JP4361921B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は半導体装置に係り、特に高誘電体膜を有する超微細化高速半導体装置の製造に使われる基板処理装置および基板処理方法に関する。
今日の超高速半導体装置では、微細化プロセスの進歩とともに、0.1μm以下のゲート長が可能になりつつある。一般に微細化とともに半導体装置の動作速度は向上するが、このように非常に微細化された半導体装置では、ゲート絶縁膜の膜厚を、微細化によるゲート長の短縮に伴って、スケーリング則に従って減少させる必要がある。
しかしゲート長が0.1μm以下になると、ゲート絶縁膜の厚さも、SiO2を使った場合、1〜2nm、あるいはそれ以下に設定する必要があるが、このように非常に薄いゲート絶縁膜ではトンネル電流が増大し、その結果ゲートリーク電流が増大する問題を回避することができない。
このような事情で従来より、比誘電率がSiO2膜のものよりもはるかに大きく、このため実際の膜厚が大きくてもSiO2膜に換算した場合の膜厚が小さいTa25,Al23,ZrO2,HfO2,ZrSiO4,HfSiO4のような高誘電体材料をゲート絶縁膜に対して適用することが提案されている。このような高誘電体材料を使うことにより、ゲート長が0.1μm以下と、非常に微細な超高速半導体装置においても1〜2nmあるいはそれ以下の膜厚のゲート絶縁膜を使うことができ、トンネル効果によるゲートリーク電流を抑制することができる。
このような高誘電体ゲート絶縁膜をSi基板上に形成する際には、高誘電体ゲート絶縁膜を構成する金属元素がSi基板中に拡散するのを抑制するために、厚さが1nm以下、典型的には0.8nm以下のSiO2膜を前記Si基板上にベース酸化膜として形成し、かかる非常に薄いSiO2ベース酸化膜上に前記高誘電体ゲート絶縁膜を形成する必要がある。その際、前記高誘電体ゲート絶縁膜を、膜中に界面準位などの欠陥が形成されないように形成しなければならない。また、かかる高誘電体ゲート絶縁膜を前記ベース酸化膜上に形成する際に、組成を前記ベース酸化膜に接する側から高誘電体ゲート絶縁膜上主面に向かって、SiO2を主とする組成から高誘電体を主とする組成に徐々に変化させるのが好ましい。
高誘電体ゲート絶縁膜を欠陥を含まないように形成しようとすると、荷電粒子が関与するプラズマプロセスを使うことはできない。例えばかかる高誘電体ゲート絶縁膜をプラズマCVD法で形成すると、膜中にホットキャリアのトラップとして作用する欠陥がプラズマダメージの結果として形成されてしまう。
一方、かかる高誘電体ゲート絶縁膜を熱CVD法により形成しようとすると、基板の温度を高く設定する必要があるので結晶化しやすく、表面のラフネスが大きくなる。また基板の温度により成膜速度が変化しやすく、基板温度の均一性により均一な膜厚分布を得ることが困難であることが、本発明の発明者により見出されている。換言すると、このような高誘電体ゲート絶縁膜を従来のCVD法で形成しようとすると膜表面のラフネスが増大しやすく、また膜厚の均一性を確保するのが困難である。従って、高精度での膜厚制御を要求されるMOSトランジスタのゲート絶縁膜に適用した場合、半導体装置の動作特性に深刻な影響が生じる。
そこで本発明の発明者は先に、上記の課題を解決すべく、特許文献3において以下に説明する基板処理方法および処理装置を提案した。
図1は、本発明の発明者が先に提案したALD成膜プロセスを行う基板処理装置(ALD成膜装置)10の構成を示す。ALD成膜プロセスでは、被処理基板上に第1の原料ガスと第2の原料ガスとを交互に、被処理基板表面に沿って流れる層流の形で供給し、第1の原料ガス中の原料ガス分子を被処理基板表面に吸着させ、これを第2の原料ガス中の原料ガス分子と反応させることにより1分子層分の厚さの膜を形成する。このプロセスを繰り返すことにより、被処理基板表面にゲート絶縁膜として使用可能な高品質な誘電体膜、特に高誘電体膜が形成される。
図1を参照するに、前記基板処理装置10は被処理基板12を隔てて互いに対向する処理ガス導入口13Aおよび13Bと、前記被処理基板12を隔てて前記処理ガス導入口13Aおよび13Bにそれぞれ対向する細長いスリット状の排気口14A,14Bとを備えた処理容器11を含み、前記排気口14Aおよび14Bはそれぞれコンダクタンスバルブ15Aおよび15Bを介してトラップ100に接続され、前記処理容器11は前記トラップ100を介して排気される。
さらに、前記処理容器11には、前記処理ガス導入口13Aに隣接して、別の処理ガス導入口13Cが、前記排気口14Aに対向するように形成されている。
前記処理ガス導入口13Aは切替バルブ16Aの第1の出口に接続され、前記切替バルブ16Aはバルブ17A,質量流量コントローラ18A,および別のバルブ19Aを含む第1の原料供給ライン16aを介してZrCl2を保持する原料容器20Aに接続される。さらに、前記第1の原料供給ライン16aに隣接して、バルブ21A,22Aを含み、Ar等の不活性ガスを供給するパージライン21aが設けられる。
さらに、前記切替バルブ16Aには、Ar等の不活性ガス源に接続され、質量流量コントローラ23Aおよび24Aを含むバルブパージライン23aが接続され、前記切替バルブ16Aの第2の出口はパージライン100aを介して前記トラップ100に接続される。
同様に、前記処理ガス導入口13Bは切替バルブ16Bの第1の出口に接続され、前記切替バルブ16Bはバルブ17B,質量流量コントローラ18B,および別のバルブ19Bを含む第1の原料供給ライン16bを介してH2Oを保持する原料容器20Bに接続される。さらに、前記第1の原料供給ライン16bに隣接して、バルブ21B,22Bを含み、Ar等の不活性ガスを供給するパージライン21bが設けられる。
さらに、前記切替バルブ16Bには、Ar等の不活性ガス源に接続され、質量流量コントローラ23Bおよび24Bを含むバルブパージライン23bが接続され、前記切替バルブ16Bの第2の出口はパージライン100bを介して前記トラップ100に接続される。
さらに前記処理ガス導入口13Cは切替バルブ16Cの第1の出口に接続され、前記切替バルブ16Cはバルブ17C,質量流量コントローラ18C,および別のバルブ19Cを含む第1の原料供給ライン16cを介してSiCl4を保持する原料容器20Cに接続される。さらに、前記第1の原料供給ライン16cに隣接して、バルブ21C,22Cを含み、Ar等の不活性ガスを供給するパージライン21cが設けられる。
さらに、前記切替バルブ16Cには、Ar等の不活性ガス源に接続され、質量流量コントローラ23Cおよび24Cを含むバルブパージライン23cが接続され、前記切替バルブ16Cの第2の出口はパージライン100cを介して前記トラップ100に接続される。
また、図1の基板処理装置10には成膜プロセスを制御する制御装置10Aが設けられ、前記制御装置10Aは後ほど図4〜図7で説明するように、前記切替バルブ16A〜16Cおよびコンダクタンスバルブ15Aおよび15Bを制御する。
図2は、図1の処理容器11を含む部分の詳細を示す。ただし図2中、図1に対応する部分は同一の参照符号で示されている。
図2を参照するに、前記処理容器11はAl等よりなる外側容器201と石英ガラスよりなる内側反応容器202とを有し、前記内側反応容器202は、前記外側容器201中に画成され、前記外側容器201の一部を構成するカバープレート201Aにより覆われる凹部中に収められる。
前記内側反応容器202は、前記凹部内において前記外側容器201の底面を覆う石英底板202Aと、前記凹部内において前記石英底板202Aを覆う石英カバー202Bとよりなり、さらに前記外側容器の底部には、被処理基板Wを保持したディスク状の基板保持台203が収められる円形の開口部201Dが形成されている。前記基板保持台203中には、図示を省略する加熱機構が設けられている。
前記基板保持台203は前記外側処理容器201の下部に設けられた基板搬送部204により回動自在に、また同時に上下動自在に保持されている。前記基板保持台203は最上位のプロセス位置と最下位の基板出入位置との間を上下動可能に保持されており、前記プロセス位置は、前記保持台203上の被処理基板Wの表面が前記石英底板202Aの表面と略一致するように決定されている。
一方、前記基板出入位置は、前記基板搬送部204の側壁面に形成された基板搬入出開口部204Aに対応して設定されており、前記基板保持台203が前記基板出入位置まで下降した場合、前記基板搬入出口204Aから搬送アーム204Bが挿入され、リフタピン(図示せず)により基板保持台203表面から持ち上げられた被処理基板Wを保持して取り出し、次の工程に送る。また、前記搬送アーム204Bは、新たな被処理基板Wを、前記基板搬入出開口部204Aを介して前記基板搬送部204中に導入し、これを前記基板保持台203上に載置する。
前記新たな被処理基板Wを保持した基板保持台203は、軸受部205中に磁気シール205Aにより保持された回動軸205Bにより回動自在に、また上下動自在に保持されており、前記回動軸205Bが上下動する空間は、ベローズ206等の隔壁により密閉されている。その際、前記空間は図示を省略した排気口を介して前記内側容器202内部よりも高真空状態に排気され、前記内側容器202内で行われる基板処理プロセスへの汚染が回避される。
かかる差動排気を確実に行うため、前記基板保持台203には被処理基板Wを囲むように石英ガラスよりなるガードリング203Aが設けられている。かかるガードリング203Aは、前記基板保持台203と前記外側容器201中に前記基板保持台を収容するように形成された前記開口部201Dの側壁面との間のコンダクタンスを抑制し、これにより前記ベローズ206で画成された空間内を高真空に排気した場合に前記内側反応容器202との間に差圧が確実に形成される。
前記外側容器201の底部に形成された前記開口部201Dは、側壁面が石英ライナー201dにより覆われており、前記石英ライナー201dはさらに下方に延在して前記基板搬送部204の内壁を覆う。
前記外側容器201の底部には、前記開口部201Dの両側にそれぞれ排気装置に接続された排気溝部201aおよび201bが形成されており、前記排気溝部201aは導管207aおよびコンダクタンスバルブ15Aを介して、また前記排気溝部201bは導管207bおよびコンダクタンスバルブ15Bを介して排気される。図2の状態では、前記コンダクタンスバルブ15Aが開状態に、また前記コンダクタンスバルブ15Bが略閉状態に設定されている。前記コンダクタンスバルブ15A,15Bは、信頼性の高い開閉状態を実現するために、閉状態といえども完全に閉鎖するのではなく3%程度の弁開度を残しておく。
前記排気溝部201aおよび201bは石英ガラスよりなるライナー208により覆われており、前記排気溝部201a,201bに対応してスリット状の開口部209A,209Bが前記石英底板202Aに形成される。図2の実施例では、かかるスリット状の開口部209A,209Bに、図1で説明した排気口14Aあるいは14Bが形成された整流板209が、前記内側反応容器202内部の排気を促進する目的で形成されている。
さらに前記内側反応容器202内には、石英ガスノズル13Aおよび13Bが、それぞれ前記排気溝部201aおよび201bに、前記ウェハ12を隔てて対向するように設けられている。そこで前記ガスノズル13Aから導入された第1の処理ガスは、前記内側反応容器202内を前記被処理基板12の表面に沿って流れ、対向する排気口14Aから前記コンダクタンスバルブ15Aを介して排気される。同様に前記ガスノズル15Bから導入された第2の処理ガスは、前記内側反応容器202内を前記被処理基板Wの表面に沿って流れ、対抗する排気口14Bから前記コンダクタンスバルブ15Bを介して排気される。このように第1および第2の処理ガスを交互に前記ガスノズル13Aから排気口14Aへと、あるいは前記ガスノズル13Bから排気口14Bへと流すことにより、先に説明した分子層を基本単位とする膜形成が可能になる。
