JP4456559B2 - 作業工具 - Google Patents

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Description

本発明は、先端工具が長軸方向に直線動作することで所定の加工作業を行う作業工具に関する。
独国特許第19716976号公開公報(特許文献1)には、ハンマドリルが開示されている。特許文献1に記載のハンマドリルでは、クラッチ切替用の切替部材が作業工具本体部の上面に配置されている。作業工具本体部のクランク室内には、先端工具としてのハンマビットを打撃動作するクランク機構、および当該クランク機構に駆動力を伝達する動力伝達状態と駆動力の伝達を遮断する動力遮断状態との間で切り替えられるクラッチ機構部が配置されている。使用者による切替部材の切替動作は、クランク室に配置された切替動作伝達部材を介してクラッチ切替部材に上下運動として伝達され、この上下動作によってクラッチ機構部が長軸方向(上下方向)にスライド動作されて動力伝達状態、あるいは動力遮断状態に切り替えられる構成である。特許文献1のように、作業工具本体部の上面に切替部材を配置する構成においては、作業工具本体部の側面に切替部材を配置する方式に比べて、使用者の利き手の如何に関係なく切替部材を簡便に操作できて使い勝手がよいこと、またハンマドリルを地面あるいはテーブル上等に置いたとき、切替部材が当該地面あるいはテーブルに干渉し難く、切替部材の不測の切り替わりを防止できること等の点で、有利である。
ところで、クランク室内に収容されるクランク機構、モータの回転駆動力を当該クランク機構に伝達するギア機構、そしてクラッチ機構等については、それぞれ摺動部位の潤滑が必要とされるものである。摺動部位への潤滑剤(グリース)の回りをよくし、潤滑性を向上するには、クランク室の容積を極力小さく設定すること、また無駄な空間を無くすることが重要となる。しかるに、特許文献1に記載のハンマドリルにおいては、切替部材の切替動作をクラッチ切替部材に伝達するための切替動作伝達部材を、クランク室内に配置する構成としている。このことは、必然的にクランク室の容積が広がることになり、また切替動作伝達部材の動作空間が必要になり、その結果として潤滑性が低下するという点でなお改良の余地がある。
独国特許第19716976号公開公報
本発明は、かかる点に鑑み、先端工具が長軸方向に直線動作して所定の加工作業を行う作業工具において、切替部材の上面配置を活用しつつクランク室の容積減少に資する技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明によれば、先端工具が長軸方向に直線動作して所定の加工作業を行う作業工具が構成される。なお本発明における「作業工具」としては、典型的には、先端工具が長軸方向に打撃動作を行う電動ハンマ、あるいは先端工具が長軸方向の打撃動作と、長軸方向回りの回転動作とを行うハンマドリル等の衝撃式作業工具がこれに該当するが、先端工具が長軸方向に直線動作する形式のものであれば、衝撃式作業工具以外であっても、これを好適に包含する。
本発明の作業工具は、作業工具本体部と、クランク室と、クランク機構と、クランク機構用クラッチ機構と、を有する。クランク室は作業工具本体部内に形成され、好ましくは、密閉状に設定されるとともに、当該クランク室内に収容される各機構部の潤滑のために潤滑剤が封入される構成とされる。クランク機構は、クランク室に配置されるとともに、先端工具を直線動作させる。クランク機構用クラッチ機構は、クランク室内に配置されるとともに、クランク機構に駆動力を伝達する動力伝達状態と、駆動力の伝達を遮断する動力遮断状態との間で切り替えられる。
本発明の作業工具は、特徴的構成として、切替部材と、開口部と、回転部材と、切替動作伝達機構と、動作手段と、を有する。切替部材は、作業工具本体部の上面に配置され、作業工具使用者が手動操作によってクラッチ機構の作動状態の切替えを行なうことを可能とする。開口部は、クランク室と外部とをつなぐべく設けられる。回転部材は開口部を塞ぎつつ回転動作が可能に設けられる。切替動作伝達機構は、クランク室の外部に配置されて切替部材と回転部材とを連結するとともに、作業工具使用者の手動操作による切替部材の切替動作を回転部材に伝達する。回転部材は、クランク室内方向に延在する動作手段を有し、この動作手段は、回転部材の回転動作を利用してクラッチ機構の動力伝達状態と動力遮断状態との間での状態の切替えを行なう構成としている。なお本発明における「回転部材の回転動作を利用して」とは、典型的には、回転部材の回転軸線方向と交差する方向の動作成分を利用する態様がこれに該当する。また回転軸線方向と交差する方向の動作成分を利用する態様としては、典型的には、円弧運動がこれに該当するが、動作手段が上下方向に直線状に動作する態様、例えばラックピニオンの如きギア機構を好適に包含する。
本発明によれば、クラッチ機構の作動状態の切替えを行なう切替部材を作業工具本体部の上面に配置する構成である。このため、使用者の利き手の如何に拘わらず、切替部材を簡便に操作でき、またハンマドリルを地面あるいはテーブル上等に置いたとき、切替部材が当該地面あるいはテーブルと干渉され難く、切替部材の不測の切り替わりを防止できるといった長所を有する。そして本発明においては、切替部材の切替動作を回転部材に伝達する手段としての切替動作伝達機構をクランク室の外側に配置する構成としたことにより、クランク室の容積について、これを当該切替動作伝達機構相当分だけ減少することが可能となる。その結果、クランク室内に配置される機構部に潤滑剤が回り易くなり、潤滑効果が向上する。また回転部材の回転動作を利用してクラッチ機構の切替えをなす構成のため、当該回転部材によって開口部を塞いだ状態を維持できる。このため、切替動作伝達機構をクランク室の外部に配置する構成でありながら、クランク室内の潤滑剤の開口部からの漏出問題を回避しつつクラッチ機構の切替えを合理的に実現できる。このように、本発明によれば、切替部材の作業工具本体部上面配置による長所を活かした上で、クランク室内の潤滑剤の室外への漏出を防止しつつクランク室の容積を減少し、クランク室内の機構部の潤滑性を向上することが可能となった。
