形成する。なお、本実施例の場
合には、混合層I(531)をAlq3とBCPを共蒸着
させることにより形成し、混合層II(532)をBC
P、CBP、および(Ir(ppy)3)とを共蒸着さ
せることにより形成し、混合層III(533)をCB
P、(Ir(ppy)3)、およびα−NPDを共蒸着
させることにより形成し、混合層IV(534)をα−N
PDとCu−Pcとで共蒸着させることにより形成す
る。
【0081】なお、図5(B)に示したのは、好ましい
一例であることから、必ずしも有機化合物層の積層界面
全てに混合層を形成する必要はなく、例えば、発光層と
接するブロッキング層505、および正孔輸送層507
との界面にのみ混合層を形成しても良い。
【0082】以上により、有機化合物層に低分子系の材
料を用いて形成された発光素子を形成することができ
る。
【0083】(実施例2)本実施例では、本発明の発光
装置が有する発光素子の素子構造について図6を用いて
詳細に説明する。特に、有機化合物層に高分子系化合物
を用いて形成された素子構造について説明する。
【0084】実施の形態で説明したように、画素電極上
に陰極701が形成される。本実施例において、陰極7
01は、CaFを用いて蒸着法により5nmの膜厚で形
成される。
【0085】また、本実施例において陰極701上に形
成される有機化合物層702は、発光層703と正孔輸
送層704との積層構造からなる。なお、本実施例にお
ける有機化合物層702には、高分子系の有機化合物を
用いて形成する。
【0086】また、発光層703には、ポリパラフェニ
レンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェ
ン系、もしくはポリフルオレン系の材料を用いることが
できる。
【0087】ポリパラフェニレンビニレン系の材料とし
ては、オレンジ色の発光が得られるポリパラフェニレン
ビニレン(poly(p-phenylene vinylene))(以下、PPV
と示す)、ポリ(2−(2'−エチル−ヘキソキシ)−
5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)(poly[2-
(2'-ethylhexoxy)-5-methoxy-1,4-phenylene vinylen
e])(以下、MEH−PPVと示す)、緑色の発光が得
られるポリ(2−(ジアルコキシフェニル)−1,4−
フェニレンビニレン)(poly[2-(dialkoxyphenyl)-1,4-p
henylene vinylene])(以下、ROPh−PPVと示
す)等を用いることができる。
【0088】ポリパラフェニレン系の材料としては、青
色発光が得られるポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4
−フェニレン)(poly(2,5-dialkoxy-1,4-phenylene))
(以下、RO−PPPと示す)、ポリ(2,5−ジヘキ
ソキシ−1,4−フェニレン)(poly(2,5-dihexoxy-1,4
-phenylene))等を用いることができる。
【0089】また、ポリチオフェン系の材料としては、
赤色発光が得られるポリ(3−アルキルチオフェン)(p
oly(3-alkylthiophene))(以下、PATと示す)、ポリ
(3−ヘキシルチオフェン)(poly(3-hexylthiophene))
(以下、PHTと示す)、ポリ(3−シクロヘキシルチ
オフェン)(poly(3-cyclohexylthiophene))(以下、P
CHTと示す)、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチ
ルチオフェン)(poly(3-cyclohexyl-4-methylthiophen
e))(以下、PCHMTと示す)、ポリ(3,4−ジシ
クロヘキシルチオフェン)(poly(3,4-dicyclohexylthio
phene))(以下、PDCHTと示す)、ポリ[3−(4
−オクチルフェニル)−チオフェン](poly[3-(4octylp
henyl)-thiophene])(以下、POPTと示す)、ポリ
[3−(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェ
ン](poly[3-(4-octylphenyl)-2,2-bithiophene])(以
下、PTOPTと示す)等を用いることができる。
【0090】さらに、ポリフルオレン系の材料として
は、青色発光が得られるポリ(9,9−ジアルキルフル
オレン)(poly(9,9-dialkylfluorene)(以下、PDAF
と示す)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(pol
y(9,9-dioctylfluorene)(以下、PDOFと示す)等を
用いることができる。
【0091】なお、これらの材料は、有機溶媒に溶解さ
せた溶液を塗布法により塗布して形成する。なお、ここ
で用いる有機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、テトラ
リン、キシレン、ジクロロメタン、シクロヘキサン、N
MP(N−メチル−2−ピロリドン)、ジメチルスルホ
キシド、シクロヘキサノン、ジオキサン、THF(テト
ラヒドロフラン)等である。
【0092】本実施例では、発光層703としてPPV
からなる膜を80nmの膜厚で形成する。
【0093】正孔輸送層704には、PEDOT(poly
(3,4‐ethylene dioxythiophene))とアクセプター材料
であるポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと示す)
とを両方用いて形成する他、ポリアニリン(以下、PA
NIと示す)とアクセプター材料であるショウノウスル
ホン酸(以下、CSAと示す)とを両方用いて形成する
ことができる。なお、これらの材料は、水溶性であるこ
とから水溶液としたものを塗布法により塗布して成膜す
る。なお、本実施例では正孔輸送層704としてPED
OT及びPSSからなる膜を30nmの膜厚で形成す
る。以上により発光層703および正孔輸送層704と
を積層した有機化合物層702を得ることができる。
【0094】次に保護体705が形成される。なお、保
護体705を形成する金属材料としては、具体的には、
可視光の透過率が70〜100%であり、なおかつ仕事
関数が4.5〜5.5の導電膜を用いる。また、金属膜
は、可視光に対して不透明であることが多いため0.5
〜5nmの膜厚で形成する。なお、本実施例では、金を
用い、膜厚4nmのクラスター形状に形成する。
【0095】次に陽極706が形成される。本発明にお
いて、陽極706は有機化合物層702で生じた光を透
過させる電極であるので透光性を有する材料で形成され
る。また、陽極706は、正孔を有機化合物層702に
注入する電極であるため仕事関数の大きい材料で形成す
る必要がある。なお、本実施例では、ITOを用いて1
00nmの膜厚で形成する。
【0096】なお、本実施例において、図6(B)に示
すように有機化合物層702を形成する発光層703と
正孔輸送層704との積層界面に隣り合う層を形成する
材料からなる混合層731を形成することもできる。
【0097】以上により、有機化合物層に高分子系の材
料を用いて形成された発光素子を形成することができ
る。
【0098】(実施例3)本発明の実施例について図7
〜図10を用いて説明する。ここでは、同一基板上に画
素部と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチ
ャネル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製
する方法について詳細に説明する。
【0099】まず、基板600上に下地絶縁膜601を
形成し、結晶構造を有する第1の半導体膜を得た後、所
望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体
層602〜605を形成する。
【0100】基板600としては、ガラス基板(#17
37)を用い、下地絶縁膜601としては、プラズマC
VD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、NH3
2Oから作製される酸化窒化シリコン膜601a(組
成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17
%)を50nm(好ましくは10〜200nm)形成する。
次いで、表面をオゾン水で洗浄した後、表面の酸化膜を
希フッ酸(1/100希釈)で除去する。次いでプラズ
マCVD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、N2
Oから作製される酸化窒化シリコン膜601b(組成比
Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を1
00nm(好ましくは50〜200nm)の厚さに積層形
成し、さらに大気解放せずにプラズマCVD法で成膜温
度300℃、成膜ガスSiH4で非晶質構造を有する半
導体膜(ここではアモルファスシリコン膜)を54nm
の厚さ(好ましくは25〜80nm)で形成する。
【0101】本実施例では下地膜601を2層構造とし
て示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層さ
せた構造として形成しても良い。また、半導体膜の材料
に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲ
ルマニウム(Si1-XGeX(X=0.0001〜0.0
2))合金などを用い、公知の手段(スパッタ法、LP
CVD法、またはプラズマCVD法等)により形成すれ
ばよい。また、プラズマCVD装置は、枚葉式の装置で
もよいし、バッチ式の装置でもよい。また、同一の成膜
室で大気に触れることなく下地絶縁膜と半導体膜とを連
続成膜してもよい。
【0102】次いで、非晶質構造を有する半導体膜の表
面を洗浄した後、オゾン水で表面に約2nmの極薄い酸
化膜を形成する。次いで、TFTのしきい値を制御する
ために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピ
ングを行う。ここでは、ジボラン(B26)を質量分離
しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用い、ドー
ピング条件を加速電圧15kV、ジボランを水素で1%
に希釈したガス流量30sccm、ドーズ量2×1012
/cm2で非晶質シリコン膜にボロンを添加した。
【0103】次いで、重量換算で10ppmのニッケル
を含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布する。塗布
に代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方
法を用いてもよい。
【0104】次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶
構造を有する半導体膜を形成する。この加熱処理は、電
気炉の熱処理または強光の照射を用いればよい。電気炉