図3は、前記内側反応容器202を構成する石英底板202Aの構成を詳細に示す。
図3を参照するに、前記石英底板202Aには前記被処理基板Wに対応した円形の開口部202aが形成されており、前記開口部202aの両側には、前記排気溝部201a,201bに対応した開口部209Aおよび209Bが形成されている。さらに図3の例では、前記開口部209A,209Bに対応して前記排気口14Aあるいは14Bを構成するスリットを有する整流板209が設けられている。また前記石英底板202Aには、前記ガスノズル13Aに対応して開口部210aが、また前記ガスノズル13Bに対応して開口部210bが形成されている。前記石英底板202Aに前記開口部210aあるいは210bを複数個形成することにより、前記内側処理容器202内に前記ガスノズル13Aあるいは13Bを複数個設けることが可能になる。
図4は、図1,2の基板処理装置10において被処理基板12上にZrO2膜を1分子層ずつ形成する際に、前記制御装置10Aの制御の下に実行されるALDプロセスシーケンスを示すフローチャートである。
図4を参照するに、最初の工程1において、前記コンダクタンスバルブ15A,15Bは開放され、前記切替バルブ16Aおよび16Bは、いずれも処理ガス供給ライン16a,16b中の処理ガスをそれぞれパージライン100aおよび100bを介してトラップ100に供給するように第1の状態、すなわちパージ状態に制御される。その結果前記石英反応容器202中には前記パージライン23a中のArガスが、また前記パージライン23b中のArガスが、それぞれ処理ガス導入口13Aおよび13Bを介して供給される。このようにして供給されたArパージガスは、それぞれ前記排気口14Aおよび14Bからトラップ100に排出される。
次に工程2において、前記コンダクタンバルブ15Aの開度が増大され、コンダクタンスバルブ15Bの開度が減少される。その結果、前記石英反応容器202中には、前記ガス導入口13Aから排気口14Aに流れるガス流が生じる。
次に工程3において前記切替バルブ16Aが前記第1の状態から第2の状態に切り替えられ、前記処理ガス供給ライン16a中のZrCl4ガスが前記第1の処理ガス導入口13Aから前記石英反応容器202中に、図5に示すようにガス流LF1として導入される。このようにして導入されたZrCl4ガス流LF1は先に説明したように、層流となって前記被処理基板12の表面を流れ、前記排気口14Aより排出される。かかる工程により、前記被処理基板12の表面にはZrCl4が1分子層程度吸着される。前記工程3においては、前記第2の切替バルブ16Bは前記第1の状態にあり、ライン23a中のArパージガスが前記第2の処理ガス導入口13Bから前記石英反応容器202中に導入される。その結果、前記第1の処理ガス導入口13Aから導入されたZrCl4処理ガスが前記第2の処理ガス導入口13Bに侵入し、析出物を生じる問題は生じない。
次に工程4において前記切替バルブ16Aが元の第1の状態に戻され、前記反応容器202中がArガスによりパージされる。
さらに工程5において、前記コンダクタンバルブ15Aの開度が減少され、コンダクタンスバルブ15Bの開度が増大される。その結果、前記石英反応容器202中には、前記ガス導入口13Bから排気口14Bに流れるガス流が生じる。
次に工程6において前記切替バルブ16Bが前記第1の状態から第2の状態に切り替えられ、前記処理ガス供給ライン16b中のH2Oガスが前記第2の処理ガス導入口13Bから前記石英反応容器202中に、図6に示すようにガス流LF2として導入される。このようにして導入されたH2Oガス流LF2は先に説明したように、層流となって前記被処理基板12の表面を流れ、前記排気口14Bより排出される。かかる工程により、前記被処理基板12の表面において、先に吸着していたZrCl4が加水分解され、約1分子層厚さのZrO2膜が形成される。前記工程6においては、前記第1の切替バルブ16Aは前記第1の状態にあり、ライン23a中のArパージガスが前記第2の処理ガス導入口13Aから前記石英反応容器202中に導入される。その結果、前記第2の処理ガス導入口13Bから導入されたH2Oガスが前記第1の処理ガス導入口13Aに侵入し、析出物を生じる問題は生じない。
特開平2−74587号公報 特表2001−514440号公報 特開2002−151489号公報 米国特許第516365号公報
ところでこのようなALDプロセスでは、前記石英反応容器202内に原料ガスの層流を形成するのが好ましいため、ガスノズル13A,13Bは細長いスリット状のノズル開口部を有し、これに対応して排気口14A,14Bも細長いスリット状に形成されている。
このため、図4の工程1で反応容器202をパージする場合、パージガスは前記排気口14Aおよび14Bから排気されることになるが、スリット形状の排気口14A,14Bのコンダクタンスは限られており、このため基板処理装置10が被処理基板12として大径の基板、例えば30cm径のウェハを扱うように設計されたものである場合、かりにコンダクタンス弁15Aおよび15Bを全開しても大容積の反応容器202を排気するのに時間がかかり、基板処理のスループットが低下してしまう。一方、排気時の効率を向上させるべく、前記排気口14A,14Bの開口部面積、特にガス流れ方向に沿って測った幅を増大させると、前記反応容器202中における原料ガスの流れが乱れてしまい、1分子層の原料ガスの吸着を確実に行うことができないおそれがある。
また、このようなH2OをZrCl4などの吸着した金属分子種の酸化に使うALD法では、H2Oが処理容器内壁や切換えバルブ16A,16Bに吸着しやすく、このため、図4の工程S6において、前記切換えバルブ16BからH2Oを処理容器内に導入した後、工程S1において長いパージ時間が必要であった。その結果、このような分子層の吸着による、いわゆる原子層ALD装置による成膜処理では、通常のCVD装置による成膜処理に比べて基板処理のスループットを向上させるのが困難であった。
米国特許第516365号には、被処理基板を水平に保持する処理容器の一端から気相原料を導入し、多端から排気する構成のCVD装置において、原料供給源の一つとしてラジカル源を設けた構成が開示されている。
そこで図2の基板処理装置においてラジカル源から供給される酸素ラジカルにより、被処理基板表面に吸着した金属分子層を酸化させることが考えられるが、図2の装置は反応容器202内に気相原料の層流を形成する必要があることから反応容器202の高さが非常に小さく、このようなラジカル源を設けるのが困難である。
また前記米国特許第516365号はこのようなラジカル源を原料供給ラインの一部にバルブを介して接続しているが、このような構成を、本発明のような気相原料を交互に繰り返し供給する形式の基板処理装置に適用しようとすると、処理ガスとラジカルを処理容器内部において好ましくは0.1秒以下の極めて短時間に、しかも繰り返し切り替える必要があるが、このようなガスの高速切替を可能にする技術は、従来知られていなかった。
ところで一般に成膜装置では、処理容器あるいは反応容器内に成膜の際に堆積した析出物を定期的にクリーニングを行って除去する必要があるが、このようなクリーニングには、従来より塩素系あるいはフッ素系のガスが使われている。特にこのようなクリーニングガスをプラズマ処理により活性化し、形成されたラジカルを使うことにより、クリーニングの効率を大きく向上させることができる。
ところが、図1,2のALDプロセスを目的とした基板処理装置10では、石英反応容器202の高さが、反応容器202内に層流を形成する必要があることから、せいぜい5〜20mm程度に設定されており、先にも説明したようにラジカル源を設けるのが困難であった。このため、前記基板処理装置10では、ラジカルを使った効率の良いクリーニングが困難であった。
そこで本発明は上記の課題を解決した、新規で有用な基板処理装置およびかかる基板処理装置で使われるバルブ装置を提供することを概括的課題とする。
本発明のより具体的な課題は、分子層の吸着および酸化を交互に繰り返す基板処理装置において、前記酸化処理をプラズマ励起されたラジカルにより行うことにより、基板処理のスループットを向上させることができる基板処理装置、およびかかる基板処理装置を使った基板処理方法を提供することにある。
本発明のその他の課題は、ALDプロセスを行う基板処理装置において、ラジカルを使って効率的にクリーニングを行うことが可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
本発明は上記の課題を、被処理基板を保持する基板保持台を備えた処理容器と、
前記処理容器中において前記基板保持台の第1の側に形成された処理ガス導入口と、
前記処理容器の、前記基板保持台に対して前記第1の側とは異なる第2の側に形成されたラジカル源と、
前記処理容器中において前記第1の側に形成された第1の排気口と、
前記処理容器中において前記第2の側に形成された第2の排気口と、
前記第1の排気口に第1の可変コンダクタンスバルブを介して結合され、前記第2の排気口に第2の可変コンダクタンスバルブを介して結合された排気系とよりなる基板処理装置により、解決する。
本発明によれば、複数のスリット状開口部を形成された回動自在な弁体を有する高速ロータリバルブを使うことにより、処理容器内部に処理ガスとラジカルとを、前記弁体を回転させることにより、高速で切替えながら、交互に繰り返し導入することが可能になる。その結果、被処理基板表面に吸着した処理ガス分子をラジカル処理することにより、被処理基板表面に1原子層ずつ、高品質の膜を効率よく成長させることが可能になる。その際、ラジカル源に、排気系に接続されたバイパスラインを設け、処理容器内に処理ガスが導入されているような状態ではラジカルを前記バイパスラインに排気し、ラジカルを吸着した処理ガス分子に酸化などの反応を行う場合にのみ前記ラジカル源から処理容器にラジカルを導入するように構成することで、リモートプラズマなどのラジカル源を連続して、安定に運転することができ、原子層CVD処理などの際のサイクル時間を短縮した場合でも、ラジカル形成が不安定になるような問題は生じない。その結果、基板処理の際のスループットを向上させることができる。
また本発明によれば、ラジカル源としてオンオフを行っても安定に動作する紫外光源を使うことにより、シリコン基板表面への酸化膜形成に使われる紫外光ラジカル酸化処理装置を使って、効率よく原子層CVD処理を行うことが可能である。
さらに本発明によれば、処理容器を排気する排気口に接続された排気系の一部にクリーニングガスのラジカル源を結合し、クリーニングガスのラジカルを前記排気系を逆行して前記処理容器に導入することにより、前記処理容器内を効率的にクリーニングすることが可能になる。
[第1参考例]
図7は、本発明の第1参考例による基板処理装置(ALD成膜装置)40の構成を示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図7を参照するに、本参考例では図1から3で説明した基板処理装置10で使われているコンダクタンスバルブ15A,15Bが撤去され、そのかわりに前記排気口14A,14Bに隣接して、前記排気溝部201aあるいは201b中に、高速ロータリバルブ25A,25Bが設けられる。さらに前記高速ロータリバルブ25Aおよび25Bは、それぞれ配管207aおよび207bを介して前記トラップ100に結合される。
