JP4480843B2 - 脚式移動ロボット及びその制御方法、並びに、脚式移動ロボット用相対移動測定センサ - Google Patents

脚式移動ロボット及びその制御方法、並びに、脚式移動ロボット用相対移動測定センサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットに係り、特に、様々な路面上を可動脚によって歩行その他の脚式移動作業を行う脚式移動ロボットに関する。
【0002】
更に詳しくは、本発明は、表面状態が不知の路面上を可動脚によって歩行その他の脚式移動作業を行う脚式移動ロボットに係り、特に、路面の表面状態に応じて適応的な脚式移動作業を行う脚式移動ロボット関する。
【0003】
【従来の技術】
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の"ROBOTA(奴隷機械)"に由来すると言われている。わが国においてロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】
アーム式ロボットのように、ある特定の場所に植設して用いるような据置きタイプのロボットは、部品の組立・選別作業など固定的・局所的な作業空間でのみ活動する。これに対し、移動式のロボットは、作業空間は非限定的であり、所定の経路上または無経路上を自在に移動して、所定の若しくは任意の人的作業を代行したり、ヒトやイヌあるいはその他の生命体に置き換わる種々の幅広いサービスを提供することができる。なかでも脚式の移動ロボットは、クローラ式やタイヤ式のロボットに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなるが、階段や梯子の昇降や障害物の乗り越えや、整地・不整地の区別を問わない柔軟な歩行・走行動作を実現できるという点で優れている。
【0005】
最近では、イヌやネコのように4足歩行の動物の身体メカニズムやその動作を模したペット型ロボット、あるいは、ヒトのような2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間形」若しくは「人間型」のロボット(humanoid robot)など、脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。
【0006】
人間形若しくは人間型と呼ばれる脚式移動ロボットを研究・開発する意義を、例えば以下の2つの視点から把握することができよう。
【0007】
1つは、人間科学的な視点である。すなわち、人間の下肢及び/又は上肢に似た構造のロボットを作り、その制御方法を考案して、人間の歩行動作をシミュレートするというプロセスを通じて、歩行を始めとする人間の自然な動作のメカニズムを工学的に解明することができる。このような研究成果は、人間工学、リハビリテーション工学、あるいはスポーツ科学など、人間の運動メカニズムを扱う他のさまざまな研究分野の進展に大いに還元することができるであろう。
【0008】
もう1つは、人間のパートナーとして生活を支援する、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動の支援を行う実用ロボットの開発である。この種のロボットは、人間の生活環境のさまざまな局面において、人間から教わりながら個々に個性の相違する人間又は環境への適応方法を学習し、機能面でさらに成長していく必要がある。このとき、ロボットが「人間形」すなわち人間と同じ形又は同じ構造をしている方が、人間とロボットとのスムースなコミュニケーションを行う上で有効に機能するものと考えられる。
【0009】
例えば、踏んではならない障害物を避けながら部屋を通り抜ける方法を実地においてロボットに教示するような場合、クローラ式や4足式ロボットのように教える相手が自分と全く違う構造をしているよりも、同じような格好をしている2足歩行ロボットの方が、ユーザ(作業員)ははるかに教え易く、またロボットにとっても教わり易い筈である(例えば、高西著「2足歩行ロボットのコントロール」(自動車技術会関東支部<高塑>No.25,1996APRIL)を参照のこと)。
【0010】
人間の作業空間や居住空間のほとんどは、2足による直立歩行という人間が持つ身体メカニズムや行動様式に合わせて形成されている。言い換えれば、人間の住空間は、車輪その他の駆動装置を移動手段とした現状の機械システムが移動するのにはあまりに多くの障壁が存在する。機械システムすなわちロボットが様々な人的作業を支援又は代行し、さらに人間の住空間に深く浸透していくためには、ロボットの移動可能範囲が人間のそれとほぼ同じであることが好ましい。これが、脚式移動ロボットの実用化が大いに期待されている所以でもある。人間型の形態を有していることは、ロボットが人間の住環境との親和性を高める上で必須であると言える。
【0011】
2足歩行による脚式移動を行うタイプのロボットに関する姿勢制御や安定歩行に関する技術は既に数多提案されている。ここで言う安定な「歩行」とは、「転倒することなく、脚を使って移動すること」と定義することができる。
【0012】
ロボットの姿勢安定制御は、ロボットの転倒を回避する上で非常に重要である。何故ならば、転倒は、ロボットが実行中の作業を中断することを意味し、且つ、転倒状態から起き上がって作業を再開するために相当の労力や時間が払われるからである。また、何よりも、転倒によって、ロボット本体自体、あるいは転倒するロボットと衝突する相手側の物体にも、致命的な損傷を与えてしまう危険があるからである。したがって、脚式移動ロボットの設計・開発において、姿勢安定制御や歩行時の転倒防止は最も重要な課題の1つである。
【0013】
歩行時には、重力と歩行運動に伴なって生じる加速度によって、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが作用する。いわゆる「ダランベールの原理」によると、それらは路面から歩行系への反作用としての床反力、床反力モーメントとバランスする。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形の辺上あるいはその内側にピッチ及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」が存在する。
【0014】
脚式移動ロボットの姿勢安定制御や歩行時の転倒防止に関する提案の多くは、このZMPを歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMP規範に基づく2足歩行パターン生成は、足底着地点を予め設定でき、路面形状に応じた足先の運動学的拘束条件を考慮し易いなどの利点がある。また、ZMPを安定度判別規範とすることは、力ではなく軌道を運動制御上の目標値として扱うことを意味するので、技術的に実現可能性が高まる。なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロボットの安定度判別規範に適用する点については、Miomir Vukobratovic著"LEGGED LOCOMOTION ROBOTS"(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))に記載されている。
【0015】
しかしながら、脚式移動ロボットは、研究段階からようやく実用化への第1歩を踏み出そうとしているのが現状であり、未だ数多の技術的課題が残されている。例えば、路面の表面状態(整地か不整地か、あるいは摩擦係数など)が脚式歩行に与える影響は非常に大きいが、完全には解決されていない。
【0016】
一般に、脚式ロボットは予め計画された歩行動作を行う。(例えば、特開昭62−97006号公報には、予め記憶された歩行パターン・データを用いることで、制御プログラムを簡素化するとともに、歩行パターンの各データ間を密につなぐことができる多関節歩行ロボット制御装置について開示されている。)しかしながら、実際の歩行においては、摩擦係数など路面との関係、あるいは他に起因する要素(横風や外力、未知の障害物との干渉など)によって、路面と足底の間で「滑り」などの相対移動が発生することがしばしばある。
【0017】
4足歩行よりもヒューマノイドのような2足歩行のロボットの方が、重心位置が高く、且つ、歩行時のZMP安定領域が狭い。したがって、このような路面状態の変化に伴う姿勢変動の問題は、2足歩行ロボットにおいてとりわけ重要となる。
【0018】
図1〜図4には、脚式移動ロボットが2足歩行を行う様子を示している。各図に示すように、脚式移動ロボットは、通常、以下に示す各動作期間に分割される歩行周期を繰り返すことによって、2足歩行を実現することができる。
(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚支持期(図1を参照のこと)
(2)右足が接地した両脚支持期(図2を参照のこと)
(3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期(図3を参照のこと)
(4)左足が接地した両脚支持期(図4を参照のこと)
【0019】
ロボットの歩行制御においては、あらかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間において計画軌道の修正を行うようになっている。例えば、両脚支持期では、路面情報を用いた下肢軌道の修正を停止して、計画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一定値で修正する。また、単脚支持期では、修正を受けた脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修正軌道を生成する。具体的な修正は、ZMPに対する偏差を小さくするための位置、速度、及び加速度が連続となるように5次多項式を用いた補間計算により行う(高西著「2足歩行ロボットのコントロール」(自動車技術会関東支部<高塑>No.25,1996APRIL)を参照のこと)。
【0020】
ここで、図1に示すような単脚支持期を例にとって、路面と足底が相対移動(滑り)を発生した場合について考察してみる。2足歩行のロボットにおいては、図示の唯一の立脚が路面に接地する単脚支持期では、軌道計画上、立脚が路面に対して相対移動(滑り)を起こさないことが特に期待されている。
【0021】
図5には、左脚による単脚支持期に左足が路面に対し相対移動(滑り)を発生した様子を示している。図示の通り、ロボットの左足は、進行方向(ロール軸方向)にΔX、その直角方向(ピッチ軸方向)にΔYだけ相対移動している。すなわち、左足が完全に路面に接地する予定の状態であるため、ロボットが予定又は計画していた軌道と実際の軌道との間には、(ΔX,ΔY)だけのずれが発生している。
【0022】
単脚支持期では、修正を受けた脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修正軌道を生成する必要がある。ところが、加速度センサやカメラによる視覚認識など、ロボット上に標準的に搭載した検出システムを用いて、路面に対する相対移動(滑り)を正確な量まで測定することは、非常に困難である。このため、ロボットが軌道の補正を正確且つ迅速に行うことができず、予定していた軌道とのずれが相当程度に拡大するまでは相対移動の検出が見過ごされてしまうことになる。計画軌道と実際の軌道が相違する結果として、姿勢安定制御がうまくいかなかったり、回避できたはずの障害物と衝突してしまったりして、ロボットの転倒、ロボットや衝突物の損壊という悪い事態を招来しかねない。
