したがって、c−Met(HGFR)阻害剤および癌などの異常細胞成長を治療するためにそのような阻害剤を使用する方法は、これらの癌およびおそらく他の癌の治療における実質的に満たされていない医療ニーズに見合うものである。
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容できるその塩に関する
(式中、
R
1およびR
2は、水素、Br、Cl、F、−O(CH
2)
nCH
3、−NR
10C(O)OR
12、−(CR
12R
13)
nNR
10R
11、−O(CH
2)
nOR
10、−(CH
2)
nOR
10、−C(O)R
10、−C(O)OR
10、−C(O)NR
10R
11、−NR
10R
11、−S(O)
2R
10、−S(O)R
10、−S(O)
2NR
10R
11、−CF
3、−CF
2H、−NR
10C(O)NR
10R
11、−NR
10C(O)R
11、−NR
10S(O)
2R
11、−N(CH
2)
n(C
3〜8シクロアルキル)、−CN、−NO
2、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、3〜8員ヘテロ脂環式−(3〜8員ヘテロ脂環式)、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、およびC
2〜6アルキニルから独立して選択され、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、およびC
2〜6アルキニルは、Br、Cl、F、−(CH
2)
nCH(OR
10)CH
3、−(CH
2)
nOR
10、−(CH
2)
nC(CH
3)
2OR
10、−C(O)R
10、−C(O)OR
10、−(CR
10R
11)
nC(O)OR
10、−C(O)NR
10R
11、−(CR
10R
11)
nC(O)NR
10R
11、−(CH
2)
nNR
10R
11、−S(O)
2R
10、−S(O)R
10、−S(O)
2NR
10R
11、−CF
3、−CF
2H、−(CH
2)
nNR
10C(O)NR
10R
11、−(CH
2)
nNR
10C(O)OR
11、−NR
10C(O)R
11、−NR
10C(O)OR
11、−NR
10S(O)
2R
11、−CN、−NO
2、オキソ、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、−(CH
2)
n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−(CH
2)
n(5〜7員ヘテロアリール)、−(CH
2)
n(C
6〜10アリール)、C
2〜6アルケニル、およびC
2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよく、
R
3は、式
の部分であり、
R
5、R
6、R
7、R
8およびR
9は、水素、Br、Cl、F、−(CH
2)
nOR
10、−C(O)R
10、−C(O)OR
10、−C(O)NR
10R
11、−NR
10R
11、−S(O)
2R
10、−S(O)R
10、−S(O)
2NR
10R
11、−CF
3、−CF
2H、−NR
10C(O)NR
10R
11、−NR
10C(O)R
11、−NR
10SO
2R
11、−CN、−NO
2、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、およびC
2〜6アルキニルから独立して選択され、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、およびC
2〜6アルキニルは、Br、Cl、F、−(CH
2)
nOR
10、−C(O)R
10、−C(O)OR
10、−C(O)NR
10R
11、−NR
10R
11、−S(O)
2R
10、−S(O)R
10、−S(O)
2NR
10R
11、−CF
3、−CF
2H、−NR
10C(O)NR
10R
11、−NR
10C(O)R
11、−NR
10S(O)
2R
11、−CN、−NO
2、オキソ、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、C
3〜8ヘテロ脂環式、5〜7員ヘテロアリール、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、およびC
2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよく、
ただし、R
7およびR
8、またはR
8およびR
9のうちの1つは、結合して、飽和C
4〜8シクロアルキル、不飽和C
5〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、5〜7員ヘテロアリールおよびC
6〜10アリールから選択される環を形成し、前記環は、Br、Cl、F、−(CH
2)
nOR
10、−C(O)R
10、−C(O)OR
10、−C(O)NR
10R
11、−NR
10R
11、−S(O)
2R
10、−S(O)R
10、−S(O)
2NR
10R
11、−CF
3、−CF
2H、−NR
10C(O)NR
10R
11、−NR
10C(O)R
11、−NR
10S(O)
2R
11、−CN、−NO
2、オキソ、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、C
3〜8ヘテロ脂環式、5〜7員ヘテロアリール、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、およびC
2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよく、
R
10およびR
11は、H、−(CH
2)
nOR
12、−(CH
2)
nC(CH
3)
2OR
12、
−CHR
12(CH
2)
nOR
13、−C(O)OR
12、−(CH
2)
nCHR
12OR
13、−C(CH
3)
2(CH
2)
nOR
12、−CH
2CF
2H、−(CH
2)
nC(CH
3)
2NR
12R
13、−(CH
2)
nNR
12R
13、−(CH
2)
nCHOR
12(CH
2)
nOR
13、−(CH
2)
n(NR
12R
13)C(O)NR
12R
13、−(CH
2)
nS(O)
2R
12、−(CH
2)
nC(O)NR
12R
13、−NR
12(CH
2)
n(5〜7員ヘテロアリール)、−NR
12(CH
2)
n(3〜8員ヘテロ環)、−(CH
2)
n(8〜10員ヘテロ二環式)、−(CH
2)
n(3〜8員ヘテロ脂環式)、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニルおよびC
2〜6アルキニルから独立して選択され、前記5〜7員ヘテロアリール、3〜8員ヘテロ環および8〜10員ヘテロ二環式は、−(CH
2)
nOR
12、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、3〜8員ヘテロ脂環式およびC
2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよく、または、R
10およびR
11が同じ原子と結合している場合、R
10およびR
11は、場合により結合して、3〜8員ヘテロ脂環式環を形成し、
R
12およびR
13は、H、C
1〜6アルキル、−C(O)CH
3、C
3〜8シクロアルキル、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、5〜7員ヘテロアリールおよびC
2〜6アルキニルから独立して選択され、前記5〜7員ヘテロアリールは、C
1〜6アルキル、C
3〜8シクロアルキル、C
6〜10アリール、C
2〜6アルケニル、およびC
2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよく、または、R
12およびR
13が同じ原子と結合している場合、R
12およびR
13は、場合により結合して、3〜8員ヘテロ脂環式環を形成し、
R
4は、水素、F、C
1〜6アルキルおよびアリールからなる群から選択され、
各nは、独立して0、1、2、3または4である)。
本発明は、別々に、または本発明について記載する際に矛盾が生じる可能性のある場合を除いて本明細書に記載されているその他の実施形態に関連して、以下の実施形態の各々を企図している。本開示に基づき、当業者は、そのような矛盾が何であるかを容易に理解するであろう。
別の実施形態において、R1およびR2は、水素、Br、−OR10、−O(CH2)nCH3、−OCH2(CH2)nOR10、−C(O)NR10R11、−NR10R11、C1〜6アルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、3〜8員ヘテロ脂環式−(3〜8員ヘテロ脂環式)、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C6〜10アリールおよびC2〜6アルケニルから独立して選択され、C1〜6アルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、3〜8員ヘテロ脂環式−(3〜8員ヘテロ脂環式)、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C6〜10アリールおよびC2〜6アルケニルは、Br、Cl、F、−(CH2)nCH(OR10)CH3、−(CH2)nOR10、−(CH2)nC(CH3)2OR10、−(CH2)n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−C(O)R10、−C(O)OR10、−(CR10R11)nC(O)OR10、−C(O)NR10R11、−(CR10R11)nC(O)NR10R11、−(CH2)nNR10R11、−S(O)2R10、−S(O)R10、−S(O)2NR10R11、−CF3、−CF2H、−(CH2)nNR10C(O)NR10R11、−(CH2)nNR10C(O)OR11、−NR10C(O)R11、−NR10C(O)OR11、−NR10S(O)2R11、−CN、−NO2、オキソ、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、−(CH2)n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−(CH2)n(5〜7員ヘテロアリール)、−(CH2)n(C6〜10アリール)、C2〜6アルケニル、およびC2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよい。
別の実施形態において、R1およびR2は、−OR10、−O(CH2)nCH3、−NR10C(O)OR12、−(CR12R13)nNR10R11、−OCH2(CH2)nOR10、−C(O)NR10R11、−NR10R11、C1〜6アルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、3〜8員ヘテロ脂環式−(3〜8員ヘテロ脂環式)、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C6〜10アリールおよびC2〜6アルケニルから独立して選択され、C1〜6アルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、3〜8員ヘテロ脂環式−(3〜8員ヘテロ脂環式)、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C6〜10アリールおよびC2〜6アルケニルは、Br、Cl、F、−(CH2)nCH(OR10)CH3、−(CH2)nOR10、−(CH2)nC(CH3)2OR10、−(CH2)n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−C(O)R10、−C(O)OR10、−(CR10R11)nC(O)OR10、−C(O)NR10R11、−(CR10R11)nC(O)NR10R11、−(CH2)nNR10R11、−S(O)2R10、−S(O)R10、−S(O)2NR10R11、−CF3、−CF2H、−(CH2)nNR10C(O)NR10R11、−(CH2)nNR10C(O)OR11、−NR10C(O)R11、−NR10C(O)OR11、−NR10S(O)2R11、−CN、−NO2、オキソ、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、−(CH2)n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−(CH2)n(5〜7員ヘテロアリール)、−(CH2)n(C6〜10アリール)、C2〜6アルケニル、およびC2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよい。
別の実施形態において、R1は、Br、−OR10、−O(CH2)nCH3、−NR10C(O)OR12、−(CR12R13)nNR10R11、−OCH2(CH2)nOR10、−C(O)NR10R11、−NR10R11、C1〜6アルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、3〜8員ヘテロ脂環式−(3〜8員ヘテロ脂環式)、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C6〜10アリールおよびC2〜6アルケニルから選択され、C1〜6アルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、3〜8員ヘテロ脂環式−(3〜8員ヘテロ脂環式)、8〜10員ヘテロ二環式、5〜7員ヘテロアリール、C6〜10アリールおよびC2〜6アルケニルは、Br、Cl、F、−(CH2)nCH(OR10)CH3、−(CH2)nOR10、−(CH2)nC(CH3)2OR10、−(CH2)n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−C(O)R10、−C(O)OR10、−(CR10R11)nC(O)OR10、−C(O)NR10R11、−(CR10R11)nC(O)NR10R11、−(CH2)nNR10R11、−S(O)2R10、−S(O)R10、−S(O)2NR10R11、−CF3、−CF2H、−(CH2)nNR10C(O)NR10R11、−(CH2)nNR10C(O)OR11、−NR10C(O)R11、−NR10C(O)OR11、−NR10S(O)2R11、−CN、−NO2、オキソ、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、−(CH2)n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−(CH2)n(5〜7員ヘテロアリール)、−(CH2)n(C6〜10アリール)、C2〜6アルケニル、およびC2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよい。
別の実施形態において、R1は、Br、Cl、F、−(CH2)nCH(OR10)CH3、−(CH2)nOR10、−(CH2)nC(CH3)2OR10、−(CH2)n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−C(O)R10、−C(O)OR10、−(CR10R11)nC(O)OR10、−C(O)NR10R11、−(CR10R11)nC(O)NR10R11、−(CH2)nNR10R11、−S(O)2R10、−S(O)R10、−S(O)2NR10R11、−CF3、−CF2H、−(CH2)nNR10C(O)NR10R11、−(CH2)nNR10C(O)OR11、−NR10C(O)R11、−NR10C(O)OR11、−NR10S(O)2R11、−CN、−NO2、オキソ、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、−(CH2)n(3〜8員ヘテロ脂環式)、−(CH2)n(5〜7員ヘテロアリール)、−(CH2)n(C6〜10アリール)、C2〜6アルケニル、およびC2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよい5〜7員ヘテロアリールである。
別の実施形態において、R7およびR8は、結合して、飽和C4〜8シクロアルキル、不飽和C5〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロ脂環式、5〜7員ヘテロアリールおよびC6〜10アリールから選択される環を形成し、前記環は、Br、Cl、F、−(CH2)nOR10、−C(O)R10、−C(O)OR10、−C(O)NR10R11、−NR10R11、−S(O)2R10、−S(O)R10、−S(O)2NR10R11、−CF3、−CF2H、−NR10C(O)NR10R11、−NR10C(O)R11、−NR10S(O)2R11、−CN、−NO2、オキソ、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロ脂環式、5〜7員ヘテロアリール、C6〜10アリール、C2〜6アルケニル、およびC2〜6アルキニルからなる群から選択される1個または複数の部分により置換されていてもよい。
他の実施形態において、R9は、Hである。他の実施形態において、R1およびR2のうちの少なくとも1つは、水素ではない。別の実施形態において、R2は、Hである。別の実施形態において、R4は、Hである。別の実施形態において、R4は、C1〜6アルキルである。別の実施形態において、R4は、メチルである。別の実施形態において、R5およびR6は、Hである。
別の実施形態において、R3は、
別の実施形態において、R3は、
別の実施形態において、R3は、
別の実施形態において、R3は、
別の実施形態において、R3は、
別の実施形態において、本発明は、6−((6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、N−(ピペリジン−4−イル)−4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド、N−(2−アミノエチル)−4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド、6−((6−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、N−メチル−4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド、6−((6−(3−メトキシフェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、6−((6−(4−メトキシフェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、6−((6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、(R)−1−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ピロリジン−3−アミン、(4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)フェニル)メタノール、(4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)フェニル)メタンアミン、6−[6−(1−エトキシ−ビニル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル]−キノリン、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール、6−[6−(2−メチル−5−トリフルオロメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル]−キノリン、および6−[6−(2H−ピラゾール−3−イル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル]−キノリンから選択される化合物、または薬学的に許容できるその塩に関する。
別の実施形態において、本発明は、[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸、6−[(S)−1−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)−エチル]−キノリン、6−[(R)−1−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)−エチル]−キノリン、6−{1−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]−エチル}−キノリン、6−{(S)−1−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]−エチル}−キノリン、6−{(R)−1−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]−エチル}−キノリン、2−{4−[3−(1−キノリン−6−イル−エチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル]−ピラゾール−1−イル}−エタノール、2−{4−[3−((S)−1−キノリン−6−イル−エチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル]−ピラゾール−1−イル}−エタノール、2−{4−[3−((R)−1−キノリン−6−イル−エチル)−3H−[1,2,3]−トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル]−ピラゾール−1−イル}−エタノール、2−[4−(3−キナゾリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール、および6−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル]−キナゾリンから選択される化合物に関する。
他の実施形態において、本発明は、表3、4および5に例示されている任意の10化合物から選択される化合物に関する。
他の実施形態において、本発明は、表3、4および5に例示されているいずれか1つの化合物に関する。
別の実施形態において、本発明は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの遊離塩基の結晶性形態を提供する。特定の実施形態において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの遊離塩基の結晶性形態は、無水である。別の実施形態において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの遊離塩基の結晶性形態は、水和物である。