図8は、前記処理容器11の構成を、図3の石英底板202Aを除去した状態で示す。
図8を参照するに、前記処理容器11を構成する外側容器201中には前記石英反応容器202が収納される空間が形成されており、前記空間中に被処理基板12の表面が露出し、さらに前記被処理基板12の両側に、先の排気口14A,14Bの代わりに排気口26A,26Bを有する高速ロータリバルブ25A,25Bが設けられている。本実施例では、前記排気口26A,26Bは、原料ガスの流れ方向に平行する方向に測った幅Wが、従来の排気口14A,14Bの場合よりも実質的に大きく設定されており、その結果、前記石英反応容器202から前記排気口26A,26Bを介して多量のガスを効率良く排気することが可能になる。
図9(A),(B)は、前記高速ロータリバルブ25Aの構成を示す。ただし図9(A)はロータリバルブ25Aの全体を斜め上から見た斜視図、図9(B)は同じロータリバルブ25Aを斜め下から見た斜視図である。前記高速ロータリバルブ25Aは高速ロータリバルブ25Bと同様な構成を有するため、以下では高速ロータリバルブ25Aのみを説明する。
図9(A)を参照するに、高速ロータリバルブ25Aは前記排気口26Aを形成された本体251と、前記本体251中に回動自在に設けられた弁体252(図10参照)と、前記弁体252を回動させるサーボモータ253とよりなり、さらに前記本体251の一部には、ヒータを収納した加熱部254が設けられている。また、図9(B)に示すように、前記本体251の底面には導管207aに結合される排気口255が形成されている。
図10は、図9(A),(B)の高速ロータリバルブ25Aの分解図を示す。
図10を参照するに、前記本体251の一端は軸受を備えたキャップ251Aで閉じられ、前記本体251の他端には前記サーボモータ253を有する駆動ブロック253Aが、シール253Bを介して結合される。
前記本体251中には、前記排気口26Aおよび255に連通した円筒形状の開口部が形成されており、前記円筒状開口部中には対応して中空円筒形状をしたセラミックスあるいは金属よりなる弁体252が、回動自在に挿入されている。前記弁体252には長さ方向に延在する開口部252A、および前記開口部252Aに径方向上で対向する位置に別の開口部252B(図11参照)が形成されており、弁体252は前記サーボモータ253に弁体252の端部に設けられたシャフト252Xにおいて結合され、前記サーボモータ253により、時計回り方向および反時計回り方向に回動される。また前記加熱部254にはヒータ254Aが挿入されている。前記弁体252の他端には、図示は省略するが前記シャフト252Xと同様な回動軸が設けられ、前記キャップ251Aに設けられた軸受において回動自在に保持される。
図11(A)〜(D)は、前記弁体252の構成を示す。ただし図11(A)は弁体252の斜視図、図11(B)は弁体252の平面図、図11(C)は弁体252の断面図、さらに図11(D)は弁体252の底面図を示す。
図11(A)〜(D)を参照するに、前記弁体252には前記開口部252Aが二つ、中間部252aを隔てて形成されており、各々の開口部252Aは、前記弁体252内部の空間を介して前記中間部252aと対向する位置に形成された開口部252Bと連通する。
図12(A),(B)および図12(C),(D)は、本参考例の基板処理装置40で使われる、前記前記高速ロータリバルブ25Aの四つの状態を示す。
図12(A)を参照するに、前記サーボモータ253は前記弁体252を、前記弁体252中の開口部252Aが前記排気口26Aにおいて6mmの幅Wを有する開口を形成するように回動させ、その結果、図1の構成において図7の基板処理装置40を使い、前記石英反応容器202内部を前記開口部255に結合された導管207aを介して排気した場合、排気の際のコンダクタンスが制限され、前記反応容器202内は徐々に排気され、所望の原料ガスの前記被処理基板12表面への吸着が生じる。
一方図12(B)の状態では、前記弁体252はサーボモータ253により、前記開口部252Aが8mmの幅Wを有する開口を形成するように駆動されており、その結果、バルブ25Aの図12(A)の状態よりも大きくなる。
図13(C)の状態では、前記弁体252はサーボモータ253により、前記開口部252Aが開口部26Aと一致するように駆動されており、その結果前記バルブ25Aは全開した状態になっている。図13(C)の状態では、前記開口部252Aは幅Wが40mmも開口部を形成する。
これに対し、図13(D)の状態では、前記弁体252はサーボモータ253により、前記開口部252Aが開口部26Aから完全に外れるように駆動されており、その結果前記バルブ25Aは閉じた状態になっている。
図45は、本参考例による高速ロータリバルブ25A,25Bにおける弁体252の回転に伴うコンダクタンス変化の例を示す。
図45を参照するに、弁体252の回転角が0°の場合に3000l/秒を超えるコンダクタンスが得られているのに対し、回転角が約40°を超えるとコンダクタンスはゼロになり、さらに回転角が120°を超えたあたりから再び増大し、170°あたりで600l/秒程度の値まで増大するのがわかる。本発明では、弁体252を単に回動させることにより、図45に示すコンダクタンス変化を0.1秒以内の極めて短い時間に実現することが可能になる。

[第2参考例]
図14は、図7の基板処理装置40を使って前記被処理基板12表面にAl23膜をALD法により形成する本発明の第2参考例の構成を示す。ただし図14中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図14を参照するに、本参考例では前記原料容器20AにTMA(トリメチルアルミニウム)が保持され、前記原料容器20A中のTMAは切替バルブ16Aおよびノズル13Aを介して、前記処理容器11中の石英反応容器202内に導入される。なお、図14のシステムでは、原料容器20Cを含む原料供給系は使われないため、図示を省略している。
図15は、図14のシステムを使って行われるALDプロセスを示すフローチャートである。
図15を参照するに、ステップ10の工程において前記高速ロータリバルブ25A,25Bが、いずれも図13(C)の状態に全開され、前記バルブ16Aおよび16Bから、それぞれ前記ノズル13Aおよび13Bを介してArガスが前記石英反応容器202中に導入され、反応容器202内部がパージされる。
次にステップ11において前記高速ロータリバルブ25Aが図13(D)の状態に閉鎖され、同時に前記高速ロータリバルブ25Bが図12(A)の状態に部分的に開放される。あるいは、前記高速ロータリバルブ25Bは、前記反応容器202の内部が所定の圧力になるように制御される。さらに前記バルブ16Bおよびノズル13Bを介して前記石英反応容器202内にH2Oガスが導入される。導入されたH2Oガスは前記被処理基板12の表面に沿って層流となって流れ、前記ロータリバルブ25Bから排出される。これに伴い、H2O分子が前記基板表面に、1分子層だけ吸着される。前記ステップ11の間、前記ノズル13Aにはバルブ16Aから少量のArガスが供給され、ノズル13A内部がパージされる。
次にステップ12の工程において前記高速ロータリバルブ25A,25Bが共に図13(C)の全開状態に設定され、さらに前記バルブ16A,16Bからノズル13Aおよび13Bを介してArガスを導入することにより、前記ノズル13A,13Bおよび前記石英反応容器202の内部がパージされる。
次にステップ13の工程において前記高速ロータリバルブ25Aが図12(B)の状態に部分的に開放され、さらに高速ロータリバルブ25Bが図13(D)の状態に閉鎖される。あるいは、前記高速ロータリバルブ25Aは、前記処理容器22内部に所定の圧力が生じるように制御される。さらにこの状態において前記切替バルブ16Aよりガスノズル13Aを介してTMAが前記石英反応容器202内に導入され、導入されたTMAは前記被処理基板12の表面を層流となって流れ、前記ロータリバルブ25Aから排出される。その結果、前記被処理基板12の表面には、1分子層のAl23膜が形成される。この間、前記ガスノズル13BはArガスによりパージされている。
さらにステップ14の工程において前記高速ロータリバルブ25A,25Bは共に図13(C)の状態に全開され、前記ノズル13Aおよび13BよりArガスを導入することにより、前記ノズル13A,13Bの内部および前記石英反応容器202内部がパージされる。
ステップ10〜14の工程を繰り返すことにより、前記被処理基板表面に1分子層ずつ、高品質のAl23膜を形成することが可能である。
図16は、図15のステップ10あるいは12における石英反応容器202内のパージ速度を、本発明の高速ロータリバルブ25A,25Bを使った場合と、図2の従来のコンダクタンスバルブ15A,15Bを使った場合とで比較して示す図である。
図16を参照するに、残留ガス濃度が当初の5%程度まで減少するのに要する時間が、本発明の高速ロータリバルブ25A,25Bを使った場合、0.1秒程度で済み、これは従来の場合の1/5程度まで短縮されていることがわかる。また図16より、前記石英反応容器202を真空パージした場合でも、本発明の高速ロータリバルブ25A,25Bを使うと、1秒のパージ時間で残留ガス濃度を5%程度まで下げることができるのがわかる。

[第3参考例]
図17は、本発明の第3参考例による基板処理装置50の構成を示す。ただし図17中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図17を参照するに、本参考例では片側の高速ロータリバルブ25Bが撤去されており、またこれに伴って対応する原料ガス供給ノズル13Bおよびこれに協働する原料ガス供給系が撤去されている。
このような構成の基板処理装置50においても、図18のフローチャートに示すように、ステップ21において前記高速ロータリバルブ25Aを全開し、ノズル13AからArガスを供給することにより、前記石英反応容器202内部が高速にパージされる。そこでステップ22において前記高-速ロータリバルブ25Aを6mmの開度に設定し、さらに前記ノズル13AからH2Oガスを導入することにより、前記被処理基板12の表面に1分子層だけH2O分子を吸着させる。なお、ステップ22において、バルブ25Aの開度を設定せず、処理圧力を設定し、この圧力に合わせてスリット幅を制御するようにしても、同様な効果が得られる。
さらにステップ23において前記高速ロータリバルブ25Aが全開され、ノズル13Aおよび石英反応容器202内部がArガスによりパージされる。
さらにステップ24において前記高速ロータリバルブ25Aが8mmの開度に設定され、さらに前記ノズル13AからTMAガスを導入することにより、前記被処理基板12の表面に1分子層のAl23膜が形成される。なおステップ24においてバルブ25Aの開度を設定せず、処理圧力を設定し、この圧力に合わせてスリット幅を制御するようにしても、同様な効果が得られる。

[第1実施例]
図19は、本発明の第1実施例による基板処理装置60の構成を示す。ただじ図19中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図19を参照するに、基板処理装置60では、前記導管207bに、前記高速ロータリバルブ26Bの下流側において図2のコンダクタンスバルブ15Bがさらに設けられ、前記導管207bにはさらに前記高速ロータリバルブ26Bと前記コンダクタンスバルブ15Bとの中間の部分に開閉バルブ61を介してリモートプラズマ源62が設けられる。
