JP4439649B2 - 内燃機関用オイルポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はドライサンプ式潤滑構造を備えた内燃機関に使用するオイルポンプに係り、特に小型・軽量かつ大容量化を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
フィードポンプとスカベンジポンプを備えるドライサンプ式内燃機関のオイルポンプは公知であり、例えば実開平1−179109号にはフィードポンプとスカベンジポンプを別々に設けたものが示されている。また、特開平2−9904号には、同様のフィードポンプとスカベンジポンプを別々に設けるとともに、フィードポンプの吐出側通路にリリーフバルブを設け、その排出口をスカベンジポンプの吐出側通路へ専用通路を介して連通させることが示されている。また、特開平8−74747号には、ポンプハウジングとアウターロータをアルミ系合金で構成し、インナーロータを鉄系燒結金属としたオイルポンプが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記各従来例のように、フィードポンプとスカベンジポンプを別々に設けるとそれだけ部品点数が増大し、装置全体が大型かつ重量化し、構造及び製造が複雑になる。また、バギー車のような荒れ地や傾斜の急な地面を走行する車両は、最低地上高を確保し、かつ低重心化を図るため、ドライサンプ式潤滑を採用することが有利であるが、この場合でも車体の傾きを考慮してオイルパンの構造を決定しなければならないため、設計上の制約が大きくなった。そのうえ、前記従来例のようにポンプハウジングとアウターロータをアルミ系合金で構成すれば、両部材の熱膨張の大きさが相違することに伴う不具合を解消できるが、インナーロータを鉄系燒結金属とすることにより、インナーロータとアウターロータ間における熱膨張の相違が依然として大きく、これによりポンプ性能向上の障害になるおそれがある。そのうえ、鉄系のインナーロータを使用するため、オイルポンプ全体が重量化してしまうことになる。そこで本願発明は、係る諸問題点の解決を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の内燃機関用オイルポンプに関する第1の発明は、内燃機関のクランク軸の軸線が車両前後方向に延びるように車両に搭載され、前記内燃機関のクランクケースは前ケースと後ケースとに前後で分割して形成され、オイルタンクから前記内燃機関の各潤滑部へオイルを供給するフィードポンプと、内燃機関のオイル溜りに溜まったオイルを前記オイルタンクへ戻すためのスカベンジポンプを備え、これらが一体に組立てられた内燃機関用オイルポンプにおいて.
前記フィードポンプとスカベンジポンプの各ロータを同一駆動軸上に並設するとともに、
前記スカベンジポンプはメインスカベンジポンプと前記メインスカベンジポンプより小さいサブスカベンジポンプの2つを設けるとともに、
前記前ケースと前記後ケースによってクランクケースの底部のうち前後方向中央部のオイル溜りを形成し、
前記後ケースの後面側にクランクケースの底部のうち前後方向後部のオイル溜りを形成し、
前記前後方向中央部のオイル溜りから前記メインスカベンジポンプがオイルを吸引し、
前記前後方向後部のオイル溜りから前記サブスカベンジポンプがオイルを吸引することを特徴とする。
【0005】
第2の発明は、請求項1に記載した発明において、前記フィードポンプとスカベンジポンプと前記フィードポンプの吐出側通路に臨むリリーフバルブを共通のポンプハウジング中に設けるとともに、リリーフバルブの排出口を前記スカベンジボンブの吐出側通路へ連通させ、この連通路をポンプハウジング中に設けたことを特徴とする。
【0006】
第3の発明は、請求項1に記載した発明において、前起フィードボンブ及びスカベンジポンプがそれぞれポンプハウジング側へ固定されたアウターロータとその内側を転動するインナーロータを備えるとともに、これらポンプハウジング、アウターロータ及びインナーロータをアルミ系合金で構成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
