JP4374885B2 - 膜分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は膜分離装置に係り、特に、排水処理設備の膜分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の膜分離排水処理装置は、水槽内に膜ユニットを設置して膜処理を行うことが主流である。例えばBOD処理を対象とする場合には、BODの酸化を行う「酸化槽」を設置し、そこに膜ユニットを浸漬させて固液分離を行っている。また、窒素処理を含めた高度処理を行う場合には、嫌気状態に保って脱窒を行う「脱窒槽」と、硝化及び膜による固液分離を行う「硝化槽」の2槽を処理槽として設置し、この2槽の間で処理水を循環させている。
【0003】
しかし、2槽を用いて高度処理を行うと、送液、循環、攪拌などを行う機器類が別途必要になり、コストが上昇するという問題があった。
【0004】
このため、近年では、1槽のみを用いて高度処理を行う装置が開発されている。例えば、特許文献1には、無端状の処理槽に複数の膜ユニットを配設した膜分離装置が提案されている。この膜分離装置では、複数の膜ユニットが被処理水の流れ方向に所定の間隔をあけて配置されている。このため、濾過処理を多段階的に行うことができる。さらに、膜ユニットの膜面が旋回流の流れ方向と平行に配置されているため、膜面への汚泥等の堆積を防止できる。
【0005】
特許文献2には、膜ユニットの下方に散気手段を配置するとともに、散気手段によるエアリフト効果を利用して旋回流を形成する膜分離装置が提案されている。この膜分離装置によれば、散気手段で散気を行うことによって旋回流を形成することができ、消費動力を削減することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−285339号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−47046号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1槽のみで高度処理を行う膜分離装置は、処理性能が低いという問題があった。
【0009】
例えば、特許文献1の膜分離装置は、原水供給管から供給された被処理水中のBODが、被処理水中の汚泥に含有される嫌気菌(例えば脱窒菌)の栄養源として消費されるため、原水供給管の下流側になるにつれてBOD濃度が低くなる。このため、原水供給管の下流側になるにつれて嫌気性処理の性能が低下するという問題があった。
【0010】
特許文献2の膜分離装置では、エアリフト効果によって旋回流を形成するため、被処理水の流速が不足し、膜面の洗浄効果が小さいという問題があった。その結果、膜面への汚泥の堆積を十分に防止することができず、膜面が短期間で閉塞し、処理性能が低下するという問題があった。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、1槽の処理槽のみで高度処理を行う膜分離装置において、処理性能を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、被処理水が生物学的に処理されるとともに、前記被処理水の旋回流が形成される無端状の処理槽と、前記旋回流の流れ方向に間隔をあけて設置され、前記被処理水を膜分離処理する複数の膜ユニットと、前記処理槽に供給される被処理水が貯留される原水槽を備えた膜分離装置において、前記原水槽を前記旋回流の内側に設け、該原水槽から前記処理槽に前記被処理水を供給する供給手段が、前記旋回流の流れ方向において多段階的に供給を行うことを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、旋回流の流れ方向に多段階的に被処理水を処理槽に供給するようにしたので、旋回流の流れ方向において被処理水に含有される成分(例えばBOD等)の濃度分布が生じることを防止できる。したがって、被処理水中のBOD濃度が下流側になるほど低下するという従来の欠点を防止できるので、嫌気処理の性能を向上させることができる。なお、被処理水は、各膜ユニットの下流側に供給することが好ましい。この位置に被処理水を供給すると、膜ユニットの下流側に形成される嫌気領域に被処理水中のBODを栄養分として補給することができる。したがって、脱窒などの嫌気性の生物処理の性能を向上させることができる。
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、原水槽を旋回流の内側に設けたので、原水槽と処理槽を小さなスペースに設置することができる。これにより、敷地の単位面積あたりの処理効率を大幅に向上させることができる。
【0016】
