JP4140263B2 - 自動二輪車のパワーユニット - Google Patents

自動二輪車のパワーユニット Download PDF

Info

Publication number
JP4140263B2
JP4140263B2 JP2002113378A JP2002113378A JP4140263B2 JP 4140263 B2 JP4140263 B2 JP 4140263B2 JP 2002113378 A JP2002113378 A JP 2002113378A JP 2002113378 A JP2002113378 A JP 2002113378A JP 4140263 B2 JP4140263 B2 JP 4140263B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
crankcase
power unit
gear
automatic transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002113378A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003306191A (ja
Inventor
英俊 荒川
大治郎 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2002113378A priority Critical patent/JP4140263B2/ja
Publication of JP2003306191A publication Critical patent/JP2003306191A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4140263B2 publication Critical patent/JP4140263B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Of Transmissions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車のパワーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばスクータ型自動二輪車等のパワーユニットはエンジンから駆動輪である後輪へエンジンの駆動力を伝達する手段を備えている。具体例としては、例えば特開2001−334985号公報に示すように、クランク軸の回転駆動力がカウンタ軸を介してベルト式変速装置へ伝達され、さらにその出力がベベル入出力軸、プロペラ(ドライブ)シャフトおよび発進クラッチを介して後輪に伝達されるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、運転者が急加速や急減速を行うと上述した駆動力伝達系統の各機器間で振動が発生し、加減速がギクシャクしたり騒音を発生したりと、好ましいものではない。
【0004】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、加減速時における駆動力伝達系統の振動を吸収でき、スムーズな駆動力の伝達を可能にした自動二輪車のパワーユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動二輪車のパワーユニットは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、クランクケースの後方にクランクシャフトと平行のカウンタシャフトを配置すると共に、クランクケースの後方にVベルト式自動変速装置を備え、上記カウンタシャフトに上記Vベルト式自動変速装置の入力軸を接続する一方、後輪に駆動力を伝える伝動装置を上記Vベルト式自動変速装置の下流に二次出力シャフトを介して連結した自動二輪車のパワーユニットにおいて、上記Vベルト式自動変速装置の出力側の突出端にクラッチシャフトを介してクラッチ機構を取付けると共に、上記クラッチ機構の出力側と前記二次出力シャフトとの間に減速ギヤトレーンを設ける一方、上記クランクシャフトに設けられるギヤに常時作動連結される他のギヤを上記カウンタシャフトに設け、このカウンタシャフト上に緩衝装置を設けると共に、上記Vベルト式自動変速装置の出力側で、且つ上記伝動装置の上流に他の緩衝装置を設けたものである。
【0008】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記他の緩衝装置をバネによって付勢されたカム機構を備えたメカニカルダンパで構成すると共に、上記クランクケース内に配置された減速ギヤトレーンの最終ギヤである入力ギヤを上記メカニカルダンパを介して二次出力シャフトに取り付け、且つ上記メカニカルダンパと入力ギヤを二次出力シャフトに同軸上に設けたものである。
