JP2011255554A - 感熱記録材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録感度、印字画質及び印刷適性に優れた感熱記録材料の製造方法を提供することにある。
【解決手段】支持体上に、プラスチック中空粒子を含有するアンカー層、吸油量(JIS K 5101)40〜120ml/100gの吸油性顔料を含有する下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を順次有する感熱記録材料の製造方法であって、前記アンカー層と下塗り層が、アンカー層用塗液と下塗り層用塗液を同時多層カーテン塗布法により塗布、乾燥して形成されたことを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は感熱記録材料の製造方法に関するものである。
無色乃至は淡色のロイコ染料と有機または無機の顕色剤との呈色反応を利用し、熱により両発色物質を接触せしめて発色像を得るようにした感熱記録材料はよく知られている。かかる感熱記録材料は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種プリンタ等の記録媒体としてのみならず、幅広い分野において使用されている。
紙やフィルム等の支持体に塗液を塗布する方法としては、エアナイフ塗布法、ブレード塗布法、ロッド塗布法、ロール塗布法、バー塗布法等の方法が用いられているが、このような方法で作製された感熱記録材料は、塗布品質が悪いこと、上層の塗液の下層への浸み込み、上層塗布時のハジキ等に起因する上層のピンホール、長時間の連続塗布における品質のバラツキ等の問題が生じるほか、高速塗布に限界があること、多数回塗布から生じる生産性の低下等の問題がある。
これらの塗布方法に対して、カーテン塗布方法は、塗液の自由落下カーテンを形成し、これを支持体に衝突せしめて塗布する方法であり、塗布品質が良好で、高速塗布に適性を有することが知られている(特許文献1参照)。また、複数層の塗液膜からなる塗料膜を形成してカーテン塗布することも可能であり、多層塗布の生産性を大幅に向上することができる。このカーテン塗布方法は、基材上にスリット状のコーターリップから塗液を膜状に垂らして塗布するもので、塗液の成膜性や基材への濡れ性を改善して塗布ムラや塗布欠点を防止するために、静的表面張力、動的表面張力、粘度等に対して細かな調整が必要である(特許文献2参照)。係る観点から塗布自体の均一安定性は極めて重要であり、それによって得られる感熱記録材料の性能や生産効率が大きく左右される。
カーテン塗布法による同時多層塗布では上述のように複数の層を同時に塗布できるため、生産性を大幅に向上できる利点があり、感熱記録紙の製造方法においても従来より検討されている。
しかし、これまで主に検討されてきたのは感熱記録層及び保護層の同時多層塗布であり(特許文献3参照)、下塗り層を含む同時多層塗布においては殆ど検討されてこなかった。この理由としては、輪郭塗工であるカーテン塗布法よりも、ロッドコーター、ブレードコーター及びロールコーター等により、下塗り層用塗液を支持体上に平滑に塗布することが記録感度及び画質の点で好ましいと考えられていたからである。
例えば、下塗り層用塗液をカーテン塗布する方法として、支持体上に吸油量(JIS K 5101)75ml/100g以上の顔料を含有する下塗り層用塗液と発色成分をバインダー中に分散させて混合した感熱記録層用塗液を同時多層カーテン塗布する方法(特許文献4)、焼成カオリンを含有する固形分濃度25〜75%の下塗り層用塗液を塗工速度500m/min以上でカーテン塗布する方法も開示されている(特許文献5)。また、下塗り層と感熱記録層の複数層の塗液膜からなる塗料膜をカーテン塗布して形成された感熱記録材料も開示されている(特許文献6)。しかし、これら従来開示されている技術では、下塗り層をブレード塗布法等により平滑に塗布する場合に比べ、依然として記録感度、画質が劣っており、実用上問題となっていた。
一方、従来から感熱記録紙の記録感度を向上させる方法として、支持体と感熱記録層の間にプラスチック中空粒子を含有する下塗り層が導入されている。例えば、基材と感熱記録層の間に、中空体微粒子を含有する第1アンダーコート層と有機フィラー及び/または無機フィラーを含有する第2アンダーコート層を設ける方法(特許文献7)、支持体と感熱記録層の間に、膜厚と粒子径の比が0.15以下である有機微小中空粒子をアンダーコート層として設け、有機微小中空粒子層と感熱記録層との間に吸油性無機顔料を第2アンダーコート層として設ける方法が知られており、メイヤーバー塗工が塗工方法として記載されている(特許文献8)。また、プラスチック中空粒子を含有するアンダー層がブレード塗工であり、アンダー層上に設けられた感熱発色層を含む2層以上の層がカーテン塗布法により同時塗布して形成する方法(特許文献9)も開示されており、支持体と感熱発色層との間に無機顔料とバインダーを主成分とする第一中間層と第一中間層上に自由落下カーテン法で形成された第二中間層が順次積層された感熱記録材料(特許文献10)が開示されている。
特公昭49−24133公報 特開昭57−39985号公報 特許第3579392号公報 特公平4−8238号公報 国際公開WO2005/084958 特開2001−18526号公報 特開昭62−117787号公報 特開平1−285383号公報 特開2010−94981号公報 特開2000−108518号公報
本発明の課題は、記録感度、印字画質及び印刷適性に優れた感熱記録材料の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を種々検討した結果、支持体上に、プラスチック中空粒子を含有するアンカー層、吸油量(JIS K 5101)40〜120ml/100gの吸油性顔料を含有する下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を順次有する感熱記録材料の製造方法であって、前記アンカー層と下塗り層が、アンカー層用塗液と下塗り層用塗液を同時多層カーテン塗布法により塗布、乾燥して形成されたことを特徴とする感熱記録材料の製造方法を採用することによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の感熱記録材料の製造方法を提供するものである。
