JP6376187B2 - タイヤ用ゴム組成物の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに使用されるゴム組成物の評価方法に関し、更に詳しくは、転がり抵抗の指標として好適なタイヤ用ゴム組成物の評価方法に関する。
空気入りタイヤが転動すると接地状態の生成と消滅とが反復的に繰り返されるが、その際、(1)路面からタイヤに注入される仕事エネルギーが熱に変換され、(2)変換された熱がタイヤのゴムを温め、(3)温まったタイヤの熱が周囲に奪われるというプロセスで熱の出入りが行われている。つまり、空気入りタイヤは走行時に熱機関として機能する。
従来、タイヤ用ゴム組成物を開発するにあたって、主として上記(1)のプロセスに注目し、ゴム組成物の発熱特性を指標とすることにより、転がり抵抗が低いゴム組成物が選抜されている。例えば、60℃における損失正接tanδが低いゴム組成物を空気入りタイヤのキャップトレッドゴム層に適用した場合、転がり抵抗が低くなるというのが一般的な理解である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、空気入りタイヤは走行時に上記(1)〜(3)のプロセスを含む熱機関として機能するため、60℃における損失正接tanδだけを指標としたのでは転がり抵抗を必ずしも正確に評価することができないのが現状である。
特開2010−196004号公報
本発明の目的は、転がり抵抗の指標として好適なタイヤ用ゴム組成物の評価方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ用ゴム組成物の評価方法は、タイヤ用ゴム組成物からなる加硫済みの試験片を作製し、該試験片の温度を測定しながら該試験片に対してパルス波形の圧縮荷重を負荷し、該試験片に注入されたエネルギーと該試験片から返却されたエネルギーとの収支に基づいて前記パルス波形の1サイクル当たりの断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)を算出する一方で、前記タイヤ用ゴム組成物の熱拡散率α(mm2/秒)を測定し、任意の温度における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αとの演算値に基づいて前記タイヤ用ゴム組成物を評価することを特徴とするものである。
また、上記評価方法において転がり抵抗が低いと判定される本発明の乗用車用空気入りタイヤは、ジエン系エラストマー中に補強材としてカーボンブラック及び/又はシリカを含むゴム組成物からなるタイヤ構成部材を備えた乗用車用空気入りタイヤにおいて、前記タイヤ用ゴム組成物からなるタイヤ構成部材の60℃における断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)と熱拡散率α(mm2/秒)の平方根との積が0.0007以下であることを特徴とするものである。
本発明者は、タイヤ用ゴム組成物の評価方法について鋭意研究した結果、断熱温度上昇量ΔTadはタイヤ温度の上がり易さを示す指標となり、熱拡散率αはタイヤの冷え易さの指標となり、これら断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αとの演算値は転がり抵抗を評価する上で有用であることを知見し、その知見に基づいて本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、タイヤ用ゴム組成物からなる加硫済みの試験片を作製し、該試験片の温度を測定しながら該試験片に対してパルス波形の圧縮荷重を負荷し、該試験片に注入されたエネルギーと該試験片から返却されたエネルギーとの収支に基づいてパルス波形の1サイクル当たりの断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)を算出する一方で、タイヤ用ゴム組成物の熱拡散率α(mm2/秒)を測定し、任意の温度における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αとの演算値に基づいてタイヤ用ゴム組成物を評価することにより、そのタイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤの転がり抵抗を精度良く評価することができる。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物の評価方法において、任意の温度における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根との積に基づいてタイヤ用ゴム組成物を評価することが好ましい。特に、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根との積が0.0007以下である場合に、転がり抵抗が低いと判定することが適切である。
また、本発明に係る乗用車用空気入りタイヤは、タイヤ用ゴム組成物からなるタイヤ構成部材の60℃における断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)と熱拡散率α(mm2/秒)の平方根との積が0.0007以下であるので、転がり抵抗が低いという特性を有している。