前記リモートプラズマ源62はArなどの希ガスとCl2やCHF3などの塩素系あるいはフッ素系のNF3などのクリーニングガスが供給され、前記リモートプラズマ源62に協働する例えば周波数が400kHzの高周波源62Aを駆動することにより、化学的に活性な塩素ラジカルあるいはフッ素ラジカルを発生させる。
本実施例により基板処理装置60では、前記高速ロータリバルブ25Aおよび25Bを全開し、さらに前記コンダクタンスバルブ15Bを閉じることにより、このようにして形成された塩素ラジカルあるいはフッ素ラジカルを、前記導管207bから前記高速ロータリバルブ25Bを介して前記石英反応容器202に、通常の排気方向とは逆方向に導入し、これをさらに高速ロータリバルブ25Aを介して排気することにより、前記石英反応容器20の効率的なクリーニングが可能になる。
図20は図19のクリーニング工程を示すフローチャートを、また図21(A),(B)は、図20のフローチャートに対応する基板処理装置60の状態を概略的に示す図である。
図20を参照するに、ステップ21において高速ロータリバルブ25Aが全開され、高速ロータリバルブ25Bが閉鎖される。さらに前記リモートプラズマ源62にArガスおよびCl2ガスを供給し、前記コンダクタンスバルブ15Bを全開し、前記開閉弁61を開放し、前記リモートプラズマ源62を、高周波源62Aにより形成された周波数が400kHzでパワーが5kWの高周波で駆動することにより、リモートプラズマおよびこれに伴う塩素ラジカルCl*を発生させる。ステップ21の状態では、形成された塩素ラジカルは、図21(A)に示すように、そのまま排気系へと排気される。
次にステップ22において前記高速ロータリバルブ25Bが全開され、コンダクタンスバルブ15が閉鎖されることにより、ステップ21で形成されていた塩素ラジカルCl*は、図21(B)に示すように前記高速ロータリバルブ25Bおよび排気口26Bを通って石英反応容器202内へと導入される。導入された塩素ラジカルCl*は、前記石英反応容器202内を前記高速ロータリバルブ25Aへと流れ、排気口26Aを通って排出される。そこで、ステップ22の状態を所定の時間維持することにより、前記石英反応容器202の内壁面等に付着した堆積物がクリーニングされる。
次にステップ23の工程において前記高速ロータリバルブ25Bが再び閉鎖され、前記コンダクタンスバルブ15Bが全開される。その結果、先の図21(A)に示すように前記リモートラジカル源62で形成された塩素ラジカルはそのまま排気系へと排気される。
さらにステップ24の工程において前記高周波源62Aが遮断され、リモートラジカル発生源62がオフされ、前記開閉弁61が閉鎖される。
本実施例では、先にも説明したように前記排気口26A,26Bの幅Wを従来の排気口14A,14Bの幅よりも大きく設定し、さらに大きなコンダクタンスを実現できる高速ロータリバルブ25A,25Bを組み合わせることにより、多量のラジカルを、石英反応容器220内に外部から導入する際に、ラジカルが活性を失うのを最小限に抑制することができ、効率的なクリーニングが可能になる。本実施例では、ラジカル源62が排気系の一部に形成されているため、前記反応容器202が原料ガスの層流を形成するのに適した偏平な形状を有するものであっても、ラジカル源を設けるのに困難は生じない。

[第2実施例]
図19の基板処理装置60において、ラジカル源62は処理容器202のクリーニングのみならず、被処理基板上に吸着した分子を酸化あるいは窒化するのにも有効である。この場合には、前記ラジカル源62にクリーニングガスのかわりに酸素あるいは窒素ガスを、Arなどの希ガスと共に供給する。
以下、図19の基板処理装置60を使って被処理基板上にAl23膜を形成する本発明の第2実施例による基板処理工程を、図22(A)および図22(B)を参照しながら説明する。
図22(A)を参照するに、前記基板保持台203が前記サーボモータ253により回動され、さらに前記高速ロータリバルブ25Aが開かれ、前記反応容器202内が排気される。また前記リモートラジカル源62が駆動されている。
さらに図22(A)の状態では前記高速ロータリバルブ25Bが閉鎖され、前記処理ガス導入口13AよりTMAなどの処理ガスが前記反応容器202内に導入される。導入された処理ガスは前記基板保持台203上の被処理基板表面に沿って流れ、前記高速ロータリバルブ25Aおよび導管207aを通って排気される。その結果、前記被処理基板表面にはTMA分子が吸着し、ほぼ1分子層の厚さのTMA層が形成される。
図22(A)の状態では、前記導管207bに設けられた可変コンダクタンスバルブ15Cは開放されており、その結果、前記リモートラジカル源62で形成された酸素ラジカルは、前記反応容器202に導入されることはなく、前記可変コンダクタンスバルブ15Cを通って排出される。
一方図22(B)の状態では、前記処理ガス導入口13AへのTMAの供給は切換えバルブ16Aにより遮断され、さらに前記可変コンダクタンスバルブ15Cを閉鎖、高速ロータリバルブ25Bを開放することにより、前記反応容器202内に前記リモートラジカル源62で形成された酸素ラジカルO*が、前記排気口26Bを通って逆流する形で供給される。その際、図22(B)の状態では前記高速ロータリバルブ25Aも開放されており、その結果このようにして導入された酸素ラジカルO*は前記反応容器202内を前記回動されている被処理基板の表面に沿って流れ、前記基板表面に吸着しているTMA分子を酸化し、1分子層のAl23膜を形成する。
図22(B)の工程の後、さらに図22(A)の工程に戻り、図22(A)および図22(B)の工程を交互に繰り返すことにより、Al23膜を被処理基板上に1分子層づつ成長させることができる。
このように本実施例では、TMA分子の酸化にH2Oの代わりに酸素ラジカルを使う。これに伴い、H2Oを導入する処理ガス供給口13Bおよび切換えバルブ16Bは使っていない。その結果、反応容器202の内壁や切換えバルブ16BにおけるH2O分子の付着の問題が生じることがなく、図22(B)の状態から図22(A)の状態への切換えの際のパージ工程を迅速に行うことが可能になる。
特に前記排気口26Aおよび26Bに先に説明した高速ロータリバルブ25A,25Bを使うことにより、前記リモートラジカル源62を前記排気口26Bの近傍に設けることが可能になり、酸素ラジカルを効率よく反応容器202内に導入することが可能になる。本実施例では、リモートラジカル源62は扁平な処理容器201あるいはその内部の反応容器202に直接に設ける必要がないため、設計が容易である。
図23は、図22(A),(B)の工程を含む、図19の基板処理装置60により基板処理工程を示すフローチャートである。
図23を参照するに、ステップS30において前記高速ロータリバルブ25A,25Bが全開され、さらに前記処理ガス導入口13AよりArガスを導入することにより、前記反応容器202の内部がパージされる。この工程では反応容器202から排出される残留処理ガスが前記リモートプラズマ源62に侵入して堆積を生じるのを防止するため、前記バルブ61は、図24(A)に示すように閉鎖しておいてもよい。ただし、前記残留処理ガスの侵入が少ない場合には、図24(B)に示すように前記ステップS30のパージ工程において前記バルブ61を開放しておくことも可能である。この場合には、リモートプラズマ源62内の圧力が安定し、プラズマを安定させることができる。
次に図22(A)の工程に対応するステップS31において前記ロータリバルブ25Bが閉鎖され、前記ロータリバルブ25Aの弁解度を6mmに設定する。この状態で前記処理ガス導入口13AよりTMAを導入することにより、前記被処理基板の表面に、一様に、ほぼ1分子層の厚さのTMA分子層を吸着させる。
次にステップS32において前記高速ロータリバルブ25A,25Bが再び全開され、前記反応容器202中に残留しているTMAがパージされる。この段階でも、前記リモートプラズマ源62のバルブ61は前記図24(A)に示すように閉鎖しておいてもよい。ただし、前記残留処理ガスの侵入が少ない場合には、図24(B)に示すように前記ステップS30のパージ工程において前記バルブ61を開放しておくことも可能である。この場合には、リモートプラズマ源62内の圧力が安定し、プラズマを安定させることができる。
さらに図22(B)の工程に対応するステップS33において前記高速ロータリバルブ25Aおよび25Bが開放され、さらに処理ガス導入口13AよりのTMAの導入を遮断する。さらに前記可変コンダクタンスバルブ15Cを閉鎖しバルブ61を開放することにより、前記反応容器202中に酸素ラジカルを導入し、先に被処理基板表面に吸着しているTMA分子層を酸化する。その結果、前記被処理基板表面に1分子層の厚さのAl23膜が形成される。
さらにステップS34において前記高速ロータリバルブ25A,25Bが全開され、前記処理ガス導入口13AよりArガスを導入しながら前記反応容器202がパージされる。ただしステップ34において前記可変コンダクタンスバルブ15Cは開放された状態にある。
ステップS34は先のステップS30と同じ工程であり、従って、続くステップ31〜34を繰り返すことにより、前記被処理基板表面に1分子層ずつAl23膜を成長することが可能である。
本実施例によれば、TMA分子層の酸化に酸素ラジカルを使うことにより、前記ステップS10、すなわちステップS34におけるパージ時間を短縮でき、基板処理効率を向上させることができる。
なお、本発明において、形成される膜はAl23膜に限定されるものではなく、ZrCl4ガスを使うことにより、ZrO2膜が、またHfCl4ガスを使うことによりHfO2膜が形成可能である。
さらに、前記リモートプラズマ源62は、窒素ガスを供給されて窒素ラジカルを形成することも可能である。
本実施例では、前記リモートプラズマ源62を排気系の一部に設けることにより、処理ガスを導入して被処理基板表面を処理ガス分子で覆う、図23のステップS11のような工程においてリモートプラズマ源62を連続的に運転している場合でも反応容器202内へのラジカルの侵入が生じないため、前記リモートプラズマ源62をオンオフ制御する必要がなく、基板処理装置を短いサイクルで運転した場合でも安定したプラズマ供給が可能である。このため図5の基板処理装置は大きなスループットでいわゆる原子層CVDプロセスを行うことが可能である。
図25(A)は、前記図23のステップS31において、TMAなどの処理ガスの供給を、前記処理ガス導入口13Aに対向する処理ガス導入口13Bから行う場合を示す。
この場合には、前記バルブ16Bから処理ガス導入口13Bを介して導入された処理ガスは前記処理容器202中を処理ガス導入口13Aの方向へと流れ、全開状態の高速ロータリバルブ25Aを介して排気導管207bへと排気される。その際、前記導管207bに設けられた可変コンダクタンスバルブ15Cも全開されており、その結果、処理ガスはバルブ15Cを通って排気される。
図25(A)の状態では、高濃度の処理ガスが前記導管207bを流れるので、前記リモートプラズマ源62のバルブ61は閉鎖しておく必要がある。さもないと、導管207b中においてTMAなどの処理ガスが酸素ラジカルで酸化され、堆積が生じてしまう。
