JP4487704B2 - 車両のサイドドア - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突時等にサイドドアからエアバッグが上方へ膨出して、乗員の頭部等を保護しようとするものに関する。
車両の側面衝突時にサイドドアからエアバッグが上方へ膨出するようにしたものとして、下記特許文献１に記載された技術が従来から知られている。
特開平５−１３９２３８号公報
この場合、エアバッグが膨張する際にトリムカバーを押し開く構造について具体的には示されていないが、通常は、トリムカバーの上部に車両前後方向へ直線的に長く延びる薄肉部の折り曲げ容易なヒンジ部分を形成し、トリムカバーの上面全体がエアバッグの膨張力により直線的な上記ヒンジ部分を中心として一体的に回動するように押し開かれて、エアバッグ膨出の開口が形成されるようにしている。
しかしながら、車両が立木等に側面衝突して、サイドドアが車室内側へ局部的に変形させられたようなときには、上記ヒンジ部分も局部的に変形して部分的に直線的でなくなる結果、トリムカバー上面全体に対してはヒンジ作用を果たしにくくなるので、エアバッグの膨張力を受けてもトリムカバーの上面全体がスムースには開けなくなって、エアバッグ膨出の開口が形成されにくくなり、エアバッグが確実に膨出できないという不具合がある。
本発明は、車両の側面衝突時等に、エアバッグの膨出力によりサイドドアのドアトリム上部からエアバッグが確実に膨出できるようにしようとするものである。
このため、本発明にかかる車両のサイドドアは、ドアパネルと上記ドアパネルの車室内側に配置されたドアトリムとの間に設置されて車両の側面衝突時に車両前後方向への広い範囲で上方へ膨出するエアバッグをそなえ、上記ドアトリムの上部に、車両前後方向へ略直線的に延びる脆弱部により形成されたヒンジ部分と、ドアガラス側の端縁部からそれぞれ略車幅方向に延びる複数の脆弱部により形成されて上記ヒンジ部分に達する複数の横行部分と、隣接する上記横行部分により車両前後方向に挟まれて車両前後方向に一列に並んで形成された複数の区画部とが設けられ、上記エアバッグの上方への膨出力により、上記各横行部分が破断すると共に、上記各区画部がそれぞれ上記ヒンジ部分を中心とし上方へ回動して押し開かれるように構成されている。
従って、車両が立木等に側面衝突して、エアバッグが上方へ膨出しようとすると、その膨出力によって、各横行部分がドアガラス側の端縁部から破断すると共に、各横行部分により車両前後方向に挟まれたドアトリム上面の各区画部がそれぞれヒンジ部分を中心とし上方へ回動して押し開かれるようにされると、ヒンジ部分が局部的に変形して一部で略直線的ではなくなっても、他のヒンジ部分は略直線的に保持されているので、そのヒンジ部分に接した各区画部はヒンジ部分を中心とし上方へ回動して容易に押し開かれ、このため、局部的に変形したヒンジ部分に接する区画部は、車両前後方向に隣接する区画部が上方へ押し開かれてその個所からエアバッグが上方へ膨出することにより、その側部からも上方へ付勢されて開きやすくなる結果、区画部全体が上方へ押し開かれることとなって、エアバッグが車両前後方向への広い範囲にわたって上方へ確実に膨出できるので、乗員の頭部等を容易に保護することが可能となる。
以下、図面に示す本発明の各実施例について、同等部分にはそれぞれ同一符号を付けて説明する。
図１〜図３において、コンバーチブル車のサイドドア１は、窓ガラス２の車室内側に配置されたドアインナパネル３と、ドアインナパネル３のさらに車室内側に配置されたドアトリム４との間に、ガス発生装置５及び折り畳まれて車両前後方向へ延びるエアバッグ６が設置されて、ドアインナパネル３により支持されており、車両の側面衝突時にガス発生装置５からエアバッグ６内へガスが噴出して、エアバッグ６は車両前後方向への広い範囲で上方へ膨出できるように構成されている。
一方、ドアトリム４の上部には、ドアトリム４の内面側から肉を盗むことにより形成されて車両前後方向へ略直線的に延びる脆弱部となったヒンジ部分１０と、それぞれドアトリム４の内面側から一層深く肉を盗んでさらに薄く形成されて略車幅方向に延びる脆弱部により形成され、それぞれヒンジ部分１０にまで達する複数の横行部分１１とが設けられ、各横行部分１１により車両前後方向に挟まれた各区画部１２がドアトリム４の上面に形成されている。