タイヤ構成部材がキャップトレッドゴム層である場合、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根との積が0.0007以下であることが好ましい。また、タイヤ構成部材がアンダートレッドゴム層である場合、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根との積が0.0005以下であることが好ましい。更に、タイヤ構成部材がサイドウォールゴム層である場合、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根との積が0.0006以下であることが好ましい。このようにタイヤ構成部材の種類に応じて適切な閾値が存在するのである。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物の評価方法で使用される試験片を示す斜視図である。 試験片に対して圧縮荷重を負荷する装置の要部を示す側面図である。 試験片に対して負荷される圧縮荷重のパルス波形(1サイクル)を経時的に示すグラフである。 試験片に負荷される圧縮荷重及び試験片の圧縮変位を経時的に示すグラフである。 試験片の内蔵仕事量を経時的に示すグラフである。 試験片の温度と断熱温度上昇量ΔTadとの関係を示すグラフである。 熱拡散率αの平方根と断熱温度上昇量ΔTadとの関係を示すグラフである。 本発明の実施形態からなる乗用車用空気入りタイヤを示す子午線断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係るタイヤ用ゴム組成物の評価方法で使用される試験片を示すものである。図1に示すように、試験片1は、試験すべきタイヤ用ゴム組成物からなる加硫済みの円柱体である。試験片1の形状及び寸法は直径dに対する高さhの比が0.5±0.05であると共に試験装置の試験能力の範囲内であれば任意に選択することが可能であり、例えば、高さhが5mm〜10mmであり、直径dが10mm〜20mmである円柱体を使用することができる。より具体的には、高さhが8.5mmであり、直径が17mmである円柱体が使用される。
図2は試験片に対して圧縮荷重を負荷する装置の要部を示すものである。図2に示すように、試験片1は下側の支持部材11と上側の押圧部材12との間に配置される。支持部材11はその位置が固定される一方で、押圧部材12は鉛直方向に沿って往復移動自在に構成されており、支持部材11と押圧部材12との間に挟まれた試験片1に対して圧縮荷重Fを負荷するようになっている。また、試験片1の温度は不図示の温度センサにより検出されるようになっている。温度センサとしては、接触式及び非接触式の温度センサを使用することができる。試験片の圧縮面への固定は重要であり、試験の最中に滑り等が発生しないよう、やすり目加工を施したものを使用したり、滑りを防止するために試験片と押圧部材とを接着剤で固定したりする。滑りが発生すると、試験ストロークが大きくなり測定された断熱温度上昇が大きく計算されるので、正しい値を得るために滑りが発生しない条件で測定し直す必要が生じる。
図3は試験片に対して負荷される圧縮荷重のパルス波形(1サイクル)を経時的に示すものである。図3に示すように、パルス波形としては、例えばハーバーサイン波を適用することができる。その他、サイン波を適用しても良い。このようなパルス波形に基づいて試験片1に対して圧縮荷重Fが負荷される。圧縮荷重Fの最大値Fmaxは試験片に加わる最大の圧縮応力として300kPa〜1000kPaの範囲に設定され、圧縮荷重Fの最小値Fminは同様に試験片に加わる最大の圧縮応力として最大値Fmaxの20%以下に設定され、パルス波形の1サイクルは0.2秒〜0.3秒の範囲に設定される。より具体的には、圧縮荷重Fの最大値Fmaxを試験片に加わる最大の圧縮応力として500kPaとし、圧縮荷重Fの最小値Fminを試験片に加わる最大の圧縮応力として50kPaとし、パルス波形の1サイクルを0.25秒(4Hz)とする。この場合、パルス波形の変動域は450kPaとなる。この条件は30km/hほどの低速走行に相当する条件である。荷重負荷試験時には、試験片1に対して図3のようなパルス波形の圧縮荷重Fを反復的に負荷する。このような圧縮荷重を与える装置として、例えば、GABO社製の電気アクチュエータ式圧縮負荷装置(500N)やINSTRON社製の電気油圧サーボ式試験装置を使用することが可能である。
図4は試験片に負荷される圧縮荷重及び試験片の圧縮変位を経時的に示し、図5は試験片の内蔵仕事量を経時的に示し、図6は試験片の温度と断熱温度上昇量及び放熱量との関係を示すものである。これら図4〜図6は、変位と荷重の時刻歴データから試験片に注入されたエネルギーと試験片から返却されたエネルギーとの収支(内蔵仕事量)を算出し、それに基づいてパルス波形の1サイクル当たりの断熱温度上昇量を算出する方法を説明するための例であり、本発明で使用されるパルス波形の圧縮荷重と必ずしも一致するものではない。