図25(B)の状態は、図23のステップS33に対応する酸化処理工程であり、図22(B)の場合と同様に、酸素ラジカルが前記リモートラジカル源62から全開されている高速ロータリバルブ25Bを通って処理容器202内に導入され、さらに前記被処理基板の表面に沿って流れた後、全開されている高速ロータリバルブ25Aを通って排気される。この状態では前記可変コンダクタンス弁15Cは閉鎖されている。

[第3実施例]
図26は本発明の第3実施例による基板処理装置80の構成を示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。図26は前記試料保持台203が処理位置まで持ち上げられた状態を示す。図26の構成では基板搬送部204Aが高速ロータリバルブ25Aと25Bの中間に位置するように設けられている。
図26を参照するに、基板処理装置80は先に説明した基板処理装置40に略対応した構成を有しているが、本実施例では石英反応容器202が被処理基板12に対応する部分において被処理基板12の表面に近接し、被処理基板12と石英反応容器202との間に高さの低い、扁平なガス通路が形成される。また、かかる石英反応容器202の形状に対応して、前記カバープレート201Aも中央部の厚さが増大した形状に形成されている。このように被処理基板12の表面に非常に扁平で高さの低いガス通路を形成することにより、被処理基板12表面を層流として通過するガスの流速が増大し、その結果、被処理基板12表面における気相原料分子の一様な吸着が保証される。また処理容器201内の実効的な容積が減少するためパージ効率が向上し、短時間に処理ガスを切り替えながら、原子層CVDプロセスを効率よく実行することが可能になる。
また図26の基板処理装置80では処理ガス導入口13A,13Bの代わりに、高速ロータリバルブ25A,25Bの内側、すなわち被処理基板12に近い側にバーズビーク状の処理ガス導入口83A,83Bが設けられており、さらに前記カバープレート201A上にはリモートプラズマ源82が設けられている。前記リモートプラズマ源82は以下に説明するように導管85Aにより前記高速ロータリバルブ25Bに結合されており、形成された酸素ラジカルあるいは窒素ラジカルを、前記反応容器202中の処理空間に導入する。このためバルブ25Bは排気口255が排気管207bに接続されるとともに、前記導管85Aが結合される導入口26Cがさらに形成されている。
前記ロータリバルブ25Aは排気口26Aが前記反応容器202の側部に結合され、以下に説明するように弁体252の回動に応じて前記反応容器202内部の処理空間を排気する。同様にロータリバルブ25Bは排気口26Bが反応容器202の側部に結合されており、弁体252の回動に応じて反応容器202内部の処理空間を排気する。
また図26の基板処理装置80では、高速ロータリバルブ25Aの内部に処理ガス導入管25aがバルブ25Aの回転軸に沿って形成されており、前記処理ガス導入管25aは図7の切替バルブ16Bに接続されている。
図27は、図26の基板処理装置80の状態1においてなされる吸着工程を示す。
図27を参照するに、高速ロータリバルブ25A,25Bは弁体252C中に先に説明したバルブ開口部252Aおよびバルブ開口部252Bの他に、別の大きなバルブ開口部252Cを有しており、バルブ25Aでは前記開口部252A〜252Cは時計回りに、またバルブ25Bでは前記開口部252A〜252Cは反時計回りに形成されている。なお、本実施例では開口部252Bおよび252Cはいずれも図11(A)に示した開口部252Aと同様な、弁体252の軸方向に延在する細長い形状を有する。
図27の状態1では、高速ロータリバルブ25Bは前記大きな開口部252Bが排気口255に整合するように回転されており、この状態では別の大きな開口部252Cが石英反応容器202中の処理空間に連通する排気口26Bに整合している。従って前記処理空間は開口部252Cおよび252Bを介して排気管207bへと排気される。またこの状態ではバルブ25Bのリモートプラズマ源85への連通は遮断されており、また処理ガス導入口83Aへの連通も遮断されている。
図27の状態1ではさらに前記高速ロータリバルブ25Aが、前記大きい開口部252Aが処理ガス導入口83Bに整合するように回転され、さらに切替バルブ16BよりTMAなどの処理ガスを前記処理ガス導入管25aを介して前記バルブ25A中の空間に導入する。このようにして導入された処理ガスは、前記開口部252Aおよび処理ガス導入口83Bを通って石英処理容器222内の処理空間に導入され、処理ガスが前記排気口26Bおよびバルブ25Bを通って排出されるまでの間に、処理ガス中の原料分子が被処理基板12の表面に吸着される。
図28は、図27の工程に引き続いて行われる排気工程における基板処理装置80の状態2を示す。
図28を参照するに、高速ロータリバルブ25Bは大きなバルブ開口部252Cが前記排気口26Bに整合するように回転されており、この状態で別の大きなバルブ開口部252Bが排気口255に整合する。また高速ロータリバルブ25Aでも同様の状態が生じており、その結果、石英反応容器202内部の処理空間が前記高速ロータリバルブ25Aおよび25Bを介して速やかに排気される。
図29は図28の排気工程における、高速ロータリバルブ25B近傍の様子を拡大して示す。
図29を参照するに、本実施例では先に説明したように処理ガス導入口83Aが高速ロータリバルブ25Bよりも被処理基板12に近い位置に形成されている。このため、図28の排気工程では処理ガス導入口83Aは高速ロータリバルブ25Bに対し、排気されるガス流の上流側に位置し、ガス流は排気口26へとバーズビーク状の処理ガス導入口83Aに沿って流れ、バルブ開口部252Cを通ってバルブ25B中に流入する。このためガス導入口背後の破線で示した領域において生じやすかったガスの滞留が一掃され、反応容器202内部を効率的に排気することが可能になる。
図28,29の排気工程の後、基板処理装置80の状態3において図30に示す酸化処理工程が行われる。
図30を参照するに、酸化処理工程では前記リモートプラズマ源85にArガスと酸素ガスとが供給され、さらに例えば400kHzの高周波でこれを励起することにより、酸素ラジカルO*が形成される。さらに図30の工程では前記高速ロータリバルブ25Bが、バルブ開口部252Bが前記開口部26Cに整合するように回転され、この状態において前記バルブ開口部252Aが排気口26Bに整合する。
その結果、前記リモートプラズマ源85で励起された酸素ラジカルO*は前記バルブ開口部252Aおよび排気口26Bを逆方向に通って石英処理容器202中の処理空間に導入される。その際、前記高速ロータリバルブ25Aは図28と同じ排気位置に設定されており、その結果、前記高速ロータリバルブ25Bおよび処理ガス導入口83Aを通って導入された酸素ラジカルは処理容器202中を被処理基板12の表面に沿って高速ロータリバルブ25Aの排気口26Aへと流れ、その間に先に被処理基板12上に吸着した原料分子を酸化する。その際、前記バルブ開口部252Aを大面積の開口部としておき、前記排気口26Bを介してラジカルを導入することにより、ラジカル寿命の低減を回避することができる。
さらに図30の工程の後に図28の排気工程を行ない、図27の吸着工程、図28の排気工程、図30の酸化工程および図28の排気工程を繰り返すことにより、被処理基板12の表面に金属酸化物などよりなる高誘電体膜が1分子層ずつ積層される。
図31は、図26の基板処理装置80を使った基板処理工程の例を示す。
図31を参照するに、ステップ41において基板処理装置80は図28の状態2に設定され、反応容器202内部の処理空間が排気される。またその際、処理ガス導入口83AからArパージガスを導入することにより、処理ガス導入口83Aおよび前記処理空間のパージが行われる。
次にステップ42の工程において基板処理装置80は図27の状態1に設定され、反応容器202内に処理ガス導入口83BからTMAなどの処理ガスが導入され、被処理基板12上に原料分子の吸着が生じる。
次にステップ43の工程において基板処理装置80は図28の状態2の戻され、前記反応容器202内部の処理空間が排気される。その際、ステップ43の工程では前記処理ガス導入口83BからArパージガスが導入され、処理ガス導入口83Bおよび処理空間のパージが行われる。
次にステップ44の工程において基板処理装置80は図30の状態3に設定され、前記ラジカル源85で形成された酸素ラジカルなどのラジカルが、前記高速ロータリバルブ25Bおよび排気口26Bを経て前記処理空間に導入され、先に前記被処理基板12上に吸着していた原料分子を酸化する。
さらにプロセスはステップ41に戻り、ステップ42〜44を繰り返すことにより、前記被処理基板12の表面に1分子層ずつ、Al23膜が形成される。
図32は以上に説明した本実施例による基板処理装置80の、カバープレート201Aを開いた状態における部分切載断面図である。
図32を参照するに高速ロータリバルブ25A中にはガス導入管25aが軸方向に延在しており、また開口部26Cは前記導管85Aの形状に対応して略円形形状を有しているが、バルブ開口部252A,252Bあるいは252Cは弁体252の軸方向に延在する細長い形状を有するのがわかる。また前記ガス導入管25aの端部には原料ガス配管の接続部25a1が設けられており、さらに前記バルブ25A,25Bのいずれにおいても弁体252はモータ253により九度されるのがわかる。
図32に示すようにカバープレート201Aは図示されていない支点により開閉自在に設けられているが、このように構成することにより、基板処理装置80ではメンテナンスが容易になる。

[第4参考例]
図33は本発明の第4参考例による基板処理装置90の構成を、また図34は図33の基板処理装置90で使われる処理ガス導入口の構成を示す。ただし図33,34中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。図33は、基板保持台203が基板搬入・搬出口204Aに対応する位置まで下げられており、さらに被処理基板12がリフタピン204Bにより持ち上げられた状態を示している。
図33を参照するに、基板処理装置90は先の実施例による基板処理装置80と同様な構成を有するが、図34に示すように処理ガス導入口83A,83Bに原料ガスラインがバルブを介して接続される。例えば処理ガス導入口83Aの場合、図1においてライン23aおよびバルブ24Aを介して供給されるArパージガスとライン16aおよびバルブ19Aを介して供給されるZrCl2やTMAなどの原料ガスが、切替バルブ16Aを介して供給されており、またライン23cおよびバルブ24Cを介して供給されるArパージガスとライン16cおよびバルブ19Cを介して供給されるZrCl2やTMAなどの原料ガスが、切替バルブ16Cを介して供給されている。
また図33の基板処理装置90では基板処理装置80で使われたリモートプラズマ源85は設けられていない。
図35(A)は、図33の基板処理装置90で使われる高速ロータリバルブ25A,25Bの構成、特にそれぞれのバルブで使われる弁体252の構成を詳細に示す。
図35(A)を参照するに、高速ロータリバルブ25A,25Bには先に説明したバルブ開口部252A,252Bに対応するバルブ開口部(1)〜(3)が形成されており、図35(B)はバルブ25Aにおける前記バルブ開口部(1)〜(3)を形成された弁体252の展開図を示す。また同様に図35(C)はバルブ25Bにおける前記バルブ開口部(1)〜(3)を形成された弁体252の展開図を示す。