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の作業工具における動作手段は、回転部材の回転軸線から偏心した位置に設けられた偏心ピンによって構成され、偏心ピンは、回転部材が回転する際、当該回転部材の回転軸線回りの偏心回転動作による上下方向成分によってクラッチ機構の状態の切替えを行なう構成とされる。本発明によれば、回転部材にピンを設けるだけの簡単な構成でクラッチ機構の状態の切替えを実現できるため、構造の簡素化、コストの低減を図る上で有効となる。
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の作業工具における切替動作伝達機構は、回転部材の回転軸線と直交する回転軸線回りに回転自在とされた回転軸部材を有し、回転軸部材と回転部材が互いに噛み合い係合する複数のベベルギアによって連接された構成とされる。本発明によれば、回転軸部材および回転部材がそれぞれ配置スペース内で回転軸線回りに回転する構成であり、そして回転軸部材と回転部材とを互いに噛み合い係合する複数のベベルギアによって連接する構成のため、これらを収容するスペースが少なくて済む。
(請求項4に記載の発明)
請求項4に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の作業工具における切替動作伝達機構は、回転部材の回転軸線と交差する揺動軸線回りに揺動自在とされた揺動部材を有する。揺動部材は、当該揺動部材の揺動方向に延在するギアを有する。また回転部材は、円形ギアを有している。そして揺動部材と回転部材とは、ギアと円形ギアとの噛み合い係合を介して連接される構成とした。本発明によれば、揺動部材の揺動運動を利用して回転部材を回転させる構成であり、当該揺動方向と交差する方向については、揺動部材を薄肉に形成することができる。このため、作業工具本体部に設定される当該揺動部材の収容スペースが、揺動方向と交差する方向について小さくなり、当該交差方向に関する作業工具本体部の小型化を図る上で有効となる。
(請求項5に記載の発明)
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の作業工具における先端工具は、長軸方向の直線動作と長軸回りの回転動作とを行う工具ビットによって構成されている。作業工具は、工具ビットを回転動作させる回転駆動機構と、回転駆動機構に駆動力を伝達する動力伝達状態と駆動力の伝達を遮断する動力遮断状態との間で切り替えられる回転駆動機構用クラッチ機構と、を有する。そして切替部材は、工具ビットを直線動作と回転動作を複合した動作で駆動するハンマドリルモード、工具ビットを直線動作のみで駆動するハンマモードおよび工具ビットを回転動作のみで駆動するドリルモードの間でモードの切替えを行なうモード切替部材として構成されている。
また作業工具は、モード切替部材の切替動作に基づき回転駆動機構用クラッチ機構の動力伝達状態と動力遮断状態との間での状態の切替えを行なうクラッチ切替機構を有し、切替部材がハンマドリルモードに切り替えられたときには、クランク機構用クラッチ機構および回転駆動機構用クラッチ機構が共に動力伝達状態に切り替えられ、切替部材がハンマモードに切り替えられたときには、クランク機構用クラッチ機構が動力伝達状態に切り替えられるとともに、回転駆動機構用クラッチ機構が動力遮断状態に切り替えられ、前記切替部材がドリルモードに切り替えられたときには、クランク機構用クラッチ機構が動力遮断状態に切り替えられるとともに、回転駆動機構用クラッチ機構が動力伝達状態に切り替えられるよう構成されている。
本発明によれば、工具ビットの駆動モードの切替えを行なうモード切替部材を作業工具本体部の上面に配置する構成の作業工具において、ハンマドリルモード、ハンマモードおよびドリルモードの間での、3通りのモードの切替えを行なうことが可能となった。
本発明によれば、先端工具が長軸方向に直線動作して所定の加工作業を行う作業工具において、切替部材の上面配置を活用しつつクランク室の容積減少に資する技術が提供されることとなった。
以下、本発明の実施形態につき、図1〜図10を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、作業工具の一例として電動式ハンマドリルを用いて説明する。図1は本実施の形態に係る電動式ハンマドリルの全体構成を示す側断面図である。図1に示すように、本実施の形態に係るハンマドリル101は、概括的に見て、ハンマドリル101の外郭を形成する本体部103と、当該本体部103の先端領域(図示左側)に便宜上図示しない中空状のツールホルダを介して着脱自在に取付けられたハンマビット119と、本体部103のハンマビット119の反対側に連接された使用者が握るハンドグリップ109とを主体として構成されている。ハンマビット119は、ツールホルダによってその長軸方向への相対的な直線動作が可能に、かつその周方向への相対的な回転が規制された状態で保持される。本体部103は、本発明における「作業工具本体」に対応し、ハンマビット119は、本発明における「先端工具」に対応する。なお説明の便宜上、ハンマビット119側を前、ハンドグリップ109側を後という。
本体部103は、駆動モータ111を収容したモータハウジング105と、運動変換機構113、打撃要素115および動力伝達機構117を収容したギアハウジング107とによって構成されている。駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。また駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構117によって適宜減速された上でハンマビット119に伝達され、当該ハンマビット119が周方向に回転動作される。なお駆動モータ111は、ハンドグリップ109に配置されたトリガ109aの引き操作によって通電駆動される。動力伝達機構117は、本発明の請求項5における「回転駆動機構」に対応する。
図2〜図4にはハンマドリル101の主要部を拡大した状態が断面図で示される。運動変換機構113は、駆動モータ111によって水平面内にて回転駆動される駆動ギア121、被動ギア123、クランク軸122、クランク板125、クランクアーム127、および駆動子としてのピストン129を主体として構成され、クランク軸122、クランク板125、クランクアーム127およびピストン129によってクランク機構114が構成されている。クランク機構114は、本発明における「クランク機構」に対応する。ピストン129は、シリンダ141内に摺動自在に配置されており、駆動モータ111が通電駆動されることに伴い当該シリンダ141に沿って直線動作を行う。