図4に示すように、試験片1に対してパルス波形の圧縮荷重F(N)を負荷すると、試験片1には圧縮荷重Fに応じて圧縮変位H(mm)が生じる。ここで、1サイクル中の微小時間における圧縮変位ΔHと前記微小時間における平均圧縮荷重Fとを求めたとき、ΔW=F×ΔHより、微小時間における供試体外部から供試体に与えられた仕事量ΔWが算出される。このとき、供試体外部から供試体に与えられた仕事量ΔWを積算して得られる内蔵仕事量ΣΔWは図5のようになる。図5に示すように、ゴム組成物からなる試験片1に対して注入されるエネルギーは試験片1から返却されるエネルギーよりも多くなるため、その収支である内蔵仕事量ΣΔWはパルス波形の1サイクル後に増加し、その増加分が1サイクル当たりのロスエネルギーΔEとなる。ロスエネルギーΔEが全て熱エネルギーに変換され、試験片1の昇温に帰結するものと仮定すると、パルス波形の1サイクル当たりの断熱温度上昇量ΔTadは下記(1)式から求めることができる。但し、Cは試験片の比熱であり、ρは試験片の密度、Vは試験片の体積である。
ΔTad=ΔE/(C・ρ・V) ・・・(1)
図6において、横軸は試験片1の温度T(℃)を示し、縦軸は断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)を示す。また、図6において、試験片1の温度Tは環境温度T0を始点としている。上述の如く算出されたパルス波形の1サイクル当たりの断熱温度上昇量ΔTadを試験片1の温度Tに関連付けてプロットすると図6のようになる。図6に示すように、通常タイヤが用いられる際のトレッドゴムの温度範囲において断熱温度上昇量ΔTadは試験片1の温度Tが高いほど低下する傾向がある。この断熱温度上昇量ΔTadはタイヤ温度の上がり易さを示す指標となる。
一方、上記タイヤ用ゴム組成物からなる試験片1の熱拡散率α(mm2/秒)を測定する。熱拡散率αは、例えばJIS R1689:2011に準拠して測定することができる。この熱拡散率αはタイヤの冷え易さの指標となる。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物の評価方法では、任意の温度における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αとの演算値に基づいてタイヤ用ゴム組成物を評価する。より好ましくは、任意の温度における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根√αとの積に基づいてタイヤ用ゴム組成物を評価する。つまり、断熱温度上昇量ΔTadが小さいほどゴムの発熱量が少なくなり、転がり抵抗が低くなることを意味する。また、ゴム温度が上昇するほど熱温度上昇量ΔTadが低下するので、転がり抵抗を低減するという観点からはゴム温度を比較的高い温度に保つことが望まれる。そのため、熱拡散率αが小さくゴムからの放熱が少ないほどゴム温度が高くなり、転がり抵抗が低くなることを意味する。特に、√αは一定時間における熱伝導距離を示し、これが小さいほど熱の拡散が少なくなって転がり抵抗が低くなることを意味する。このような特性を有する断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αとの演算値に基づいてタイヤ用ゴム組成物を評価することにより、そのタイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤの転がり抵抗を精度良く評価することができる。
断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αとの演算値に基づいてタイヤ用ゴム組成物を評価するにあたって、その温度は特に限定されるものではないが、走行時のタイヤ温度を考慮して、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αを参照することが好ましい。本発明者の実験結果によれば、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根との積が0.0007以下である場合に、転がり抵抗が低いと判定することが適切である。60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根√αとの積の下限値は特に限定されるものではないが、実用上の下限値は0.0001程度である。
図7は熱拡散率αの平方根と断熱温度上昇量ΔTadとの関係を示すものである。図7において、横軸は60℃における熱拡散率αの平方根√α(mm・秒-1/2)を示し、縦軸は60℃における断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)を示す。図7において、AはΔTad×√αの値が0.00068であるゴム組成物のプロットであり、BはΔTad×√αの値が0.00073であるゴム組成物のプロットである。また、Xは純ゴムのプロットである。