の熱処理で行う場合は、500℃〜650℃で4〜24
時間で行えばよい。ここでは脱水素化のための熱処理
(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(5
50℃、4時間)を行って結晶構造を有するシリコン膜
を得る。なお、ここでは炉を用いた熱処理を用いて結晶
化を行ったが、短時間での結晶化が可能なランプアニー
ル装置で結晶化を行ってもよい。なお、ここではシリコ
ンの結晶化を助長する金属元素としてニッケルを用いた
結晶化技術を用いたが、他の公知の結晶化技術、例えば
固相成長法やレーザー結晶化法を用いてもよい。
【0105】次いで、結晶構造を有するシリコン膜表面
の酸化膜を希フッ酸等で除去した後、結晶化率を高め、
結晶粒内に残される欠陥を補修するためのレーザー光
(XeCl:波長308nm)の照射を大気中、または
酸素雰囲気中で行う。レーザー光には波長400nm以
下のエキシマレーザー光や、YVO4レーザーの第2高
調波、第3高調波を用いる。いずれにしても、繰り返し
周波数10〜1000Hz程度のパルスレーザー光を用
い、当該レーザー光を光学系にて100〜500mJ/
cm2に集光し、90〜95%のオーバーラップ率をも
って照射し、シリコン膜表面を走査させればよい。ここ
では、繰り返し周波数30Hz、エネルギー密度393
mJ/cm2でレーザー光の照射を大気中で行なう。な
お、大気中、または酸素雰囲気中で行うため、レーザー
光の照射により表面に酸化膜が形成される。
【0106】また、レーザー光の照射により形成された
酸化膜を希フッ酸で除去した後、第2のレーザー光の照
射を窒素雰囲気、或いは真空中で行い、半導体膜表面を
平坦化してもよい。その場合、このレーザー光(第2の
レーザー光)には波長400nm以下のエキシマレーザ
ー光や、YAGレーザーの第2高調波、第3高調波を用
いる。第2のレーザー光のエネルギー密度は、第1のレ
ーザー光のエネルギー密度より大きくし、好ましくは3
0〜60mJ/cm2大きくする。
【0107】なお、ここでのレーザー光の照射は、酸化
膜を形成して後のスパッタ法による成膜の際、結晶構造
を有するシリコン膜への希ガス元素の添加を防止する上
でも、ゲッタリング効果を増大させる上でも非常に重要
である。次いで、レーザー光の照射により形成された酸
化膜に加え、オゾン水で表面を120秒処理して合計1
〜5nmの酸化膜からなるバリア層を形成する。
【0108】次いで、バリア層上にスパッタ法にてゲッ
タリングサイトとなるアルゴン元素を含む非晶質シリコ
ン膜を膜厚150nmで形成する。本実施例のスパッタ
法による成膜条件は、成膜圧力を0.3Paとし、ガス
(Ar)流量を50(sccm)とし、成膜パワーを3
kWとし、基板温度を150℃とする。なお、上記条件
での非晶質シリコン膜に含まれるアルゴン元素の原子濃
度は、3×1020/cm3〜6×1020/cm3、酸素の
原子濃度は1×1019/cm3〜3×1019/cm3であ
る。その後、ランプアニール装置を用いて650℃、3
分の熱処理を行いゲッタリングする。
【0109】次いで、バリア層をエッチングストッパー
として、ゲッタリングサイトであるアルゴン元素を含む
非晶質シリコン膜を選択的に除去した後、バリア層を希
フッ酸で選択的に除去する。なお、ゲッタリングの際、
ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があ
るため、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除
去することが望ましい。
【0110】次いで、得られた結晶構造を有するシリコ
ン膜(ポリシリコン膜とも呼ばれる)の表面にオゾン水
で薄い酸化膜を形成した後、レジストからなるマスクを
形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離さ
れた半導体層を形成する。半導体層を形成した後、レジ
ストからなるマスクを除去する。
【0111】また、半導体層を形成した後、TFTのし
きい値(Vth)を制御するためにp型あるいはn型を
付与する不純物元素を添加してもよい。なお、半導体に
対してp型を付与する不純物元素には、ボロン(B)、
アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律第
13族元素が知られている。なお、半導体に対してn型
を付与する不純物元素としては周期律15族に属する元
素、典型的にはリン(P)または砒素(As)が知られ
ている。
【0112】次いで、得られた結晶構造を有するシリコ
ン膜(ポリシリコン膜とも呼ばれる)の表面にオゾン水
で薄い酸化膜を形成した後、レジストからなるマスクを
形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離さ
れた半導体層602〜605を形成する。半導体層を形
成した後、レジストからなるマスクを除去する。
【0113】次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化
膜を除去すると同時にシリコン膜の表面を洗浄した後、
ゲート絶縁膜607となる珪素を主成分とする絶縁膜を
形成する。なお、ゲート絶縁膜607としては、Siを
ターゲットとしたスパッタリング法で形成された酸化珪
素膜と窒化珪素膜とからなる積層膜や、プラズマCVD
法により形成された酸化窒化珪素膜や、酸化珪素膜を用
いることができる。本実施例では、プラズマCVD法に
より115nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比S
i=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成
する。
【0114】次いで、図7(A)に示すように、ゲート
絶縁膜607上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜
608と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜60
9とを積層形成する。本実施例では、ゲート絶縁膜60
7上に膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚370nm
のタングステン膜を順次積層する。
【0115】第1の導電膜及び第2の導電膜を形成する
導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cu
から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金
材料もしくは化合物材料で形成する。また、第1の導電
膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピ
ングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、A
g:Pd:Cu合金を用いてもよい。また、2層構造に
限定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、
膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al
−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層し
た3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、
第1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステン
を用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリ
コンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチ
タンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の
導電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよ
い。また、単層構造であってもよい。
【0116】次に、図6(B)に示すように光露光工程
によりレジストからなるマスク610〜613を形成
し、ゲート電極及び配線を形成するための第1のエッチ
ング処理を行う。第1のエッチング処理では第1及び第
2のエッチング条件で行う。エッチングにはICP(In
ductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッ
チング法を用いると良い。ICPエッチング法を用い、
エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、
基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度
等)を適宜調節することによって所望のテーパー形状に
膜をエッチングすることができる。なお、エッチング用
ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4、CCl4
どを代表とする塩素系ガスまたはCF4、SF6、NF3
などを代表とするフッ素系ガス、またはO2を適宜用い
ることができる。
【0117】本実施例では、基板側(試料ステージ)に
も150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に
負の自己バイアス電圧を印加する。なお、基板側の電極
面積サイズは、12.5cm×12.5cmであり、コ
イル型の電極面積サイズ(ここではコイルの設けられた
石英円板)は、直径25cmの円板である。この第1の
エッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電
層の端部をテーパー形状とする。第1のエッチング条件
でのWに対するエッチング速度は200.39nm/m
in、TaNに対するエッチング速度は80.32nm
/minであり、TaNに対するWの選択比は約2.5
である。また、この第1のエッチング条件によって、W
のテーパー角は、約26°となる。この後、レジストか
らなるマスク610〜613を除去せずに第2のエッチ
ング条件に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを
用い、それぞれのガス流量比を30/30(sccm)
とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF
(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し
て約30秒程度のエッチングを行った。基板側(試料ス
テージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を
投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。C
4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜及
びTaN膜とも同程度にエッチングされる。第2のエッ
チング条件でのWに対するエッチング速度は58.97
nm/min、TaNに対するエッチング速度は66.
