JP4444342B2 - タイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法 - Google Patents

タイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4444342B2
JP4444342B2 JP2008073544A JP2008073544A JP4444342B2 JP 4444342 B2 JP4444342 B2 JP 4444342B2 JP 2008073544 A JP2008073544 A JP 2008073544A JP 2008073544 A JP2008073544 A JP 2008073544A JP 4444342 B2 JP4444342 B2 JP 4444342B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
tire
wheel
model
alarm threshold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008073544A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009227041A (ja
Inventor
和佳 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2008073544A priority Critical patent/JP4444342B2/ja
Priority to EP09711452A priority patent/EP2243640B1/en
Priority to AT09711452T priority patent/ATE534538T1/de
Priority to PCT/JP2009/050683 priority patent/WO2009101841A1/ja
Publication of JP2009227041A publication Critical patent/JP2009227041A/ja
Priority to US12/731,689 priority patent/US8032344B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4444342B2 publication Critical patent/JP4444342B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

本発明はタイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法に関する。さらに詳しくは、走行する車両の運動解析シミュレーションにより、タイヤの減圧を判定する際の基準値となる警報閾値の設定を行う、タイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法に関する。
車両に装着された車輪の回転速度を用いて、タイヤの空気圧が低下しているか否かを間接的に検出する方法がある(例えば、特許文献1〜2参照)。従来、このような検出方法を実用化するに際しては、実車テストを実施することにより、かかる検出方法に用いられているロジックの検証及び変数(パラメータ)の最適化を含む適合作業と呼ばれる作業を行っていた。すなわち、空気圧低下検出装置を搭載する予定の開発車両を入手し、テストコースなどを走行させる実車テストを実施することで、4輪各輪の車輪回転速度、横G、ヨーレート、ステアリングアングル、ホイールトルクなどの各種センサ情報などの情報(空気圧低下検出に必要な情報)を得ていた。そして、得られたテストデータを解析することで車両ごとの適合作業を行っていた。特に、ドライバーに対して減圧警報を発するか否かを決める警報閾値の設定は、複数の速度水準で一定速度での直線走行を実施し、得られるテストデータより求めている。
特開2005−1419号公報 特開2006−1298号公報
しかしながら、実車テストは、開発車両自体が必要であるため、当該開発車両の完成を待つ必要があり、また、テスト車両の数やテストの実施期間が制限されるなどの制約がある。また、実際にテストドライバーによってテストを実施するため、人件費、車両管理費、燃料費などの多大な費用が掛かるとともに、計測準備、データ解析などの多岐にわたる膨大な工数と長期に及ぶ開発期間を要するという問題もある。さらに、すでに適合作業を終えた開発車両がマイナーチェンジを行った場合、このマイナーチェンジをした開発車両による新たな実車テストを実施する必要があり、1種類の開発車両について適合作業が完了するまでには、多くのコストと時間を要していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、空気圧低下検出方法に用いられる警報閾値を設定するに際し、実車によるテストを解消又は削減することができるタイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法を提供することを目的としている。