項1:支持体上に、プラスチック中空粒子を含有するアンカー層、吸油量(JIS K 5101)40〜120ml/100gの吸油性顔料を含有する下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を順次有する感熱記録材料の製造方法であって、前記アンカー層と下塗り層が、アンカー層用塗液と下塗り層用塗液を同時多層カーテン塗布法により塗布、乾燥して形成されたことを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
項2:前記プラスチック中空粒子が、アンカー層の全固形分に対して5〜75質量%含有される、項1に記載の感熱記録材料の製造方法。
項3:前記下塗り層において、前記プラスチック中空粒子の含有量が7.5g/m以下である、項1または2に記載の感熱記録材料の製造方法。
項4:前記プラスチック中空粒子の中空率が50〜90%である、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録材料の製造方法。
項5:前記下塗り層の吸油性顔料が焼成カオリンである、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録材料の製造方法。
項6:前記アンカー層と下塗り層の合計塗工量が5〜15g/mである、項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録材料の製造方法。
項7:前記感熱記録層が、感熱記録層用塗液をアンカー層用塗液及び下塗り層用塗液と共に同時多層カーテン塗布法により塗布、乾燥して形成された、項1〜6のいずれか1項に記載の感熱記録材料の製造方法。
本発明によれば、記録感度、印字画質及び印刷適性に優れた感熱記録材料の製造方法を提供することにある。
以下、本発明の感熱記録材料の製造方法について詳細に説明する。本発明は、支持体上に、プラスチック中空粒子を含有するアンカー層、吸油量(JIS K 5101)40〜120ml/100gの吸油性顔料を含有する下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を順次有する感熱記録材料の製造方法であって、前記アンカー層と下塗り層が、アンカー層用塗液と下塗り層用塗液を同時多層カーテン塗布法により塗布、乾燥して形成されたことを特徴とする感熱記録材料の製造方法である。
(アンカー層)
本発明では、支持体上にプラスチック中空粒子を含有するアンカー層が形成される。
プラスチック中空粒子としては、従来公知のもの、例えば熱可塑性高分子を殻とする微小中空粒子で、アクリル系樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹とアクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、イソボニルメタクリレートとアクリロニトリルを主体とする共重合樹脂等からなる。中空率は下記式で表示されるものであり、弾力性や断熱性の点から50〜90%のものが好ましく、60〜80%がより好ましい。中空率が50%未満のものは断熱性、弾力性が不十分であり、熱ヘッドからの熱エネルギーが感熱記録材料の外へ放出されるため記録感度が低下したり、熱ヘッドと感熱記録材料との密着性が悪化して画質が低下する。また、中空率が90%を超えるものは製造が技術的に困難である。
中空率(%)=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100
アンカー層中のプラスチック中空粒子は、アンカー層の全固形分に対して5〜75質量%配合することが好ましく、7〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%が最も好ましい。5質量%未満では本発明の効果はほとんど見られず、75質量%より多い場合は、表面強度が低下する恐れがある。また、プラスチック中空粒子の平均粒子径は0.4〜4.0μm程度であることが好ましい。平均粒子径が0.4μm未満の場合は、弾力性が不十分となり、画質が悪化する。4.0μmより大きい場合は、表面平滑性が低下したり、そのアンカー層用塗液と下塗り層用塗液とを同時カーテン塗布した場合は塗工中に層の乱れが生じて、この下塗り層上に感熱記録層を形成した場合、画質が悪化する。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、アンカー層中の顔料として、一般の無機及び有機顔料の全てを添加できるが、特に吸油量(JIS K 5101)40ml/100g以上の吸油性顔料が好ましい。かかる吸油性顔料の具体例としては、酸化アルミニウム、焼成珪藻土、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、タルク等が挙げられる。また、併せて中空粒子以外の尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、アミノ樹脂フィラー等の有機顔料を含有することもできる。
(下塗り層)
本発明では、アンカー層と感熱記録層の間に吸油量(JIS K 5101)40〜120ml/100gの吸油性顔料を含有する下塗り層を設けるものである。下塗り層はアンカー層と同時多層カーテン塗布法により、塗布、乾燥して形成される。
下塗り層の吸油性顔料としては吸油量(JIS K 5101)40〜120ml/100gのものが好ましく、60〜120ml/100gのものがより好ましい。吸油量(JIS K 5101)が120ml/100gを超えると、感熱記録層中のバインダー成分が浸透・吸収されてしまい、表面強度が著しく低下する。また、40ml/100g未満では断熱性が悪く、記録感度が低下する。
前記吸油性顔料の具体例としては、酸化アルミニウム、焼成珪藻土、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、タルク等が挙げられ、これらのなかでも焼成カオリンが最も好ましい。また、併せて尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、アミノ樹脂フィラー等の有機顔料(中空粒子を含む)を含有することもできる。