また、請求項1に記載の発明によれば、原水槽を旋回流の内側に設けたので、処理槽への被処理水の供給が容易になり、被処理水を多段階的に供給することを容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記供給手段は、前記原水槽の側壁の上部に接続された供給用配管と、該供給用配管の入口に設けられ、高さ位置を調節可能な堰と、を備え、前記堰を越えた前記被処理水が前記処理槽に供給されることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って、本発明に係る膜分離装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0022】
図1は、本発明を硝化・脱窒装置に適用した膜分離装置示す平面図である。
【0023】
同図に示すように、膜分離装置10は主として、原水槽12と処理槽14で構成される。原水槽12は、略矩形状に形成され、この原水槽12の周囲を囲むようにして処理槽14が形成される。すなわち、処理槽14は無端状に形成されており、その内側に原水槽12が設けられる。原水槽12には被処理水が貯留され、この被処理水が後述する供給用配管16を介して処理槽14に供給される。
【0024】
処理槽14には攪拌機18が設けられる。この攪拌機18を駆動することによって、被処理水が原水槽12の回りを旋回する旋回流が形成される。なお、攪拌機18は、運転開始時のみに駆動すればよい。すなわち、後述するエアリフト効果によって旋回流が安定して形成された際には攪拌機18を停止してもよい。
【0025】
処理槽14には、複数の膜ユニット22、22…が設けられる。膜ユニット22は、旋回流の流れ方向において所定の間隔をあけて配設される。
【0026】
図2に示すように、膜ユニット22は、複数の膜エレメント24、24…によって構成される。各膜エレメント24は、矩形の板状に形成された通水材(不図示)の両面に、有機平膜などの膜26を貼り合わせるとともに、その外周部を不図示のシール部材でシールすることにより構成される。各膜ユニット22は、所定の間隔をあけて平行に配設されるとともに、各膜ユニット22の膜26が処理槽14(図1参照)の内壁と平行になるようにして設置される。
【0027】
膜エレメント24の上端には集水管28が接続されている。この集水管28は、膜エレメント24の内部に連通され、その先端はポンプ(図1参照)20に接続されている。したがって、ポンプ20を駆動することによって、各膜エレメント24の内部に吸引作用が働き、被処理水が膜26を介して内部に吸引される。そして、膜26を透過した処理水が集水管28を介して排水される。なお、図1は、各膜ユニット22ごとに別々のポンプ20を接続した例であるが、複数の膜ユニット22で共通のポンプを使用してもよい。また、図2には、集水管28を膜エレメント24の上部に接続した例を示したが、集水管を膜エレメント24の左右両端部に接続し、処理水を水平方向に引き抜くようにしてもよい。
【0028】
図3に示すように、処理槽14の底面には、各膜ユニット22の設置位置において、水深の大きい深部34が形成されている。深部34における水深は、他の部分の水深の略二倍程度になるように構成される。前述した膜エレメント24は、この深部34に合わせて縦長に形成されている。なお、縦長の膜エレメント24を設ける代わりに、通常の(高さ寸法の小さい)膜エレメントを上下に複数段に重ねて配設してもよい。
【0029】
膜ユニット22の下方には散気管30が設けられ、散気管30はブロア32に接続される。このブロア32からエアを送気すると、無数の気泡が被処理水中に散気される。この散気された気泡は、膜エレメント24、24間を上昇するので、そのエアリフト効果によって被処理水の上昇流が形成される。これにより、膜26にクロスフローが付与され、膜26が洗浄される。したがって、膜26に付着物が堆積することを抑制することができる。
【0030】
膜ユニット20の上流側と下流側にはそれぞれ阻流板36、38が立設される。阻流板36、38は処理槽14の側壁14A、14B(図5参照)と直交するように設置される。上流側の阻流板36は、その上端が液面よりも高く突出されるとともに、下端が底面から所定の隙間を持って配置される。一方、下流側の阻流板38は、その上端が液面より若干低い位置に配置されるとともに、下端が底面に固定されている。したがって、散気管30から散気を行うと、散気された気泡のエアリフト効果によって被処理水の上昇流が形成される。そして、上流側の阻流板36の下端を潜るようにして上流側の被処理水が膜ユニット22側に吸い込まれるとともに、膜ユニット22側の被処理水が下流側の阻流板38の上端を越えて下流側に流れる。これにより、被処理水が原水槽12の回りを旋回する旋回流が形成される。なお、深部34の上流側はテーパ状に形成されており、被処理水がスムーズに二つの阻流板36、38同士の間にもぐり込むようになっている。