図35(B),(C)を参照するに、バルブ25Bの開口部(1)〜(3)は図35(A)の状態において、開口部(1)が処理容器22内の処理空間と連通するように、また開口部(2)が処理ガス導入口83Aに連通するように、開口部(3)が排気口255を介して排気管207aに連通するように、位置および幅が設定されており、バルブ25Aにおいても開口部(1)〜(3)が同様に形成されている。
本参考例では、前記ライン16aおよびバルブ19Aを介して処理ガス導入口83Aはオゾンガス(O3)が供給され、さらにライン16bおよびバルブ19Bを介して処理ガス導入口83Bに、例えばHf[N(C2524あるいはHf[N(CH324などのHf有機金属原料が供給される。
次に図33の基板処理装置90を使って行う基板処理工程の例を、図36(A)〜(D)および図37(E)〜(H)を参照しながら説明する。
図36(A)の工程では前記高速ロータリバルブ25A,25Bは図35(A)の状態に設定され、その結果、前記石英処理容器202内部の処理空間が、バルブ25A,25Bのいずれにおいても開口部(1)および(3)を通る経路により排気管270aあるいは207bへと排気される。また図36(A)の状態ではバルブ25A,25Bのいずれにおいても開口部(2)が処理ガス導入口83Aあるいは83Bに整合し、その結果、処理ガス導入口83A,83Bも開口部(3)および排気管207aあるいは207bを通って排気される。
次に図36(B)の工程では高速ロータリバルブ25Bの状態が図36(A)のまま、前記高速ロータリバルブ25Aの弁体252が、前記開口部(1)が排気管207aに連通するが開口部(2)〜(3)のいずれも前記処理空間あるいは処理ガス導入口83Bに連通しない位置に回転され、さらにバルブ19Bが開かれ、ライン16b中の有機金属Hf原料が前記処理ガス導入口83Bを介して前記処理空間中に導入される。導入された有機金属Hf原料は前記処理空間中を被処理基板12の表面に沿って流れ、被処理基板12表面に吸着される。
次に図36(C)の工程において、前記高速ロータリバルブ25A中の弁体252の位置をそのままに、前記高速ロータリバルブ25B中の弁体252が図36(A)の位置に戻され、処理容器202内部の処理空間が排気管207bへと排気される。また図36(C)の工程ではバルブ24Bが開かれ、ライン23b中のArパージガスが前記処理ガス導入口83Bへと導入され、その結果、処理ガス導入口83Bがパージされる。
さらに図36(D)の工程において前記高速ロータリバルブ25A中の弁体252が、図36(A)の状態に戻され、処理容器202内部の処理空間が、高速ロータリバルブ25Aの開口部(1),(2)および(3)を通って排気管207aへと排気される。また図35(D)の工程ではバルブ24Aが開かれ、ライン23a中のArパージガスが前記処理ガス導入口83Aへと導入され、その結果、処理ガス導入口83Aがパージされる。
次に図37(E)の工程において前記高速ロータリバルブ25A,25B中の弁体252がいずれも図36(A)の状態に戻され、前記処理容器202内部の処理空間が排気される。
次に図37(F)の工程において前記高速ロータリバルブ25Aの弁体252は図37(E)の状態のまま、前記高速ロータリバルブ25B中の弁体252が図36(D)と同じ位置に回転され、さらにバルブ19Aが開かれ、ライン16a中のオゾンガスが前記処理ガス導入口83Aを介して前記処理空間中に導入される。導入されたオゾンガスは前記処理空間中を被処理基板12の表面に沿って流れ、被処理基板12表面に吸着された有機金属Hf原料分子を酸化し、1分子層の厚さのHfO2膜を形成する。
次に図37(G)の工程において、前記高速ロータリバルブ25Aおよび25B中の弁体252の位置をそのままに保持し、前記処理容器202内部の処理空間が排気管207aへと排気される。また図37(G)の工程ではバルブ24Aが開かれ、ライン23a中のArパージガスが前記処理ガス導入口83Aへと導入され、その結果、処理ガス導入口83Aがパージされる。
さらに図37(H)の工程において前記高速ロータリバルブ25A中の弁体252が図36(A)の状態に戻され、前記前記開口部(1)が排気管207bに連通し開口部(2)が処理ガス導入口83Aに連通し開口部(3)が処理空間に連通する。その結果、処理容器202内部の処理空間が開口部(2)あるいは(3)から開口部(1)を経て排気管207bへと排気される。また図37(H)の工程ではバルブ24Bが開かれ、ライン23b中のArパージガスが前記処理ガス導入口83Bへと導入され、その結果、処理ガス導入口83Bがパージされる。
さらに図36(A)〜図37(H)の工程を繰り返すことにより、被処理基板12上にHfO2膜の原子層成長が実現される。
なお、本参考例において図36(B)の工程の後、図37(F)の工程の前までに、図38(A)に示すノズルパージ工程を行ってもよい。また図37(F)の工程の後、次のサイクルにおける図36(B)の工程の前までに、図38(B)に示すノズルパージ工程を行ってもよい。
図38(A)を参照するに、高速ロータリバルブ25Bにおいては弁体252が、開口部(1)〜(3)のいずれもが処理容器202中の処理空間に連通しない位置に回転されており、さらに高速ロータリバルブ25Aにおいては弁体252が図36(A)の位置に設定されている。
この状態において前記バルブ24Bを開くとパージライン23b中のArガスが処理ガス導入口83Bに導入されるが、導入されたArガスは高速ロータリバルブ25Aの作用により処理ガス導入口83B中を、処理ガス導入口83B中における通常のガス流れ方向とは逆の方向に流れ、前記開口部(2)および(3)を通って排気管207aへと排出される。
また図38(B)の例では高速ロータリバルブ25Aにおいて弁体252が、開口部(1)〜(3)のいずれもが処理容器202中の処理空間に連通しない位置に回転されており、さらに高速ロータリバルブ25Bにおいて弁体252が図36(A)の位置に設定されている。
この状態においてバルブ24Aを開くとパージライン23a中のArガスが処理ガス導入口83Aに導入されるが、導入されたArガスは高速ロータリバルブ25Bの作用により処理ガス導入口83A中を、処理ガス導入口83A中における通常のガス流れ方向とは逆の方向に流れ、前記開口部(2)および(3)を通って排気管207bへと排出される。
図39は、図38(A),(B)における処理ガス導入口83Aあるいは83Bのパージ工程の特徴を示す図である。
図39を参照するに、処理ガス導入口83A中を通常のガス流れ方向と逆方向にパージガスを流すことにより、パージガスはコンダクタンスの小さい領域から大きな領域へと流れ、その結果、前記処理ガス導入口83Aは効率的にパージされる。図39中、小さな矢印はコンダクタンスの小さい領域を、大きな矢印はコンダクタンスの大きな領域を概略的に示している。
なお、図39に示すノズル逆パージ工程は、例えば図36(C)の工程において処理ガス導入口83Aについてバルブ24Aを開き、Arガスを導入することによっても行うことができる。同様に図39のノズル逆パージ工程は、図37(G)の工程において処理ガス導入口83Bについてバルブ24Bを開き、Arガスを導入することによっても行うことができる。

[第4実施例]
図40(A)〜(C)は、本発明の第4実施例による基板処理装置120の概略的構成を示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図40(A)を参照するに、基板処理装置120は先に説明した基板処理装置100と類似した構成を有するが、図27の基板処理装置80で説明したリモートプラズマ源85が高速ロータリバルブ25Aに、導管85Aを介して結合されている点で相違している。図27あるいは32の実施例と同様に、リモートプラズマ源85は開閉自在なカバープレート201A上に設けられており、バルブ86Aを介してライン86aよりArガスが、またバルブ86Bを介してライン86bより酸素ガスが供給される。また本実施例ではライン16aからバルブ19Aを介して、前記処理ガス供給口83Aに、オゾンガスの代わりに有機金属Hf原料が供給される。
図40(A)に示すように、高速ロータリバルブ25A,25Bにおいてはそれぞれの弁体252上にバルブ開口部252A,252Bとして図40(B)あるいは図40(C)の展開図に詳細に示す開口部(1)〜(3)が形成されている。より具体的に説明すると、高速ロータリバルブ25Bに対応する図40(B)の展開図では前記開口部(1)〜(3)は、前記開口部(1)が前記処理容器202の端部に連通している状態で前記開口部(2)が前記ガスノズル83Aに連通し、また前記開口部(3)が排気管207bに連通するように形成されている。なお、図示の例では前記開口部(3)は、円または楕円形の開口形状に形成されているが、これらの開口部(1)〜(3)全てをスリット形状とすることも可能である。
一方、前記高速ロータリバルブ25Aに対応する図40(C)の展開図では、前記開口部(1)〜(3)は前記ラジカル源85に連通可能である必要があり、このため配置が図40(B)のものとは多少異なっている。
すなわち図40(C)において前記開口部(1)〜(3)は、前記開口部(1)が高速ロータリバルブ25Aの側において前記処理容器202の端部に連通している状態で、前記開口部(2)が排気管207aに連通するように、また前記開口部(3)が前記処理容器202の端部に連通する状態で前記開口部(2)が前記ラジカル源85に連通するように形成されている。
本実施例ではガスノズル83Bには原料ガスのみが供給され、酸化ガスが供給されることはない。このため、先の参考例のようにガスノズル83Bを逆向きにパージする必要はない。しかし、開口部(1)の幅を大きく設定し、前記処理容器202の端部に前記開口部(1)が連通した場合に、前記開口部(1)が前記ガスノズル83Bにも連通するように構成することもできる。この状態では前記開口部(3)は前記排気管207aに連通する。なお、図40(C)の構成では、開口部(1)および(2)がスリット形状に、また開口部(3)が円もしくは楕円形状に形成されているが、開口部(1)〜(3)の全てをスリット形状に形成することも可能である。
以下、図40(A)〜(C)の基板処理装置120を使ったHfO2膜の形成工程について、図41(A)〜(D)および図42(E)〜(H)を参照しながら説明する。
図41(A)を参照するに、高速ロータリバルブ25A,25Bは先に図36Aで説明した位置にあり、処理容器202内の処理空間が排気される。
次に図41(B)の工程において高速ロータリバルブ25Aを図41(A)の状態に保持したまま、前記高速ロータリバルブ25B内の弁体252が、前記開口部(1)が排気管207bに連通するが開口部(2)および(3)のいずれもが前記処理空間に連通しない位置に回動される。この状態で前記バルブ19Aが開かれ、前記処理空間内に前記処理ガス導入口83Aから有機金属Hf原料が導入される。
このようにして導入された有機金属Hf原料は前記処理空間中を被処理基板12の表面に沿って高速ロータリバルブ25Aへと流れ、有機金属Hf原料分子が被処理基板12の表面に吸着される。過剰の原料ガスは、前記高速ロータリバルブ25Aの開口部(1)から開口部(2)を経て排気管207aに排気される。
次に図41(C)の工程において前記高速ロータリバルブ25Aを図41(A),(B)の状態に保持したまま、また高速ロータリバルブ25Bの状態もそのままに保持したまま、前記バルブ19Aが閉じられバルブ24Aが開かれる。その結果、前記処理ガス導入口83Aにはライン23a中のArガスが導入され、導入されたArガスは前記処理空間中を被処理基板12の表面に沿って高速ロータリバルブ25Aへと流れ、バルブ25Aの開口部(1)から開口部(2)を経て排気口207aへと排出される。これにより、処理ガス導入口83Aがパージされる。