前記アンカー層に記載されているプラスチック中空粒子の、下塗り層における含有量は7.5g/m以下であることが好ましく、6.0g/m以下であることがより好ましく、5.0g/m以下であることが最も好ましい。7.5g/mを超えると、本発明の作用効果が得られない恐れがある。
本発明では、アンカー層及び下塗り層の接着剤として、例えば、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の使用が可能であるが、カーテン塗工適性の点から、ポリビニルアルコール及び澱粉から選ばれる少なくとも1種の接着剤を各層の全固形分に対して3〜25質量%含有させることが好ましい。この範囲内であれば、カーテン膜が不安定となって塗工欠陥が発生したり、下塗り層用塗液が原紙の凹凸を完全に被覆できず白抜けとなって画質が悪化したり、塗膜強度が低く印刷適性が劣ったり、断熱性が損なわれて、記録感度、画質が低下するといった問題は生じない。
本発明において、アンカー層用塗液及び下塗り層用塗液は、25℃におけるブルックフィールド型粘度(B型粘度)計で測定した60rpmの粘度が200〜1500mPa・sの範囲であることが好ましく、特に300〜1200mPa・s程度であることが好ましい。200mPa・s未満では、アンカー層用塗液と下塗り層用塗液との層間混合が生じ易くなり、画質や記録感度が低下する。また、1500mPa・sを超えると、アンカー層用塗液中及び下塗り層用塗液中の泡が抜け難くなることにより、泡による塗工欠陥が発生したり、或いは流れ方向にスジ状の塗布ムラが発生し易くなる。
本発明でのアンカー層及び下塗り層は同時カーテン塗布法によって形成されるため、表面張力を調整してカーテン膜を安定化するためにアンカー層用塗液及び下塗り層用塗液には界面活性剤が添加されることが好ましい。表面張力の範囲としては、25℃における白金プレート法で測定した静的表面張力が25〜36mN/mに調整されることが好ましく、更に好ましくは26〜34mN/mである。静的表面張力が25mN/m未満であると、泡による欠陥が生じ易くなり、一方、36mN/mを超えるとカーテン膜安定性が悪くなる。
アンカー層用塗液及び下塗り層用塗液に添加される界面活性剤としては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アセチレングリコール系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、エーテル型界面活性剤、或いはベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性系界面活性剤等が挙げられるが、カーテン膜安定性の点から、特に好ましくは、下記一般式(1)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。更に、塩としては、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩が好ましく、また、アルキル基としては、炭素数2〜20が好ましく、更に炭素数4〜10が特に好ましい。具体的にはイソブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましい。また、界面活性剤の添加量としては、アンカー層及び下塗り層の全固形分に対して0.01〜2.0質量%程度であることが好ましい。0.01質量%未満では、添加の効果が少なく表面張力が十分に低くならずカーテン膜切れし易くなる。2.0質量%を超えるとアンカー層用塗液及び下塗り層用塗液が泡立ち易くなり塗工欠陥の原因となる。効果と塗料物性等のバランスから、界面活性剤の更に好ましい添加量としては0.02〜1.0質量%程度である。
Figure 2011255554
(式中、R、Rは同一または異なる炭素数2〜20の脂肪族または脂環式炭化水素基を表し、Mは水素原子またはカチオン、xは1または2を表す)
また、アンカー層用塗液中及び下塗り層用塗液中には、更に必要に応じて、増粘剤、ワックス等を添加してもよい。
本発明では、カーテンコーターを用いた塗布法によりアンカー層用塗液と下塗り層用塗液が同時塗布される。カーテンコーターで塗工することにより塗工層がポーラスに形成されるため、画質が良化する。また、プラスチック中空粒子を含むアンカー層上に吸油性顔料を含む下塗り層を積層することにより感熱記録層用塗液のアンカー層への浸み込みが抑制され、記録感度が向上する。
アンカー層及び下塗り層の塗工量としては、特に制限はないが、合計塗工量が、乾燥重量で5〜15g/mが好ましく、6〜15g/mがより好ましく、7〜15g/mが特に好ましい。
(感熱記録層)
本発明では、感熱記録層の接着剤として、例えば、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の使用が可能であるが、カーテン塗工適性を考慮すると、ポリビニルアルコール及び澱粉から選ばれる少なくとも1種の接着剤を、感熱記録層の全固形分に対して3〜25質量%含有させることが好ましい。この範囲内であれば、カーテン膜が不安定となって塗工欠陥が発生したり、塗膜強度が低く、印刷適性が劣ったり、記録感度、画質が低下するといった問題は生じない。
本発明において、感熱記録層用塗液は、カーテン塗工適性を考慮すると、25℃におけるブルックフィールド型粘度(B型粘度)計で測定した60rpmの粘度が200〜1500mPa・sの範囲であることが好ましく、特に300〜1200mPa・s程度であることが好ましい。200mPa・s未満では、感熱記録層用塗液と下塗り層用塗液との層間混合が生じ易くなり、画質や記録感度が低下する。また、1500mPa・sを超えると、感熱記録層用塗液中の泡が抜け難くなることにより、泡による塗工欠陥が発生したり、或いは流れ方向にスジ状の塗布ムラが発生し易くなる。
本発明で感熱記録層中に含有される顔料としては、各種公知の顔料が使用されるが、例えば、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、雲母等の無機顔料やプラスチック密実粒子、プラスチック中空粒子、生澱粉のような有機顔料が適宜使用することができ、単独または複数の組み合わせで用いられる。