【0010】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記変速装置の出力側と上記クラッチ機構の入力軸とを嵌合させ、この嵌合部の近傍を上記クランクケース内で軸支したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、この発明を適用したスクータ型の自動二輪車の一例を示す左側面図である。図1に示すように、この自動二輪車1は車体フレーム2を有し、この車体フレーム2の前端にはヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には前輪4を回動自在に支持するフロントフォーク5やハンドルバー6等が設けられ、このハンドルバー6により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
【0014】
車体フレーム2の中央下部にはパワーユニット7が搭載される。また、パワーユニット7後部には伝達ユニット8が配置され、この伝達ユニット8の前部がパワーユニット7後部に枢着される。この伝達ユニット8はスイングアーム方式の後輪懸架装置を兼ねており、ショックアブソーバ9により車体に弾性的に且つ揺動可能に支持される。そして、伝達ユニット8の後端に駆動輪である後輪10が保持される。
【0015】
後輪10の上方には図示しないヘルメットや荷物、工具等の収納容器である物品収納室11が設けられる。また、物品収納室11の上方にはこの物品収納室11の蓋を兼ねた乗員着座用の運転シート12が開閉自在に設置される。さらに、運転シート12の前下部とパワーユニット7後上部との間には燃料タンク13が配置される。そして、車体フレーム2はその廻りを例えば合成樹脂成形品である車体カバー14により覆われる。
【0016】
ヘッドパイプ3と運転シート12前部との間の車体フレーム2および車体カバー14は下方に大きく略U字状に湾曲して車体の幅方向に延びる足通し空間を形成し、その底部の左右に運転者が足を載せる低床の、具体的には車体フレーム2の上側フレーム2aと下側フレーム2bとの間に位置するライダ用フットレストフロア15が形成される。また、この左右のライダ用フットレストフロア15の後方には同乗者が足を載せるピリオンライダ用フットレストフロア16が形成される。さらに、ライダ用フットレストフロア15の中央部には前後に延びて上方に突出するトンネル形状部17が形成される。
【0017】
図2は、パワーユニット7および伝達ユニット8の拡大左側面図である。また、図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。さらに、図4は図3のパワーユニット7部分を拡大した図である。図2〜図4に示すように、パワーユニット7は動力発生部であるエンジン18やクラッチ機構19、ミッション機構20を内装したクランクケース21と、Vベルト式自動変速装置22を内装した変速機ケース23とから構成される。また、エンジン18は、主にクランクケース21の前部と、クランクケース21の前部に略水平に配置されたシリンダアッセンブリ24とから構成され、クランクケース21は複数のエンジン取付部25を介して車体フレーム2に固定される。
【0018】
また、この自動二輪車1に搭載されるエンジン18は水冷式であって、前輪4とエンジン18との間の車体カバー14内にエンジン冷却用の冷却水を冷却するラジエター26が配置される。
【0019】
シリンダアッセンブリ24の前側に設けられるシリンダヘッド27の上部には図示しない吸気管が接続される。一方、シリンダヘッド27の下部には排気管28の基端部が接続される。そして、排気管28はパワーユニット7の下部に導かれて後方に向かって延設され、その下流端にマフラ29が接続される。なお、本実施形態においてマフラ29は車体の進行方向に向かって右側に配置される。
【0020】
本実施形態に用いられるエンジン18はクランクケース21内を車幅方向に延びる一本のクランクシャフト30を共有する二本のシリンダ(図示せず)が左右に並設されたいわゆる並列二気筒エンジンである。
【0021】
クランクケース21は、例えばダイキャスト製法等によって成型され、図3および図4に示すように、前後に延びる車両の進行方向軸線31と平行な割り面32を備えて車両の幅方向左右に分割可能に構成される。また、クランクケース21は前方から後方に向かって前部クランクケース21A、中部クランクケース21Bおよび後部クランクケース21Cに三分割される。
【0022】
前部クランクケース21Aはその内部にクランク室33が形成され、このクランク室33内に上述したクランクシャフト30が、その両端が軸支されて配置される。また、左側クランクケース21Lの前外側には環状の壁部34が車両の幅方向外側に向かって形成され、この壁部34によって形成される開口部分がオルタネータカバー35に覆われることによってその内部にマグネト室36を形成する。クランクシャフト30の左端はこのマグネト室36内に突出し、その突出端にはオルタネータ99(発電装置)が取り付けられる。