43nm/minである。なお、ゲート絶縁膜上に残渣
を残すことなくエッチングするためには、10〜20%
程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
【0118】上記第1のエッチング処理では、レジスト
からなるマスクの形状を適したものとすることにより、
基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電
層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。この
テーパー部の角度は15〜45°とすればよい。
【0119】こうして、第1のエッチング処理により第
1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層
615〜618(第1の導電層615a〜618aと第
2の導電層615b〜618b)を形成する。ゲート絶
縁膜となる絶縁膜607は、10〜20nm程度エッチ
ングされ、第1の形状の導電層615〜618で覆われ
ない領域が薄くなったゲート絶縁膜620となる。
【0120】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、エッチン
グ用ガスにSF6とCl2とO2とを用い、それぞれのガ
ス流量比を24/12/24(sccm)とし、1.3
Paの圧力でコイル型の電極に700WのRF(13.
56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチ
ングを25秒行った。基板側(試料ステージ)にも10
WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に
負の自己バイアス電圧を印加する。第2のエッチング処
理でのWに対するエッチング速度は227.3nm/m
in、TaNに対するエッチング速度は32.1nm/
minであり、TaNに対するWの選択比は7.1であ
り、絶縁膜620であるSiONに対するエッチング速
度は33.7nm/minであり、SiONに対するW
の選択比は6.83である。このようにエッチングガス
用ガスにSF6を用いた場合、絶縁膜620との選択比
が高いので膜減りを抑えることができる。本実施例では
絶縁膜620において約8nmしか膜減りが起きない。
【0121】この第2のエッチング処理によりWのテー
パー角は70°となった。この第2のエッチング処理に
より第2の導電層621b〜624bを形成する。一
方、第1の導電層は、ほとんどエッチングされず、第1
の導電層621a〜624aとなる。なお、第1の導電
層621a〜624aは、第1の導電層615a〜61
8aとほぼ同一サイズである。実際には、第1の導電層
の幅は、第2のエッチング処理前に比べて約0.3μm
程度、即ち線幅全体で0.6μm程度後退する場合もあ
るがほとんどサイズに変化がない。
【0122】また、2層構造に代えて、膜厚50nmの
タングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリ
コンの合金(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタ
ン膜を順次積層した3層構造とした場合、第1のエッチ
ング処理における第1のエッチング条件としては、BC
3とCl2とO2とを原料ガスに用い、それぞれのガス
流量比を65/10/5(sccm)とし、基板側(試
料ステージ)に300WのRF(13.56MHz)電
力を投入し、1.2Paの圧力でコイル型の電極に45
0WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズ
マを生成して117秒のエッチングを行えばよく、第1
のエッチング処理における第2のエッチング条件として
は、CF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量
比を25/25/10(sccm)とし、基板側(試料
ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力
を投入し、1Paの圧力でコイル型の電極に500Wの
RF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生
成して約30秒程度のエッチングを行えばよく、第2の
エッチング処理としてはBCl3とCl2を用い、それぞ
れのガス流量比を20/60(sccm)とし、基板側
(試料ステージ)には100WのRF(13.56MH
z)電力を投入し、1.2Paの圧力でコイル型の電極
に600WのRF(13.56MHz)電力を投入して
プラズマを生成してエッチングを行えばよい。
【0123】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、第1のドーピング処理を行って図8(A)の状態
を得る。ドーピング処理はイオンドープ法、もしくはイ
オン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドー
ズ量を1.5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を60
〜100keVとして行う。n型を付与する不純物元素
として、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用
いる。この場合、第1の導電層及び第2の導電層621
〜624がn型を付与する不純物元素に対するマスクと
なり、自己整合的に第1の不純物領域626〜629が
形成される。第1の不純物領域626〜629には1×
1016〜1×1017/cm3の濃度範囲でn型を付与する不
純物元素を添加する。ここでは、第1の不純物領域と同
じ濃度範囲の領域をn--領域とも呼ぶ。
【0124】なお、本実施例ではレジストからなるマス
クを除去した後、第1のドーピング処理を行ったが、レ
ジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処
理を行ってもよい。
【0125】次いで、図8(B)に示すようにレジスト
からなるマスク631、632を形成し第2のドーピン
グ処理を行う。マスク631は駆動回路のpチャネル型
TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその
周辺の領域を保護するマスクであり、マスク632は画
素部のTFT(スイッチング用TFT)を形成する半導
体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域を保護する
マスクである。
【0126】第2のドーピング処理におけるイオンドー
プ法の条件はドーズ量を1.5×1015atoms/cm2
し、加速電圧を60〜100keVとしてリン(P)を
ドーピングする。ここでは、第2の導電層621b、6
24bをマスクとして各半導体層に不純物領域が自己整
合的に形成される。勿論、マスク631、632で覆わ
れた領域には添加されない。こうして、第2の不純物領
域634、635、636と、第3の不純物領域63
7、639が形成される。第2の不純物領域634、6
35、636には1×1020〜1×1021/cm3の濃度範
囲でn型を付与する不純物元素を添加されている。ここ
では、第2の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をn+
域とも呼ぶ。
【0127】また、第3の不純物領域は第1の導電層に
より第2の不純物領域よりも低濃度に形成され、1×1
18〜1×1019/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純
物元素を添加されることになる。なお、第3の不純物領
域は、テーパー形状である第1の導電層の部分を通過さ
せてドーピングを行うため、テーパ−部の端部に向かっ
て不純物濃度が増加する濃度勾配を有している。ここで
は、第3の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をn-領域
とも呼ぶ。また、マスク632で覆われた領域は、第2
のドーピング処理で不純物元素が添加されず、第1の不
純物領域638となる。
【0128】次いで、レジストからなるマスク631、
632を除去した後、新たにレジストからなるマスク6
39、640、633を形成して図8(C)に示すよう
に第3のドーピング処理を行う。
【0129】駆動回路において、上記第3のドーピング
処理により、pチャネル型TFTを形成する半導体層お
よび保持容量を形成する半導体層にp型の導電型を付与
する不純物元素が添加された第4の不純物領域641及
び第5の不純物領域643を形成する。
【0130】また、第4の不純物領域641には1×1
20〜1×1021/cm3の濃度範囲でp型を付与する不純
物元素が添加されるようにする。尚、第4の不純物領域
641には先の工程でリン(P)が添加された領域(n
--領域)であるが、p型を付与する不純物元素の濃度が
その1.5〜3倍添加されていて導電型はp型となって
いる。ここでは、第4の不純物領域と同じ濃度範囲の領
域をp+領域とも呼ぶ。
【0131】また、第5の不純物領域643は第2の導
電層122aのテーパー部と重なる領域に形成されるも