本発明の感熱記録層は、各種公知のロイコ染料及び顕色剤を含有する。その他、必要に応じて、増感剤や各種助剤等を含有してもよい。
例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。また、必要に応じて、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
本発明で使用されるロイコ染料はこれらに限定されるものではなく、2種以上を併用することもできる。かかるロイコ染料の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して3〜30質量%程度である。
本発明において、前記ロイコ染料を固体微粒子状態として使用する場合、該ロイコ染料を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗液の調製に用いることができる。
またロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させ、染料前駆体を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な記録感度を得るために0.2〜3.0μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μm程度である。
本発明においては、ロイコ染料の使用方法として、上記固体微粒子状態で使用する以外に、有機高分子とロイコ染料とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について記載する。上記複合粒子は、ロイコ染料、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、或いは前記ロイコ染料を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前述の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
本発明において、感熱記録層に使用される顕色剤としては、公知の化合物を使用することができる。かかる顕色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、及びビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等の多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−ブトキシカルボニル)ウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−フェニルウレア等のウレア化合物が挙げられる。
本発明において、感熱記録層中のロイコ染料と顕色剤の使用比率は、用いるロイコ染料と顕色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料1質量部に対して1〜7質量部程度、好ましくは1〜6質量部程度の顕色剤が使用される。これらの物質を含む感熱記録層用塗液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌、粉砕機によりロイコ染料と顕色剤とを一緒に、または別々に分散する等して塗液として調製される。
更に、目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジルエステル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の使用量は特に限定されないが、一般に顕色剤1質量部に対して4質量部以下の範囲で調節するのが望ましい。
また、所望の効果を損なわない限り、目的に応じて記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ、更にジフェニルスルホン架橋型化合物等が挙げられる。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録材料とすることもできる。一般に多色感熱記録材料は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであって、これらを大別すると消色型と加色型の2種類、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子と染料前駆体からなる複合粒子を使用して多色感熱記録材料を製造する方法がある。
本発明において、感熱記録層は、カーテン塗布法により形成する場合は、表面張力を調整してカーテン膜を安定化するために界面活性剤が添加されることが好ましい。表面張力の範囲としては、25℃における白金プレート法で測定した静的表面張力が25〜31mN/mに調整されることが好ましく、更に好ましくは27〜30mN/mである。静的表面張力が25mN/m未満であると、泡による欠陥が生じ易くなり、一方、31mN/mを超えるとカーテン膜安定性が悪化したり、ハジキが発生して未塗工部が生じたりする。添加される界面活性剤としては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アセチレングリコール系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、エーテル型界面活性剤、或いはベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性系界面活性剤等が挙げられるが、カーテン膜安定性の点から、ジアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。更に、塩としては、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩が好ましく、また、アルキル基としては、炭素数2〜20が好ましく、更に炭素数4〜10が特に好ましい。具体的にはイソブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましい。また、界面活性剤の添加量としては、感熱記録層の全固形分に対して0.05〜3.0質量%程度であることが好ましい。0.05質量%未満では、添加の効果が少なく、表面張力が十分に低くならずカーテン膜切れし易くなる。3質量%を超えると、塗液が泡立ち易くなり塗工欠陥の原因となる。効果と塗料物性等のバランスから、界面活性剤の更に好ましい添加量としては0.10〜3.0質量%程度である。