本発明のタイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法(以下、単に「設定方法」ともいう)は、輪車両に装着したタイヤから得られる車輪回転速度に基づいてタイヤ空気圧の低下を検出するタイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法であって、
サスペンション部材を含む車両モデルを作成する車両モデル作成ステップと、
少なくとも正規内圧時及び減圧時におけるタイヤの前後力の特性を表すことができるタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成ステップと、
タイヤと路面との間の摩擦係数を入力するステップと、
走行中に車両に発生する空気抵抗を表現する、車両の前面投影面積、空力が作用する参照点、空気抗力係数及び空気揚力係数を含むデータを入力するステップと、
作成されたタイヤモデルが装着された車両モデルの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップと
を含んでおり、
前記シミュレーションステップは、前記4輪車両の外部に設けられたサイト又はサーバーにて実行され、
前記サイト又はサーバーにて管理されており、且つ、前記4輪車両の車載コンピュータに装備されている入力手段から入力される車両名、装着タイヤブランド及びタイヤサイズを含む情報に基づいて選定される車両データ及びタイヤ特性データを用いて、前記車両モデル及びタイヤモデルが作成され、
前記シミュレーションステップにおいて得られる4輪各輪のタイヤの車輪回転速度に基づいて、前記サイト又はサーバーにて駆動輪タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定するための警報閾値設定されることを特徴としている。
本発明の設定方法では、タイヤを装着した車両モデルの走行シミュレーションを行うことで4輪各輪のタイヤの車輪回転速度を得ている。そして、この車輪回転速度に基づいて、当該タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定するための警報閾値を設定するので、実車テストを行うことなくタイヤの減圧判定に必要な値を得ることができる。したがって、実車テストに要していたコストや時間を大幅に削減することができる。
前記車両モデルを、車両重心位置、車両慣性モーメント、ホイールベース長さ、車両前後輪の各トラック幅、車両重量、サスペンションのスプリングバネ特性、ダンパー減衰特性、及びロールセンター高さを含む車両の特性値により作成することができる。
本発明の設定方法によれば、タイヤ空気圧低下検出方法に用いられる警報閾値を設定するに際し、実車によるテストを解消又は削減することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の設定方法の実施の形態を詳細に説明する。
車輪の回転角速度から間接的にタイヤの減圧を検出するタイヤ空気圧低下検出装置(DWS)は、車両に搭載されている制御ユニットなどの制御手段に含まれる記憶部に予め記憶されているプログラムを実行することにより、タイヤが減圧しているか否かを判定するものであるが、車両の種類やタイヤサイズなどによって当該プログラムに使用される各種パラメータを決定する作業(適合作業)が必要である。かかる適合作業で決定すべきパラメータを従来は実車テストにより得られるデータを解析することで得ていたが、本発明では、シミュレーションによりデータを得、このデータを解析することで前記パラメータを獲得している。
例えば、2輪駆動車の駆動輪の1輪で減圧が生じた場合、又は4輪駆動車の1輪で減圧が生じた場合に警報を発するための警報閾値の設定する方法が、これまでもいくつか提案されているが、いずれも複数の速度水準での実車テストを繰り返すことでデータを取得し、このデータから警報閾値を算出していた。
本発明では、車両が走行することで発生する空気抵抗を計算することができる諸元を用いることで、走行車両に対する空気抵抗の影響を考慮することができ、これにより速度に依存して発生する駆動輪のスリップ量を精度良く算出することが可能となる。そして、これに路面との間の摩擦係数及びタイヤの前後力により左右されるスリップ量を考慮することにより、駆動輪タイヤが減圧したことを判定するための警報閾値をシミュレーションから得ることができる。
DWSに要される性能は大きく2つある。一つは、警報すべき空気圧低下を確実に警報する警報性能と、もう一つは、警報すべき空気圧の低下が起こっていない場合、すなわち、後述する車両の偏荷重や車両の急旋回などの理由により車輪の回転速度が正常内圧時よりも速くなったりした場合に誤報を出さない耐誤報性能である。
本発明では、シミュレーションにより仮想の実車テストを実施することで、前記パラメータのうち駆動輪タイヤが減圧したことを判定するための警報閾値を短期間で且つ短い工数で得ることができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る設定方法を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、開発車両用の空気圧低下検出装置のプログラムを設計する。タイヤの空気圧低下検出(警報)装置は、タイヤが減圧すると正常内圧のタイヤより外径(タイヤの動荷重半径)が減少するため、他の正常なタイヤに比べると回転角速度が増加するという原理を用いている。そして、タイヤが減圧しているか否かを判断するのに用いる判定値ないしは判定式として、従来、種々のものが提案されている。例えば、タイヤの回転角速度の相対的な差から減圧を検出する場合の判定値(DEL)として