他の態様において、結晶性形態は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの遊離塩基の多形性形態1である。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶性形態は、5.8±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶性形態は、5.8±0.1および15.5±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶性形態は、5.8±0.1、15.5±0.1、および16.2±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶性形態は、5.8±0.1、13.6±0.1、15.5±0.1、および16.2±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶性形態は、5.8±0.1、11.6±0.1、13.6±0.1、15.5±0.1、および16.2±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶性形態は、5.8±0.1、11.6±0.1、13.6±0.1、15.5±0.1、16.2±0.1、および23.4±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの結晶性形態は、5.8±0.1、11.6±0.1、13.6±0.1、15.5±0.1、16.2±0.1、23.4±0.1、および27.6±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
別の実施形態において、本発明は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態を提供する。特定の実施形態において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、無水である。別の実施形態において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、水和物である。
他の態様において、結晶性形態は、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の多形性形態1である。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、18.3±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、18.3±0.1および19.3±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、12.3±0.1、18.3±0.1および19.3±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、12.3±0.1、14.8±0.1、18.3±0.1および19.3±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、12.3±0.1、14.8±0.1、18.3±0.1、19.3±0.1および23.1±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、12.3±0.1、14.8±0.1、18.3±0.1、19.3±0.1、23.1±0.1、および24.9±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。他の態様において、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の結晶性形態は、12.3±0.1、14.8±0.1、17.7±0.1、18.3±0.1、19.3±0.1、23.1±0.1、および24.9±0.1の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
他の態様において、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物に関する。
他の態様において、本発明は、哺乳類においてc−Met関連障害を治療するための医薬品を製造するための、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用に関する。
他の態様において、本発明は、哺乳類において癌を治療するための医薬品を製造するための、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用に関する。
他の態様において、本発明は、癌が、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、神経膠腫、肝臓癌、胃癌、頭部癌、頸部癌、黒色腫、腎臓癌、白血病、骨髄腫、および肉腫から選択される使用に関する。
他の態様において、本発明は、c−Met関連障害を有する哺乳類を治療する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を哺乳類に投与することを含む方法に関する。
他の態様において、本発明は、癌を有する哺乳類を治療する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を哺乳類に投与することを含む方法に関する。
他の態様において、本発明は、癌が、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、神経膠腫、肝臓癌、胃癌、頭部癌、頸部癌、黒色腫、腎臓癌、白血病、骨髄腫、および肉腫から選択される、癌を治療する方法に関する。他の実施形態において、哺乳類は、ヒトである。他の実施形態において、哺乳類は、イヌである。
定義
「薬学的に許容できる塩」は、親化合物の生物学的な有効性および特性を保持している塩を指す。そのような塩は、
親化合物の遊離塩基の、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、(D)もしくは(L)リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、ベンゼンスルホン酸(ベシル酸塩)、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、粘液酸、パモ酸、パントテン酸、コハク酸、酒石酸、もしくはマロン酸などの有機酸、好ましくは塩酸もしくは(L)−リンゴ酸との反応により得られる酸付加塩、または
親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置き換えられるか、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基に配位するかどちらかの場合に形成される塩を包含する。
「薬学的に許容できる賦形剤」または「賦形剤」は、化合物の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性な物質を指す。賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖およびタイプのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを包含するが、これらに限定されるものではない。
「医薬組成物」は、本明細書に記載されている化合物のうちの1種または複数、または生理学的に許容できるそれらの塩と、生理学的に許容できる担体および賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生物体への化合物の投与を容易にすることである。
本明細書で使用する「生理学的に許容できる担体」は、生物体に対して有意な刺激を引き起こさず、投与される化合物の生物学的な活性および特性を無効にしない担体または希釈剤を指す。
「方法」という用語は、所与の課題を達成するための様式、手段、技法および手順を指し、化学、薬学、生物学、生化学および医学技術の実践者に知られているか、または化学、薬学、生物学、生化学および医学技術の実践者により、知られている様式、手段、技法および手順から容易に開発されるかどちらかの様式、手段、技法および手順を包含するが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用する「変調」または「変調すること」という用語は、c−Metの触媒活性の変化を指す。特に、変調することは、c−Metが暴露される化合物または塩の濃度に応じて、c−Metの触媒活性の活性化、好ましくはc−Metの触媒活性の活性化または阻害を、または、より好ましくはc−Metの触媒活性の阻害を指す。
本明細書で使用する「接触させること」という用語は、化合物が、直接的に、すなわち、c−Met自体と相互作用すること、または間接的に、すなわち、c−Metの触媒活性を左右する別の分子と相互作用することのどちらかによりc−Metの触媒活性に影響を及ぼすことができるように、本発明の化合物とc−Metを一緒にすることを指す。そのような「接触させること」は、in vitroで、すなわち、試験管、ペトリ皿などの中で行うことができる。試験管において、接触させることは、化合物およびc−Metのみが関わるか、全細胞が関わることがある。また、細胞を細胞培養皿中で維持または成長させ、その環境で化合物と接触させることができる。これに関連して、特定の化合物がc−Met関連障害に影響を及ぼす能力、すなわち、以下で定義される化合物のIC50は、より複雑な生命体とのin vivoでの化合物の使用を試みる前に決定することができる。生物体以外の細胞については、直接細胞微量注入および多くの膜貫通型担体技法を包含するがこれらに限定されないc−Metを化合物と接触させるための複数の方法が存在し、当業者にはよく知られている。
「in vitro」は、例えば、試験管または培地中などであるがこれらに限定されない人工環境において行われる手順を指す。当業者は、例えば、単離c−Metを、in vitro環境で変調物質と接触させることができることを理解するであろう。代替方法として、単離細胞を、in vitro環境で変調物質と接触させることができる。
本明細書で使用する「in vivo」は、マウス、ラット、ウサギ、有蹄類、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、霊長類、またはヒトなどであるがこれらに限定されない生命体内で行われる手順を指す。
本明細書で使用する「c−Met関連障害」は、不適切な、すなわち、低活性か、より一般的には高活性のc−Met触媒活性を特徴とする状態を指す。「c−Met関連障害」は、c−Metを産生する遺伝子に突然変異があるために、c−Met触媒活性が上昇または低下したc−Metを産生する状態も指す。
不適切な触媒活性は、(1)c−Metを通常は発現しない細胞におけるc−Met発現、(2)望ましくない細胞の増殖、分化および/または成長につながるc−Met発現の増加、または(3)細胞の増殖、分化および/または成長の望ましくない低下につながるc−Met発現の減少のいずれかの結果として生じることがある。c−Metの過活性は、c−Metをコードする遺伝子の増幅か、細胞の増殖、分化および/または成長障害と相関することがあるレベルのc−Met活性の産生(すなわち、c−Metのレベルが増加するにつれて、細胞障害の症状のうちの1つまたは複数の重症度が増加する)のどちらかを指す。低活性は、逆であることは言うまでもなく、c−Met活性のレベルが減少するにつれて、細胞障害の1つまたは複数の症状の重症度が増加する。
本明細書で使用する「治療する」、「治療すること」および「治療」という用語は、c−Met仲介性細胞障害および/またはその付随する症状を軽減または抑止する方法を指す。特に、癌に関して、これらの用語は、単に、癌に罹患している個人の平均余命が増加すること、または疾患の症状のうちの1つまたは複数が軽減することを意味する。
「生物体」という用語は、少なくとも1つの細胞からなる任意の生命体を指す。生命体は、例えば、単一真核細胞のように単純であるか、または哺乳類のように複雑であってよい。好ましい態様において、生物体は、哺乳類である。特に好ましい態様において、哺乳類は、ヒトである。
本明細書で使用する「治療有効量」という用語は、治療されている障害の症状のうちの1つまたは複数をある程度まで軽減する、投与されている化合物の量を指す。癌の治療に関して、治療有効量は、(1)腫瘍のサイズを縮小する、(2)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度遅くする、好ましくは停止する)、(3)腫瘍成長をある程度阻害する(すなわち、ある程度遅くする、好ましくは停止する)、および/または(4)癌に伴う1つまたは複数の症状をある程度軽減する(または、好ましくは取り除く)効果を有する量を指す。
「モニターすること」とは、ある化合物をc−Metを発現する細胞と接触させる効果を観察または検出することを意味する。観察または検出される効果は、細胞表現型、c−Metの触媒活性の変化、またはc−Metと天然の結合相手との相互作用の変化であってよい。そのような効果を観察または検出するための技法は、当技術分野においてよく知られている。例えば、c−Metの触媒活性は、標的分子のリン酸化の速度または量を決定することにより観察することができる。
「細胞表現型」は、細胞もしくは組織の外見または細胞もしくは組織の生物学的機能を指す。細胞表現型の例は、細胞の大きさ、細胞成長、細胞増殖、細胞分化、細胞生存、アポトーシス、ならびに栄養摂取および栄養利用であるが、これらに限定されるものではない。そのような表現型の特徴は、当技術分野においてよく知られている技法により測定可能である。
「天然の結合相手」は、細胞中でc−Metと結合するポリペプチドを指す。天然の結合相手は、c−Met仲介性シグナル伝達プロセスにおいてシグナルを伝播する役割を果たすことができる。天然の結合相手とc−Metとの相互作用の変化は、それ自体で、c−Met/天然の結合相手複合体の濃度増加または減少として、その結果、c−Metがシグナル伝達を仲介する能力の観察可能な変化に現れることがある。
本明細書で使用する「投与する」または「投与すること」は、c−Met関連障害を予防または治療する目的で、生物体に本発明の化合物もしくは塩または本発明の化合物もしくは塩を含有する医薬組成物を送達することを指す。
本出願では、用語「異常細胞成長」および「過増殖性障害」は、互換的に使用される。
本明細書で使用する「異常細胞増殖」は、正常な調節機構と無関係である細胞成長(例えば、接触阻害の喪失)を指し、正常細胞の異常成長および異常細胞の成長を包含する。これは、(1)活性化されたRas癌遺伝子を発現する良性と悪性の両方の腫瘍細胞(腫瘍)、(2)別の遺伝子における発癌突然変異の結果としてRasタンパク質が活性化されている良性と悪性の両方の腫瘍細胞、(3)異常なRas活性化が起きる他の増殖性疾患の良性および悪性の細胞の異常成長を包含するが、これらに限定されるものではない。そのような良性増殖性疾患の例は、乾癬、良性前立腺肥大、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、および再狭窄である。また、「異常細胞成長」は、酵素ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの活性に起因する良性と悪性の両方の細胞の異常成長を指し、それらを包含する。
「アルキル」は、直鎖または分岐鎖を包含する飽和脂肪族炭化水素を指す。アルキル基は、1〜20個の炭素原子を有することが好ましい(数値範囲、例えば「1〜20」が本明細書に記載されている場合はいつでも、その基、この場合にはアルキル基が、20個の炭素原子まで、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などを含有することがあることを意味する)。1〜10個の炭素原子を有する中位のサイズのアルキルであることがより好ましい。1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであることが最も好ましい。アルキル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合、各置換基は、ハロゲン、−ヒドロキシ、−COR’、−COOR’、−OCOR’、−CONRR’、−RNCOR’、−NRR’、−CN、−NO2、−CF3、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2OR’、−SO2NRR’、チオカルボニル、−RNSO2R’、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリールおよびアリールから個々に選択される1個または複数であることが好ましい。RおよびR’は、独立して、H、アルキル、またはアリールであってよく、アルキルまたはアリールは、ハロゲン、(CH2)nN(R”)2、(CH2)nCO2R”、(CH2)nOR”、(CH2)nOC(O)R”、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、ヘテロ脂環式環、アリール、アルコキシ、−OCF3、アリールオキシ、C(O)NH2またはヘテロアリールでさらに置換されていてもよい。R”は、H、アルキルまたはアリールであってよい。nは、0〜3である。
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素を指し、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖、分岐鎖または環式基を包含する。アルケニル基は、2〜20個の炭素原子を有することが好ましい(数値範囲、例えば「2〜20」が本明細書に記載されている場合はいつでも、その基、この場合にはアルケニル基が、20個の炭素原子まで、2個の炭素原子、3個の炭素原子などを含有することがあることを意味する)。2〜10個の炭素原子を有する中位のサイズのアルケニルであることがより好ましい。2〜6個の炭素原子を有する低級アルケニルであることが最も好ましい。アルケニル基の例は、1−プロペニル、1−および2−ブテニルなどを包含するが、これらに限定されるものではない。アルケニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合、各置換基は、ハロゲン、−ヒドロキシ、−COR’、−COOR’、−OCOR’、−CONRR’、−RNCOR’、−NRR’、−CN、−NO2、−CF3、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2OR’、−SO2NRR’、チオカルボニル、−RNSO2R’、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリールおよびアリールから個々に選択される1個または複数であることが好ましい。RおよびR’は、本明細書で定義されている。
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重重結合を有する脂肪族炭化水素を指し、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖、分岐鎖または環式基を包含する。アルケニル基は、2〜20個の炭素原子を有することが好ましい(数値範囲、例えば「2〜20」が本明細書に記載されている場合はいつでも、その基、この場合にはアルキニル基が、20個の炭素原子まで、2個の炭素原子、3個の炭素原子などを含有することがあることを意味する)。2〜10個の炭素原子を有する中位のサイズのアルキニルであることがより好ましい。2〜6個の炭素原子を有する低級アルキニルであることが最も好ましい。アルキニル基の例は、1−プロピニル、1−および2−ブチニルなどを包含するが、これらに限定されるものではない。アルキニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合、各置換基は、ハロゲン、−ヒドロキシ、−COR’、−COOR’、−OCOR’、−CONRR’、−RNCOR’、−NRR’、−CN、−NO2、−CF3、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2OR’、−SO2NRR’、チオカルボニル、−RNSO2R’、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリールおよびアリールから個々に選択される1個または複数であることが好ましい。RおよびR’は、本明細書で定義されている。
「シクロアルキル」または「脂環式」基は、環のうちの1つまたは複数が、完全に共役したπ電子系を有していないすべてが炭素の単環式または縮合環(すなわち、隣接する一対の炭素原子を共有する環)基を指す。シクロアルキル基は、1つまたは複数の環に3〜8個の炭素原子を有することが好ましい。シクロアルキル基の例は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、アダマンタン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタンおよびシクロヘプタトリエンであるが、これらに限定されるものではない。シクロアルキル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合、各置換基は、ハロゲン、−ヒドロキシ、−COR’、−COOR’、−OCOR’、−CONRR’、−RNCOR’、−NRR’、−CN、−NO2、−CF3、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2OR’、−SO2NRR’、チオカルボニル、−RNSO2R’、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリールおよびアリールから個々に選択される1個または複数であることが好ましい。RおよびR’は、本明細書で定義されている。
「アリール」基は、完全に共役したπ電子系を有するすべてが炭素の単環式または縮合環多環式(すなわち、隣接する一対の炭素原子を共有する環)基を指す。アリール基は、1つまたは複数の環に6〜12個の炭素原子を有することが好ましい。アリール基の例は、フェニル、ナフタレニルおよびアントラセニルであるが、これらに限定されるものではない。アリール基は、置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合、各置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、−COR’、−COOR’、−OCOR’、−CONRR’、−RNCOR’、−NRR’、−CN、−NO2、−CF3、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2OR’、−SO2NRR’、チオカルボニル、−RNSO2R’、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリールおよびアリールから選択される1個または複数であることが好ましい。RおよびR’は、本明細書で定義されている。
本明細書で使用する「ヘテロアリール」基は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される1個または複数の原子を環内に有する単環式基を指すが、ただし、O−O、O−O−Oなどの極めて不安定なヘテロ原子配列を含有するヘテロアリール基は、本発明により企図されない。当業者は、本発明により企図されない不安定な基を理解するであろう。さらに、ヘテロアリール基は、完全に共役したπ電子系を有する。ヘテロアリール基は、5〜7個の環原子を有することが好ましい。典型的な単環式ヘテロアリール基の例は、
