JP4391045B2 - 消火栓装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、方向切換弁を備えた消火栓装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
方向切換弁は、流路の途中に設けられ、その上流側或いは下流側において流体の流通方向を切換可能にするものであり、従来より流路を備えた装置において様々な用途に用いられている。
【0003】
図8は従来の切換弁を備えた流路の一例を示す流路系統図である。同図に示す流路507において、500は切換弁、501は流入口、502は第1流出口、503は第2流出口、504は流入口501に接続される上流側流路、505は第1の流出口502に接続される下流側第1流路、506は第2流出口503に接続される下流側第2流路である。切換弁500は、流入口501から流入する流体を第2流出口503からは流出させずに第1流出口502から流出させるか、或いは第1流出口502からは流出させずに第2流出口503から流出させるかを切り換えることができるように構成されている。したがって流路507は切換弁500の下流側に下流側第1流路505と下流側第2流路506という流体の流通方向を切り換えることができる2系統の流路を備えていることとなる。
【0004】
切換弁が様々な用途に用いられるものであることは上記したが、その用途の一例に流路の保守点検がある。即ち、図8に示す流路507を例に説明をすれば、常時において流路507は上流側流路504から切換弁500を介して下流側第1流路505に流体が流れるようになっているとして、流路507の保守点検をするために、切換弁500によって流体の流通方向を切り換えて、即ち第1流出口502からの流体の流出を遮断し下流側第1流路505へ流体が流れないようにするとともに、第2流出口503から流体を流出させ下流側第2流路506へ流体が流れるようにして、流路の保守点検を行うことがある。
【0005】
しかしながら、上記のように流路の保守点検のために切換弁を用いる場合には、切換弁によって流通方向を切り換えて保守点検を行った後に、再度切換弁によって流通方向を切り換えて常時における流通方向に復帰させる必要がある。なぜなら流体の流通方向が常時における流通方向でないとその流路を備えた装置がその所期の機能を果たさないことがあるからである。
【0006】
ところで、流路を備えた装置の一例に消火栓装置がある。この消火栓装置は、トンネル等に設置され、消火用ホースを介してノズルから放出される消火剤により発生した火災を消火する如く用いられるものであり、消火剤供給源から消火用ホースを介してノズルに至る流路を構成中に備えている。
【0007】
上記のような消火栓装置においては、消火栓装置が所定の放出機能及び放出性能を保持しているか否か、例えば消火用ホースを介してノズルより放出される消火剤の放出圧及び放出量が所定値を満たしているか否かを点検する必要がある。
【0008】
この出願の出願人は上記の如き消火栓装置における放出点検のために三方切換弁を用いた消火栓装置の放出点検方法等についての発明をこの出願に先だって特許出願(特願平11−278051号)している。この先の特許出願に係る発明によれば、消火栓装置の放出点検の際に、三方切換弁によりその二次側流路を消火用ホース側流路から放出点検装置側流路に切り換えて放出点検を行うことができるが、放出点検作業後には、消火栓装置がその所期の機能、即ち消火機能を果たすことができるように三方切換弁によりその二次側流路を再度切り換えて消火用ホース側流路に復帰させておく必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の切換弁においては、例えば上記した切換弁をその切換弁を備えた流路の保守点検のために用いる場合のように、一方の流路から他方の流路へ流体の流通方向を切り換えた後に再度流通方向を切り換えて元の流路へ復帰させておく必要がある場合がある。このような場合、流通方向の復帰操作をするのを忘れるとその流路を備えた装置が所期の機能を果たすことができなくなることがあるので、そのようなことがないように注意する必要がある。
【0010】
上記のように切換弁を消火栓装置の放出点検のために用いる場合には、流通方向の復帰操作をするのを忘れると消火栓装置が消火機能を果たすことができなくなるので、特に注意が必要である。