【0031】
図1に示すように、供給用配管16は、各膜ユニット22の下流側(すなわち、各阻流板38の下流側)において処理槽14に接続される。供給用配管16にはポンプ40と弁42が配設されており、ポンプ40を駆動することによって原水槽12の被処理水が処理槽14に供給される。また、弁42の開度、或いはポンプ40の送液量を調節することによって、供給用配管16を流れる被処理水の流量が調節される。これにより、各供給用配管16によって供給される被処理水の流量を各々調節することができる。
【0032】
なお、供給用配管16の先端は、被処理水の液中に配置することが好ましい。これによって、阻流板38の下流側の下部に被処理水が給水されるので、このエリアに被処理水の滞留域が形成されることを防止できる。
【0033】
また、被処理水の供給方法は上述したものに限定されるものではない。例えば図4に示すように、供給用配管48を原水槽12の側壁の上部に接続するとともに、供給用配管48の入口に堰50を上下にスライド自在に設けてもよい。この場合、原水槽12の水位が上昇して堰50の上端を越えると、被処理水は自動的に供給用配管48から処理槽14に供給される。また、堰50の高さ位置を手動または自動で変えることによって、被処理水の供給流量を調節することができる。なお、供給用配管48を設けずに、原水槽12の側壁の上部に開口を設けるだけでもよい。
【0034】
図5に示すように、処理槽14の側壁14A、14Bには可動壁44が設けられる。可動壁44は、膜ユニット22の側方に設けられ、処理槽14の幅方向にスライド自在に支持される。また、可動壁44は、シリンダ46に接続され、このシリンダ46によって処理槽14の幅方向に移動するようになっている。したがって、可動壁44によって旋回流の流路を狭窄することができ、膜ユニット22を通過する被処理水の流速を増加させることができる。これにより、膜ユニット22の膜26にかかる剪断力が増加するので、膜26に付着した堆積物の剥離性が向上し、膜26の閉塞を防止することができる。なお、側壁14A、14Bに可動壁44、44は、同時に同量だけスライドすることが好ましい。また、可動壁44は、側壁14A、14Bの両方に設けることが好ましいが、どちらか一方にのみ設けてもよい。
【0035】
次に上記の如く構成された膜分離装置10の作用について説明する。
【0036】
ブロア32を駆動して散気管30から散気を行うと、エアリフト効果によって被処理水が上昇する。そして、上流側の阻流板36の下方から被処理水が膜ユニット22側に吸い込まれるとともに、膜ユニット22側の被処理水が阻流板38の上端を越えて流れ出す。これにより、被処理水が原水槽12の回りを旋回する旋回流が形成される。このとき、攪拌機18を駆動することによって、旋回流の形成を迅速に行うことができる。
【0037】
散気管30から散気を行ったことによって、膜ユニット22の設置位置(すなわち、阻流板36、38の間)は、好気状態になる。以下、このエリアを好気部という。また、好気部と好気部との間では、酸素との接触がないため嫌気状態(以下、嫌気部という)になっている。
【0038】
被処理水は処理槽14内を旋回することによって、好気部と嫌気部を交互に通過する。これにより、好気部における硝化作用と、嫌気部における脱窒作用を交互に受けて、被処理水の窒素成分が効率良く除去される。
【0039】
被処理水の旋回流が形成された状態でポンプ20を駆動すると、被処理水が膜エレメント24の内部に吸引される。これにより、膜濾過が行われ、懸濁物のない処理水を得ることができる。膜濾過を行った結果、処理槽14の内部は汚泥濃度が上昇し、例えば10g/L と高い汚泥濃度になる。これにより、好気部でのDOの消費量が大きくなるので、嫌気部でのDOは低下し、嫌気部での処理性能を向上させることができる。
【0040】
ところで、嫌気部では被処理水中のBODを栄養源として嫌気処理を行っている。したがって、嫌気部においてBOD濃度が低下すると、嫌気部での処理性能が低下するという問題が発生する。従来装置では、被処理水(原水)を処理槽に一カ所で供給していたため、供給位置に対して下流側の嫌気部になるほど、処理性能が低下するという問題が発生していた。
【0041】
本実施の形態では、このような不具合を解消するため、供給用配管16、16…をそれぞれ膜ユニット22、22…の下流側に接続することによって、各嫌気部に被処理水を供給している。これにより、各嫌気部にBODが十分に供給されるので、嫌気部での処理性能を向上させることができる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、膜26が旋回流の流れ方向と平行に配置されているので、旋回流によって膜26を洗浄することができ、膜26への付着物の堆積を防止できる。
