JP4356479B2 - 角速度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、異常診断機能を備えた角速度センサに関するものである。
従来この種の角速度センサとしては、例えば特許文献1に記載されているようなものがあった。図6は前記特許文献1に記載された従来の角速度センサを示している。図6は角速度センサの振動子を示す斜視図である。
図6において120a,120bはアーム、120cは基部、120はアーム120a,120bと基部120cとからなる水晶からなる振動子、130a,130bはアーム、130cは基部、130はアーム130a,130bと基部130cとからなる水晶からなる振動子、110は振動子120と振動子130を電気軸方向を互いにx軸方向で、かつ、逆方向を向くように直接接合された音叉型振動子、110a,110bが音叉アーム、110cが音叉基部、101はモニタ電極、102はグランド電極、105aはアーム120aとアーム130aにまたがるように音叉アーム110aの外側面に設けられた検知電極、106aはアーム120aとアーム130aにまたがるように音叉アーム110aの内側面に設けられた検知電極、107aはアーム120bとアーム130bにまたがるように音叉アーム110bの内側面に設けられた検知電極、108aはアーム120bとアーム130bにまたがるように音叉アーム110bの外側面に設けられた検知電極、116aは検知電極105aから引き出すための導出部、116bは検知電極108aから引き出すための導出部、116は導出部116aと導出部116bが接続された検知電極用の引き出し電極パッド、141,142,143,144は検知電極用の引き出し電極パッド116から延出された調整用検知電極、113はアーム130aの主面に設けられたモニタ電極101に対向するように設けられた駆動電極(図示せず)から延出されて基部120cの下端左方に設けられた駆動電極用の引き出し電極パッド、114はアーム130bの主面に設けられたグランド電極102に対向するように設けられた駆動電極(図示せず)から延出されて基部120cの下端右方に設けられた駆動電極用の引き出し電極パッド、145,146はそれぞれ駆動電極用の引き出し電極パッド113,114から延出された調整用駆動電極である。調整用検知電極141,143と調整用駆動電極145は櫛歯状に対向配置されている。また、調整用検知電極142,144と調整用駆動電極146は同じく櫛歯状に対向配置されている。
特開2001−208546号公報
しかしながら前述した従来の角速度センサにおいては、音叉型振動子110に圧電定数の小さな水晶材料を用い、この音叉型振動子110の上に駆動部を構成するための駆動電極および検知部を構成するための検知電極105a,106a,107a,108aが形成され、さらに駆動部側から検知部側への不要な結合容量成分を小さく抑えるために、基本的には駆動部系全体(基部下端に設けられた調整用駆動電極145,146も含めた)と検知部系全体(基部下端に設けられた調整用検知電極141,142,143,144も含めた)の間の距離も大きくするようにしている。
従って、小型の角速度センサを作製しようとすると基部に設けられた櫛歯状の調整用駆動電極145,146のパターンや調整用検知電極141,142,143,144のパターンを多少長くしても駆動部系と検知部系の間の結合容量値はどうしても小さくなってしまうため、検知部系、例えば、いずれかの配線用のワイヤが断線したとき、駆動信号が検知側電極に入力し、角速度検知回路から出力される信号も小さくなる。このままでは所定の角速度信号出力と検知部系に発生した配線用のワイヤの断線による信号出力との判別が的確に得られないという課題を有していた。
本発明は検知部系の的確な断線検知を可能とする小型な角速度センサを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、x軸方向およびx軸と直交するz軸方向に変位する振動部とこの振動部につながる振動遷移部とこの振動遷移部につながる支持部とを有した振動子と、振動部をx軸方向に励振することを可能とする振動部に設けられた1対の電極が形成された駆動部と、振動部をx軸方向に励振するために駆動部に形成された1対の電極に逆極性の駆動信号を供給するための駆動回路と、z軸方向に振動する振動部のたわみを検出するために振動部に設けられた1対の電極が形成された検知部と、x軸及びz軸と直交するy軸周りに角速度が印加されたときコリオリ力に基づきz軸方向にたわむことにより検知部に形成された1対の電極から出力される逆極性の電荷を増幅処理し、所定範囲の角速度信号を得るための差動アンプを有した検知回路と、駆動部に形成された1対の電極の一方から引き出され支持部に設けられた第1のパターン電極と、検知部に形成された1対の電極からそれぞれ引き出され支持部に設けられた1対の第2のパターン電極と、第1のパターン電極と1対の第2のパターン電極の一方との間及び第1のパターン電極と1対の第2のパターン電極の他方との間に設けられた高誘電率層とを備えた角速度センサにおいて、検知回路は、差動アンプから出力される角速度信号が所定範囲を超えた場合に異常と診断可能な所定の出力を行う異常値抽出手段が設けられた角速度センサであり、小型でありながら、検知部系の的確な断線検知が可能であるという作用効果を奏する。
