JP4382956B2 - エアレーション装置 - Google Patents

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  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,厨房排水に含まれる油の流出を阻止し,排水管の詰まりを防止するとともに河川の水質汚染防止を図るグリーストラップに使用されるエアレーション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホテル,レストラン等の比較的大規模な厨房では油分を含んだ排水が大量に排出されるので,一般下水に流出する前段階にグリース・トラップと呼ばれるグリース阻集器の設置が義務づけられている。このグリース・トラップは,一般的に潜り堰を有する槽内に排水を一旦流入させ,そこで油分を液面上に浮上させ,前記潜り堰を越えない排水を下流側の槽から排出する構成を有している。そして液面に浮上した油分の除去については,例えば特開平9−299975号公報や特開平9−314167号公報に開示されているように,油分の分解を行う好気性微生物を活性化させるために,槽内全体に空気を送って曝気(エアレーション)して,油分を分解,除去することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記従来の技術によれば,槽内全体をエアーレーションの際の曝気用空気が混合攪拌することになり,グリーストラップ本来の目的である油阻集を高い効率で維持することは困難である。そのため厨房排水に含まれる油が厨房の入っている建造物から大量に排出して河川の水質汚染を引き起こしたり,グリーストラップの下流側の配水管を閉塞させるなど,問題があった。
【0004】
かかる事態は,槽内全体に曝気用の空気を送った際に槽内全体の排水が混合撹拌されることにその原因があった。従って,槽内に特定の曝気用の気液接触空間を設定し,その中に曝気用の空気を送って,槽内の排水を曝気処理し,処理後の排水を槽内に戻せば,前記混合撹拌の欠点が是正されると考えられる。またかかる構成を採ることで,曝気用に供給する気泡の微細化と再集合を積極的に促進して排水との接触面積を増大し,溶存酸素濃度を増加させることも可能になる。
【0005】
この場合,曝気自体は,油分を含む排水に対して行う必要があるので,排水槽表面に浮遊する油をポンプ等で吸引して前記気液接触空間に流入させる必要がある。一方,曝気後の排水は,前記気液接触空間から排出して槽内に戻す必要がある。このとき留意する必要があるのは,吐出口からの吐出である。すなわち,上部にある1つの吐出口から曝気後の排水を吐出すると,排水槽内の排水表面にうず流が生じてしまい,当該排水槽の隅部に下降流を形成させてしまう。この下降流は未分解の油成分を含むとともに,例えば上流側に第1槽が設定されていた場合,当該第1槽から流入する油分の前記排水槽(第2槽)への上昇分離を妨害し,その結果,より多くの油分が下流側の他の槽(第3槽)へ流出してしまい,一部は直接第3槽に接続されている排水管へも流出するため,油阻集効率の低下を引き起こすおそれがある。また第2槽の液面に浮上する油の量が減少し,第2槽に設定した特定の気液接触空間への油分の取り込み量自体が少なくなることも懸念される。
【0006】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,槽内に特定の曝気用の気液接触空間を設定し,その中に曝気用の空気を送って,槽内の排水を曝気処理する方式をとりつつ,さらに曝気後の排水を槽内に放出するにあたって,下降流を形成させないエアレーション装置を提供して,前記問題の解決を図ることをその目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため,請求項1によれば,油を含む排水を貯留する排水槽に設置されるエアレーション装置であって,前記排水槽内に縦方向に配置され,内部に気液接触空間を形成する筒形状のケーシングと,前記気液接触空間内に送気するための送気部と,前記排水槽内上方の排水を吸引して,前記ケーシングにおける下方に設けられた取り込み口から,前記気液接触空間内に取り込むための吸引パイプと,前記ケーシングの上部に設けられて水平方向に延出し,かつ延出端部が閉塞している吐出路と,前記吐出路の側面に形成された吐出口とを有し,