のであり、1×1018〜1×1020/cm3の濃度範囲でp
型を付与する不純物元素が添加されるようにする。ここ
では、第5の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をp-
域とも呼ぶ。
【0132】以上までの工程でそれぞれの半導体層にn
型またはp型の導電型を有する不純物領域が形成され
る。導電層621〜624はTFTのゲート電極とな
る。
【0133】次いで、ほぼ全面を覆う絶縁膜(図示しな
い)を形成する。本実施例では、プラズマCVD法によ
り膜厚50nmの酸化シリコン膜を形成した。勿論、こ
の絶縁膜は酸化シリコン膜に限定されるものでなく、他
のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用
いても良い。
【0134】次いで、それぞれの半導体層に添加された
不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工
程は、ランプ光源を用いたラピッドサーマルアニール法
(RTA法)、或いはYAGレーザーまたはエキシマレ
ーザーを裏面から照射する方法、或いは炉を用いた熱処
理、或いはこれらの方法のうち、いずれかと組み合わせ
た方法によって行う。
【0135】また、本実施例では、上記活性化の前に絶
縁膜を形成した例を示したが、上記活性化を行った後、
絶縁膜を形成する工程としてもよい。
【0136】次いで、窒化シリコン膜からなる第1の層
間絶縁膜645を形成して熱処理(300〜550℃で
1〜12時間の熱処理)を行い、半導体層を水素化する
工程を行う(図9(A))。なお、第1の層間絶縁膜6
45は、プラズマCVD法により形成された窒化酸化珪
素膜と窒化珪素膜からなる積層構造としても良い。この
工程は第1の層間絶縁膜645に含まれる水素により半
導体層のダングリングボンドを終端する工程である。酸
化シリコン膜からなる絶縁膜(図示しない)の存在に関
係なく半導体層を水素化することができる。ただし、本
実施例では、第2の導電層としてアルミニウムを主成分
とする材料を用いているので、水素化する工程において
第2の導電層が耐え得る熱処理条件とすることが重要で
ある。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラ
ズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0137】次いで、第1の層間絶縁膜645上に有機
樹脂膜から成る第2の層間絶縁膜646を形成する。本
実施例では膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜を形成す
る。次いで、各不純物領域に達するコンタクトホールを
形成する。本実施例では複数のエッチング処理を順次行
う。本実施例では第1の層間絶縁膜をエッチングストッ
パーとして第2の層間絶縁膜をエッチングした後、絶縁
膜(図示しない)をエッチングストッパーとして第1の
層間絶縁膜をエッチングしてから絶縁膜(図示しない)
をエッチングした。
【0138】さらに、第2の層間絶縁膜646上に層間
絶縁膜の内部から発生する酸素などの脱ガスや水分等が
放出されるのを防ぐためにバリア膜647が形成され
る。バリア膜647を形成する材料としては、具体的に
は窒化アルミニウム(AlN)、窒化酸化アルミニウム
(AlNO)、酸化窒化アルミニウム(AlNO)、窒
化珪素(SiN)、窒化酸化珪素(SiNO)等のアル
ミニウム又は珪素を含む絶縁膜を用いて、0.2〜1μ
mの膜厚で形成することができるが、本実施例では、窒
化珪素からなるバリア膜をスパッタリング法により0.
3μmの膜厚で形成する。なお、ここで用いるスパッタ
リング法としては、2極スパッタ法、イオンビームスパ
ッタ法、または対向ターゲットスパッタ法等がある。
【0139】その後、Al、Ti、Mo、Wなどを用い
て配線を形成する。また、場合によっては、配線と接し
て形成される発光素子の画素電極を同時に形成すること
もできる。これらの電極及び画素電極の材料は、Alま
たはAgを主成分とする膜、またはそれらの積層膜等の
反射性の優れた材料を用いることが望ましい。こうし
て、配線650〜657が形成される。
【0140】以上の様にして、nチャネル型TFT70
1、pチャネル型TFT702を有する駆動回路705
と、nチャネル型TFTからなるスイッチング用TFT
703、nチャネル型TFTからなる電流制御用TFT
704とを有する画素部706を同一基板上に形成する
ことができる(図9(C))。本明細書中ではこのよう
な基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0141】画素部706において、スイッチング用T
FT703(nチャネル型TFT)にはチャネル形成領
域503、ゲート電極を形成する導電層623の外側に
形成される第1の不純物領域(n--領域)638とソー
ス領域、またはドレイン領域として機能する第2の不純
物領域(n+領域)635を有している。
【0142】また、画素部706において、電流制御用
TFT704(nチャネル型TFT)にはチャネル形成
領域504、ゲート電極を形成する導電層624の一部
と絶縁膜を介して重なる第3の不純物領域(n-領域)
639とソース領域、またはドレイン領域として機能す
る第2の不純物領域(n+領域)636を有している。
【0143】また、駆動回路705において、nチャネ
ル型TFT701はチャネル形成領域501、ゲート電
極を形成する導電層621の一部と絶縁膜を介して重な
る第3の不純物領域(n-領域)637とソース領域、
またはドレイン領域として機能する第2の不純物領域
(n+領域)634を有している。
【0144】また、駆動回路705において、pチャネ
ル型TFT702にはチャネル形成領域502、ゲート
電極を形成する導電層622の一部と絶縁膜を介して重
なる第5の不純物領域(p-領域)643と、ソース領
域またはドレイン領域として機能する第4の不純物領域
(p+領域)641を有している。
【0145】これらのTFT701、702を適宜組み
合わせてシフトレジスタ回路、バッファ回路、レベルシ
フタ回路、ラッチ回路などを形成し、駆動回路705を
形成すればよい。例えば、CMOS回路を形成する場合
には、nチャネル型TFT701とpチャネル型TFT
702を相補的に接続して形成すればよい。
【0146】なお、信頼性が最優先とされる回路には、
ゲート絶縁膜を介してLDD(LDD:Lightly Doped
Drain)領域をゲート電極と重ねて配置させた、いわゆ
るGOLD(Gate-drain Overlapped LDD)構造である
nチャネル型TFT701の構造が適している。
【0147】なお、駆動回路705におけるTFT(n
チャネル型TFT、pチャネル型TFT)は、高い駆動
能力(オン電流:Ion)およびホットキャリア効果に
よる劣化を防ぎ信頼性を向上させることが要求されてい
ることから本実施例では、ホットキャリアによるオン電
流値の劣化を防ぐのに有効である構造として、ゲート電
極がゲート絶縁膜を介して低濃度不純物領域と重なる領
域(GOLD領域)を有するTFTを用いている。
【0148】これに対して、画素部706におけるスイ
ッチング用TFT703は、低いオフ電流(Ioff)
が要求されていることから、本実施例ではオフ電流を低
減するためのTFT構造として、ゲート電極がゲート絶
縁膜を介して低濃度不純物領域と重ならない領域(LD
D領域)を有するTFTを用いている。
【0149】次に絶縁膜を成膜する。なお、本実施例に
おいて絶縁膜を形成する材料としては、窒化珪素および
酸化窒化珪素といった珪素を含む絶縁膜の他、ポリイミ
ド(感光性ポリイミドを含む)、ポリアミド、アクリル
(感光性アクリルを含む)、BCB(ベンゾシクロブテ
ン)といった有機樹脂膜を用いることもできる。
【0150】また、この絶縁膜の画素電極657に対応
する位置に開口部を形成して、絶縁層658を形成する
(図10(A))。なお、本実施例では感光性ポリイミ
ドを用いて1μmの絶縁膜を形成し、フォトリソグラフ
ィ−法によりパターニングを行った後で、エッチング処
理を行うことにより絶縁層658を形成する。
【0151】次に、絶縁層658の開口部において露出
している画素電極657上に陰極659をメタルマスク
を用いた蒸着法によりパターン形成する。具体的な陰極
材料としては、電子の注入性を向上させるために仕事関
数の小さい材料で形成されることが望ましく、アルカリ
金属やアルカリ土類金属に属する材料や希土類金属を含
む遷移金属を単体で用いたり、その他の材料と積層した
り、その他の材料とで形成される化合物(例えば、Cs
F、BaF、CaF等)、その他の材料とで形成される
合金(例えばAl:Mg合金やAl:Mg合金やMg:
In合金等)を用いることができる。なお、本実施例で
は、CsFを用いて5nmの膜厚で形成する。さらに、
陰極659上に有機化合物層660をメタルマスクを用
いた蒸着法により形成する(図10(A))。ここで
は、本実施例において赤、緑、青の3種類の発光を示す
有機化合物により形成される有機化合物層のうちの一種
類が形成される様子を示すが、3種類の有機化合物層を
形成する有機化合物の組み合わせについて、以下に詳細
に説明する。
【0152】はじめに、赤色発光を示す有機化合物層に