【0023】
また、図6には、左脚による単脚支持期において、左足が路面に対し路面法線方向(ヨー軸)まわりに回転するという相対移動(滑り)を発生した様子を示している。図示の通り、ロボットの左足は、路面法線に対してΔθだけ回転している。すなわち、左足が完全に路面に接地する予定の状態であるため、ロボットが予定又は計画していた軌道と実際の軌道との間には、Δθだけの回転ずれが発生している。
【0024】
このような回転ずれを、ジャイロ・センサやカメラによる視覚認識など、ロボット上に標準的に搭載した検出システムを用いて正確な量まで測定することは非常に難しい。また、このような路面法線まわりのずれは、ロボットの進行方向に影響するので、歩行作業を継続した結果、大きな軌道のずれにつながりかねない。
【0025】
一般的には、各足に相対移動が発生する場合、図5に示すような路面平行面内の相対移動と図6に示すような路面法線まわりの相対移動とが合成して発生する場合が多いので、歩行への影響はますます大きくなる。
【0026】
このため、足式移動ロボットの脚部の軸力センサを用いて、路面からの反力を測定するなどして相対移動(滑り)の影響を除去するなどの対策を講じることがあるが、影響を完全に取り除くことは極めて困難である。
【0027】
また、ロボット自身の姿勢をジャイロ・センサや加速度センサを用いて測定したり、あるいはカメラなどの視覚センサを利用して周囲の状況からロボット自身の姿勢を算出したりして、相対移動(滑り)の影響を測定したり、以降の軌道計画にフィードバックすることも想到される。しかしながら、いずれの対策によっても、測定の精度や応答速度などに課題を残すことが多い。また、多様な路面での歩行が要求されるロボットの場合には、相対移動(滑り)を全く許容しない歩行は現実的に不可能であり、また、移動速度などの面からも滑りをなくすというアプローチは不利である。
【0028】
他方、脚式移動ロボットが歩行する際には足には必ず相対移動(滑り)が発生するものであるという立場に立つならば、相対移動を容認するとともに、滑りを定量化して解析・管理し、さらに積極的に滑り量を利用する歩行プロセスも考えられよう。
【0029】
実際の人間が歩行する場合も、路面と足底の間で相対移動(滑り)が発生することはしばしばある。したがって、脚式移動ロボットにも多様な歩行パターンを実現させるためには、相対移動(滑り)を軌道計画の中に積極的に取り入れて、さらに軌道修正を行っていく必要がある。そのためには、脚式作業中のロボットにおいて、各足部の路面に対する相対移動(滑り)を認識又は測定できることが重要である。
【0030】
従来の脚式移動ロボットの足部に設けられていたセンサは、一般に、路面からの反力や、路面までの距離測定を行うものがほとんどである。言い換えれば、路面に平行な面方向の移動、あるいは、路面の法線まわりの移動など、路面に対する足部の相対移動(滑り)に相当する物理量を測定又は認識する測定機器は、ロボットに適用されていなかった。いわゆる足裏感覚を脚式移動ロボット上で実現するためには、路面に対する足部の相対移動(滑り)を検知し定量化することが重要であると思料する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、様々な路面上を可動脚によって歩行その他の脚式移動作業を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することにある。
【0032】
本発明の更なる目的は、表面状態が不知の路面上を可動脚によって歩行その他の好適な脚式移動作業を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することにある。
【0033】
本発明の更なる目的は、路面の表面状態に応じて適応的な脚式移動作業を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することにある。
【0034】
本発明の更なる目的は、歩行などの脚式移動作業の最中に、路面と接地脚との間に相対移動(滑り)が起こり、この結果、予定又は計画された軌道と実際の起動との間にずれが発生した場合であっても、適応的に動作制御を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することにある。
【0035】
本発明の更なる目的は、歩行などの脚式移動作業の最中に、路面に対する各足の相対移動(滑り)を認識又は測定して、計画軌道を修正するなど適応的な動作制御を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットであって、
前記可動脚の足裏に配設された、足部と路面との相対移動量を測定する相対移動測定センサと、
前記相対移動測定センサにより測定された足部と路面との相対移動量に基づいて前記脚式移動ロボットの動作を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする脚式移動ロボットである。
【0037】
ここで、前記相対移動測定センサは、路面平行方向に対する足部の相対移動量、及び/又は、路面法線まわりの相対移動量を測定することができる。
【0038】
かかる相対移動測定センサは、例えば、足裏から表面の一部が露出するとともに回転自在に取り付けられたボールと、該ボールの第1方向の回転を検出する第1の回転部と、該ボールの第2方向の回転を検出する第2の回転部と、前記第1及び第2の回転部の検出出力に基づいて、足部の路面に対する第1及び第2の方向に対する相対移動量を演算する演算部とで構成することができる。
【0039】
あるいは、足部の接地面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段による所定時間毎の撮像画像どうしを比較する画像処理手段と、前記画像処理手段による画像比較結果に基づいて該所定時間毎の足部の路面に対する相対移動量を算出する演算手段とで構成することができる。
【0040】
前記相対移動測定センサが脚部の路面平行方向の相対移動量を測定可能であるような場合、所定の時間間隔で測定された足部の路面平行方向の相対移動量を時系列に従ってつなぎ合わせていくことで路面法線まわりの相対移動量を算出することができる。
【0041】
あるいは、1つの足部に2以上の相対移動測定センサが離間して配設してもよい。このような場合、各相対移動測定センサの測定結果を比較することによって、該足部の路面法線まわりの相対移動量を算出することができる。各相対移動測定センサ自体は、路面法線まわりではなく路面平行方向のみ相対移動量を測定することができればよい。
【0042】
また、前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止するようにしてもよい。
【0043】
また、移動作業を停止させた後、さらに移動作業を継続可能か否かを判断するようにしてもよい。また、移動作業を継続不能と判断したときに所定の救援要求動作を実行するようにしてもよい。救援要求は、例えば、音声を発したり、無線通信を利用して近くのユーザを呼び出すことで実現される。あるいは、さらに該路面の状況を探索して、該探索結果に応じた行動を実行するようにしてもよい。
【0044】
また、前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面用の安全な移動動作パターンに移行するようにしてもよい。ここで言う安全な移動動作パターンとしては、例えば、足部が路面接地時の入射角を大きくとる、移動速度を低下させる、各可動脚による歩幅を小さくする、又はZMP軌道を修正するなどが挙げられる。
【0045】
また、前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面を探索しながらの移動動作に移行するようにしてもよい。あるいは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面に適した足底の選択処理を実行するようにしてもよい。
【0046】
また、本発明の第2の側面は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの制御方法であって、
各可動脚が接地しているときに足部と路面との相対移動量を測定する測定ステップと、
測定された足部と路面との相対移動量に基づいて前記脚式移動ロボットの動作を制御する制御ステップと、
を具備することを特徴とする脚式移動ロボットの制御方法である。
【0047】
前記測定ステップでは、路面平行方向に対する足部の相対移動量、及び/又は、路面法線まわりの相対移動量を測定することができる。
【0048】
また、前記測定部において足部の路面平行方向の相対移動量を測定する場合には、さらに、所定の時間間隔で測定された足部の路面平行方向の相対移動量を時系列に従ってつなぎ合わせていくことで路面法線まわりの相対移動量を算出する演算ステップを備えていてもよい。
【0049】
あるいは、前記測定ステップでは、離間した2箇所以上で足部と路面との相対移動量を測定するようにしてもよい。このような場合、さらに、2箇所以上で測定された各相対移動量どうしを比較することによって該足部の路面法線まわりの相対移動量を算出する演算ステップを備えていてもよい。
【0050】
また、前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上での移動作業を停止するようにしてもよい。
【0051】
また、移動を停止した後に、さらに移動作業を継続可能か否かを判断するようにしてもよい。また、移動作業を継続不能と判断したときに、所定の救援要求動作を実行するようにしてもよい。救援要求は、例えば、音声を発したり、無線通信を利用して近くのユーザを呼び出すことで実現される。
【0052】
また、前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに該路面の状況を探索するようにしてもよい。また、該探索結果に応じた行動を実行するようにしてもよい。
【0053】
また、前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面用の安全な移動動作パターンに移行するようにしてもよい。このような安全な移動動作パターンとしては、例えば、足部が路面接地時の入射角を大きくとる、移動速度を低下させる、各可動脚による歩幅を小さくする、又はZMP軌道を修正するなどが挙げられる。
【0054】
また、前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面を探索しながらの移動動作に移行するようにしてもよい。あるいは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面に適した足底の選択処理を実行するようにしてもよい。
【0055】
また、本発明の第3の側面は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの足部において適用可能な、足部と路面との相対移動量を測定する相対移動測定センサであって、