ゴム組成物A,Bを対比したとき、従来の転がり抵抗の指標によれば、60℃における断熱温度上昇量ΔTadが相対的に小さく、即ち、60℃における損失正接tanδが相対的に低いゴム組成物Bが低転がり抵抗の材料として選択されることになる。しかしながら、ゴム組成物A,Bを用いて実際にタイヤを製作してみると、ゴム組成物Aを用いたタイヤでは、走行時のタイヤ温度が約62℃で維持されるのに対して、ゴム組成物Bを用いたタイヤでは、ゴム組成物Aに比べて熱拡散率αの平方根√αが大きいため、走行時のタイヤ温度が約55℃で維持され、その結果として、ゴム組成物Bのタイヤの方がゴム組成物Aのタイヤよりも転がり抵抗が大きくなる。つまり、ΔTad×√αの値が0.0007を下回るゴム組成物AはΔTad×√αの値が0.0007を上回るゴム組成物Bよりも転がり抵抗が良好であると判断することができる。
図8は本発明の実施形態からなる乗用車用空気入りタイヤを示すものである。図8に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部21と、該トレッド部21の両側に配置された一対のサイドウォール部22,22と、これらサイドウォール部22のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部23,23とを備えている。
一対のビード部23,23間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層24は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部23に配置されたビードコア25の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア25の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー26が配置されている。
一方、トレッド部21におけるカーカス層24の外周側には複数層のベルト層27が埋設されている。これらベルト層27はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層27において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層27の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層27の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層28が配置されている。ベルトカバー層28の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
上記空気入りタイヤにおいて、トレッド部1におけるベルト層27の外周側には、キャップトレッドゴム層21Aとアンダートレッドゴム層21Bが配置されている。また、サイドウォール部22にはタイヤ外表面に露出するサイドウォールゴム層22Aが配置されている。更に、ビード部23にはタイヤ外表面に露出するリムクッションゴム層23Aが配置されている。これらキャップトレッドゴム層21A、アンダートレッドゴム層21B、サイドウォールゴム層22A及びリムクッションゴム層23Aを含むタイヤ構成部材は、ジエン系エラストマー中に補強材としてカーボンブラック及び/又はシリカを含むゴム組成物から構成されている。ジエン系エラストマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)が挙げられる。また、カーボンブラック及び/又はシリカの配合量はゴム100重量部に対して30重量部〜200重量部とすれば良い。
このように構成される乗用車用空気入りタイヤにおいて、タイヤ構成部材には60℃における断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)と熱拡散率α(mm2/秒)の平方根√αとの積が0.0007以下であるゴム組成物が使用されている。このようなゴム組成物を用いた場合、転がり抵抗が低いものとなる。
特に、キャップトレッドゴム層21Aには、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根√αとの積が0.0007以下であるゴム組成物を用いると良い。また、アンダートレッドゴム層21Bには、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根√αとの積が0.0005以下であるゴム組成物を用いると良い。更に、サイドウォールゴム層22Aには、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根√αとの積が0.0006以下であるゴム組成物を用いると良い。これにより、各種のタイヤ構成部材について最適な発熱特性を付与し、転がり抵抗を効果的に低減することができる。
キャップトレッドゴム層に物性が異なるコンパウンドA〜Eを用い、それ以外の構成は同一にした5種類の空気入りタイヤ(実施例1〜3及び比較例1〜2)を作製した。また、アンダートレッドゴム層に物性が異なるコンパウンドF〜Jを用い、それ以外の構成は同一にした5種類の空気入りタイヤ(実施例4〜6及び比較例3〜4)を作製した。更に、サイドウォールゴム層に物性が異なるコンパウンドK〜Oを用い、それ以外の構成は同一にした5種類の空気入りタイヤ(実施例7〜9及び比較例5〜6)を作製した。タイヤサイズは195/65R15である。