DEL={(F1+F4)/2−(F2+F3)/2}/{(F1+F2+F3+F4)/4}×100(%)・・・・・・(1)
を用いることができる。ここで、F1〜F4は、それぞれ前左タイヤ、前右タイヤ、後左タイヤ及び後右タイヤの回転角速度である。空気圧低下検出装置では、得られた判定値を所定の警報閾値(例えば、或るタイヤが30%減圧しているときのDEL)と比較して、判定値がこの閾値を超えているときにタイヤが減圧していると推定し、警報を発する。
本発明では、2輪駆動車の駆動輪の1輪、又は4輪駆動車の1輪が減圧しているか否かを検出するものであり、判定値(DEL)としては、例えば前記式(1)を用いることができる。
本発明では、前述したように、空気抵抗を考慮することで、速度に依存して発生する駆動輪のスリップ量を算出し、これに路面との間の摩擦係数及びタイヤの前後力により左右されるスリップ量を考慮することで、減圧に起因するタイヤの回転速度の変化を精度良く算出することができる。
なお、本発明では、前記判定値及びそれを求めるプログラム、並びに減圧判定の閾値について特に限定されるものではなく、4輪各輪のタイヤの回転角速度を用いてタイヤの減圧を判定するものであるかぎり、従来のロジックないしはプログラムなどを適宜用いることができる。
ついで、ステップS2において、シミュレーション用の開発車両モデル及びタイヤモデルの作成を行う。後述する走行シミュレーションを実行するに際し、開発車の車両モデルを作成する必要があるが、4輪車両に装着したタイヤの回転速度に基づいてタイヤの減圧を判定する間接式タイヤ空気圧低下検出装置では、通常、車両重心位置、車両慣性モーメント、ホイールベース長さ、車両前後輪の各トラック幅、車両重量(車両バネ上重量、車両バネ下重量)、サスペンションのスプリングバネ特性、ダンパー減衰特性、及びロールセンター高さを含む車両の特性値を入力することで車両モデルを作成することができる。ただし、使用するソフトによっては、車両のボディー形状と材料物性をモデル化し、これらを入力することでシミュレーションを実施することも可能である。例えば、サスペンションの場合、有限要素法により当該サスペンションの形状をそのままモデルとして再分割したり、実物と全く同一の機構モデルを表現したりすることも可能であり、これらの方法では、部品個々の形、すなわち形状情報をベースにしてモデルが作成される。また、形状情報とともに用いられる部品材料値として、有限要素法を用いて金属材料を対象とする場合、弾性率、ポアソン比及び密度などをあげることができる。
なお、サスペンションの動特性を車両運動解析シミュレーションで表現するための値としては、前記サスペンションのスプリングバネ特性、ダンパー減衰特性、及びロールセンター高さ以外に、例えば車両バネ下重量、タイヤ・ホイールを含めた車軸慣性モーメント、ブッシュ部の弾性特性に関連する各種の変化量(車軸が上下方向に移動したときの前後方向の変化量[mm/mm]、ブレーキがかかったときにタイヤに負荷される上下方向の力[N/N]、タイヤに横力が負荷されたときのトウ角変化量[Deg/N]、タイヤに横力が負荷されたときの操舵角変化量[Deg/N]、タイヤにアライニングトルクが負荷されたときの操舵角変化量[Deg/N・m]、タイヤに縦力が負荷されたときのホイール中心の縦方向変化量[mm/N]、タイヤに縦力が負荷されたときのキャンバー角変化量[Deg/N]、タイヤにアライニングトルクが負荷されたときの傾斜角変化量[Deg/N・m]、タイヤに横力が負荷されたときのホイール中心横変化量[mm/N]、トウ角と上下変位の関係[Deg/mm]、キャンバー角と上下変位の関係[Deg/mm])をあげることができる。使用するソフトに応じて、これらの値を適宜用いることができる。
ついでタイヤモデルを作成する。このタイヤモデルは、正規内圧時及び減圧時におけるタイヤの前後力(前後スリップ[%]に対する前後力[N])、横力(コーナリングフォース、スリップ角[Deg]に対する横力[N])、アライニングモーメント(SAT、スリップ角に対するモーメント)、キャンバースラストからなるタイヤ特性値を数値入力することで作成することができる。これら特性値としては、例えば室内における試験結果のデータを用いることができる。また、車両モデルの場合と同様に、タイヤ自体を、内部構造を伴った形状のままにモデル化(例えば、有限要素法によるモデル化やバネと質量からなるモデル化)することも使用するソフトによっては可能である。
また、このステップS2において、タイヤと路面との間の摩擦係数が入力される。また、走行中に車両に発生する空気抵抗を表現する、車両の前面投影面積、空力が作用する参照点(バネー質点系のモデルにおいて、本来は車体ボディー全体で空力が作用しているのを、代表する1点に空力が作用すると置き換えることができる当該点のこと)、空気抗力係数及び空気揚力係数を含むデータが入力される。これらのデータないしは諸元により、走行中に車両に発生する空気抵抗を算出することができる。この空気抵抗を考慮することで、速度に依存して発生する駆動輪のスリップ量を精度よく算出することができる。