置換されている場合、各置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−COR’、−COOR’、−OCOR’、−CONRR’、−RNCOR’、−NRR’、−CN、−NO2、−CF3、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2OR’、−SO2NRR’、チオカルボニル、−RNSO2R’、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリールおよびアリールから選択される1個または複数であることが好ましい。RおよびR’は、本明細書で定義されている。
「ヘテロ脂環式環」または「ヘテロ脂環」または「ヘテロ環式」または「ヘテロ環」基は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される1個または複数の原子を環内に有する単環式基を指す。環は、飽和されていてもよく、1個または複数の二重結合を有する(すなわち、部分的に不飽和である)こともある。しかしながら、環は、完全に共役したπ電子系を有することはできない。ヘテロ脂環式環は、3〜8個の環原子を有することが好ましい。適当な飽和ヘテロ脂環式基の例は、
適当な部分不飽和ヘテロ脂環式基の例は、
上記に列挙された化合物から誘導されるような前述の基は、可能である場合、C−結合またはN−結合であってよい。例えば、ピロールから誘導される基は、ピロール−1−イル(N−結合)またはピロール−3−イル(C−結合)であってよい。ヘテロ脂環式環は、置換されていても置換されていなくてもよい。ヘテロ脂環式環は、1個または複数のオキソ基を含有することがある。置換されている場合、1個または複数の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−COR’、−COOR’、−OCOR’、−CONRR’、−RNCOR’、−NRR’、−CN、−NO2、−CZ3、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2OR’、−SO2NRR’、チオカルボニル、−RNSO2R’、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリールおよびアリールから選択される1個または複数であることが好ましい。RおよびR’は、本明細書で定義されている。
「3〜8員ヘテロ脂環式−(3〜8員ヘテロ脂環式)」基は、各々の単一環原子を介してお互いと共有結合している2個の3〜8員ヘテロ脂環式基を有する基を指す。3〜8員ヘテロ脂環式環は、上記で定義されているような任意のヘテロ脂環式環であってよい。さらに、ヘテロ脂環式環は、上記で定義されているように置換されていても置換されていなくてもよい。
「ヘテロ二環式」または「ヘテロ二環」は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される1個または複数の原子を1個または複数の環内に有し、さらに、完全に共役したπ電子系(すなわち、芳香族ヘテロ二環式)または完全に共役したπ電子系を生成しない1個または複数の二重結合を有する縮合環(すなわち、隣接する一対の原子を共有する環)基を指すが、ただし、O−O、O−O−Oなどの極めて不安定なヘテロ原子配列を含有するヘテロ二環式基は、本発明により企図されない。当業者は、本発明により企図されない不安定な基を理解するであろう。ヘテロ二環式基は、8〜10個の環原子を含有することが好ましい。ヘテロ二環式環は、置換されていても置換されていなくてもよい。ヘテロ二環式環は、1個または複数のオキソ基を含有することがある。適当な縮合環芳香族ヘテロ二環式基の例は、
適当な縮合環芳香族ヘテロ二環式基の例は、
置換されている場合、1個または複数の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−COR’、−COOR’、OCOR’、−CONRR’、−RNCOR’、−NRR’、−CN、−NO2、−CZ3、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2OR’、−SO2NRR’、チオカルボニル、−RNSO2R’、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリールおよびアリールから選択される1個または複数であることが好ましい。RおよびR’は、本明細書で定義されている。
本明細書で使用する、−(CH2)n(NR12R13)C(O)NR12R13または−NR10C(O)NR10R11などの、異なる原子上に2個以上のR基を有する置換基上のR基は、同一であっても異なっていてもよい。具体的には、例示的置換基−NR10C(O)NR10R11において、2個のR10基は、お互いに関して同一であっても異なっていてもよく、同様に、2個のR10基は、R11基に関して同一であっても異なっていてもよい。例えば、−(CH2)n(NR12R13)C(O)NR12R13において、2個のR12基は、お互いに関して同一であっても異なっていてもよく、2個のR13基は、お互いに関して同一であっても異なっていてもよい。同様に、2個のR12基は、2個のR13基に関して同一であっても異なっていてもよい。さらに、単一原子が2個以上の基により置換されている場合、その原子上の基は、同一であっても異なっていてもよい。したがって、−NR10C(O)NR10R11において、同じ窒素上のR10およびR11は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
「オキソ」基は、オキソにより置換されているアルキルがケトン基を指すように、カルボニル部分を指す。
「ヒドロキシ」基は、−OH基を指す。
「アルコキシ」基は、本明細書で定義されているように、−Oアルキル基と−Oシクロアルキル基の両方を指す。
「アルコキシカルボニル」は、−C(O)ORを指す。
「アミノカルボニル」は、−C(O)NRR’を指す。
「アリールオキシカルボニル」は、−C(O)Oアリールを指す。
「アリールオキシ」基は、本明細書で定義されているように、−Oアリール基と−Oヘテロアリール基の両方を指す。
「アリールアルキル」基は、−アルキルアリールを指し、アルキルおよびアリールは、本明細書で定義されている。
「アリールスルホニル」基は、−SO2アリールを指す。
「アルキルスルホニル」基は、−SO2アルキルを指す。
「ヘテロアリールオキシ」基は、ヘテロアリール−O基を指し、ヘテロアリールは、本明細書で定義されている通りである。
「ヘテロ脂環式オキシ(heteroalicycloxy)」基は、ヘテロ脂環式−O基を指し、ヘテロ脂環式、本明細書で定義されている通りである。
「カルボニル」基は、−C(=O)Rを指す。
「アルデヒド」基は、Rが水素であるカルボニル基を指す。
「チオカルボニル」基は、−C(=S)−R基を指す。
「トリハロメタンカルボニル」基は、Z3CC(O)基を指し、Zは、ハロゲンである。
「C−カルボキシル」基は、−C(O)OR基を指す。
「O−カルボキシル」基は、RC(O)O基を指す。
「カルボン酸」基は、Rが水素であるC−カルボキシル基を指す。
「ハロ」または「ハロゲン」基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
「トリハロメチル」基は、−CZ3基を指す。
「トリハロメタンスルホニル」基は、Z3CS(O)2基を指す。
「トリハロメタンスルホンアミド」基は、Z3CS(O)2NR−基を指す。
「スルフィニル」基は、−S(O)R基を指す。
「スルホニル」基は、−S(O)2R基を指す。
「S−スルホンアミド」基は、−S(O)2NR−基を指す。
「N−スルホンアミド」基は、−NR−S(O)2R基を指す。
「O−カルバミル」基は、−OC(O)NRR’基を指す。
「N−カルバミル」基は、ROC(O)NR−基を指す。
「O−チオカルバミル」基は、−OC(S)NRR’基を指す。
「N−チオカルバミル」基は、ROC(S)NR’基を指す。
「アミノ」基は、−NH2または−NRR’基を指す。
「C−アミド」基は、−C(O)NRR’基を指す。
「N−アミド」基は、R’C(O)NR基を指す。
「ニトロ」基は、−NO2基を指す。
「シアノ」基は、−CN基を指す。
「シリル」基は、−Si(R)3基を指す。
「ホスホニル」基は、−P(=O)(OR)2基を指す。
「アミノアルキル」基は、−アルキルNRR’基を指す。
「アルキルアミノアルキル」基は、−アルキル−NR−アルキル基を指す。
「ジアルキルアミノアルキル」基は、−アルキルN−(アルキル)2基を指す。
「ペルフルオロアルキル基」は、すべての水素原子がフッ素原子で置き換えられたアルキル基を指す。
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序または空間におけるそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれる。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。お互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、お互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と呼ばれる。ある化合物が不斉中心を有し、例えば、不斉中心が4つの異なる基と結合している場合、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対立体配置により特徴付けることができ、CahnおよびPrelogのR−およびS−配列ルールにより記載され、または分子が偏光面を回転させる様式により、右旋性または左旋性と(すなわち、それぞれ(+)または(−)−異性体と)表される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーかそれらの混合物のどちらかとして存在することがある。均等な割合のエナンチオマーを含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。本明細書において言及される化学式は、互変異性および構造異性の現象を示すことがある。本発明は、c−Met活性を変調する能力を有する任意の互変異性形態または構造異性形態およびそれらの混合物を包含し、いずれか1つの互変異性形態または構造異性形態に限定されるものではない。
本発明の化合物は、1個または複数の不斉中心を有することがある。したがって、そのような化合物は、個々の(R)−もしくは(S)−立体異性体として、またはそれらの混合物として製造されることがある。他に指示がない限り、明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の記述または命名は、個々のエナンチオマーとそれらの混合物、ラセミまたはその他のものの両方を包含することを意図している。立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当技術分野においてよく知られている(「Advanced Organic Chemistry」、第4版、J.March、Johon Wiley and Sons、New York、1992の第4章における議論を参照)。したがって、本発明は、c−Met活性を変調する能力を有する任意の立体異性形態、それらの対応するエナンチオマー(d−およびl−または(+)および(−)異性体)およびそれらのジアステレオマー、ならびにそれらの混合物も包含し、いずれか1つの立体異性形態に限定されるものではない。
式(I)の化合物は、互変異性および構造異性の現象を示すことがある。例えば、本明細書に記載されている化合物は、二重結合に関してEまたはZ立体配置をとることがあり、またはEとZの混合物であってもよい。本発明は、c−Met活性を変調する能力を有する任意の互変異性形態または構造異性形態およびそれらの混合物を包含し、いずれか1つの互変異性形態または構造異性形態に限定されるものではない。
式(I)の化合物が、ヒトなどの生物体の体内で酵素により代謝され、c−Metの活性を変調することができる代謝産物を生成することが企図されている。そのような代謝産物は、本発明の範囲内にある。
天然において酸性であるこれらの式Iの化合物は、様々な薬理学的に許容できるカチオンと塩基塩を形成することができる。そのような塩の例は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩を包含する。
本発明の化合物は、不斉中心を有するため、様々なエナンチオマーおよびジアステレオマー形態で存在する。本発明は、本発明の化合物のすべての光学異性体および立体異性体、ならびにそれらの混合物の使用、およびそれらを用いるまたは含有することができるすべての医薬組成物および治療方法に関する。式Iの化合物は、互変異性体としても存在することがある。本発明は、すべてのそのような互変異性体およびそれらの混合物の使用に関する。
本発明は、式Iの化合物のプロドラッグを含有する医薬組成物および式Iの化合物のプロドラッグを投与することにより増殖性障害または異常細胞成長を治療する方法も包含する。遊離のアミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボキシル基を有する式Iの化合物は、プロドラッグへ変換することができる。プロドラッグは、アミノ酸残基、または2個以上(例えば、2個、3個または4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が、式Iの化合物の遊離のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル酸基にアミドまたはエステル結合を介して共有結合している化合物を包含する。アミノ酸残基は、3文字記号により一般的に表記される20個の天然に存在するアミノ酸を包含するが、これらの限定されるものではなく、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン(demosine)、イソデモシン(isodemosine)、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンも包含する。プロドラッグの追加のタイプも包含される。例えば、遊離のカルボキシル基は、アミドまたはアルキルエステルとして誘導体化することができる。遊離のヒドロキシ基は、Advanced Drug Delivery Reviews、1996、19、115に概説されているように、ヘミスクシネート、ホスフェートエステル、ジメチルアミノアセテート、およびホスホリルオキシメチルオキシカルボニルを包含するがこれらに限定されない基を用いて誘導体化されることがある。ヒドロキシ基のカルボネートプロドラッグ、スルホネートエステルおよびサルフェートエステルのように、ヒドロキシおよびアミノ基のカルバメートプロドラッグも包含される。アシル基が、エーテル、アミドおよびカルボン酸官能基を包含するがこれらに限定されない基で置換されていてもよいアルキルエステルであってもよい、またはアシル基が、上記に記載されているようなアミノ酸エステルである(アシルオキシ)メチルエーテルおよび(アシルオキシ)エチルエーテルのようなヒドロキシ基の誘導体化も包含される。このタイプのプロドラッグは、J.Med.Chem.1996、39、10に記載されている。遊離アミンも、アミド、スルホンアミドまたはホスホンアミドとして誘導体化することができる。これらのプロドラッグ部分はすべて、エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基を包含するがこれらに限定されない基を組み入れることができる。
本明細書に提示される化合物は、例示的であり、本発明の範囲を限定していると見なされるべきではない。
本発明の化合物への一般合成経路をスキーム1に示す。当業者は、この一般スキームが改変されることがあり、それにもかかわらず依然として本発明の化合物を生成することを理解するであろう。スキーム1に示される基Ra、Rb、Rc、RdおよびReは、本発明のとの関連で本明細書に記載されている置換基を包含するが、それらに限定されるものではない。本発明の化合物を製造するための他の例示的方法について、以下の非限定的実施例に概説する。
一態様において、本発明は、式(I)の1つもしくは複数の化合物または薬学的に許容できるそれらの塩および薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を対象とする。
遊離塩基2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールの独特な物理的形態が製造された。遊離塩基多形性形態1の粉末X線回折(PXRD)パターンの表形式データを以下の表1に示す。以下の方法42を参照されたい。
2−[4−(3−キノ6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノールのメシル酸塩の独特な物理的形態が製造された。メシル酸塩多形性形態1の粉末X線回折(PXRD)パターンの表形式データを以下の表2に示す。以下の方法42を参照されたい。
本明細書に記載されている化合物、またはその塩を、上記で議論されている疾患および障害を治療するために他の化学療法剤と組み合わせることができることも本発明の態様である。例えば、本発明の化合物または塩は、単独で、またはロイコボリンとの他の組合せでフルオロウラシル(5−FU)などのアルキル化剤;またはUFT、カペシタビン、ゲムシタビンおよびシタラビンなどの他のピリミジン類似体、アルキルスルホネート、例えば、ブスルファン(慢性顆粒球性白血病の治療で使用される)、インプロスルファンおよびピポサルファンなどであるがこれらに限定されない他のアルキル化剤;アジリジン、例えば、ベンゾデパ、カルボコン、メツレデパおよびウレデパ;エチレンイミンおよびメチラメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロールメラミン;ならびにナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル(慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症および非ホジキンリンパ腫の治療で使用される)、シクロホスファミド(ホジキン病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍および横紋筋肉腫の治療で使用される)、エストラムスチン、イホスファミド、ノベンブリチン(novembrichin)、プレドニムスチンおよびウラシルマスタード(原発性血小板血症、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病および卵巣癌の治療で使用される);ならびにトリアジン、例えば、ダカルバジン(軟部組織の肉腫の治療で使用される)と組み合わせることができる。
同様に、本発明の化合物または塩は、葉酸類似体、例えば、メトトレキセート(急性リンパ球性白血病、絨毛癌、菌状息肉腫、乳癌、頭頸部癌および骨原性肉腫の治療で使用される)およびプテロプテリン;ならびに急性顆粒球性、急性リンパ球性および慢性顆粒球性白血病の治療で使用されるメルカプトプリンおよびチオグアニンなどのプリン類似体などであるがこれらに限定されない他の代謝拮抗剤化学療法剤との組合せで有益な効果を有することが期待される。
また、本発明の化合物または塩は、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン(乳癌および精巣癌の治療で使用される)、ビンクリスチンおよびビンデシン;エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシドおよびテニポシド(その両方とも、精巣癌およびカポジ肉腫の治療に有用である);抗生物質化学療法剤、例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン(胃癌、頸癌、大腸癌、乳癌、膀胱癌および膵臓癌を治療するために使用される)、ダクチノマイシン、テモゾロマイド、プリカマイシン、ブレオマイシン(皮膚癌、食道癌および尿生殖路癌の治療で使用される);ならびにL−アスパラギナーゼなどの酵素化学療法剤などであるがこれらに限定されない天然物ベースの化学療法剤との組合せで効能を表すことが期待される。
上記の他に、本発明の化合物または塩は、白金配位錯体(シスプラチンなど);ヒドロキシ尿素などの置換尿素;メチルヒドラジン誘導体、例えば、プロカルバジン;副腎皮質抑制剤、例えば、ミトタン、アミノグルテチミド;ならびに副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン)などのホルモンおよびホルモン拮抗剤;エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベステロール);タモキシフェンなどの抗エストロゲン剤;アンドロゲン、例えば、プロピオン酸テストステロン;ならびにアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールなど)との組合せで使用されて有益な効果を有することが期待される。
最後に、本発明の化合物の組合せは、固形腫瘍癌または急性骨髄性(非リンパ球性)白血病などであるがそれに限定されない白血病を治療するために、ミトキサントロンまたはパクリタキセルとの組合せで特に有効であることが期待される。
上記の方法は、***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調整剤、抗ホルモン剤、MMP−2、MMP−9およびCOX−2阻害剤などの抗血管新生剤、ならびに抗アンドロゲン剤からなる群から選択される化学療法剤との組合せで行うことができる。
有用なCOX−II阻害剤の例は、Vioxx(商標)、CELEBREX(商標)(セレコキシブ(celecoxib))、バルデコキシブ、パラコキシブ(paracoxib)、ロフェコキシブ、およびCox189を包含する。有用なマトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、WO96/33172(1996年10月24日公開)、WO96/27583(1996年3月7日公開)、欧州特許出願第97304971.1号(1997年7月8日出願)、欧州特許出願第99308617.2号(1999年10月29日出願)、WO98/07697(1998年2月26日公開)、WO98/03516(1998年1月29日公開)、WO98/34918(1998年8月13日公開)、WO98/34915(1998年8月13日公開)、WO98/33768(1998年8月6日公開)、WO98/30566(1998年7月16日公開)、欧州特許公開606,046(1994年7月13日公開)、欧州特許公開931,788(1999年7月28日公開)、WO90/05719(1990年5月31日公開)、WO99/52910(1999年10月21日公開)、WO99/52889(1999年10月21日公開)、WO99/29667(1999年6月17日公開)、PCT国際出願第PCT/IB98/01113号(1998年7月21日出願)、欧州特許出願第99302232.1号(1999年3月25日出願)、英国特許出願第9912961.1号(1999年6月3日出願)、米国仮出願第60/148,464号(1999年8月12日出願)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日発行)、米国特許第5,861,510号(1999年1月19日発行)、および欧州特許公開780,386(1997年6月25日公開)に記載されており、それらはすべて、参照により全体として本明細書に組み込まれるものとする。
好ましいMMP−2およびMMP−9阻害剤は、MMP−1を阻害する活性をほとんどまたはまったく有していない阻害剤である。他のマトリクスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12、およびMMP−13)と比べて、MMP−2および/またはMMP−9を選択的に阻害する阻害剤がより好ましい。本発明において有用なMMP阻害剤のいくつかの具体例は、AG−3340、RO32−3555、RS13−0830、および以下のリスト:
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロ−ペンチル)−アミノ]プロピオン酸;3−exo−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホン−イルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R,3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシ−カルバモイルシクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸;4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;(R)3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチルベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[(4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチルエチル)−アミノ]プロピオン酸;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸;3−exo−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシ−アミド;3−endo−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;および(R)3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;に列挙されている化合物、ならびに薬学的に許容できる前記化合物の塩および溶媒和物である。
他のCOX−II阻害剤および他のMMP阻害剤を包含する他の抗血管新生剤も、本発明において使用することができる。
式(I)の化合物は、EGFR抗体、EGF抗体、およびEGFR阻害剤である分子などのEGFR(上皮成長因子受容体)応答を阻害することができる薬剤;VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤;およびerbB2受容体と結合する有機分子または抗体、例えばHERCEPTIN(商標)(Genentech,Inc.、South San Francisco、Calif.、USA)などのerbB2受容体阻害剤などのシグナル伝達阻害剤と一緒に使用することもできる。EGFR阻害剤は、例えば、WO95/19970(1995年7月27日公開)、WO98/14451(1998年4月9日公開)、WO98/02434(1998年1月22日公開)、および米国特許第5,747,498号(1998年5月5日発行)に記載されており、そのような物質は、本明細書に記載されているように、本発明において使用することができる。
EGFR阻害剤は、モノクローナル抗体C225および抗EGFR 22Mab(ImClone Systems Incorporated、New York、N.Y.、USA)、化合物ZD−1839(AstraZeneca)、BIBX−1382(Boehringer Ingelheim)、MDX−447(Medarex Inc.、Annandale、N.J.、USA)、およびOLX−103(Merck & Co.、Whitehouse Station、N.J.、USA)、VRCTC−310(Ventech Research)ならびにEGF融合毒素(Seragen Inc.、Hopkinton、Mass.)を包含するが、これらに限定されるものではない。
これらおよび他のEGFR阻害剤は、本発明において使用することができる。
VEGF阻害剤も、式(I)の化合物と組み合わせることができる。VEGF阻害剤は、例えば、WO99/24440(1999年5月20日公開)、PCT国際出願PCT/IB99/00797(1999年5月3日出願)、WO95/21613(1995年8月17日公開)、WO99/61422(1999年12月2日公開)、米国特許第5,834,504号(1998年11月10日発行)、WO01/60814、WO98/50356(1998年11月12日公開)、米国特許第5,883,113号(1999年3月16日発行)、米国特許第5,886,020号(1999年3月23日発行)、米国特許第5,792,783号(1998年8月11日発行)、WO99/10349(1999年3月4日公開)、WO97/32856(1997年9月12日公開)、WO97/22596(1997年6月26日公開)、WO98/54093(1998年12月3日公開)、WO98/02438(1998年1月22日公開)、WO99/16755(1999年4月8日公開)、およびWO98/02437(1998年1月22日公開)に記載されており、それらはすべて、参照により全体として本明細書に組み込まれるものとする。本発明において有用な一部の特異的VEGF阻害剤の他の例は、IM862(Cytran Inc.、Kirkland、Wash.、USA);Genentech,Inc.、South San Francisco、Calif.の抗VEGFモノクローナル抗体;およびRibozyme(Boulder、Colo.)およびChiron(Emeryville、Calif.)製の合成リボザイムであるアンギオザイム(angiozyme)である。これらおよび他のVEGF阻害剤は、本明細書に記載されているように、本発明において使用することができる。
さらに、GW−282974(Glaxo Wellcome pic)、およびモノクローナル抗体AR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc.、TheWoodlands、Tex.、USA)および2B−1(Chiron)などのerbB2受容体阻害剤、例えば、WO98/02434(1998年1月22日公開)、WO99/35146(1999年7月15日公開)、WO99/35132(1999年7月15日公開)、WO98/02437(1998年1月22日公開)、WO97/13760(1997年4月17日公開)、WO95/19970(1995年7月27日公開)、米国特許第5,587,458号(1996年12月24日発行)、および米国特許第5,887,305号(1999年3月2日発行)に記載されている阻害剤は、式(I)の化合物と組み合わせることができ、それらはすべて、参照により全体として本明細書に組み込まれるものとする。本発明において有用なerbB2受容体阻害剤は、1999年1月27日発行の米国仮出願第60/117,341号、および1999年1月27日発行の米国仮出願第60/117,346号にも記載されており、その両方とも、参照により全体として本明細書に組み込まれるものとする。前述のPCT出願、米国特許、および米国仮出願に記載されているerbB2受容体阻害剤化合物および物質、ならびにerbB2受容体を阻害する他の化合物および物質は、本発明に従って、式(I)の化合物と一緒に使用することができる。
式(I)の化合物は、CTLA4(細胞障害性リンパ球抗原4)抗体、およびCTLA4を遮断する能力がある他の薬剤;ならびに他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、例えば、米国特許第6,258,824BI号の「背景」の項に引用されている参考文献に記載されているファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤などの抗増殖剤を包含するがそれらに限定されない、癌を治療するのに有用な他の薬剤と一緒に使用することもできる。本発明において使用することができる特異的CTLA4抗体は、参照により全体として本明細書に組み込まれている米国仮出願第60/113,647号(1998年12月23日出願)に記載されている抗体を包含するが、他のCTLA4抗体は、本発明において使用することができる。
上記の方法は、放射線療法との組合せで行うことができ、放射線療法との組合せにおける式(I)の化合物の量は、上記の疾患を治療するのに有効である。行われる放射線療法のレベルは、本発明の好ましい実施形態の化合物との組合せで行われる場合、有効線量以下まで軽減されることがある。
放射線療法を行うための技法は、当技術分野において知られており、これらの技法は、本明細書に記載されている組合せ療法で使用することができる。この組合せ療法における本発明の化合物の投与は、本明細書に記載されているように決定することができる。
本発明の別の態様は、異常なMetキナーゼ活性により仲介される疾患の治療に有用である医薬品の調製における式(I)の化合物の使用を対象とする。
適応症
本発明の化合物、特に、本発明の化合物からin vivoで生成される化合物がc−Metを阻害する機構を正確に理解することは、本発明を実施するために必要とされない。しかしながら、いかなる特定の機構と理論にも束縛されるものではないが、化合物は、c−Metの触媒領域におけるアミノ酸と相互作用すると考えられている。したがって、本明細書に開示されている化合物は、c−Metに対してin vitroアッセイにおけるような有用性を有するばかりでなく、c−Metとの相互作用を介してin vivo治療効果を示すことがある。
別の態様において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物、またはその塩を生物体に投与することにより、c−Met関連障害を治療または予防するための方法に関する。
本発明の化合物、またはその塩を含有する医薬組成物が、c−Met関連障害を予防または治療する目的で生物体に投与されることも、本発明の態様である。
したがって、本発明は、c−Metの酵素活性に影響を及ぼし、それによってc−Metにより伝達されるシグナルを妨害することによりPKシグナル伝達を変調する化合物を対象とする。より詳細には、本発明は、本明細書に記載されている多くの癌を治療するための治療的アプローチとしてのc−Met仲介性シグナル伝達経路を変調する化合物を対象とする。
c−Metの触媒活性を変調する化合物を同定するための方法は、本発明の別の態様である。この方法は、c−Metを発現する細胞を本発明の化合物(またはその塩)と接触させ、細胞に対して化合物が有する任意の効果について細胞をモニターするものである。代替方法として、この方法は、c−Metタンパク質自体(すなわち、細胞中でなく)を本発明の好ましい実施形態の化合物と接触させ、タンパク質に対して化合物が有する任意の効果についてタンパク質をモニターするものであってもよい。効果は、裸眼か、または機器の使用を介するかのどちらかで観察可能である。効果は、例えば、細胞表現型の変化または欠如であってよい。例えば、モニターされる細胞表現型の変化または変化の欠如は、細胞におけるc−Metの触媒活性の変化もしくは変化の欠如またはc−Metの天然結合相手との相互作用の変化もしくは変化の欠如であってよいが、これらに限定されるものではない。
医薬組成物および使用
本発明の化合物または生理学的に許容できるその塩は、ヒト患者にそのまま投与することができ、または上記の材料が適当な担体または1種または複数の賦形剤と混合されている医薬組成物で投与することができる。薬物の製剤化および投与のための技法は、「Remington’s Pharmacological Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、最新版中に見いだすことができる。
投与経路
適当な投与経路は、経口、口腔内、直腸、経粘膜もしくは腸管投与または筋肉内、皮上(epicutaneous)、非経口、皮下、経皮、髄内、髄腔内、直接脳室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内、筋肉内、硬膜内、呼吸器内(intrarespiratory)、鼻孔吸入または眼内注射を包含するが、これらに限定されるものではない。好ましい投与経路は、経口および非経口である。
代替方法として、全身的ではなく局所的に、例えば、多くの場合にデポー剤または徐放性製剤で、固形腫瘍に直接注射することを介して投与することができる。
さらに、例えば、腫瘍特異性抗体でコーティングされたリポソームで、標的化薬物送達システムで薬物を投与することができる。リポソームは、腫瘍を標的とし、腫瘍により選択的に取り込まれるであろう。
組成物/製剤
本発明の医薬組成物は、当技術分野においてよく知られているプロセスにより、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖剤製造、研和(levigating)、乳化、カプセル化、封入(entrapping)、凍結乾燥プロセスまたは噴霧乾燥により製造することができる。
本発明の方法において使用するための医薬組成物は、薬剤学の任意の方法により調製することができるが、すべての方法は、活性成分を、1種または複数の必要な成分を構成する担体と一緒にするステップを包含する。特に、本発明に従って使用するための医薬組成物は、活性化合物を加工して薬学的に使用することができる調製物にするのを容易にする賦形剤および助剤を含む1つまたは複数の生理学的に許容できる担体を用いる従来の方法で製剤化することができる。適切な製剤は、選ばれた投与経路によって決まる。
剤形は、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、パッチ剤、シロップ剤、エリキシル剤、ゲル剤、散剤、マグマ剤、ロゼンジ剤、軟膏剤、クリーム剤、パスタ剤、硬膏剤、ローション剤、ディスク剤、坐剤、鼻腔または口腔噴霧剤、エアゾール剤などを包含する。
注射の場合、本発明の化合物は、水溶液中、好ましくは低濃度の界面活性剤もしくは共溶媒を含むまたは含まない緩衝液などの生理学的に適合する緩衝液、または生理学的食塩水緩衝液中で製剤化することができる。経粘膜投与の場合、浸透するべき障壁に適している浸透剤が製剤化において使用される。そのような浸透剤は、当技術分野において一般的に知られている。
経口投与の場合、化合物は、活性化合物を、当技術分野においてよく知られている薬学的に許容できる担体と混ぜ合わせることにより製剤化することができる。そのような担体は、本発明の化合物を、患者による経口摂取のための錠剤、丸剤、ロゼンジ剤、糖剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための医薬調製物は、錠剤または糖剤コアを得るために、必要に応じて他の適当な助剤を添加した後で、固体賦形剤を用い、場合により、得られる混合物を粉砕し、顆粒の混合物を加工して製造することができる。有用な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを包含する糖、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプンおよびジャガイモデンプンなどのセルロース調製物ならびにゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニル−ピロリドン(PVP)などの他の材料などの充填剤である。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸などの崩壊剤を添加することができる。アルギン酸ナトリウムなどの塩も使用することができる。
糖剤コアには、適当なコーティングが提供される。この目的には、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適当な有機溶媒または溶媒混合物を含有していてもよい濃縮糖液を使用することができる。染料または色素を、識別のため、または活性化合物投与量の異なる組合せを特徴付けるために錠剤または糖剤コーティングに添加することができる。
経口的に使用することができる医薬組成物は、ゼラチン製のプッシュフィット(push−fit)カプセル剤、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤製の軟質密閉カプセル剤を包含する。プッシュフィットカプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、場合により安定化剤との混合物として活性成分を含有することができる。軟質カプセル剤において、活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、液体ポリエチレングリコール、クレモホール、キャプムル(capmul)、中鎖または長鎖モノ−、ジ−もしくはトリグリセリドなどの適当な液体に溶解または懸濁することができる。安定化剤も、これらの製剤に添加することができる。
吸入による投与の場合、本発明に従って使用するための化合物は、加圧パックまたはネブライザーおよび、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素であるがこれらに限定されない適当な噴射剤を用いるエアゾールスプレーの形態で都合良く送達される。加圧エアゾールの場合、用量単位は、一定量を送達するためのバルブを提供することにより制御することができる。化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤の粉末ミックスを含有する、例えば、インヘイラーまたはインサフレーターで使用するためのゼラチンのカプセル剤およびカートリッジ剤を製剤化することができる。
化合物は、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与のために製剤化することもできる。注射のための製剤は、保存剤を添加した例えば、アンプルまたはマルチドーズ容器中の単位用量形態で提供することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤または乳剤などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤化材料を含有することができる。
非経口投与のための医薬組成物は、活性化合物の塩などであるがそれに限定されない水溶性形態の水溶液を包含する。さらに、活性化合物の懸濁剤は、親油性ビヒクル中で調製することができる。適当な親油性ビヒクルは、ゴマ油などの脂肪油、オレイン酸エチルおよびトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームなどの材料を包含する。水性注射懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液の粘性を高める物質を含有することができる。場合により、懸濁液は、適当な安定化剤および/または高度に濃縮された液剤の調製を可能にするために化合物の溶解性を高める試剤も含有することができる。
代替方法として、活性成分は、使用前に、適当なビヒクル、例えば、滅菌した発熱物質を含まない水による構成のための粉末形態であってよい。
化合物は、例えば、カカオ脂または他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用い、坐剤または保留浣腸などの直腸組成物中で製剤化することもできる。
前述の製剤の他に、化合物は、デポー調製物としても製剤化することができる。そのような長時間作用性の製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内に)により、または筋肉内注射により投与することができる。本発明の化合物は、適当なポリマー材料または疎水性材料(例えば、薬理学的に許容できる油とのエマルジョンにおいて)と一緒に、イオン交換樹脂と一緒に、または難溶性の塩などであるがそれに限定されない難溶性の誘導体として、この投与経路のために製剤化することができる。
本発明の疎水性化合物のための医薬担体の非限定的な例は、VPD共溶媒系などの、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマーおよび水相を含む共溶媒系である。VPDは、無水エタノール中で定容量にされる、3%w/vのベンジルアルコール、8%w/vの非極性界面活性剤ポリソルベート80、および65%w/vのポリエチレングリコール300の溶液である。VPD共溶媒系(VPD:D5W)は、5%ブドウ糖水溶液で1:1に希釈されたVPDからなる。この共溶媒系は、疎水性化合物をよく溶かし、それ自体は、全身投与に際して低い毒性をもたらす。当然ながら、そのような共溶媒系の比率は、その溶解性および毒性の特徴を損なうことなくかなり変化させることができる。さらに、共溶媒成分の同一性も変化させることができ、例えば、他の低毒性の非極性界面活性剤をポリソルベート80の代わりに用いることができ、ポリエチレングリコールの画分サイズを変化させることができ、他の生体適合性ポリマー、例えばポリビニルピロリドンは、ポリエチレングリコールに取って代わることができ、他の糖または多糖は、ブドウ糖の代わりをすることができる。
代替方法として、疎水性医薬化合物のための他の送達システムを用いることができる。リポソームおよびエマルジョンは、疎水性薬物のための送達ビヒクルまたは担体のよく知られている例である。さらに、ジメチルスルホキシドなどの特定の有機溶媒も用いることができるが、大きな毒性を犠牲にすることが多い。
さらに、化合物は、治療剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスなどの徐放性システムを用いて送達することができる。様々な徐放性材料が確立されており、当業者によりよく知られている。徐放性カプセル剤は、それらの化学的性質に応じて、数週間から最長100日を超えて、化合物を放出することができる。治療剤の化学的性質および生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化のための追加戦略を用いることができる。
本明細書中の医薬組成物は、適当な固相またはゲル相の担体または賦形剤を含むこともできる。そのような担体または賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーを包含するが、これらに限定されるものではない。
本発明のPK変調化合物の多くは、生理学的に許容できる塩として提供することができ、特許請求の範囲に記載した化合物は、正または負に帯電した分子種を形成することができる。化合物が正に帯電した部分を形成する塩の例は、四級アンモニウム(本明細書の他の場所で定義される)、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩およびメチル硫酸塩(CH3SO3)などの塩を包含するが、これらに限定されるものではなく、四級アンモニウム基の窒素原子は、適切な酸と反応した本発明の選択された化合物の窒素である。本発明の化合物が負に帯電した分子種を形成する塩は、化合物中のカルボン酸基の適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)など)との反応により形成されるナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を包含するが、これらに限定されるものではない。
用量
本発明において使用するのに適している医薬組成物は、活性成分が、意図した目的、すなわち、PK活性の変調またはPK関連障害の治療もしくは予防を達成するのに十分な量で含有されている組成物を包含する。
より具体的には、治療有効量は、疾患の症状を予防、軽減もしくは改善する、または治療されている対象の生存を延長するのに有効な化合物の量を意味する。
治療有効量の決定は、特に、本明細書に提供されている詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力内にある。
本発明の方法において使用されるいかなる化合物についても、治療有効量または投与量は、最初は細胞培養アッセイから推定することができる。次いで、細胞培養物で決定されるようなIC50(すなわち、c−Met活性の最大半減阻害を達成する試験化合物の濃度)を包含する循環濃度範囲を達成するために、動物モデルにおいて使用するための用量を定めることができる。次いで、そのような情報を用い、ヒトにおける有用な投与量をより正確に決定することができる。
本明細書に記載されている化合物の毒性および治療効力は、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順により、例えば、対象化合物についてIC50およびLD50(その両方とも、本明細書の他の場所で議論されている)を決定することにより決定することができる。これらの細胞培養アッセイおよび動物試験から得られるデータは、ヒトにおける使用のための用量範囲を定めるのに使用することができる。用量は、用いられる剤形および利用される投与経路に応じて変化することがある。的確な製剤、投与経路、および用量は、患者の条件を考慮して個々の医師が選ぶことができる。(例えば、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、Ch.1、p.1中のFingl、他、1975を参照)。
投与の量および間隔は、キナーゼ変調効果を維持するのに十分である活性種の血漿レベルを提供するために個別に調整することができる。これらの血漿レベルは、最小有効濃度(MEC)と呼ばれる。MECは、各化合物について変化するであろうが、in vitroデータから推定することができ、例えば、キナーゼの50〜90%阻害を達成するために必要な濃度は、本明細書に記載されているアッセイを用いて確認することができる。MECを得るために必要な用量は、個々の特徴および投与経路によって異なるであろう。HPLCアッセイまたはバイオアッセイを用い、血漿濃度を決定することができる。
投与間隔も、MEC値を用いて決定することができる。化合物は、その時間の10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%にわたってMEC以上の血漿レベルを維持する投薬計画を用いて投与されるべきである。今のところ、式Iの化合物の治療有効量は、1日当たり約10mg/m2〜1000mg/m2の範囲であってよい。25mg/m2〜500mg/m2であることがより好ましい。
局所投与または選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度と関連していなくてもよく、当技術分野において知られている他の手順を用い、正確な投与の量および間隔を決定することができる。
投与される組成物の量は、治療されている対象、苦痛の重症度、投与の様式、処方医師の判断などによって異なることは言うまでもない。
包装
組成物は、必要に応じて、活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有することがあるFDAに認可されたキットなどのパックまたはディスペンサー装置で提供することができる。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックホイルを含むことができる。パックまたはディスペンサー装置には、投与に関する指示が添付されることがある。パックまたはディスペンサー装置には、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関により定められた形態で容器に付随した注意書が添付されることもあり、その注意書は、組成物またはヒトもしくは動物投与の形態に関する当局による認可を反映している。そのような注意書は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局により認可されているラベル貼付または認可製品挿入物であってよい。表示された状態を治療するために、適合性の医薬担体中で製剤化される本発明の化合物を含む組成物を調製し、適切な容器に入れ、ラベルを貼ることもできる。ラベル上に表示される適当な状態は、腫瘍の治療、血管新生の阻害、線維症、糖尿病などの治療を包含することがある。
本発明の化合物は、以下に記載されている一般法1〜39に従って製造することができる。以下の一般法が本発明を限定していないことは、当業者により理解されるであろう。有害な影響なしに的確な溶媒、条件および試薬および量を変えることが可能であることもある。本発明の具体的な実施形態を以下の表3,4および5に要約する。実施例174および175ならびに実施例176および177は、単一のエナンチオマーである。しかしながら、正確な立体化学は決定しなかった。
粉末X線回折(PXRD):図1に示すPXRDデータは、以下のプロトコルに従って集めた。試料(2mg)を、顕微鏡ガラススライド上に置いた。次いで、試料を、GADDS検出器を備えたDiscover D8(Bruker AXS Instruments)に入れた。このシステムは、1.5406オングストロームにおけるCUα1放射を提供するために40kVおよび40mAに維持された銅X線源を使用した。データは、60.1秒/フレームで2フレーム取得を用い、4゜2θから40゜2θまで集めた。回折ピークは、典型的には、±0.1度(2θ)の誤差で測定する。
略語:
DCM:ジクロロメタン(塩化メチレンとしても知られている)
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー(高圧液体クロマトグラフィーとしても知られている)
AcOH:酢酸
HATU:2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
DME:ジメチルエーテル
EtOAc:酢酸エチル
n−BuOH:n−ブタノール
ACN:アセトニトリル
MeOH:メタノール
DMSO:ジメチルスルホキシド
TEA:トリエチルアミン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
THF:テトラヒドロフラン
DMAC:ジメチルアセトアミド
CDMT:2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン
TFA:トリフルオロ酢酸
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
方法1:
DMF(2ml)中の6−((6−(1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b][1,2,4]トリアジン−3−イル)メチル)キノリン(0.05g、0.15mmol)の攪拌した溶液に、窒素下でNaH(95%、0.007g、0.26mmol)を加え、溶液を30分にわたって攪拌し、次いで、tert−ブチル3−(メチルスルホニルオキシ)アゼチジン−1−カルボキシレート(0.047g、0.18mmol)を加え、混合物を24時間にわたって攪拌し、プレップ−HPLCにより精製すると、凍結乾燥した後に固体が得られ、この固体をDCM(2ml)に溶かし、4N HCl(2ml)を室温にて加え、6時間にわたって攪拌し、溶媒を除去し、残渣をプレップ−HPLCにより精製すると、固体の6−((6−(1−(アゼチジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(25mg、収率34%)が得られた。
方法2:
DMF(2ml)中の6−((6−(1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b][1,2,4]トリアジン−3−イル)メチル)キノリン(0.05g、0.15mmol)およびtert−ブチル4−(ブロモメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.052g、0.18mmol)を攪拌し、Cs
2CO
3(0.101g、0.3mmol)を加え、混合物を24時間にわたって室温にて攪拌し、反応が完了したことをLCMSでチェックし、溶媒を除去し、残渣をプレップ−HPLCにより精製すると、凍結乾燥した後に固体が得られ、この固体をDCM(2ml)に溶かし、4N HCl(1ml)を室温にて加え、6時間にわたって攪拌し、溶媒を除去し、残渣をプレップ−HPLCにより精製すると、固体の6−((6−(1−(ピペリジン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(45mg、収率56.2%)が得られた。
方法3:
6−ブロモ−N
2−(キノリン−6−イルメチル)ピラジン−2,3−ジアミン:キノリン−6−イルメタナミン(13g、82mmol)、3,5−ジブロモピラジン−2−アミン(21g、82mmol)およびジ−イソプロピルエチルアミン(16mL、89mmol)の混合物を5時間にわたって130℃まで加熱した。反応物をジクロロメタン:エタノール(9:1)で希釈し、得られた懸濁液を濾過した。沈殿を水およびエーテルで順次洗浄し、空気乾燥すると、6−ブロモ−N
2−(キノリン−6−イルメチル)ピラジン−2,3−ジアミン(13g、49%)が得られた。
方法4:
6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン:6−ブロモ−N
2−(キノリン−6−イルメチル)ピラジン−2,3−ジアミン(16g、48mmol)、AcOH(97mL)およびH
2O(97mL)の6℃の混合物に、H
2O(12mL)中のNaNO
2(4.0g、58mmol)を15分かけて滴加した。1.5時間後、濃硫酸と水の1:1混合物(6mL)を滴加した。1.5時間後、H
2O(2mL)中のNaNO
2(0.5g、7mmol)および濃硫酸と水の1:1混合物(5mL)を加えた。反応物を一夜にわたって室温まで温めた。反応物を氷浴中で1.5時間かけて再冷却し、濃硫酸と水の1:1混合物(30mL)およびH
2O(5mL)中のNaNO
2(1.5g、22mol)を加えた。3.75M NaOH水溶液(210mL)を滴加し、得られた懸濁液を濾過した。沈殿を水およびエーテルで順次洗浄し、次いで、ジクロロメタン:エタノール(1:1)に懸濁し、濾過した。濾液を1M Na
2CO
3水溶液および食塩水で順次洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、回転蒸発により濃縮すると、6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(9.6g、58%)が得られた。
方法5:
N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N−メチル−4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド:HATU(82mg、0.22mmol)を、DMF(2.0mL)中の4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)安息香酸(75mg、0.20mmol)、N
1,N
1,N
2−トリメチルエタン−1,2−ジアミン(22mg、0.22mmol)およびトリエチルアミン(0.060mL、0.43mmol)の混合物に加えた。18時間にわたって攪拌した後、反応物をジクロロメタン:エタノール(9:1)と水の間で分配した。有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、回転蒸発により濃縮すると、粗製材料108mgが得られた。この材料をプレップ−HPLCにより精製すると、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N−メチル−4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド(54mg、収率48%)が得られた。
方法6:
6−((6−(2−フルオロフェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン:DME(3.0mL)と1M Na
2CO
3水溶液(0.88mL)の混合物を、10分にわたってアルゴン中で通気することにより脱気した。混合物を、シリンジを介して、6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(100mg、0.29mmol)、2−フルオロフェニルボロン酸(45mg、0.32mmol)およびPd(dppf)
2Cl
2.CH
2Cl
2(6.2mg、0.01mmol)を含有するバイアルに移した。バイアルに蓋をし、3.5時間にわたって80℃まで加熱した。粗反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次いで、水で洗浄した。ジクロロメタンをNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、回転蒸発により濃縮した。残渣を、酢酸エチルおよびジクロロメタンによるグラジエント溶出を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6−((6−(2−フルオロフェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(77mg、74%)が得られた。
方法7:
6−((6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン:DME(3.0mL)と1M CsF水溶液(0.88mL)の混合物を、10分にわたってアルゴン中で通気することにより脱気した。混合物を、シリンジを介して、6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(100mg、0.29mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(95mg、0.32mmol)およびPd(dppf)
2Cl
2.CH
2Cl
2(6.1mg、0.01mmol)を含有するバイアルに移した。バイアルに蓋をし、16時間にわたって80℃まで加熱した。水(5mL)を粗反応混合物に加え、得られた懸濁液を濾過した。沈殿を水で洗浄し、空気乾燥した。沈殿を、メタノールおよびジクロロメタンによるグラジエント溶出を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6−((6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(60mg、62%)が得られた。
方法8:
N−(ピペリジン−4−イル)−4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド:トリフルオロ酢酸(0.33mL、4.2mmol)を、DCM(1.0mL)中のtert−ブチル4−(4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド)ピペリジン−1−カルボキシレート(72mg、0.13mmol)の溶液に加えた。96時間後、反応物を回転蒸発により濃縮した。残渣をプレップ−HPLCにより精製すると、N−(ピペリジン−4−イル)−4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ベンズアミド(7mg、収率25%)が得られた。
方法9:
6−((6−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン:アセトニトリル(1.45mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(50mg、0.16mmol)、4−メチル−1H−イミダゾール(36mg、0.44mmol)およびCsF(25mg、0.16mmol)の混合物を、20分にわたって160℃までマイクロ波中で加熱した。反応物を水(5mL)で希釈し、得られた懸濁液を濾過した。沈殿を水で洗浄し、次いで、メタノールおよびジクロロメタンによるグラジエント溶出を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製すると、6−((6−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(28mg、収率56%)が得られた。
方法10:
ステップ1:
2−プロパノール(6mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、(200mg、0.5862mmol)、炭酸カリウム(243mg、1.76mmol)、および(R)−tert−ブチルピロリジン−3−イルカルバメート、(218mg、1.17mmol)の混合物を、20分にわたって80℃にてマイクロ波中で加熱した。混合物を冷却し、固体を濾過により集め、次いで、クロロホルム/酢酸エチル(25〜75%)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望の生成物、A(239mg、91%)が得られた。
ステップ2:
ジクロロメタン(2.2mL)中のtert−ブチル(1R)−3−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)シクロペンチルカルバメート、A(100mg、0.224mmol)の溶液に、塩酸(ジオキサン中4N、560μL、2.24mmol)を加えた。6時間にわたって室温にて攪拌した後、反応物をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(約5mL)でクエンチした。有機層を分離し、濃縮すると、所望の生成物、B(65mg、84%)が得られた。
方法11:
2−プロパノール(1.5mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(50mg、0.15mmol)、炭酸カリウム(81mg、0.59mmol)、および(R)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン(50mg、0.44mmol)の混合物を、10分にわたって60℃にてマイクロ波中で加熱した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、クロロホルム/メタノール中7Nアンモニア(0.1〜3.5%)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーと、続いて、クロロホルム/メタノール(1〜7%)で溶出する第2のカラムにより精製すると、所望の生成物(21mg、36%)が得られた。
方法12:
ジメトキシメタン(1.5mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(50mg、0.15mmol)、(4−アミノメチルフェニル)ボロン酸塩酸塩(30mg、0.16mmol)、1M炭酸ナトリウム(601uL)の溶液を、真空と窒素を繰り返す(3×)ことにより脱気し、次いで、Pd(PPh
3)
2Cl
2を加え、混合物を1.5時間にわたって80℃まで加熱した。反応物を室温まで冷却し、水を加え、攪拌した。固体を濾過し、次いで、約5滴のTFAを含有するジクロロメタン(20mL)に溶かした。溶液を濃縮し、残渣を、クロロホルム/メタノール中7Nアンモニア(0.5〜7%)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望の生成物(26mg、48%)が得られた。
方法13:
マイクロ波容器に、3,5−ジブロモ−ピラジン−2−イルアミン(2.0g、7.9mmol)、C−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)−メチルアミン、HCl塩(2.36g、12.7mmol)、トリエチルアミン(2.22mL、15.8mmol)およびn−BuOH(6mL)を加えた。反応懸濁液を、3時間にわたって170℃にて照射した。nBuOHを真空中で除去した。EtOAc(20mL)を粗製混合物に加え、水(20mL)で洗浄した。水相を再び抽出した(3×20mL)。有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、EtOAc:ヘキサン(1:1)でシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、6−ブロモ−N
2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−ピラジン−2,3−ジアミン(2.11グラム、収率84%)が得られた。
方法14:
AcOH:H
2O(8mL:8mL)中の6−ブロモ−N
2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−ピラジン−2,3−ジアミン(1.0g、3.12mmol)の溶液に、水(5mL)中のNaNO
2(2.12g、31.2mmol)の溶液を加えた。混合物を1時間にわたって室温にて攪拌し、次いで、16時間にわたって65℃にて加熱した。溶媒を除去し、次いで、EtOAc(20mL)および水(20mL)を加えた。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出液をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、EtOAc:ヘキサンでシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、6−ブロモ−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン(543mg、収率52%)が得られた。
方法15:
無水DMF(2mL)中の(R)−ピロリジン−3−イル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(37mg、0.165mmol)の溶液に、NaH(油中60%、7mg、0.18mmol)を加えた。溶液を15分にわたって23℃にて攪拌した。6−ブロモ−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン(50mg、0.15mmol)を加え、反応溶液を、30分にわたって100℃にてマイクロ波照射した。水(10mL)を加え、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出液をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮すると、{(R)−1−[3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル]−ピロリジン−3−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(67mg、収率99%)が得られた。
方法16:
CH
2Cl
2(10mL)中の{(R)−1−[3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル]−ピロリジン−3−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(67mg、0.15mmol)の溶液に、4M HCl/ジオキサン(2mL)を滴加した。反応物を2時間にわたって室温にて攪拌した。有機層をデカントし、粗製固体を、0.1%酢酸を有するアセトニトリル−水で溶出する逆相調製用HPLCで精製すると、酢酸塩として(R)−1−[3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル]−ピロリジン−3−イルアミン61mg(収率99%)が得られた。
方法17:
N
2で脱気したDME/水(4mL/1mL)中の6−ブロモ−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン(50mg、0.15mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(34mg、0.165mmol)、および炭酸ナトリウム(48mg、0.45mmol)の溶液に、Pd(PPh
3)
2Cl
2(5mg、0.008mmol)を加えた。反応溶液をN
2で再び脱気し、80℃にて16時間にわたって攪拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濃縮し、0.1%酢酸を有するアセトニトリル−水で溶出する逆相調製用HPLCで精製すると、1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン(12mg、収率24%)が得られた。
方法18:
DMF(2mL)中の6−[6−(1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル]−キノリン(50mg、0.15mmol)およびCs
2CO
3(50mg、0.15mmol)の懸濁液に2,2−ジメチル−オキシランを加えた。反応物を16時間にわたって80℃にて攪拌した。次いで、反応物を、0.1%酢酸を有するアセトニトリル−水で溶出する逆相調製用HPLCで精製すると、2−メチル−1−[4−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−プロパン−2−オール(13mg、収率22%)が得られた。
方法19:
MeOH(10mL):AcOH(1mL):EtOAc(1mL)中の6−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル)−キノリン(200mg、0.586mmol)の溶液を、窒素で3回脱気した。この溶液にPd/C(20mg)を加えた。水素を含有する風船を、シリンジを介して加え、反応物を室温にて18時間にわたって攪拌した。反応が完了しなかったため、より多くのPd/C(20mg)を加え、室温にて18時間にわたって攪拌した。反応を、LCMSが1:1の比(生成物:出発材料)を示した時に停止させた。反応物をセライトで濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄した。濾過した溶液を濃縮し、EtOAc:ヘキサンでBiotageシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、生成物6−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル−キノリン30mg(収率20%)が得られた。
方法20:
ACN(47mL)中の6−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル)−キノリン(2g、5.86mmol)の溶液(窒素で3回脱気した)に、Pd(PPh
3)
2Cl
2(205mg、0.293mmol)、CuI(167mg、0.879mmol)、およびブチル−(1−エトキシ−ビニル)−スタンネート(5.9mL、17.59mmol)を加えた。反応物を、LC−MSが完全な生成物を示すまで4時間にわたって還流した。反応物をセライトパッドで濾過し、エーテル(100mL)で洗浄した。溶液を水(1×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物を、EtOAc:ヘキサンでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、生成物6−[6−(1−エトキシ−ビニル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル]−キノリン1.05g(収率55%)が得られた。
方法21:
ACN(50mL)中の6−[6−(1−エトキシ−ビニル)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル]−キノリン(1.0g、3.00mmol)の溶液に2N HClを滴加した。反応物を1時間にわたって還流し、次いで、NaHCO
3で中和した。溶液をEtOAc(3×100mL)で抽出すると、生成物1−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−エタノン(950mg、収率99%)が得られた。
方法22:
THF中の1−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−エタノン(100mg、0.33mmol)の溶液に、0℃にてMeMgBr(0.260mL、0.362mmol、トルエン/THF中1.4M)を加えた。反応物を室温にて16時間にわたって攪拌した。LC−MSは、1:1の比(ケトン:アルコール)を示したため、別に当量のMeMgBrを加え、反応物をさらに16時間にわたって攪拌した。粗反応物を濃縮し、0.1%酢酸を有するACN−H
2Oで溶出する逆相C−18調製用HPLCにより精製すると、2−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−プロパン−2−オール(4mg、収率4%)が得られた。
方法23:
MeOH(5mL)中の1−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−エタノン(150mg、0.493mmol)の溶液に酢酸アンモニウム(76mg、0.987mmol)を加えた。反応物を室温にて2時間にわたって攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(62mg、0.987mmol)を加え、反応物を16時間にわたって70℃まで加熱した。LC−MSは、アルコールとアミンの約1:1の比を示した。反応物を濃縮し、0.1%酢酸を有するACN−H
2Oで溶出する逆相C−18調製用HPLCにより精製すると、1−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−エタノール(70mg)および1−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−エチルアミン(20mg)が得られた。
方法24:
水酸化アンモニウム(2mL)中の2−メチル−2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸メチルエステル(50mg、0.116mmol)の懸濁液を、30分にわたってマイクロ波中で100℃にて照射すると、第一級アミドおよびカルボン酸(1:1の比)が得られた。反応物を濃縮し、Dioxnex HPLCにより精製すると、2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−イソブチルアミド(20mg)および2−メチル−2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸(25mg)が得られた。
方法25:
ラセミの1−[1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジンを、50%MeOHおよび2.5uL/分の流速で溶出するキラルカラム(Chiralpak IA 4.6×250mm 5umカラム)により精製すると、ジクロロメタン(5.6mg/mL)中で旋光度が0.146゜の1−[(S)−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジンおよびジクロロメタン(9.32mg/mL)中で旋光度が0.26゜の1−[(R)−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジンが得られた。
方法26:
グローブボックス内で、以下を2.0mLのPersonal Chemistry Microwave反応管に加えた。1個の三角攪拌子、NMP中の適切なヘテロハライド溶液(320μL、80μmol、1.0当量、0.25M)、NMP中の適切なアミン(640μL、160μmol、2.0当量、0.25M)、およびNMP中のTEAの溶液(240μL、120μmol、1.5当量、0.5M)。マイクロ波管をセプタムキャップで密閉し、グローブボックスの外で、反応混合物を、第二級アミンについては80℃にて15分にわたって、および第一級アミンについては80℃にて45分にわたってPersonal Chemistry Microwave Synthesizer中で加熱した。反応混合物を10×75mmの試験管に移した。マイクロ波管をDMF(0.5mL)で洗浄し、洗浄DMFを、最初に移した材料と混ぜ合わせた。溶媒を除去し、残渣をDMSO中で再構成した。
方法27:
N−2−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]グリシンアミドの合成
2−プロパノール(3.0mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、(100mg、0.293mmol)、トリエチルアミン(123μL、0.879mmol)、アミノアセトアミド塩酸塩(49mg、0.44mmol)の混合物を、10分にわたって100℃にて、次いで、10分にわたって120℃にてマイクロ波中で加熱した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、濾過した。沈殿を、クロロホルム/メタノール中7Nアンモニア(0.1〜10%)で溶出する12Mカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物(20mg、20%)が得られた。
(3R)−N−メチル−1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−アミンの合成
ステップ1:
2−プロパノール(6.0mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(200mg、0.586mmol)、炭酸カリウム(243mg、1.76mmol)、および(R)−tert−ブチルピロリジン−3−イルカルバメート(218mg、1.17mmol)の混合物を、20分にわたって80℃にてマイクロ波中で加熱した。混合物を冷却し、固体を濾過により集め、次いで、クロロホルム/酢酸エチル(25〜75%)で溶出するHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、(R)−tert−ブチル1−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ピロリジン−3−イルカルバメート、(239mg、91%)が得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.38(s,9H)1.88〜1.99(m,1H)2.10〜2.22(m,1H)3.44(dd,J=11.49,4.42Hz,1H)3.61〜3.73(m,3H)4.12〜4.23(m,1H)5.91(s,2H)7.27(d,J=5.56Hz,1H)7.53(dd,J=8.34,4.29Hz,1H)7.76(dd,J=8.72,1.89Hz,1H)7.93(d,J=1.26Hz,1H)8.00(d,J=8.84Hz,1H)8.21(s,1H)8.33〜8.38(m,1H)8.89(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)
ステップ2:
テトラヒドロフラン(2.0mL)中の(R)−tert−ブチル1−(3−(キノリン−6−イルメチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)ピロリジン−3−イルカルバメート(111mg、0.249mmol)の冷却した(0℃)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、15mg、0.37mmol)を加えた。0℃にて30分後、テトラヒドロフラン(0.5mL)中のヨウ化メチル(23uL、0.37mmol)の溶液を15分かけて滴加した。反応混合物を、氷浴を融解しながら室温まで温め、一夜にわたって攪拌し、次いで、水(1.0mL)を加えることによりクエンチした。テトラヒドロフランを真空中で除去し、残った水溶液を酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機溶液を水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。粗生成物を、クロロホルム/アセトン(2〜20%)で溶出する25Sカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、tert−ブチルメチル{(3R)−1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−イル}カルバメート(104mg、91%)が得られた。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 1.50(s,9H)2.14〜2.23(m,1H)2.23〜2.32(m,1H)2.85(s,3H)3.49(m,1H)3.54〜3.64(m,1H)3.80〜3.90(m,2H)4.95(brm,1H)5.89(s,2H)7.44(dd,J=8.08,4.29Hz,1H)7.82(d,J=1.77Hz,1H)7.85(s,1H)8.06(s,1H)8.13(d,J=8.84Hz,1H)8.17(d,J=8.59Hz,1H)8.92(dd,J=4.17,1.39Hz,1H)。
ステップ3:
ジクロロメタン(2.2mL)中のtert−ブチルメチル{(3R)−1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−イル}カルバメート(101mg、0.219mmol)の冷却した(0℃)溶液に、塩酸(ジオキサン中4N、1.10mL、4.39mmol)を加えた。反応混合物を、氷浴を融解しながら室温まで温め、3時間にわたって攪拌し、次いで、ジクロロメタン(20mL)で希釈した。有機溶液を飽和重炭酸ナトリウム(5mL)で洗浄し、分離した。水溶液をジクロロメタン(3×20mL)で抽出し、有機物を混ぜ合わせ、濃縮した。粗生成物を、クロロホルム/メタノール中7Nアンモニア(0.1〜3.5%)で溶出する12Mカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、遊離塩基として表題化合物が得られ、二塩酸塩(56mg、63%)に変換した。
方法28:
N,N−ジメチル−2−{[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]オキシ}エタンアミンの合成
n−ブタノール(3.0mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、(100、0.293)、トリエチルアミン(123μL、0.879mmol)、N,N−ジメチルエタノールアミン(959μL、0.586mmol)の混合物を、20分にわたって120℃にてマイクロ波中で加熱し、次いで、濃縮した。粗生成物を、クロロホルム/メタノール中7Nアンモニア(0.1〜5%)で溶出する25Sカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物(75mg、74%)が得られた。
方法29:
1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−カルボキサミドの合成
ステップ1:
n−ブタノール(10.0mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン、(350mg、1.03mmol)、炭酸カリウム(436mg、3.16mmol)、および3−ピロリジンカルボン酸(236mg、2.05mmol)の混合物を、60分にわたって120℃にてマイクロ波中で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、酢酸エチルですすぎ、濾液を濃縮した。粗生成物を、0.1%酢酸/メタノール(0.5〜7%)を含有するクロロホルムで溶出する25Sカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−カルボン酸(152mg、39%)が得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.72〜2.81(m,1H)2.81〜2.91(m,1H)3.77〜3.87(m,1H)4.12〜4.31(m,2H)4.32〜4.44(m,2H)6.51(s,2H)8.12(dd,J=8.34,4.29Hz,1H)8.35(dd,J=8.84,2.02Hz,1H)8.53(d,J=1.52Hz,1H)8.59(d,J=8.59Hz,1H)8.83(s,1H)8.95(dd,J=8.34,1.01Hz,1H)9.48(dd,J=4.17,1.64Hz,1H)12.97(s,1H)
ステップ2:
DMF(4.0mL)中の1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−カルボン酸(143mg、0.328mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(93mg、0.69mmol)の溶液に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(132mg、0.690mmol)と、続いて、N−メチルモルホリン(159μL、1.31mmol)を加えた。得られた溶液を室温にて4時間にわたって攪拌し、次いで、アンモニア(メタノール中7N、234μL、1.64mmol)を加え、反応物を一夜にわたって攪拌した。反応物に、より多くの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩、およびN−メチルモルホリンを加え、溶液を室温にて1時間にわたって攪拌し、次いで、アンモニア(ジオキサン中0.5N)を加えた。6時間後、溶液をメチルtert−ブチルエーテル(100mL)で希釈し、有機溶液を飽和重炭酸ナトリウム(2×20mL)および食塩水(20mL)で洗浄した。合わせた水層を混ぜ合わせ、凍結乾燥した。得られた固体を1:1メタノール:クロロホルム中でスラリー化し、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、クロロホルム/7Nメタノール性アンモニア(0.1〜6%)で溶出する40Sカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、ラセミ混合物として表題化合物(86mg、70%)が得られた。混合物をSCFクロマトグラフィーにより分離すると、100%eeでエナンチオマーが純粋に得られた(ピーク1、37%;ピーク2、42%)。
方法30:
4,4−ジメチル−1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]イミダゾリジン−2−オンの合成
THF(2.0mL)およびジメチルアセトアミド(1.0mL)中の2−メチル−N−1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]プロパン−1,2−ジアミン(80mg、0.19mmol)の冷却した(0℃)溶液に、ホスゲン(トルエン中20%、110μL、0.21mmol)を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し、粗生成物を、クロロホルム/酢酸エチル(35〜95%)で溶出する25Sカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物(37mg、52%)が得られた。
方法31:
6−{[6−(3,3−ジフルオロ−1,3’−ビピロリジン−1’−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]メチル}キノリンの合成
ステップ1:
2−プロパノール(32mL)中の6−((6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリン(5.00g、14.7mmol)、ピロリジン−3−オール(2.55g、29.3mmol)、およびトリエチルアミン(4.09mL、29.3mmol)の混合物を、2個のバイアル中で70℃にて30分にわたってマイクロ波中で加熱した。反応混合物を混ぜ合わせ、濃縮した。粗生成物を、クロロホルム/メタノール(0.1〜8%)で溶出する3つのバッチ(2×40Mおよび1×40Sカラム)でHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。得られた固体を、0.1%メタノールを含有するクロロホルム(810mL)に溶かし、水および1:1水:食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、濃縮すると、1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−オール(5.08g、99%)が得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.93〜1.99(m,1H)2.02〜2.07(m,1H)3.49〜3.57(m,1H)3.61〜3.73(m,3H)4.39〜4.50(m,1H)5.04〜5.15(m,1H)5.90(s,2H)7.53(dd,J=8.34,4.29Hz,1H)7.76(dd,J=8.72,1.89Hz,1H)7.93(s,1H)8.00(d,J=8.59Hz,1H)8.22(s,1H)8.36(d,J=8.34Hz,1H)8.89(dd,J=4.17,1.64Hz,1H)
ステップ2:
ジクロロメタン(15mL)中の塩化オキサリル(1.5mL、17mmol)の冷却した(−78℃)溶液に、−70℃未満の温度を保ちながらジメチルスルホキシド(2.45mL、34.5mmol)を滴加した。30分後、ジクロロメタン(35mL)中の1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−オール(1.00g、2.88mmol)の懸濁液を、−70℃未満の温度を保ちながら加えた。1時間15分後、トリエチルアミン(3.61mL、25.9mmol)をゆっくりと加え、ドライアイス浴を取り外し、反応物を2時間にわたって攪拌した。反応物を水(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(150mL)で希釈し、分離した。水層をジクロロメタン(2×50mL)で抽出し、有機物を混ぜ合わせ、濃縮した。粗生成物を、クロロホルム/メタノール(0.5〜8%)で溶出する40Mカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−オン(401mg、40%)が得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 2.75(t,J=7.71Hz,2H)4.00(t,J=7.58Hz,2H)4.07(s,2H)5.95(s,2H)7.53(dd,J=8.21,4.17Hz,1H)7.78(dd,J=8.72,1.89Hz,1H)7.97(s,1H)8.01(d,J=8.59Hz,1H)8.32(s,1H)8.37(d,J=8.34Hz,1H)8.89(dd,J=4.17,1.64Hz,1H)
ステップ3:
テトラヒドロフラン/メタノール/ジメチルアセトアミド(各1.0mL)中の1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−オン(50mg、0.15mmol)および3,3−ジフルオロピロリジン(42mg、0.29mmol)の懸濁液を、2時間にわたって80℃まで加熱し、次いで、NaBCNH
3(18mg、0.29mmol)を加えた。2時間後、溶液を室温まで冷却し、濃縮した。粗生成物を、クロロホルム/アセトン(5〜50%)で溶出する25Sカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーと、続いて、クロロホルム/酢酸エチル(25〜100%)で溶出する12Mカートリッジ上の第2のカラムにより精製すると、表題化合物(25mg、40%)が得られた。
方法32:
7−フルオロ−6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]メチル}−キノリンの合成
ジメトキシエタン(4.8mL)および水(1.2mL)中の6−[(6−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−7−フルオロキノリン(200mg、0.557mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−1H−ピラゾール(139mg、0.668mmol)、および炭酸ナトリウム(177mg、1.67mmol)の混合物を、真空と窒素を繰り返す(5×)ことにより脱気した。ビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)クロライド(20mg、0.028mmol)を加え、混合物を再び脱気した(3×)。得られた混合物を3時間にわたって還流し、室温まで冷却し、濾過した。沈殿を1:1メタノール/クロロホルム中でスラリー化し、濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、トリフルオロ酢酸と共にメタノール/クロロホルムに溶かし、クロロホルム/メタノール中7Nアンモニア(0.1〜10%)で溶出する25Mカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。得られた固体をメタノール/クロロホルムに溶かし、セライトに通して濾過すると、表題化合物(161mg、80%)が得られた。
6−[(6−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−7−フルオロキノリンの合成:
ステップ1:
化合物A(90g、0.60mol)、グリセロール(1800g、1.9mol)、硫酸第一鉄(27g、0.0954mol)、ニトロベンゼン(99mL、0.95mol)および濃硫酸(261mL、4.77mol)の混合物を、14時間にわたって130℃にて加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、28%NH
3溶液によりpH約8まで塩基性化した。得られた混合物をCH
2Cl
2(1000mL×3)で抽出した。合わせた有機相を蒸発させ、残渣を真空中で乾燥すると、粗製の化合物Bが得られ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/石油エーテル=1:10)により精製すると、黄色の固体として化合物B(56g、51.9%)が得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 8.929(dd,1H)、8.072(m,2H)、7.813(d,1H)、7.397(dd,1H)。
ステップ2:
DMF(400mL)中の化合物B(25g、0.11mol)およびCuCN(12g、0.14mol)の懸濁液を、N
2を通すことにより脱気し、次いで、Pd(PPh
3)
4(6.5g、0.0056mol)を加えた。反応混合物を12時間にわたって120℃まで加熱した。混合物を室温まで冷却し、DMFを真空中で蒸発させた。残渣を水(100mL)に注加し、CH
2Cl
2(1000mL×2)で抽出した。合わせた有機相を蒸発させ、残渣を真空中で乾燥すると、粗製の化合物Cが得られ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/石油エーテル=1:15)により精製すると、黄色の固体として化合物C(9g、47.6%)が得られた。
1H NMR(400MHz,MeOH):δ 9.014(dd,1H)、8.664(d,1H)、8.495(d,1H)、7.981(d,1H)、7.626(dd,1H)。
ステップ3:
飽和NH
3−EtOH(2L)中の化合物C(18g、0.105mol)とラネーNi(40g)の混合物を、16時間にわたって室温にて1atm(約100kPa)のH
2下で攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮すると、黄色の固体として粗製の化合物D(17g、92.4%)が得られ、精製することなく次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,MeOH):δ 8.726(s,1H)、8.373(d,1H)、7.867(d,1H)、7.506(d,1H)、7.386(dd,1H)、3.966(s,2H)。
ステップ4:
DMF(320mL)中の化合物D(17g、0.0966mol)、化合物G(129g、0.116mol)およびDIPEA(18.6mL、0.106mol)の混合物を、14時間にわたって130℃にて加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、DMFを真空中で蒸発させた。残渣を氷水に注加し、EtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮すると、粗製の化合物Eが得られ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/石油エーテル=1:5)により精製すると、黄色の固体として化合物E(10g、29.8%)が得られた。
1H NMR(400MHz,MeOH):δ 9.091(dd,1H)、8.920(d,1H)、8.339(d,1H)、7.908(dd,1H)、7.221(s,1H)、4.916(d,2H)。
ステップ5:
AcOH(200mL)および水(200mL)中の化合物E(10g、0.0288mol)の懸濁液に、0℃にて水(5mL)中のNaNO
2(3g、0.0433mol)の溶液を滴加した。添加後、得られた混合物を4時間にわたって0℃にて攪拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、HBr(12mL)を混合物に加えた。得られた混合物を16時間にわたって室温にて攪拌した。反応混合物を、水(300mL)の添加によりクエンチし、CH
2Cl
2(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、飽和Na
2CO
3水溶液(200mL)および食塩水(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮すると、粗製の化合物Fが得られた。粗製の化合物Fを、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/石油エーテル=1:5)を介して予め精製し、生成物をMeOH(20mL)で洗浄し、乾燥すると、黄色の固体としてF(3.1g、30.0%)が得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 8.901(dd,1H)、8.761(s,1H)、8.101(d,1H)、7.776(s,1H)、7.752(d,1H)、7.393(dd,1H)、6.107(s,2H)。
ステップ6:
ジメトキシエタン(4.8mL)および水(1.2mL)中の6−[(6−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−7−フルオロキノリン(6)(200mg、0.557mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−1H−ピラゾール(139mg、0.668mmol)、および炭酸ナトリウム(177mg、1.67mmol)の混合物を、真空と窒素を繰り返す(5×)ことにより脱気した。ビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)クロライド(20mg、0.028mmol)を加え、混合物を再び脱気した(3×)。得られた混合物を3時間にわたって還流し、室温まで冷却し、濾過した。沈殿を1:1メタノール/クロロホルム中でスラリー化し、濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、トリフルオロ酢酸と共にメタノール/クロロホルムに溶かし、クロロホルム/メタノール中7Nアンモニア(0.1〜10%)で溶出する25Mカラム上のHorizon精製システムを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。得られた固体をメタノール/クロロホルムに溶かし、セライトに通して濾過すると、表題化合物(7)(161mg、80%)が得られた。
方法33:
1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−カルボニトリルの合成
DMAC(70ml)中の6−[(6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル]キノリン(1.0g、2.93mmol)の懸濁液にシアン化亜鉛(413mg、3.52mmol)を加えた。反応混合物を脱気し、次いで、PdCl
2(dppf).CH
2Cl
2(240mg、0.29mmol)と、続いて、トリエチルアミン(0.828ml)を室温にて加えた。反応混合物を再び脱気した。85℃にて加熱した後、反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、CH
2Cl
25mlで洗浄した。溶媒を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、1〜3%MeOH中7N NH
3:CH
2Cl
2で溶出されるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の生成物(740mg、88%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 6.28(s,2H)7.55(dd,J=8.34,4.29Hz,1H)7.81(dd,J=8.72,2.15Hz,1H)7.99〜8.04(m,2H)8.33〜8.37(m,1H)8.91(dd,J=4.04,1.77Hz,1H)9.41(s,1H)APCI(Mz+1)288.2
方法34:
メチル1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−カルボキシレートの合成
MeOH(17ml)、H
2O(1.0ml)、DMSO(0.1ml)中の1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−カルボニトリル(280mg、0.975mmol)の懸濁液に、室温にてHCl(g)を飽和させた。2.5時間にわたって還流した後、反応混合物を停止し、溶媒を減圧下で除去すると、灰色がかった白色の固体が得られ、次いで、CH
2Cl
2(100ml)で希釈し、飽和NaHCO
3(7ml×3)で洗浄した。水層をCH
2Cl
2(4×30ml)で抽出した。有機層を混ぜ合わせ、K
2CO
3で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残渣を、0〜3%MeOH中7N NH
3:CH
2Cl
2で溶出されるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の生成物(200mg、64%)が得られた。
方法35:
1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−カルボン酸の合成
氷浴で5℃まで冷却されたTHF(40ml)中のメチル1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−カルボキシレート(200mg、0.624mmol)の懸濁液に、カリウムトリメチルシラノエート(80.1mg、0.62mmol)を加えた。5℃にて20分にわたって攪拌した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣を7mlのDMACに溶かし、5〜75% 0.1%TFA H
2Oおよび0.1%TFA ACNで溶出される逆相カラムを介して精製すると、所望の生成物(100mg、66%)が得られた。
方法36:
N−メチル−1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−カルボキサミドの合成
DMAC(2ml)およびN−メチルモルホリン(0.202ml、1.84mmol)中の1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−カルボン酸(47mg、0.154mmol)の溶液に、室温にてCDMT(40.4mg、0.23mmol)を加えた。45分にわたって室温にて攪拌した後、反応混合物に、THF中のメチルアミン2M溶液(0.153ml、0.31mmol)を加えた。16時間にわたって室温にて攪拌した後、反応混合物にHATU(58mg、0.15mmol)を加えた。30分にわたって室温にて攪拌した後、反応混合物にTHF中のメチルアミン2M溶液0.2mlをさらに加えた。室温にて1.2時間にわたって攪拌した後、反応混合物を停止し、反応物を、5〜75% ACN中0.1%TFA:H
2O中0.1%TFAで溶出される逆相を介して精製すると、所望の生成物(10mg、20%)が得られた。
方法37:
3−[(メチルアミノ)メチル]−1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−オールの合成
2:1MeOH:DMSO(3ml)中の6−{[6−(1−オキサ−5−アザスピロ[2.4]ヘプト−5−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]メチル}キノリン(130mg、0.36mmol)の溶液に、室温にてメチルアミン(24.7mg、0.80mmol)およびヨウ化カリウム(300.4mg、1.81mmol)を加えた。3.5時間にわたって80℃にて加熱した後、反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、0〜5%MeOH中7N NH
3:CH
2Cl
2で溶出されるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の生成物(35mg、25%)が得られた。
6−{[6−(1−オキサ−5−アザスピロ[2.4]ヘプト−5−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]メチル}キノリンの調製:
温度計および凝縮器を備えた火力乾燥した3N丸底フラスコに、95%NaH(69mg、2.69mmol)および無水DMSO(5.0ml)を加えた。室温にて2分にわたって、および70℃にて45分にわたって攪拌した後、反応混合物を3℃まで冷却し、DMSO(3.6ml)中のヨウ化トリメチルスルホニウム(504.1mg、2.47mmol)を加えた。3℃にて30分にわたって攪拌した後、反応混合物に、1:1THF:DMSO(16ml)中の1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−オン(200mg、0.58mmol)の懸濁液を滴加した。3時間にわたって0℃にて攪拌した後、反応混合物を氷冷水(15ml)に注加し、CH
2Cl
2(4×60ml)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、10%MeOH:CH
2Cl
2で溶出されるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の生成物(130mg、63%)が得られた。
方法38:
2−({(3R)−1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−イル}アミノ)エタノールの合成
無水DMF(2.0ml)中のtert−ブチル{(3R)−1−[1−(キノリン−6−イルメチル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル]ピロリジン−3−イル}カルバメート(300mg、0.672mmol)の溶液に、95%NaH(25.4mg、1.01mmol)を加えた。10分にわたって室温にて攪拌した後、反応混合物にヨードエタノール(288.9mg、1.68mmol)を加えた。16時間にわたって70℃にて攪拌した後、反応混合物にヨードエタノール(288.9mg、1.68mmol)を加えた。7時間にわたって90℃にて、32時間にわたって105℃にて攪拌した後、反応混合物を水でクエンチし、濾過した。溶出液を2:1EtOAc:トルエン(2×30ml)で抽出した。有機層をK
2CO
3で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残渣を、CH
2Cl
2(10ml)に溶かし、TFA(0.5ml)およびMeOH(1ピペット滴)を加えた。16時間にわたって室温にて攪拌した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣を、0.1%TFA CAN:水で溶出される逆相カラムを介して精製すると、所望の生成物(1.6mg)が得られた。
方法39:
2−(4−{1−[(7−フルオロキノリン−6−イル)メチル]−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−6−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)エタノールの合成
7−フルオロ−6−{[6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]メチル}キノリン(95mg、0.274mmol)、2−ヨードエタノール(378mg、2.198mmol)、K
2CO
3(75.8mg、0.548mmol)、DMAC(95ml)を混ぜ合わせ、4時間にわたって120℃にてマイクロ波中で加熱した。反応混合物を濃縮し、得られた残渣を、0〜5%MeOH:CH
2Cl
2で溶出されるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製すると、固体として所望の生成物(33.9mg、31%)が得られた。
7−フルオロ−6−{[6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル]メチル}−キノリンの調製
ジメトキシエタン(8.0ml)中の6−[(6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル]−7−フルオロキノリン(250mg、0.696mmol)および4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(225mg、0.766mmol)の懸濁液に、室温にてCsF(317mg、2.09mmol)および水(1.05ml)を加えた。数回脱気した後、懸濁液に、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)のCH
2Cl
2との1:1錯体(25.5mg、0.04mmol)を加え、反応混合物を再び脱気した。16時間にわたって85℃にて攪拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、水(10ml)で希釈し、濾過した。水層をCH
2Cl
2(2×50ml)、EtOAc(1×10ml)で抽出した。合わせた有機層をK
2CO
3で乾燥し、濾過し、これを最初に濾過した固体と混ぜ合わせ、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、0〜7%CH
2Cl
2:MeOHで溶出されるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の生成物(220mg、91%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 6.18(s,2H)7.53(dd,J=8.21,4.17Hz,2H)7.84(d,J=11.37Hz,1H)8.17(d,J=8.59Hz,1H)8.29(s,1H)8.41〜8.46(m,1H)8.70(s,1H)8.92(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)9.25(s,1H)。
方法40
ラセミの1−[1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジンを、50%MeOHおよび2.5uL/分の流速で溶出するキラルカラム(Chiralpak IA 4.6×250mm 5uカラム)により精製すると、ジクロロメタン(5.6mg/mL)中で旋光度が0.146゜の1−[(S)−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジンおよびジクロロメタン(9.32mg/mL)中で旋光度が0.26゜の1−[(R)−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジンが得られた。
方法41
無水DMF(2.0ml)中の6−[(6−ブロモ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル]キノリン(100mg、0.29mmol)の溶液に、4,4−ジフルオロ−1−[(3S)−ピロリジン−3−イル]ピペリジン(61.2mg、0.32mmol)およびK
2CO
3(202.5mg、1.46mmol)を加えた。16時間にわたって100℃にて攪拌した後、反応混合物を濾過し、得られた残渣を、水中のアセトニトリルおよびトリフルオロ酢酸で溶出される逆相カラムを用いて精製した。表題化合物は、固体として得られた(80.4mg)。
方法42
ステップ1:
丸底フラスコに、4−ヨードピラゾール(10.22g、52.70mmol)、Cs
2CO
3(20.6g、63.2mmol)、および無水DMF(100mL)を加えた。懸濁液を5分にわたって23℃にて攪拌した。2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2Hピラン(9.95mL、63.2mmol)を加え、反応物を16時間にわたって70℃にて攪拌した。冷却した後、EtOAc(100mL)および水(100mL)を反応物に加えた。有機層を集め、水層をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮すると、暗褐色の油が得られた。粗生成物を、酢酸エチルおよびヘキサンで溶出するシリカゲルカラム上で精製すると、黄色の油として4−ヨード−1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−1H−ピラゾール(14.78g、収率87%)が得られた。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 7.89(s,1H)7.52(s,1H)4.47〜4.56(m,1H)4.25〜4.35(m,2H)3.81〜3.96(m,1H)3.66〜3.75(m,1H)3.45〜3.57(m,J=2.83Hz,1H)3.32〜3.40(m,1H)1.34〜1.71(m,6H)。
ステップ2:
無水THF(8mL)中の4−ヨード−1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−1H−ピラゾール(1.0g、3.1mmol)の溶液に、窒素下で0℃にてiPrMgCl(THF中2M、3.10mL、6.21mmol)を一滴ずつ加えた。反応物を窒素下で0℃にて1時間にわたって攪拌した。溶液に、0℃にて2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.736g、4.66mmoL)を加え、得られた黄色の溶液を窒素下で周囲温度にて1時間にわたって攪拌した。反応物をNH
4Clの飽和水溶液(10mL)でクエンチした。EtOAc(50mL)および飽和NH
4Cl水溶液(10mL)を加えた。有機層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮すると、黄色の油として粗生成物が得られた。油を、EtOAcおよびヘキサンで溶出するシリカゲルカラムで精製すると、澄明な油として1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(800mg、収率80%)が得られた。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ 7.91(s,1H)4.48〜4.54(m,1H)4.26〜4.33(m,2H)3.86〜3.90(m,1H)3.66〜3.76(m,1H)3.45〜3.57(m,1H)3.33〜3.39(m,1H)1.33〜1.70(m,6H)1.24(s,12H)。
ステップ3:
DME(16mL)中の6−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル)−キノリン(845mg、2.48mmol)の溶液に、1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(800mg、2.48mmol)およびH
2O(4mL)中のCs
2CO
3(2.42g、7.43mmol)を加えた。反応混合物を脱気し、3回にわたって窒素を充填した。パラジウム触媒Pd(dppf).CH
2Cl
2(101mg、0.124mmol)を加え、反応混合物を脱気し、3回にわたって窒素を充填し、窒素下で80℃にて16時間にわたって攪拌した。次いで、反応混合物をセライトのパッドで濾過し、EtOAc(50mL)および水(25mL)で洗浄した。濾液をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、Biotageシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40+S、0〜50%EtOAc/ヘキサン5CV(カラム体積)、50〜100%EtOAc/ヘキサン10CV、100%EtOAc10CV)で精製すると、固体として6−(6−{1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−1H−ピラゾール−4−イル}−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル)−キノリン(910mg、収率81%)が得られた。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 9.23(s,1H)8.82〜8.95(m,1H)8.67(s,1H)8.28〜8.45(m,2H)7.92〜8.08(m,2H)7.77〜7.90(m,1H)7.53(dd,J=8.29,4.14Hz,1H)6.15(s,2H)4.49〜4.62(m,2H)4.30〜4.47(m,2H)3.91〜4.00(m,1H)3.67〜3.87(m,J=5.46Hz,1H)3.47〜3.60(m,1H)3.35〜3.42(m,1H)1.48〜1.66(m,2H)1.32〜1.45(m,3H)。
ステップ4:
CH
2Cl
2(20mL)中の6−(6−{1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−1H−ピラゾール−4−イル}−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル)−キノリン(780mg、1.71mmol)の溶液に、無水HClジオキサン溶液(4N、1.07mL、4.27mmol)を滴加した。白色の固体が沈殿した。反応混合物を1時間にわたって攪拌し、LCMSは、反応の完了を示した。反応混合物を濃縮し、残渣を蒸留水(15mL)に溶かした。溶液をNa
2CO
3でpH7に調整した。灰色がかった白色の固体を砕き、濾過し、水で洗浄し、1時間にわたって高真空で乾燥した。固体をEtOH(50mL)から再結晶すると、融点が222℃の白色の結晶性固体として2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール(400mg、収率63%)が得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 9.22(s,1H)8.89(dd,J=4.14,1.70Hz,1H)8.63(s,1H)8.37(dd,J=8.38,1.04Hz,1H)8.32(s,1H)7.98〜8.04(m,2H)7.82(dd,J=8.67,2.07Hz,1H)7.53(dd,J=8.29,4.14Hz,1H)6.15(s,2H)4.96(t,J=5.27Hz,1H)4.24(t,J=5.46Hz,2H)3.78(q,J=5.46Hz,2H)。
ステップ5:
2−[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−エタノール(3.76mmol、1.469g)を含有するエルレンマイヤーフラスコ(500mL)にEtOH(180mL)を加えた。溶液を、沸騰し始めるまで加熱し(すべての固体が溶けるとは限らない)、メタンスルホン酸の新たに調製したエタノール溶液(1.28M、3.09mL、3.95mmol)を加えた。酸の添加後、澄明な溶液が得られた。次いで、溶液を加熱沸騰させ、一夜にわたって攪拌しながら自然に周囲温度まで冷却した。約5分冷却した後、小さな結晶が形成し始めた。周囲温度にて一夜にわたって攪拌した後、結晶性固体を濾過し、少量のエタノールで洗浄し、3時間にわたって高真空下で乾燥した。白色の結晶性固体が得られた(1.623g、収率92%);融点:202〜203℃。元素分析:計算値:C−51.28%、H4.30%、N23.92%;実測値:C−51.27%、H−4.32%、N24.04%;
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 9.24(s,1H)9.12(d,J=4.71Hz,1H)8.79(d,J=8.48Hz,1H)8.64(s,1H)8.33(s,1H)8.10〜8.22(m,2H)7.98〜8.09(m,1H)7.83(dd,J=8.48,4.71Hz,1H)6.22(s,2H)4.24(t,J=5.27Hz,2H)3.79(t,J=5.37Hz,2H)、2.32(s,3H)。
方法43
MeOH(4mL)中の[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸メチルエステル(242mg、0.60mmol)の溶液に、水(1mL)中のLiOH(72mg、3.02mmol)の新たに調製した溶液を加えた。反応物を周囲温度にて16時間にわたって攪拌した。次いで、白色の懸濁液を、1N HClでpH7まで中和すると、白色の固体が沈殿した。固体を濾過し、水で洗浄し、16時間にわたって高真空下で乾燥すると、[4−(3−キノリン−6−イルメチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−5−イル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸(131mg、収率56%)が得られた。
方法44
ステップ1:
DMF(200mL)中のキノリン−6−カルボン酸(10g、57.75mmol)の溶液に、窒素下でカルボニルジイミダゾール(10.3g、62.5mmol)を加えた。反応物を1時間にわたって攪拌した。溶液に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン(5.6g、57.75mmol)を加え、反応物を16時間にわたって周囲温度にて攪拌した。反応物をEtOAc(150mL)および水(150mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(5×100mL)で抽出した。有機物を混ぜ合わせ、水(3×100mL)、食塩水(2×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮すると、キノリン−6−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(11.97g、収率97%)が得られた。
無水THF(200mL)中のキノリン−6−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(11.97g、55.35mmol)の溶液に、窒素下で0℃にてMeMgBr(THF中1.5M、55mL、83mmol)を加えた。反応物を16時間かけて周囲温度まで温めた。飽和NH4Cl(20mL)を加えて反応をクエンチした。次いで、反応溶液をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮すると、1−キノリン−6−イル−エタノン(9.2g、収率97%)が得られた。
ステップ2:
EtOH(150mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩の懸濁液に、EtOH(25mL)中のNaOH(2.4g、59.7mmol)の懸濁液を加えた。反応混合物を15分にわたって周囲温度にて攪拌した。沈殿したナトリウムハイドロクロライドを濾去した。EtOH(150mL)中の1−キノリン−6−イル−エタノン(9.3g、54.25mmol)の溶液を加えた。反応溶液を周囲温度にて16時間にわたって攪拌した。EtOHを真空中で除去すると、1−キノリン−6−イル−エタノンオキシム(10.1g、収率99%超)が得られた。
ステップ3:
EtOH(50mL)中の1−キノリン−6−イル−エタノンオキシム(4.54g、24.4mmol)の溶液に、NH
3のメタノール溶液(7N、12mL、80mmol)を加えた。ラネーニッケル(EtOHで3回洗浄した)のスラリー約2gと、続いて、水素を満たした風船を加えた。反応物を、水素を満たした風船下で16時間にわたって周囲温度にて攪拌した。反応混合物をセライトのパッドで濾過し、母液を濃縮すると、定量的な1−キノリン−6−イル−エチルアミン(4.1g)が得られた。
ステップ4:
n−ブタノール(5mL)中の2−アミノ−ジブロモピラジン(5.1g、20mmol)および1−キノリン−6−イル−エチルアミン(3.43g、20mmol)の溶液に、DIPEA(10.5mL、60mmol)を加えた。反応物を、1時間にわたって225℃にてマイクロ波中で照射した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーBiotage40+M 0〜50%EtOAc:ヘキサン(7カラム体積)、50〜100%(10カラム体積)、および10%MeOHのEtOAcにより精製すると、5−ブロモ−N
*3
*−(1−キノリン−6−イル−エチル)−ピラジン−2,3−ジアミン(2.1g、66%)が得られた。
ステップ5:
無水DMF(25mL)中の5−ブロモ−N
*3
*−(1−キノリン−6−イル−エチル)−ピラジン−2,3−ジアミンの溶液に、0℃にて亜硝酸イソアミル(0.98mL、1.2mmol)を加えた。反応物を5分にわたって0℃にて攪拌し、次いで、氷浴を取り外し、5分にわたって周囲温度にて攪拌した。次いで、反応物を1時間にわたって70℃にて加熱し、冷却し、Na
2SO
3の飽和水溶液(10mL)でクエンチした。水(50mL)およびEtOAc(50mL)を加えた。有機層を分離し、水層をEtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機物をNaHCO
3(50mL)および水(3×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮すると、6−[1−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)−エチル]−キノリン(1.56g、収率72%)が得られた。
ステップ6:
ラセミの6−[1−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)−エチル]−キノリンを、溶出系としてMeOHおよび液体CO2を用いるキラルSFCカラム上で精製すると、[α]
Dが+204.94゜の6−[(R)−1−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)−エチル]−キノリン、および[α]
Dが−212.73゜の6−[(S)−1−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)−エチル]−キノリンが得られた。
方法45
ステップ1:
n−ブタノール(18mL)中のC−キナゾリン−6−イル−メチルアミン(1.2g、7.916mmol)および3,5−ジブロモ−ピラジン−2−イルアミン2.06グラム(2.06g、7.916mmol)の溶液に、室温にてジイソプロピルエチルアミン(7.0mL、40mmol)を加えた。反応混合物を、窒素下で2日にわたって120℃まで加熱した。反応物を冷却し、n−BuOHを、回転蒸発器(rotavapor)を介して直接蒸発させ、続いて、シリカゲルカラムを介して精製すると、5−ブロモ−N*3*−キナゾリン−6−イルメチル−ピラジン−2,3−ジアミン(1.02g、収率42%)が得られた。
ステップ2:
無水DMF(12mL)中の5−ブロモ−N*3*−キナゾリン−6−イルメチル−ピラジン−2,3−ジアミン(1.02g)の溶液に、0℃にて亜硝酸イソアミル(0.5mL、1.2当量)を滴加した。氷浴を取り外し、混合物を、室温にて5分にわたって、および3時間にわたって70℃にて攪拌した。反応物を周囲温度まで冷却し、3mlの飽和Na2SO3によりクエンチした。沈殿が形成し、濾過した。母液を酢酸エチル(2×200ml)で2回抽出し、合わせた抽出液を飽和NaHCO3(2×100mL)により2回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮すると、粗生成物が得られ、MeOH(10ml)に溶かし、沈殿を生成させた。固体を濾過すると、6−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル)−キナゾリン(0.112g、収率13%)が得られた。
方法46
DME5ml中の6−(6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イルメチル)−キナゾリン(100mg、0.32mmol)および1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(130mg、0.6mmol)の溶液に、水(0.45mL)中のCs
2CO
3(306.9mg、0.96mmol)の新たに調製した溶液および触媒PdCl
2(dppf)CH
2Cl
2(13mg、0.15mmol)を加えた。混合物を脱気し、3回にわたって窒素を充填し、次いで、一夜にわたって85℃にて加熱した。溶媒を直接蒸発させ、粗生成物をCH
2Cl
2(5mL)に懸濁し、濾過した。母液を濃縮し、MeOH(2mL)を加えた。懸濁液を濾過し、次いで、固体をエーテル(2×10ml)により洗浄すると、生成物(37mg、収率37%)が得られた。
生物学的アッセイ
一般
in vitroアッセイを用い、PKのうちの1つまたは複数に対する本発明の様々な化合物の活性および効果のレベルを決定することができる。類似のアッセイは、当技術分野においてよく知られている技法を用い、任意のPKについて同じ方針で設計することができる。例えば、Technikova−Dobrova Z、Sardanelli AM、Papa S FEBS Lett.1991年11月4日;292:69〜72を参照されたい。
一般的手順は、以下の通りであり、化合物とキナーゼアッセイ試薬を、試験ウェルに導入する。アッセイは、キナーゼ酵素の添加により開始させる。酵素阻害剤は、測定される酵素の活性を下げる。
今回は、連続共役型(continuous−coupled)分光光度アッセイを用い、Met−2基質ペプチドに対するHGFRのチロシンキナーゼ活性に対する本発明の様々な化合物の活性および効果のレベルを決定した。連続共役型分光光度アッセイにおいて、キナーゼによるADPの時間依存的産生は、340nmにおける吸光度の減少を測定することにより、NADHの消費速度を分析することにより決定される。PKが、ADPを産生すると、ADPは、ホスホエノールピルビン酸およびピルビン酸キナーゼとの反応によりATPに再変換される。ピルビン酸もこの反応で産生される。続いて、ピルビン酸は、乳酸脱水素酵素との反応により乳酸に変換され、同時に、NADHをNADに変換する。NADHは、340nmにおいて測定可能な吸収を有するが、NADは、340nmにおいて測定可能な吸収を有しない。
特定のPKについて連続共役型分光光度実験を行うための現在のところ好ましいプロトコルを以下に示す。しかしながら、他のRTKに対する、ならびにCTKおよびSTKについての化合物の活性を決定するためのこのプロトコルの適応は、当業者の知識の十分範囲内にある。
HGFR連続共役型分光光度アッセイ
このアッセイを用い、HGFRの活性化ループに由来するペプチドであるMet−2基質ペプチドに対するHGFRのチロシンキナーゼ活性を分析した。Ki値(μM)の形態のアッセイ結果を表6に要約する。
材料および試薬:
1.Upstate社製HGFR酵素(Met、活性)カタログ番号14−526
2.Met−2ペプチド(HGFR活性ループ)Ac−ARDMYDKEYYSVHNK(MW=1960)。200mM HEPES、pH7.5に10mMストックとして溶かす。
3.200mM HEPES、pH7.5中の1M PEP(ホスホエノールピルビン酸)
4.200mM HEPES、pH7.5中の100mM NADH(B−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、還元型)
5.ddH2O中の4M MgCl2(塩化マグネシウム)
6.200mM HEPES、pH7.5中の1M DTT(ジチオスレイトール)
7.15単位/mL LDH(乳酸脱水素酵素)
8.15単位/mL PK(ピルビン酸キナーゼ)
9.ddH2Oに溶かした5M NaCl
10.Tween−20(Protein Grade)10%溶液
11.1M HEPES緩衝液:(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N−[2−エタンスルホン酸])ナトリウム塩。ddH2Oに溶かし、pHを7.5に調整し、容積を1Lにする。0.1μmで濾過する。
12.HPLC等級の水;Burdick and Jackson#365−4、1×4リットル(または等量)
13.100% DMSO(SIGMA)
14.Costar#3880−Ki測定および%阻害用の黒色透明平底ハーフエリアプレート
15.Costar#3359−段階希釈用の96ウェル丸底ポリプロピレンプレート
16.Costar#3635−%阻害用のUVプレート透明平底プレート
17.Beckman DU−650 w/マイクロセルホルダー
18.Beckman 4−位置マイクロセルキュベット
手順:
酵素用希釈緩衝液(DB)の調製(30mL調製用)
1.DB最終濃度は、2mM DTT、25mM NaCl、5mM MgCl2、0.01%Tween−20、および50mM HEPES緩衝液、pH7.5である。
2.ddH2O28.1mLに1M HEPES1.5mLを加えることにより50mM HEPESを作る。残りの試薬を加える。50mLのコニカルバイアル中に、1M DTT60μL、5M NaCl150μL、1M MgCl2150μL、および10%Tween−20 30μLを加え、30mLの総容積にする。
3.5〜10秒間ボルテックスする。
4.1mL/管でDBを等分し、管に「DB HGFR」とラベルを貼る。
5.注意:これは、前もって調製し保存することができる。
6.未使用のアリコートを、微小遠心管中、−20℃のフリーザーで冷凍する。
化合物の調製
1.化合物希釈プレートについては、プレートの縦列1に10mMストック4μLを加え、100%DMSOで100μLの体積にする。
2.Precision2000希釈法をセットする。50%DMSO、100mM HEPES中の化合物200μMの最終濃度(1:2段階希釈)。
連続共役型酵素緩衝液の調製:
1.アッセイにおける最終濃度:
試薬(ストック濃度) アッセイにおける最終濃度
a.PEP(1M) 1mM
b.NADH(100mM) 300μM
c.MgCl2(4M) 20mM
d.DTT(1M) 2mM
e.ATP(500mM) 300μM
f.HEPES 200mM(pH7.5) 100mM
g.ピルビン酸キナーゼ(PK) 15単位/mL
h.乳酸脱水素酵素(LDH) 15単位/mL
i.Met−2ペプチド(10mM) 0.500mM
j.HGFR 50nM
2.10mL反応緩衝液については、100mM HEPES緩衝液pH7.5に、1M PEP10μL、100mM NADH33μL、4M MgCl250μL、1M DTT20μL、500mM ATP6μL、および10mM Met−2ペプチド500μLを加え、ボルテックス/混合する。
3.反応ミックスにカップリング酵素、LDHおよびPKを加える。緩やかな反転により混合する。
実行サンプル
1.分光光度計設定:
i.吸収波長(λ): 340nm
ii.インキュベーション時間:10分
iii.実行時間: 10分
iv.温度: 37℃
2.アッセイプレートの各ウェルに、CE反応ミックス85μLを加える。
3.アッセイプレートのウェルに、希釈した化合物5μLを加える。
4.アッセイプレートの最後の縦列に、陰性対照として50%DMSO5μLを加える。
5.マルチチャンネルピペッターまたはオービタルシェーカーで混合する。
6.37℃にて10分にわたってインキュベートする。
7.アッセイプレートの各ウェルに、500nM HGFR10μLを加える;最終HGFR濃度は、合計最終容積100μLにおいて50nMである。
8.λ=340nmおよび37℃にて10分にわたって活性を測定する。