JP4442522B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、無色乃至は淡色の塩基性染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものであり、特に印字画質と塗工適性に優れた感熱記録体に関するものである。
無色乃至は淡色の塩基性染料と有機または無機の顕色剤との呈色反応を利用し、熱により両発色物質を接触せしめて発色像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種プリンタ等の記録媒体としてのみならず、幅広い分野において使用されている。
一方、このような感熱記録方式を用いるファクシミリや各種プリンタの装置の改良が進み、従来は困難とされていた高速記録が可能となっている。このような機器の高速化に伴いそれに使用される感熱記録体も印字画質の一層の向上が要求され、これに関する多くの提案がなされている。
更に近年ではラベルやチケット等記録画像の信頼性が重視される分野で多量に使用されるようになり、印字の高画質化がより一層要求されている。
以上のような感熱記録体において、通常、感熱記録層の接着剤としては、ポリビニルアルコール、澱粉のような水溶性高分子接着剤と、低分子乳化剤を使用して合成されたスチレン/ブタジエン共重合ラテックス、アクリル系ラテックスが使用される場合が多いが、従来の技術では、感熱記録体の生産性向上のため、高速塗工化した場合、塗工面が不均一になったり、カスレが生じたりするなどの塗工欠陥が出たりして、得られた感熱記録体の画質が悪くなる等の問題を抱えていた。
従来これらの問題を解決するために、スーパーカレンダー等により感熱記録層表面の平滑度を高めることが一般的に行われているが、必ずしも満足すべき画質を得られなくなってきている。更に、印字画質と塗工適性に優れた感熱記録体を得るために、感熱記録層にメルカプト基を有するポリビニルアルコールを分散剤とし、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体或いはジエン系単量体の少なくとも1種からなる重合体を分散質とする接着剤を使用する方法(特許文献1参照)が提案されている。また、感熱記録層の下に、下塗層を2層用いる方法(特許文献2参照)も提案されている。更に、感熱記録層中にアクリル系保水剤やヒドロキシエチルセルロース等の会合型保水剤を含有する方法(特許文献3参照)も記載されている。更にまた、ポリビニルアルコールと(アクリルアミド・アクリル酸・アクリロニトリル)共重合物とのグラフト共重合体を使用する方法(特許文献4参照)も開示されている。
特開2000−335108号公報 特開2002−283728号公報 特開2005−125740号公報 特開平6−227132号公報
下塗層を2層化する方法では、確かに画質向上への寄与は大きいが、工程数が多くなり生産性が低下したり、表面強度が低下するといった不利益がある。また、特許文献1や特許文献4記載の共重合エマルジョン樹脂を使用した場合、耐熱性が低下して、感熱プリンタのヘッドに貼りつくといったいわゆるスティッキング現象を発生させる懸念がある。また、感熱記録層中に会合型保水剤を含有させる方法は、塗工液に対し、多量に添加しないとその効果が不十分だったり、また、逆に粘度が高くなりすぎて塗工困難になる場合もあり、それぞれの塗工液に対し慎重に添加量を決定する煩雑さがあった。
本発明は、無色乃至は淡色の塩基性染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、特に印字画質と塗工適性に優れた感熱記録体を提供するものである。
本発明者等は、無色乃至は淡色の塩基染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層中に珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有させることにより、印字画質と塗工適性に優れた感熱記録体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、感熱記録層中には、珪素変性ポリビニルアルコール100質量部に対し、ジアセトン変性ポリビニルアルコールを100〜800質量部含有させる。
本発明によれば、印字画質と塗工適性に優れた感熱記録体が提供される。
本発明では、感熱記録層中に、珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする。ジアセトン変性ポリビニルアルコールは、ジアセトン基を有する単量体とビニルエステルとの共重合体の部分または完全鹸化物であって、ジアセトン基をもつ単量体とビニルエステルとを共重合して得た樹脂を鹸化する等公知の方法により製造される。
一方、本発明において使用することができる珪素変性ポリビニルアルコールは、分子内に珪素原子を含有するものであれば特に限定はないが、通常分子内に含有される珪素原子がアルコキシル基、アシロキシル基或いは加水分解等により得られる水酸基またはそのアルカリ金属塩等の反応性置換基を有しているものを使用することが好ましい。このような分子内に珪素原子を含む変性ポリビニルアルコールの製造法の詳細は、特開昭58−193189号公報や特開昭61−074887号公報に記載されている。但し、本発明に使用する珪素変性ポリビニルアルコールの製造方法はこれら公知の公報に記載された方法に限定されるものではなく、その他の方法で製造されたものであっても良い。
珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールの鹸化度は80〜100mol%程度、塗工適性の点で95mol%より大きいものであり、さらに98mol%以上がより好ましい。また、重合度は300〜3000程度、好ましくは500〜2500が望ましい。さらに、変性度は0.1〜10mol%程度のものが好ましい。また、適切な塗工粘度を得るために2種類以上の重合度のものを併用してもよい。
珪素変性ポリビニルアルコールとジアセトン変性ポリビニルアルコールとの配合比率は珪素変性ポリビニルアルコール100質量部に対し、ジアセトン変性ポリビニルアルコールを100〜800質量部含有させ、更に好ましくは150〜600質量部程度である。
感熱記録層中の珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールの合計使用量としては、感熱記録層の全固形量に対して1〜30質量%程度、好ましくは3〜20質量%程度である。
本発明において、珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールを併用することにより、優れた効果が得られる理由は明らかではないが、次のように推測される。画質が悪化する原因の一つとして、支持体或いは下層上に感熱記録層用塗液を塗工した時、塗液中の水分が支持体或いは下層へ浸透し、同時にバインダー成分が下方へマイグレーションを起こすことが考えられる。その結果、塗工層内のバインダー分布及び感熱記録層に含有される成分が不均一となって、記録時に熱エネルギーが均一に伝達されず、ドットが不揃いとなり画質が低下すると考えられる。また、特に保水性のない塗料は、塗料を塗工した後に掻き取るタイプのブレード塗工においては、非常に大きい剪断応力を受け、塗料の水分が失われ粘弾性は急激に変化し、ストリークやカスレといった塗工欠陥が発生する。これに対し、本発明では、珪素変性ポリビニルアリコールの珪素原子を含む反応性置換基とジアセトン変性ポリビニルアルコールのジアセトン基との相互作用により塗料が増粘力、保水力を示し、マイグレーションを抑制することができ、且つ高剪断下では、その相互作用が切断され、ハイシェア粘度が低下して、塗工操業性を安定に維持すると共に均質な塗工層を得ることができ、優れた塗工適性及び印字画質が得られるものと考えられる。