クランク軸122は、当該クランク軸122の長軸方向がハンマビット119の長軸方向と交差する鉛直方向(上下方向)となるように配置され、このクランク軸122と被動ギア123との間にクラッチ部材124が配置されている。クラッチ部材124は、本発明における「クランク機構用クラッチ機構」に対応する。クラッチ部材124は、長軸方向の一端(上端)に外張出し状のフランジ部124bを有する円筒状に形成されるとともに、クランク軸122上に長軸方向に相対移動可能に、かつ周方向には一体に回転するように取り付けられており、外周部にはクラッチ歯124aを有する。一方、被動ギア123には円形凹部が設けられ、この円形凹部の内周部にクラッチ歯123aが形成されている。クラッチ部材124は、クランク軸122上を長軸方向に移動することで当該クラッチ部材124のクラッチ歯124aが被動ギア123のクラッチ歯123aと噛み合い係合し、あるいは当該噛み合い係合が解除される構成とされる。すなわち、クラッチ部材124は、被動ギア123の駆動力をクランク軸122に伝達する動力伝達状態(図2および図3参照)と、駆動力の伝達を遮断する動力遮断状態(図4参照)と間で切り替え可能とされ、常時にはクラッチ歯124aが被動ギア123のクラッチ歯123aに噛み合い係合する方向に付勢バネ126によって付勢されている。なおクラッチ部材124の作動状態の切替えについては、後述する。
打撃要素115は、シリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダに摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギをハンマビット119に伝達する中間子としてのインパクトボルト145(図1参照)とを主体として構成される。ストライカ143は、ピストン129の摺動動作に伴うシリンダ141の空気室141aの空気バネを介して駆動され、ツールホルダに摺動自在に配置されたインパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。
動力伝達機構117は、駆動ギア121と噛み合い係合する中間ギア132、中間ギア132とともに回転する中間軸133、中間軸133とともに水平面内にて回転駆動される小ベベルギア134、当該小ベベルギア134に噛み合い係合して鉛直面内にて回転する大ベベルギア135、当該大ベベルギア135に噛み合い係合して回転駆動されるスライドスリーブ147を主体として構成される。そしてスライドスリーブ147の回転駆動力は、当該スライドスリーブ147とともに回転するシリンダ141を介してツールホルダに伝達され、更には当該ツールホルダに保持されたハンマビット119へと伝達される。なおスライドスリーブ147は、シリンダ141上をハンマビット長軸方向に相対移動が可能とされ、かつ周方向には一体に回転するように構成されている。
スライドスリーブ147は、動力伝達機構117におけるクラッチ機構を構成するものであって、長軸方向の一端外周部にクラッチ歯147aを有し、シリンダ141に対し後方(ハンドグリップ側)へと相対移動したときには、大ベベルギア135に形成されたクラッチ歯135aに噛み合い係合し、前方(ハンマビット側)へと相対移動したときは、当該噛み合い係合が解除される構成とされる。すなわち、スライドスリーブ147は、大ベベルギア135の回転駆動力をシリンダ141に伝達する動力伝達状態(図3および図4参照)と、駆動力の伝達を遮断する動力遮断状態(図2参照)との間で切替可能とされている。なおスライドスリーブ147は、常時には付勢バネ148によってクラッチ歯147aが大ベベルギア135のクラッチ歯135aに噛み合い係合する方向に付勢されている。スライドスリーブ147は、本発明における「回転駆動機構用クラッチ機構」に対応する。スライドスリーブ147の作動状態の切替えについては、後述する。
またスライドスリーブ147は、長軸方向の他端側(前端側)に回転ロック用の歯147bを有する。そしてスライドスリーブ147は、前方へと移動されて動力遮断状態に切り替えられる際(ハンマビット119をハンマモードで駆動する際)、ギアハウジング107に対して周方向に固定状態に設けられたロックリング149の歯149aと噛み合い係合し、これによりシリンダ141、ツールホルダ、ハンマビット119の周方向の自由な動きを規制する、いわゆるバリオロックを行うことが可能とされる。
上述した運動変換機構113および動力伝達機構117は、ギアハウジング107の内部空間であるクランク室151内に収容され、当該クランク室151内に封入された潤滑剤(グリース)によって摺動部位が潤滑される。
次にハンマビット119の駆動モードを切り替えるモード切替機構153につき、図2〜図10を参照しつつ説明する。モード切替機構153は、ハンマビット119に打撃動作のみを行わせるハンマモード、ハンマビット119に打撃動作と回転動作とを行わせるハンマドリルモード、およびハンマビット119に回転動作のみを行わせるドリルモードの間で切替可能とされる。
モード切替機構153は、図2〜図4に示すように、モード切替部材155と、モード切替部材155の切替動作に基づきクランク機構114のクラッチ部材124を切替え動作する第1切替機構157と、動力伝達機構117のスライドスリーブ147を切替え動作する第2切替機構159とを主体として構成される。モード切替部材155は、本発明における「切替部材」に対応する。モード切替部材155は、ギアハウジング107の上面の外側(図1における上側)に配置される。すなわち、モード切替部材155は、クランク機構114の上方位置に配置されている。モード切替部材155は、図5〜図7に示すように、操作用グリップ155b付き円板155aからなり、ギアハウジング107に水平面内での回転操作可能に取り付けられている。ギアハウジング107側には、上記の3種類のモード位置である、ハンマモード位置、ハンマドリルモード位置、ドリルモード位置を示す目印が周方向にそれぞれ120度の間隔で標示されており、この標示に操作用グリップ155bの指針を合わせることによってモード切替部材155を所定のモード位置に切替えることできる。図5にはモード切替部材155がハンマモードに切り替えられた状態が示され、図6にはモード切替部材155がハンマドリルモードに切り替えられた状態が示され、図7にはモード切替部材155がドリルモードに切り替えられた状態が示される。