前記吸引パイプの吸引口は,ケーシングにおける上方であって,かつ前記吐出口よりは下方に位置し,前記吸引パイプから気液接触空間内に取り入れられた排水が,前記送気部による気液接触空間内への送気によって曝気された後,前記吐出路を通って前記吐出口から前記排水槽の液面に吐出されるように構成されたことを特徴とする,エアレーション装置が提供される。
【0020】
このエアレーション装置では,気液接触空間で曝気された排水は,吐出路によって一旦水平方向へと流出し,その後吐出路側面に形成された吐出口から吐出される。そして延出端部,すなわち流出方向の終末端は閉塞しているので,排水流は,当該端部で衝突して,その勢いが減衰する。一方側面,すなわち排水流と直角方向に吐出口が形成されているので,この吐出口から吐出される曝気後の排水の流速は減少している。したがって,下降流の発生を抑えることができる。
【0021】
この場合,前記吐出路を複数備えていれば,分散して吐出させることができ,さらに効果的である。また吐出口が,吐出路に複数形成されていても,分散させて吐出させるので,より効果的に下降流の発生を抑えることができる。
【0022】
前記吐出路の上面の少なくとも一部が開口,すなわち大気に開放していれば,吐出口からの吐出を円滑に実現できる。ここで,ここで吐出路の断面形状は,適宜のものを選択できるが,加工や側面(側壁)に吐出口を形成する際の容易さ等を考慮すると,断面が凹形状のものが適している。
【0023】
吐出口の形状自体は任意であるが,吐出路の上面に開口部がある場合,当該開口部に達するように上下方向に形成されたスリット形状が適している。
【0024】
そして以上の各エアレーション装置における吐出口の開口面積可変としておけば,運転条件等に応じた最適な吐出流量が選択できる。例えば吐出口がスリット形状の場合,その幅方向を可変とすべく,スライドシャッタをスリットに設けておけば,これを容易に実現できる。
【0025】
以上の各エアレーション装置において,前記排水槽(すなわちケーシングが設置されている排水槽)が他の排水槽と連通している場合,当該他の排水槽内上方の排水を前記気液接触空間内に取り込み可能な,他の吸引パイプを付加させてもよい。すなわち,吸引パイプを複数装備し,連通している他の排水槽上部の油を含む排水をケーシングの気液接触空間に取り込むようにしてもよい。これによって,例えば下流側の槽に流れ込んだ油分を回収して曝気処理することができる。
【0026】
そして以上の各エアレーション装置において,排水槽を形成する壁体に取り付けられた支持部材に対してケーシングを着脱自在に構成すれば,保守や点検,清掃の際に便利である。着脱自在の構成としては,例えばケーシングを上方向にスライドして引き抜き自在とするのが,ケーシングセットの高さ調整の煩わしさも解消されるので好ましい。この場合,例えば前記ケーシングの背面側には,垂直方向に貫通した挿入部を有する取り付け部材が固着され,前記支持部材は側面がL字型の形状を有し,前記挿入部内に挿入可能であるようにしてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明すると,図1は,参考例かかるエアレーション装置1を用いたグリーストラップ2の概要を示しており,このグリーストラップ2は,上流側から順に,第1槽A,第2槽B,第3槽Cの3つの排水槽を有している。第1槽A,第2槽B,第3槽Cの3つの排水槽は,垂直に配置された仕切板3,4によって仕切られているが,各仕切板3,4の下部に形成されている連通口5,6によって連通している。仕切板3,4の上端部は,槽内の排水の液面から上に位置するように設定され,液面に浮上している油分が,他の槽に流入しない十分な高さを確保している。
【0028】
最上流側の第1槽Aには,厨房等からの排水が排水流入管7から流入する。また最下流側の第3槽Cには,排出管8が設けられており,排出管8の排出口8aから排出された排水は,下水道等に流入するようになっている。この排出管8は,管内への流入部8bが液面より下方に設定されており,万が一,第3槽Cの液面上に浮上した油をそのまま流入させてしまって,当該油が排出口8aから排出することが防止されている。また第2槽Bの底面には,仕切堰9が設けられており,連通口5から流れ込んだ第1槽Aの排水がそのまま連通口6を通じて第3槽Cに流れ込むことを防止している。