表面の一部が露出するとともに回転自在に取り付けられたボールと、
該ボールの第1方向の回転を検出する第1の回転部と、
該ボールの第2方向の回転を検出する第2の回転部と、
前記第1及び第2の回転部の検出出力に基づいて、足部の路面に対する第1及び第2の方向に対する相対移動量を演算する演算部と、
を具備することを特徴とする脚式移動ロボット用相対移動測定センサである。
【0056】
また、本発明の第4の側面は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの足部において適用可能な、足部と路面との相対移動量を測定する相対移動測定センサであって、
足部の接地面を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による所定時間毎の撮像画像どうしを比較する画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像比較結果に基づいて該所定時間毎の足部の路面に対する相対移動量を算出する演算手段と、
を具備することを特徴とする脚式移動ロボット用相対移動測定センサである。
【0057】
【作用】
本発明に係るロボットは、複数の可動脚を用いて歩行などの各種の脚式移動作業を行うことができる。例えば、2足歩行の場合には、左右の各脚部が、あらかじめ予定又は計画された下肢の軌道計画に従って、単脚支持及び両脚支持を繰り返すことによって実現される。また、両脚又は単脚の各支持期においては、路面情報や足首と腰との相対位置関係などに従って、適宜、計画軌道の修正、又は、計画軌道に復帰させるための修正軌道の生成が行われる。
【0058】
ロボットの脚式作業中においては、立脚又は接地中の足部が路面に対して滑りなどの相対移動を起こすことがしばしばある。このような相対移動は、計画軌道と実際のロボットの軌道とのずれの原因となり、ロボットの転倒や障害物との衝突を招くおそれがある。したがって、各足部の路面に対する相対移動量をより正確に測定するとともに、相対移動量に基づいて計画軌道を修正するなど、ロボットの実行中の動作を適応的に制御する必要がある。
【0059】
そこで、本発明に係る脚式移動ロボットは、各可動脚の足部(足平又は足底)には、足部と路面との接地状態を確認するための路面接地センサの他に、路面と接地脚との間の相対移動(滑り)を測定するための相対移動測定センサが配設されている。このため、予定又は計画された軌道と実際の起動との間にずれが発生した場合であっても、適応的に動作制御を行うことができる。
【0060】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0062】
図7及び図8には、本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」の脚式移動ロボット100が直立している様子を前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。図示の通り、脚式移動ロボット100は、脚式移動を行う左右2足の下肢と、体幹部と、左右の上肢と、頭部とで構成される。
【0063】
左右各々の下肢は、大腿部と、膝関節と、脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によって体幹部の略最下端にて連結されている。また、左右各々の上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、肩関節によって体幹部上方の左右各側縁にて連結されている。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上端中央に連結されている。
【0064】
体幹部ユニット内には、図7及び図8では見えていない制御部が配備されている。この制御部は、脚式移動ロボット100を構成する各関節アクチュエータの駆動制御や各センサ(後述)などからの外部入力を処理するコントローラ(主制御部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載した筐体である。制御部は、その他、遠隔操作用の通信インターフェースや通信装置を含んでいてもよい。
【0065】
図9には、本実施例に係る脚式移動ロボット100が具備する関節自由度構成を模式的に示している。図示の通り、脚式移動ロボット100は、2本の腕部と頭部1を含む上体と、移動動作を実現する2本の脚部からなる下肢と、上肢と下肢とを連結する体幹部とで構成される。
【0066】
頭部1を支持する首関節は、首関節ヨー軸2と、首関節ピッチ軸3と、首関節ロール軸4という3自由度を有している。
【0067】
また、各腕部は、肩関節ピッチ軸8と、肩関節ロール軸9と、上腕ヨー軸10と、肘関節ピッチ軸11と、前腕ヨー軸12と、手首関節ピッチ軸13と、手首関節ロール軸14と、手部15とで構成される。手部15は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体である。但し、手部15の動作自体は、ロボット100の姿勢安定制御や歩行動作制御に対する寄与や影響が少ないので、本明細書ではゼロ自由度と仮定する。したがって、左右の各腕部は7自由度を有するとする。
【0068】
また、体幹部は、体幹ピッチ軸5と、体幹ロール軸6と、体幹ヨー軸7という3自由度を有する。
【0069】
また、下肢を構成する左右各々の脚部は、股関節ヨー軸16と、股関節ピッチ軸17と、股関節ロール軸18と、膝関節ピッチ軸19と、足首関節ピッチ軸20と、関節ロール軸21と、足部(足底又は足平)22とで構成される。股関節ピッチ軸17と股関節ロール軸18の交点は、本実施例に係るロボット100の股関節位置を定義するものとする。人体の足部(足底)22は、実際には多関節・多自由度の足底を含んだ構造体であるが、本実施例に係る脚式移動ロボット100の足底はゼロ自由度とする。したがって、左右の各脚部は6自由度で構成される。
【0070】
以上を総括すれば、本実施例に係る脚式移動ロボット100全体としては、合計で3+7×2+3+6×2=32自由度を有することになる。但し、脚式移動ロボット100が必ずしも32自由度に限定される訳ではない。設計・製作上の制約条件や要求仕様等に応じて、自由度すなわち関節数を適宜増減することができることは言うまでもない。
【0071】
脚式移動ロボット100が持つ上述の各関節自由度は、実際にはアクチュエータによる能動的な動作として実現される。装置の外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形状に近似させることや、2足歩行という不安定構造体に対して姿勢制御を行うことなどの種々の要請から、関節アクチュエータは小型且つ軽量であることが好ましい。
【0072】
本実施例では、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータを搭載することとした。なお、脚式ロボットに適用可能な小型ACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特願平11−33386号明細書に開示されている。
【0073】
図10には、本実施例に係る脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示している。同図に示すように、該システムは、ユーザ入力などに動的に反応して情緒判断や感情表現を司る思考制御モジュール200と、関節アクチュエータの駆動などロボットの全身協調運動を制御する運動制御モジュール300とで構成される。
【0074】
思考制御モジュール200は、情緒判断や感情表現に関する演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)211や、RAM(Random Access Memory)212、ROM(Read Only Memory)213、及び、外部記憶装置(ハード・ディスク・ドライブなど)214で構成された、モジュール200内で自己完結処理を行うことができる独立した情報処理装置である。外部記憶装置214には、例えば、歩行パターンやその他のオフラインで計算された動作パターンをあらかじめ蓄積しておくことができる。
【0075】
思考制御モジュール200には、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどの画像入力装置251や、マイクなどの音声入力装置252、スピーカなどの音声出力装置253、LAN(Local Area Network:図示しない)などを経由してロボット100外のシステムとデータ交換を行う通信インターフェース254など各種の装置が、バス・インターフェース201経由で接続されている。
【0076】
思考制御モジュール200では、画像入力装置251から入力される画像又は視覚データや音声入力装置252から入力される音声又は聴覚データなど、外界からの刺激や環境の変化などに従って、脚式移動ロボット100の現在の感情や意思を決定する。さらに、思考制御モジュール200は、意思決定に基づいた振舞い又は行動、すなわち四肢の運動を実行するように、運動制御モジュール300に対して指令を発行する。
【0077】
一方の運動制御モジュール300は、ロボット100の全身協調運動を制御するCPU(Central Processing Unit)311や、RAM(Random Access Memory)312、ROM(Read Only Memory)313、及び、外部記憶装置(ハード・ディスク・ドライブなど)314で構成された、モジュール300内で自己完結処理を行うことができる独立した情報処理装置である。外部記憶装置314には、例えば、四肢を用いた動作パターン又は歩容を蓄積することができる(「歩容」とは、当業界において「関節角度の時系列変化」を意味する技術用語である)。
【0078】
運動制御モジュール300には、ロボット100の全身に分散するそれぞれの関節自由度を実現する関節アクチュエータ(図9を参照のこと)、体幹部の姿勢や傾斜を計測する姿勢センサ351、左右の各足部に配設された路面接地センサ並びに相対移動測定センサ、バッテリなどの電源を管理する電源制御装置などの各種の装置が、バス・インターフェース301経由で接続されている。
【0079】
ここで、路面接地センサは、各足底の路面に対する離床及び着床の時期を検出するために配設される。各路面接地センサの出力に基づいて、ロボットの動作期間(両脚支持期か又は単脚支持期か)を特定することができる。また、相対移動測定センサは、各足部の路面に対する相対移動量(滑り量)を検出・測定するために配設される。相対移動測定センサの出力は、特に該当脚部が単脚支持期のときに利用される。但し、これら路面接地センサ及び相対移動測定センサの詳細については後述に譲る。
【0080】