【0043】
さらに、本実施の形態では、可動壁44を処理槽14の側壁から突出させて旋回流の流路を狭窄することができるので、膜26にかかる旋回流の流速を増加させ、膜26の洗浄効果を上昇させることができる。なお、本実施の形態では、可動壁44を必要に応じて退避させ、旋回流の流路を広げることができる。したがって、例えば運転開始時に流路を広げることにより、旋回流の形成を容易に行うことができる。また、膜26の洗浄時にのみ、旋回流の流路を狭窄するようにしてもよい。なお、攪拌機18を稼働させることによって、旋回流の流速を速め、膜26の洗浄効果を高めることも可能である。
【0044】
また、本実施の形態によれば、処理槽14に深部34を設け、この深部34の底部に散気管30を配設しているので、散気管30から散気された気泡が被処理水に接触する時間が長くなる。したがって、好気部における溶存酸素濃度を向上させることができる。これにより、汚泥濃度が高い場合であっても、好気部においてDOを確実に増加させることができ、好気部での処理性能を維持することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、無端状の処理槽14の内側に原水槽12を設けたので、処理槽14と原水槽12を小さなスペースに設置することができる。したがって、敷地の単位面積あたりの処理性能を向上させることができる。
【0046】
さらに、処理槽14の内側に原水槽12を設けたことによって、被処理水の処理槽14への供給を容易に制御することができる。例えば図4に示したように堰50を用いて供給量を調節する場合には、堰50の高さ位置を揃えるだけで、各供給用配管48において同量の被処理水を供給することができる。
【0047】
なお、上述した膜分離装置10は、四つの主な構成要件(すなわち、▲1▼被処理水を多段階的に供給すること、▲2▼処理槽14の内側に原水槽12を設けたこと、▲3▼膜ユニット22の設置位置において流路を狭窄したこと、▲4▼膜ユニット22の設置位置に処理槽14の深部34を設けたこと)を同時に満たす実施形態であるが、四つの構成要件のうちのいずれか一つを満たせば処理性能を向上させることができる。以下に、各構成要件について説明する。
【0048】
図6に示す膜分離装置は、上記の構成要件▲1▼を満たす装置の一例である。同図に示す膜分離装置は、原水槽52が処理槽54の外側に配置され、原水槽52と処理槽54は、供給用配管56を介して接続される。供給用配管56は処理槽54側の先端が分岐され、それぞれが膜ユニット22の下流で処理槽54に接続される。また、供給用配管56の分岐管部分にはそれぞれ、流量を調節可能な弁58が配設される。したがって、供給用配管56に配設されたポンプ60を駆動することによって、原水槽52の被処理水が供給用配管56を介して処理槽54の内部に供給される。その際、弁58の開度を調節することによって、各供給量を調節することができる。これにより、原水槽52の被処理水を旋回流の流れ方向に多段階的に供給することができる。
【0049】
上記の如く構成された膜分離装置では、処理水を旋回流の流れ方向において多段階的に供給することができるので、旋回流の流れ方向において被処理水の成分分布(特にBODの濃度分布)が発生することを防止できる。
【0050】
なお、被処理水の供給位置は嫌気部の上流側に限定されるものではなく、旋回流に沿って多段階的に供給するものであればよい。したがって、例えば、各好気部の上流側(すなわち阻流板36の上流側)に被処理水を供給し、DOを増加させるようにしてもよい。
【0051】
図7に示す膜分離装置は、構成要件▲2▼を満たす装置の一例である。同図に示すように、処理槽64は略長円の枠状に形成されており、原水槽62は、その内側に略長円状に形成されている。原水槽62の被処理水は、供給用配管66によって処理槽64に供給される。処理槽64には、膜ユニット22が配設され、この膜ユニット22によって膜濾過が行われる。
【0052】
この膜分離装置によれば、処理槽64の内側に原水槽62が配設されるので、処理槽64と原水槽62を小さなスペースに設置することができ、敷地の単位面積あたりの処理性能を向上させることができる。なお、原水槽62は処理槽64の内側に配設されていればよく、その形状は処理槽64の内壁と同じ形状に限定されるものではない。したがって、図7に二点鎖線で示すように、処理槽64の内側に二つに仕切り、一方を原水槽62とし、他方を処理水や汚泥を貯留する槽として使用してもよい。
【0053】
なお、処理槽14、64の形状は、上述した矩形の枠状や長円の枠状に限定されるものではなく、円周形状や多角形の枠状など、旋回流が形成可能な無端状であればよい。ただし、膜ユニット22は旋回流の流路の直線部分に配置することが好ましいため、複数の膜ユニット22、22…を少ない敷地面積で設置するには、図7に示したように長円の枠状の処理槽64を用いることが好ましい。また、原水槽12、62は、処理槽14、64の内側に配置可能な形状であればよい。
