JP4467393B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

Description

本発明は、複数のスイッチング電源装置を用いる際に消費電力を低減させるスイッチング電源装置に関する。

現在、様々な電気機器において電源供給のためにスイッチング電源装置が使用されている。スイッチング電源装置、例えばＲＣＣ（リンギング・チョーク・コンバータ）方式や擬似共振方式のスイッチング電源装置では、軽負荷時に間欠的なスイッチング動作をさせることでスイッチングロスを低減する方法を採ることが多い。この状態ではスイッチング電源装置における消費電力が低下する。そこで、電気機器の通常の動作時において連続したスイッチング動作を行うノーマルモードと、電気機器の待機時において消費電力を抑えるために間欠的なスイッチング動作を行うスタンバイモードとを備えるスイッチング電源装置が一般的である。

また、電気機器によっては、出力容量が大きいメイン電源と出力容量が小さいサブ電源とを搭載し、ノーマルモードとスタンバイモードにおいてそれぞれメイン電源からの出力とサブ電源からの出力とを切り替えて用いる２電源方式を採用している場合も多い。

従来の２電源方式の制御回路では、図４に示すように、電気機器の通常の動作時（非待機時）にはメイン電源及びサブ電源の両方をノーマルモードとして連続スイッチング動作をさせる。一方、電気機器の待機時には、メイン電源をスタンバイモードに変更して間欠スイッチング動作とさせ、サブ電源のみをノーマルモードに維持することによって電源供給を確保している。従って、待機時においてもメイン電源は間欠的なスイッチング動作の状態にあり、待機時における消費電力の低減を妨げる要因となっていた。

本発明は、上記従来技術の問題を鑑み、待機時における電気機器の消費電力を低減させるスイッチング電源装置の制御回路を提供することを目的とする。

本発明は、ＡＣ電源からのＡＣ電圧を整流し、パルストランスに供給した整流電圧をスイッチングし、前記パルストランスの二次巻線に接続された負荷に所定の負荷電圧を供給するスイッチング電源装置であって、前記整流電圧を第１の抵抗を介して制御回路の電源端子に供給し、且つ、前記パルストランスのドライブ巻線に発生する電圧をダイオードを介して前記電源端子に供し、スイッチング電源装置をスタンバイモードにすることを示すスタンバイ信号を外部から受けて、前記制御回路の電源端子に前記制御回路が動作可能となる電圧閾値よりも低い電圧を供給させることを特徴とする。

ここで、前記整流電圧は前記第１の抵抗及び第１のスイッチング素子を介して電源端子に供給され、且つ、第２の抵抗と第２のスイッチング素子との直列回路を介して接地されており、前記スタンバイ信号が通常の動作状態を示すノーマルモードである場合に、前記第２のスイッチング素子を遮断させると共に、前記第１のスイッチング素子を導通させ、前記スタンバイ信号が待機状態を示すスタンバイモードである場合に、前記第２のスイッチング素子を導通させると共に、前記第１のスイッチング素子を遮断させる構成とすることが好適である。さらに、前記第１のスイッチング素子に保護ダイオードを設けることも好適である。

また別の態様として、前記整流電圧は、定電圧ダイオードと第１のスイッチング素子との直列回路を介して接地されており、前記スタンバイ信号が通常の動作状態を示すノーマルモードである場合に、前記第１のスイッチング素子を遮断させ、前記スタンバイ信号が待機状態を示すスタンバイモードである場合に、前記第１のスイッチング素子を導通させる構成とすることも好適である。

本発明によれば、スタンバイモードの際にメイン電源となるスイッチング電源装置への電源供給を完全に遮断することによって消費電力を低減できる。

図１に、本発明の実施の形態におけるスイッチング電源装置１００の構成を示す。スイッチング電源装置１００は、２電源方式で駆動される電気機器に含まれるメイン電源に相当する。制御回路１０１は、図１に示すように、電源端子Ｔ１、ドレイン端子Ｔ２及び接地端子Ｔ３を備える。制御回路１０１への電力供給は、起動時及びスタンバイ間欠発振時は整流ブリッジ１０６により整流されたＶ_ＤＤから起動抵抗Ｒ１を介して電源端子Ｔ１へ行われる。さらに、起動後の通常動作時には、起動抵抗Ｒ１を介しての供給に加え、ドライブ巻線に発生したＶ_{ＤＲＩＶＥ}から整流ダイオードＤ３を介して供給される。これは、起動後に二次側巻線に発生した電圧と相似した波形の電圧がドライブ巻線に発生するためである。