【0023】
クランク室33内におけるクランクシャフト30の一側、本実施形態においては左側にはプライマリドライブギヤ37が設けられる。また、クランクシャフト30の他側にはスタータドリブンギヤ38およびスタータクラッチ39が配置され、スタータドリブンギヤ38はクランクケース21の前上方に配置された(図2参照)スタータモータ40にスタータアイドルギヤ41を介して作動連結される。
【0024】
さらに、クランクシャフト30の上方および下方にはそれぞれバランサ装置を構成するバランサシャフト42がクランクシャフト30と平行に配置され、プライマリドライブギヤ37とスタータドリブンギヤ38との間に配置されたバランサドライブギヤ43とバランサシャフト42に設けられたバランサドリブンギヤ44とを作動連結させることによりバランサシャフト42が回転駆動される。なお、下側のバランサ装置は図示しないが、基本的に上側のバランサ装置と同一の構造を有する。
【0025】
プライマリドライブギヤ37後方に位置する前部クランクケース21Aの左後部は後方に向かって延設されてクランク室33を平面視略L字形状に形成すると共に、この延設部21aの内部にカウンタシャフト45がクランクシャフト30と平行に配置され、軸支される。
【0026】
カウンタシャフト45上には緩衝装置である例えば公知のプライマリダンパ46を介してプライマリドリブンギヤ47が設けられて一次減速装置を構成する。そして、このプライマリドリブンギヤ47がクランクシャフト30に設けられたプライマリドライブギヤ37に常時作動連結されてクランクシャフト30の回転がカウンタシャフト45に伝達される。さらに、本実施形態において、プライマリダンパ46はカウンタシャフト45とプライマリドリブンギヤ47との間に配置され、カウンタシャフト45とプライマリドリブンギヤ47との間の急激な回転およびトルクの変動、すなわち振動を吸収する。
【0027】
前部クランクケース21Aの延設部21aおよびその後方に位置する中部クランクケース21Bの右側方には変速機ケース23が配置され、その内部に上記Vベルト式自動変速装置22が配置される。この変速装置22は、ドライブプーリ48を備えた変速装置22の入力軸であるドライブシャフト49と、ドリブンプーリ50を備えた変速装置22の出力軸であるドリブンシャフト51とを有し、ドライブシャフト49はクランクシャフト30の後方で、カウンタシャフト45と車体の幅方向に対向した位置にこのカウンタシャフト45と同軸上に配置されると共に、このドライブシャフト49の後方にドリブンシャフト51がドライブシャフト49と平行に配置される。
【0028】
ドライブシャフト49のカウンタシャフト45に対向した端部、本実施形態においては左端部、はカウンタシャフト45に例えばスプライン連結される。また、ドライブプーリとドリブンプーリ50との間にはVベルト52が張架され、このVベルト52を介してドリブンプーリ50からドリブンシャフト51にエンジン18の回転駆動力が伝達される。そして、ドリブンシャフト51の左端は中部クランクケース21B内に向かって突出する。
【0029】
中部クランクケース21Bおよびその後方に配置される後部クランクケース21Cはその内部にミッション室53(中部クランクケース21B内の前部ミッション室53Aおよび後部クランクケース21C内の後部ミッション室53B)を備える。また、左側クランクケース21Lの中部外側には環状の壁部54が車両の幅方向外側に向かって形成され、この壁部54によって形成される開口部分がクラッチカバー55に覆われることによってその内部にクラッチ室56を形成する。
【0030】
上記ドリブンシャフト51の左端、すなわちドリブンプーリ50の出力側はこのクラッチ室56に向かって前部ミッション室53A内を延び、その突出端には同軸上に配置されるクラッチ機構19の入力軸である内側クラッチシャフト57Aおよびクラッチ機構19の出力軸である外側クラッチシャフト57Bを介して湿式多板遠心クラッチ機構19が取り付けられる。
【0031】
内側クラッチシャフト57Aは、中部クランクケース21B内の前部ミッション室53A内にてドリブンシャフト51の左端に嵌合され、この嵌合部の近傍が例えばベアリング66によって中部クランクケース21B内で軸支されると共に、この嵌合部近傍の外周を覆う外側クラッチシャフト57Bの嵌合部近傍には出力ギヤ59が設けられる。
【0032】
後部クランクケース21C内の後部ミッション室53Bにはミッション機構20を構成する最終減速装置の入力軸である二次出力シャフト58が設けられる。二次出力シャフト58はドリブンシャフト51と平行に配置され、両シャフト51,58は外側クラッチシャフト57Bに設けられた出力ギヤ59、この出力ギヤ59に常時噛合った他のミッション機構20を構成する複数(本実施形態においては前後に二個)の減速ギヤ60a,60bを備えた固定比の減速ギヤトレーン60(前部ミッション室53Aおよび後部ミッション室53B内に配置)、および他のミッション機構20を構成する二次出力シャフト58の入力ギヤ61を介して連結される。そして、変速装置22によって変速され、さらにクラッチ機構19によって断続されたエンジン18の回転駆動力が二次出力シャフト58に伝達される。
【0033】
入力ギヤ61は減速ギヤトレーン60の最終ギヤでもあり、緩衝装置である例えばメカニカルダンパ62を介して二次出力シャフト58に取り付けられる。また、メカニカルダンパ62は例えばバネ62aによって付勢されたカム機構62bを備える公知のものである。さらに、このメカニカルダンパ62と入力ギヤ61とは二次出力シャフト58に同軸上に設けられる。
【0034】
二次出力シャフト58に伝達されたエンジン18の回転駆動力は前記伝達ユニット8内に収納された、後輪10にパワーユニット7の駆動力を伝える伝動装置である定速ギヤトレーン63を構成する複数個の伝達ギヤ64,64…を介して後輪10のアクスルシャフト65に伝達される。
【0035】
エンジン18やミッション機構20等の動力系は多くの摺動部や回転部を有するため、潤滑装置69等を用いて各部に潤滑オイルを供給し、潤滑オイルの働きにより各部の摩擦抵抗を減らし、エンジン18の機能を充分に発揮させるようになっている。図5は、オルタネータカバー35およびクラッチカバー55を取り外した状態のクランクケース21の左側面図である。また、図6に本実施形態に示す動力系の潤滑装置69の構造を系統図で示す。なお、以下に述べる説明において各部材の位置関係はパワーユニット7を車両に搭載した状態での位置である。
【0036】
図5および図6に示すように、エンジン18の前部クランクケース21A下部には潤滑オイルを貯溜するオイルパン70が例えばクランクケース21と一体に設けられる。また、クラッチ室56下部には後述するリブ71によって潤滑オイルを貯溜可能としたオイル溜まり72が形成される。
【0037】
クランクシャフト30の例えば前方下部にはオイルパン70内の潤滑オイルを吸い上げてエンジン18内各潤滑部に圧送する第一オイルポンプ73が設けられる。この第一オイルポンプ73は例えば公知のトロコイドポンプであり、詳細に図示しないが前記下側のバランサ装置を構成するバランサシャフトによって回転駆動される。
【0038】
一方、前部クランクケース21A内にはオイルパン70から前方略上方に向かって延びるオイル汲み上げ通路74が形成される。このオイル汲み上げ通路74の上流端にはストレーナ75が設けられて常時オイルパン70内の潤滑オイル内に位置する。また、オイル汲み上げ通路74の下流端は上記第一オイルポンプ73の吸入口76に接続される。
【0039】
他方、クランクケース21内にはメインギャラリ77が形成され、このメインギャラリ77の下流端から例えばクランクシャフト30や図示しないカムシャフトの摺動面に向かってオイル供給路78が分岐して形成される。
【0040】
また、前部クランクケース21A内には図示しないピストンの周囲に潤滑オイルを供給するピストンジェット79が設けられ、このピストンジェット79はオイル供給路78から分岐したジェット通路80に接続される(図6参照)。
【0041】
さらに、メインギャラリ77の上流端は前部クランクケース21Aの前面下部に臨んで開口し、この開口部に潤滑オイル中の不純物等を濾過するオイルフィルタ81の出口が接続される。
【0042】
そして、オイルフィルタ81の入口には上記第一オイルポンプ73の吐出口82から延びるサブギャラリ83が接続されると共、このサブギャラリ83の途中からはリリーフ通路84が分岐してオイルパン70に向かって延設され、このリリーフ通路84の途中にリリーフバルブ85を設けることによりオイルフィルタ81より上流側のサブギャラリ83内の油圧(油量)制御を行う(図6参照)。
【0043】
なお、クランクシャフト30やカムシャフトの摺動面、ピストンの周囲を潤滑した潤滑オイルは前部クランクケース21Aの内部空間(クランク室33)を自然落下したり、オイル落とし通路(図示せず)等を経由したりしてオイルパン70に戻されるように構成される。
【0044】
一方、メインギャラリ77の下流端にはオイル分岐口86が形成されると共に、クラッチ室56を形成する壁部54の前下部にはオイル入口87が形成され、このオイル入口87とオイル分岐口86とがオイル供給パイプ88によって接続されてオイルパン70内の潤滑オイルが第一オイルポンプ73によってクラッチ室56に導かれる。
【0045】
クラッチ室56に導かれた潤滑オイルは、例えばクラッチカバー55に設けられたオイル通路100(図2および図4参照)を経てクラッチ機構19に導かれ、その各部を潤滑した後、クラッチ室56の内部空間を自然落下する。
【0046】
ところで、クラッチシャフト57後下方に配置される前側の減速ギヤ60a下方のクラッチ室56を形成する壁部54の底面には減速ギヤ60aの回転軌道に沿った形状のリブ71が一体に形成され、このリブ71によって形成されるオイル溜まり72にクラッチ室56の内部空間を落下してきた潤滑オイルの一部が一時的に貯溜される(残りはクラッチ室56の底部に落下して溜まる)。
【0047】
そして、このオイル溜まり72に溜まった潤滑オイルは減速ギヤ60aの回転によってクラッチ室56内に飛散されて減速ギヤ60a,60bおよびその周囲を潤滑する。また、壁部54の底面最低部にはオイル出口89が形成されると共に、リブ71の一部には例えば溝状の切欠90が設けられ、オイル溜まり72に溜まった潤滑オイルはこの切欠90からオイル出口89に向かって流出する。
【0048】
一方、図4および図5に示すように、クランクシャフト30とカウンタシャフト45との間の左側クランクケース21L内側には第二オイルポンプ92が設けられる。この第二オイルポンプ92も例えば公知のトロコイドポンプであり、カウンタシャフト45に設けられたポンプドライブギヤ93によって回転駆動される。
【0049】
また、第二オイルポンプ92の吐出口94は、左側クランクケース21L壁面にマグネト室36内に臨んで開口されると共に、この吐出口94は、オイルパン70内の潤滑オイルのオイルレベル91より上方に配置される。
【0050】
さらに、マグネト室36壁部34下部の左側クランクケース21L壁面にはマグネト室36内とクランク室33内とを連通させる連通孔95がオイルパン70内の潤滑オイルのオイルレベル91より下方に形成される。
【0051】
そして、上記第二オイルポンプ92の吸入口96と上記クラッチ室56底面のオイル出口89とがオイル戻しパイプ97によって接続され、クラッチ室56の底部およびオイル溜まり72に溜まった潤滑オイルは第二オイルポンプ92によって汲み上げられてマグネト室36内に導かれ、さらに連通孔95からクランク室33内のオイルパン70に戻される。
【0052】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0053】
クランクシャフト30に設けられたプライマリドライブギヤに常時作動連結されるプライマリドリブンギヤ47をカウンタシャフト45に設け、このカウンタシャフト45上に緩衝装置、本実施形態においてはプライマリダンパ46を設けたことにより、エンジン18の加減速時における駆動力伝達系統の振動がこのプライマリダンパ46によって吸収され、スムーズな駆動力の伝達を行うことができる。その結果、Vベルト式自動変速装置22に振動が伝わらず、その保護を図ることができる。
【0054】
また、プライマリダンパ46をカウンタシャフト45とプライマリドリブンギヤ47との間に配置すれば、構造がシンプルになると共に、カウンタシャフト45方向の占有スペースが小さくて済み、結果的にパワーユニット7の幅(クランクシャフト30の軸方向寸法)を小さくすることができる。
【0055】
さらに、ドリブンプーリ50の出力側、且つ後輪10にパワーユニット7の駆動力を伝える伝動装置である定速ギヤトレーン63の上流に緩衝装置、本実施形態においてはメカニカルダンパ62を設けたことにより、エンジン18の加減速時における駆動力伝達系統の振動がこのメカニカルダンパ62によって吸収され、スムーズな駆動力の伝達を行うことができる。その結果、Vベルト式自動変速装置22に振動が伝わらず、その保護を図ることができる。
【0056】
さらにまた、ドリブンプーリ50の出力側に、後部クランクケース21C内に配置された複数の減速ギヤ60a,60bを備えた固定比の減速ギヤトレーン60を設けると共に、後輪10にパワーユニット7の駆動力を伝える伝動装置である定速ギヤトレーン63より上流側に配置された減速ギヤトレーン60の最終ギヤでもある入力ギヤ61と同軸上にメカニカルダンパ62を設けたので、ミッション機構20に振動が伝わらず、Vベルト式自動変速装置22に加えミッション機構20の保護を図ることもできる。
【0057】
そして、ドリブンプーリ50の出力側に、且つ上述した減速ギヤトレーン60の上流側にクラッチ機構19を設けたことにより、クラッチミート時のトルクの変動が緩衝装置によって吸収され、スムーズな駆動力の伝達を図ることができる。
【0058】
そしてまた、ドリブンプーリ50の出力側とクラッチ機構19の入力軸である内側クラッチシャフト57Aとを嵌合させ、この嵌合部の近傍を例えばベアリング66を用いて中部クランクケース21B内で軸支したことにより、マスの大きい複数の装置を連結してそれらの略中間位置で軸支可能となり、バランスがとれて捩り振動などが発生し難くなる。
【0059】
そしてさらに、Vベルト式自動変速装置22の入力側および出力側の両方に緩衝装置46,62を配置することにより、異なる機構の緩衝機構を選択でき、その結果幅広い振動に対応できるので、設計の自由度が増加する。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る自動二輪車のパワーユニットによれば、エンジンの加減速時における駆動力伝達系統の振動が緩衝装置によって吸収されるので、スムーズな駆動力の伝達が行われ、その結果、Vベルト式自動変速装置保護が図られる。
【0061】
また、パワーユニットの小型化を図ることができる。さらに、ミッション機構の保護を図ることもできる。
【0062】
さらにまた、クラッチミート時のトルクの変動が緩衝装置によって吸収されるので、スムーズな駆動力の伝達が図られる。
【0063】
そして、マスの大きい複数の装置を連結してそれらの略中間位置を軸支可能となってバランスがとれ、捩り振動などが発生し難くなる。
【0064】
そしてまた、異なる機構の緩衝機構を選択できて幅広い振動に対応でき、設計の自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車のパワーユニットの一実施形態を示すスクータ型自動二輪車の左側面図。
【図2】パワーユニットおよび伝達ユニットの拡大左側面図。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図3のパワーユニット部分を拡大した図。
【図5】オルタネータカバーおよびクラッチカバーを取り外した状態のクランクケースの左側面図。
【図6】動力系の潤滑装置の構造を示す系統図。
【符号の説明】
1 自動二輪車
7 パワーユニット
10 後輪
18 エンジン
19 クラッチ機構
20 ミッション機構
21 クランクケース
22 変速装置
30 クランクシャフト
37 プライマリドライブギヤ(クランクシャフトに設けられるギヤ)
45 カウンタシャフト
46 プライマリダンパ(緩衝装置)
47 プライマリドリブンギヤ(カウンタシャフトに設けられる他のギヤ)
49 ドライブシャフト(変速装置の入力軸)
51 ドリブンシャフト(変速装置の出力軸)
57A 内側クラッチシャフト(クラッチ機構の入力軸)
57B 外側クラッチシャフト(クラッチ機構の出力軸)
58 二次出力シャフト
60 減速ギヤトレーン
61 入力ギヤ(減速ギヤトレーンの最終ギヤ)
62 メカニカルダンパ(緩衝装置)
63 定速ギヤトレーン(後輪に駆動力を伝える伝動装置)

Claims (3)

  1. クランクケースの後方にクランクシャフトと平行のカウンタシャフトを配置すると共に、クランクケースの後方にVベルト式自動変速装置を備え、上記カウンタシャフトに上記Vベルト式自動変速装置の入力軸を接続する一方、後輪に駆動力を伝える伝動装置を上記Vベルト式自動変速装置の下流に二次出力シャフトを介して連結した自動二輪車のパワーユニットにおいて、上記Vベルト式自動変速装置の出力側の突出端にクラッチシャフトを介してクラッチ機構を取付けると共に、上記クラッチ機構の出力側と前記二次出力シャフトとの間に減速ギヤトレーンを設ける一方、上記クランクシャフトに設けられるギヤに常時作動連結される他のギヤを上記カウンタシャフトに設け、このカウンタシャフト上に緩衝装置を設けると共に、上記Vベルト式自動変速装置の出力側で、且つ上記伝動装置の上流に他の緩衝装置を設けたことを特徴とする自動二輪車のパワーユニット。
  2. 上記他の緩衝装置をバネによって付勢されたカム機構を備えたメカニカルダンパで構成すると共に、上記クランクケース内に配置された減速ギヤトレーンの最終ギヤである入力ギヤを上記メカニカルダンパを介して二次出力シャフトに取り付け、且つ上記メカニカルダンパと入力ギヤを二次出力シャフトに同軸上に設けた請求項1記載の自動二輪車のパワーユニット。
  3. 上記Vベルト式自動変速装置の出力側と上記クラッチ機構の入力軸とを嵌合させ、この嵌合部の近傍を上記クランクケース内で軸支した請求項1記載の自動二輪車のパワーユニット。
JP2002113378A 2002-04-16 2002-04-16 自動二輪車のパワーユニット Expired - Fee Related JP4140263B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002113378A JP4140263B2 (ja) 2002-04-16 2002-04-16 自動二輪車のパワーユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002113378A JP4140263B2 (ja) 2002-04-16 2002-04-16 自動二輪車のパワーユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003306191A JP2003306191A (ja) 2003-10-28
JP4140263B2 true JP4140263B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=29395580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002113378A Expired - Fee Related JP4140263B2 (ja) 2002-04-16 2002-04-16 自動二輪車のパワーユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4140263B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4653620B2 (ja) * 2005-09-29 2011-03-16 本田技研工業株式会社 低床式車両