運動制御モジュール300では、思考制御モジュール200から指示された行動を体現すべく、各関節アクチュエータによる全身協調運動を制御する。すなわち、CPU311は、思考制御モジュール200から指示された行動に応じた動作パターンを外部記憶装置314から取り出し、又は、内部的に動作パターンを生成する。そして、CPU311は、指定された動作パターンに従って、足部運動、ZMP(Zero Moment Point)軌道、体幹運動、上肢運動、腰部水平位置及び高さなどを設定するとともに、これらの設定内容に従った動作を指示する指令値を各関節アクチュエータに転送する(「ZMP」とは、歩行中の床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点のことであり、また、「ZMP軌道」とは、例えばロボット100の歩行動作期間中などにZMPが動く軌跡を意味する)。
【0081】
また、CPU311は、姿勢センサ351の出力信号によりロボット100の体幹部分の姿勢や傾きを検出するとともに、左右各足部の路面接地センサの出力信号により各可動脚が遊脚又は立脚のいずれの状態であるかを検出することによって、脚式移動ロボット100の全身協調運動パターンを適応的に制御することができる。
【0082】
さらに、本実施例に係る脚式移動ロボット100においては、CPU311は、各足部の相対移動測定センサによって検出・測定された滑り量に基づいて、適応的に動作制御することができる。ここで言う適応的な動作制御の一例は、あらかじめ計画された目標軌道の動的な修正である。但し、足部の相対移動量の測定結果に基づいた動作制御の詳細については、後述に譲る。
【0083】
図10に示すように、思考制御モジュール200と運動制御モジュール300は、共通のプラットフォーム上で構築され、両者間はバス・インターフェース201及び301を介して相互接続されている。運動制御モジュール300は、思考制御モジュール200において決定された意思通りの行動がどの程度体現されたか、すなわち処理の状況を、思考制御モジュール200に対して返すようになっている。
【0084】
図11には、本実施例に係る脚式移動ロボット100の足部足裏の構成例を示している。同図に示すように、足部1101は、足部の形状を維持する足部フレーム1102と、該当脚と電気的及び機械的に接合するための脚部連結部1103と、足部の路面に対する相対移動量(滑り量)を検出・測定するための相対移動測定センサ1104と、各足底の路面に対する離床及び着床を検出するための路面接地センサ1105〜1108と、各センサの検出信号を処理するためのセンサ入力処理演算部1109と、この処理演算結果をロボット100の中央制御系としての運動制御モジュール300に転送処理するためのセンサ情報通信処理部1110とで構成される。
【0085】
図11に示す例では、1つの足底に4基の路面接地センサ1105〜1108を配設したが、センサの個数は特に限定されない。足底の各部位毎に細かく接地確認したければ5基以上の接地センサを搭載してもよいし、逆に特定の部位の設置確認のみでよければ1基の接地センサのみで充分である。
【0086】
同様に、相対移動測定センサの個数も特に限定されない。また、図11に示す例では、各センサの検出信号を同じ足底上のセンサ入力処理演算部1109において一旦演算処理してから処理結果を運動制御モジュール300に転送するようにしているが、演算処理を施す前の原検出信号をそのまま運動制御モジュール300側に送信してもよい。この場合は、センサ入力処理演算部1109は不要となる。
【0087】
次いで、相対移動測定センサ1104による相対移動量(滑り量)の検出結果の利用方法について説明する。
【0088】
脚式移動ロボット100が歩行を始めとする脚式作業を行っている期間中、路面接地センサ1105〜1108を用いて、センサ入力処理部1109は常に足部の各部位と路面との接地状態を監視している。さらに、路面接地センサ1105〜1108の全部又は一部において接地が確認されている期間中には、相対移動測定センサ1104によって測定される移動量が広義の相対移動量として利用される。計画されている歩行の局面、接地状態などに応じて、相対移動センサ1104による測定結果の利用方法は変わってくる。
【0089】
単純な例として、通常の歩行動作時における立脚側の接地状態について考察してみる。ここで、図5に示すように、立脚側の足部(同図では左足)が路面に対してロール軸及びピッチ軸方向にそれぞれΔX及びΔYだけ相対移動(滑り)を起こしたとする。左脚は単脚支持を行っている期間なので、計画軌道に対して相対移動がまったく起こらないことが理想とされる。
【0090】
同図に示す状態は、左足が完全に路面に接地する予定の状態であり、足部の設置状態は路面接地センサ1105〜1108の検出信号を基に確認される。また、この状態での相対移動量ΔX及びΔYを、相対移動測定センサ1104が測定する。
【0091】
路面接地センサ1105〜1108並びに相対移動測定センサ1104の各検出信号は、センサ入力処理演算部1109に入力される。このセンサ入力処理演算部11090では、これらセンサ入力を演算することで、足部が接地したときに本来相対移動を起こすべきでない状態で相対移動が起こったことを解釈することができる。そして、センサ情報通信処理部1110は、かかる演算・解釈結果を運動制御モジュール300に転送する。
【0092】
運動制御モジュール300側では、脚式移動ロボット100が計画軌道からロール軸及びピッチ軸各方向にそれぞれΔX及びΔYだけ相対移動すなわち滑りを起こしたことを知ることができる。そして、かかる検知結果を以降の行動計画、軌道修正に反映させることができる。
【0093】
また、図2に示すような、右足が接地した両脚支持期について考察してみる。いま左脚を降ろして接地させたとき、左足部の路面に対する相対移動(滑り)が発生したとする。通常、ロボット(すなわち運動制御モジュール300)は、各関節の位置を把握しているので、足部に相対移動が生じて左右の脚どうしの関係が軌道計画を逸脱していることを検知することができる。しかしながら、路面に対する相対移動を直接的に検出・測定できる装置なしでは、計画軌道に対する相対移動が左右どちらの足部に起因するのか、さらには相対移動量を定量的且つ正確に測定することはできない。本実施例に係る構成によれば、足部に搭載された相対移動測定センサ1105によって、左右各々の足部における路面に対する相対移動(滑り)を観測することができ、また、路面に対するロボット位置の認識精度を大幅に向上させることができる。
【0094】
次いで、相対移動測定センサ1104の具体的な構成について説明する。
【0095】
図12には、本実施例に係る脚式移動ロボット100に適用可能な相対移動測定センサ1104の構成例を示している。同図に示すセンサ1104は、ボール1301の回転量に基づいて相対移動を検出することができる。
【0096】
足部の足底には、表面の一部が露出しているボール1301が回転自在に取り付けられている。足部が路面に充分接近すると、このボール1301の露出面は路面に接触することができる。
【0097】
ボール1301は、回転自由度が与えられた状態で、センサ・ケース1302の内部に収容されている。ボール1301の表面には、ボール1301のX軸(ロール軸)方向の回転に連動するX軸回転ローラ1303と、ボール1301のY軸(ピッチ軸)方向の回転に連動するY軸回転ローラ1304と、各ローラ1303,1304に対して適度の圧力でボール1301を押し付けるためのローラ1305がバネ1306の復元力を利用して当接されている。さらに、X軸回転ローラ1303の根元には、ローラ1303の回転量を検出するX軸方向回転エンコーダ1307が直結されている。同様に、Y軸回転ローラ1304には、ローラ1304の回転量を検出するY軸方向回転エンコーダ1308が直結されている。
【0098】
足部が接地している期間中に、路面に対して相対移動(滑り)を起こすと、相対移動量に応じた分だけボール1301がX軸及びY軸の各方向に回転する。ボール1301の回転のX軸方向成分及びY軸方向成分は、各回転ローラ1303及び1304によって伝達され、X軸方向回転エンコーダ1307及びY軸方向回転エンコーダ1308によって各回転量が読み取られる。
【0099】
図12中の参照番号1309で示されるモジュールはカウンタであり、各エンコーダ1307及び1308の出力を計数することができる。また、参照番号1310で示されるモジュールは演算処理部であり、エンコーダ出力を解釈して、X軸方向及びY軸方向の移動距離を算出することができる。このようにして得られた足部の移動距離データは、センサ入力処理演算部1109に供給され、センサ情報通信処理部1110を介して運動制御モジュール300に転送される(前述)。
【0100】
また、図13には、相対移動測定センサ1104の他の構成例を示している。図12に示した相対移動測定センサ1104はボールの回転という機械的な動作によって相対移動を測定するが、図13に示す例では、相対移動量を光学的に読み取るようになっている。
【0101】
図13に示すように、この例の相対移動測定センサ1104は、照射光源としての発光部1401と、照射光を集光するためのレンズなどの光学部品からなる発光レンズ部1402と、路面からの反射光を集光するためのレンズなどの光学部品からなる撮像レンズ部1403と、反射光を撮像する撮像素子部1404と、撮像画像を処理する画像処理演算部1405と、画像処理結果に基づいて足部と路面との相対移動量を決定する相対移動量演算部1406と、決定された相対移動量(滑り量)をロボット100の中央制御系としての運動制御モジュール300に転送する通信処理部1407とで構成される。
【0102】
図13に示す例では、撮像素子部1404による撮像画像を足部において画像処理して相対移動量を演算するようになっているが、撮像画像をそのまま運動制御モジュール300に転送するようにしてもよい。このような場合、画像処理演算部1405と相対移動量演算部1406とを、足部上から省略することができる。
【0103】
発光部1401から発生される所定波長の照射光は、発光レンズ1402を介して、足部が接地された路面位置の近傍を照射する。この照明下での路面からの反射光は、撮像レンズ1403で集光されて撮像素子部1404の撮像面上で結像する。
【0104】
撮像素子部1404は、例えばCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などて構成されており、路面からの反射光を受光して、路面上の微小な凹凸や模様などに応じた画像を得ることができる。あるいは、路面上に視認性の高い模様をあらかじめ形成しておいてもよい。
【0105】
画像処理演算部1405は、撮像素子部1404から撮像画像を入力して、所定の微小時間間隔毎の撮像画像間を比較することで、画像の動きを算出する。例えば、図14に示すように、Δt秒間隔毎の撮像画像間で差分をとり、対応する凹凸又は模様間の移動量Δdiを統計処理して画像の動きを算出することができる。
【0106】
画像処理演算部1405において得られた画像の動きデータは、後続の相対移動量演算部1406に出力される。相対移動量演算部1406は、画像の動きに基づいて、足部の路面に対するX軸(ロール軸)方向並びにY軸(ピッチ軸)方向の各相対移動量(滑り量)ΔX及びΔYを算出する。ここで算出された相対移動量は、通信処理部1407によって運動制御モジュール300に転送される。
【0107】