ついで、ステップS3において、ステップS2において作成されたタイヤモデルを装着した車両モデルを走行させるシミュレーションが実行される。この走行シミュレーションによって、タイヤのスリップを考慮した4輪各輪の車輪回転速度を得ることができる。そして、この車輪回転速度に基づいて、タイヤが減圧しているか否かを判定するためのパラメータ(判定値)を、例えば前述した式(1)を用いて算出することができる。なお、エンジンのトルク特性やトルクコンバーターの特性など、シミュレーションツールで入力することができる特性がある場合は、シミュレーションの精度を向上させるために、かかる特性を入力するのが好ましい。
なお、車両運動解析をすることができるシミュレーションソフトとしては、例えば“Adams”(商品名)、“veDYNA”(商品名)、“CarSim”(商品名)、“LS−DYNA”(商品名)など、自動車業界において多用されているシミュレーションソフトを適宜用いることができ、車両運動解析が可能であるかぎり、本発明において特に限定されるものではない。
ついで、ステップS4において、他の装着予定のタイヤモデルにてシミュレーションを実行する。通常、1種類の車両(開発車両)に装着することが予定されるタイヤは複数種類あり、そのうち1種類のタイヤでの解析を行ってその種類に合うパラメータを設定しても、他の装着タイヤでも適したパラメータであるかどうかは不明である。このため、他の種類のタイヤ(他の装着タイヤ)でのシミュレーションを実行し、既に得たパラメータが適当であるか否か、パラメータの変更が必要であるか否かを判断するのが好ましい。判断基準としては、タイヤが実際に減圧している場合にこれを確実に警報するとともに、誤警報を防止できることであり、後出する図8又は表8に関していえば、定積状態(最大積載状態)で30〜140kphの速度域での駆動輪の25%減圧を警報できるか否か、及び軽積状態(2人乗車相当状態)で10%減圧などの、警報しなくてもよい低い減圧量で警報しないか否かをあげることができる。
そして、ステップS5において、警報性能に関して満足する結果が得られたか否かの判断を行い、満足する結果が得られた場合(Yes)は、ステップS6に進み、開発車両用の空気圧低下検出装置のプログラム及び各種パラメータを決定し、一方、満足する結果が得られない場合(No)は、ステップS7において、減圧判定のロジック及び/又はパラメータの変更を行い、ステップS3に戻る。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はもとよりかかる実施例にのみ限定されるものではない。
[実施例]
車両運動解析シミュレーションソフトとして、CarSim(登録商標。株式会社バーテャルメカニクスの車両運動シミュレーションソフトウエア)を用いた。実施車両A(前輪駆動or後輪駆動or4輪駆動)に関して必要な車両データとして、表1〜3に示される車両データを入力した(データ項目については、図5〜7参照)。また、タイヤBとして225/50R17(DUNLOP社製)を用い、タイヤデータとして、表4〜7に示されるタイヤデータを入力した。また、空気抵抗に関する諸元として、以下のデータを入力した。
空気抵抗を算出するためのデータ
前面投影面積:1.8m2
空力抗力係数:0.34
空力揚力係数:0.16
空力が作用する参照点:前輪軸中心から1.44m後方且つ車幅の中心且つ地面
に対し0mの高さ
ついで、走行シミュレーションを実施し、警報性能に関するパラメータである警報閾値を算出するシミュレーションを実施した。シミュレーションの結果を表8及び図8に示す。
Figure 0004444342
Figure 0004444342
Figure 0004444342
Figure 0004444342
Figure 0004444342
Figure 0004444342
Figure 0004444342
Figure 0004444342
[比較例]
実施車両Aを用いて実車テストを行い、駆動輪の1輪減圧時の減圧判定値(DEL)を求めた。実車テストの結果を図8に示す。
実車テストで求められた減圧判定値に対し、シミュレーションにより得られた減圧判定値は、10%以内の範囲の精度で算出されており、空気圧低下検出方法におけるパラメータの1つである警報閾値を精度良く設定できることが分かる。車両運動解析シミュレーションを行うことで、前記警報閾値を実車テストの実施なしに算出することができ、それにかかる工数及びコストを削減することができた。
なお、前述したように、現状にあっては実車テストを実施することで空気圧低下検出装置に必要なパラメータを獲得しているが、車両を購入した時点で装着されるOE(Original Equipment)タイヤは複数あることが多い。空気圧低下検出装置で必要なパラメータは、装着されるタイヤによって変わる場合がある。例えば、警報閾値や、車両が旋回しているときの減圧判定値を補正するための旋回補正係数などである。そこで、現時点では、複数あるOEタイヤのすべてで、自動車メーカーが承認する性能を満たすことができる値をパラメータ値として決定している。