ついて説明する。具体的には、電子輸送層は、電子輸送
性の有機化合物である、トリス(8−キノリノラト)ア
ルミニウム(以下、Alq3と示す)を40nmの膜厚
に成膜し、ブロッキング層は、ブロッキング性の有機化
合物である、バソキュプロイン(以下、BCPと示す)
を10nmの膜厚に成膜し、発光層は、発光性の有機化
合物である、2,3,7,8,12,13,17,18
−オクタエチル−21H、23H−ポルフィリン−白金
(以下、PtOEPと示す)をホストとなる有機化合物
(以下、ホスト材料という)である4,4’−ジカルバ
ゾール−ビフェニル(以下、CBPと示す)と共に共蒸
着させて30nmの膜厚に成膜し、正孔輸送層は、正孔
輸送性の有機化合物である、4,4'−ビス[N−(1
−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル
(以下、α−NPDと示す)を40nmの膜厚に成膜す
ることにより赤色発光の有機化合物層を形成することが
できる。
【0153】なお、ここでは赤色発光の有機化合物層と
して、5種類の機能の異なる有機化合物を用いて形成す
る場合について説明したが、本発明は、これに限られる
ことはなく、赤色発光を示す有機化合物として公知の材
料を用いることができる。
【0154】次に、緑色発光を示す有機化合物層につい
て説明する。具体的には、電子輸送層は、電子輸送性の
有機化合物である、Alq3を40nmの膜厚で成膜
し、ブロッキング層は、ブロッキング性の有機化合物で
あるBCPを10nmの膜厚で成膜し、発光層は、正孔
輸送性のホスト材料としてCBPを用い、発光性の有機
化合物であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウ
ム(Ir(ppy)3)と共に共蒸着することにより3
0nmの膜厚で成膜し、正孔輸送層は、正孔輸送性の有
機化合物である、α−NPDを40nmの膜厚で成膜す
ることにより緑色発光の有機化合物を形成することがで
きる。
【0155】なお、ここでは緑色発光の有機化合物層と
して、4種類の機能の異なる有機化合物を用いて形成す
る場合について説明したが、本発明はこれに限られるこ
とはなく、緑色発光を示す有機化合物として公知の材料
を用いることができる。
【0156】次に、青色発光を示す有機化合物層につい
て説明する。具体的には、電子輸送層は、電子輸送性の
有機化合物である、Alq3を40nmの膜厚で成膜
し、ブロッキング層は、ブロッキング性の有機化合物で
ある、BCPを10nmの膜厚に成膜し、発光層は、発
光性および正孔輸送性の有機化合物である、α−NPD
を40nmの膜厚で成膜することにより青色発光の有機
化合物層を形成することができる。
【0157】なお、ここでは青色発光の有機化合物層と
して、3種類の機能の異なる有機化合物を用いて形成す
る場合について説明したが、本発明はこれに限られるこ
とはなく、青色発光を示す有機化合物として公知の材料
を用いることができる。
【0158】以上に示したような組み合わせの有機化合
物層を陽極上に形成することにより画素部において、赤
色発光、緑色発光及び青色発光を示す有機化合物層を形
成することができる。
【0159】次に、図10(B)に示すように有機化合
物層660及び絶縁層658を覆って、保護体661を
形成する。なお、保護体661を形成する金属材料とし
ては、具体的には、可視光の透過率が70〜100%で
あり、なおかつ仕事関数が4.5〜5.5の導電膜を用
いる。また、金属膜は、可視光に対して不透明であるこ
とが多いため0.5〜5nmの膜厚で形成する。なお、
本実施例では、金を用い、膜厚4nmのクラスター形状
に形成する。
【0160】次に陽極662が形成される。本発明にお
いて、陽極662は有機化合物層660で生じた光を透
過させる電極であるので透光性を有する材料で形成され
る。また、陽極662は、正孔を有機化合物層660に
注入する電極であるため仕事関数の大きい材料で形成す
る必要がある。なお、本実施例では、ITOを用いて1
00nmの膜厚で形成する。
【0161】こうして図10(B)に示すように、電流
制御用TFT704に電気的に接続された画素電極65
7と、前記画素電極657と隣り合う画素電極(図示せ
ず)との隙間に形成された絶縁層658と、画素電極6
57上に形成された陰極659と、陰極659上に形成
された有機化合物層660と、有機化合物層660及び
絶縁層658上に形成された保護体661と、保護体6
61上に形成された陽極662からなる発光素子663
を有する素子基板を形成することができる。
【0162】なお、本実施例における発光装置の作製工
程においては、回路の構成および工程の関係上、ゲート
電極を形成している材料を用いてソース線を形成し、ソ
ース領域、ドレイン領域と電気的に接続された配線を形
成する材料を用いて走査線を形成しているが、それぞれ
異なる材料を用いることは可能である。
【0163】また、本発明の発光装置は、ソース線から
入力されるビデオ信号に基づいた所定の電圧が電流制御
用TFT704のゲートに入力される方式(以下、定電
圧駆動方式という)の場合や、ソース信号線から入力さ
れるビデオ信号に基づいた所定の電流が電流制御用TF
T704から入力される方式(以下、定電流駆動方式と
いう)のいずれの場合においても実施することが可能で
ある。なお、本実施例において、TFTの駆動電圧は、
1.2〜10Vであり、好ましくは、2.5〜5.5V
である。
【0164】さらに、本実施例の図10(B)において
説明した発光装置の構造の一部が異なる場合について図
15に示す。
【0165】図15において、図10(B)と同様にし
て画素電極1501が形成される。そして、その端部を
覆うように絶縁層1502が形成されるが、ここでは、
絶縁層1502を形成する材料として窒化珪素、酸化珪
素、または酸化窒化珪素といった珪素を含む無機絶縁材
料を用いて0.1〜0.3μmの膜厚で形成する。
【0166】具体的には、窒化珪素膜をスパッタリング
法により0.2μmの膜厚で形成する。
【0167】以上のように絶縁層1502を無機絶縁材
料により形成することで、有機樹脂膜を用いて形成した
場合に比べて、材料から放出される水分や有機気体等を
低減するためには効果的である。
【0168】また、図15(B)には、図15(A)の
構造を有する場合における画素部1511の一部の上面
図を示す。画素部1511には、複数の画素1512が
形成されている。また、ここで示す上面図は、図15
(A)の絶縁層1502まで形成された状態を示してい
る。つまり、絶縁層1502は、ソース線1513、走
査線1514および電流供給線1515を覆うように形
成されている。また、下方に画素電極とTFTとの接続
部分が形成されている領域a(1503)の部分も絶縁
層1502で覆われている。
【0169】さらに、図15(B)に示す画素部151
1の点線AA’における断面図であって、画素電極15
01上に陰極1504および有機化合物層1505まで
形成された状態を図15(C)に示す。なお、ここで
は、紙面に対して縦方向に同一の材料からなる有機化合
物層が形成されており、横方向にそれぞれ異なる材料か
らなる有機化合物層が形成されている。
【0170】例えば、図15(B)の画素(R)151
2aには赤色発光を示す有機化合物層(R)1505a
が形成され、画素(G)1512bには緑色発光を示す
有機化合物層(G)1505bが形成され、画素(B)
1512cには青色発光を示す有機化合物層(B)15
05cが形成される。なお、絶縁層1502は、有機化
合物層形成時のマージンとなり、有機化合物層の成膜位
置が多少ずれて、図15(C)に示すように絶縁層15
02上で異なる材料からなる有機化合物層が重なってし
まったとしても、それが絶縁層1502上であれば何ら
問題はない。
【0171】さらに、図15(B)に示す画素部151
1の点線BB’における断面図であって、図15(C)
と同様に画素電極1501上に陰極1504および有機
化合物層1505まで形成された状態を図15(D)に
示す。
【0172】なお、点線BB’で切断される画素には、
画素(R)1512aと同様の赤色発光を示す有機化合
物層(R)1505aが形成されるため、図15(D)
で示す構造を有する。
【0173】また、画素部の表示が動作しているとき
(動画表示の場合)には、発光素子が発光している画素
により背景の表示を行い、発光素子が非発光となる画素
により文字表示を行えばよいが、画素部の動画表示があ
る一定期間以上静止している場合(本明細書中では、ス
タンバイ時と呼ぶ)には、電力を節約するために表示方
法が切り替わる(反転する)ようにしておくと良い。具
体的には、発光素子が発光している画素により文字を表
示し(文字表示ともいう)、発光素子が非発光となる画
素により背景を表示(背景表示ともいう)するようにす
る。
【0174】(実施例4)本実施例では、実施例3で示
したのと一部構造の異なる発光装置について図11を用
いて説明する。
【0175】図11(A)において、図9(C)で形成
される画素電極の代わりに配線670が形成される。そ
の後、配線670を覆って第3の層間絶縁膜671が形
成される。なお、ここで形成される第3の層間絶縁膜6
71の材料としては、第1および第2の層間絶縁膜を形
成する際に用いた材料を用いて形成することができる。
【0176】次に第3層間絶縁膜671の配線670と
