JP2008307654A - 打撃工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の打撃工具は、工具本体103と、シリンダ141と、シリンダ141内で工具ビット長軸方向に直線運動を行う駆動子129と、シリンダ141内で工具ビット長軸方向に直線動作する打撃子143と、シリンダ141内において、駆動子129と打撃子143との間に形成された空気室141aとを有する。また、シリンダ141に設けられ、空気室141aと外部を連通する通気部141bと、シリンダ141の外側に工具ビット長軸方向に摺動自在に配置され、工具ビット119によるハンマ作業中において、通気部141bを開く開放位置と通気部を閉じる閉止位置との間で移動することで通気部141bの開閉制御を行う通気部開閉部材151と、を更に有する。
【選択図】 図2
Description
公報に記載の従来の打撃工具では、圧力調整用の通気孔は打撃子としてのストライカによって開閉制御されるように構成されている。すなわち、通気孔は、ピストンによって加圧された空気室の圧縮空気によってストライカがハンマビット側へと移動されたときに開放され、ハンマビットに打撃動作を加えたストライカが、当該打撃による跳ね返りおよび空気室の内部と外部との圧力差(吸い上げ力)でピストン側へと移動されたときに当該ストライカによって塞がれる構成である。通気孔の位置、孔径および開閉時期等は、ストライカの打撃力、あるいはストライカの吸い上げ力等の打撃工具の性能を決定する上での重要なパラメータの1つである。
本発明によれば、シリンダの外側に配置された通気部開閉部材によって通気部の開閉を制御する構成としたことにより、当該通気部の開閉時期(タイミング)、すなわち、打撃子の打撃動作時に通気部が「閉」から「開」に切り替わるタイミング、および打撃子の吸い上げ時に通気部が「開」から「閉」に切り替わるタイミングを、打撃子の位置との関係において任意に調整(設定)することが可能となる。すなわち、本発明によれば、必要なときだけ通気部を開くことが可能となり、これにより打撃子の打撃動作時には、打撃子に対して最適な打撃速度を与え、また打撃子の吸い上げ時には、当該打撃子に対し最適な吸い上げ力を作用させるような態様での空気室の圧力調整が可能となる。
本発明によれば、駆動子と通気部開閉部材の駆動を単一のモータで行うことができ、合理的な駆動システムが構築される。
以下、本発明の第1の実施形態につき、図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、打撃工具の一例として電動ハンマを用いて説明する。図1には本実施の形態に係る電動ハンマの全体構成が示される。図2および図3はそれぞれ電動ハンマの主要部を示す拡大断面図であり、図2には空気室の通気孔が開いた状態が示され、図3には空気室の通気孔が閉じられた状態が示される。図4には図2のA−A線に基づく断面構造が示される。
次に、本発明の第2の実施形態につき、図5〜図7を参照しつつ説明する。図5は第2の実施形態に係る電動ハンマの全体を示す断面図であり、図6は電動ハンマの主要部を示す拡大断面図、図7は図6のB−B線に基づく断面図である。本実施の形態は、電動ハンマ101に本体部103の制振を行う動吸振器171を搭載するとともに、空気室141aの通気孔141bを開閉するべくハンマビット長軸方向に直線動作するスライドスリーブ151を、動吸振器171を強制的に振動させる加振手段として利用したものであり、この点以外については、前述した第1の実施形態と同様に構成される。このため、同一の構成部材については、第1の実施形態の説明で用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略または簡略に説明する。以下、本明細書では、動吸振器171を強制的に振動させることを強制加振という。
また、本実施の形態では、ウェイト173をバレルハウジング108の内壁面に沿ってハンマビット長軸方向に摺動自在に配置している。このような構成を採用することにより、ウェイト173の摺動動作の安定化を図ることができる。
「請求項2に記載の打撃工具であって、
前記第1のクランク機構は、回転中心から偏心した位置に偏心部を有する回転可能なクランク軸と、前記偏心部の回転運動を前記駆動子の直線運動に変換する連接部材と、を有し、
前記第2のクランク機構は、回転中心から偏心した位置に偏心部を有する回転可能なクランク軸と、前記偏心部の回転運動を前記通気部開閉部材の直線運動に変換する連接部材と、を有することを特徴とする打撃工具。」
態様1に記載の発明によれば、第1のクランク機構の偏心部に対する第2のクランク機構の偏心部の回転方向の相対位置、すなわち位相を変えることによって、打撃子の位置に対する通気部の開閉タイミングを簡単に調整することができる。
「請求項2または3に記載の打撃工具であって、
前記第1のクランク機構のクランク角度につき、前記駆動子が最も後方へと移動された最大後端位置を0度、前記駆動子が最も前方へと移動された最大前端位置を180度としたとき、前記通気部開閉部材は、クランク角度で概ね135度〜220度の角度範囲で前記通気部を開き、前記角度範囲以外の角度範囲では前記通気部を閉じるように設定されていることを特徴とする打撃工具。」