図12及び図13に示した相対移動測定センサ1104は、いずれも足部の路面平行面に対する相対移動量、すなわち、X軸(ロール軸)方向並びにY軸(ピッチ軸)方向の各相対移動量(滑り量)ΔX及びΔYを算出するものであった。しかしながら、路面平行方向だけでなく、路面法線まわりの相対移動量も、脚式移動ロボット100の歩行制御や計画軌道の修正において非常に重要であることは既に述べた通りである。そこで、以下では、路面法線まわりの相対移動量(滑り量)を測定することができる相対移動測定センサについて説明する。
【0108】
従来、移動ロボットの路面法線まわりの運動は、ジャイロ・センサを用いて測定することが一般的であったが、測定精度やその他の点で問題が多かった。また、法線まわりの相対移動は歩行進行方向に重大な影響を及ぼすので、より正確な測定が望まれる。
【0109】
図15には、足部の路面法線まわりの相対移動量すなわち回転運動を測定可能な相対移動測定センサを搭載した足部の構成例を図解している。
【0110】
図示の通り、足部1501は、足部の形状を維持する足部フレーム1502と、該当脚と電気的及び機械的に接合するための脚部連結部1503と、足部の足底に所定間隔を隔てて配設された2基の相対移動測定センサ1504−1及び1504−2と、各足底の路面に対する離床及び着床を検出するための路面接地センサ1505〜1508と、各センサの検出信号を処理するためのセンサ入力処理演算部1509と、この処理演算結果をロボット100の中央制御系としての運動制御モジュール300に転送処理するためのセンサ情報通信処理部1510とで構成される。
【0111】
4基の路面接地センサ1505〜1508は、図11に示した例と略同一構成でよく、また、設置するセンサの個数や場所は特に限定されない。
【0112】
また、相対移動測定センサ1504−及び1504−2の各々は、単一のセンサでは路面平行方向の相対移動量を測定することができればよく、例えば、図12や図13で示したような相対移動測定センサ1104をそのまま適用してもよい。
【0113】
ここで、2基の相対移動測定センサ1504−及び1504−2を用いて足部の路面法線まわりの相対移動量(滑り量)を測定する仕組みについて説明する。
【0114】
足部1501が路面に対して相対移動(滑り)を発生した場合、各々の相対移動測定センサ1504−1及び1504−2においては、路面平行方向の微小時間間隔毎に相対移動量が算出される。算出される相対移動量は、例えば図16に示す通りである。
【0115】
図16に示すような微小時間間隔毎の相対移動量の測定を繰り返すとともに、測定結果を時系列に従ってつなぎ合わせていくことによって、図17に示すように、路面法線まわりの相対移動量を測定することができる。
【0116】
図15に示したような足部1501の構成例では、2基の相対移動測定センサ1504−1及び1504−2が離間して配置されているので、2箇所において路面平行方向の相対移動量を同時に測定することができる。
【0117】
足部1501の路面に対する相対移動が路面法線まわりの成分を含まない場合、各センサ1504−1及び1504−2の設置場所における相対移動は平行となり、図18に示すように、各相対移動測定センサ1504−1及び1504−2によって測定されるXY各方向の成分(図示の移動ベクトルA及びB)はまったく一致する。すなわち各センサからの検出出力は同じ値となる。
【0118】
他方、足部1501の路面に対する相対移動が路面法線まわりの成分を含む場合には、各相対移動測定センサ1504−1及び1504−2によって測定されるXY各方向の成分は一致しない。
【0119】
図19には、ある時間間隔において、足部1501が路面法線まわりに角度θだけ相対移動すなわち回転した様子を図解している。この場合、各相対移動測定センサ1504−1及び1504−2において測定された相対移動量で定義される各移動ベクトルA及びBは平行とはならない。すなわち、これら移動ベクトルA及びB間のなす角に基づいて、足部の路面法線まわりの回転量θを算出することができる。
【0120】
なお、図15に示す例では、2基の相対移動測定センサを足部に搭載したが、3基以上の相対移動測定センサを用いても同様に路面法線まわりの相対移動量θを測定可能であることは言うまでもない。また、多数の相対移動測定センサを利用することで、各センサ間の測定感度やその他のセンサの特性ばらつきや測定誤差を除去して、より正確な相対移動量測定を行うことができる。
【0121】
また、図15に示した例のように路面平行方向の相対移動量を基にして路面法線まわりの回転量を算出する以外に、路面法線まわりの回転量を直接測定可能なセンサ装置を利用しても、本発明は同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0122】
以上詳記したように、本実施例に係る脚式移動ロボット100によれば、足部と路面との相対移動量を直接的且つ正確に測定することができる。このような測定結果に従って、ロボット100の脚式移動作業中における軌道計画外の状況発生をより高速に認知することができ、さらに、以降の行動計画に適応的且つ迅速に反映させることが可能となる。
【0123】
例えば、足が滑った際には、ロボット100の腰又は体幹部に設置した姿勢センサよりも、足部に設置した相対移動測定センサのほうが応答が速いので、行動計画の修正に有利である。また、歩行中に滑り易い路面に突入した場合であっても、実際に姿勢が不安定な状態に陥る以前に滑りに起因する危険を予測することができる。
【0124】
また、足部と路面との相対移動量を直接的に測定することで、ロボット100に搭載される他の計測システムの負担を軽減したり省略することが可能となる。例えば、ジャイロ・センサへの要求精度が軽減されるし、カメラなどからの入力画像に対して高度な演算処理を行う必要がなくなる。
【0125】
次いで、足部と路面との相対移動量の測定結果を、脚式移動ロボット100の以降の行動計画を反映させる点について説明する。
【0126】
図20には、脚式移動ロボット100の歩行中に足部と路面との相対移動量の測定結果を以降の行動計画に反映させる4通りの形態を例示している。
【0127】
このうち、図20(a)及び(b)に示す例は、歩行動作を一旦停止させる点で共通する。
【0128】
図20(a)では、運動制御モジュール300は、あらかじめ設定された閾値以上の滑りを検知すると、歩行動作を一旦停止するとともに、さらに極度の滑りを検知した旨を思考制御モジュール200に通知する。これに応答して、思考制御モジュール200は、人間らしい動作で危険事態を表出する。例えば、歩行不能と判断した場合には近くのユーザに助けを呼ぶようにする。例えば、音声を発したり、無線通信を利用して近くのユーザを呼び出すことで、救援要求が実現される。あるいは、ロボット100は、自律的に引き返したり後歩きを行ったりする。
【0129】
また、図20(b)では、運動制御モジュール300は、あらかじめ設定された閾値以上の滑りを検知すると、歩行動作を一旦停止するとともに、路面状況探索行動ルーチンに移行する。
【0130】
路面状況探索行動ルーチンは、特に限定されない。例えば、カメラなどの画像入力装置251による入力画像を処理して質感や模様などから路面の状況を判断してもよい。あるいは、脚(例えばつま先など)を使って、路面上を掻き回すなどの操作を印加することで、路面状況を判断してもよい。あるいは、腕などの足部以外の部位を用いて、路面上を掻き回すなどの操作を印加することで、路面状況を判断してもよい。
【0131】
そして、路面状況探索結果に基づいて適切な行動をとる。適切な行動の一例は、路面状況に適した歩行パターンを選択し、歩行を継続することである。なお、滑り路面専用の歩行パターンは、オフラインで計算してあらかじめ外部記憶装置314などに用意しておくか、又は、運動制御モジュール300上でリアルタイムで生成するようにしてもよい。但し、歩行パターンの生成については後に詳解する。
【0132】
また、適切な行動の他の例は、歩行不能と判断した場合に近くのユーザに助けを呼ぶなど、人間らしい動作で危険事態を表出することである。また、適切な行動の他の例は、元の安全な路面の場所に引き返すことである。このとき、後歩きを行ってもよいし、その場で方向転換してもよい(方向転換時には、可能かどうかを判断してもよい)。
【0133】
また、図20(c)に示す例では、歩行動作を一旦停止するか、又は、停止しないまま、滑り路面用歩行パターンへ移行する。
【0134】
滑り路面用歩行パターンは、安全な歩行パターンと、路面を探索しながらの歩行とに二分される。
【0135】
前者の安全な歩行パターンの場合、例えば、路面接地時の入射角を大きくして足部と路面の摩擦抵抗を増大させることができる。図21には路面接地時の足部の入射角が小さい場合の接地動作を、また、図22には路面接地時の足部の入射角が大きい場合の接地動作を、それぞれ進行方向の横側から描写している。
【0136】
図21に示す場合には、接地脚が路面に印加する力の水平成分が大きいので滑りが発生し易い。これに対し、図22に示す場合には、接地脚が路面に印加する力の水平成分が小さくて済むので、同じ摩擦抵抗を持つ路面であっても滑りが発生しにくくなる。
【0137】
また安全な歩行パターンの他の例として、速度を落としたり歩幅を小さくして滑りの発生を抑制したり、ZMP軌道を修正した歩行パターンが考えられる。但し、滑り路面用の安全な歩行パターンの生成については後に詳解する。
【0138】
また、路面を探索しながらの歩行を行うときには、遊脚側接地と同時にいきなりロボット100の体重移動を行うことを避けて、路面探知行動を実行した後、路面状況に応じて体重移動を行うようにすればよい。
【0139】
また、図20(d)に示す例では、歩行動作を一旦停止するか、又は、停止しないまま、滑り路面に適した足底を選択する。
【0140】
例えば、脚式移動ロボット100自身が滑り路面用の足底を搭載している(すなわち携行している)場合には、現場において、靴を履き替える間隔で足底を切り替えればよい。
【0141】
また、脚式移動ロボット100が足底を携行していない場合には、滑り路面用(並びに、他の各種路面用)の足底を揃えた場所(例えば、ツール・マガジン)まで、足底を取りに戻ることができる。
【0142】
あるいは、脚式移動ロボット100が足底を携行していない場合には、ユーザを呼んで足底の切り替えを要求するなど、人間らしい動作で危険事態を表出するようにしてもよい。
【0143】
次いで、図20(b)及び(c)において利用される滑り路面用歩行パターンの生成処理について説明する。一般に、歩行パターンは、オフラインであらかじめ計算するか、又は、歩行中にリアルタイムで歩行パターンを修正することができる。
【0144】
まず、足底に滑りが発生したときにリアルタイムで歩行パターンを修正する場合について説明する。図23には、リアルタイムで歩行パターンを修正するための処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、このフローチャートに従って説明する。
【0145】
まず、設定歩行パターンを用いて歩行制御を行う(ステップS11)。歩行パターンは、例えば、歩行周期Kc×C (但し、Kcは倍率であり、デフォルトを1.0とする)と歩幅L[s/step]で規定される。
【0146】
次いで、足部の足底に設置した相対移動測定センサ(前述)を用いて足底滑り量を測定して(ステップS12)、該滑り量が許容値以上か否かをチェックする(ステップS13)。
【0147】