感熱記録層中には珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールの他にバインダーとして印字画質と塗工適性を阻害しない程度に、例えば酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全(又は部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の併用が可能である。
本発明において、感熱記録層を構成する無色乃至は淡色の塩基性染料としては各種公知のものがあり、特に限定されないが例えば下記が挙げられる。黒色発色を与える染料前駆体としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N-イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。
染料前駆体としては、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与える染料前駆体を使用してもよい。赤若しくは赤紫、オレンジ色系統の発色を与える染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフルオラン、3−(N−メチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオランを挙げることができる。
赤色、赤紫色、オレンジ色系統の発色色調を与える染料前駆体としては、更に3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−トリルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、及び2−(N−メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランを挙げることができる。
赤色、赤紫色、及びオレンジ色系統の発色色調を示す染料前駆体として、更に3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、および7−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕等を挙げることができる。
青色発色を与える染料前駆体としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、及び3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオラン等を挙げることができる。
緑色発色を与える染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、及び3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等を挙げることができる。
黄色系統の発色を与える染料前駆体として、3,6−ジメトキシフルオラン、及び1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレン等がある。
本発明で使用される染料前駆体はこれらに限定されるものではなく、2種以上を併用することもできる。かかる染料前駆体の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して3〜30質量%程度である。
本発明において、前記染料前駆体を固体微粒子状態として使用する場合、該染料前駆体を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗料の調製に用いることができる。
また染料前駆体を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させ染料前駆体を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体微粒子状態で使用する染料前駆体の分散粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
本発明においては、染料前駆体の使用方法として、上記固体微粒子状態で使用する以外に、有機高分子と染料前駆体とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について記載する。上記複合粒子は、染料前駆体、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、あるいは前記染料前駆体を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前述の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
本発明において、感熱記録層に使用される顕色剤としては、公知の化合物を使用することができる。かかる顕色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、及びビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)-N’-(p−ブトキシカルボイル)ウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア等のウレア化合物が挙げられる。
本発明において、感熱記録層中の塩基性染料と顕色剤の使用比率は用いる塩基性染料と顕色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般に塩基性染料1質量部に対して1〜7質量部程度、好ましくは1〜4質量部程度の顕色剤が使用される。これらの物質を含む塗液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌、粉砕機により塩基性染料と顕色剤とを一緒に、または別々に分散する等して塗液として調製される。
また、塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、蛍光染料、着色染料等が適宜添加される。
また、塗液中には各種顔料を併用することも可能であり、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。
更に、目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の使用量は特に限定されないが、一般に顕色剤1質量部に対して4質量部以下程度の範囲で調節するのが望ましい。
また、所望の効果を損なわない限り、目的に応じて記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の配合量は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形量に対して50質量%以下であることが好ましい。
本発明において、感熱記録層を構成する他の成分材料として、必要により、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、及び蛍光染料等を用いることができる。