第1の発明によれば、フィードポンプと複数のスカベンジポンプの各ロータが同一軸上に並べて設けたので、同一駆動軸上に3個以上のロータが設けられることになり、ポンプ全体として大容量化するとともに、部品点数を削減し、小型、軽量化を実現でき、さらに構造の簡単化及び製造を簡単にできる。そのうえ、スカベンジポンプを複数設け、各スカベンジポンプが、複数ヶ所に設けられた異なるオイル溜まりからそれぞれ別々にオイル吸い上げが可能になり、車体姿勢の変化に対応してそれぞれがいずれかのオイル溜まりから常時オイルを吸い上げることができるため安定した潤滑ができ、車体姿勢の変化に対応し易くなる。また、オイルパン等のオイル溜まり部分に関する設計が容易になる。
【0008】
第2の発明によれば、フィードポンプとスカベンジポンプを一体にすることにより、共通のポンプハウジング内にてリリーフバルブの排出口をスカベンジポンプの吐出側通路へ直接連通できるので、配管が不要となり構造が簡単になる。
【0009】
第3の発明によれば、ポンプハウジング、アウターロータ及びインナーロータをそれぞれアルミ系合金で構成したので、それぞれの熱膨張係数をほぼ等しくできる。その結果、ポンプハウジングとアウターロータの間及びアウターロータとインナーロータの間に、それぞれ熱膨張の相違に基づく大きなクリアランスを設ける必要がなくなった。このため、ポンプ性能の向上を図ることができ、かつオイルポンプ全体の軽量化を実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて4輪バギー車に適用された一実施例を説明する。図1は実施例に係るオイルポンプの断面図、図2は実施例の適用された4輪バギー車の車体要部側面図、図3は潤滑系統図、図4はオイルポンプ及びそのオイル通路構造を示す断面図である。
【0011】
まず図2により4輪バギー車の全体構造を概説する。この4輪バギー車は、車体フレーム1の前後へそれぞれ左右一対づつの前輪2及び後輪3を備え、車体フレーム1の中央部にエンジンと変速機を一体に備えたパワーユニット4が支持されている。パワーユニット4はクランク軸5を車体の前後方向へ向けて配置する縦置き形式である。
【0012】
この4輪バギー車は4輪駆動式であり、パワーユニット4の下部にクランク軸5と平行に設けられている出力軸6により、前輪プロペラ軸7を介して前輪2を駆動し、後輪プロペラ軸8を介して後輪3を駆動する。
【0013】
パワーユニット4を構成するクランクケース10の前側は前ケースカバー11で覆われ、後部側は後ケースカバー12で覆われ、これらでパワーユニットケースを構成している。クランクケース10はさらに前ケース10aと後ケース10bとに前後へ分割されている。また、クランクケース10の上部にはシリンダブロック13、シリンダヘッド14及びシリンダヘッドカバー15が取付けられ、シリンダヘッド14の吸気口へは気化器16が接続され、さらにこの気化器16には後方からエアクリーナー17が接続されている。シリンダヘッド14の排気口には排気管18が接続されている。
【0014】
パワーユニット4の前方にはオイルクーラー20が配置され、送り側ホース21を介してクランクケース10に設けられたオイルポンプと通じ、戻り側ホース22を介してクランクケース10内に設けられたオイルポンプと通じている。図中の符号23は冷却ファン、24はハンドル、25は燃料タンク、26は鞍乗り型シートである。
【0015】
次に、このパワーユニット4におけるドライサンプ式潤滑系統を説明する。図4に示すように、このパワーユニット4に設けられるオイルポンプ30は、1つのフィードポンプ31と、2つのスカベンジポンプ、すなわちメインスカベンジポンプ32とサブスカベンジポンプ33を有する。
【0016】
フィードポンプ31はオイルタンク34からストレーナ35を介してオイルを吸引し、オイルフィルター36へ吐出する。オイルフィルター36から吐出されたオイルは、エンジン各部の潤滑部へ送られて潤滑する。
【0017】
潤滑後のオイルは、オイルパンもしくはクランクケース10の底部等のオイル溜まり37,38へ滴下して溜まる。オイル溜まり37,38は、高さやクランクケース10内の前後・左右への配置等が異なるように設けられ、車体姿勢がどのように変化してもいずれかのスカベンジポンプからオイルを吸引できるように設定されている。
【0018】
これらのオイル溜まり37,38に溜まったオイルは、メインスカベンジポンプ32、サブスカベンジポンプ33によりそれぞれストレーナ39,40を介して吸引され、それぞれの吐出側より送り側ホース21を介してオイルタンク20へ送られ、ここで冷却されたオイルは戻り側ホース22を介して再びオイルタンク34へ戻される。オイルタンクはパワーユニット4の外部へ設けても内蔵してもよい。
【0019】