足底滑り量が許容値未満であれば、両脚支持期であればステップS11に、両足支持期でなければステップS12に復帰して(ステップS19)、同じ設定歩行パターンを用いて歩行制御を継続する。
【0148】
他方、足底滑り量が許容地以上になった場合には、歩行パターンの再生速度の選択処理を行う。
【0149】
この場合、まず歩行周期の仮変更を行う(ステップS14)。これは、倍率Kcの値を仮に増加する(例えば、Kc=Kc+0.1)ことによって実現される。この結果、歩行パターンの再生速度を変更することができる。
【0150】
次いで、歩行パターン再生速度を変更したときのZMP軌道の算出を行う(ステップS15)。ZMP軌道すなわちZMP方程式の導出方法については、例えば、高西外著「未知の外力下における2足歩行〜横方向の未知外力に対する歩行制御方式の開発〜」(第9回日本ロボット学会学術講演会、321頁〜324頁)に記載されている。
【0151】
そして、算出されたZMP軌道を基に、ZMP安定度判別規範を満たしているか否かを判断する(ステップS16)。ZMP安定度判別規範を満たしていれば、変更した歩行パターン再生速度を選択する(ステップS17)。そして、この再生速度に従って歩行制御を実行するとともに(ステップS18)、ステップS12に戻って上述と同様の処理を繰り返す。
【0152】
但し、歩行パターン再生速度の選択は、歩行周期の変更によってではなく、歩幅を変更することによっても同様に達成することができる。
【0153】
他方、ZMP安定度判別規範を満たしていない場合には、歩行の継続を諦めて、ロボット100の姿勢がより安定する両足支持期に歩行を停止する(ステップS20)。
【0154】
次いで、足底に滑りが発生したときの歩行パターンをオフラインであらかじめ生成する処理について説明する。図24には、歩行パターンをオフラインで生成する処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、このフローチャートに従って説明する。
【0155】
まず、変数nに初期値1を代入して(ステップS31)、n回目の歩行実験による足底滑りベクトルs(n)を取得する(ステップS32)。
【0156】
次いで、この足底滑りベクトルs(n)を用いて、ロボット100の絶対座標系Oに対する運動座標系O'−X'Y'Z'の原点ベクトルrq(rqx,rqy,rqz raw ,r roll ,r pitch t)を修正する(ステップS33)。修正式は、下式の通りとなる(但し、同式中のKはフィードバック・ゲイン)。
【0157】
【数1】
Figure 0004480843
【0158】
次いで、修正した原点ベクトルrq(rqx,rqy,rqz,t)を用いて、全身運動パターンの再算出処理を実行する(ステップS34)。脚式移動ロボット100の全身運動パターンの算出処理については、後述に譲る。
【0159】
次いで、機械モデル、相対移動測定センサ、そして、再算出された全身運動パターンを用いて(n+1)回目の歩行実験を行い、(n+1)回目の足底滑りベクトルs(n+1)を取得する(ステップS35)。
【0160】
次いで、(n+1)回目の足底滑りベクトルs(n+1)が許容値以上か否かを判別する(ステップS36)。該ベクトルが許容値未満に収まっていれば、ステップS34において求められた全身運動パターンを足底に滑りが発生したとき安定歩行可能なパターンとして出力する。
【0161】
他方、足底滑りベクトルs(n+1)が許容値以上の場合には、nを1だけ増分して(ステップS37)、ステップS33に復帰して、上記と同様の処理を繰り返し実行する。
【0162】
最後に、図24におけるステップS34において実行する全身運動パターンの算出処理について説明しておく。
【0163】
本実施例では、全身運動パターン算出のために、図7〜図9に示す構造の脚式移動ロボット100を図25(並びに、後述する[数2]及び[数4])に示すような線形且つ非干渉の多質点近似モデルに置き換えて計算することにした。
【0164】
図25において、O−XYZ座標系は絶対座標系におけるロール、ピッチ、ヨー各軸を表し、また、O'−X'''座標系は脚式移動ロボット100とともに動く運動座標系におけるロール、ピッチ、ヨー各軸を表している。同図に示す多質点モデルでは、iはi番目に与えられた質点を表す添え字であり、miはi番目の質点の質量、r' iはi番目の質点の位置ベクトル(但し運動座標系)を表すものとする。また、後述する全身協調運動パターン生成処理において特に重要な腰部質点の質量はmh、その位置ベクトルはr' h(r' hx,r' hy,r' hz)とし、また、ZMPの位置ベクトルをr' zmpとする。同図に示す非厳密の多質点近似モデルにおいては、モーメント式は線形方程式の形式で記述され、該モーメント式はピッチ軸及びロール軸に関して干渉しない、という点を充分理解されたい。
【0165】
このような多質点近似モデルは、概ね以下の処理手順により生成することができる。すなわち、
(1)ロボット100全体の質量分布を求める。
(2)質点を設定する。質点の設定方法は、設計者のマニュアル入力であっても、所定の規則に従った自動生成のいずれでも構わない。
(3)各領域i毎に、重心を求め、その重心位置と質量miを該当する質点に付与する。
(4)各質点miを、質点位置riを中心とし、その質量に比例した半径に持つ球体として表示する。
(5)現実に連結関係のある質点すなわち球体同士を連結する。
【0166】
多質点モデルは、言わば、ワイヤフレーム・モデルの形態でロボットを表現したものである。本実施例では、図21を見ても判るように、この多質点近似モデルは、両肩、両肘、両手首、体幹、腰部、及び、両足首の各々を質点として設定したものである。なお、図21に示す多質点モデルの腰部情報における各回転角(θhx,θhy,θhz)は、脚式移動ロボット100における腰部の姿勢すなわちロール、ピッチ、ヨー軸の回転を規定するものである(図26には、多質点モデルの腰部周辺の拡大図を示しているので、確認されたい)。
【0167】
次いで、上記の多質点近似モデルを用いて脚式移動ロボット100の歩行パターンを生成するための処理手順について説明する。
【0168】
図27には、脚式移動ロボット100歩行パターンを生成するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、以下では、図25に示す線形・非干渉多質点近似モデルを用いてロボット100の各関節位置や動作を記述するものとし、且つ、計算に際して下式のようなパラメータを用いることとする。但し、ダッシュ(')付きの記号は運動座標系を記述するものと理解されたい。
【0169】
【数2】
Figure 0004480843
【0170】
また、ロボット100の腰部高さが一定(r' hz+rqz=const)で、且つ、膝部質点がゼロであることを前提とする。以下、図27に示すフローチャートに従って説明する。
【0171】
まず、歩行実験において与えられる足部運動、足部運動から導出されたZMP目標軌道、体幹運動、上肢運動、腰部の姿勢や高さなど、各部の駆動・動作を実際に決定するためのパターンが設定される(ステップS41)。但し、腰部の運動に関しては、Z'方向のみ設定し、X'及びY'の各方向については未知とする。
【0172】
次いで、線形・非干渉多質点近似モデルを用いて、足部、体幹、そして上肢運動により発生する設定ZMP上でのピッチ軸、ロール軸まわりの各モーメント(Mx,My)を算出する(ステップS42)。
【0173】
次いで、線形・非干渉多質点近似モデルを用いて、腰部水平面内運動(r' hx,r' hy)によって発生する設定ZMP上でのモーメントを算出する(ステップS43)。
【0174】
次いで、設定ZMP上におけるモーメントに関する釣り合い式を、ロボットとともに動く運動座標系O'−X'''上で導出する(ステップS44)。より具体的には、足部、体幹、そして上肢運動により発生するモーメント(Mx,My)を既知変数の項として右辺に、腰部質点の水平運動に関する項(rhx,rhy)を未知変数の項として左辺にまとめ、下式に示すような線形・非干渉なZMP方程式(1)を導出する。
【0175】
【数3】
Figure 0004480843
【0176】
但し、以下が成立するものとする。
【0177】
【数4】
Figure 0004480843
【0178】
次いで、上記のZMP方程式(1)を解いて、腰部水平面内軌道を算出する(ステップS45)。例えば、オイラー法やルンゲクッタ法などの数値的解法(周知)を用いてZMP方程式(1)を解くことで、未知変数としての腰部の水平絶対位置(rhx,rhy)の数値解を求めることができる(ステップS46)。ここで求められる数値解は、安定歩行可能な腰部運動パターンの近似解であり、より具体的にはZMPが目標位置に入るような腰部水平絶対位置である。ZMP目標位置は、通常、着床した足底に設定される。
【0179】
算出された近似解上では予め設定した体幹・上肢運動が実現できない場合には、体幹・上肢運動パターンの再設定・修正を行う(ステップS47)。この際、膝部の軌道を算出してもよい。
【0180】
次いで、上述のようにして得られた全身運動パターンを代入して、厳密モデル(すなわち、剛体、若しくは非常に多くの質点からなるロボット100の精密なモデル)における設定ZMP上のモーメント(eMx,eMy)を算出する(ステップS48)。非厳密モデルでは上記の[数4]が成立することを前提としたが、厳密ではかかる前提を要しない(すなわち時間の変化に対して一定である必要はない)。
【0181】
厳密モデルにおけるモーメント(eMx,eMy)は、腰部運動の発生するモーメント誤差である。続くステップS49では、このモーメント(eMx,eMy)が非厳密モデルにおける近似モーメントの許容値(εMx,εMy)未満か否かを判定する。許容値ε未満であれば、腰部安定運動パターンの厳密解及び安定歩行を実現できる(ステップS50)。本実施例のように片足が6自由度を持つ脚式ロボット(図9を参照のこと)の場合、各足部の位置と腰部の水平位置及び高さによって両脚の姿勢が一意に定まる。すなわち、腰部運動パターンを生成することはロボット100の「歩容」すなわち全身運動パターンを決定すること相当する。そこで、ステップS50を以って本ルーチン全体を終了する。
【0182】
他方、厳密モデルにおけるモーメント(eMx,eMy)が近似モデルにおけるモーメントの許容値(εMx,εMy)以上であった場合には、厳密モデルにおけるモーメント(eMx,eMy)を用いて近似モデルにおける既知発生モーメント(Mx,My)を修正して(ステップS51)、再びZMP方程式の導出を行い、許容値ε未満に収束するまで、腰部運動パターンの近似解の算出と修正を繰り返し実行する。
【0183】
また、図28には、脚式移動ロボット100全身運動パターンを生成する処理手順の他の例をフローチャートの形式で示している。但し、図27に示した例と同様に、線形・非干渉多質点近似モデルを用いてロボット100の各関節位置や動作を記述するものとする。
【0184】
まず、歩行実験において与えられる足部運動、足部運動から導出されたZMP目標軌道、体幹運動、上肢運動、腰部の姿勢や高さなど、各部の駆動・動作を実際に決定するためのパターンが設定される(ステップS61)。但し、腰部の運動に関しては、Z'方向のみ設定し、X'及びY'の各方向については未知とする。