重なる位置に開口部を形成した後で画素電極672を形
成する。なお、画素電極672を形成する材料として
は、配線670形成に用いた材料を用いて形成すること
ができる。
【0177】さらに、画素電極672の端部を覆うよう
に絶縁層673が形成され、画素電極672上には、陰
極674、有機化合物層675が形成される。なお、絶
縁層673を形成する材料としては実施例3と同様にし
て感光性ポリイミドを用いて1μmの膜厚で形成する。
【0178】以上により、図11(B)に示すように有
機化合物層675上に保護体676、および陽極677
が形成され、発光素子678が完成する。なお、画素電
極672を形成した後の作製工程は実施例3と同様の方
法で形成することができるので省略する。
【0179】なお、本実施例で示したような構造とする
ことで、画素電極の面積を大きくすることができるの
で、本発明のような上方出射型の発光装置においては、
より開口率を向上させることができる。
【0180】さらに、本実施例の図11(B)において
説明した発光装置の構造の一部が異なる場合について図
16に示す。
【0181】図16において、図11(B)と同様にし
て画素電極1601が形成される。そして、その端部を
覆うように無機絶縁膜1602が形成されるが、ここで
は、窒化珪素、酸化珪素、または酸化窒化珪素といった
珪素を含む無機絶縁材料により0.1〜0.3μmの膜
厚で形成する。
【0182】具体的には、窒化珪素膜をスパッタリング
法により0.2μmの膜厚で形成する。
【0183】以上のように無機絶縁膜1602を無機絶
縁材料により形成することで、有機樹脂膜を用いて形成
した場合に比べて、材料から放出される水分や有機気体
等を低減するためには効果的である。
【0184】(実施例5)本実施例では、定電流駆動方
式により駆動する発光装置の画素部の画素構成について
説明する。図13に示す画素1310は、信号線Si
(S1〜Sxのうちの1つ)、第1走査線Gj(G1〜
Gyのうちの1つ)、第2走査線Pj(P1〜Pyのう
ちの1つ)及び電源線Vi(V1〜Vxのうちの1つ)
を有している。また画素1310は、Tr1、Tr2、
Tr3、Tr4、発光素子1311及び保持容量131
2を有している。
【0185】Tr3とTr4のゲートは、共に第1走査
線Gjに接続されている。Tr3のソースとドレイン
は、一方は信号線Siに、もう一方はTr2のソースに
接続されている。またTr4のソースとドレインは、一
方はTr2のソースに、もう一方はTr1のゲートに接
続されている。つまり、Tr3のソースとドレインのい
ずれか一方と、Tr4のソースとドレインのいずれか一
方とは、接続されている。
【0186】Tr1のソースは電源線Viに、ドレイン
はTr2のソースに接続されている。Tr2のゲートは
第2走査線Pjに接続されている。そしてTr2のドレ
インは画素電極を介して画素電極上に形成される発光素
子1311に接続されている。発光素子1311は、陰
極と、陽極と、陰極と陽極の間に設けられた有機化合物
層とを有している。発光素子1311の陽極は外部に設
けられた電源によって一定の電圧が与えられている。
【0187】なお、Tr3とTr4は、nチャネル型T
FTとpチャネル型TFTのどちらでも良い。ただし、
Tr3とTr4の極性は同じである。また、Tr1はn
チャネル型TFTとpチャネル型TFTのどちらでも良
い。Tr2は、nチャネル型TFTとpチャネル型TF
Tのどちらでも良いが、本発明において、Tr2と接続
される電極は陰極であるため、Tr2はnチャネル型T
FTで形成するのが望ましい。
【0188】保持容量1312はTr1のゲートとソー
スとの間に形成されている。保持容量1312はTr1
のゲートとソースの間の電圧(VGS)をより確実に維持
するために設けられているが、必ずしも設ける必要はな
い。
【0189】図13に示した画素では、ソース線に供給
される電流は、信号線駆動回路が有する電流源において
制御している。
【0190】なお、本発明の構成は実施例1〜実施例4
のいずれの構成と自由に組み合わせて実施することがで
きる。
【0191】(実施例6)本実施例では、本発明の発光
装置の外観図について図12を用いて説明する。なお、
図12(A)は、発光装置を示す上面図、図12(B)
は図12(A)をA−A’で切断した断面図である。点
線で示された1201はソース信号側駆動回路、120
2は画素部、1203はゲート信号側駆動回路である。
また、1204は封止基板、1205はシール剤であ
り、シール剤1205で囲まれた内側は、空間になって
いる。
【0192】なお、1208はソース信号側駆動回路1
201及びゲート信号側駆動回路1203に入力される
信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となる
FPC(フレキシブルプリントサーキット)1209か
らビデオ信号やクロック信号を受け取る。なお、ここで
はFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリ
ント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。
本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでな
く、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態
をも含むものとする。
【0193】次に、断面構造について図12(B)を用
いて説明する。基板1210上には駆動回路及び画素部
が形成されているが、ここでは、駆動回路としてソース
信号側駆動回路1201と画素部1202が示されてい
る。
【0194】なお、ソース信号側駆動回路1201はn
チャネル型TFT1213とpチャネル型TFT121
4とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、
駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、P
MOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。ま
た、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライ
バー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上
ではなく外部に形成することもできる。
【0195】また、画素部1202は電流制御用TFT
1211とそのドレインに電気的に接続された画素電極
1212を含む複数の画素により形成される。
【0196】また、画素電極1212の両端には絶縁層
1213が形成され、画素電極1212上には陰極12
14が形成され、さらに陰極1214上には有機化合物
層1215が形成される。さらに、有機化合物層121
5上には保護体1216が形成され、保護体1216上
には陽極1217が形成される。これにより、陰極12
14、有機化合物層1215、保護体1216、及び陽
極1217からなる発光素子1218が形成される。
【0197】陽極1217は全画素に共通の配線として
も機能し、接続配線1208を経由してFPC1209
に電気的に接続されている。
【0198】また、基板1210上に形成された発光素
子1218を封止するためにシール剤1205により封
止基板1204を貼り合わせる。なお、封止基板120
4と発光素子1218との間隔を確保するために樹脂膜
からなるスペーサを設けても良い。そして、シール剤1
205の内側の空間1207には窒素等の不活性気体が
充填されている。なお、シール剤1205としてはエポ
キシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、シール剤12
05はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であるこ
とが望ましい。さらに、空間1207の内部に酸素や水
を吸収する効果をもつ物質を含有させても良い。
【0199】また、本実施例では封止基板1204を構
成する材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP
(Fiberglass-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビ
ニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアク
リル等からなるプラスチック基板を用いることができ
る。また、シール剤1205を用いて封止基板1204
を接着した後、さらに側面(露呈面)を覆うようにシー
ル剤で封止することも可能である。
【0200】以上のようにして発光素子を空間1207
に封入することにより、発光素子を外部から完全に遮断
することができ、外部から水分や酸素といった有機化合
物層の劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができ
る。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができ
る。
【0201】なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施