【0029】
エアレーション装置1は,仕切板4の第2槽Bの面に取り付けられ,第2槽B内に設置されている。エアレーション装置1の詳細を図2に基づいて説明する。このエアレーション装置1は,底面が閉口し,上面が開口した略角筒形状のケーシング11を有しており,このケーシング11は,槽内に縦方向に配置される。ケーシング11の内部には気液接触空間Sが形成されている。この例においては,取り込み口12,13から取り入れた排水の上方向の流路を隔壁11aなどによって1/2に縦方向に区画し,さらに途中で流路を90度回転させて今度は隔壁11bによって横方向に短冊状に1/2に区画された気液接触空間Sが構成されており,これによって気液接触効率が高め,また偏りなく曝気処理することが可能なように構成されている。
【0030】
ケーシング11の下方には,排水の取り込み口12,13が対向して形成されている。そして取り込み口12には吸引パイプ14が接続され,取り込み口13には吸引パイプ15が接続されている。そして後述するコンプレッサ22によって空気を圧送すると,ケーシング11内の圧力が下がり,そのドラフト効果によって,吸引パイプ14,15から取り込み口12,13を通じて槽内の排水がケーシング11内に導入される。かかる排水の取り込み動作は,吸引パイプ14,15毎に単独で可能である。
【0031】
吸引パイプ14,15は,同一構成を有しており,途中でアングル状に曲がって垂直方向上方に延出する形態を有しており,上端部にはテーパ状に径が拡大した吸込口14a,15aを有している。
【0032】
ケーシング11内には,取り込み口12,13の下方の箇所に送気部21が設けられている。この送気部21は,多数の吹出し孔21aを有する本体21bと,この本体21b内に通じ,ケーシング11外に設けられている供給部21cとを有している。そして供給部21cに曝気用の気体として,例えば空気が槽外に設置されているコンプレッサ22によって圧送されると,吹出し孔21aから当該空気が気液接触空間内Sに供給されるようになっている。
【0033】
ケーシング11の上端の開口部は,吐出口23を構成している。そしてこの吐出口23の上方には,図3にも示したように,適宜の細幅形状のステイ24を介して邪魔板25が設置されている。この邪魔板25の寸法は,方形の吐出口23の寸法が,X×Yとした場合,(X/2〜3X)×(Y/2〜3Y)が適当である。また吐出口23の端面から,邪魔板25の下面までの距離d1は,10mm〜100mm程度が好ましい。
【0034】
ケーシング11の背面には,垂直方向に貫通した幅広の挿入部26aを有する取り付け部材26が固着されている(図3)。そしてこのケーシング11を第2槽B内に設置する場合には,図2に示したように,仕切板4の壁面に固着した側面が略L字型の支持部材27をこの挿入部26a内に挿入するようにして,ケーシング11全体を下方にスライドさせるようにして設置する。
【0035】
またエアレーション装置1を設置する場合には,図1に示したように,背面側の吸引パイプ15は,第3槽C内に設置する。したがって吸引パイプ15は,仕切板4を貫通してケーシングの取り込み口13に接続されることになる。
【0036】
エアレーション装置1は,以上のような構成を有しており,使用する場合には,図1に示したように,第2槽Bの仕切板4の壁面に固着した支持部材27に,ケーシング11背面の取り付け部材26を挿入してエアレーション装置1を第2槽Bに設置する。この場合,予め支持部材27において取り付け部材26を係止した時点で,吐出口23が第2槽Bの液面上に位置するように支持部材27の長さや取り付け部材26のケーシング11への固着位置を設定しておけば,エアレーション装置1の高さ調整が不要で,作業が簡易,迅速に実施できる。
【0037】