請求項2に記載の発明は、振動子は振動部としての少なくとも2つのアームとこのアームを連結する振動遷移部としての少なくとも1つの基部とこの基部の端に固定するための支持部とを有した非圧電材料からなる音叉型振動子であり、振動部はこの音叉型振動子の少なくとも1つのアームの少なくとも1つの主面上の中心線を境に少なくとも上部電極が離間するように設けられた圧電膜であり、さらに検知部は前記音叉型振動子の少なくとも1つのアームの少なくとも1つの主面上に設けられ、両面に電極を有した圧電膜である請求項1に記載の角速度センサであり、音叉型振動子の側面に検知部等を設ける必要がないため、極めて容易な製造プロセスにより構成することができるという作用効果を奏する。
請求項3に記載の発明は、振動子は振動部としての少なくとも2つのアームとこのアームを連結する振動遷移部としての少なくとも1つの基部とこの基部の端に固定するための支持部とを有した非圧電材料からなる音叉型振動子であり、駆動部はこの音叉型振動子の少なくとも1つのアームの少なくとも1つの主面上の中心線を境に離間するように設けられ、上面、下面にそれぞれ電極を有した1対の圧電膜であり、さらに検知部は前記音叉型振動子の少なくとも1つのアームの少なくとも1つの主面上に設けられ、両面に電極を有した圧電膜である請求項1に記載の角速度センサであり、音叉型振動子のアームの中心線を境に駆動部が分離されて設けられているため、x軸方向とz軸方向へより高精度な振動を発生させることができるという作用効果を奏する。
請求項4に記載の発明は、異常値抽出手段は支持部上に設けられた下部電極とこの下部電極の上に設けられた圧電膜とこの圧電膜の上に第1のパターン電極と1対の第2のパターン電極が対向し、かつ、離間するように設けられた請求項1に記載の角速度センサであり、音叉型振動子の支持部という極めて安定な部分に圧電膜とその上に第1のパターン電極と1対の第2のパターン電極を設けることが可能になり、かつ、駆動部系と検知部系との間に極めて大きな結合容量を容易に構成できるという作用効果を奏する。
請求項5に記載の発明は、音叉型振動子はシリコンからなる請求項2または請求項3に記載の角速度センサであり、極めて安価に弾性率の安定した音叉型振動子とすることができる作用効果を奏する。
請求項6に記載の発明は、異常値抽出手段を構成する圧電膜はPZT系の材料からなり、第1のパターン電極と1対の第2のパターン電極はほぼ8対の対向をなし、前記第1のパターン電極と1対の第2のパターン電極のそれぞれの対向する長さはほぼ450μmで、前記第1のパターン電極と1対の第2のパターン電極のそれぞれの対向する間隔はほぼ5μmから15μmである請求項4に記載の角速度センサであり、ユーザー仕様から要求される所定範囲の角速度信号を超える異常と診断可能な出力が容易に達成でき、かつ、高い製造プロセスの歩留まりを確保できるという作用効果を奏する。
請求項7に記載の発明は、高誘電率層は、SiON、HfO 、HfSiO のいずれかの材料よりなる請求項1に記載の角速度センサであり、高誘電率層として所定の材料を用いることにより、より小型の角速度センサにおいてもユーザー仕様から要求される所定範囲の角速度信号を超える異常と診断可能な出力が容易に達成できるという作用効果を奏する。
請求項8に記載の発明は、少なくとも駆動部に設けられた上部電極と検知部に設けられた上面の電極との間にさらに高誘電率層が設けられた請求項2に記載の角速度センサであり、さらに高誘電率層が付与されているため、より小型の角速度センサにおいてもユーザー仕様から要求される所定範囲の角速度信号を超える異常と診断可能な出力が容易に達成できるという作用効果を奏する。
請求項9に記載の発明は、少なくとも駆動部に設けられた上面の電極と検知部に設けられた上面の電極との間にさらに高誘電率層が設けられた請求項3に記載の角速度センサであり、さらに高誘電率層が付与されているため、より小型の角速度センサにおいてもユーザー仕様から要求される所定範囲の角速度信号を超える異常と診断可能な出力が容易に達成できるという作用効果を奏する。
請求項10に記載の発明は、少なくとも駆動部に形成された電極から引き出された導出部と検知部に形成された電極から引き出された導出部との間にさらに高誘電率層が設けられた請求項1に記載の角速度センサであり、さらに高誘電率層が付与されているため、より小型の角速度センサにおいてもユーザー仕様から要求される所定範囲の角速度信号を超える異常と診断可能な出力が容易に達成できるという作用効果を奏する。
振動部とこの振動部につながる振動遷移部とこの振動遷移部につながる支持部とを有した振動子と、前記振動部をx軸方向に励振することを可能とする前記振動部に設けられた電極が形成された駆動部と、前記振動部をx軸方向に励振するために前記駆動部に形成された電極に駆動信号を供給するための駆動回路と、z軸方向に振動する前記振動部のたわみを検出するために前記振動部に設けられた電極が形成された検知部と、y軸周りに角速度が印加されたときコリオリ力に基づきz軸方向にたわむことにより前記検知部に形成された電極に発生する電荷を増幅処理し、所定範囲の角速度信号を得るためのアンプを有した検知回路と、前記駆動部に形成された電極から引き出され前記支持部に設けられた第1のパターン電極と、前記検知部に形成された電極から引き出され前記支持部に設けられた第2のパターン電極とを備えた角速度センサにおいて、前記第2のパターン電極と前記アンプを結ぶ間で異常が発生した場合は、前記検知回路より前記所定範囲の角速度信号を超える異常と診断可能な出力が得られる異常値抽出手段が設けられた角速度センサであり、小型でありながら検知部系の的確な断線検知が可能である。
以下に本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における角速度センサの音叉型振動子の構成図、図2は同振動子のA−A断面図、図3は同振動子のB−B断面図、図4は第1のパターン電極と第2のパターン電極の間隔と結合容量の関係を説明する図、図5はさらに高誘電率層が表面に付与された同振動子のB−B断面図である。
図1、図2、図3において10a,10bはシリコンからなる音叉型振動子1のアーム、10cは音叉型振動子1の振動遷移部をなす基部、10dは基部10cの端を固定台(図示せず)に固定するための音叉型振動子1の支持部、35,36はアーム10a,10bの各々の中心線、37,38はアーム10a,10bの各々の主面、11c,12cは中心線35を境に互いに離間した主面37上に設けられた下面の電極、11b,12bは下面の電極11c,12c上にそれぞれ設けられたPZTからなる膜面に垂直方向に分極処理された圧電膜、11a,12aは圧電膜11b,12b上にそれぞれ設けられた駆動電極としての上面の電極、13c,14cは中心線36を境に互いに離間した主面38上に設けられた下面の電極、13b,14bは下面の電極13c,14c上にそれぞれ設けられたPZTからなる膜面に垂直方向に分極処理された圧電膜、13a,14aは圧電膜13b,14b上にそれぞれ設けられた駆動電極としての上面の電極、15c,16cはそれぞれアーム10a,10bの主面37,38上かつ中心線35,36に沿って設けられた下面の電極、15b,16bは下面の電極15c,16c上にそれぞれ設けられたPZTからなる膜面に垂直方向に分極処理された圧電膜、15a,16aは圧電膜15b,16b上にそれぞれ設けられた検知電極としての上面の電極、17aはアーム10a,10bがx軸方向に音叉振動する振幅をモニタするために主面37,38にまたがるように設けられた下に圧電膜と下面の電極も備えたモニタ電極、18a,19a,20a,21a,22a,23aはそれぞれ下に圧電膜と下面の電極も備えた上面の電極11a,12a,13a,14a,15a,16aから引き出すための導出部、24aはモニタ電極17aから引き出すための導出部、25は支持部10d上に設けられた下部電極としての共通グランド、26は共通グランド25の上に設けられたPZTからなる膜面に垂直方向に分極処理された圧電膜、27は上面の電極11a,13aにプラスの駆動信号を供給するための引き出し電極パッド、28は上面の電極12a,14aにマイナスの駆動信号を供給するための引き出し電極パッド、29は導出部22aに接続された引き出し電極パッド、30は導出部23aに接続された引き出し電極パッド、31a,31bは導出部18a,20aと引き出し電極パッド27との間に設けられた櫛歯状の第1のパターン電極、32は引き出し電極パッド29から延出し第1のパターン電極31aに対向するように設けられた櫛歯状の第2のパターン電極、33は引き出し電極パッド30から延出し第1のパターン電極31bに対向するように設けられた櫛歯状の第2のパターン電極、34は導出部24aに接続された引き出し電極パッドである。
駆動部は、上述したようにアーム10a上に設けられた上面の電極11a、圧電膜11bと下面の電極11cから構成された部分と上面の電極12a、圧電膜12bと下面の電極12cから構成された部分とからなる一対の構成である。同様に、アーム10b上にも一対の構成で形成されている。また、駆動部はアーム10a上の中心線35に対してほぼ対称に構成されると同時に、音叉型振動子1の対称軸を中心に左右のアーム10a,10b間においてもほぼ対称に構成されている。
検知部は上述したようにアーム10a上に設けられた上面の電極15a、圧電膜15bと下面の電極15cから構成されている。同様に、アーム10b上に設けられた上面の電極16a、圧電膜16b、下面の電極16cから構成されている。このように検知部は音叉型振動子1の対称軸を中心に左右のアーム10a,10b間においてもほぼ対称に構成されている。
まず最初に、本実施の形態の角速度センサにおける音叉振動の動作について簡略に説明する。
AGC回路(図示せず)を備えた駆動回路(図示せず)より互いに位相が逆の駆動信号が引き出し電極パッド27,28に供給される。ちなみに、引き出し電極パッド27にはプラスの駆動信号、引き出し電極パッド28にはマイナスの駆動信号が供給されているため、アーム10aの中心線35を境に圧電膜11bがy軸方向に縮み、かつ、アーム10aの中心線35を境に圧電膜12bはy軸方向に伸びる。これによりアーム10aをx軸方向(外向き)に曲げようとする。また、アーム10bの中心線36を境に圧電膜13bがy軸方向に縮み、かつ、アーム10bの中心線36を境に圧電膜14bはy軸方向に伸びる。これによりアーム10bをx軸方向(外向き)に曲げようとする。これによりアーム10a,10bはxy面内で音叉振動を起こす。また、モニタ電極17aからアーム10a,10bの音叉振動の振幅が検出され、所定の振幅となるようにAGC回路を通して制御される。
次に本実施の形態の角速度センサにおける通常の角速度検出を行うときの動作について簡略に説明する。
xy面内で安定した音叉振動を行っている時に、y軸周りに角速度Ωが印加されるとコリオリ力に基づきアーム10a,10bがz軸方向に互いに逆方向にたわむ。このときのz軸方向へのたわみを上面の電極15a,16aにより検出する。これらの上面の電極15a,16aにより検出された電荷はそれぞれ引き出し電極パッド29,30に導かれる。また、引き出し電極パッド29,30は、例えば、ケース(図示せず)に設けられた電極パッド(図示せず)にワイヤ(図示せず)により接続され、さらにこれらの電極パッドを経由して角速度信号を検出するための検知回路(図示せず)を構成する入力段のカレントアンプ(図示せず)にそれぞれ接続される。ちなみに上面の電極15aにはプラスの電荷が発生しており、上面の電極16aにはマイナスの電荷が発生している。これらの互いに逆極性の電荷が上述のカレントアンプに入力された後、それぞれのカレントアンプの出力が差動アンプ(図示せず)に入力され、同期検波後、所定範囲の角速度信号として出力される。
次に、本実施の形態の角速度センサにおける異常診断を実施する時の動作について説明する。
支持部10dの左側に、かつ、y軸方向にほぼ450μmの長さを有し、互いに対向するようにほぼ8対の第1のパターン電極31aと第2のパターン電極32が設けられている。この第1のパターン電極31aと第2のパターン電極32の間隔はほぼ15μmに設定してある。同様に、支持部10dの右側に、かつ、y軸方向にほぼ450μmの長さを有し、互いに対向するようにほぼ8対の第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33が設けられている。この第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33の間隔もほぼ15μmに設定してある。前述の第1のパターン電極31aと第2のパターン電極32とから構成される部分の形状と第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33とから構成される部分の形状はほぼ対称になっているため、第1のパターン電極31aと第2のパターン電極32間の静電容量と第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33間の静電容量はほぼ同一となっている。また、引き出し電極パッド29に重畳されるプラスの駆動信号と引き出し電極パッド30に重畳されるプラスの駆動信号の値はほぼ同一になるため、前述の差動アンプによりキャンセルされる。従って、角速度センサが正常な動作を行っている間は検知回路から所定範囲の角速度信号のみしか現れない。また、前述の第1のパターン電極31aと第2のパターン電極32の間隔は15μmと小さく、また、同様に第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33の間隔も小さい。さらに、第1のパターン電極31a,31b、第2のパターン電極32,33の下には圧電膜26が設けられているため、第1のパターン電極31aと第2のパターン電極32との間の静電容量値は大きくなる。同様に第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33との間の静電容量値も大きくなっている。図4に示すように、第1のパターン電極31aと第2のパターン電極32との間隔がほぼ15μm以下になれば、対向する長さあたりの結合容量値が要求仕様を満足するほぼ45fFを超える。同様のことは、第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33との間においても言える。または、第1のパターン電極31aと第2のパターン電極32との間隔、または、第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33との間隔は15μm以下で限りなく小さい方が好ましいが、製造プロセスの安定等を考慮するとほぼ5μm程度までが妥当である。
次に、引き出し電極パッド29と前述のケースに設けられた電極パッドに接続されるワイヤが断線すると、前述の差動アンプによりキャンセルされていた引き出し電極パッド29に重畳されたプラスの駆動信号と引き出し電極パッド30に重畳されたプラスの駆動信号はもはやキャンセルされなくなる。また、前述の構成で説明したように第1のパターン電極31bと第2のパターン電極33の間の目標とする静電容量値は大きいため、引き出し電極パッド30から大きな電荷がカレントアンプに入力されることとなり、結果として差動アンプより所定範囲の角速度信号を超える異常と診断可能な大きな出力が得られるようになる。これにより、前述のワイヤの断線が発生した場合に、所定の範囲の角速度信号出力と明確な差がある出力が得られ、異常と診断可能となる。
本実施の形態においては、第1のパターン電極31a,31bに駆動信号のプラスが印加される場合について説明してきたが、第1のパターン電極として導出部19a,21aから延出して設けられた櫛歯状の電極と前記第2のパターン電極32,33とをそれぞれ対向させる構成も可能である。
図5は、図3にも示した支持部10dの同一箇所のB−B断面図であり、さらに少なくとも第1のパターン電極31a,31bおよび第2のパターン電極32,33を覆うように高誘電率層40が設けられたものである。高誘電率層40は、例えばSiON,HfOx,HfSiOx等の材料を用いることが可能である。ただし、この材料に限定されるものではない。この高誘電率層40を設けることにより、より小型の角速度センサにおいてもユーザー仕様から要求される所定範囲の角速度信号を超える異常と診断可能な所定の出力が容易に得られる。
本実施の形態においては、さらなる高誘電率層40を支持部10dの上に設ける構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば駆動部に設けられた上部電極と検知部に設けられた上部電極との間に設けたり、駆動部を構成する上面の電極に接続された導出部と検知部を構成する上面の電極に接続された導出部との間に設けることも可能である。
本実施の形態においては、音叉型振動子がシリコンから構成されるものについて説明したが、これに特定されるものではなく、非圧電材料からなる多くの材料を用いることが可能である。同じく圧電膜についてもPZTからなる構成について説明したが、これについても種々の圧電材料を用いることが可能である。
また、本実施の形態においては、振動子として音叉型形状のものについて説明してきたが、これに特定されるものではなく種々の形状のものを用いることが可能である。例えば、片持ち梁形状、両点支持の棒状の振動子等の形状が考えられる。
また、本実施の形態においては、異常値抽出手段として音叉型振動子の支持部に設けた構成について説明してきたが、これに必ずしも特定されるものではない。
本発明の角速度センサは小型でありながら、検知部系の的確な断線検知が可能な角速度センサとして有用である。
本発明の実施の形態1における角速度センサの音叉型振動子の構成図 同振動子のA−A断面図 同振動子のB−B断面図 第1のパターン電極と第2のパターン電極の間隔と結合容量の関係を説明する図 さらに高誘電率層が表面に付与された同振動子のB−B断面図 従来の角速度センサの振動子を示す斜視図
符号の説明
1 音叉型振動子
10a,10b アーム
10c 基部
10d 支持部
11a,12a,13a,14a,15a,16a 上面の電極
11b,12b,13b,14b,15b,16b,26 圧電膜
11c,12c,13c,14c,15c,16c 下面の電極
17a モニタ電極
18a,19a,20a,21a,22a,23a,24a 導出部
25 共通グランド
27,28,29,30,34 引き出し電極パッド
31a,31b 第1のパターン電極
32,33 第2のパターン電極
35,36 中心線
37,38 主面
40 高誘電率層

Claims (10)

  1. x軸方向および前記x軸と直交するz軸方向に変位する振動部とこの振動部につながる振動遷移部とこの振動遷移部につながる支持部とを有した振動子と、前記振動部を前記x軸方向に励振することを可能とする前記振動部に設けられた1対の電極が形成された駆動部と、前記振動部を前記x軸方向に励振するために前記駆動部に形成された1対の電極に逆極性の駆動信号を供給するための駆動回路と、前記z軸方向に振動する前記振動部のたわみを検出するために前記振動部に設けられた1対の電極が形成された検知部と、前記x軸及び前記z軸と直交するy軸周りに角速度が印加されたときコリオリ力に基づき前記z軸方向にたわむことにより前記検知部に形成された1対の電極から出力される逆極性の電荷を増幅処理し、所定範囲の角速度信号を得るための差動アンプを有した検知回路と、前記駆動部に形成された1対の電極の一方から引き出され前記支持部に設けられた第1のパターン電極と、前記検知部に形成された1対の電極からそれぞれ引き出され前記支持部に設けられた1対の第2のパターン電極と、前記第1のパターン電極と前記1対の第2のパターン電極の一方との間及び前記第1のパターン電極と前記1対の第2のパターン電極の他方との間に設けられた高誘電率層とを備えた角速度センサにおいて、前記検知回路は、前記差動アンプから出力される角速度信号が前記所定範囲を超えた場合に異常と診断可能な所定の出力を行う異常値抽出手段が設けられた角速度センサ。
  2. 振動子は振動部としての少なくとも2つのアームとこのアームを連結する振動遷移部としての少なくとも1つの基部とこの基部の端に固定するための支持部とを有した非圧電材料からなる音叉型振動子であり、駆動部はこの音叉型振動子の少なくとも1つのアームの少なくとも1つの主面上の中心線を境に少なくとも上部電極が離間するように設けられた圧電膜であり、さらに検知部は前記音叉型振動子の少なくとも1つのアームの少なくとも1つの主面上に設けられ、両面に電極を有した圧電膜である請求項1に記載の角速度センサ。
  3. 振動子は振動部としての少なくとも2つのアームとこのアームを連結する振動遷移部としての少なくとも1つの基部とこの基部の端に固定するための支持部とを有した非圧電材料からなる音叉型振動子であり、駆動部はこの音叉型振動子の少なくとも1つのアームの少なくとも1つの主面上の中心線を境に離間するように設けられ、上面、下面にそれぞれ電極を有した1対の圧電膜であり、さらに検知部は前記音叉型振動子の少なくとも1つのアームの少なくとも1つの主面上に設けられ、両面に電極を有した圧電膜である請求項1に記載の角速度センサ。
  4. 異常値抽出手段は支持部上に設けられた下部電極とこの下部電極の上に設けられた圧電膜とこの圧電膜の上に前記第1のパターン電極と前記1対の第2のパターン電極が対向し、かつ、離間するように設けられた請求項1に記載の角速度センサ。
  5. 音叉型振動子はシリコンからなる請求項2または請求項3に記載の角速度センサ。
  6. 異常値抽出手段を構成する圧電膜はPZT系の材料からなり、第1のパターン電極と第2のパターン電極はほぼ8対の対向をなし、前記第1のパターン電極と前記1対の第2のパターン電極のそれぞれの対向する長さはほぼ450μmで、前記第1のパターン電極と前記1対の第2のパターン電極のそれぞれの対向する間隔はほぼ5μmから15μmである請求項4に記載の角速度センサ。
  7. 前記高誘電率層は、SiON、HfO 、HfSiO のいずれかの材料よりなる請求項1に記載の角速度センサ。
  8. 少なくとも駆動部に設けられた上部電極と検知部に設けられた上面の電極との間にさらに高誘電率層が設けられた請求項2に記載の角速度センサ。
  9. 少なくとも駆動部に設けられた上面の電極と検知部に設けられた上面の電極との間にさらに高誘電率層が設けられた請求項3に記載の角速度センサ。
  10. 少なくとも駆動部に形成された電極から引き出された導出部と検知部に形成された電極から引き出された導出部の間にさらに高誘電率層が設けられた請求項1に記載の角速度センサ。
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