第1切替機構157は、モード切替部材155がモード切り替えのために回転操作されたとき、第1偏心ピン167が回転部材166の回転軸線回りに回転(偏心回転)することでクランク機構114のクラッチ部材124を切替えるように構成される。第1切替機構157は、第1ギア161、第2ギア162、回転伝達軸163、第3ギア164、第4ギア165、回転部材166および第1偏心ピン167を主体として構成されている。
第1ギア161は、モード切替部材155が水平面内で回転操作されるとき、当該モード切替部材155とともに水平面内にて回転動作するように設けられる。第2ギア162は、第1ギア161と噛み合い係合するとともに、回転伝達軸163の長軸方向一端部(上端部)に一体状に形成されている。回転伝達軸163は、その長軸方向がクランク軸122の長軸方向と平行、すなわち上下方向となるように配置されている。回転伝達軸163の長軸方向他端部(下端部)には、第3ギア164が一体状に形成されるとともに、当該第3ギア164は、回転部材166に一体状に形成された第4ギア165と噛み合い係合される。回転部材166は、その長軸方向が回転伝達軸163と直交する、すなわち水平方向となるように当該回転伝達軸163の下方側に配置される。第3ギア164および第4ギア165は、それぞれベベルギアによって構成され、互いに噛み合い係合されている。
したがって、モード切替部材155が切替動作されると、第1ギア161、第2ギア162を介して回転伝達軸163が水平面内にて回転動作され、この回転伝達軸163の回転動作は、更に第3ギア164および第4ギア165を介して回転部材166に鉛直面内での回転動作として伝達される。第1偏心ピン167は、回転部材166の軸方向端面に当該回転部材166の回転軸線から所定量だけ偏心した位置に設けられている。第1偏心ピン167は、クラッチ部材124のフランジ部124bの下面と対向するよう配置されている。したがって、第1偏心ピン167は、回転部材166が鉛直面内にて回転されたとき、当該回転部材166の回転軸線回りを偏心回転する際の上下方向成分(クランク軸122の長軸方向成分)によってクラッチ部材124のフランジ部124bに係合しつつ当該クラッチ部材124をクランク軸122に沿って上下方向へと移動させ、これにより当該クラッチ部材124を動力伝達状態と動力遮断位置との間で切替動作する。第1ギア161、第2ギア162、回転伝達軸163、第3ギア164および第4ギア165によって切替動作伝達機構169が構成されている。この切替動作伝達機構169は、本発明における「切替動作伝達機構」に対応する。また回転部材166は、本発明における「回転部材」に対応し、さらに第1偏心ピン167は、本発明における「動作手段」に対応する。
第1切替機構157を構成する構成部材のうち、第1ギア161および第2ギア162については、クランク室151内に配置されるが、回転伝達軸163、第3ギア164、第4ギア165および回転部材166については、クランク室151の外側に配置されている。すなわち、ギアハウジング107には、切替動作伝達機構169を収容するべく収容空間152が形成されており、この収容空間152に上記の回転伝達軸163、第3ギア164、第4ギア165および回転部材166が配置されている。収容空間152は、本発明における「外部」に対応する。そしてクランク室151と収容空間152は、円形の開口部168によって連通されている。開口部168は、本発明における「開口部」に対応する。回転部材166は、その円形外周部が開口部168を塞ぐように当該開口部168に密接状に嵌合された状態で配置され、この嵌合状態において回転動作が可能とされている。偏心ピン167は、開口部168を通してクランク室151内に概ね水平状に延在されるとともに、クラッチ部材124のフランジ部124bの下面と対向するように配置される。
モード切替部材155がハンマモードあるいはハンマドリルモードに切り替えられたときに、第1偏心ピン167は、図2あるいは図3に示すように、上下方向において、回転部材166の回転軸線と同位置または下方位置へと移動される。このときは、クラッチ部材124は、付勢バネ126によって下方へと移動され、クラッチ歯124aが被動ギア123のクラッチ歯123aと噛み合い係合する。すなわち、クラッチ部材124は、動力伝達状態に切り替えられる。一方、モード切替部材155がドリルモードに切り替えられたときに、第1偏心ピン167は、図4に示すように、上下方向において、回転部材166の回転軸線よりも上方位置へと移動される。このときは、クラッチ部材124は、偏心ピン167によって付勢バネ126の付勢力に抗して上方へと移動され、クラッチ歯124a,123aの噛み合い係合が解除される。すなわち、クラッチ部材124は、動力遮断状態に切り替えられる。
次に第2切替機構159につき、主として図8〜図10を参照しつつ説明する。第2切替機構159は、モード切替部材155がモード切り替えのために操作されるとき、コ字形の枠部材173がシリンダ141の長軸方向に直線状に移動することによって動力伝達機構117のスライドスリーブ147を切替え動作するように構成される。第2切替機構159は、クランク室151内に配置された平面視で概ねコ字形の枠部材173を主体として構成される。枠部材173は、本発明の請求項5における「クラッチ切替機構」に対応する。
枠部材173は、図8〜図10に示すように、シリンダ141の長軸方向と交差する方向に水平状に延在する基板部173aと、大ベベルギア135の外側空間部を通ってシリンダ141の長軸方向に水平状に延在される左右2本の脚部173bとによって構成されている。基板部173aは、延在方向の端部にそれぞれ連結ピン173cを有し、この連結ピン173cが脚部173bの凹部に係合することによって基板部173aと脚部173bがシリンダ141の長軸方向において一体となって移動する構成とされる。基板部173aには長円孔173dが形成され,この長円孔173dに第2偏心ピン175(図8〜図10に断面で示す)が係合されている。第2偏心ピン175は、前述した第1切替機構157の第1ギア161の下面において、当該第1ギア161の回転軸線から所定量だけ偏心した位置に設けられており、第1ギア161の回転軸線回りに回転される際、前後方向成分(シリンダ141の長軸方向成分)によって枠部材173をシリンダ141の長軸方向に移動させる構成とされる。