【0185】
次いで、線形・非干渉多質点近似モデルを用いて、足部、体幹、そして上肢運動により発生する設定ZMP上でのピッチ軸、ロール軸まわりの各モーメント(Mx,My)を算出する(ステップS62)。
【0186】
次いで、腰部水平面内運動(r' hx,r' hy)をフーリエ級数展開する(ステップS63)。当業界において既に周知のように、フーリエ級数展開することにより、時間軸成分を周波数成分に置き換えて演算することができる。すなわち、この場合には腰部の動きを周期的な動きとして捉えることができる。また、FFT(高速フーリエ変換)を適用することができるので、計算速度を大幅に向上させることができる。
【0187】
次いで、設定ZMP上でのピッチ軸、ロール軸まわりの各モーメント(Mx,My)についてもフーリエ級数展開する(ステップS64)。
【0188】
次いで、腰部水平面内軌道のフーリエ係数を算出し、さらに逆フーリエ級数展開することで(ステップS65)、腰部運動の近似解が求まる(ステップS66)。ここで求められる近似解は、安定歩行可能な腰部運動パターンを規定する腰部の水平絶対位置の近似解(rhx,rhy)であり、より具体的にはZMPが目標位置に入るような腰部水平絶対位置である。ZMP目標位置は、通常、着床した足底に設定される。
【0189】
算出された近似解上では予め設定した体幹・上肢運動が実現できない場合には、体幹・上肢運動パターンの再設定・修正を行う(ステップS67)。この際、膝部の軌道を算出してもよい。
【0190】
次いで、上述のようにして得られた全身運動パターンを代入して、厳密モデル(すなわち、剛体、若しくは非常に多くの質点からなるロボット100の精密なモデル)における設定ZMP上のモーメント(eMx,eMy)を算出する(ステップS68)。非厳密モデルでは上記の[数4]が成立することを前提としたが、厳密ではかかる前提を要しない(すなわち時間の変化に対して一定である必要はない)。
【0191】
厳密モデルにおけるモーメント(eMx,eMy)は、腰部運動の発生するモーメント誤差である。続くステップS69では、このモーメント(eMx,eMy)が近似モデルにおけるモーメントの許容値(εMx,εMy)未満か否かを判定する。許容値ε未満であれば、腰部安定運動パターンの厳密解及び安定歩行を実現できる全身運動パターンを得ることができたことになるので(ステップS70)、本ルーチン全体を終了する。
【0192】
他方、厳密モデルにおけるモーメント(eMx,eMy)が近似モデルにおけるモーメントの許容値(εMx,εMy)以上であった場合には、厳密モデルにおけるモーメント(eMx,eMy)を用いて非厳密モデルにおける既知発生モーメント(Mx,My)を修正して(ステップS71)、再びフーリエ級数展開して、許容値ε未満に収束するまで、腰部運動パターンの近似解の算出と修正を繰り返し実行する。
【0193】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0194】
本明細書では、2足歩行を行うヒューマノイド・ロボットに適用した実施例に従って説明したが、本発明の適用範囲は2足歩行ロボットに限定されない。例えば、4足歩行のペット型ロボットやその他の脚式ロボット、さらには脚式以外の移動ロボットに対して本発明を適用しても、同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0195】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0196】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、様々な路面上を可動脚によって歩行その他の脚式移動作業を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することができる。
【0197】
また、本発明によれば、表面状態が不知の路面上を可動脚によって歩行その他の好適な脚式移動作業を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することができる。
【0198】
また、本発明によれば、路面の表面状態に応じて適応的な脚式移動作業を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することができる。
【0199】
また、本発明によれば、歩行などの脚式移動作業の最中に、路面と接地脚との間に相対移動(滑り)が起こり、この結果、予定又は計画された軌道と実際の起動との間にずれが発生した場合であっても、適応的に動作制御を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することができる。
【0200】
また、本発明によれば、歩行などの脚式移動作業の最中に、路面に対する各足の相対移動(滑り)を認識又は測定して、計画軌道を修正するなど適応的な動作制御を行うことができる、優れた脚式移動ロボットを提供することができる。
【0201】
また、本発明によれば、間接的な測定ではなく、直接足部との路面との祖相対移動量を測定することができるので、脚式移動ロボットに対する足裏感覚の実現手法の1つとなり得る。また、脚部との路面との相対移動量を直接的且つ正確に測定することで、ロボットの歩行その他の動作における高速な軌道修正が可能となる。
【0202】
また、このような足部の相対移動の測定結果に従って、計画外の状況発生をより高速に認知することができ、以降の行動計画に適応的且つ迅速に反映させることが可能となる。例えば、足が滑った際には、腰又は体幹部に設置した姿勢センサよりも応答が速いので、行動計画の修正に有利である。また、歩行中に滑り易い路面に突入した場合であっても、実際に姿勢が不安定な状態に陥る以前に滑りに起因する危険を予測することができる。
【0203】
また、本発明によれば、足部と路面との相対移動量を直接的に測定することで、ロボットに搭載される他の計測システムの負担を軽減したり省略することが可能となる。例えば、ジャイロ・センサへの要求精度が軽減されるし、カメラなどからの入力画像に対して高度な演算処理を行う必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脚式移動ロボットが、右脚を持ち上げた、左脚による単脚支持期の状態を示した図である。
【図2】脚式移動ロボットの右足が接地した両脚支持期の状態を示した図である。
【図3】脚式移動ロボットが左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期、の状態を示した図である。
【図4】脚式移動ロボットの左足が接地した両脚支持期の状態を示した図である。
【図5】脚式移動ロボットが左脚による単脚支持期に左足が路面に対し相対移動(滑り)を発生した様子を示した図である。
【図6】脚式移動ロボットが左脚による単脚支持期に、左足が路面に対し路面法法線方向(ヨー軸)まわりに回転するという相対移動(滑り)を発生した様子を示した図である。
【図7】本発明の実施に供される脚式移動ロボット100を前方から眺望した様子を示した図である。
【図8】本発明の実施に供される脚式移動ロボット100を後方から眺望した様子を示した図である。
【図9】本実施例に係る脚式移動ロボット100が具備する自由度構成モデルを模式的に示した図である。
【図10】本実施例に係る脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示した図である。
【図11】本実施例に係る脚式移動ロボット100の足部足裏の構成例を示した図である。
【図12】足部の路面平行方向に対する相対移動量を測定可能な相対移動測定センサ1104の構成例を示した図である。
【図13】足部の路面平行方向に対する相対移動量を測定可能な相対移動測定センサ1104の他の構成例を示した図である。
【図14】画像処理演算部1405において微小時間間隔毎の撮像画像を比較演算する様子を示した図である。
【図15】足部の路面法線まわりの相対移動量を測定可能な相対移動測定センサ1104の構成例を示した図である。
【図16】各々の相対移動測定センサ1504−及び1504−2において算出される、足部1501における路面平行方向の微小時間間隔毎の相対移動量を示した図である。
【図17】微小時間間隔毎に測定した路面平行方向の相対移動量を時系列に従って連結して、路面法線まわりの相対移動量を求める様子を示した図である。
【図18】足部の路面に対する相対移動が路面法線まわりの成分を含まない場合の各相対移動測定センサ1504−1及び1504−2における測定結果を模式的に示した図である。
【図19】足部の路面に対する相対移動が路面法線まわりの成分を含む場合の各相対移動測定センサ1504−1及び1504−2における測定結果を模式的に示した図である。
【図20】脚式移動ロボット100の歩行中に足部と路面との相対移動量の測定結果を以降の行動計画に反映させる形態を例示した図である。
【図21】路面接地時の足部の入射角が小さい場合の接地動作を描写した図である。
【図22】路面接地時の足部の入射角が大きい場合の接地動作を描写した図である。
【図23】足底に滑りが発生したときにリアルタイムで歩行パターンを修正するための処理手順を示したフローチャートである。
【図24】足底に滑りが発生したときの歩行パターンをオフラインで生成する処理手順を示したフローチャートである。
【図25】本実施例に係る歩行制御の計算のために導入される、脚式移動ロボット100の線形且つ非干渉の多質点近似モデルを示した図である。
【図26】図21に示した脚式移動ロボット100の多質点近似モデルにおける腰部周辺の拡大図である。
【図27】脚式移動ロボット100の歩行パターンを生成するための処理手順を示したフローチャートである。
【図28】脚式移動ロボット100の歩行パターンを生成する処理手順の他の例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…頭部,2…首関節ヨー軸
3…首関節ピッチ軸,4…首関節ロール軸
5…体幹ピッチ軸,6…体幹ロール軸
7…体幹ヨー軸,8…肩関節ピッチ軸
9…肩関節ロール軸,10…上腕ヨー軸
11…肘関節ピッチ軸,12…前腕ヨー軸
13…手首関節ピッチ軸,14…手首関節ロール軸
15…手部,16…股関節ヨー軸
17…股関節ピッチ軸,18…股関節ロール軸
19…膝関節ピッチ軸,20…足首関節ピッチ軸
21…足首関節ロール軸,22…足部(足底)
100…脚式移動ロボット
200…思考制御モジュール
201…バス・インターフェース
211…CPU,212…RAM,213…ROM
214…外部記憶装置
251…画像入力装置(CCDカメラ)
252…音声入力装置(マイク)
253…音声出力装置(スピーカ)
254…通信インターフェース
300…運動制御モジュール
301…バス・インターフェース
311…CPU,312…RAM,313…ROM
314…外部記憶装置
351…姿勢センサ
352,353…接地確認センサ
354…電源制御装置
1101…足部,1102…足部フレーム
1103…脚部連結部,1104…相対移動測定センサ
1105〜1108…路面接地センサ
1109…センサ入力処理部
1301…ボール,1302…センサ・ケース