次に図41(D)の工程において高速ロータリバルブ25Bが図41(A)の状態に戻され、さらに高速ロータリバルブ25A中の弁体252が、前記弁体上に形成された開口部(1)が排気口255を介して排気管207aに連通するように、また開口部(3)がリモートプラズマ源85の導管85Aに連通するように回転される。また同時にバルブ86Aが開かれ、ライン86a中のArガスがリモートプラズマ源85に供給される。
さらに図41(D)の工程ではバルブ24Bも開かれ、パージライン24b中のArガスが処理ガス供給口83Bに供給され、処理ガス供給口83Bのパージが行われる。処理ガス導入口83Bより導入されたArガスは前記処理空間中を高速ロータリバルブ25Bへと流れ、開口部(1)あるいは開口部(2)から開口部(3)を通って排気管207bへと排出される。
次に図42(E)の工程において前記高速ロータリバルブ25Bの状態はそのままに、高速ロータリバルブ25A中の弁体252が、弁体252上に形成されている開口部(2)がリモートプラズマ源85の導管85Aに連通するように、また開口部(3)が前記処理空間に連通するように回転される。その結果、前記リモートプラズマ源85で活性化されたArラジカルを含むArガスが、前記開口部(2)および(3)を通過し、前記処理空間中に導入される。
次に図42(F)の工程において高速ロータリバルブ25Bの状態はそのままに、また高速ロータリバルブ25Aもそのままの状態で、バルブ86Aの他にバルブ86Bが開かれ、ライン86b中の酸素ガスがライン86a中のArガスと共にリモートプラズマ源85に導入され、活性化される。前記リモートプラズマ源85における酸素ガスの活性化の結果、リモートプラズマ源85においては酸素ラジカルO*が形成され、形成された酸素ラジカルO*は前記高速ロータリバルブ25Aにおいて開口部(2)から開口部(3)を通って前記処理空間内に導入される。形成された酸素ラジカルO*は被処理基板12の表面に沿って流れ、基板12の表面に吸着している原料分子を酸化する。その結果、前記被処理基板12の表面には、1分子層のHfO2膜が形成される。
次に図42(G)の工程において高速ロータリバルブ25A,25Bの状態はそのままに、前記バルブ86Bが閉じられ、プラズマ源85が停止され、Arガスを所定時間流した後バルブ86Aも閉じられる。
さらに図42(H)の工程において高速ロータリバルブ25Aの状態が図41(A)の状態に戻され、さらに高速ロータリバルブ25Bを図41(B)の状態に設定する。さらにこの状態においてバルブ24Aを開くことにより処理ガス導入口83AにArガスをパージライン23aから導入し、処理ガス導入口83Aのパージを行う。
さらに図41(A)〜図42(H)の工程を繰り返すことにより、被処理基板12の表面に1分子層ずつ、HfO2膜が形成される。
本実施例によれば、被処理基板上に吸着しているHfなどの有機金属原料分子を強い酸化力を有する酸素ラジカルにより酸化することにより、形成される膜中へのCの混入を1%以下に抑制することができる。またH2OやO2など他の酸化剤を使った場合よりも酸化剤の処理容器202表面への付着を抑制でき、簡単なパージにより効果的な処理ガスの入れ替えが可能になる。その結果、ALD工程の処理スループットが向上する。また原料分子の酸化に酸素ラジカルを使うため、酸化処理に要する時間を短縮でき、基板処理スループットをさらに向上させることができる。
また本実施例においても、先に図39で説明したノズル逆パージ工程を行うことができる。

[第5実施例]
図43は本発明の第5実施例による基板処理装置140の構成を示す。ただし図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図43を参照するに、基板処理装置140は先に図7で説明した基板処理装置40と類似した構成を有するが、処理ガス導入口13A,13Bの代わりに図44に示す石英製のノズル143A,143Bを有する。また前記カバープレート201Aには前記石英製ノズル143Aに対応して石英窓144を有する開口部201aが形成されており、前記カバープレート201A上には前記開口部201aに対応して紫外光源145が形成されている。
図44を参照するに、石英ノズル143A,143Bは先端部が扁平な形状を有し、ガス吐出側のスリット状開口部に向かって次第にコンダクタンスが減少する特性を有している。このような構成のノズルを使うことにより、処理ガスが所望のシート状の均一な層流の形で処理空間に供給される。この構造は基本的にはバーズビーク型ガスノズルと称されるものであり、ガスノズル内の空間は一体化した空間となっており、ガス吐出方向の断面積のみが、吐出側に向かって縮小される特徴を有している。
そこで図43の構成において前記石英ノズル143Aに酸素ガスを供給し、この状態で前記紫外光源145を駆動すると前記石英ノズル143A中の処理ガスが励起され、酸素ラジカルO*が形成される。
そこでこのようにして形成された酸素ラジカルO*により被処理基板12の表面に吸着している有機金属Hfなどの原料分子を酸化することにより、Cの混入の少ない高品質の膜を1分子層の厚さに形成することが可能になる。
なお図44の石英ノズル143A,143Bにおいて内部のガス通路にホットフィラメントを設けることにより、あるいは内部のガス通路壁面にAl23膜あるいはTiO2膜を被覆することにより、ラジカルの励起を促進することも可能である。

[第6実施例]
次に図26の基板処理装置80において前記石英反応容器202と底板202A、従って被処理基板12表面との間のギャップGを最適化した、本発明の第6実施例による基板処理装置150について、図46を参照しながら説明する。
図46を参照するに、本実施例は、前記ギャップGを最適化することにより、前記石英反応容器202内の処理空間に供給される原料ガスの利用効率を最適化し、もって基板処理装置の運転費用を低減することを課題とする。
図47は、図46の基板処理装置150のうち、石英反応容器202と基板12とを含む部分を拡大して示す。ただし図46,47は、前記被処理基板12の表面が石英底板202Aと同一面をなす処理位置に位置した状態を示している。
図47を参照するに、このような構造において前記石英反応容器202と被処理基板12との間の狭い空間を、前記ノズル83Aから供給されるTMAなどの処理ガス流Fを通過させた場合、前記処理基板12の表面および石英反応容器202の表面には境界層Bが形成され、処理ガス流F中をキャリアガスに乗って輸送されているTMA分子などの処理ガス分子は、かかる境界層B中を拡散することで前記基板12の表面に到達する。
このような境界層Bの厚さδは前記TMAガス流Fの流速によって変化し、厚さδは流速が減少すると増大し、流速が増大すると減少する。前記境界層Bの厚さδが減少すると、前記TMAガス流Fから放出されたTMA分子が前記境界層B中を拡散して被処理基板12の表面に到達するまでの時間が短縮され、所定時間により多くのTMA分子が被処理基板12の表面に到達することになる。その結果、原料の利用効率が向上する。
このようなTMAガス流Fの流速は、前記プロセス空間の高さ、すなわち前記ギャップGを減少させることにより増大させることができる。
図48は、このようなギャップGと、前記被処理基板12の表面がTMA分子で飽和するまでのTMAガス供給時間との関係を示す。ただし図48中、横軸は前記石英反応容器202内の処理空間の容積を示しているが、前記処理空間の径は同一に維持されるので、前記処理空間の容積は前記キャップGに対応する。一方図48中、縦軸は被処理基板表面が吸着したTMA分子で飽和するまでのTMAガスの供給時間を示しており、この値が小さい程、短時間で飽和吸着が実現され、また供給したTMAガスのうち基板表面に吸着したものの割合を示す吸着率が増大する。
図48はTMAのバブラ温度を25℃、蒸気圧を1.5kPa(11Torr)に設定した場合のシミュレーション結果であるが、ギャップGが40mmの場合にTMA分子の吸着率は13%であるのに対し、ギャップGが20mmの場合には吸着率は14%に向上するのがわかる。さらに前記ギャップGが8mmまで減少した場合、吸着率は30%にまで向上する。図48中、(1)は被処理基板12に吸着されるTMA分子の割合を、(2)は被処理基板12に吸着されずに排出されるTMA分子の割合を示している。
このように、前記ギャップGを減少させることにより前記プロセス空間において被処理基板12の表面に形成される境界層Bの厚さδが減少し、吸着率が向上することで成膜工程の際の原料ガスの利用効率が向上することが確認される。
一方、前記ギャップGをさらに減少させ、0.5〜1.0mm程度に設定した場合には、真空排気性能が十分に高い場合には、原料ガスの流速が音速に達するので、それ以上の高速化を達成できなくなる。あるいは、真空排気性能が不足する場合には同様に、ガス流速は減少することになる。従って、真空排気性能に依存するものの、0.5〜1.0mm程度までのギャップの縮小に対しては、通常、原料ガスの流速の増加があるので、境界層の幅が短縮し、この結果、原料ガスの拡散が増加し、吸着される効率が増大する。一方,これ以上のギャップの縮小は、このような原料の利用効率の改善を得られることはできない。
このような状況から、前記扁平なプロセス空間の高さGは、0.5〜8mm、より好ましくは0.5〜3.5mmの範囲に設定するのが好ましいと考えられる。

[第5参考例]
図49(A),(B)は、図33の基板処理装置90で使われる処理ガス導入口83B近傍の構成を詳細に示す。なお、同様な構成は、処理ガス導入口83Aについても使われるが、処理ガス導入口83Aについての説明は省略する。
図49(A)を参照するに、処理ガス導入口83Aは高速ロータリバルブ25Aに、処理容器の一部に形成された円筒形状の空間83Cを介して連通しており、前記円筒形状の空間83Cには、図49(B)に示すように多数の微細な開口部83dを形成されたパイプ83Dが挿入されている。
前記パイプ83D中には、バルブ19Bあるいは24Bを介してパージガスあるいは原料ガスが供給されるが、供給されたガスは前記開口部83dから前記空間83C中に流出し、流出したガスは、前記空間83Cから前記バーズビーク状のノズル83Bから前記石英反応容器202内のプロセス空間中に、層流となって供給される。
図50は、図49Aの構成の平面図である。
図50を参照するに、前記開口部83dは前記パイプ83D中、前記ノズル83Bとは反対の方向に形成されており、その結果、前記開口部83dを通って流出したガスは、前記円筒形状空間83C中において均一化され、前記ノズル83Bからは、パイプ83Dの軸方向に流量の変動のない、一様な層流が得られる。
以上の説明では本発明をHfO2膜あるいはAl23膜の形成を例に説明したが、本発明はかかる特定の系の成膜に限定されるものではなく、ZrO2膜、HfSiO4膜、ZrSiO4膜、Ta25膜等、様々な膜の形成に適用が可能である。
また、以上に説明した本発明の基板処理装置および処理方法は、被処理基板表面に膜を1分子層ずつ積層するいわゆるALDプロセスにおいて非常に有用であるが、MOCVD法などの原子層成長に限定されない成膜プロセスに対しても有効である。
なお、以上に説明した高速ロータリバルブ25A,25Bを有する基板処理装置を運転する場合、一のロットの作業と次のロットの作業との間に、通常は5分以上の待機時間が生じることがある。