【0054】
図8、図9は、旋回流の流路を狭窄する狭窄手段の他の実施形態を示す図である。
【0055】
図8に示す狭窄手段は揺動板68によって構成される。揺動板68は、膜ユニット22の側方に設けられ、処理槽14の側壁14A、14Bに形成された凹部に取り付けられる。また、揺動板68は、軸70を中心として揺動自在に支持される。軸70は、膜ユニット22を通過する旋回流の流れ方向と直交するように設置される。例えば、前述したように膜ユニット22の位置で上昇流が形成される場合には、軸70が水平に設置される。また、図3に示した阻流板36、38がなく、常に水平な旋回流が形成される場合には、軸70は垂直に設置される。揺動板68は、このように配置された軸70を中心として揺動自在に支持され、不図示の駆動手段によって揺動される。この揺動板68を揺動させて壁面14A、14Bから突出させると、旋回流の流路を狭窄することができる。また、揺動板68の角度を調節することによって、流路の断面積を調節することができる。さらに、揺動板68を凹部に収納して流路を広げることも可能である。
【0056】
図9に示す狭窄手段は、エアバッグ72によって構成される。エアバッグ72は、処理槽14の側壁14A、14Bに取り付けられており、エアバッグ72の内部にエアを送気することによって膨張する。これにより、旋回流の流路を狭窄することができる。また、エアバッグ72は、内部からエアを排出することによって収縮する。これにより、旋回流の流路を狭めることができる。なお、エアバッグ72を膨張させる手段として、散気用のブロア32(図3参照)を利用してもよい。
【0057】
上述した実施の形態は、処理槽14の幅方向に流路を狭窄するようにしたが、狭窄する方向はこれに限定するものではなく、処理槽14の長手方向、或いは高さ方向に狭窄してもよい。例えば、図3に示した阻流板36、38の間隔を狭めることによって、流路を狭窄するようにしてもよい。
【0058】
また、上述した実施の形態は、可動式の狭窄手段の例について説明したが、固定式の狭窄手段を用いてもよい。例えば、処理槽14の側壁14A、14Bに凸部を設け、流路を狭窄してもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る膜分離装置によれば、旋回流の流れ方向において被処理水を多段階的に供給したり、旋回流の内側に原水槽を設けたり、旋回流の流路を膜ユニットの位置で狭窄したり、或いは、膜ユニットの位置に処理槽の深部を設けたりすることによって、1槽の処理槽で高度処理を行う膜分離装置の処理性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る膜分離装置の構成を模式的に示す構成図
【図2】膜ユニットの構成を示す斜視図
【図3】図1の3−3線に沿う断面図
【図4】被処理水の他の供給方法を示す断面図
【図5】狭窄手段を示す平面図
【図6】被処理水を多段階的に供給する他の膜分離装置を示す構成図
【図7】原水槽を旋回流の内側に配置した他の膜分離装置を示す構成図
【図8】狭窄手段の他の実施形態を示す縦断面図
【図9】狭窄手段の他の実施形態を示す縦断面図
【符号の説明】
10…膜分離装置、12…原水槽、14…処理槽、16…供給用配管、18…攪拌機、22…膜ユニット、24…膜エレメント、26…膜、28…集水管、30…散気管、32…ブロア、34…深部、36…阻流板、38…阻流板、40…ポンプ、42…弁、44…可動壁、46…シリンダ、48…供給用配管、50…堰、52…原水槽、54…処理槽、56…供給用配管、58…弁、60…ポンプ、62…原水槽、64…処理槽、66…供給用配管、68…揺動板、70…軸、72…エアバッグ
Claims (2)
- 被処理水が生物学的に処理されるとともに、前記被処理水の旋回流が形成される無端状の処理槽と、前記旋回流の流れ方向に間隔をあけて設置され、前記被処理水を膜分離処理する複数の膜ユニットと、前記処理槽に供給される被処理水が貯留される原水槽を備えた膜分離装置において、
前記原水槽を前記旋回流の内側に設け、
該原水槽から前記処理槽に前記被処理水を供給する供給手段が、前記旋回流の流れ方向において多段階的に供給を行うことを特徴とする膜分離装置。 - 前記供給手段は、
前記原水槽の側壁の上部に接続された供給用配管と、
該供給用配管の入口に設けられ、高さ位置を調節可能な堰と、を備え、
前記堰を越えた前記被処理水が前記処理槽に供給されることを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置。
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