したがって、モード切替部材155が切替動作されると、長円孔173cに係合した第2偏心ピン175によって枠部材173がシリンダ141の長軸方向に直線状に移動される。脚部173bは、大ベベルギア135の外側面領域を通って延在するとともに、その延在方向端部がスライドスリーブ147の外側に至る。この延在方向端部には、スライドスリーブ147の段部147cに対し延在方向において係合可能な係合端部173eが設けられている。係合端部173eは、脚部173bの端部を内側(スライドスリーブ147側)に折り曲げることで形成されている。
モード切替部材155がハンマモードに切り替えられたときには、枠部材173は、図2および図8に示すように、第2偏心ピン175によって前方(図示左方)へと移動され、脚部先端の係合端部173eによってスライドスリーブ147の段部147cを付勢バネ148に抗して前方へと押す。これによりスライドスリーブ147は、大ベベルギア135から離間する前方へと移動され、当該スライドスリーブ147のクラッチ歯147aが大ベベルギア135のクラッチ歯135aから離間して噛み合い係合が解除される。すなわち、スライドスリーブ147が動力遮断状態に切り替えられる。一方、モード切替部材155がハンマドリルモードまたはドリルモードに切り替えられると、枠部材173は、図3および図9あるいは図4および図10に示すように、第2偏心ピン175によって後方(図示右方)へと移動され、脚部先端の係合端部173eがスライドスリーブ147の段部147cから離間する。すると、スライドスリーブ147は、付勢バネ148の付勢力によって大ベベルギア135に接近する後方へと移動され、当該スライドスリーブ147のクラッチ歯147aが大ベベルギア135のクラッチ歯135aに噛み合い係合する。すなわち、スライドスリーブ147が動力伝達状態に切り替えられる。
なおモード切替部材155がハンマモードに切り替えられたときには、スライドスリーブ147は、動力遮断状態に置かれると同時に回転ロック用の歯147bがロックリング149の歯149aに噛み合い係合し、これにより周方向の動きが規制される。つまり、バリオロックが作動する構成とされる。
次に上記のように構成されたハンマドリル101の作用および使用方法を説明する。使用者がモード切替部材155を、ハンマドリルモードあるいはドリルモードから、図5に示すハンマモードに切替操作すると、第1切替機構157においては、第1ギア161、第2ギア162、回転伝達軸163、および第3、第4の各ギア164,165を介して回転部材166が回転動作される。これにより、図2に示すように、第1偏心ピン167は、ハンマドリルモード時あるいはドリルモード時の位置から見て、回転部材166の回転軸線回りに約120度回転して下方へと移動し、クラッチ部材124のフランジ部124bから離間する。このため、クラッチ部材124は付勢バネ126により被動ギア123に近接する下方へと移動され、当該クラッチ部材124のクラッチ歯124aが被動ギア123のクラッチ歯123aに噛み合い係合し、動力伝達状態に切り替えられる。
一方、第2切替機構159においては、第2偏心ピン175がハンマドリルモード時あるいはドリルモード時の位置から見て、第1ギア161の回転軸線回りに約120度回転し、枠部材173を前方(ハンマビット115側)へと移動させる。前方へ移動する枠部材173は、図2および図8に示すように、脚部173bの係合部端部173eによってスライドスリーブ147を前方へ押し、スライドスリーブ147のクラッチ歯147aが大ベベルギア123のクラッチ歯123aから離間され、スライドスリーブ147が動力遮断状態に切り替えられる。またスライドスリーブ147の回転ロック用の歯147bがロックリング149の歯147bに噛み合い係合し、バリオロックが作動する。
なおハンマビット119をハンマモードで駆動する場合においては、当該ハンマビット119を周方向につき所定の向きとなるように調整(位置決め)するが、この調整作業は、モード切替部材155を、ハンマモード位置とハンマドリルモード位置との間、あるいはハンマモード位置とドリルモード位置との間の便宜上図示しない中間位置(ニュートラル位置)に切替操作した状態で行うことが可能とされている。すなわち、この中間位置では、スライドスリーブ147のクラッチ歯147aと、大ベベルギア135のクラッチ歯135aとの噛み合い係合が解除されるとともに、スライドスリーブ147の回転ロック用の歯147bと、ロックリング149の歯149aとの噛み合い係合が解除される。このニュートラル状態でハンマビット119の向きを調整後、モード切替部材155をハンマモードに切り替えると、上述したバリオロック状態となり、ハンマビット119の向きを一定に保持した状態でハンマ作業を行うことが可能となる。
このようにして、モード切替部材155をハンマモードに切り替えた状態で、トリガ109aを引き操作して駆動モータ111を通電駆動すると、駆動モータ111の回転運動は、クランク機構114によって直線運動に変換され、ピストン129がシリンダ141に沿って直線状に摺動動作される。そしてピストン129の摺動動作に伴う当該シリンダ141の空気室141a内の空気の圧力変化、すなわち空気バネの作用により、ストライカ143は、シリンダ141内を直線運動してインパクトボルト145に衝突し、その運動エネルギをハンマビット119に伝達する。このとき、動力伝達機構117のスライドスリーブ147が動力遮断状態に切り替えられているため、ハンマビット115は回転しない。このため、ハンマモードでは、ハンマビット115の打撃動作(ハンマ動作)のみによる所定のハンマ作業を遂行することができる。
次にモード切替部材155をハンマモードから図6に示すハンマドリルモードに切替操作すると、図3に示すように、第1切替機構157の第1偏心ピン167は、ハンマモード時の位置から見て、回転部材166の回転軸線回りに約120度回転し、クラッチ部材124のフランジ部124bに接近するが、当該フランジ部124bに対し当接または僅かな隙間を置いて対向するだけであり、押し上げるには至らない。このため、クラッチ部材124は、動力伝達状態が維持される。一方、第2切替機構159の第2偏心ピン175は、ハンマモード時の位置から見て、第1ギア161の回転軸線回りに約120度回転し、図9に示すように、枠部材173を後方へと移動させる。これにより枠部材173の係合端部173cがスライドスリーブ147から離間するため、当該スライドスリーブ147は、付勢バネ148の付勢力で大ベベルギア135側へと移動され、クラッチ歯147aが大ベベルギア135のクラッチ歯135aに噛み合い係合して動力伝達状態に切り替えられる。