【0011】
この発明は、上記事情に鑑み、消火用ホースには通水させずに放出点検を行うことができる消火栓装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するこの発明について述べれば、それは、消火栓弁と、該消火栓弁の二次側に設けられ、先端部にノズルを有する消火用ホースと、該消火用ホースの一次側に設けられた方向切換弁とを備えた消火栓装置であって、前記方向切換弁は、前記消火用ホースが接続される第1流出口と、前記消火栓装置とは別体の放出点検装置が接続及び取り外される第2流出口と、常時は前記第2流出口を閉鎖する弁体と、前記第2流出口に前記放出点検装置が接続されるときに、その接続状態を保持する保持手段とを有し、前記放出点検装置は、一端に筒状の流路接続挿入部を備えるとともに、他端にノズルを接続可能なノズル接続端部を備え、常時の前記放出点検装置が前記第2流出口に接続されていないときは、前記消火栓弁から前記消火用ホースに流路形成し、又、点検時の前記放出点検装置が前記第2流出口に接続されるときは、前記流路接続挿入部が前記第2流出口から前記方向切換弁内部に挿入されることにより、前記弁体は移動して、前記消火栓弁から前記放出点検装置に自動的に切り換えて流路形成しつつ、前記第1流出口を閉鎖して、前記消火用ホース側を閉止することを特徴とする消火栓装置、である。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を形態を図1乃至7に基づき説明する。
【0017】
先ずこの発明の方向切換弁及び消火栓装置の実施の形態について説明する。なお、この発明の方向切換弁を消火栓装置に適用する場合を例に以下において説明するが、この発明の方向切換弁の適用は消火栓装置に限定されるものではなく、消火栓装置以外の装置にも適用が可能であることは勿論である。
【0018】
図7において、1は、例えばトンネル等に設置される消火栓装置であり、一次側より配管Pを介して、圧力調整弁2、消火栓弁3、方向切換弁4、先端部にノズル6を有する消火用ホース5を備えている。また、図示は省略するが、圧力調整弁2の一次側は給水源に接続されており、その給水源から消火水の供給を受けて消火栓装置1はノズル6より消火水を放出して火災の消火を行うものである。なお、必要に応じて消火栓装置1に消火薬剤供給源、例えば泡原液供給源を設け前記消火水に泡原液を添加してノズル6より放出するようにしてもよい。
【0019】
7は、装置内部に流路を有する放出点検装置であり、管状体73と、前記方向切換弁4に接続される流路接続挿入部71を備えるとともに、点検する消火栓装置のノズルの種類に応じて適宜選択されるノズルを接続可能なノズル接続端部72を備え、また、放出点検装置7から放出される消火剤の放出圧を測定する圧力計8を備えている。管状体73は、放出点検装置7の点検時の取り扱い易さを考慮して柔軟な材質により形成され、例えば保形ホース又はゴムホース等により形成されている。さらに、この放出点検装置7は、ノズル接続端部72に放出用ノズルが接続された状態において、前記消火栓装置1における方向切換弁4から消火用ホース5の放出用ノズル6に至る流路を流れる消火剤に生じる圧力損失と同等の圧力損失を放出点検装置7内を流れる消火剤に生じさせる如く構成されている。具体的には、図示は省略するが、圧力調整手段、例えばオリフィスを放出点検装置7内の流路中に備えている。なお、放出点検装置7のノズル接続端部72に接続するノズルとしては、点検の際に図7に示す様に消火栓装置1のノズル6を移設して接続する様にしてもよい。
【0020】
方向切換弁4は、図1にも示すように、第3開口部の一例としての1つの流入口43と第1開口部の一例としての第1流出口41と第2開口部の一例としての第2流出口42とを備えている。流入口43には方向切換弁4の一次側の配管Pが接続され、第1流出口41には前記消火用ホース5が配管Pを介して接続されている。
【0021】
この方向切換弁4は、常時、即ち火災待機時においては、消火用ホース5を介してノズル6より消火剤を放出して火災を消火することができるように、第1流出口41と流入口43とが連通し、第2流出口42と流入口43とは連通していない状態にある(詳細は後記する。)。この状態にあれば、消火栓弁3を開放することで、消火剤は方向切換弁4から消火用ホース5側の流路に流れてノズル6から放出されることとなる。即ちこの状態にあれば、ノズル6から消火剤を火災に向けて放出することが可能である。