また、感熱記録層の耐水性を向上させるために、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱記録層中に含有させることができる。例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、カルボン酸ジヒドラジド系化合物並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四ホウ酸ソーダ、四ホウ酸カリウム等の無機化合物またはホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等から選ばれた少なくとも1種の架橋性化合物を感熱記録層の全固形量に対して1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
感熱記録層に添加されるワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
感熱記録層に添加される金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、白紙部の色調調節のために有色染料、及び/または有色顔料を感熱記録層中に含有させることもできる。必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、感熱記録層中に、更に撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等、各種添加剤を添加することができる。
本発明に用いられる支持体の種類、形状、寸法等には、格別の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等のほか、各種透明支持体等も適宜選択して使用することができる。
本発明においては、感熱記録体の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙を使用することもでき、或は磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録体とすることもできる。特に、粘着加工、及び磁気加工を施したものは感熱ラベルや、感熱磁気乗車券等の用途に有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録体とすることもできる。もちろん両面感熱記録体とすることもできる。
本発明においては、感熱記録層の上に保護層を設けたり、感熱記録層の下に下塗層を設けたりすることもできる。これらの追加層として、従来から公知の感熱記録体に使用されている保護層、及び下塗層を利用することができる。保護層、及び下塗層は、共に顔料及び接着剤を主体とし構成される。特に保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、紫外線吸収剤を含むこともでき、またこれを2層以上に構成することもできる。また光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録体とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであってこれらを大別すると消色型と加色型の2種類及びマイクロカプセルを用いた方法がある。一方、有機高分子と染料前駆体からなる複合粒子を使用して多色感熱記録体を製造する方法も知られており、本発明のように、これらの感熱記録層中に珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有させても所望の塗工適性と印字画質が得られる。
下塗層には、シリカ、焼成カオリン等のような空隙率の高い顔料を使用することにより、その上の感熱記録層の発色感度を上げることができる。また下塗層中にプラスチックピグメント、中空粒子、発泡体等を含有させることもその上に形成される感熱記録層の発色感度向上に効果がある。
本発明の感熱記録層上には水溶性バインダ、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂などを含む保護層を設けることもできるし、その上に、UVインキ、フレキソインキ等で印刷することもできる。保護層にシリコン等の離型剤を用いることにより本発明の感熱記録体をライナーレスの粘着ラベルとして利用することもできる。この場合、印刷後に離型剤を塗工してもよい。
支持体上に上記各層を形成する方法としては、エアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、及びエクストルージョン法等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。また印刷機等を使用して本発明の感熱記録層用塗液を部分印刷して使用することもできる。感熱記録層用塗液は、支持体の一方の面に乾燥後の重量が1〜10g/mとなるように塗布され、それによって感熱記録層が形成される。また感熱記録体裏面からの油や可塑剤の浸透を抑制させることや、またはカールコントロールのためにバック層を設けることもできる。また感熱記録層をスーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の平滑化方法を用いて平滑化処理することは、その発色感度を高める事に効果がある。感熱記録層表面を、カレンダーの金属ロール及び弾性ロールのいずれに当てて処理してもよい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、特に断らない限り例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(下塗り層用塗液の調製)
吸油量110ml/100gの焼成カオリン88部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(固形分濃度:50%)20部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)の5%水溶液20部、ポリアクリル酸ナトリウムの20%水溶液5部及び水190部を均一に混合攪拌して下塗層用塗液を得た。
(染料前駆体分散液A液調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン10部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕した。
(顕色剤分散液B液調製)
4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.5μmになるまで粉砕した。
(感熱記録層用塗液の調製)
A液55部、B液165部、微粒子状無水シリカ25部、軽質炭酸カルシウム5部、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液80部、アジピン酸ジヒドラジドの30%水分散液10部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液10部、及び水55部を混合攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
(保護層用塗液の調製)
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)10%液100部、カオリン200部、ステリン酸亜鉛30%分散体(商品名:ハイドリンZ−7、中京油脂社製)10部及び水100部を均一に混合攪拌して保護層用塗液を得た。
(感熱記録体の作製)