また、感熱記録層中には必要に応じて各種の助剤を添加することができる。例えば、消泡剤、ワックス類、金属石鹸、蛍光染料、着色染料、架橋剤、粘度調整剤等が適宜添加される。
本発明では、カーテン塗布法によりアンカー層、下塗り層及び感熱記録層を同時多層塗布することが、カーテン膜の安定性を高めたり、更に生産効率向上や、製造時の消費エネルギーをより低減させることができる点で、より好ましい。本発明で、アンカー層、下塗り層及び感熱記録層の塗布において用いられるカーテン塗布法とは、塗液を流下して自由落下させ支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。また、特開2006−247611号公報に記載のように、カーテンヘッドから塗料を下向きに噴出させて斜面上で塗料層を形成させ、斜面の終端部の下向きのカーテンガイド部から塗料カーテン膜を形成してウエブ面上に該塗料層を移行させることもできる。感熱記録層用塗液の塗工量は特に制限はなく、乾燥重量で1〜12g/m程度、特に2〜10g/m程度であれば所望の品質を達成できる。なお、アンカー層、下塗り層及び感熱記録層は必要に応じて、各層の組成、塗工量を変えることもできる。なお、塗料濃度、塗布速度、カーテン膜幅、落下角度等の諸条件は、各々のカーテン塗布法及び塗布装置に合わせ、適宜調整して行うことが望ましい。これらのカーテン塗布法は、非接触方式の輪郭塗工であるため、均一な厚さの塗工層が得られる。一方、ブレード、バー塗工等の接触方式の塗工では、支持体の表面性(凹凸)の影響を受けるため、膜厚が不均一となる。このため、同一塗工量では、カーテン塗布で形成された感熱記録層の方が良好な画質を得ることができる上、画像の保存性も向上する。なお、各塗液は必要に応じて各種公知の方法で塗布前に脱泡処理することができる。
本発明において、感熱記録層上に、少なくとも1層以上の保護層を設けてもよい。保護層は、従来から公知の感熱記録体に使用されている保護層を利用できる。保護層は、顔料と接着剤を主体として構成される。特に保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、紫外線吸収剤を含むこともできる。また光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。
塗液の塗布後は乾燥され、その後は、好ましくはカレンダー処理により平滑化処理され、使用に供される。
本発明においては、感熱記録材料の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録材料とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙として使用することができる。或いは磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記材料とすることもできる。特に、粘着加工、及び磁気加工を施したものは感熱ラベルや、感熱磁気乗車券等の用途に有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録材料とすることもできる。勿論、両面感熱記録材料とすることもできる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(アンカー層用塗液の調製)
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、エンゲルハード社製、吸油量110ml/100g)70部、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、固形分濃度26%、中空率80%、平均粒子径1.0μm、JSR社製)50部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント−15、白石化学工業社製)10部、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名:PT−1004A、固形分濃度43%、日本ゼオン社製)8部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA124、重合度2400、鹸化度98.5%、クラレ社製)の15%水溶液60部、更にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)の10%水溶液1部、及び水90部を均一に混合攪拌して、25℃、60rpmでのB型粘度600mPa・sのアンカー層用塗液を得た。また、25℃、白金プレート法で測定されたアンカー層用塗液の静的表面張力は32.0mN/mであった。
(下塗り層用塗液の調製)
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、エンゲルハード社製、吸油量110ml/100g)90部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント−15、白石化学工業社製)10部、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名:PT−1004A、固形分濃度43%、日本ゼオン社製)8部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA124、重合度2400、鹸化度98.5%、クラレ社製)の15%水溶液60部、更にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)の10%水溶液1部、及び水90部を均一に混合攪拌して、25℃、60rpmでのB型粘度600mPa・sの下塗り層用塗液を得た。また、25℃、白金プレート法で測定された下塗り層用塗液の静的表面張力は32.0mN/mであった。