この状態において、ハンドグリップ109のトリガ109aを引き操作して駆動モータ111を通電駆動すると、ハンマモード時と同様、クランク機構114が駆動され、打撃要素115を構成するストライカ143およびインパクトボルト145を介してハンマビット115に運動エネルギが伝達される。一方、駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構117を介してシリンダ141に回転運動として伝達され、更にはシリンダ141に連結されたツールホルダおよび当該ツールホルダに相対回転が規制された状態で保持されるハンマビット119に回転運動として伝達される。すなわち、ハンマドリルモードでは、ハンマビット119が打撃動作(ハンマ動作)と回転動作(ドリル動作)とを複合した動作で駆動され、これにより被加工材に対し所定のハンマドリル作業を遂行することができる。
次にモード切替部材155を、ハンマドリルモードから図7に示すドリルモードに切替操作すると、図4に示すように、第1切替機構157の第1偏心ピン167は、ハンマドリルモード時の位置から見て、回転部材166の回転軸線回りに約120度回転して上下方向において最も高い位置へと移動し、クラッチ部材124のフランジ部124bを上方へ押し上げる。すなわち、クラッチ部材124は、被動ギア123から離間する上方へと移動され、当該クラッチ部材124のクラッチ歯124aが被動ギア123のクラッチ歯123aから離間して噛み合い係合が解除される。かくして、クラッチ部材124は、動力遮断状態に切り替えられる。一方、第2切替機構159の第2偏心ピン175は、ハンマドリルモード時の位置から見て、第1ギア161の回転軸線回りに約120度回転するが、このとき、図10に示すように、第2偏心ピン175は、枠部材173における基板部173aの長円孔173dの円弧領域を移動し、回転動作時の前後方向成分が枠部材173に伝達されない。このため、枠部材173は、ハンマドリルモード時と同じ位置に維持され、スライドスリーブ147が動力伝達状態に保持される。
この状態において、ハンドグリップ109のトリガ109aを引き操作して駆動モータ111を通電駆動すると、クラッチ部材124が動力遮断状態に切り替えられているため、クランク機構114が駆動されず、ハンマビット119の打撃動作は行われない。一方、動力伝達機構117においては、スライドスリーブ147が動力伝達状態にあるため、駆動モータ111の回転出力は、ハンマビット119に回転運動として伝達される。すなわち、ドリルモードでは、ハンマビット119が回転動作(ドリル動作)のみで駆動され、これにより被加工材に対し所定のドリル作業を遂行することができる。
本実施の形態に係る電動ハンマドリル101は、モード切替部材155をギアハウジング107の外側上面、すなわち本体部103の上面側に配置する構成としている。かかる構成によれば、一方の手でハンドグリップ109を握っているとき、他方の手が左手あるいは右手のいずれであっても当該モード切替部材155を楽に操作できる。つまり、モード切替部材155を本体部103の側面に配置する構成に比べて、当該モード切替機構161の切替操作を、使用者の利き手の如何に関係なく簡便に操作できることとなり、利便性が向上する。また本体部103の上面部に配置されたモード切替部材155は、ハンマドリル101を地面あるいはテーブル上等に置いたとき、当該地面あるいはテーブルに対して干渉され難い。このことにより、モード切替部材155が不測に切り替わるといった不具合を防止できる。
また本実施の形態によれば、モード切替部材155の切替動作を回転部材166に伝達するための切替動作伝達機構169を構成する構成部材としての、回転伝達軸163、第3および第4ギア164,165、そして回転部材166を、クランク室151の外側に配置する構成としている。このため、クランク室151の容積を、それら構成部材を収容しない分だけ減少することが可能となる。このことはクランク室151内に封入された潤滑剤が、当該クランク室151内に収容されたクランク機構114、運動伝達機構117の摺動部位に回り易くなり、各機構部の潤滑性能が向上する。またクランク室151の容積が減少することに伴い当該クランク室151内に封入する潤滑剤の量が少なくて済むことになる。
また本実施の形態では、回転部材166の回転動作を利用してクラッチ部材124の状態の切替えを行なう構成としている。このため、クランク室151と収容空間152とをつなぐ開口部168を当該回転部材166によって常時に塞ぐことが可能となる。これにより切替動作伝達機構169をクランク室151の外部に配置する構成でありながら、クランク室151の潤滑剤の漏出問題を回避しつつクラッチ部材124の切替えを合理的に実現できる。
また本実施の形態によれば、モード切替部材155と、クラッチ部材124がクランク機構114を間に挟んで上下に配置される構成において、上下方向に延在する回転伝達軸163および当該回転伝達軸163に交差状に配置される偏心ピン167付きの回転部材166を利用することで、クランク機構114との干渉を回避しつつクラッチ部材124の動力伝達状態あるいは動力遮断状態への切替えを可能とする合理的な切替手段が構築される。この場合、回転伝達軸163および回転部材166は、配置された位置で回転動作を行う構成であり、そして回転伝達軸163と回転部材166とをベベルギアからなる第3および第4ギア164,165によって連接する構成のため、これらを収容するスペースが少なくて済む。
また本実施の形態では、クラッチ部材124を動力伝達状態あるいは動力遮断状態に切り替える動作手段として、回転部材166の回転軸線から偏心した位置に設けられた偏心ピン167によって構成したので、簡単な構成でありながらクラッチ部材124の状態の切替えを実現でき、構造の簡素化、コストの低減を図る上で有効となる。
また本実施の形態によれば、回転伝達軸163および回転部材166等をクランク室151の外側に配置したことにより、クランク軸122を支持する軸受128を境にして、クランク室151をクランク機構144が収容される上室と、各種ギアおよびクラッチ部材124が収容される下室(ギア室)とに区切ることが可能となる。そしてクランク室151の上室は、クランク機構114が駆動される際の、ピストン129の直線動作によって圧力が変動する。