例5に示したいずれの構成と自由に組み合わせて実施す
ることが可能である。
【0202】(実施例7)発光素子を用いた発光装置は
自発光型であるため、液晶表示装置に比べ、明るい場所
での視認性に優れ、視野角が広い。従って、本発明の発
光装置を用いて様々な電気器具を完成させることができ
る。
【0203】本発明により作製した発光装置を用いて作
製された電気器具として、ビデオカメラ、デジタルカメ
ラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプ
レイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カー
オーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナ
ルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイル
コンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書
籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはデ
ジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生
し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)など
が挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多
い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されるため、
発光素子を有する発光装置を用いることが好ましい。そ
れら電気器具の具体例を図14に示す。
【0204】図14(A)は表示装置であり、筐体20
01、支持台2002、表示部2003、スピーカー部
2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明に
より作製した発光装置をその表示部2003に用いるこ
とにより作製される。発光素子を有する発光装置は自発
光型であるためバックライトが必要なく、液晶表示装置
よりも薄い表示部とすることができる。なお、表示装置
は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全
ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0205】図14(B)はデジタルスチルカメラであ
り、本体2101、表示部2102、受像部2103、
操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッタ
ー2106等を含む。本発明により作製した発光装置を
その表示部2102に用いることにより作製される。
【0206】図14(C)はノート型パーソナルコンピ
ュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2
203、キーボード2204、外部接続ポート220
5、ポインティングマウス2206等を含む。本発明に
より作製した発光装置をその表示部2203に用いるこ
とにより作製される。
【0207】図14(D)はモバイルコンピュータであ
り、本体2301、表示部2302、スイッチ230
3、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含
む。本発明により作製した発光装置をその表示部230
2に用いることにより作製される。
【0208】図14E)は記録媒体を備えた携帯型の画
像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体
2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B
2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、
操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表
示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B
2404は主として文字情報を表示するが、本発明によ
り作製した発光装置をこれら表示部A、B2403、2
404に用いることにより作製される。なお、記録媒体
を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含ま
れる。
【0209】図14(F)はゴーグル型ディスプレイ
(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体250
1、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明
により作製した発光装置をその表示部2502に用いる
ことにより作製される。
【0210】図14(G)はビデオカメラであり、本体
2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポ
ート2604、リモコン受信部2605、受像部260
6、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キ
ー2609、接眼部2610等を含む。本発明により作
製した発光装置をその表示部2602に用いることによ
り作製される。
【0211】ここで図14(H)は携帯電話であり、本
体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力
部2704、音声出力部2705、操作キー2706、
外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。
本発明により作製した発光装置をその表示部2703に
用いることにより作製される。なお、表示部2703は
黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消
費電力を抑えることができる。
【0212】なお、将来的に有機材料の発光輝度が高く
なれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投
影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用
いることも可能となる。
【0213】また、上記電気器具はインターネットやC
ATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて
配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情
報を表示する機会が増してきている。有機材料の応答速
度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
【0214】また、発光装置は発光している部分が電力
を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報
を表示することが好ましい。従って、携帯情報端末、特
に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする
表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景
として文字情報を発光部分で形成するように駆動するこ
とが好ましい。
【0215】以上の様に、本発明の作製方法を用いて作
製された発光装置の適用範囲は極めて広く、本発明の発
光装置を用いてあらゆる分野の電気器具を作製すること
が可能である。また、本実施例の電気器具は実施例1〜
実施例6を実施することにより作製された発光装置を用
いることにより完成させることができる。
【0216】(実施例8)さらに、本発明の発光装置
は、図18で示す構造とすることも可能である。
【0217】陰極1803の端部(および配線181
3)を覆う絶縁層1814(バンク、隔壁、障壁、土手
などと呼ばれる)としては、無機材料(酸化シリコン、
窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)、感光性または
非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミ
ド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブ
テン)、またはこれらの積層などを用いることができる
が、例えば、有機樹脂の材料としてポジ型の感光性アク
リルを用いた場合には、図18に示すように絶縁物の端
部における曲率半径が0.2〜2μmとなるようにし、
接触面における角度が35度以上となる曲面を持たせる
ことが好ましい。
【0218】また、発光素子1802の有機化合物層1
804に用いる材料として、白色発光を示す材料を用い
ることができる。この場合には、蒸着法を用いて形成
し、例えば陰極1803側からTPD(芳香族ジアミ
ン)、p−EtTAZ、Alq3、部分的に赤色発光色
素であるナイルレッドをドープしたAlq3、Alq3
順次積層形成すればよい。