このため、OEタイヤが複数ある場合は、現実に装着されるタイヤにとって最適なパラメータ値が選定されていない場合がある。さらに、リプレースタイヤが装着された場合における警報性能などは未知の状態である。
これに対し、複数あるOEタイヤ個々に最適なパラメータ値を用いる方法として、当該OEタイヤは数が限定されていることから、予め個々のOEタイヤについて最適な値を実車テストで取得しておき、それで得た最適値を車両に搭載する空気圧低下検出装置システム(DWSシステム)に入力することが考えられる。しかしながら、リプレースタイヤは、無数にあることから、それらの最適値を得るために予め実車テストを行うことは、非現実的である。
そこで、前述した警報閾値の設定を含むシミュレーションによる適合作業を開発段階ではなく、車両販売後のタイヤ装着時に行うことが考えられる。すなわち、前述した設定方法では、開発現場における計算機(コンピュータ)を用いてシミュレーションを実施しているが、このシミュレーションによる適合作業を、車載コンピュータ;インターネットなどの情報通信インフラなどでアクセス可能な、最適値を計算するサイト又はサーバー;又は業者や個人が所有するパソコン(パーソナルコンピュータ)の中で行い、アウトプットとして得られるタイヤ個々の最適値を車両に搭載するDWSシステムにパラメータ値として入力することで、リプレースタイヤでも精度良くタイヤ空気圧低下を検出することができる。
かかるシミュレーションによる適合作業を実現する態様として、以下の3つの態様が考えられる。
[態様A]
この態様では、車両に搭載されたコンピュータにてシミュレーションが実行される。
まず、車両に搭載されたコンピュータに、前記車両重心位置、車両慣性モーメントなどの車両情報を入力しておく。図2に示されるように、インターネットなどの情報通信手段を介して、又はICタグに内蔵された情報として、タイヤの特性データ(タイヤの前後力、アライニングモーメントなど)を車両外部から獲得する(ステップS10)。
ついで、ステップS11において、獲得したタイヤの特性データを車載コンピュータに入力する。つぎに、ステップS12において、車両固有の車両情報が予め組み込まれている車載コンピュータにてシミュレーションを実施し、DWSシステムに必要なパラメータ(例えば、警報閾値、旋回時の警報判定値を補正する旋回補正係数、偏荷重状態を判定するパラメータ、データリジェクト条件を設定する閾値など)を獲得する。
ついで、ステップS13において、ステップS12で得られた最適なパラメータ値を車載のDWSシステムに入力すると、装着されたタイヤにとって最適なパラメータ値でDWSシステムを作動させることができる(ステップS14)。
[態様B]
この態様では、車両外部のサイト又はサーバーにてシミュレーションが実行される。インターネットでのASP(Application Service Provider)などの手段により、DWSシステムに必要なパラメータを解析計算し、その結果を出力することができるサイト又はサーバーにアクセスする(ステップS20)。ついで、車載コンピュータに装備されている入力手段からシミュレーションに必要な情報(車両名、装着タイヤブランド、タイヤサイズ)を入力する(ステップS21)。
前記サイト又はサーバーにおいては、車両データとタイヤ特性データとが管理されており、これらのデータを用いて最適なパラメータ値の解析計算が実施され、得られるパラメータ値をインターネットなどの情報通信手段を介して入力者に送信する(ステップS22)。
入力者は、送信された最適なパラメータ値を車両に搭載されたDWSシステムに入力すると(ステップS23)、装着されたタイヤにとって最適なパラメータ値でDWSシステムを作動させることができる(ステップS24)。
[態様C]
この態様では、業者又は個人が所有するパソコンにインストールされたソフトウェアにてシミュレーションが実行される。
まず、ステップS30において、DWSシステムが搭載された車両とこの車両に装着されたタイヤにとって最適なパラメータ値の解析計算を行うソフトウェアを、業者又は個人のパソコンにインストールする。
ついで、車載コンピュータに装備されている入力手段からシミュレーションに必要な情報(車両名、装着タイヤブランド、タイヤサイズ)を入力する(ステップS21)。つぎに、解析ソフト内に管理されている車両データとタイヤメーカーから入手されるタイヤ特性データを用いて、業者又は個人が所有するパソコンにて最適なパラメータ値の解析計算を実行する(ステップS32)。
ついで、アウトプットとして得られた最適なパラメータ値をDWSシステムに入力する(ステップS33)と、装着されたタイヤにとって最適なパラメータ値でDWSシステムを作動させることができる(ステップS34)。
なお、車両情報は、車両の運動性能に関連する因子を含むこともあり、車両会社から一般に公開される可能性は非常に小さいと考えられることから、車載のコンピュータに予め第三者が閲覧できないようにインプットしておく(態様A)か、又は特定の守秘義務を有する管理者(サイト又はサーバーの運営者(態様B)、ソフトウェアの製造者又は管理者(態様C))のみが取得できるようにすることが考えられる。
また、タイヤ情報として必要なタイヤ特性も一般には公開されていないが、これらの特性値は、タイヤメーカー固有の内部構造や材料配合情報などではなく、タイヤを入手し、タイヤ単体の測定により得ることができる情報である。