(ロイコ染料/増感剤分散液(A液)調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン25部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、スルホン変性ポリビニルアルコールの20%水溶液25部、及び水30部からなる組成物を、サンドミルで平均粒子径が0.9μmになるまで粉砕してロイコ染料/増感剤分散液(A液)を得た。
(顕色剤分散液(B液)調製)
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45部、スルホン変性ポリビニルアルコールの20%水溶液25部、及び水30部からなる組成物を、サンドミルで平均粒子径が1.5μmになるまで粉砕して顕色剤分散液(B液)を得た。
(感熱記録層用塗液の調製)
A液60部、B液70部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石化学工業社製)の60%水分散液10部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH42、昭和電工社製)の60%水分散液15部、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン2200、奥多摩工業社製)の60%水分散液10部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−124、重合度2400、鹸化度98.5mol%、クラレ社製)の15%水溶液60部、ステアリン酸亜鉛の30%水分散液30部、更にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)の10%水溶液10部、及び水90部を順次添加、混合攪拌して25℃、60rpmでのB型粘度500mPa・sの感熱記録層用塗液を得た。また、25℃、白金プレート法で測定された感熱記録層用塗液の静的表面張力は29.0mN/mであった。
(感熱記録材料の作製)
坪量60g/m2の上質紙の片面に、アンカー層用塗液、下塗り層用塗液をスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、支持体側からアンカー層用塗液、下塗り層用塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗布量がアンカー層1.0g/m、下塗り層7.0g/mとなるように、塗工速度600m/分にて同時多層カーテン塗布、乾燥してアンカー層、下塗り層を形成した。次いでその上に、感熱記録層用塗液を固形分塗布量が3.0g/mとなるようにロッドブレードコーターにて塗布、乾燥して感熱記録層を形成した後、スーパーカレンダー処理を行い、感熱記録材料を得た。
実施例2
実施例1のアンカー層用塗液の調製において、焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、前出)70部を10部に、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、前出)50部を200部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例3
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、前出)90部をタルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学社製、吸油量50ml/100g)90部に変更して下塗り層用塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例4
実施例1のアンカー層用塗液の調製において、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、前出)50部をプラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:ローペイクHP−91、ローム&ハース社製、固形分濃度27.5%、中空率50%、平均粒子径1.0μm)25部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録材料の作製において、感熱記録層用塗液を固形分塗布量が3.0g/mとなるようにロッドブレードコーターにて塗布、乾燥して感熱記録層を形成せず、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、支持体側からアンカー層用塗液、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗布量がアンカー層1.0g/m、下塗り層7.0g/m、感熱記録層3.0g/mとなるように、塗工速度600m/分にて同時多層カーテン塗布、乾燥した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例6
(保護層用塗液の調製)
カオリン(1級カオリン、商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の50%水分散液50部に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ―410、重合度2400、日本合成化学社製)の10%水溶液600部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)25部、更にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、前出)の5%水溶液20部を混合攪拌して保護層用塗液を得た。なお、25℃、白金プレート法で測定された保護層用塗液の静的表面張力は32.0mN/mであった。
(感熱記録材料の作製)