【0219】さらに、発光素子1802の陽極1807
上に絶縁性の材料を用いてパッシベーション膜1815
を形成することもできる。なお、この際パッシベーショ
ン膜1815に用いる材料としては、スパッタリング法
において、Siをターゲットとして形成された窒化珪素
膜の他、吸湿性の材料を窒化珪素膜により挟んで形成さ
れた積層膜を用いることができる。さらに、DLC膜
(ダイヤモンドライクカーボン膜)や、窒化炭素(Cx
Ny)等を用いることも可能である。
【0220】
【発明の効果】本発明では、上面出射型の発光装置を作
製することによる下面出射型の発光装置に比べてより開
口率の高い素子を形成することが可能となった。また、
上面出射型の発光装置の作製において、TFTと接続さ
れた電極(下部電極)を陰極とし、陰極上に形成された
有機化合物層上に光取り出し電極(上部電極)となる陽
極を形成することから、既に実用化レベルの特性を有し
ているITOやIZOといった透明導電膜を陽極材料と
して用い、従来の上面出射型の発光装置と素子構造の異
なる発光素子を作製することができる。
【0221】これにより、上部電極である陰極側から光
を取り出す素子構造の場合には、陰極としての機能を保
持するために充分な成膜性が要求されるのに対し、光取
り出し電極としての透光性を確保するために極薄膜で形
成する必要があるため、両者の条件を満たすために生じ
る矛盾を解決することができる。
【0222】さらに、有機化合物層と陽極との界面に保
護体を設けることにより陽極形成時に問題となる有機化
合物層へのダメージを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光装置の素子構造を説明する
図。
【図2】 本発明の発光装置の作製工程を説明する
図。
【図3】 本発明の発光装置の作製工程を説明する
図。
【図4】 本発明の発光装置の素子構造を説明する
図。
【図5】 本発明の低分子型発光装置の素子構造を説
明する図。
【図6】 本発明の高分子型発光装置の素子構造を説
明する図。
【図7】 本発明の発光装置の作製工程を説明する
図。
【図8】 本発明の発光装置の作製工程を説明する
図。
【図9】 本発明の発光装置の作製工程を説明する
図。
【図10】 本発明の発光装置の作製工程を説明する
図。
【図11】 本発明の発光装置の作製工程を説明する
図。
【図12】 本発明の発光装置の素子構造を説明する
図。
【図13】 本発明に用いることのできる回路構成を説
明する図。
【図14】 電気器具の一例を示す図。
【図15】 本発明の発光装置の素子構造を説明する
図。
【図16】 本発明の発光装置の素子構造を説明する
図。
【図17】 従来例を示す図。
【図18】 本発明の発光装置の素子構造を説明する
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB03 AB06 AB12 AB18 BA06 CB01 CB04 CC00 CC01 DB03 EA00 FA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁表面上に設けられたTFTと、 前記TFT上に形成された層間絶縁膜と、 前記層間絶縁膜上に形成された画素電極と、 前記画素電極の端部を覆う絶縁膜と、 前記画素電極上に形成された陰極と、 前記陰極上に形成された有機化合物層と、 前記有機化合物層上に形成された保護体と、 前記保護体上に形成された陽極とを有する発光装置であ
    って、 前記TFTはソース領域およびドレイン領域を有し、 前記画素電極は、前記層間絶縁膜に形成された開口部に
    おいて、前記ソース領域または前記ドレイン領域のいず
    れか一方と電気的に接続され、 前記保護体は、その平均膜厚が0.5〜5nmであるこ
    とを特徴とする発光装置。
  2. 【請求項2】絶縁表面上に設けられたTFTと、 前記TFT上に形成された層間絶縁膜と、 前記層間絶縁膜上に形成された画素電極と、 前記画素電極の端部を覆う絶縁膜と、 前記画素電極上に形成された陰極と、 前記陰極上に形成された有機化合物層と、 前記有機化合物層上に形成された保護体と、 前記保護体上に形成された陽極とを有する発光装置であ
    って、 前記TFTはソース領域およびドレイン領域を有し、 前記画素電極は、前記層間絶縁膜に形成された開口部に
    おいて、前記ソース領域または前記ドレイン領域のいず
    れか一方と電気的に接続され、 前記保護体は、仕事関数が4.5〜5.5eVである材
    料からなり、かつ平均膜厚が0.5〜5nmであること
    を特徴とする発光装置。
  3. 【請求項3】絶縁表面上に設けられたTFTと、 前記TFT上に形成された層間絶縁膜と、 前記層間絶縁膜上に形成されたバリア膜と、 前記バリア膜上に形成された画素電極と、 前記画素電極の端部を覆う絶縁膜と、 前記画素電極上に形成された陰極と、 前記陰極上に形成された有機化合物層と、 前記有機化合物層上に形成された保護体と、 前記保護体上に形成された陽極とを有する発光装置であ
    って、 前記TFTはソース領域およびドレイン領域を有し、 前記画素電極は、前記層間絶縁膜および前記バリア膜に
    形成された開口部を介して前記ソース領域または前記ド
    レイン領域のいずれか一方と電気的に接続され、 前記陰極は、元素周期律の1族または2族に属する金属
    を含む材料からなり、 前記保護体は、その平均膜厚が0.5〜5nmであるこ
    とを特徴とする発光装置。
  4. 【請求項4】絶縁表面上に設けられたTFTと、 前記TFT上に形成された層間絶縁膜と、 前記層間絶縁膜上に形成されたバリア膜と、 前記バリア膜上に形成された画素電極と、 前記画素電極の端部を覆う絶縁膜と、 前記画素電極上に形成された陰極と、 前記陰極上に形成された有機化合物層と、 前記有機化合物層上に形成された保護体と、 前記保護体上に形成された陽極とを有する発光装置であ
    って、 前記TFTはソース領域およびドレイン領域を有し、 前記画素電極は、前記層間絶縁膜および前記バリア膜に
    形成された開口部を介して前記ソース領域または前記ド
    レイン領域のいずれか一方と電気的に接続され、 前記陰極は、元素周期律の1族または2族に属する金属
    を含む材料からなり、 前記保護体は、仕事関数が4.5〜5.5eVである材
    料からなり、かつ平均膜厚が0.5〜5nmであること
    を特徴とする発光装置。
  5. 【請求項5】絶縁表面上に設けられたTFTと、 前記TFT上に形成された層間絶縁膜と、 前記層間絶縁膜上に形成された画素電極と、 前記画素電極の端部を覆う絶縁膜と、 前記画素電極上に形成された陰極と、 前記陰極上に形成された有機化合物層と、 前記有機化合物層上に形成された保護体と、 前記保護体上に形成された陽極とを有する発光装置であ
    って、 前記TFTはソース領域およびドレイン領域を有し、 前記画素電極は、前記層間絶縁膜に形成された開口部に
    おいて、前記ソース領域または前記ドレイン領域のいず
    れか一方と電気的に接続され、 前記有機化合物層は、有機化合物からなる第一の層と、
    前記第一の層を構成する物質とは異なる有機化合物から
    なる第二の層と有し、 前記第一の層と前記第二の層との間に、前記第一の層を
    構成する有機化合物、および前記第二の層を構成する有
    機化合物、の両方を含む混合層を有することを特徴とす
    る発光装置。
  6. 【請求項6】請求項3または請求項4において、 前記バリア膜は、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニ
    ウム、酸化窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化酸化珪素
    からなることを特徴とする発光装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれか一におい
    て、前記保護体および前記陽極は70〜100%の透過
    率を有することを特徴とする発光装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれか一におい
    て、前記保護体は元素周期律の第9族、第10族、また
    は第11族に属する金属材料からなることを特徴とする
    発光装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8のいずれか一におい
    て、前記保護体は金、銀、または白金からなることを特
    徴とする発光装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項9のいずれか一にお
    いて、 前記発光装置は、表示装置、デジタルスチルカメラ、ノ
    ート型パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュー
    タ、記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置、ゴーグル
    型ディスプレイ、ビデオカメラ、携帯電話から選ばれた
    一種であることを特徴とする発光装置。
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