なお、フィードポンプ31の吐出側通路とメインスカベンジポンプ32及びサブスカベンジポンプ33の吐出側通路の間にリリーフバルブ41が設けられ、フィードポンプ31の吐出側通路内における油圧が所定のリリーフ圧を越えたとき、リリーフバルブ41を開いて過剰分を逃がし、メインスカベンジポンプ32及びサブスカベンジポンプ33からの吐出オイルと合わせてオイルタンク20へ送るようになっている。
【0020】
次に、オイルポンプについて説明する。図1及び図4に示すように、オイルポンプ30はクランクケース10の前ケース10aと後ケース10bの間に設けられ、クランクケース10へ内蔵されている。オイルポンプ30は一体化されているフィードポンプ31、サブスカベンジポンプ33及びメインスカベンジポンプ32が、図示しないチェーンを介してクランク軸と同期回転するスプロケット42を一端に設けた駆動軸43により一緒に駆動されるようになている。
【0021】
すなわち、駆動軸43上にフィードポンプロータ44、サブスカベンジポンプロータ45、メインスカベンジポンプロータ46が軸方向へ並べてそれぞれが一体回転可能に取付けられた。3ロータ並設構造をなし、各ロータ部分は独立したポンプ室に設けられた個別ポンプを構成し、これらの個別ポンプがフィードポンプ31、サブスカベンジポンプ33及びメインスカベンジポンプ32をそれぞれ構成する。
【0022】
オイルポンプ30のポンプハウジングは駆動軸43の軸直交方向へ4分割された第1ブロック47、第2ブロック48、第3ブロック49及び第4ブロック50からなるそれぞれアルミ系合金の鋳造品であり、通しボルト51で相互に連結一体化されている。第3ブロック49はサブスカベンジポンプ33とメインスカベンジポンプ32の仕切壁を兼ねている。また、第2ブロック48及び第4ブロック50に形成された各ポンプ室に臨む内壁面に直接トコロイド形状等の内歯が設けられ、これらの部分が各ポンプのアウターロータ31a、33a、32aをなしている。
【0023】
一方、フィードポンプロータ44、サブスカベンジポンプロータ45、メインスカベンジポンプロータ46は、それぞれアルミ系燒結金属製であり、同様に外周側へトコロイド形状等の外歯が設けられて対応するアウターロータ31a、33a、32aの内側を転動するように噛み合わされるインナーロータをなし、これらアウターロータとインナーロータの組み合わせにより、ギヤポンプ式の、フィードポンプ31、サブスカベンジポンプ33及びメインスカベンジポンプ32を構成する。
【0024】
サブスカベンジポンプ33はオイル溜まり38上に溜まったオイルをその上方に設けられストレーナ40から後ケース10b中に形成されたサブスカベンジポンプ吸入口52を介して第4ブロック50に形成されたサブ通路53及びこれに連通するよう第2ブロック48と第3ブロック49の間に形成されたサブ通路54より吸入し、第2ブロック48に形成したサブスカベンジポンプ吐出口55へ吐出する。
【0025】
メインスカベンジポンプ32はオイル溜まり38よりも低いクランクケース28の中央底部のオイル溜まり37上に溜まったオイルをストレーナ39から吸い上げ、後ケース10bに設けられたメインスカベンジポンプ吸入口56より第4ブロック50に形成されたメイン通路57から吸引し、第4ブロック50に形成されたメインスカベンジポンプ吐出口58へ吐出する。
【0026】
サブスカベンジポンプ吐出口55とメインスカベンジポンプ吐出口58はそれぞれ集合吐出通路59と連通し、各スカベンジポンプから吐出されたオイルは、この集合吐出通路59を経て前ケース10a側に形成されたスカベンジポンプ吐出通路60へ送られ、さらに送り側ホース21を介してオイルタンク20へ送り出される。
【0027】
フィードポンプ31は前ケース10aのオイル入り口(図示せず)から第1ブロック47及び第2ブロック48間に形成されたフィードポンプ吸入口61から吸引し、第1ブロック47及び第2ブロック48に設けられ、フィードポンプ吐出口62及びこれに連通して前ケース10aに設けられたオイルフィルタ連通路63を経てオイルフィルター36へ送られる。
【0028】
なお、図1に明らかなように、オイルポンプ30の上部には、フィードポンプ吐出口62と連通するリリーフ室64が第1ブロック47から第4ブロック50にかけて形成され、その中間部である第2ブロック48部分は狭い通路である小径筒部65をなし、この小径筒部65内をリリーフバルブ41が駆動軸43と平行する方向へ液密に摺動自在となっている。
【0029】