態様2に記載の発明によれば、通気部開閉部材による通気部の開放時期を上記のように設定することにより、打撃子の打撃動作時には、打撃子に対して最適な打撃速度を与えることが可能となり、また打撃子の吸い上げ時には、当該打撃子に最適な吸い上げ力を作用させることが可能となり、打撃工具の性能を向上する上で有効となる。
103 本体部(工具本体)
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
107a シリンダ保持部
107b 開口部
107c ガイド孔
108 バレルハウジング
108a 段差面
109 ハンドグリップ
109a スライドスイッチ
111 駆動モータ
113 第1運動変換機構
115 打撃要素
116 第2運動変換機構
119 ハンマビット(工具ビット)
121 駆動ギア
123 被動ギア
125 第1クランク軸(第1のクランク軸)
126 偏心ピン
126a 突出端部
127 クランクアーム
128 連結軸
129 ピストン(駆動子)
137 ツールホルダ
141 シリンダ
141a 空気室
141b 通気孔(通気部)
143 ストライカ(打撃子)
145 インパクトボルト(中間子)
151 スライドスリーブ(通気部開閉部材)
151a フランジ部
151b リング状の溝
151c 連通孔
153 第2クランク軸(第2のクランク軸)
153a 円板部
153b 窪み(凹部)
155 偏心軸部
155a リング
156 ガイドピン
157 連接板
157a 長円孔
157b 前面部
157c ガイド溝
159 ロッド
161 押圧バネ
163 クランクキャップ(カバー部材)
163a ネジ
165 ベアリング
171 動吸振器
173 ウェイト
175F,175R 付勢バネ(弾性要素)
Claims (4)
- 工具ビットの長軸方向の打撃動作により被加工材に所定のハンマ作業を行う打撃工具であって、
工具本体と、
前記工具本体に収容されるシリンダと、
前記シリンダ内で前記工具ビット長軸方向に直線運動を行う駆動子と、
前記シリンダ内で前記工具ビット長軸方向に直線動作する打撃子と、
前記シリンダ内において、前記駆動子と前記打撃子との間に形成された空気室と、を有し、
前記駆動子の直線運動に伴う前記空気室の圧力変動を介して直線動作される前記打撃子が前記工具ビットを打撃動作することによって被加工材に対する所定のハンマ作業が行われる構成とされており、
前記シリンダに設けられ、前記打撃子を円滑に動作するべく前記空気室の圧力調整用として前記空気室と外部を連通する通気部と、
前記シリンダの外側に前記工具ビット長軸方向に摺動自在に配置され、前記工具ビットによるハンマ作業中において、所定のタイミングで前記通気部を開く開放位置と前記通気部を閉じる閉止位置との間で移動することで前記通気部の開閉制御を行う通気部開閉部材と、を更に有することを特徴とする打撃工具。 - 請求項1に記載の打撃工具であって、
前記工具本体に収容されたモータと、
前記モータの回転出力を前記工具ビット長軸方向への直線運動に変換して前記駆動子を駆動する第1のクランク機構と、
前記第1のクランク機構の回転運動を前記工具ビット長軸方向への直線運動に変換して前記通気部開閉部材を駆動する第2のクランク機構と、を有することを特徴とする打撃工具。 - 請求項2に記載の打撃工具であって、
前記工具本体内に前記第1のクランク機構を組み付ける際の作業孔として当該工具本体に形成された開口部と、
前記開口部を塞ぐべく前記工具本体の外側から前記開口部に装着可能なカバー部材と、を更に有し、
前記第1のクランク機構は、前記工具本体の内部に前記開口部に臨むように回転可能に配置されたクランク軸を有し、
前記第2のクランク機構は、前記カバー部材に回転可能に装着されるとともに前記第1のクランク機構側のクランク軸と対向状に配置されたクランク軸を有し、
前記第1のクランク機構側のクランク軸と前記第2のクランク機構側のクランク軸の互いに対向し合う軸端部の一方には、凹部が形成され、他方には当該凹部に係合可能な凸部が形成されており、
前記カバー部材が前記開口部に装着されたとき、前記第1のクランク機構側のクランク軸と前記第2のクランク機構側のクランク軸が、前記凹部と前記凸部との係合を介して前記第1のクランク機構側のクランク軸から前記第2のクランク機構側のクランク軸への回転伝達可能に連係される構成としたことを特徴とする打撃工具。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の打撃工具であって、
前記シリンダの外側に配置され、弾性要素による付勢力が作用した状態で直線運動可能とされたウェイトを有し、当該ウェイトが前記工具ビット長軸方向に運動することによってハンマ作業時における前記工具本体の制振を行う動吸振器を有し、
前記通気部開閉部材は、前記弾性要素を介して前記ウェイトを積極的に駆動することによって前記動吸振器を強制的に振動させる加振手段を構成していることを特徴とする打撃工具。
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