先にも説明したように、高速ロータリバルブ25Aあるいは25Bでは弁体252は所定の角度範囲内、例えば0°から90°の範囲内において前後に高速で繰り返し回転されるため、軸受け部に非対称な磨耗が生じやすい。
この問題を回避するため、本発明の基板処理装置を運転する際には、前記待機時間の間、前記弁体252を、100RPM以下、好ましくは10RPM程度の低速で、連続的に回転させておくのが好ましい。
このような基板処理装置のアイドリング状態では、処理容器201内部は真空排気しておくのが好ましく、また基板保持台203は下降した搬送位置(ホームポジション)に保持しておくのが好ましい。また基板保持台203はプロセスの再開に備えて通常のプロセス実行温度、例えば400℃に保持し、前記処理容器201の内部にはパージガスを低流量で流しておくのが好ましい。
以上、本発明を好ましい実施例および参考例について説明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
従来のALD成膜装置の概要を示す図である。 図1のALD成膜装置で使われる処理容器の構成を示す図である。 図2の処理容器の一部を詳細に示す図である。 図1のALD装置を使って実行されるALDプロセスの例を示すフローチャートである。 図2の処理容器中で行われるALDプロセスを示す図である。 図2の処理容器中で行われるALDプロセスを示す別の図である。 本発明の第1参考例によるALD成膜装置で使われる処理容器の構成を示す図である。 図7の処理容器の構成を示す斜視図である。 (A),(B)は、図7の処理容器において使われる高速ロータリバルブの構成を示す斜視図である。 前記高速ロータリバルブの構成を示す分解図である。 (A)〜(D)は、前記高速ロータリバルブで使われる弁体の構成を示す図である。 (A),(B)は、前記高速ロータリバルブの動作を説明する図(その1)である。 (C),(D)は、前記高速ロータリバルブの動作を説明する図(その2)である。 本発明の第2参考例によるALD成膜装置の概要を示す図である。 図14のALD成膜装置を使った本発明の第2参考例によるALD成膜プロセスを示すフローチャートである。 本発明の高速ロータリバルブの動作特性を示す図である。 本発明の第3参考例によるALD成膜装置の構成を示す図である。 図17の成膜装置を使った本発明の第3参考例によるALD成膜プロセスを示す図である。 本発明の第1実施例によるALD成膜装置の構成を示す図である。 本発明の第1実施例による成膜装置のクリーニング方法を示すフローチャートである。 (A),(B)は、図20に対応する、本発明の第1実施例によるクリーニング工程を示す図である。 (A),(B)は本発明の第2実施例による成膜装置の構成および工程を示す図である。 図22の成膜装置を使った成膜工程を示すフローチャートである。 (A),(B)は、第2実施例の変形例を示す図である。 (A),(B)は、第2実施例の別の変形例を示す図である。 本発明の第3実施例による成膜装置の構成を示す図である。 図26の成膜装置を使った成膜工程を示す図である。 図26の成膜装置を使った成膜工程を示す別の図である。 図28の一部を拡大して示す図である。 図26の成膜装置を使った成膜工程を示すさらに別の図である。 図26の成膜装置を使った成膜工程を示すフローチャートである。 図26の成膜装置の全体を示す一部切載斜視図である。 本発明の第4参考例による成膜装置の構成を示す図である。 図33の成膜装置で使われる処理ガス導入口の構成を示す図である。 (A)〜(C)は、図33の成膜装置で使われる高速ロータリバルブを説明する図である。 (A)〜(D)は、図33の成膜装置を使って行われる成膜工程を示す図(その1)である。 (E)〜(H)は、図33の成膜装置を使って行われる成膜工程を示す図(その2)である。 (A),(B)は第4参考例の変形例を示す図である。 図38の変形例を説明する図である。 (A)〜(C)は、本発明の第4実施例による成膜装置の構成を示す図である。 (A)〜(D)は、図40の成膜装置を使って行われる成膜工程を示す図(その1)である。 (E)〜(H)は、図40の成膜装置を使って行われる成膜工程を示す図(その2)である。 本発明の第5実施例による成膜装置の構成を示す図である。 図43の実施例で使われるノズルの構成を示す図である。 本発明の高速ロータリバルブの動作特性例を示す図である。 本発明の第6実施例による成膜装置の構成を示す図である。 図46の成膜装置の動作を説明する図である。 図46の成膜装置の動作を説明する別の図である。 (A),(B)は、本発明の第5参考例による成膜装置の一部を示す図である。 本発明第5参考例による成膜装置の一部を示す別の図である。
符号の説明
10,40,50,60,80、90,120,140 基板処理装置
12 被処理基板
13A,13B,13C,13D,83A,83B,143A,143B 処理ガス導入口
14A,14B,14C,14D 排気口
16A,16B,16C 切替バルブ
15A,15B コンダクタンスバルブ
10A 制御装置
11 処理容器
11W 石英窓
16a 第1の処理ガス供給ライン
16b 第2の処理ガス供給ライン
16c 第3の処理ガス供給ライン
17A,17B,17C,21A,22A,21B,22B,21C,22C バルブ
18A,18B,18C,20a,20c 質量流量コントローラ
21a,21b,21c,23a,23b,23c,100a,100b パージライン
20A,20B,20C 原料容器
25A,25B 高速ロータリバルブ
26A,26B 排気口
83C 円筒形状空間
83D パイプ
83d 開口部
85 リモートプラズマ源
85A 導管
86A,86B バルブ
86a,86b ガスライン
100 トラップ
145 紫外光源
145A 石英窓
201 外側容器
201A カバープレート
201D 開口部
201a,201b 排気溝部
201d 石英ライナー
202 石英反応容器
202A 石英底板
202B 石英カバー
203 保持台
203A ガードリング
204 基板搬送部
204A 基板搬送口
204B 搬送アーム
205 軸受部
205A 磁気シール
205B 回動軸
206 ベローズ
207A,207B コンダクタンスバルブ
207a,207b 導管
251 バルブ本体
251A キャップ
251X 回動シャフト
252 弁体
252A,252B 開口部
252a 中間部
253 サーボモータ
254 温度制御機構
254A ヒータ
255 排気口

Claims (18)

  1. 被処理基板を保持する基板保持台を備えた処理容器と、
    前記処理容器中において前記基板保持台の第1の側に形成された処理ガス導入口と、
    前記処理容器の、前記基板保持台に対して前記第1の側とは異なる第2の側に形成されたラジカル源と、
    前記処理容器中において前記第1の側に形成された第1の排気口と、
    前記処理容器中において前記第2の側に形成された第2の排気口と、
    前記第1の排気口に第1の可変コンダクタンスバルブを介して結合され、前記第2の排気口に第2の可変コンダクタンスバルブを介して結合された排気系とよりなる基板処理装置。
  2. 前記ラジカル源に酸化処理ガスを供給し、酸素ラジカルを形成することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記ラジカル源への前記酸化処理ガスの供給が、前記処理ガス導入口から処理ガスが導入されている間は遮断されることを特徴とする請求項記載の基板処理装置。
  4. 前記処理ガス導入口より前記処理ガスが導入されている間は前記第1の可変コンダクタンスバルブは閉鎖され、前記第2の可変コンダクタンスバルブは所定の開度に設定され、前記ラジカル源に前記酸化処理ガスが供給されている間は、前記第1の可変弁コンダクタンスバルブは所定の開度に設定され前記第2の可変コンダクタンスバルブは閉鎖されることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  5. 前記ラジカル源はリモートラジカル源であることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  6. さらに前記被処理基板を回動させる回動機構を備えていることを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  7. 前記ラジカル源は、さらに第3の可変コンダクタンスバルブを介して前記排気系に結合されていることを特徴とする請求項1〜6のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  8. 前記ラジカル源は、第1の分枝および第2の分枝を有する分岐配管により前記基板処理装置および前記排気系に結合されており、前記第1の分枝は前記第2の可変コンダクタンスバルブを介して前記ラジカル供給源に、また前記第2の分枝は前記第3の可変コンダクタンスバルブを介して前記排気系に結合されていることを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
  9. 前記第1および第2の可変コンダクタンスバルブは、前記処理容器内をパージする際に同時に開放されることを特徴とする請求項7または8記載の基板処理装置。
  10. 前記第1,第2および第3の可変コンダクタンスバルブは、前記処理容器内をパージする際に同時に開放されることを特徴とする請求項7〜9のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  11. 前記第1および第2の可変コンダクタンスバルブは、実質的に同一の構成を有することを特徴とする請求項7〜10のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  12. 前記ラジカル源は、酸素ガスを供給され、酸素ラジカルを形成するリモートラジカル源であることを特徴とする請求項7〜10のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  13. 前記ラジカル源は、窒素ガスを供給され、窒素ラジカルを形成するリモートラジカル源であることを特徴とする請求項7〜11のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  14. さらに前記被処理基板を回動させる回動機構を備えたことを特徴とする請求項7〜11のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  15. 前記処理容器は扁平な形状を有し、前記処理ガス導入口は、前記処理容器内において扁平なシート状の処理ガス流を形成することを特徴とする請求項7〜14のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
  16. 前記処理容器は、前記被処理基板上に高さが0.5〜8mmのプロセス空間を画成することを特徴とする請求項15記載の基板処理装置。
  17. 前記処理容器は、前記被処理基板上に高さが0.5〜3.5mmのプロセス空間を画成することを特徴とする請求項15記載の基板処理装置。
  18. 前記処理ガス流は、前記処理容器内において層流を形成することを特徴とする請求項7〜17のうち、いずれか一項記載の基板処理装置。
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