リリーフバルブ41は筒状をなし、その中間部にフランジ66が設けられ、リリーフスプリング67に付勢されて小径筒部65の一端部であるシート部68へ押し当てられている。リリーフバルブ41のフランジ66よりフィードポンプ吐出口62側部分に貫通口69が設けられている。但し、この貫通口69は、フランジ66がシート部68へ押し当てられている限り、小径筒部65の内壁によって塞がれリリーフバルブ41内のオイルを貫通口69から逃がさないようになっている。
【0030】
リリーフバルブ41のフランジ66が設けられた中間部はリリーフバルブ41内を左右に区画する隔壁70が設けられ、ここにパイロット穴71が左右を連通して形成されている。またリリーフバルブ41のフィードポンプ吐出口62と反対側端部はリリーフスプリング67の一端に対するバネ受けを兼ねたガイド72の外周にはまり、リリーフバルブ41の図右側端部の開口部はガイド72により閉じられている。
【0031】
フィードポンプ吐出口62へ吐出されるオイルの油圧がリリーフ圧すなわちリリーフスプリング67のセット荷重に打ち勝つと、リリーフバルブ41がリリーフスプリング67を圧縮する方向へ移動し、フランジ66がシート部68から離座し、やがて貫通口69が小径筒部65から抜け出すと第4ブロック50側のリリーフ室64へ連通し、フィードポンプ吐出口62側からリリーフ室64へオイルの一部を逃がすことによりフィードポンプ31の吐出圧を一定レベルに下げる。
【0032】
リリーフ室64はその端部の排出口73がメインスカベンジポンプ吐出口58へ直接連通しており、リリーフ室64へ逃がされたオイルはメインスカベンジポンプ吐出口58へ戻されて、さらに集合吐出通路59においてサブスカベンジポンプ吐出口55及びメインスカベンジポンプ吐出口58からの吐出オイルと一緒になってオイルタンク20側へ送られる。これらの排出口73、メインスカベンジポンプ吐出口58及びサブスカベンジポンプ吐出口55及び集合吐出通路59はいずれも、オイルポンプ30のハウジングとしての意味で一体である部材中に直接形成された通路である。
【0033】
なお、リリーフ室64はその端部の排出口73がメインスカベンジポンプ吐出口58へ直接連通しており、リリーフ室64へ逃がされたオイルはメインスカベンジポンプ吐出口58へ戻されて、さらに集合吐出通路59においてサブスカベンジポンプ吐出口55及びメインスカベンジポンプ吐出口58からの吐出オイルと一緒になってオイルタンク20側へ送られる。これらの排出口73、メインスカベンジポンプ吐出口58及びサブスカベンジポンプ吐出口55及び集合吐出通路59はいずれも、オイルポンプ30ハウジングとしての意味で一体である部材中に直接形成された通路である。
【0034】
次に、本実施例の作用を説明する。図1に示すように、オイルポンプ30は共通軸である駆動軸43上に3つのロータ、すなわちフィードポンプロータ44、サブスカベンジポンプロータ45及びメインスカベンジポンプロータ46を並設することにより、3つのポンプ、すなわちフィードポンプ31、サブスカベンジポンプ33及びメインスカベンジポンプ32を一体化している。
【0035】
したがって、これら3つのポンプを別々に設ける場合と比べて、部品点数を削減し、配管を省略することができ、かつクランクケース10内における配置を集合できるので必要配置スペースを少なくできることにより、スカベンジポンプを大容量化できる。しかもその大容量の割合には全体を小型かつ軽量化し、オイルポンプ30の構造を簡単にして製造を容易にする。
【0036】
また、2つのメインスカベンジポンプ32とサブスカベンジポンプ33を設けることにより、クランクケース10の底部のうち前後方向中央部のオイル溜まり37と後部のオイル溜まり38とに異なる位置から別々にオイルを吸い上げるので、車体姿勢の変化に対応して各部いずれかのオイル溜まり37,38から常時オイルを吸い上げでき、安定した潤滑ができる。
【0037】
特に、オイル溜まり38からサブスカベンジポンプ33でオイルを吸い上げたので、急坂登坂時などの車体前部が上がった状態でも効果的に潤滑できる。したがって、クランクケース10の底部に対する設計の自由度が高くなり、クランクケース10の底部に対する必要な最低地上高を維持しつつ低重心化を図ることが容易になる。したがって、ドライサンプ式潤滑構造を採用した4輪バギー車などの不整地走行車両に好適なとなる。
【0038】
また、リリーフバルブ41の排出口73をメインスカベンジポンプ吐出口58と同一の第4ブロック50中にて直接連通接続させて形成できるので、配管の必要がなくなり構造を簡単化できる。
【0039】