ところで、ハンマビット119の打撃動作に伴い発生するハンマビット長軸方向の振動を低減するべく動吸振器を本体部103に備えた構成のハンマドリルにおいては、クランク室151内に生じる変動圧力を利用して動吸振器のウェイトを積極駆動させて振動を抑制する、いわゆる強制加振方式を採用する場合がある。本実施の形態によれば、上記のようにクランク室151が上室と下室とに区分されることに伴い上室における圧力変動幅が大きくできるため、この上室の圧力を動吸振器の強制加振用の圧力として活用し、動吸振器の振動抑制機能を高めることが可能となる。
(本発明の第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態につき、図11〜図14を参照しつつ説明する。この実施形態は、第1の実施形態に係るハンマドリル101において、クランク機構114のクラッチ部材124を動力伝達状態と動力遮断状態との間で切り替える切替手段の変更に関する。したがって、上記した第1の実施形態と実質的に同等の構成要素については、第1の実施形態と同一符号を付してその説明を省略する。
図11および図12には、本実施の形態に係る第1切替機構181を備えたハンマドリル101の主要部が断面図として示される。また図13には第1切替機構181が平面図として示され、図14には第1切替機構181が側面図として示される。本実施の形態に係る第1切替機構181は、揺動部材183と回転部材185とを主体として構成される。揺動部材183は、モード切替部材155の切替動作を回転部材185に伝達する切替動作伝達機構を構成する。揺動部材183は、水平板部183aと鉛直板部183bとからなる断面形状が略L形の板状部材によって構成される。水平板部183aは、モード切替部材155の下方位置に配置されるとともに、その前端部(ハンマビット側)がギアハウジング107に設けたピン部107aを支点として水平面内での揺動自在に取付けられる。また水平板部183aは、前後方向(シリンダ141の長軸方向)に延びる長孔183cを有し、この長孔183cにモード切替部材155に設けた偏心部155cが係合する構成とされている。これにより、揺動部材183は、モード切替部材155が回転動作されたとき、ピン部107aを支点にして右回りまたは左回りに水平状に揺動される。なお長孔183cをモード切替部材155に設け、偏心部155cを水平板部183aに設けてもよい。
揺動部材183の鉛直板部183bは、クランク室151の外側、すなわちギアハウジング107に形成された収容空間152に配置されている。鉛直板部183bは、ピン部107aを中心とする円弧形に形成されるとともに、水平板部183aとの連接部分から下方へと延在されており、その下端部に揺動方向に延在するギア183dが形成されている。このギア183dは、回転部材185に形成された円形ギア185aに噛み合い係合している。回転部材185は、第1偏心ピン187を有し、この第1偏心ピン187が開口部188からクランク室151内に延在してクラッチ部材124のフランジ部124b下面に係合可能とされる。このことについては、第1の実施形態と同様である。なお鉛直板部183bには、揺動方向に延在するガイド溝183eが形成され、このガイド溝183eにギアハウジング107に設けた水平方向に突出するガイドピン107bが係合されている。このため、揺動部材183は、ガイドピン107bによって案内されつつ揺動動作することになり、揺動動作が安定する。
本実施形態に係る第1切替機構181は、上述のように構成されている。したがって、モード切替部材155がモード切り替えのために切替動作されると、当該モード切替部材155の偏心部155cによって揺動部材183がピン部107aを支点として右回りまたは左回りに揺動され、これに伴いギア183d,185aを介して回転部材185が回転される。回転部材185が回転されると、当該回転部材185の回転軸線回りに回転動作する第1偏心ピン187の上下方向の位置が変化し、これによりクラッチ部材124がクランク軸122の長軸方向に移動し、第1の実施形態の場合と同様、動力伝達状態あるいは動力遮断状態に切替動作される。図12にはモード切替部材155がハンマドリルモードに切り替えられてクラッチ部材124が動力伝達状態に切り替えられた状態が示され、図13にはモード切替部材155がドリルモードに切り替えられてクラッチ部材124が動力遮断状態に切り替えられた状態が示される。
本実施の形態によれば、クラッチ部材124の作動状態を切り替えるための偏心ピン187を有する回転部材185、およびモード切替部材155の切替動作を回転部材185に伝達するための揺動部材183を、それぞれクランク室151の外側に配置する構成としている。このため、前述した第1の実施形態の場合と同様、クランク室151の潤滑剤の漏出問題を回避しつつクランク室151の容積を減少し、潤滑剤によるクランク機構114あるいは運動伝達機構117の潤滑効果を高めることが可能となった。
また本実施の形態においては、揺動部材183の揺動運動を利用して回転部材185を回転させる構成であり、当該揺動方向と交差する方向、すなわち前後方向については、揺動部材183を薄肉に形成することができる。このため、ギアハウジン107に設定される収容空間152を前後方向について小さくでき、その結果、本体部103の前後方向の小型化が可能となる。
本発明の第1実施形態に係るハンマドリルの全体構成を示す側断面図である。 ハンマドリルの主要部を示す側断面図であり、ハンマモードに切り替えられた状態を示す。 ハンマドリルの主要部を示す側断面図であり、ハンマドリルモードに切り替えられた状態を示す。 ハンマドリルの主要部を示す側断面図であり、ドリルモードに切り替えられた状態を示す。 モード切替部材を示す平面図であり、ハンマモードに切り替えられた状態を示す。 モード切替部材を示す平面図であり、ハンマドリルモードに切り替えられた状態を示す。 モード切替部材を示す平面図であり、ドリルモードに切り替えられた状態を示す。 第2切替機構を示す平断面図であり、ハンマモードに切り替えられた状態を示す。 第2切替機構を示す平断面図であり、ハンマドリルモードに切り替えられた状態を示す。 第2切替機構を示す平断面図であり、ドリルモードに切り替えられた状態を示す。 本発明の第2実施形態に係るハンマドリルの主要部を示す側断面図であり、ハンマドリルモードに切り替えられた状態を示す。 本発明の第2実施形態に係るハンマドリルの主要部を示す側断面図であり、ドリルモードに切り替えられた状態を示す。 揺動部材を示す平面図である。 揺動部材および回転部材を示す側面図である。