スイッチング電源装置１００は、二次側の負荷電力をフィードバックして、スイッチング電源装置１００に含まれる制御回路１０１（パワーＦＥＴ）のスイッチング周波数やデューティーを変調させることによって電力制御している。この制御回路１０１（パワーＦＥＴ）のドレイン電流をパルストランス１０２によって二次側へ出力する。

本実施の形態におけるスイッチング電源装置１００では、整流された電源電圧Ｖ_ＤＤが抵抗を介し、且つ、ドライブ巻線に発生したＶ_{ＤＲＩＶＥ}から整流ダイオードＤ３を介したＡ点の電位が、電源遮断回路１２ａ，１２ｂを介して電源端子Ｔ１に印加されることに特徴を有する。なお、スイッチング電源装置１００の一次側と二次側とを完全に遮断するため、一次側には電源遮断回路１２ａが設けられ，二次側には電源遮断回路１２ｂが別に設けられている。電源遮断回路１２ａと電源遮断回路１２ｂとはフォトカプラ等によって結合されている。

電源遮断回路１２は、スイッチング電源装置１００をスタンバイモードにすることを示すスタンバイ信号を外部から受けて、制御回路１０１の電源端子Ｔ１に制御回路１０１が動作可能となる電圧閾値Ｖ_ＴＨよりも低い電圧を供給する機能を有する。

第１の実施の形態における電源遮断回路１２ａ，１２ｂは、図２に示すように、トランジスタＴｒ１、Ｔｒ２、Ｔｒ３、抵抗Ｒ２，Ｒ３，Ｒ４及び保護ダイオードＤ１を含んで構成される。

トランジスタＴｒ１のコレクタは起動抵抗Ｒ１の一端に接続され、エミッタは制御回路１０１の電源端子Ｔ１に接続される。また、起動抵抗Ｒ１とトランジスタＴｒ１のベースとは抵抗Ｒ２で接続される。さらに、電源端子Ｔ１とトランジスタＴｒ１のベースとの間に保護ダイオードを接続することも好適である。

トランジスタＴｒ１のベースは、抵抗Ｒ３を介してトランジスタＴｒ２（Ｔｒ部）のコレクタに接続される。また、トランジスタＴｒ２（Ｔｒ部）のエミッタは接地端子Ｔ３に接続される。トランジスタＴｒ２は、フォトカプラ型のトランジスタである。トランジスタＴｒ２に含まれるフォトダイオードのカソードはトランジスタＴｒ３のコレクタに接続され、アノードには抵抗Ｒ４を介してバイアス電圧が印加される。トランジスタＴｒ３のエミッタは接地されると共に、ベースにはスタンバイ信号が入力される。

このような電源遮断回路１２ａ，１２ｂにおいて、通常の動作時にスタンバイ信号をローレベルにすることによって、トランジスタＴｒ３はオフ状態となる。このとき、トランジスタＴｒ２（Ｔｒ部）もオフ状態となる。これによって、トランジスタＴｒ１のベース電位は抵抗Ｒ２によってバイアスされ、トランジスタＴｒ１はオン状態となり、電源端子Ｔ１にはＡ点の電圧が印加される。

一方、待機時にはスタンバイ信号をハイレベルに変更することによって、トランジスタＴｒ３をオン状態とする。このとき、トランジスタＴｒ２のダイオードが導通状態となり、トランジスタＴｒ２がオン状態となる。抵抗Ｒ３及びトランジスタＴｒ２（Ｔｒ部）を介してトランジスタＴｒ１のベースは接地電位とされ、トランジスタＴｒ１がオフ状態となる。これによって、電源端子Ｔ１とＡ点とが遮断される。

以上のように、電源遮断回路１２ａ，１２ｂを設けることによって、スタンバイモードの際にメイン電源に含まれる制御回路１０１への電源供給を遮断することができる。スイッチング電源装置１００のスイッチング動作は完全に停止され、２電源方式による電源供給はサブ電源のみよって行われることとなる。従って、消費電力を低減することができる。

また、第２の実施の形態における電源遮断回路１２ａ，１２ｂは、図３に示すように、トランジスタＴｒ２、Ｔｒ３、抵抗Ｒ４，Ｒ５及び定電圧ダイオードＤ２を含んで構成することもできる。