後は,排水流入管7から第1槽Aに流入し,連通口5を通じて第2槽Bに流れ込んでくる厨房等からの排水を吸引パイプ14でケーシング11内にとりこむと共に,第3槽Cの液面付近に浮上している油を含む排水を吸引パイプ15でケーシング11内に取り込む。そして取り込んだ排水に対して,送気部21から曝気用の空気を供給して気液接触空間S内で曝気処理する。これによって,好気性微生物によって油分が分解されたり,嫌気性微生物が死滅して腐敗臭の発生が防止される。
【0038】
そしてそのように気液接触空間S内で曝気処理された後の排水は,上面が開口した吐出口23から上方に吐出されるが,その前面,すなわち上方には邪魔板25が設けられているので,吐出された排水はこの邪魔板25に衝突して流速が減速される。そしてその後吐出口23の周囲に分散して放出される。したがって,液面に到達する際の流速は遅くなっており,また周囲に分散されて放出されるから,液面にうず流を発生させず,また槽の隅部での下降流の発生を防止できる。したがって,連通口5から第2槽B内に流入してくる油分の上昇を妨げず,結果として吸引パイプ14からケーシング11内に取り込む油の量の低下を防止することができる。さらにまた第2槽B全体を撹拌することもない。それゆえ送気による油阻集効率の低下を防止できる。しかも前記邪魔板25によって,吐出される排水流や気泡が破裂する際に生ずるしぶきやミスト等の上方への飛散,拡散も防止でき,グリーストラップ2が設置されている場所の雰囲気を汚染することも抑制できる。
【0039】
しかもエアレーション装置1は,第3槽Cの液面付近に浮上している排水をも吸引パイプ15でケーシング11内に取り込んで曝気処理しているので,第3槽Cへの油の堆積を防止でき,グリーストラップ2全体の油分解性能を向上させると共に,第3槽Cでの嫌気条件による悪臭発生を防止できる。
【0040】
定期点検やメンテナンス時においては,ケーシング11を上方に引き上げることで,支持部材26からこれを取り外すことが可能であるから,メンテナンス時の取り外し作業を大幅に軽減することができる。
【0041】
なお前記ケーシング11の吐出口23の周縁に,図4に示したように,フランジ部23aをさらに設ければ,排水の吐出口23からの放出時に,邪魔板25からの排水の跳ね返り流(下方への叩きつけ流)が第2槽Bの液面に直接落下して,第2槽B内に下降流が形成されることを防止できる。この場合,フランジ部23aの幅Wは,10mm〜50mm程度が好ましい。このフランジ部23aは,吐出口23からの吐出量が多い場合に,特に有効である。
【0042】
次に他の参考例について説明する。図5は,他の参考例にかかるエアレーション装置31の全体の概観を示しており,図中前出エアレーション装置1と同一の符号で示される部材等は,エアレーション装置1と同一の部材等を示している。この第2の実施の形態にかかるエアレーション装置31においては,ケーシングの上端面に,吐出部材32を取り付けたものである。
【0043】
吐出部材32は,図6に示したように,気液接触空間Sに通ずる水平方向に開口した2つの吐出口33,34を有しており,ケーシング11内の気液接触空間Sで曝気処理された後の排水は,ケーシング11の上部からこれら2つの吐出口33,34から分散されて水平方向に吐出されるようになっている。これら2つの吐出口33,34は,図7に示したように,所定の開き角度θをもって水平方向に吐出するように設定されている。この開き角度(挟角)θの範囲は,30゜〜90゜が適当である。
【0044】
エアレーション装置31は,以上の構成を有しており,ケーシング11内の気液接触空間S内で曝気処理された後の排水は,2つの吐出口33,34から分散して水平方向に吐出される。従って,槽内の液面にうず流を発生することが抑えられ,槽の隅に下降流が形成されることを抑えることができる。
【0045】
かかる場合,さらに図8に示したように,吐出口33,34の前面にステイ35を介して各々邪魔板36を取り付ければ,吐出口33,34から吐出された曝気後の排水がこの邪魔板36に衝突してその流速が弱まる。したがって,うず流の発生をさらに抑えることが可能になる。吐出口33,34からの吐出量が多い場合に,邪魔板36は有効である。かかる場合,吐出口33,34と邪魔板36までの距離d2は,10mm〜50mm程度が適している。また邪魔板36の寸法についても,横方向については吐出口33,34の開口幅の1/2〜2倍,縦方向は吐出口33,34の縦方向の長さの1/2〜2倍が適当である。