さらに、アルミ系合金の鋳造品であり、ポンプハウジングを構成する第2ブロック48及び第4ブロック50にアウターロータ31a、33a、32aを一体に形成し、一方、インナーロータであるフィードポンプロータ44、サブスカベンジポンプロータ45及びメインスカベンジポンプロータ46をそれぞれアルミ系燒結金属製としたので、アウターロータ31a、33a、32aと対応するインナーロータ(44,45,46)をそれぞれほぼ同じ熱膨張係数にできる。その結果、これらのアウターロータとインナーロータ間における熱膨張の差が少なくなり、従来例のような熱膨張の大きな相違に基づく必要以上に大きなクリアランスを両部材間に設けなくても済むため、オイルポンプの性能を向上できる。しかも、ポンプハウジング(47〜50)及びこれと一体のアウターロータ31a、33a、32aのみならずインナーロータ(44,45,46)もアルミ系材料で構成したから、オイルポンプ30全体のさらなる軽量化を実現できる。
【0040】
なお、本願発明は上記実施例に限定
されず、種々に応用・変形が可能であり、例えばフィードポンプ31側を複数ロータにすることができ、さらにはフィードポンプ及びスカベンジポンプ双方を複数づつ設けることができる。そのうえ、ポンプハウジングの一部である第2ブロック48及び第4ブロック50に対してアウターロータ31a、33a、32aをそれぞれ別体にすることもでき、この場合でも各アウターロータ31a、33a、32aをそれぞれアルミ系燒結金属製等のアルミ系材料にすれば熱膨張係数の略一致及び軽量化の実現を期待できる。
また、ドライサンプ式であれば、4輪バギー車に限らず他の車両に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るオイルポンプの断面図
【図2】実施例の適用された4輪バギー車の車体要部側面図
【図3】潤滑系統図
【図4】オイルポンプ及びそのオイル通路構造を示す断面図
【符号の説明】
4:パワーユニット、20:オイルタンク、10:クランクケース、30:オイルポンプ、31:フィードポンプ、31a:アウターロータ、32:メインスカベンジポンプ、32a:アウターロータ、33:サブスカベンジポンプ、33a:アウターロータ、38:オイル溜まり、37:オイル溜まり、41:リリーフバルブ、43:駆動軸、44:フィードポンプロータ(インナーロータ)、45:サブスカベンジポンプロータ(インナーロータ)、46:メインスカベンジポンプロータ(インナーロータ)、56:メインスカベンジポンプ吸入口、55:サブスカベンジポンプ吐出口、58:メインスカベンジポンプ吐出口、57:メイン通路、61:フィードポンプ吸入口、62:フィードポンプ吐出口、73:排出口
Claims (3)
- 内燃機関のクランク軸の軸線が車両前後方向に延びるように車両に搭載され、前記内燃機関のクランクケースは前ケースと後ケースとに前後で分割して形成され、オイルタンクから前記内燃機関の各潤滑部へオイルを供給するフィードポンプと、内燃機関のオイル溜りに溜まったオイルを前記オイルタンクへ戻すためのスカベンジポンプを備え、これらが一体に組立てられた内燃機関用オイルポンプにおいて、
前記フィードポンプとスカベンジポンプの各ロータを同一駆動軸上に並設するとともに、
前記スカベンジポンプはメインスカベンジポンプと前記メインスカベンジポンプより小さいサブスカベンジポンプの2つを設けるとともに、
前記前ケースと前記後ケースによってクランクケースの底部のうち前後方向中央部のオイル溜りを形成し、
前記後ケースの後面側にクランクケースの底部のうち前後方向後部のオイル溜りを形成し、
前記前後方向中央部のオイル溜りから前記メインスカベンジポンプがオイルを吸引し、
前記後部のオイル溜りから前記サブスカベンジポンプがオイルを吸引することを特徴とする内燃機関用オイルポンプ。 - 前記フィードポンプとスカベンジポンプと前記フィードポンプの吐出側通路に臨むリリーフバルブを共通のポンプハウジング中に設けるとともに、リリーフバルブの排出口を前記スカベンジボンブの吐出側通路へ連通させ、この連通路をポンプハウジング中に設けたことを特徴とする請求項1に記載した内燃機関用オイルポンプ。
- 前記フィードボンブ及びスカベンジポンプがそれぞれポンプハウジング側へ固定されたアウターロータとその内側を転動するインナーロータを備えるとともに、これらポンプハウジング、アウターロータ及びインナーロータをアルミ系合金で構成したことを特徴とする請求項1に記載した内燃機関用オイルポンプ。
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