符号の説明
101 ハンマドリル(作業工具)
103 本体部(作業工具本体部)
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
107a ピン部
107b ガイドピン
109 ハンドグリップ
109a トリガ
111 駆動モータ
113 運動変換機構
114 クランク機構
115 打撃要素
117 動力伝達機構
119 ハンマビット(先端工具)
121 駆動ギア
122 クランク軸
123 被動ギア
123a クラッチ歯
124 クラッチ部材
124a クラッチ歯
124b フランジ部
125 クランク板
126 付勢バネ
127 クランクアーム
128 軸受
129 ピストン
132 中間ギア
133 中間軸
134 小ベベルギア
135 大ベベルギア
135a クラッチ歯
141 シリンダ
141a 空気室
143 ストライカ
145 インパクトボルト
147 スライドスリーブ
147a クラッチ歯
147b 回転ロック用歯
147c 段部
148 付勢バネ
149 ロックリング
149a 歯
151 クランク室
152 収容空間
153 モード切替機構
155 モード切替部材(切替部材)
155a 円板
155b 操作用グリップ
155c 偏心部
157 第1切替機構
159 第2切替機構
161 第1ギア
162 第2ギア
163 回転伝達軸(切替動作伝達機構)
164 第3ギア
165 第4ギア
166 回転部材
167 第1偏心ピン(動作手段)
168 開口部
169 切替動作伝達機構
173 枠部材
173a 基板部
173b 脚部
173c 連結ピン
173d 長円孔
173e 係合端部
175 第2偏心ピン
181 第1切替機構
183 揺動部材(切替動作伝達機構)
183a 水平板部
183b 鉛直板部
183c 長孔
183d ギア
183e ガイド溝
185 回転部材
185a 円形ギア
187 第1偏心ピン

Claims (5)

  1. 先端工具が長軸方向に直線動作して所定の加工作業を行う作業工具であって、
    作業工具本体部と、
    前記作業工具本体部内に形成されたクランク室と、
    前記クランク室に配置され、前記先端工具を直線動作させるクランク機構と、
    前記クランク室内に配置され、前記クランク機構に駆動力を伝達する動力伝達状態と、駆動力の伝達を遮断する動力遮断状態との間で切り替えられるクランク機構用クラッチ機構と、
    前記作業工具本体部の上面に配置され、作業工具使用者が手動操作によって前記クラッチ機構の作動状態の切替えを行なう切替部材と、
    前記クランク室と外部とをつなぐ開口部と、
    前記開口部を塞ぎつつ回転動作が可能とされた回転部材と、
    前記クランク室の外部に配置されて前記切替部材と前記回転部材とを連結するとともに、作業工具使用者の手動操作による前記切替部材の切替動作を前記回転部材に伝達する切替動作伝達機構とを有し、
    前記回転部材は、前記クランク室内方向に延在する動作手段を有し、
    前記動作手段は、前記回転部材の回転動作を利用して前記クラッチ機構の動力伝達状態と動力遮断状態との間での状態の切替えを行なう構成としたことを特徴とする作業工具。
  2. 請求項1に記載の作業工具であって、
    前記動作手段は、前記回転部材の回転軸線から偏心した位置に設けられた偏心ピンによって構成され、前記偏心ピンは、前記回転部材が回転する際、当該回転部材の回転軸線回りの偏心回転動作による上下方向成分によって前記クラッチ機構の状態の切替えを行なうことを特徴とする作業工具。
  3. 請求項1または2に記載の作業工具であって、
    前記切替動作伝達機構は、前記回転部材の回転軸線と直交する回転軸線回りに回転自在とされた回転軸部材を有し、前記回転軸部材と前記回転部材が互いに噛み合い係合する複数のベベルギアによって連接されていることを特徴とする作業工具。
  4. 請求項1または2に記載の作業工具であって、
    前記切替動作伝達機構は、前記回転部材の回転軸線と交差する揺動軸線回りに揺動自在とされた揺動部材を有し、
    前記揺動部材は、当該揺動部材の揺動方向に延在するギアを有し、
    前記回転部材は、円形ギアを有し、
    前記揺動部材と前記回転部材とは、前記ギアと前記円形ギアとの噛み合い係合を介して連接される構成としたことを特徴とする作業工具。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の作業工具であって、
    前記先端工具は、長軸方向の直線動作と長軸回りの回転動作とを行う工具ビットによって構成され、
    前記工具ビットを回転動作させる回転駆動機構と、
    前記回転駆動機構に駆動力を伝達する動力伝達状態と、駆動力の伝達を遮断する動力遮断状態との間で切り替えられる回転駆動機構用クラッチ機構と、を有し、
    前記切替部材は、前記工具ビットを直線動作と回転動作を複合した動作で駆動するハンマドリルモード、前記工具ビットを直線動作のみで駆動するハンマモードおよび前記工具ビットを回転動作のみで駆動するドリルモードの間でモードの切替えを行なうモード切替部材として構成され、
    前記モード切替部材の切替動作に基づき前記回転駆動機構用クラッチ機構の動力伝達状態と動力遮断状態との間での状態の切替えを行なうクラッチ切替機構を有し、
    前記切替部材がハンマドリルモードに切り替えられたときには、前記クランク機構用クラッチ機構および前記回転駆動機構用クラッチ機構が共に動力伝達状態に切り替えられ、前記切替部材がハンマモードに切り替えられたときには、前記クランク機構用クラッチ機構が動力伝達状態に切り替えられるとともに、前記回転駆動機構用クラッチ機構が動力遮断状態に切り替えられ、前記切替部材がドリルモードに切り替えられたときには、前記クランク機構用クラッチ機構が動力遮断状態に切り替えられるとともに、前記回転駆動機構用クラッチ機構が動力伝達状態に切り替えられるよう構成されていることを特徴とする作業工具。
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