坪量60g/m2の上質紙の片面に、実施例1のアンカー層用塗液、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液及び上記保護層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、支持体側からアンカー層用塗液、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液及び保護層用塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗布量がアンカー層1.0g/m、下塗り層7.0g/m、感熱記録層3.0g/m、保護層2.5g/mとなるように、塗工速度600m/分にて同時多層カーテン塗布、乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、感熱記録材料を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録材料の作製において、多層カーテンコーターの代わりに、単層カーテンコーターを用いて、アンカー層用塗液を塗布後に乾燥をおこない、アンカー層を形成したのち、さらに下塗り層用塗液を塗布後に乾燥をおこない、下塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録材料の作製において、下塗り層用塗液を使用せず、さらに感熱記録層用塗液を固形分塗布量が3.0g/mとなるようにロッドブレードコーターにて塗布、乾燥して感熱記録層を形成せず、アンカー層用塗液、感熱記録層用塗液をそれぞれ固形分塗布量がアンカー層8.0g/m、感熱記録層3.0g/mとなるように、塗工速度600m/分にて同時多層カーテン塗布、乾燥した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例3
実施例1のアンカー層用塗液の調製において、焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、前出)70部、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、前出)50部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント−15、前出)10部、をプラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、前出)360部に変更した以外は、比較例2と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例4
実施例1のアンカー層用塗液の調製において、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、前出)を使用せず、焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、前出)を70部から85部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
得られた感熱記録材料について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
(記録感度)
感熱記録用シミュレーター(TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dotにて記録し、ベタ記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。記録部については、実用上、1.20以上であることが必要とされる。
(印字画質)
上記のベタ記録部の印字画質を目視評価した。
◎:抜けがなく画質が極めて優れている。
○:抜けが若干見られるが、画質は良好。
△:抜けが見られるが実用レベル。
×:抜けが著しく多く見られ、画質は悪く実用上問題である。
(印刷適性)
得られた各感熱記録材料をピック強度評価用インキ〔TOKA プリンティングイン スーパーデラックス T=13〕を用いて、RIテスター(明製作所製)で印刷、表面強度を評価した。
◎:印刷表面の剥がれがない。
○:印刷表面の剥がれが僅かに見られる。
△:印刷表面の剥がれがところどころで見られが実用レベル。
×:印刷表面全面が剥がれ、実用上問題である。
Figure 2011255554

Claims (7)

  1. 支持体上に、プラスチック中空粒子を含有するアンカー層、吸油量(JIS K 5101)40〜120ml/100gの吸油性顔料を含有する下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を順次有する感熱記録材料の製造方法であって、前記アンカー層と下塗り層が、アンカー層用塗液と下塗り層用塗液を同時多層カーテン塗布法により塗布、乾燥して形成されたことを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
  2. 前記プラスチック中空粒子が、アンカー層の全固形分に対して5〜75質量%含有される、請求項1に記載の感熱記録材料の製造方法。
  3. 前記下塗り層において、前記プラスチック中空粒子の含有量が7.5g/m以下である、請求項1または2に記載の感熱記録材料の製造方法。
  4. 前記プラスチック中空粒子の中空率が50〜90%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録材料の製造方法。
  5. 前記下塗り層の吸油性顔料が焼成カオリンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録材料の製造方法。
  6. 前記アンカー層と下塗り層の合計塗工量が5〜15g/mである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録材料の製造方法。
  7. 前記感熱記録層が、感熱記録層用塗液をアンカー層用塗液及び下塗り層用塗液と共に同時多層カーテン塗布法により塗布、乾燥して形成された、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱記録材料の製造方法。
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