Ａ点は電源端子Ｔ１に接続されると共に抵抗Ｒ５の一端に接続される。抵抗Ｒ５の他端は、定電圧ダイオードＤ２のカソードに接続される。定電圧ダイオードＤ２のアノードは、トランジスタＴｒ２（Ｔｒ部）のコレクタに接続される。また、トランジスタＴｒ２（Ｔｒ部）のエミッタは接地端子Ｔ３に接続される。トランジスタＴｒ２は、第１の実施の形態と同様に、フォトカプラ型のトランジスタである。トランジスタＴｒ２に含まれるフォトダイオードのカソードはトランジスタＴｒ３のコレクタに接続され、アノードには抵抗Ｒ４を介してバイアス電圧が印加される。トランジスタＴｒ３のエミッタは接地されると共に、ベースにはスタンバイ信号が入力される。

このような電源遮断回路１２ａ，１２ｂにおいて、通常の動作時にスタンバイ信号をローレベルにすることによって、トランジスタＴｒ３はオフ状態となる。このとき、トランジスタＴｒ２（Ｔｒ部）もオフ状態となる。これによって、電源端子Ｔ１にはＡ点の電圧が印加される。

一方、待機時にはスタンバイ信号をハイレベルに変更することによって、トランジスタＴｒ３をオン状態とする。このとき、トランジスタＴｒ２のダイオードが導通状態となり、トランジスタＴｒ２（Ｔｒ部）がオン状態となる。これによって、電源端子Ｔ１は、抵抗Ｒ５、定電圧ダイオードＤ２及びトランジスタＴｒ２を介して接地電位に接続される。定電圧ダイオードＤ２の両端子間にかかる電圧を制御回路１０１が動作可能となる電圧閾値Ｖ_ＴＨよりも低い電圧に設定しておくことによって、スタンバイモードの際にスイッチング電源装置１００の動作を完全に停止させることができる。

なお、第２の実施の形態における電源遮断回路１２ａ，１２ｂでは、スタンバイモードにおいて第１の実施の形態よりも消費電力の低減効果は小さいが、回路を構成する電子部品の点数を減らすことができる。従って、回路規模を小さくすることができると共に製造コストの面でも利点がある。

本発明の実施の形態におけるスイッチング電源装置の構成を示す図である。 第１の実施の形態における制御回路の電源遮断回路の構成を示す図である。 第２の実施の形態における制御回路の電源遮断回路の構成を示す図である。 従来の２電源方式の電源制御を説明する図である。

符号の説明

Ｒ１ 起動抵抗、Ｒ２〜Ｒ５ 抵抗、Ｄ１ 保護ダイオード、Ｄ２ 定電圧ダイオード、Ｄ３ 整流ダイオード、Ｔｒ１〜Ｔｒ３ トランジスタ（Ｔｒ２はフォトカプラ）、１２ 電源遮断回路、１００ スイッチング電源装置、１０１ 制御回路、１０２ パルストランス、１０６ 整流ブリッジ。

Claims (4)

1. ＡＣ電源からのＡＣ電圧を整流し、パルストランスに供給した整流電圧をスイッチングし、前記パルストランスの二次巻線に接続された負荷に所定の負荷電圧を供給するスイッチング電源装置であって、
   前記整流電圧を第１の抵抗を介して制御回路の電源端子に供給し、且つ、前記パルストランスのドライブ巻線に発生する電圧をダイオードを介して前記電源端子に供し、
   スイッチング電源装置をスタンバイモードにすることを示すスタンバイ信号を外部から受けて、前記制御回路の電源端子に前記制御回路が動作可能となる電圧閾値よりも低い電圧を供給させることを特徴とするスイッチング電源装置。
2. 請求項１に記載のスイッチング電源装置において、
   前記整流電圧は前記第１の抵抗及び第１のスイッチング素子を介して電源端子に供給され、且つ、第２の抵抗と第２のスイッチング素子との直列回路を介して接地されており、
   前記スタンバイ信号が通常の動作状態を示すノーマルモードである場合に、前記第２のスイッチング素子を遮断させると共に、前記第１のスイッチング素子を導通させ、
   前記スタンバイ信号が待機状態を示すスタンバイモードである場合に、前記第２のスイッチング素子を導通させると共に、前記第１のスイッチング素子を遮断させることを特徴とするスイッチング電源装置。
3. 請求項２に記載のスイッチング電源装置において、
   前記第１のスイッチング素子に保護ダイオードが設けられていることを特徴とするスイッチング電源装置。
4. 請求項１に記載のスイッチング電源装置において、
   前記整流電圧は、定電圧ダイオードと第１のスイッチング素子との直列回路を介して接地されており、
   前記スタンバイ信号が通常の動作状態を示すノーマルモードである場合に、前記第１のスイッチング素子を遮断させ、
   前記スタンバイ信号が待機状態を示すスタンバイモードである場合に、前記第１のスイッチング素子を導通させることを特徴とするスイッチング電源装置。

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