本発明の設定方法の一実施の形態を示すフローチャートである。 タイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法の一例を示すフローチャートである。 タイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法の他の例を示すフローチャートである。 タイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法のさらに他の例を示すフローチャートである 車両モデルを作成するための入力項目を説明する図である。 車両モデルを作成するための入力項目を説明する図である。 車両モデルを作成するための入力項目を説明する図である。 シミュレーション及び実車テストによる、減圧判定値DELと車両速度との関係を示す図である。

Claims (2)

  1. 4輪車両に装着したタイヤから得られる車輪回転速度に基づいてタイヤ空気圧の低下を検出するタイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法であって、
    サスペンション部材を含む車両モデルを作成する車両モデル作成ステップと、
    少なくとも正規内圧時及び減圧時におけるタイヤの前後力の特性を表すことができるタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成ステップと、
    タイヤと路面との間の摩擦係数を入力するステップと、
    走行中に車両に発生する空気抵抗を表現する、車両の前面投影面積、空力が作用する参照点、空気抗力係数及び空気揚力係数を含むデータを入力するステップと、
    作成されたタイヤモデルが装着された車両モデルの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップと
    を含んでおり、
    前記シミュレーションステップは、前記4輪車両の外部に設けられたサイト又はサーバーにて実行され、
    前記サイト又はサーバーにて管理されており、且つ、前記4輪車両の車載コンピュータに装備されている入力手段から入力される車両名、装着タイヤブランド及びタイヤサイズを含む情報に基づいて選定される車両データ及びタイヤ特性データを用いて、前記車両モデル及びタイヤモデルが作成され、
    前記シミュレーションステップにおいて得られる4輪各輪のタイヤの車輪回転速度に基づいて、前記サイト又はサーバーにて駆動輪タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定するための警報閾値設定されることを特徴とするタイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法。
  2. 前記車両モデルが、車両重心位置、車両慣性モーメント、ホイールベース長さ、車両前後輪の各トラック幅、車両重量、サスペンションのスプリングバネ特性、ダンパー減衰特性、及びロールセンター高さを含む車両の特性値により作成される請求項1に記載のタイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法。
JP2008073544A 2008-02-14 2008-03-21 タイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法 Expired - Fee Related JP4444342B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008073544A JP4444342B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 タイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法
EP09711452A EP2243640B1 (en) 2008-02-14 2009-01-19 Method of determining parameter used in air pressure reduction detecting method
AT09711452T ATE534538T1 (de) 2008-02-14 2009-01-19 Verfahren zur parameterbestimmung, das beim luftdruckabnahme-erkennungsverfahren verwendet wird
PCT/JP2009/050683 WO2009101841A1 (ja) 2008-02-14 2009-01-19 空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法
US12/731,689 US8032344B2 (en) 2008-02-14 2010-03-25 Method of setting parameter in method of detecting decreased pneumatic pressure