上述したコンパウンドA〜Oについて、加硫済みの試験片を作製し、試験片の温度を測定しながら試験片に対してパルス波形の圧縮荷重を負荷し、試験片に注入されたエネルギーと試験片から返却されたエネルギーとの収支に基づいてパルス波形の1サイクル当たりの断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)を算出する一方で、コンパウンドA〜Oの熱拡散率α(mm2/秒)を測定し、60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根√αとの積を求めた。また、コンパウンドA〜Oについて、60℃におけるtanδを測定した。その物性は表1〜表3の通りである。
また、実施例1〜9及び比較例1〜6のタイヤをリムサイズ15×6JJのホイールに組み付け、空気圧200kPa、荷重4.35kN、速度80km/hの条件で転がり抵抗を計測した。その結果を表1〜表3に示す。なお、実施例1〜3及び比較例1〜2の転がり抵抗は実施例1の測定値を100とする指数にて示し、実施例4〜6及び比較例3〜4の転がり抵抗は実施例4の測定値を100とする指数にて示し、実施例7〜9及び比較例5〜6の転がり抵抗は実施例7の測定値を100とする指数にて示した。
Figure 0006376187
キャップトレッドゴム層について、表1に示すように、tanδが小さい値であるとき0.01程度の差でも転がり抵抗が大きく変わることがあり、tanδと転がり抵抗との間の相関性が低くなる。例えば、実施例2と比較例2のように、同一のtanδであっても熱拡散率αの違いにより転がり抵抗が大きく変わることがある。しかしながら、ΔTad×√αの値が0.0007を下回るゴム組成物A〜Cを用いた実施例1〜3はΔTad×√αの値が0.0007を上回るゴム組成物D〜Eを用いた比較例1〜2に比べて転がり抵抗が明らかに低いものであった。
Figure 0006376187
アンダートレッドゴム層について、表2に示すように、tanδが小さい値であるとき0.01程度の差でも転がり抵抗が大きく変わることがあり、tanδと転がり抵抗との間の相関性が低くなる。例えば、実施例4と比較例4のように、同一のtanδであっても熱拡散率αの違いにより転がり抵抗が大きく変わることがある。しかしながら、ΔTad×√αの値が0.0005を下回るゴム組成物F〜Hを用いた実施例4〜6はΔTad×√αの値が0.0005を上回るゴム組成物I〜Jを用いた比較例3〜4に比べて転がり抵抗が明らかに低いものであった。
Figure 0006376187
サイドウォールゴム層について、表3に示すように、tanδが小さい値であるとき0.01程度の差でも転がり抵抗が大きく変わることがあり、tanδと転がり抵抗との間の相関性が低くなる。例えば、実施例7と比較例6のように、同一のtanδであっても熱拡散率αの違いにより転がり抵抗が大きく変わることがある。しかしながら、ΔTad×√αの値が0.0006を下回るゴム組成物K〜Mを用いた実施例7〜9はΔTad×√αの値が0.0006を上回るゴム組成物N〜Oを用いた比較例5〜6に比べて転がり抵抗が明らかに低いものであった。
1 試験片
11 支持部材
12 押圧部材
21 トレッド部
21A キャップトレッドゴム層
21B アンダートレッドゴム層
22 サイドウォール部
22A サイドウォールゴム層
23 ビード部
23A リムクッションゴム層

Claims (3)

  1. タイヤ用ゴム組成物からなる加硫済みの試験片を作製し、該試験片の温度を測定しながら該試験片に対してパルス波形の圧縮荷重を負荷し、該試験片に注入されたエネルギーと該試験片から返却されたエネルギーとの収支に基づいて前記パルス波形の1サイクル当たりの断熱温度上昇量ΔTad(℃/サイクル)を算出する一方で、前記タイヤ用ゴム組成物の熱拡散率α(mm2/秒)を測定し、任意の温度における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αとの演算値に基づいて前記タイヤ用ゴム組成物を評価することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の評価方法。
  2. 任意の温度における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根との積に基づいて前記タイヤ用ゴム組成物を評価することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物の評価方法。
  3. 60℃における断熱温度上昇量ΔTadと熱拡散率αの平方根との積が0.0007以下である場合に、転がり抵抗が低いと判定することを特徴とする請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物の評価方法。
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