坪量78g/m2 の上質紙の片面に、下塗層用塗液、感熱記録層用塗液、保護層用塗液をそれぞれ乾燥後の塗布量が8g/m、4g/m、2g/m となるようにロッドブレードコーターにて塗布、乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部及びジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液80部の代わりに、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液20部及びジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液100部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3(参考例)
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部及びジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液80部の代わりに、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液80部及びジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液40部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4(参考例)
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部の代わりに、部分鹸化珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1230、鹸化度90mol%、重合度1600、クラレ社製)の10%水溶液40部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部及びジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液80部の代わりに、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部及びジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液30部およびジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−05、鹸化度98.5mol%、重合度500、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液50部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1における感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部及びジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液80部の代わりに、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液120部を使用した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1における感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部及びジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、重合度1700、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液80部の代わりに、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液120部を使用した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1における感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部の代わりに、未変性ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217、鹸化度88mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1における感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部の代わりに、アセトアセチル変性部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセハイマーZ−320、鹸化度92mol%、重合度2000、日本合成化学工業社製)の10%水溶液40部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1における感熱記録層用塗液の調製において、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、鹸化度98.5mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部の代わりに、カルボキシ変性部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、鹸化度88mol%、重合度1700、クラレ社製)の10%水溶液40部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
(記録感度評価)
感熱記録用シミュレーター〔TH-PDM、大倉電機社製〕を用い、印加エネルギー0.27mJ/dot にて記録し、記録部の記録濃度をマクベス濃度計(RD914、アンバーフィルター使用)で測定した。
(画質評価)
上記で記録したベタ印字部を下記の基準で目視評価した。
○:白抜けが全く観察されない。
○':白抜け部分がわずかに観察される。
×:白抜け部分が観察される。
(塗工適性評価)
前述のロッドブレードによる感熱記録層塗工の際の塗工適性(カスレの発生)を評価した。
○:カスレの発生が全く観察されない。
○':カスレの発生がわずかに観察される。
×:カスレの発生が観察される。
Figure 0004442522
無色乃至は淡色の塩基性染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層中に珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有させることにより、印字画質と塗工適性に優れた感熱記録体を提供できる。

Claims (3)

  1. 支持体上に、無色乃至は淡色の塩基性染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層中に珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有し、感熱記録層中の珪素変性ポリビニルアルコール100質量部に対し、ジアセトン変性ポリビニルアルコールの含有量が100〜800質量部であり、珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールの鹸化度が95%より大きいことを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールの重合度が300〜3000である、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 少なくとも感熱記録層がブレード法により塗布して形成された、請求項1または2に記載の感熱記録体。
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