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008073544A JP4444342B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 タイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009227041A JP2009227041A (ja) 2009-10-08
JP4444342B2 true JP4444342B2 (ja) 2010-03-31

Family

ID=41242975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008073544A Expired - Fee Related JP4444342B2 (ja) 2008-02-14 2008-03-21 タイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4444342B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013545081A (ja) * 2010-10-08 2013-12-19 ロールス−ロイス・コーポレーション 駆動列内の故障状態を、トルク振動データを用いて検出するシステムおよび方法
JP6454161B2 (ja) * 2015-01-27 2019-01-16 住友ゴム工業株式会社 タイヤのシミュレーション方法
KR101898694B1 (ko) 2017-04-21 2018-09-13 주식회사 윗휴먼 타이어 압력 이상 상태 감지 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009227041A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009101841A1 (ja) 空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法
JP6349436B2 (ja) 屋内タイヤテストのための拡張可能な車両モデル
US8983722B2 (en) System and method for vehicle rollover prediction
JP7079373B2 (ja) トレッド摩耗監視システム及び方法
KR101470221B1 (ko) 현가 제어 장치 및 그 방법
US9428018B2 (en) Scalable vehicle models for indoor tire testing
JP2016505851A5 (ja)
JP2020020796A (ja) 屋内タイヤ試験に対するスケール変更可能な車両モデル
JP4976069B2 (ja) タイヤ性能シミュレーション方法、装置、及び記録媒体
JP2018501466A5 (ja)
JP4444342B2 (ja) タイヤ空気圧低下検出方法における警報閾値の設定方法
JP6486361B2 (ja) カーブ走行をシミュレーションするための方法
CN113665302A (zh) 生成虚拟轮胎模型和模拟轮胎状况的方法以及虚拟轮胎模型
JP2001356080A (ja) タイヤ性能シミュレーション方法、装置、及び記録媒体
CN115406669A (zh) 一种多轴特种车辆侧翻指标优化方法
JP4444340B2 (ja) 空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法
Kanchwala et al. Model Building, Hardpoint Optimization & Experimental Correlation of a Single Seater EV-Toyota COMS
Haerian et al. Special and misuse events for motorcycles
KR101312441B1 (ko) 타이어 횡력 검출방법 및 장치
Knuth et al. Advances in indoor tire tread wear simulation
Anthonysamy et al. Identification and Resolution of Vehicle Pull and Steering Wobble Using Virtual Simulation and Testing
JP7386229B2 (ja) 摩耗フライホイール上でタイヤを作動させる方法
KR20240096755A (ko) 차량의 가상 프로토타입을 생성하기 위한 방법
Whitehead A study of the properties that influence vehicle rollover propensity
KRYSINSKI et al. Lightweight design: mass in transit

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4444342

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140122

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees