JP4432222B2

JP4432222B2 - ヘッドレスト装置

Info

Publication number: JP4432222B2
Application number: JP2000193069A
Authority: JP
Inventors: 正俊森
Original assignee: Aisin Seiki Co Ltd; Aisin Corp
Current assignee: Aisin Corp
Priority date: 2000-06-27
Filing date: 2000-06-27
Publication date: 2010-03-17
Anticipated expiration: 2020-06-27
Also published as: US20020024247A1; DE10130694A1; JP2002010863A; DE10130694B4; US6543852B2

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドレスト装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種のヘッドレスト装置としては、特開平５−２５３０３４号、及びドイツ特許明細書ＤＥ４４０７５１９Ｃ２に示されるものが知られている。これらは、着座者の頭部の位置に合わせヘッドレストの上下位置を自在に調整するモーターユニット等を備える上下位置調整装置を備えている。またこの上下位置調整装置は、シートバックフレーム内に収納されている。特開平５−２５３０３４号の装置ではモーターユニットをシートバック内部の下方部分に、ドイツ特許明細書ＤＥ４４０７５１９Ｃ２ではシートバック上方内部の一方側部分に取り付けブラケットを用いて取り付け、さらにシートバック内部の横方向のほぼ中央部に上下に伸びるように配置されネジが成形されている駆動軸に減速機構等を介して回転駆動力を与えることができるように構成されている。特にドイツ特許明細書ＤＥ４４０７５１９Ｃ２の装置の場合はモータと駆動軸とはケーブルを用いて連結されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した特開平５−２５３０３４号の構成では、この様な調整装置を有するシートのシートバックの下方部分は後部シートに着座する乗員を膝付近に位置する。このため、シートバックの下方部分にモーターユニットを配置すると、シートバックのこの部分の厚さの増大を招き、車室内の乗員用スペースを可能な限り大きく確保しようとする設計ニーズに対して大きな制約条件となる。一方この制約を回避するためにドイツ特許明細書ＤＥ４４０７５１９Ｃ２ではモーターユニットはシートバックの上方で一方の側部分に取り付けられている。しかしながら、ヘッドレストを上下に移動させるための駆動軸はシートバック中央に配置され、離れて配置されているため双方をケーブルを用いて連結している。このため、部品点数が増大し高価にならざるを得ない欠点があった。
【０００４】
故に本発明は、シートバックの厚さの増大を招かず、さらに安価に実現できるヘッドレストの上下調整装置を実現することをその技術的課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、本発明において講じた技術的手段は、シートバックの上端から平行に上方に伸びる左右２本の縦ステーシャフト部を介して取付けられるヘッドレストと、該シートバック内に設置される該ヘッドレストの上下位置調整装置とを備えるヘッドレスト装置であり、該上下位置調整装置はモーターユニットと、該モーターユニットに連結されて上下方向に延びる駆動軸と、該駆動軸に螺合して上下方向に移動するナット部と、該ナット部に固着された可動部材と、上下方向に延びるとともに、平板状部を有してその平面部位がヘッドレストの前後方向を向くように配設され、該可動部材の上下動を前記平板状部にて案内するガイドと、該可動部材と前記左右２本の縦ステーシャフト部の下端部を連結する係止手段とを備えて、該ヘッドレストの上下位置を自在に調整可能にする、ヘッドレスト装置であって、前記モーターユニットは前記駆動軸の上方で、且つ前記ガイドと共に前記左右２本の縦ステーシャフト部の間に配置されるとともに、該ガイドの上端部と連結され、前記駆動軸の下端部と前記ガイドの下端部とが連結されているようにしたことである。
【０００６】
【発明の実施の形態】
図１、図８に示されるように、車両用シート１に装着されるヘッドレスト装置１０は、シートバック２の上端部に取付けられているヘッドレスト３と、ヘッドレスト３の上下位置を調整可能にする上下位置調整装置４を有している。
【０００７】
図１に示されるように、ヘッドレスト３は、ヘッドレストフレーム３１を内蔵し、ヘッドレストフレーム３１はクッション材（図示せず）で覆われ、さらにその外側をヘッドレスト表皮材３２で覆い構成されている。ヘッドレストフレーム３１には、コの字形状に成形された鋼材丸棒材によるヘッドレストステー３３が、その左右２本の縦ステーシャフト部３４がヘッドレストフレーム３１から垂下するように横ステーシャフト部３４aでヘッドレストフレーム３１に固着されている。シートバック２はシートバックフレーム２１を有し、シートバックフレーム２１の上端部分で、その横方向の２個所に、並列に上下に貫通する穴を持つステーガイドフォルダ部分２３が形成されている。この左右２個所のステーガイドフォルダ部分２３には、ステーガイド２５がそれぞれ挿入組付けされている。ステーガイド２５の上下方向の軸心部分には貫通穴２６が形成されていて、貫通穴２６に縦ステーシャフト部３４が上下方向に摺動自在に挿入組付けされている。
【０００８】
上下位置調整装置４は、シートバックフレーム２１に複数のネジ部材４９によって固定されている。上下位置調整装置４は、表面にネジが成形されシートバック２の上下方向に伸びる駆動軸５１を有し、さらに駆動軸５１と、シートバック２の横方向に並行して上下方向に伸びるように配置されたＵ字型断面形状を持つガイド６１（図３）と、横方向に延在する可動部材４２と、モータユニット７とを有している。
【０００９】
図１、図２に示されるように、モータユニット７は駆動軸５１およびガイド６１の上端部で、且つ左右２本の縦ステーシャフト３４の間に配置されている。更に図４に示されるように、モータユニット７にはモーター７１の回転軸が水平に且つシートの左右方向になるように取り付けられ、更にウォーム７３とホィール７４からなる減速機構７２を内蔵している。ホィール７４の回転軸７４aと駆動軸５１はケーブル等を使わず回転駆動力が直接伝達されるように連結されている。このような構成でモータユニット７は、左右の縦ステーシャフト３４の間の位置で、且つシートの強度部材であるシートバックフレーム２１の上部に、シートバックフレーム２１との間にモーター７１の作動音の伝達を軽減するための弾性シート７６を介在させて、ネジ手段４９によって取り付けブラケット等の部品を用いず直接固定されている。モーター７の回転の出力軸７５はモータ７１の一方側の端部になるため、駆動軸５１の位置も左右の縦ステーシャフト部３４の中央位置から離れて配置されることになる。
【００１０】
図１、図２に示されるように、可動部材４２は、駆動軸５１のネジと螺合するナット部４４を有し、更にその左右端にそれぞれに上下に開口する穴４６を有する。穴４６の内径はステーシャフト部３４の外形に対してわずかの隙間で係合できるように成形されている。ステーシャフト部３４の下端が穴４６の上方から挿入されると、ステーシャフト部３４の端部に形成されている係止溝３７と可動部材４２の左右端の穴４６の外形上に部分的に水平方向に形成されたピン溝４７と、Ｕ字型に成形されたピン６３の作用によって、可動部材４２に上下方向に係止される。
【００１１】
可動部材４２は、更に駆動軸４１とシートバック２の横方向で並行に配置されているガイド６１に対して第１と第２の２個所の摺接部５５、６５を有する。第１の摺接部５５は、図３に示されるように、ガイド６１を囲うように形成された可動部材４２の矩形の穴５６の内壁上に形成された３種類の突起５７、５８、５９によって成り立っている。突起５７はガイド６１のＵ字形状の中央部分を前後に2個所で挟むように、突起５８、５９はガイド６１のＵ字形状の左右で、側面を挟むように配置されている。突起５８、５９は、左右それぞれ1個づつでガイド６１と摺接係合するように形成されている。突起５８は突起５９より厚さが薄く、高さが高い。即ち、左右の突起５８同士の先端で挟まれる幅方向の寸法は狭く、左右の突起５９同士の先端で挟まれる幅方向の寸法は広い。突起５８同士の幅寸法は当接相手のガイド６１の製造寸法バラツキのほぼ中央値にできたとき適切な摺接になるように形成され、突起５９同士の幅寸法はガイド６１の幅寸法がバラツキで大きく作製された場合に適切な摺接になる寸法に形成されている。
【００１２】
第２の摺接部６５は、図２のＥ部および図７のＥ部拡大図に示されるように、矩形の穴５６を挟んでナット部４４とは反対側にあって、そこから下方向に伸びるアーム部６６を有し、ガイド６１の側面に対して第１の摺接部５５より下方に到達するよう設けられた突起６７が形成されている。作動の説明で詳述するが、突起６７はガイド６１に対して通常はわずかな隙間ｅを保持し、この隙間が無くなる方向に可動部材４２に負荷が作用したときのみ摺接点として作用するように構成されている。
【００１３】
図2および図６に示されるように、ガイド６１の下端にはブラケット８１が固着され、ブラケット８１にはベアリング５２が設置され、駆動軸５１の下端を回転自在に支持している。更に図2および図５に示されるように、ガイド６１には位置決め穴６２が形成され、一方ブラケット８１には位置決め突起８２が設けられ相互に係合している。モータユニット７とガイド６１とはネジ８７で、ガイド６１とブラケット８１はネジ８８と位置決め穴６２と突起８２の勘合で各部品は所定の位置に強固に組付けされているため、駆動軸５１は上下位置調整装置４がシートバックフレーム３１に組み込まれていない状態、即ち装置単体でも、作動の確認ができる。特にガイド６１と可動部材４２の第１の摺接部５５において、左右の突起５８の先端同士間の寸法が狭く設定されているため、ガイド６１との間で過大な摩擦抵抗が発生する場合がある。この場合は装置単体の状態での試運転によって、突起５８の先端部を強制的に摩滅させるように作動させることで、ガタが無くしかも滑らかな作動を調整によって実現できるような構成となっている。
【００１４】
次に上記構成での本発明のヘッドレスト装置の組み立ておよび作動を説明する。
【００１５】
上下位置調整装置４は装置単体でガタが無く、過大な摩擦の発生も無く作動するように調整された後、シートバックフレーム２に組付けられる。そして、シート１にクッション材（図示せず）、表皮材（図示せず）などが組付けられた後、ヘッドレスト４は、シート組み立ての最終行程でシートバック２の上部に設置されたステーガイド２５の穴２６に上方からステーシャフト３４が差し込まれ、可動部材４２の穴４６にピン６３の作用で係止されるように組み立てられる。この組み立て工程で大きな負荷がヘッドレスト３を介して可動部材４２に作用する場合がある、このとき第２の摺接部６５の突起６７とガイド６１間のわずかな隙間ｅは無くなり、アーム部６６、突起６７を介してガイド６１でこの荷重は受けられ、可動部材４２等の部品の破損が防止される。本構造は、ヘッドレストに例えば幼児がぶら下がったときなど、無理な負荷が作用した場合にも装置の破損を防止するように作用する。特に駆動軸５１とガイド６１をシートバック２も横方向で平行に配置する本構造では、シートバック２の前後方向に占める寸法を小さくできる効果を有する。一方、駆動軸５１の位置が左右の縦ステーシャフト部３４の中央位置から離れて配置されている関係上、ヘッドレスト３の片側に偏って過大な荷重が上下方向の加えられたとき、コジレなどの悪い影響を受け易い。この様な荷重に対しも第２の摺接部６５による構成は補正するように有効に作用し、十分な強度を確保するようにするものである。
【００１６】
着座者によるヘッドレスト３の位置調整の作動は、調整装置のスイッチ（図示せず）を押すとモータ７１が作動し、駆動軸５１が回転する。ナット部４４の回転はガイド６１と可動部材４２の第１の摺接部５５により阻止されているため、可動部材４２は上下に移動させられる。必要位置に到達するまでスイッチは押すことで、ヘッドレスト３の最適位置が達成される。
【００１７】
なお、モーター７１をシーバックフレーム２１の上部の中央部に配置したことでモーター７１が従来技術の場合より乗員の耳の近くに配置されているが、防振用の弾性シート７６によって、不快な作動音の伝達が軽減されている。
【００１８】
【発明の効果】
本発明によれば、上下位置調整装置を有するヘッドレスト装置において、そのモータユニットを左右２本の縦ステーシャフト部の間で、且つ上下位置調整装置の駆動軸とガイドの上方に配置し、シートバックフレームの上部内に取り付けるようにしたことで、シートバックの前後方向での厚さを薄くできる。特にシートバックの下部の厚さを低減でき、後部席への乗員へのスペースを大きく確保できるようになる。さらにモータユニットから駆動軸にケーブル等を用いず直接駆動力を伝達するように連結することによって、安価な構成が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るヘッドレスト装置の斜視図である。
【図２】本発明に係るヘッドレスト装置の正面図である。
【図３】本発明に係る第１の摺接部で、図２のＡ−Ａ部における断面図である。
【図４】本発明に係るモータユニット部で、図２のＢ−Ｂ部における断面図である。
【図５】本発明に係る位置決め突起と穴部で、図２のＣ−Ｃ部における断面図である。
【図６】本発明に係る駆動軸受け部で、図２のＤ−Ｄ部における断面図である。
【図７】本発明に係る第２の摺接部で、図２のＥ部における拡大図である。
【図８】本発明に係るシートの側面図
【符号の説明】
２シートバック
３ヘッドレスト
７モーターユニット
１０ヘッドレスト装置
３４縦ステーシャフト部
４２可動部材
４４ナット部
５１駆動軸
６１ガイド
６３ピン（係止手段）
６５第２の摺接部（摺接部）