【0022】
また、方向切換弁4の第2の流出口42に放出点検装置7の流路接続挿入部71が挿入されると、放出点検装置7内部と流入口43とが連通し、第1流出口41と流入口43とは連通していない状態にある(詳細は後記する。)。即ち、方向切換弁4の二次側流路は消火用ホース5側の流路から放出点検装置7側の流路に切り換えられることとなる。この状態にあれば、消火栓弁3を開放することで、放出点検装置7による消火栓装置1の放出点検が可能となる。なお、本発明においては方向切換弁4の二次側に放出点検装置7を接続して放出点検を行うこととなるので、放出点検装置7により点検できるのは、方向切換弁4を含めてその一次側にある構成ということとなる(消火用ノズル6を放出点検装置7に移設して点検をする場合は消火用ノズル6も点検できる。)。
【0023】
なお方向切換弁4を設ける位置についてであるが、放出点検の際に消火用ホース5に通水させないためには、方向切換弁4は消火用ホース5の一次側であればよいこととなる。ただし、好ましくは消火用ホース5の一次側で且つ消火栓弁3の二次側の位置に方向切換弁4を設けるのがよい。なぜなら消火栓弁3の二次側は一次圧の高圧の加圧水が充填されていないので方向切換弁4を設け易く、また放出点検の際に消火栓弁3の機能及び性能を点検することができるという利点が得られるからである。またさらに好ましくは消火用ホース5の一次側で且つ圧力調整弁2の二次側がよい。なぜなら圧力調整弁2の一次側に方向切換弁4を設ける場合は放出点検装置7に圧力調整弁2と同等の減圧機能を有する手段を設ける必要があるが圧力調整弁2の二次側であればその様な減圧機能を有する手段を設ける必要がなく、また放出点検の際に圧力調整弁2の機能及び性能を点検することができるという利点が得られるからである。上記に鑑み、本実施の形態においては、方向切換弁4を消火用ホース5の一次側で且つ消火栓弁3及び圧力調整弁2の二次側に設けることとした。
【0024】
次に方向切換弁4の詳細な構成について説明する。図1及び図2はその第1の実施の形態を示し、図1は、中心線Cを境に図面上右側が放出点検装置7が接続されている状態、図面上左側が接続されていない状態を示している断面図であり、図2は図1の外観図である。
【0025】
図において、40は弁箱、41は第1流出口、42は第2流出口、43は流入口であり、第1の流出口41には消火用ホース5が配管Pを介して接続され、第2の流出口42には放出点検装置7の開口70を備えた流路接続挿入部71が挿入接続され、流入口43には方向切換弁4の一次側の配管Pが接続される。
【0026】
45は、常時、即ち放出点検装置7が接続されていない状態において第1流出口41に連通する第1内部通口であり、その口縁には第1弁座46が設けられている。47は、第1内部通口45に対向するとともに第2流出口42に連通する第2内部通口であり、その口縁には第2弁座48が設けられている。
【0027】
49は弁体であり、弁体49を貫通して設けられたシャフト51にガイドされて第1内部通口45と第2内部通口47の間を移動自在に設けられている。この弁体49は、付勢手段の一例としての弾性体50(例えばバネやゴム等)の弾性力により第2内部通口47に向けて付勢されており、常時(火災待機時)においては、第2内部通口47を閉鎖する如く第2弁座48に着座し、その状態が弾性体50の付勢力により保持されている。この状態にあれば、第1流出口41と流入口43とが連通する一方で、第2流出口42と流入口43とは連通していない状態が保持されており、消火栓弁3を開放することで、消火剤は方向切換弁4から消火用ホース5側の流路に流れてノズル6から放出されることとなり、火災消火が可能となる。
【0028】
弁体49は、放出点検装置7の流路接続挿入部71が第2流出口42より第2内部通口47を介して弁内部に挿入接続されている状態においては、第1内部通口45に向けて弾性体50の付勢力に抗して移動し第2弁座48より離間して第1内部通口45を閉鎖する如く第1弁座46に着座することとなる。これにより、放出点検装置7内部と流入口43とが流路接続挿入部71に設けられた開口70を介して連通する一方で、第1流出口41と流入口43とは連通していない状態となり、方向切換弁4の二次側流路は消火用ホース5側の流路から放出点検装置7側の流路に切り換えられることとなる。この状態にあれば、消火栓弁3を開放することで、放出点検装置7による消火栓装置1の放出点検が可能となる。
【0029】
次に放出点検装置7の方向切換弁4への接続手段についてであるが、方向切換弁4の二次側流路を消火用ホース5側の流路から放出点検装置7側の流路に切り換えることができ、そしてその状態を保持することのできる手段であればく、例えばネジ止め手段を用いてもよいが、本実施の形態においては、その接続と取り外しの作業を容易に行うことができるようにするために、以下の如き構成を備えている。
【0030】
即ち、方向切換弁4には、そのアタッチメント部44の内周に先端突部52を形成し、またその外周に周方向溝部53と第2流出口42側端部に至る長さ方向溝部54とからなるL字状溝部55を形成する。
【0031】
放出点検装置7には、その流路接続挿入部71の外周に第1段部77と第2段部78とを形成し、さらに流路接続挿入部71の外周に、内周に先端側突部75と基端側突部76とを有し、流路接続挿入部71の第2段部78を介してその長さ方向に摺動自在の外部スライド74を設ける。外部スライド74の基端側突部76と流路接続挿入部71の第2段部78の基端81との間に、流路接続挿入部71をその挿入側端部82方向に向けて付勢する弾性体(バネ又はゴム等)79を設ける。流路接続挿入部71と外部スライド74とは、常時においては弾性体79の付勢力により流路接続挿入部71の第2段部78の先端80と外部スライド74の先端側突部75とが当接している状態が保たれている。
【0032】
流路接続挿入部71を方向切換弁4の第2流出口42から挿入するときは、外部スライド74の先端側突部75をアタッチメント部44のL字状溝部55の長さ方向溝部54から挿入する。このとき、流路接続挿入部71の第1段部77の先端84はアタッチメント部44の先端突部52に当接しつつ挿入されることとなり、外部スライド74は流路接続挿入部71に対してその挿入側端部82方向に摺動することとなり、流路挿入接続部71の第2段部78の先端80と外部スライド74の先端突部75との間が離れ、そこにアタッチメント部44の基端56の挟持部83が形成される(これとともに流路接続挿入部71の挿入側端部82は方向切換弁4の弁体49を押して移動させて第1弁座46に着座させる。)。この状態で外部スライド74の先端突部75をアタッチメント部44のL字状溝部55の周方向溝部53に沿わせながら外部スライド74を周方向に回転させる。これにより放出点検装置7の流路接続挿入部71は方向切換弁4の弁内部に挿入され接続された状態がロックされることとなる。なお、58、59、60はシール用のOリングであり、また、弁体49が第1弁座46に着座している状態は、流路接続装置71側の弾性体79の付勢力によって保たれており、そのため弾性体79の付勢力は方向切換弁4の弾性体50の付勢力よりも強いものとなっている。
【0033】
流路接続挿入部71を方向切換弁4から取り外すときは、外部スライド74を上記とは逆の周方向に回転させ、外部スライド74の先端突部75を長さ方向溝部54を通る状態にする。これにより、流路接続挿入部71を方向切換弁4から引き抜くことができる。
【0034】
放出点検装置7の方向切換弁4への接続手段は上記に限定されるものではない。上記とは別の接続手段を備えた方向切換弁4を以下に他の実施の形態として説明する。なお、方向切換弁4の第1の実施の形態と同じ名称及び機能を有する構成については同一図面符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図3に示したのが、方向切換弁4の第2の実施の形態を示したものである。尚、図3は、中心線Cを境に図面上右側が放出点検装置7が接続されている状態、図面上左側が接続されていない状態を示している。この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態におけるアタッチメント部44のL字状の溝部55に代えて、周方向だけの溝部85を設けたものであり、それに対応する如く流路接続挿入部71の外周にその溝部85に係合する傾斜状爪部86を設けたものである。同図に示すようにアタッチメント部44の外周には周方向溝部85が設けられており、流路接続挿入部71の外周には周方向溝部85に係合する傾斜状爪部86を先端鈎状部87に有するロック用第1外部スライド88と、ロック用第1外部スライド88の傾斜状爪部86の周方向溝部85への係合を解除するための鈎状解除部89を有する第2外部スライド90を有している。第1外部スライド88の傾斜状爪部86は、その底部91を第1外部スライド88の内周より突出させ、第1外部スライド88の先端鈎状部87内に設けられた弾性体(バネやゴム等)93によって第1外部スライド88の内側に向けて付勢されている。
【0036】
流路接続挿入部71を方向切換弁4の内部に挿入すると、傾斜状爪部86は、アタッチメント部44の外周によって弾性体93の付勢力に抗して第1外部スライド88の外側に向かう方向に移動し、底部91が周方向溝部85に至った時点で弾性体93の付勢力により元の位置に戻り、底部91が周方向溝部85に係合し、流路接続挿入部71と第1外部スライド88との間の挟持部83においてアタッチメント部44の基部56が挟持されて、流路接続挿入部71が方向切換弁4に接続されてロックされた状態となる。
【0037】
流路接続挿入部71を方向切換弁4から取り外すときは、第2外部スライド90をその基端94方向に摺動させる。第2外部スライド90の鈎状解除部89の先端92は傾斜状爪部86を第1外部スライド88の外側に向かう方向に移動させ、傾斜爪部86の底部91が周方向溝部85から外れるようにする。これにより、流路接続挿入部71を方向切換弁4から引き抜くことで取り外すことができる。ここで操作者は、第2外部スライド90をその基端94方向へ引く動作のワンアクションのみで流路接続挿入部71を取り外すことができ、第1の実施の形態のような回す動作を必要としない。
【0038】
上記の第2の実施の形態のように方向切換弁4のアタッチメント部44に周方向のみの溝部85を設ける場合に、放出点検装置7の流路接続挿入部側71側の構成としては、上記第2の実施の形態の如き構成の他にも、例えば図4に示す如き構成もある。尚、図4は、中心線Cを境に図面上右側が断面図であり、図面上左側が外観図である。即ち、図4に示すように放出点検装置7の流路接続挿入部71の外周には外部スライド96が設けられており、その先端97の内周には外部スライド96の内側に突出する爪部98が形成されており、さらに外部スライド96の先端97の内周と流路接続挿入部71の第2段部78との間にはアタッチメント部44を挟む挟持部83が設けられている。さらに外部スライダ96は開閉基部99を支点として先端97側を外部スライダ96の内外方向に開閉する開閉部100が設けられており、この開閉部100はねじりコイルバネ95により外部スライダ96の内側に向かう方向に常時付勢されている。101はレバーであり、このレバー101を握るようにして外部スライド96の内側に向かう方向に移動させると、開閉部100が外部スライド96の外側に向かう方向に開くようになっている。この図4に示す流路接続挿入部71を方向切換弁44に接続するときは、アタッチメント部44が爪部98のテーパー面に当接することにより、外部スライド96の開閉部100を開き、方向切換弁4のアタッチメント部44の基端56を挟持部83内に収めつつ図示しないばねにより開閉部100を閉じて爪部98が周方向溝部85に係合するようにすれば、流路接続挿入部71が方向切換弁4に接続されてロックされた状態となる。逆に流路接続挿入部71を方向切換弁4から取り外すときには、レバー101を用いてレバー101を握ることで外部スライド96の開閉部100を開いて爪部98がアタッチメント部44の周方向溝部85に係合しないようにする。後は流路接続挿入部71を方向切換弁4から引き抜くことで取り外すことができる。
【0039】
また、方向切換弁4の溝部85に対して爪部98が嵌まる代わりにボールを用いてもよく、アタッチメント部44の外周と同径の内部スライドで常時ボールを押さえ、アタッチメント部44に当接して溝部85にボールが位置するときにボールが嵌まる構造とすることができ、その際にボールを弾性体で付勢せずに、ボールの逆側にボールを押し込む段部を備える外部スライドを設けて、外部スライドの操作でボールの嵌合を確認できるようにしてもよい。
【0040】
さらに上記の第1の実施の形態のように、方向切換弁4のアタッチメント部44にL字状溝部55を設ける場合の、上記第1の実施の形態とは別の実施の形態を方向切換弁4の第3の実施の形態として図5及び図6に基づき説明する。なお、図5は中心線Cを境に図面上右側が方向切換弁4に放出点検装置7の流路接続挿入部71が接続されている状態を、図面上左側が接続されていない状態を示す断面図であり、図6は、方向切換弁4に接続されていない状態における放出点検装置7の流路接続挿入部71のみを示し、中心線Cを境に右側が断面図、左側が外観図を示している。
【0041】
図5に示すように、方向切換弁4のアタッチメント部44の内周には第1の突部102と第2の突部103とが形成されており、アタッチメント部44の外周には上記第1の実施の形態と同様にL字状の溝部が形成されいてる。
【0042】
流路接続挿入部71には、図5及び図6に示すように、その外周に第1段部104と第2段部105とが形成されており、さらにその外周に、流路接続挿入部71の長さ方向に摺動自在の保護カバー106と、保護カバーストッパ部107と、流路接続挿入部71の長さ方向に摺動自在の外部スライド108とが順次設けられている。保護カバー106の基端側突部111と第2段部105との間には保護カバー106をその先端109方向に付勢する弾性体(バネやゴム等)117が設けられており、外部スライド108の基端側突部112と第2段部105との間には流路接続挿入部71をその挿入側端部82方向に付勢する弾性体(バネやゴム等)118が設けられている。常時において保護カバー106は、その基端突部111が図6に示すように保護カバーストッパ部107の突部113に係合することで、流路接続挿入部71の挿入側端部82側を覆う如き位置に保持されている。また常時において外部スライド108はその先端側突部114が保護カバーストッパ部107の先端115に係合する位置に保持されている。
【0043】
流路接続挿入部71を方向切換弁4に接続するときは、流路接続挿入部71を第2流出口42から挿入すると、第1段部104の先端110と保護カバー106の先端109がアタッチメント部44の内周の第1段部102と第2段部103とにそれぞれ当接し、外部スライド108はその先端116方向に摺動し、外部スライド108の先端側突部114と保護カバーストッパ部107の先端115との間が離れてアタッチメント部44の基端56の挟持部83が形成される。この状態で外部スライド108の先端側突部114をアタッチメント部44のL字状溝部55の長さ方向溝部54に挿入し、さらに周方向溝部53に沿わせながら外部スライド108を周方向に回転させる。これにより図6に示すようにアタッチメント部44の基部56は挟持部83に挟持され、外部スライド108の先端側突部114がアタッチメント部44の周方向溝部53に係合している状態となり、その状態が弾性体118の付勢力により保持されており、放出点検装置7の流路接続挿入部71は方向切換弁4の弁内部に挿入され接続された状態がロックされることとなる。
【0044】
次に上記の如く構成される方向切換弁4を備えた消火栓装置1を用いて実施するこの発明の消火栓装置の放出点検方法の実施の形態について説明する。
【0045】
この発明の消火栓装置の放出点検方法は以下の如き行程により実施される。
行程1:消火栓装置1の方向切換弁4の第2流出口42に放出点検装置7の流路接続挿入部71を接続する(これにより方向切換弁4の二次側流路は放出点検装置7側の流路に自動的に切り換わる。)。
行程2:消火栓装置1の消火栓弁3を開放状態にする。
行程3:放出点検装置7より消火剤を放出し、その放出圧力を圧力計8により計測して、消火栓装置1の放出圧力が所定の値を満たしているかを点検する。
行程4:放出点検作業終了後は、放出点検装置7の流路接続挿入部を方向切換弁4の第2流出口42から取り外す(。これにより方向切換弁4の二次側流路は消火用ホース5側の流路に自動的に切り換わって復帰する。)。
【0046】
上記の如き放出点検を行うことにより消火栓装置1における方向切換弁4を含めてその一次側の構成、即ち方向切換弁4、消火栓弁3、圧力調整弁2及びこれらを連結する配管Pが、さらにはノズル6を放出点検装置7に移設して点検を行った場合にはノズル6が所定の機能及び性能を保持しているかを放出圧力を測定することにより点検することができる。
【0047】
なお、図7において、消火栓装置1の配管Pには、給水される一次側から、圧力調整弁2、消火栓弁3、方向切換弁4となっているが、圧力調整弁2と消火栓弁3との位置が入れ換わってもよく、圧力調整弁2が消火栓弁3の二次側にある方が常時調圧を機能しなくてよい。
【0048】
放出点検作業終了後には放出点検装置7の流路接続挿入部71を方向切換弁4の第2流出口42から引き抜けば、方向切換弁4の二次側流路の流通方向が放出点検装置7側流路から消火用ホース5側流路に自動的に切り換えられることとなる。したがって、消火栓装置1の放出点検のために方向切換弁4の二次側流路の流通方向を切り換えたとしても、保守点検後に放出点検装置7を引き抜けば方向切換弁4の二次側流路の流通方向は常時における方向に自動的に復帰することとなるので、方向切換弁4の二次側流路の流通方向の復帰操作をし忘れることがない。
【0049】
また、上記の如き放出点検を行うことにより、消火用ホース5には通水させずに放出点検を行うことができる。このため、放出点検作業後に消火用ホース5を全て引き出して消火用ホース5内の残水を排出する必要はなく、また、引き出した消火用ホース5を再度巻き込んで収容し直す必要もない。
【0050】
【発明の効果】
この発明は、上記の如く構成したので、以下の如き効果を得ることができる。
【0051】
この発明の消火栓装置によれば、消火栓装置の放出点検作業の際に、放出点検装置を接続して、消火用ホースには通水させずに放出点検を行うことができ、方向切換弁を利用して、流路を通常の消火用ホース側から放出点検装置側に切り換えて放出点検を行うことができる。このため、放出点検作業後に、消火用ホースを全て引き出して消火用ホース内の残水を排出する必要はなく、また、引き出した消火用ホースを再度巻き込んで収容し直す必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態における方向切換弁の流路切換機構を示すもので、流路接続挿入部が接続されている状態とされていない状態を示す断面図である。
【図2】図1の外観図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態における方向切換弁の流路切換機構を示すもので、流路接続挿入部が接続されている状態とされていない状態を示す断面図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態における方向切換弁に接続される、第2の実施の形態における流路接続挿入部とは別の形態の流路接続部を示す一部断面図である。
【図5】この発明の方向切換弁における流路切換機構の第3の実施の形態を示すもので、流路接続挿入部が接続されている状態とされていない状態を示す断面図である。
【図6】この発明の第3の実施の形態における方向切換弁に接続される流路接続挿入部を示すもので、方向切換弁に接続されていない状態における一部断面図である。
【図7】この発明の方向切換弁を備えた消火栓装置の実施の形態を示す概略図である。
【図8】従来の方向切換弁を示す流路系統図である。
【符号の説明】
1 消火栓装置
2 圧力調整弁
3 消火栓弁
4 方向切換弁
5 消火用ホース
6 ノズル
7 放出点検装置
41 第1流出口(第1開口部)
42 第2流出口(第2開口部)
43 流入口(第3開口部)
45 第1内部通口
46 第1弁座
47 第2内部通口
48 第2弁座
49 弁体
50 弾性体(付勢手段)
71 流路接続挿入部
Claims (1)
- 消火栓弁と、該消火栓弁の二次側に設けられ、先端部にノズルを有する消火用ホースと、該消火用ホースの一次側に設けられた方向切換弁とを備えた消火栓装置であって、
前記方向切換弁は、前記消火用ホースが接続される第1流出口と、前記消火栓装置とは別体の放出点検装置が接続及び取り外される第2流出口と、常時は前記第2流出口を閉鎖する弁体と、前記第2流出口に前記放出点検装置が接続されるときに、その接続状態を保持する保持手段とを有し、前記放出点検装置は、一端に筒状の流路接続挿入部を備えるとともに、他端にノズルを接続可能なノズル接続端部を備え、
常時の前記放出点検装置が前記第2流出口に接続されていないときは、前記消火栓弁から前記消火用ホースに流路形成し、又、点検時の前記放出点検装置が前記第2流出口に接続されるときは、前記流路接続挿入部が前記第2流出口から前記方向切換弁内部に挿入されることにより、前記弁体は移動して、前記消火栓弁から前記放出点検装置に自動的に切り換えて流路形成しつつ、前記第1流出口を閉鎖して、前記消火用ホース側を閉止することを特徴とする消火栓装置。
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