従って、車両が立木等に側面衝突した場合には、ガス発生装置５からエアバッグ６内へガスが噴出して、エアバッグ６が車両前後方向への広い範囲で上方へ膨出しようとするので、その膨出力より、各横行部分１１が容易に破断すると共に、各区画部１２がそれぞれヒンジ部分１０を中心とし上方へ回動して押し開かれようとする。
このとき、ヒンジ部分１０が立木等に衝突した個所で局部的に変形して一部で略直線的ではなくなっても、ヒンジ部分１０の他の部分は略直線的に保持されているので、その略直線的ヒンジ部分１０に接した各区画部１２はそのヒンジ部分１０を中心とし上方へ回動して容易に押し開かれ、このため、局部的に変形したヒンジ部分１０に接する区画部１２は、車両前後方向に隣接する区画部１２が上方へ押し開かれてその個所からエアバッグ６が上方へ膨出することにより、その側部からも上方へ付勢されて開きやすくなる。
その結果、図中の２点鎖線で示されているように、各区画部１２の全体がエアバッグ６により上方へ押し開かれることとなって、エアバッグ６が車両前後方向への広い範囲にわたって上方へ確実に膨出し、窓ガラス２の車室内側に沿って略膜状に展開することができるので、車両の側面衝突に対して乗員の頭部等を容易に保護することが可能となる。
図４に示す実施例では、ガス発生装置５及びエアバッグ６がケース２０内に収容されて、ケース２０がドアインナパネル３とドアトリム４との間の上部でドアインナパネル３に取り付けられ、ケース２０の上面に上記実施例の場合と同様なヒンジ部分１０及び複数の横行部分１１が設けられて、各区画部１２がケース２０の上面に形成されており、その他の部分は上記実施例ととくに変わるところがない。
従って、この実施例でも上記実施例と同等の作用効果を発揮することができると共に、ガス発生装置５及びエアバッグ６がケース２０内に収容されてモジュール化されているため、エアバッグ６とケース２０上面の各区画部１２との相対的な位置精度を容易に高めることができて、エアバッグ６の膨出力による各区画部１２の押し開き、すなわち、エアバッグ６の展開に関する作動安定度を増大させることができ、かつ、ガス発生装置５及びエアバッグ６の取付けを容易化できるという実用的長所がある。
なお、図４の実施例ではケース２０がドアインナパネル３に取り付けられているが、ケース２０をドアトリム４、または、サイドドア１内における適宜の構造物に取り付けてもよいのはいうまでもない。
また、上記各実施例では、ドアトリム４またはケース２０の上面に内面側から肉を盗むことにより脆弱部のヒンジ部分１０及び複数の横行部分１１が形成されているが、ドアトリム４またはケース２０の外面に表皮が設けられる場合には、ミシン目のような断続的切れ目によって脆弱部のヒンジ部分１０及び複数の横行部分１１を形成することも可能である。
本発明の実施例における要部の概略内側面図。 図１のII−II縦断面拡大図。 図２の III矢視図。 本発明の他の実施例における図２相当の縦断面図。
符号の説明
１ サイドドア
３ ドアインナパネル
４ ドアトリム
５ ガス発生装置
６ エアバッグ
１０ ヒンジ部分
１１ 横行部分
１２ 区画部
２０ ケース

Claims (2)

  1. ドアパネルと上記ドアパネルの車室内側に配置されたドアトリムとの間に設置されて車両の側面衝突時に車両前後方向への広い範囲で上方へ膨出するエアバッグをそなえ、上記ドアトリムの上部に、車両前後方向へ略直線的に延びる脆弱部により形成されたヒンジ部分と、ドアガラス側の端縁部からそれぞれ略車幅方向に延びる複数の脆弱部により形成されて上記ヒンジ部分に達する複数の横行部分と、隣接する上記横行部分により車両前後方向に挟まれて車両前後方向に一列に並んで形成された複数の区画部とが設けられ、上記エアバッグの上方への膨出力により、上記各横行部分が破断すると共に、上記各区画部がそれぞれ上記ヒンジ部分を中心とし上方へ回動して押し開かれるように構成された車両のサイドドア。
  2. 請求項１において、上記エアバッグ及び上記エアバッグへガスを噴出するガス発生装置が上記ドアパネルと上記ドアトリムとの間の上部に取り付けられたケースに収容されてモジュール化され、上記ヒンジ部分及び上記複数の区画部が上記ケースの上面に形成された車両のサイドドア。
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