JP2007314065A (ja) 2006-05-26 2007-12-06 Honda Motor Co Ltd 車両の動力伝達装置
JP4846451B2 (ja) 2006-05-26 2011-12-28 本田技研工業株式会社 パワーユニット
JP4397927B2 (ja) 2006-12-28 2010-01-13 本田技研工業株式会社 自動二輪車用エンジン
AP2899A (en) 2008-08-08 2014-05-31 Yamaha Motor Co Ltd Two-wheeled motor vehicle
JP5227922B2 (ja) * 2009-08-27 2013-07-03 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両のトルクダンパ装置
JP5601278B2 (ja) * 2011-05-18 2014-10-08 スズキ株式会社 駆動伝達装置の潤滑構造
US9815522B2 (en) * 2015-12-02 2017-11-14 Shimano Inc. Bicycle shifting apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003306191A (ja) 2003-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3867486B2 (ja) 自動二輪車
JP4139779B2 (ja) エンジン
KR100380105B1 (ko) 모터사이클용 파워유닛 배치구조
US7104239B2 (en) Engine crankcase structure
US7610987B2 (en) Power unit and saddle-ride type vehicle provided with the power unit
US7178498B2 (en) Lubrication system for an engine
CN101960175B (zh) 车辆动力单元
GB2114944A (en) Swing type power unit for a two-wheeled motor vehicle
US6990942B2 (en) Balancer structure for engine
US6557516B2 (en) Engine unit for a vehicle
JP4140263B2 (ja) 自動二輪車のパワーユニット
JP5486872B2 (ja) パワーユニットの冷却装置
EP1396420B1 (en) Saddle ride type vehicle torque damping device
JP7382163B2 (ja) ハイブリッド車両
EP2309151B1 (en) Stepwise automatic transmission for saddle riding type vehicle, power unit equipped with the same, and saddle riding type vehicle equipped with the same
US7721700B2 (en) Engine unit and straddle-type vehicle provided with the same
JP2019214978A (ja) 車両
JP5119141B2 (ja) エンジンを搭載している車両
JP4058988B2 (ja) クランクケースの潤滑構造
JP2006105131A (ja) 自動二輪車用エンジン
JP5227922B2 (ja) 鞍乗り型車両のトルクダンパ装置
US8083045B2 (en) Engine with centrifugal clutch
JP2002122013A (ja) エンジンの潤滑装置
JP5601278B2 (ja) 駆動伝達装置の潤滑構造
JP4556611B2 (ja) 自動二輪車のパワーユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080520

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080602

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4140263

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140620

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees