JP4372515B2 - 回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置 - Google Patents

回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置 Download PDF

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Description

本発明は、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の耐久性を評価する技術に関し、さらに詳しくは、このような回転体の耐久性の評価精度を向上させることのできる回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置に関する。
近年におけるコンピュータ技術の発達により、実際にタイヤを試作せずに、コンピュータ上の数値シミュレーションでタイヤの性能や耐久性を予測する技術が用いられるようになってきている。このような数値シミュレーションを用いたタイヤの耐久性予測では、これまで静的応力解析によって得られる最大主ひずみや最大主応力等の大小でタイヤの耐久性を評価していた。
しかし、このような手法では、タイヤの最大主ひずみ等が大きな値を示していても、当該部分の破断伸びや破断強度といった材料物性が前記最大主ひずみ等に対して十分に余裕があれば、前記部分が故障のイニシャルとはなりにくい。逆に、最大主ひずみ等の絶対値が他の部分と比較して小さい部分であっても、当該部分における材料物性の値が小さい場合には、前記部分が故障のイニシャルになるおそれが高い。かかる問題を解決するため、特許文献1には、材料物性のポテンシャルを考慮したタイヤ設計システムが開示されている。
特開2002−192924号公報
しかしながら、タイヤを構成する材料、特にゴム材料が粘弾性材料であるために変形によって発熱し、それによって材料物性が変化することまでは考慮されていない。このため、特許文献1に開示された技術では、タイヤ耐久性の評価精度が不十分であった。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、粘弾性材料の変形による発熱を考慮して実際の使用条件に近い状況で回転体の耐久性を評価することにより、耐久性予測精度を向上させることのできる回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る回転体の耐久性予測方法は、回転体を複数の微小要素に分割することにより回転体モデルを作成するモデル作成手順と、前記回転体モデルの応力解析を実行することにより、前記回転体モデルの応力及びひずみを求める応力解析手順と、前記応力解析によって求めた前記回転体モデルの応力及びひずみから、前記回転体モデル全体の発熱エネルギを求める発熱エネルギ演算手順と、前記発熱エネルギを、前記回転体モデルが所定時間回転した場合の温度上昇に換算する温度換算手順と、昇温した前記回転体モデルを、前記温度換算手順において前記回転体モデルを回転させた時間と同じ時間放熱させ、放熱後における前記回転体モデルの温度分布に基づいて求めた、前記回転体を構成する材料の破断強度又は破断ひずみのうち少なくとも一方により、前記回転体モデルの安全率分布を求める安全率演算手順と、を含むことを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、粘弾性材料を含む回転体の耐久性を評価するにあたり、粘弾性材料の変形に起因する前記回転体の発熱と、当該発熱により昇温した前記回転体の放熱による温度変化とを別個に予測する。その際、回転体の昇温の解析と、回転体の放熱による温度変化の解析とで、解析時間を揃えることにより、前記回転体の発熱と放熱とを擬似的に連成させる。そして、放熱後における前記回転体モデルの温度分布に基づいて求めた破断強度から回転体の安全率を求める。このように、回転体の安全率に影響を与えるパラメータとして粘弾性材料の変形に起因する発熱を採用することにより、粘弾性材料の変形による発熱を考慮して実際の使用条件に近い状況で回転体の耐久性を評価できる。その結果、粘弾性材料を含む回転体の耐久性予測精度を向上させることができる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の本発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記温度換算手順においては前記回転体モデルからの放熱はないものとして取り扱い、前記温度分布演算手順においては前記回転体モデルの発熱はないものとして取り扱うことを特徴とする。
このように、粘弾性材料の発熱に起因する回転体の昇温を予測する際には回転体からの放熱を考慮せず、また、回転体からの放熱による回転体の温度変化を予測する際には回転体の発熱を考慮しないことにより、それぞれの予測における計算を簡略化できる。これにより、計算の収束性を向上させることができ、計算時間を短縮できる。また、実用上十分な計算精度も確保できる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の本発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記応力解析手順においては、静的応力解析を用いることを特徴とする。
このように、静的応力解析によれば、計算の収束性が向上するので計算に要する時間を短縮することができる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の本発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記発熱エネルギ演算手順においては、単位回転数あたりの前記回転体モデル全体の発熱エネルギを求めるとともに、前記温度換算手順においては、前記回転体モデルの単位回転数あたりの発熱エネルギと、前記所定時間における回転体モデルの回転数との積に基づいて、発熱エネルギを回転体モデルの上昇温度に変換することを特徴とする。
本発明では、単位回転数あたりにおける回転体モデルの発熱エネルギを求めるので、これと回転体モデルの回転数との積によれば、回転体モデルの総発熱量を簡易に求めることができる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の本発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記温度分布演算手順においては、前記回転体モデルの放熱面毎に熱伝導率、輻射率その他の伝熱に関する係数を設定することを特徴とする。
このように、温度分布演算手順において、設定した前記各伝熱面に対してそれぞれ任意の熱伝達係数や輻射率等を設定すると、温度分布演算におけるタイヤモデルの温度の予測精度が向上する。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の本発明に係る回転体の耐久性予測装置は、複数の微小要素に分割した回転体モデルの応力解析を実行する応力解析部と、前記応力解析部から取得した前記回転体モデルの応力及びひずみに基づいて、前記回転体モデル全体の発熱エネルギを求める発熱エネルギ演算部と、前記発熱エネルギ演算部から取得した前記回転体モデルの発熱エネルギを、前記回転体モデルが所定時間回転した場合の温度上昇に換算する温度換算部と、昇温した前記回転体モデルを前記所定時間放熱させ、放熱後における前記回転体モデルの温度分布を求める温度分布演算部と、放熱後における前記回転体モデルの温度分布に基づいて求めた、前記回転体を構成する材料の破断強度又は破断伸びの少なくとも一方により、前記回転体モデルの安全率分布を求める安全率演算部と、を備えることを特徴とする。
この回転体の耐久性予測装置は、粘弾性材料を含む回転体の耐久性を評価するにあたり、粘弾性材料の変形に起因する前記回転体の発熱と、当該発熱により昇温した前記回転体の放熱による温度変化とを別個に予測する。その際、回転体の昇温の解析と、回転体の放熱による温度変化の解析とで、解析時間を揃えることで、前記回転体の発熱と放熱とを擬似的に連成させる。そして、放熱後における前記回転体モデルの温度分布に基づいて求めた破断強度から回転体の安全率を求める。このような構成により、粘弾性材料の変形による発熱を考慮して実際の使用条件に近い状況で回転体の耐久性を評価できるので、粘弾性材料を含む回転体の耐久性予測精度を向上させることができる。
以上説明したように、本発明に係る回転体の耐久性予測方法では、粘弾性材料の変形による発熱を考慮して実際の使用条件に近い状況で回転体の耐久性を評価できるので、粘弾性材料を含む回転体の耐久性予測精度を向上させることができる。
また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、本発明に係る回転体の耐久性予測装置では、粘弾性材料の変形による発熱を考慮して実際の使用条件に近い状況で回転体の耐久性を評価できるので、粘弾性材料を含む回転体の耐久性予測精度を向上させることができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記発明を実施するための最良の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下の説明では、粘弾性材料を含む回転体としてタイヤを例とするが、本発明の適用対象はタイヤに限られるものではない。また、タイヤの種類も空気入りタイヤに限定されるものではなく、本発明の適用できるタイヤの種類は問わない。
本発明に係る回転体の耐久性予測方法及び評価装置は、粘弾性材料を含む回転体の耐久性を評価するにあたって、前記回転体の内部発熱と放熱とを別個に解析するとともに、発熱の解析と放熱の解析との間で、発熱時間と放熱時間とを揃えることで、前記回転体の発熱と放熱とを擬似的に連成させるとともに、放熱後における前記回転体の温度分布に基づいて求めた破断強度から回転体の安全率を求め、この安全率により前記回転体の耐久性を評価する点に特徴がある。
本発明は、粘弾性材料を含む回転体に内部発熱が発生しても前記回転体の変形は大きく変化しないこと、及び粘弾性材料を含む回転体の内部発熱による材料物性等の変化は、タイヤの安全率に影響を与えることに着目したものである。これにより、粘弾性材料を含む回転体の安全率に影響を与えるパラメータとして、原則として粘弾性材料の変形に起因する発熱のみを採用し、例えば路面との摩擦による発熱等は考慮しない。その結果、解析のアルゴリズムを簡略化できるので、計算時間の増加を抑制しつつ粘弾性材料を含む回転体の耐久性予測精度を向上させることができる。なお、路面との摩擦を考慮する場合、本発明においては、タイヤと路面との摩擦係数を固定することにより、解析のアルゴリズムを簡略化する。
また、実際のタイヤにおいては、内部発熱と同時に大気や路面あるいはホイールに対する熱の逃げ、すなわち放熱が存在する。このため、内部発熱と放熱とを同時に解析する、いわゆる完全連成で解析することが好ましい。しかし、完全連成とすると、解析のアルゴリズムが複雑になるため計算の収束性が悪く、場合によっては1ヶ月以上の計算時間を要しても収束しない場合があり、計算コストの高騰を招く。このため、本発明では、タイヤの内部発熱と放熱とを別個に解析するとともに、発熱の解析と放熱の解析との間で、発熱時間と放熱時間とを一致させることにより、解析のアルゴリズムを簡略化する。これにより、計算の収束性を向上させるとともに、実用上十分な解析精度を確保することができる。次に、本発明に係る回転体の耐久性予測方法及び耐久性予測装置の具体的な構成について説明する。
図1は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法の処理手順を示すフローチャートである。まず、本発明に係る回転体の耐久性予測装置の構成について説明する。図2は、本発明に係る回転体の耐久性予測装置を示す説明図である。回転体の耐久性予測装置(以下耐久性予測装置という)50は、処理部50pと記憶部50mとで構成される。処理部50pは、さらに応力解析部51と、発熱エネルギ演算部52と、温度換算部53と、温度分布演算部54と、安全率演算部55とを含んで構成される。また、この耐久性予測装置50には入出力ポート56が備えられており、この入出力ポート56を介して入出力装置60が接続されている。そして、入出力装置60に備えられた入力手段61で耐久性予測対象の回転体であるタイヤのゴムや補強コードの物性値、あるいは境界条件等を処理部50pや記憶部50mへ入力する。ここで、入力手段61には、キーボード、マウス等の入力デバイスを使用することができる。
処理部50pを構成する応力解析部51と、発熱エネルギ演算部52と、温度換算部53と、温度分布演算部54と、安全率演算部55とは、入出力ポート56によって相互に接続されており、相互に評価条件や演算結果その他の情報をやり取りできるように構成される。また、記憶部50mも入出力ポート56に接続されており、処理部50pの演算結果を一時的に格納したり、本発明の回転体の耐久性予測方法で使用する材料物性データテーブルを格納したりする。記憶部50mに対しては、処理部50pを構成する前記応力解析部51等が入出力ポート56を介してアクセスできるようになっている。
記憶部50mには、本発明に係る回転体の耐久性予測方法を実現するコンピュータプログラムが格納されている。ここで、記憶部50mは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
また、上記コンピュータプログラムは、コンピュータシステムにすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法を実現できるものであってもよい。また、図2における処理部50pの機能を実現するための上記コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明に係る予測方法を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
処理部50pは、メモリ及びCPUにより構成されている。回転体の耐久性を評価する際には、設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、処理部50pが前記コンピュータプログラムを当該処理部50pに組み込まれたメモリに読み込んで演算する。その際に処理部50pは、適宜記憶部50mへ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、この処理部50pは、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
耐久性の評価結果は、入出力装置60の表示手段63に表示される。ここで、表示手段63には、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等を使用することができる。また、記憶部50mは、処理部50pに内蔵されるものであっても、他の装置(例えばデータベースサーバ)内にあってもよい。さらに、上記耐久性予測装置50は、入出力装置60を備えた端末装置から、通信により処理部50pや記憶部50mにアクセスするものであってもよい。次に、この耐久性予測装置50を用いて本発明に係る回転体の耐久性予測方法を実現する場合の処理手順について説明する。
本発明に係る回転体の耐久性予測方法を実現するにあたって、まず、本発明に係る耐久性予測装置50が備える応力解析部51は、耐久性予測対象の回転体であるタイヤの応力解析を実行する(ステップS101、図1)。ここで、本発明では、前記応力解析を実行する際に、FEM(Finite Element Method:有限要素法)を使用する。なお、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法に適用できる解析手法はFEMに限られず、BEM(Boundary Element Method:境界要素法)、FDM(Finite Differences Method:有限差分法)等も使用できる。タイヤの種類や境界条件等によって最も適当な解析手法を選択し、又は複数の解析手法を組み合わせて使用することが好ましい。
図3−1は、耐久性予測対象の回転体であるタイヤを示す側面図である。図3−2は、耐久性予測対象の回転体であるタイヤを微小要素に分割した例を示す一部斜視図である。図3−1、2に示すように、耐久性予測対象の回転体であるタイヤ1は、有限要素法に基づき、有限個の微小要素101、102・・・10n等に分割されて、3次元有限要素モデル(3次元の回転体モデル、すなわち3次元のタイヤモデル10)が作成される。有限要素法に基づく微小要素とは、例えば2次元平面においては三角形要素、四角形要素、3次元体としては四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や、三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素等、コンピュータで用いうる要素とすることが望ましい。このようにして分割された微小要素は、解析の過程において3次元座標を用いて逐一特定される。
なお、本発明で回転体モデルあるいはタイヤモデルというときには、本発明に適用できる有限要素法、境界要素法その他の解析手法に基づき作成された解析用のモデルをいう。この実施例においては、有限要素法に基づいて微小要素に分割された有限要素モデルが、回転体モデルあるいはタイヤモデルとなる。
前記応力解析では、静的応力解析によって各微小要素の応力σi、ひずみεi、最大主応力σimax、最大主ひずみεimax等を求める。ここで、3次元のタイヤモデルの場合には、応力σiは、垂直応力σix、σiy、σiz、及びせん断応力τix、τiy、τizの計6成分である。各成分のx、y、zは、それぞれx軸、y軸、z軸を表す。このように、静的応力解析によれば、計算の収束性が向上するので計算に要する時間を短縮することができる。また、静的応力解析の他、準動的解析やタイヤの転動を考慮した動的解析によって、各微小要素の応力σiやひずみεi等を求めてもよい。これらの手法によれば、静的応力解析よりも計算時間は要するが、より実際の現象に近い状態で応力σiやひずみεi等を求めることができる。
次に、得られた各微小要素の応力σiと、ひずみεiとを用いて、発熱エネルギ演算部52がタイヤ全体の発熱エネルギを求める(ステップS102、図1)。この発熱エネルギを求める発熱エネルギ密度演算手順について説明する。なお、ここでいう発熱は、タイヤを構成する粘弾性材料(例えばゴム)の変形に起因するタイヤの内部発熱である。図4は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法における発熱エネルギ演算手順を示すフローチャートである。図5−1は、タイヤモデルを構成する微小要素の回転を示す概念図である。図5−2は、タイヤモデルの微小要素が1回転した場合における微小要素の応力変化を示す説明図である。図5−1に示すタイヤモデル10の微小要素10nが1回転(2π)すると、微小要素10nの応力σiは、回転角ωtに対して、図5−2に示すように変化する。
タイヤの発熱エネルギ密度を求めるにあたっては、発熱エネルギ演算部52は、タイヤモデル(3次元のタイヤモデル)10を1回転させた場合における各微小要素の応力σi及びひずみεiをフーリエ級数展開する(ステップS201)。例えば、図5−2に示した微小要素10nの応力σiでは、回転角ωtが0〜2πまで、すなわちタイヤモデル10が1回転した場合における応力σiの変化をフーリエ級数展開する。
このように、タイヤモデル10の1回転あたりにおける発熱エネルギを用いれば、当該発熱エネルギとタイヤモデル10の回転数との積を求めることにより、所定回転数回転後におけるタイヤモデル10の総発熱エネルギを簡易に求めることができる。本実施例ではタイヤモデル10の1回転あたりにおける発熱エネルギを求めるが、タイヤモデル10の単位回転数あたりにおける発熱エネルギを求めれば、同様の作用・効果を得ることができる。
次に、発熱エネルギ演算部52は、応力σiのフーリエ級数の各フーリエ次数について、材料の損失係数に応じた位相遅れδをひずみεiに与え、各フーリエ次数における応力σiとひずみεiとのヒステリシスループの面積を演算する(ステップS202)。この内容について次に説明する。
タイヤを構成するゴムは粘弾性材料である。タイヤの転動時において粘弾性材料であるゴムの繰り返し変形によって発生するエネルギの一部が熱エネルギ(ヒステリシスロス)となり、このエネルギロスが転がり抵抗となる。図6−1は、粘弾性体を変形させた場合における応力とひずみとの関係を示す説明図である。図6−2は、応力とひずみとのヒステリシスループを示す説明図である。図6−1に示すように、粘弾性材料では応力σiに対してひずみεiの位相がδだけ遅れる。
これにより、図6−2に示すように、1周期(図6−1においては、回転角ωt1)の変形に対して応力σiとひずみεiとのヒステリシスループ5を描くことができる。このヒステリシスループ5の面積が、粘弾性材料の1周期における変形で発生した発熱エネルギであり、粘弾性材料の1周期における変形で損失したエネルギ、すなわち転動抵抗に相当する。したがって、各微小要素のヒステリシスループ5の面積から、タイヤの転動時における発熱エネルギ(転動抵抗)を求めることができる。なお、前記位相遅れδは、粘弾性材料の種類によって異なる損失係数に応じて決定される。なお、粘弾性材料は周波数依存性があるため、得られたひずみの振幅に近い条件下で求められた損失係数を用いるとさらに発熱エネルギの予測精度が向上するため好ましい。
発熱エネルギ演算部52は、各フーリエ次数における応力σiとひずみεiとのヒステリシスループの面積を求めたら、フーリエ次数とヒステリシスループ面積との積の総和を演算する(ステップS203)。この一連の演算過程を応力、ひずみの全成分(3次元の場合は計6成分)について発熱エネルギ演算部52が反復実行することにより(ステップS204;No)、応力、ひずみの各成分毎に前記総和を演算する(ステップS204;Yes)。さらに、発熱エネルギ演算部52は、これらの過程を全微小要素について反復実行し(ステップS205;No、ステップS206)、タイヤモデル10の全微小要素の発熱エネルギを導出して(ステップS205;Yes、ステップS207)、モデル化したタイヤ全体の発熱エネルギ演算手順が終了する。なお、この発熱エネルギ演算手順で求められる発熱エネルギは発熱エネルギ密度Qdであり、これは、単位体積あたりの発熱量を意味する。
次に、本発明に係る耐久性予測装置50が備える温度換算部53が、モデル化したタイヤ全体の発熱エネルギを温度に換算する(ステップS103、図1)。この温度換算手順について説明する。図7は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法における温度換算手順を示すフローチャートである。求めた発熱エネルギは発熱エネルギ密度Qd、すなわち単位体積当たりの発熱量である。この発熱エネルギ密度Qdと各微小要素グループ毎の比熱(すなわち単位量当たりの物質の温度を1℃上昇させるために必要な熱量)との関係から、任意の走行速度、走行時間に応じたタイヤの温度上昇分を換算する。ここで、この温度換算手順においては、タイヤは発熱するのみで放熱はしないと仮定する。
まず、温度換算部53は、任意の走行時間(発熱の解析時間に相当)θにおけるタイヤモデル10の回転数Nを算出する(ステップS301)。ここで、任意の走行速度をv、タイヤモデル10の応力解析から得られる動荷重半径をrとすると、前記回転数Nは、θ×v/(2×r×π)で求めることができる。この回転数Nを用いると、任意の走行時間θにおける任意の微小要素の温度上昇ΔTiは、Qdi×N/(ρi×Ui)で求めることができる。なお、Qdiは、任意の微小要素の発熱エネルギ密度であり、ρiは任意の微小要素の比熱であり、Uiは任意の微小要素の密度である。任意の微小要素の比熱ρiに任意の微小要素の密度Uiを乗ずるのは、この温度換算手順においては、任意の微小要素の発熱量を発熱エネルギ密度で表現しているので、次元を一致させる必要があるからである。任意の微小要素の密度Uiは、本発明の回転体の耐久性予測方法で使用する材料物性データベースの中に入力しておいてもよいし、前記データベースとは別のファイルから読み出してもよい。
温度換算部53は、ΔTi=Qdi×N/(ρi×Ui)の関係から、微小要素の発熱エネルギ密度Qdiを、任意の走行時間θにおける当該微小要素の温度上昇ΔTiに換算する(ステップS302)。本実施例においては、上述したようにタイヤモデル10の1回転あたりにおける発熱エネルギを用いるので、当該発熱エネルギとタイヤモデル10の回転数との積を求めることにより、所定回転数回転後におけるタイヤモデル10の昇温を簡易に求めることができる。
微小要素が複合材料の場合においては、複合材料の比熱ρFRRは、補強コードの比熱とそれを被覆するコートゴムの比熱とを用いて、並列型の複合則によって次のように近似する。すなわち、複合材料の比熱ρFRR=ρf×Vf+ρm×Vmとなる。ここで、ρfは補強コードの比熱、Vfは補強コードの体積分率、ρmは母相(母相ゴム)の比熱、Vmは母相(母相ゴム)の体積分率である。
温度換算部53は、タイヤモデル10の全微小要素に対して前記温度換算の演算を反復実行することにより(ステップS303;No)、タイヤモデル10の全微小要素の発熱エネルギ密度Qdiを温度上昇ΔTiに換算する。温度上昇への換算が終了したら(ステップS303;Yes)、温度換算部53は、各微小要素を構成する節点に、得られた各微小要素の温度上昇ΔTiを割り振る(ステップS304)。次に、各節点に対する温度上昇の割り振りについて説明する。
図8は、複数の微小要素と、これらを構成する節点との関係を示す説明図である。発熱エネルギ密度から得られた温度上昇ΔTiのデータは微小要素に対する出力変数である。このデータは、後述する温度分布演算における伝熱解析において、初期温度データとして使用する。ここで、伝熱解析上、温度データは節点、又は節点集合に与えるという規約があるので、節点の温度は当該節点が含む微小要素の平均節点温度として、節点に割り振られる必要がある。
ここで、平均節点温度とは、ある微小要素の温度Tiを、当該要素を構成する節点の数で除した値をいう。例えば、図8に示す微小要素Aを構成する節点は、NP1、NP2、NP4及びNP5の計4節点なので、微小要素Aの温度をTAとすると、微小要素Aの平均節点温度TAAは、TA/4となる。同様に、微小要素B、C及びDの平均節点温度TBA、TCA及びTDAは、それぞれ、TB/4、TC/4及びTD/4となる。なお、TB、TC及びTDはそれぞれ、微小要素B、C及びDの温度である。
ここで、例えば、図8の節点NP5は、微小要素A、B、C及びDのすべてに対して共通するが、この場合には、節点NP5に共通するすべての微小要素A、B、C及びDの平均節点温度を、節点温度TNP5=TAA+TBA+TCA+TDAとして割り振る。また、図8の節点NP2は、微小要素A、Cに対して共通するので、節点NP2の節点温度TNP2は、TAA+TCAとなる。さらに、図8の節点NP1に共通する微小要素は、微小要素Aのみなので、節点NP1の節点温度TNP1はTAAとなる。
このように、微小要素が隣接する場合において、隣接する微小要素間で共通する節点に対しては、重複して温度が割り振られることを是認する。さらに、得られた各節点温度に任意の雰囲気温度Taを加えた温度を、最終的な節点温度とする。すなわち、節点NP5においては、(TAA+TBA+TCA+TDA+Ta)が、最終的な節点温度となる。温度換算部53は、すべての節点に対して微小要素の温度の割り振りを繰り替えし(ステップS305;No)、すべての節点に対して温度を割り振ったら(ステップS305;Yes)、温度換算手順が終了する。
温度換算手順が終了したら、本発明に係る耐久性予測装置50が備える温度分布演算部54が伝熱解析を実行して、モデル化したタイヤを上記任意の走行時間θだけ放熱させた場合におけるタイヤモデル10の温度分布を求める(ステップS104、図1)。次に、この温度分布演算手順について説明する。図9は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法における温度分布演算手順を示すフローチャートである。図10−1は、タイヤモデルの一部を示す斜視図である。図10−2は、図10−1に示したタイヤモデルの断面モデルを示す断面図である。図11−1〜図11−3は、微小要素の局所座標を示す説明図である。
温度分布の演算においては、温度分布演算部54が、温度換算手順で得られた各節点の換算後における温度を初期温度条件として、2次元有限要素モデル化した2次元のタイヤモデル10cの各節点に設定する(ステップS401)。ここで、図10−1、図10−2に示すように、2次元のタイヤモデル10cは、上記応力解析等で使用した3次元のタイヤモデル10の断面モデルに相当する。
温度の設定とともに、温度分布演算部54は、2次元のタイヤモデル10cの微小要素10n、10n+1等の熱伝導率、比熱を設定する(ステップS402)。このとき、複合材料の熱伝導率及び比熱は、上記温度換算手順の項目で説明したように、並列型の複合則を用いて近似する。なお、計算精度の向上という観点から、温度分布の演算においては、図11−1〜3に示すように、各微小要素に対して局所座標系を設定することが好ましい。
ここで、図11−1は、タイヤのトレッド部11における微小要素の局所座標を、図11−2は、タイヤのクラウン部12における微小要素の局所座標を、図11−3は、タイヤのサイド部13における微小要素の局所座標を表す。局所座標系を設定する場合には、図11−1〜3に示すように、xx軸を回転体の周方向、yy軸を幅方向、zz軸を厚さ方向とする。局所座標系を設定する場合、さらに好ましくは、複合材料に関しては、図11−2に示すように、コードの配向方向をxx軸に設定する。
次に、温度分布演算部54は、タイヤモデルの表面に伝熱面を定義するとともに、それぞれの前記伝熱面に対して任意の熱伝達係数や熱伝導率、あるいは輻射率等を設定する(ステップS403)。図12−1〜図12−3は、伝熱面の設定箇所を示す説明図である。設定する前記伝熱面について、図12−1〜図12−3を用いて説明する。
図12−1は、路面3とトレッド部との接触面31、トレッド部が外気Toaにさらされている面32、サイド部が外気Toaにさらされている面33を伝熱面として設定し、路面3とタイヤモデル10との熱伝導、及び外気Toaとタイヤモデル10との熱伝達を考慮する例を示す。図12−2は、タイヤモデル10とリムモデル20rとの嵌合面34を伝熱面として設定し、タイヤモデル10とホイールモデル20との熱伝導を考慮する例を示す。また、図12−3は、タイヤモデル10の内表面10iwを伝熱面として設定し、内表面10iw(温度Tiw)と、タイヤモデル10の内部空気ai(温度Tai)との空洞輻射伝熱を考慮する例を示す。このように、温度分布演算手順において、設定した前記各伝熱面に対してそれぞれ任意の熱伝導率や熱伝達率、あるいは輻射率等を設定すると、伝熱解析におけるタイヤモデル10の温度の予測精度が向上する。
初期温度条件や各微小要素の熱伝導率等を設定したら、タイヤモデル10から放熱させることにより、温度分布演算部54がタイヤモデル10の伝熱解析を実行する(ステップS404)。放熱における解析時間θは、上記温度換算部において設定した任意の走行時間θとする。このように、粘弾性材料の発熱によるタイヤの発熱解析と、タイヤの放熱解析とを別個にした場合でも、両者の解析時間を等しくすることで両解析を擬似的に連成させることができる。その結果、タイヤの発熱と放熱とを完全に連成させて解析する場合と比較して、解析精度を維持しつつ、解析の収束性を向上させることができるとともに、計算時間を短くすることができる。
熱伝導解析は非定常伝熱解析とする。解析にあたって、計算精度(タイヤの温度分布の予測精度)を高めるために、微小要素の分割をより細かくすることが有効である。しかし、微小要素の分割数を細かくすると、応力解析や発熱エネルギ密度を解析する際に使用する3次元有限要素モデルであるタイヤモデル10の微小要素数も大幅に増加する。このため、微小要素の分割の分割数を無闇に増加させると計算コストが増加するため現実的ではないが、簡易に温度分布の予測精度を向上させる方法を次に説明する。
図13は、2次元タイヤモデルの微小要素の再分割を示す説明図である。温度分布演算手順の前記熱伝導解析においては、3次元のタイヤモデルの昇温解析結果を2次元のタイヤモデルの各節点に初期温度を割り振る。このため、3次元有限要素の断面における微小要素数と2次元有限要素モデルの微小要素数とを等しくする必要がある。これに対し、本発明においては、図13に示すように、例えば、2次元のタイヤモデル10cを構成する任意の微小要素A〜Dを2分割する。そして、2分割した微小要素a〜hの温度を、分割前における微小要素A〜Dの温度の1/2であるとそれぞれ仮定する。例えば、微小要素Aの温度を50℃とすると、微小要素Aを分割した微小要素a及びbの温度はそれぞれ25℃となる。
次に、前記2分割した微小要素a〜hそれぞれを構成する節点NP1、NP2、NP11、NP12等へ、上記温度換算手順で説明したように節点温度を割り振る。このような方法により、簡易に2次元伝熱解析におけるタイヤ温度分布の予測精度を向上できる。ただし、分割前における微小要素の温度分布は均一であると仮定しているため、微小要素の再分割を細かくし過ぎると、逆に温度分布の予測精度が悪化するおそれがある。かかる点を考慮して、微小要素を再分割することが好ましい。なお、再分割は3分割以上としてもよい。
温度分布演算部54は、計算が収束するまで上記熱伝導解析を繰り返し(ステップS405;No)、計算が収束したら(ステップS406;Yes)熱伝導解析を終了させて2次元のタイヤモデル10cの温度分布を得て、温度分布演算手順が終了する。なお、温度分布演算手順においては、上記ステップS401〜S403の順序は問わない。ここで、温度分布演算手順によって得られるのは、3次元のタイヤモデル10の各断面における温度分布、すなわち、2次元のタイヤモデル10cそれぞれの温度分布である。
温度分布演算手順が終了したら、本発明に係る耐久性予測装置50が備える安全率演算部55が、耐久性予測対象の回転体であるタイヤの安全率を演算する(ステップS105、図1)。次に、この安全率演算手順について説明する。図14は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法における安全率演算手順を示すフローチャートである。
安全率演算部55は、上記温度分布演算手順で得られた温度分布に準じた条件下において、前記任意の各微小要素を構成する材料の破断強度、及び破断伸びを取得する(ステップS501)。この破断強度、破断伸びは、タイヤを構成材料するそれぞれの材料に対し、温度を何段階かに変化させて予め測定しておくことで求めることができ、この破断強度、破断伸びを安全率演算部55が取得する。なお、予め求めたタイヤを構成する材料それぞれの破断強度、破断伸びその他の材料物性をデータベース化して、本発明に係る耐久性予測装置50が備える記憶部50mへ記憶させておくことができる。前記破断強度、破断伸びは、実験によって予め求めてもよいし、数値シミュレーションによって予め求めておいてもよい。ここで、熱可塑性の材料を含む材料に関しては、材料の熱可塑性を考慮して破断強度、破断伸びを求める必要がある。
次に、安全率演算部55は、上記応力解析手順によって求めた任意の要素の応力σi、ひずみεiから最大主応力σmaxと最大主ひずみεmaxとを求める。そして、取得した破断強度σiB及び破断伸びεiBと、算出した最大主応力σmax及び最大主ひずみεmaxから、最大主応力及び最大主ひずみについての安全率Sσ=σiB/σimax、及びSε=εiB/εimaxを算出する(ステップS502)。タイヤモデル10を構成するすべての微小要素について前記安全率Sσ及びSεを求めたら(ステップS503;Yes)、安全率演算手順が終了する。なお、安全率演算手順によって得られるのは、3次元のタイヤモデル10の各断面における安全率の分布、すなわち、2次元のタイヤモデル10cそれぞれにおける安全率の分布である。
次に、得られた安全率Sσ及びSεをもって粘弾性材料を含む回転体であるタイヤの耐久性を評価、予測して(ステップS106、図1)、本発明に係る回転体の耐久性予測方法の全処理手順が終了する。ここで、タイヤの耐久性を評価するにあたっては、前記安全率Sσ又は前記安全率σεのうち、少なくとも一方を用いればよい。すなわち、安全率演算手順においては、前記破断強度σiB又は前記破断伸びεiBのうち少なくとも一方を取得して安全率を求めればよい。
以上、本発明によれば、粘弾性材料を含む回転体の安全率に影響を与えるパラメータとして、原則として粘弾性材料の変形に起因する発熱のみを採用する。その結果、解析のアルゴリズムを簡略化できるので、計算時間の増加を抑制しつつ粘弾性材料を含む回転体の耐久性予測精度を向上させることができる。また、タイヤの内部発熱と放熱とを別個に解析するとともに、内部発熱の解析と放熱の解析との間で、発熱及び放熱時間を等しくすることにより、解析のアルゴリズムを簡略化する。これにより、計算の収束性を向上させるとともに、実用上十分な解析精度を確保することができる。さらに、内部発熱に起因して昇温した回転体の温度分布に準じた条件下において、回転体モデルを構成する各微小要素の材料の破断強度等を求め、これに基づき回転体の安全率を算出して回転体の耐久性を予測する。これにより、粘弾性材料の変形による発熱が、回転体を構成する材料に与える影響を実用上十分な精度で見積もることができるので、回転体の耐久性予測精度が向上する。
(評価例)
本発明に係る回転体の耐久性予測方法及び評価装置によって、タイヤの耐久性を評価した。耐久性予測対象であるタイヤは、タイヤサイズ245/40ZR18のランフラットタイヤとし、ランフラット走行を想定して内圧は0kPaとし、車重約1700kgの車両に装着した場合に相当する荷重を負荷した。図15−1は、この評価例で用いたタイヤモデルの一部断面を示す説明図である。また、図15−2は、図15−1に示すタイヤモデルに対して静的応力解析を実行した際の一部断面を示す説明図である。なお、便宜上図15−1、図15−2には、タイヤモデルの一部断面図を示すが、実際にはタイヤの全周(中心角0度〜360度まで)にわたり微小要素でタイヤモデル化することにより耐久性を評価している。耐久性予測対象であるランフラットタイヤは、図15−1に示すような、3次元有限要素モデルのタイヤモデル10'として、本発明に係る回転体の耐久性予測方法に供される。このタイヤモデル10'に対して、上記条件の下で静的応力解析を実行した例を図15−2に示す。
図16−1は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法によって解析したタイヤモデルの断面内における内部温度分布を示す一部断面図である。図16−2は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法によって解析したタイヤモデルの安全率を示す一部断面図である。図16−2に示す安全率の解析結果から、補強ライナーの中心部(タイヤの曲げ中心部)から外径方向に向かう部位(図16−2中Bで示す部分)の安全率が低く、この部位が故障のイニシャルとなると推定される。
図16−3は、実際の走行試験による評価結果を示す説明図である。本発明に係る回転体の耐久性予測方法に供したランフラットタイヤと同一サイズのランフラットタイヤを試作し、ランフラット走行の実走行テストを実行した。実走行テストでは、試作したランフラットタイヤをリムサイズが18×8JJのリムに組み付け、排気量が4.3リットルである後輪駆動の試験車の前輪右側に装着した。そして、空気圧230kPaで楕円形の周回コースを反時計回りに90km/hの速度で2周予備走行し、その後バルブのコアを抜き空気圧0kPaとした。実走行テストはかかる状態で開始し、テストコースを反時計回りに90km/hの速度で走行して、テストドライバーがタイヤ故障による異常振動を感じて走行を中止するまで継続した。
その結果、図16−3に示すように、本発明に係る回転体の耐久性予測方法で得られた耐久性予測結果と非常によく似た故障が発生した(図16−3中Cで示す部分)。この実走行による評価結果から、本発明に係る回転体の耐久性予測方法は、実際の回転体の挙動を十分に再現して、回転体の耐久性を高い精度で評価できるといえる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測方法では、安全率の演算が終了するまでに要した計算時間が約1.5日であり、計算コストの面でも実用性が極めて高いことがわかる。
以上のように、本発明に係る回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置は、回転体の耐久性予測に有用であり、特に、タイヤのように、粘弾性材料を構成材料に含む回転体の耐久性を予測する場合に適している。
本発明に係る回転体の耐久性予測方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る回転体の耐久性予測装置を示す説明図である。 耐久性予測対象の回転体であるタイヤを示す側面図である。 耐久性予測対象の回転体であるタイヤを微小要素に分割した例を示す一部斜視図である。 本発明に係る回転体の耐久性予測方法における発熱エネルギ演算手順を示すフローチャートである。 タイヤモデルを構成する微小要素の回転を示す概念図である。 タイヤモデルの微小要素が1回転した場合における微小要素の応力変化を示す説明図である。 粘弾性体を変形させた場合における応力とひずみとの関係を示す説明図である。 応力とひずみとのヒステリシスループを示す説明図である。 本発明に係る回転体の耐久性予測方法における温度換算手順を示すフローチャートである。 複数の微小要素と、これらを構成する節点との関係を示す説明図である。 本発明に係る回転体の耐久性予測方法における温度分布演算手順を示すフローチャートである。 タイヤモデルの一部を示す斜視図である。 図10−1に示したタイヤモデルの断面モデルを示す断面図である。 微小要素の局所座標を示す説明図である。 微小要素の局所座標を示す説明図である。 微小要素の局所座標を示す説明図である。 伝熱面の設定箇所を示す説明図である。 伝熱面の設定箇所を示す説明図である。 伝熱面の設定箇所を示す説明図である。 2次元タイヤモデルの微小要素の再分割を示す説明図である。 本発明に係る回転体の耐久性予測方法における安全率演算手順を示すフローチャートである。 この評価例で用いたタイヤモデルの一部断面を示す説明図である。 図15−1に示すタイヤモデルに対して静的応力解析を実行した際の一部断面を示す説明図である。 本発明に係る回転体の耐久性予測方法によって解析したタイヤモデルの断面内における内部温度分布を示す一部断面図である。 本発明に係る回転体の耐久性予測方法によって解析したタイヤモデルの安全率を示す一部断面図である。 実際の走行試験による評価結果を示す説明図である。
符号の説明
1 タイヤ
3 路面
5 ヒステリシスループ
10 タイヤモデル
101、10n 微小要素
20 ホイールモデル
50 耐久性予測装置
50p 処理部
50m 記憶部
51 応力解析部
52 発熱エネルギ演算部
53 温度換算部
54 温度分布演算部
55 安全率演算部
60 入出力装置

Claims (7)

  1. 粘弾性材料を含む回転体を複数の微小要素に分割することにより回転体モデルを作成するモデル作成手順と、
    前記回転体モデルの応力解析を実行することにより、前記回転体モデルの応力及びひずみを求める応力解析手順と、
    前記応力解析によって求めた前記回転体モデルの応力及びひずみから、前記回転体モデル全体の発熱エネルギを求める発熱エネルギ演算手順と、
    前記発熱エネルギを、前記回転体モデルが所定時間回転した場合の温度上昇に換算する温度換算手順と、
    昇温した前記回転体モデルを、前記温度換算手順において前記回転体モデルを回転させた時間と同等の時間放熱させ、放熱後における前記回転体モデルの温度分布を求める温度分布演算手順と、
    放熱後における前記回転体モデルの温度分布に基づいて求めた、前記回転体を構成する材料の破断強度又は破断ひずみのうち少なくとも一方により、前記回転体モデルの安全率分布を求める安全率演算手順と、
    を含むことを特徴とする回転体の耐久性予測方法。
  2. 前記温度換算手順においては前記回転体モデルからの放熱はないものとして取り扱い、前記温度分布演算手順においては前記回転体モデルの発熱はないものとして取り扱うことを特徴とする請求項1に記載の回転体の耐久性予測方法。
  3. 前記応力解析手順においては、静的応力解析を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転体の耐久性予測方法。
  4. 前記発熱エネルギ演算手順においては、単位回転数あたりの前記回転体モデル全体の発熱エネルギを求めるとともに、
    前記温度換算手順においては、前記回転体モデルの単位回転数あたりの発熱エネルギと、前記所定時間における回転体モデルの回転数との積に基づいて、発熱エネルギを回転体モデルの上昇温度に変換することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  5. 前記温度分布演算手順においては、前記回転体モデルの放熱面毎に熱伝導率、輻射率その他の伝熱に関する係数を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法をコンピュータに実行させることを特徴とする回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム。
  7. 複数の微小要素に分割した、粘弾性材料を含む回転体モデルの応力解析を実行する応力解析部と、
    前記応力解析部から取得した前記回転体モデルの応力及びひずみに基づいて、前記回転体モデル全体の発熱エネルギを求める発熱エネルギ演算部と、
    前記発熱エネルギ演算部から取得した前記回転体モデルの発熱エネルギを、前記回転体モデルが所定時間回転した場合の温度上昇に換算する温度換算部と、
    昇温した前記回転体モデルを前記所定時間放熱させ、放熱後における前記回転体モデルの温度分布を求める温度分布演算部と、
    放熱後における前記回転体モデルの温度分布に基づいて求めた、前記回転体を構成する材料の破断強度又は破断伸びの少なくとも一方により、前記回転体モデルの安全率分布を求める安全率演算部と、
    を備えることを特徴とする回転体の耐久性予測装置。
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