1303…X軸回転ローラ,1304…Y軸回転ローラ
1305…ローラ,1306…バネ
1307…X軸方向回転エンコーダ
1308…Y軸方向回転エンコーダ
1309…カウンタ,1310…演算処理部
1401…発光部,1402…発光レンズ部
1403…撮像レンズ部,1404…撮像素子部
1405…画像処理演算部,1406…相対移動量演算部
1407…通信処理部
1109…センサ入力処理演算部,1110…センサ情報通信処理部

Claims (30)

  1. 少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットであって、
    前記可動脚の足裏に配設された、足部と路面との滑りによる相対移動量を測定する相対移動測定センサと、
    前記相対移動測定センサにより測定された足部と路面との相対移動量に基づいて前記脚式移動ロボットの動作を制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする脚式移動ロボット。
  2. 前記相対移動測定センサは、路面平行方向に対する足部の相対移動量、及び、路面法線まわりの回転の相対移動量を測定することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  3. 前記相対移動測定センサは、足裏から表面の一部が露出するとともに回転自在に取り付けられたボールと、該ボールの第1方向の回転を検出する第1の回転部と、該ボールの第2方向の回転を検出する第2の回転部と、前記第1及び第2の回転部の検出出力に基づいて、足部の路面に対する第1及び第2の方向に対する相対移動量を演算する演算部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  4. 前記相対移動測定センサは、足部の接地面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段による所定時間毎の撮像画像どうしを比較する画像処理手段と、前記画像処理手段による画像比較結果に基づいて該所定時間毎の足部の路面に対する相対移動量を算出する演算手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  5. 前記相対移動測定センサは足部の路面平行方向の相対移動量を測定可能であり、
    所定の時間間隔で測定された足部の路面平行方向の相対移動量を時系列に従ってつなぎ合わせていくことで路面法線まわりの回転の相対移動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  6. 1つの足部には2以上の相対移動測定センサが離間して配設され、各相対移動測定センサの測定結果どうしを比較することによって、該足部の路面法線まわりの回転の相対移動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  7. 前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  8. 前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに移動作業を継続可能か否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  9. 前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに移動作業を継続可能か否かを判断し、移動作業を継続不能と判断したときに所定の救援要求動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  10. 前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに該路面の状況を探索することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  11. 前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに該路面の状況を探索し、該探索結果に応じた行動を実行することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  12. 前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面用の安全な移動動作パターンに移行することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  13. 前記安全な移動動作パターンは、足部が路面接地時の入射角を大きくとるか、移動速度を低下させるか、各可動脚による歩幅を小さくするか、又はZMP軌道を修正するかのうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項12に記載の脚式移動ロボット。
  14. 前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面を探索しながらの移動動作に移行することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  15. 前記制御部は、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面に適した足底の選択処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  16. 少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの制御方法であって、
    各可動脚が接地しているときに足部と路面と滑りによる相対移動量を測定する測定ステップと、
    測定された足部と路面との相対移動量に基づいて前記脚式移動ロボットの動作を制御する制御ステップと、
    を具備することを特徴とする脚式移動ロボットの制御方法。
  17. 前記測定ステップでは、路面平行方向に対する足部の相対移動量、及び、路面法線まわりの回転の相対移動量を測定することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  18. さらに、前記測定ステップにおいて所定の時間間隔で測定された足部の路面平行方向の相対移動量を時系列に従ってつなぎ合わせていくことで路面法線まわりの回転の相対移動量を算出する演算ステップを具備することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  19. 前記測定ステップでは、離間した2箇所以上で足部と路面との相対移動量を測定し、さらに、2箇所以上で測定された各相対移動量どうしを比較することによって該足部の路面法線まわりの回転の相対移動量を算出する演算ステップを具備することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  20. 前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  21. 前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに移動作業を継続可能か否かを判断することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  22. 前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに移動作業を継続可能か否かを判断し、移動作業を継続不能と判断したときに所定の救援要求動作を実行することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  23. 前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに該路面の状況を探索することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  24. 前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して該路面上の移動を停止し、さらに該路面の状況を探索し、該探索結果に応じた行動を実行することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  25. 前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面用の安全な移動動作パターンに移行することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  26. 前記安全な移動動作パターンは、足部が路面接地時の入射角を大きくとるか、移動速度を低下させるか、各可動脚による歩幅を小さくするか、又はZMP軌道を修正するかのうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項25に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  27. 前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面を探索しながらの移動動作に移行することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  28. 前記制御ステップでは、路面上を移動中に足部と路面との相対移動量が所定の閾値を越えたことに応答して、該路面に適した足底の選択処理を実行することを特徴とする請求項16に記載の脚式移動ロボットの制御方法。
  29. 少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの足部において適用可能な、足部と路面との相対移動量を測定する相対移動測定センサであって、
    表面の一部が露出するとともに回転自在に取り付けられたボールと、
    該ボールの第1方向の回転を検出する第1の回転部と、
    該ボールの第2方向の回転を検出する第2の回転部と、
    前記第1及び第2の回転部の検出出力に基づいて、足部の路面に対する第1及び第2の方向に対する相対移動量を演算する演算部と、
    を具備することを特徴とする脚式移動ロボット用相対移動測定センサ。
  30. 少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの足部において適用可能な、足部と路面との相対移動量を測定する相対移動測定センサであって、
    足部の接地面を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段による所定時間毎の撮像画像どうしを比較する画像処理手段と、
    前記画像処理手段による画像比較結果に基づいて該所定時間毎の足部の路面に対する相対移動量を算出する演算手段と、
    を具備することを特徴とする脚式移動ロボット用相対移動測定センサ。
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