Claims

シートバックの上端から平行に上方に伸びる左右２本の縦ステーシャフト部を介して取付けられるヘッドレストと、該シートバック内に設置される該ヘッドレストの上下位置調整装置とを備えるヘッドレスト装置であり、該上下位置調整装置が、モーターユニットと、該モーターユニットに連結されて上下方向に延びる駆動軸と、該駆動軸に螺合して上下方向に移動するナット部と、該ナット部に固着された可動部材と、上下方向に延びるとともに、平板状部を有してその平面部位がヘッドレストの前後方向を向くように配設され、該可動部材の上下動を前記平板状部にて案内するガイドと、該可動部材と前記左右２本の縦ステーシャフト部の下端部を連結する係止手段とを備えて、該ヘッドレストの上下位置を自在に調整可能にする、ヘッドレスト装置であって、
前記モーターユニットは前記駆動軸の上方で、且つ前記ガイドと共に前記左右２本の縦ステーシャフト部の間に配置されるとともに、該ガイドの上端部と連結され、
前記駆動軸の下端部と前記ガイドの下端部とが連結されていることを特徴とするヘッドレスト装置。
前記可動部材は、前記ガイドの前記駆動軸側とは反対の側面に、前記ヘッドレストに通常作動のとき以上の負荷が作用したときのみ摺接する摺接部を有することを特徴とする、請求項１に記載のヘッドレスト装置。