【0046】
前記各参考例において使用したケーシング11は,全体として角筒形状のものも使用できる。もちろんこれに限らず種々の形態のケーシングを採用することができ,また気液接触空間Sについても単一形状のものではなく,縦方向に分割してより小さい気液接触空間を複数形成してもよい。
【0047】
例えば取り込み口12,13から取り入れた排水の上方向の流路を1/2や1/4等に縦方向に短冊状に区画し,さらに途中で流路を90度回転させて今度は実質的に横方向に短冊状に1/2や1/4等に区画することで,気液接触効率が高まり,また偏りなく曝気処理することが可能になる。
【0048】
次に参考例の効果を検証するための実験結果を下記に示す。実験は,図1に示したグリーストラップ2を用い,排水流入管7からの排水の流入量を1回分100リットルとし,当該50℃の湯100リットル中にラードを600g混入した擬似排水を使用した。擬似排水の流入については,各槽より高い位置に設置した擬似排水貯留容器(図示せず)から給水管(図示せず)を通じて120リットル/分の流速で第1槽Aに流入させた。そして第3槽Cから排出される擬似排水中のラードの量を測定し,阻集効率,すなわち,測定されたラード量/600gを百分率で求めた。
【0049】
実験に用いたエアレーション装置は,前出エアレーション装置1と,エアレーション装置31と,図9に示したうず流の発生を起こしやすいモデルのエアレーション装置41である。このエアレーション装置41は,ケーシング11,送気部21,吸引パイプ14,15については各々前出エアレーション装置1と,エアレーション装置31と同一のものが使用されており,ただ吐出口42の構成のみが異なっている。
【0050】
このエアレーション装置41の吐出口42は,水平方向に開口した単一の吐出口構成であり,その大きさは,75mm×75mmの正方形である。これに対し,実験で用いた第1の実施の形態にかかるエアレーション装置1の吐出口23の大きさは,75mm×75mmであり,また邪魔板25の寸法は170mm×90mmであり,吐出口23から邪魔板25までの距離d1は,130mmである。また実験で用いた第2の実施の形態にかかるエアレーション装置31の吐出口33,34の大きさは,130mm×50mmであり,また邪魔板36の寸法は150mm×70mmであり,吐出口33,34から邪魔板36までの距離d2は,20〜70mmである。そして槽内の液面から,各タイプのエアレーション装置1,31,41の吐出口までの高さは,300mmである。また各タイプのエアレーション装置1,31,41の吐出口からの吐出量は,60〜100リットル/分とした。
【0051】
実験は,各回とも疑似排水100リットルの阻集効率を求め,合計20回実施した。この結果を図10の表,及び図12のグラフに示す。なお図10の表中,「41」,「1」,「31」とあるのは,各々エアレーション装置41,1,31を示している。これら表,グラフからもわかるように,エアレーション装置1と,エアレーション装置31については,97%以上の高い阻集効率が得られ。以後次第に減少するが,20回目であっても,依然としてほぼ94%の高い阻集効率を維持できている。
【0052】
これに対し,単一の吐出口42を有するエアレーション装置41については,当初でも90%であり,20回目では90%を切っている。全く同様のケーシング11,気液接触空間S,送気部21,吸引パイプ14,15を有しているにもかかわらず,そのような差が生じたのは,図12に示したように,エアレーション装置41の場合には,吐出口42からの吐出によって,第2槽B内にうず流(図中の「×」で示す)が発生し,その結果槽の隅に下降流が形成され,第1槽Aから連通口5を通じて第2槽B内に流入する排水の油分の上昇が抑えられ,ケーシング11内への取り込み量が少なくなったためと思われる。
【0053】
これに対しエアレーション装置1と,エアレーション装置31は,吐出口からの吐出によるうず流の発生を抑えているので,ケーシング11内への油分の取り込み量がエアレーション装置41よりも増大し,より高い阻集効率を実現できる。
【0054】
次に実施の形態について説明する。図13は,実施の形態にかかるエアレーション装置51の概観を実機に即して示しており,図中第1の形態にかかるエアレーション装置1と同一の符号で示される部材等は,エアレーション装置1と同一の部材等を示している。この実施の形態にかかるエアレーション装置51は,図14にも示したように,ケーシング11の上端面に,吐出路52を構成する吐出部材53を取り付けたものである。
【0055】
吐出部材53は,ケーシング11上面の開口部11cを覆い,かつ水平方向に延出した全体として樋型の形状をなし,吐出路52は気液接触空間Sに通じている。そしてこの吐出部材53は延出端部53aが閉塞し,側面,すなわち前面にスリット形状の吐出口54が形成されている。
【0056】
吐出部材53は,平面からみるとケーシング11の前面と平行にかつ水平方向に延出し,図14に示したように,途中で角度φだけ,前面側に折曲した形態を有している。そして折曲した部分の上面の一部が開口した形態を有し,吐出口54の上端は,この開口部分に達している。なお前記折曲する際の角度,すなわち角度φは,0゜〜60゜が適している。また折曲した後の延出部分の長さは,ケーシング11の幅の2〜3倍程度が適している。
【0057】
また実施の形態にかかるエアレーション装置51の吸引パイプ14,15の各吸込口14a,15aの上方には,各々環状に配置された支柱55の上にカバー56が設けられている。そしてこれら支柱55は,粗大塵埃や生ゴミ等を捕集する柵として機能するようになっている。
【0058】
実施の形態にかかるエアレーション装置51の主たる特徴は以上のようであり,設置,使用については前記参考例と同様であり,ケーシング11内の気液接触空間S内で曝気処理された後の排水は,ケーシング11上面の開口部11cから吐出部材53内に形成されている吐出路52に流出し,吐出口54から液面に吐出される。従って,吐出の際の流速が弱まり,槽内の液面にうず流を発生することが抑えられ,槽の隅に下降流が形成されることを抑えることができる。また吐出路52の上面の一部が開口しているので,かかる吐出も円滑に行われる。
【0059】
次にこの実施の形態にかかるエアレーション装置51を用いて,既述の第1の実施の形態にかかるエアレーション装置1の効果を調べた実験と全く同一条件で行った実験の結果を下記に示す。
【0060】
図15の表は,実験毎と累積阻集効率を示し,図16のグラフをこの結果に基づいた累積阻集効率の変化を示している。これら表,グラフからもわかるように,実施の形態にかかるエアレーション装置51によれば,前記各参考例にかかるエアレーション装置よりもさらに阻集効率が向上し,70回行った後でもほぼ95%の高い阻集効率を維持している。
【0061】
なお実施の形態にかかるエアレーション装置51における吐出路52は,全体として略樋型の吐出部材53によって構成されていたが,もちろん吐出部材の形状は,略筒型や流路断面が円形や半円形のものも使用できる。さらにまた吐出口54もスリット形状としたが,任意の形状のものを選択できる。そして吐出口自体や吐出部材も複数設けてもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば,槽内全体の排水を混合撹拌することはないので,グリーストラップ本来の目的である油阻集を高い効率で維持することが可能であり,また下流側の排水管を閉塞させることはない。そして曝気処理をケーシング内の気液接触空間で実施しているから,曝気用に供給する気体の気泡の微細化と再集合を積極的に促進して排水との接触面積を増大させることが可能であり,溶存酸素濃度を増加させて好気性微生物の活性化を促進して油分の分解を促し,他方嫌気性微生物の発生を抑えて腐敗臭の発生を抑えることができる。さらにまた槽内に貯留されている排水にうず流を発生させることが抑えることができ,既述した下降流の発生も抑えられる。したがって,ケーシング内への油分の取り込み量を多くして高い阻集効率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例にかかるエアレーション装置を用いたグリーストラップの全体の概要を示す説明図である。
【図2】 参考例にかかるエアレーション装置の一部断面側面図である。
【図3】 参考例にかかるエアレーション装置のケーシング上部の斜視図である。
【図4】 図3のエアレーション装置の吐出口の周縁部にフランジ部を設けた例の斜視図である。
【図5】 他の参考例にかかるエアレーション装置の側面図である。
【図6】 他の参考例にかかるエアレーション装置のケーシング上部の斜視図である。
【図7】 図6のエアレーション装置のケーシング上部の吐出口の開き角度を示す平面からの説明図である。
【図8】 図6のエアレーション装置の吐出口の前面に邪魔板を設けた例を示す斜視図である。
【図9】 うず流を発生させやすいタイプのエアレーション装置を用いたグリーストラップの全体の概要を示す説明図である。
【図10】 図9のエアレーション装置と参考例,他の参考例にかかるエアレーション装置との阻集効率を比較するための実験結果を示す図表である。
【図11】 図10の実験結果に基づいて記した実験回数と阻集効率の関係を示すグラフである。
【図12】 図9のエアレーション装置によるうず流の発生を示す平面からの説明図である。
【図13】 本発明の実施の形態にかかるエアレーション装置の斜視図である。
【図14】 実施の形態にかかるエアレーション装置のケーシング上部の斜視図である。
【図15】 実施の形態にかかるエアレーション装置の阻集効率の実験結果を示す図表である。
【図16】 図15の実験結果に基づいて記した実験回数と阻集効率の関係を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 油を含む排水を貯留する排水槽に設置されるエアレーション装置であって,
    前記排水槽内に縦方向に配置され,内部に気液接触空間を形成する筒形状のケーシングと,
    前記気液接触空間内に送気するための送気部と,
    前記排水槽内上方の排水を吸引して,前記ケーシングにおける下方に設けられた取り込み口から,前記気液接触空間内に取り込むための吸引パイプと,
    前記ケーシングの上部に設けられて水平方向に延出し,かつ延出端部が閉塞している吐出路と,
    前記吐出路の側面に形成された吐出口とを有し,
    前記吸引パイプの吸引口は,ケーシングにおける上方であって,かつ前記吐出口よりは下方に位置し,
    前記吸引パイプから気液接触空間内に取り入れられた排水が,前記送気部による気液接触空間内への送気によって曝気された後,前記吐出路を通って前記吐出口から前記排水槽の液面に吐出されるように構成されたことを特徴とする,エアレーション装置。
  2. 前記吐出路を複数備えていることを特徴とする,請求項1に記載のエアレーション装置。
  3. 前記吐出口は,前記吐出路に複数形成されていることを特徴とする,請求項1又は2に記載のエアレーション装置。
  4. 前記吐出路の上面の少なくとも一部が開口していることを特徴とする,請求項1,2又は3のいずれかに記載のエアレーション装置。
  5. 前記吐出口は,前記開口部に達するように上下方向に形成されたスリット形状であることを特徴とする,請求項4に記載のエアレーション装置。
  6. 前記吐出口の開口面積が可変であることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載のエアレーション装置。
  7. 前記排水槽は他の排水槽と連通しており,前記他の排水槽内上方の排水を前記気液接触空間内に取り込み可能な,他の吸引パイプを有していることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載のエアレーション装置。
  8. 前記ケーシングは,排水槽を形成する壁体に取り付けられた支持部材に対して着脱自在であることを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載のエアレーション装置。
  9. 前記ケーシングの背面側には,垂直方向に貫通した挿入部を有する取り付け部材が固着され,
    前記支持部材は側面がL字型の形状を有し,前記挿入部内に挿入可能であることを特徴とする,請求項8に記載のエアレーション装置。
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