JP3733729B2 - ポリエステルフイルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステルフイルムに関するものであり、更に詳しくは包装用、工業用途などで他のフイルムと熱接着したり、軟包装においてヒートシールするのに好適なポリエステルフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱接着、ヒートシール用途において使用されるフイルムとしては、ポリオレフィン系フイルムが代表的であり、ヒートシール強度が高いこと、低温シール性があることを理由として好ましく使用されてきた。一方、該フイルムは油脂成分、香料成分を吸着しやすく、内容物の香り、味覚を変化させやすいという欠点をもっていた。また、工業、包装材料として二軸延伸PETフイルムが使用されるケースでも、熱接着層、ヒートシール層としては、オレフィン系フイルムが使用されており、環境的にリサイクルしやすい包装材料を形成させるという点ではその構成のほとんどをポリエステルにしたいという要望もある。
【0003】
これらの要求を解決するためには、例えば特公昭61−22631号公報のように、低融点ポリエステルを共押出しし、二軸延伸後に低融点ポリエステルの融点以上で熱処理してヒートシール層を有する二軸延伸ポリエステルフイルムを得る方法、特開平8−231836号公報のように、特定の共重合ポリエステル成分をブレンドした未延伸フイルムを得る方法、特開平5−208472号公報ではアイオノマー樹脂をポリエステルにブレンドする方法などがあり、確かにヒートシール性、保香性は改良されるが、ヒートシール層を有する二軸延伸ポリエステルフイルムではヒートシール強度が十分ではなく、未延伸フイルムでは薄膜化した際に経時変化による伸度低下が著しく生じ、実際に製膜した後にスリットを行う際の破れや裂け、ラミネート加工時の破れや裂けを生じる問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記した従来技術の問題点を解消することにあり、保香性、熱接着性に優れるだけでなく、ハンドリング時に破れを生じないポリエステルフイルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記した本発明の目的は、エチレンテレフタレート単位を60重量%以上有する固有粘度0.7〜1.5のポリエステルAを構成成分とするフィルムの少なくとも片面に、融点が150〜230℃のポリエステルBからなるフイルムを積層してなるポリエステルフイルムであって、該ポリエステルフイルムの面配向係数が0〜0.05であり、40℃で5日経時後の伸度が100%以上であって、かつ厚さが5〜40μmであることを特徴とするポリエステルフイルムによって達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明では、構成単位の60重量%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエステルAを使用することで良好な保香性が得られる。ポリエステルとはジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリマであり、ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イシフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。なかでもこれらのジカルボン酸成分のうち、テレフタル酸が耐熱性、コストパフォーマンスの点から好ましい。一方、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール等が挙げられる。中でもこれらのグリコール成分のうちエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロパンジオールが好ましいが、シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロパンジオールを多く使用すると保香性が低下する。これらの酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
【0007】
特に味特性を悪化させずに機械特性を良好とするには、グリコール成分の中で1,3−プロパンジオール成分を3以上35重量%未満含有させることが好ましい。
【0008】
さらに、ブタンジオール残基を実質的に含有しないものが味特性の点で好ましい。
【0009】
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、共重合ポリエステルにトリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
【0010】
また、本発明において、耐衝撃性、保香性、耐経時性を良好にするには、ポリエステルAの固有粘度が0.7〜1.5であることが重要であり、好ましくは0.75以上1.3以下、特に好ましくは0.8以上1.2以下である。固有粘度が大きいと分子の絡み合いが生じる確率が増加し、耐衝撃性、耐経時性が向上するだけでなく、香気成分の吸着が起こりにくくなるものと考えられる。一方、固有粘度が大きいとヒートシール性を低下させる場合がある。
【0011】
ここで、固有粘度はo−クロロフェノールにポリマを溶解し、25℃で相対粘度を測定し求めたものである。
【0012】
本発明では、保香性、包装材の重量を軽減する点で、厚さが5〜40μmのフイルムであることが重要であるだけでなく、薄膜フイルムであることから破れや裂けに対する耐性が必要であり、40℃5日経時後のフイルムの破断伸度が100%以上であると裂けや破れなどによるトラブルが大幅に減少できることを見出した。
【0013】
経時後のフイルムの破断伸度を改善するには、面配向係数を大きくすることが有効であるが、一方でヒートシール性を低下させてしまう欠点があり、積層フイルムで二軸延伸PETフイルムの上に共重合PETを積層し、融点以上で処理したとしても、ヒートシール力は劈開などのため大きくなりにくいという欠点がある。本発明ではポリエステルAの面配向係数が低く、劈開を生じにくい状態でも破断伸度を大きくする方法として、100〜180℃になるようにフイルムを熱処理することが有効であることを見出した。このように熱処理することでフイルムの耐経時性が向上し、フイルム破れが激減する熱処理温度として、特に好ましくは110〜150℃であり、ロール熱処理、熱風熱処理、ラジエーション熱処理、温水熱処理などが使用できる。これらの方法は併用しても良い熱処理時間としては1〜30秒好ましくは1〜15秒である。この際には、機械特性を良好にする上で好ましくはフイルムの結晶化度0〜10%が好ましく、さらに好ましくは0〜5%、特に好ましくは0〜3%である。ここで、結晶化度xとは密度勾配法で得られる密度ρをもとに、x={(ρ−1.335)/0.12}×100により求められる。
【0014】
本発明では、ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて測定される長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx,Ny,Nz)から得られる面配向係数[fn={(Nx+Ny)/2}−Nz]が0〜0.05であることが重要である。面配向係数fnが0.05を越えるとヒートシール強度が低下したり、熱寸法安定性が低下する。
【0015】
さらに、ヒートシール強度と耐経時性を両立させる上でポリエステルAの少なくとも片面に融点150〜230℃のポリエステルBを積層す。ポリエステルBは、好ましくはポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどを共重合することが好ましい。ポリエステルBは片面でもよいが、耐カール性の点で両面に積層してもよい。
【0016】
ポリエステルBの厚みとしては1〜15μmが好ましく、特に好ましくは3〜10μmである。
【0017】
本発明におけるポリエステルフイルムは、実質的に未延伸または延伸されていてもよいが、ヒートシール性の点で未延伸であることが好ましい。
【0018】
また、本発明のポリエステルはフイルムの取扱い性および耐傷性を向上させると共に、インキなどで構成される印刷層や他のフイルムとB層との接着性を良好にしブロッキングを防止する上で、表層の表面粗さRaが0.01μm以上3μm以下であることが好ましい。表面粗さRaを0.01μm以上3μm以下、好ましくは0.02μm以上1μm以下とする方法としては特に限定されないが、ポリエステルに粒子を含有させる方法、なし地ドラムにより転写させる方法が好ましい。具体的には、平均粒子径0.001〜8μmの無機粒子および/または有機粒子、または重合系内で生成させる内部粒子が0.001〜50重量%含有されていることが好ましく、さらには平均粒子径0.1〜5μmの無機粒子および/または有機粒子が0.005〜3重量%含有されていることが好ましい。無機粒子および/または有機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイド状シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等の無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。なかでも湿式および乾式コロイド状シリカ、アルミナ等の無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。内部粒子としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを反応系内に添加し、さらにリン化合物を添加する公知の方法で生成されるものを使用できる。これらの無機粒子および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。
【0019】
また、さらに好ましくはA層および/またはB層の濡れ張力を48dyne/cm以上、特に好ましくは50dyne/cm以上とすることが好ましい。濡れ張力を高める方法としては特に限定されないが、A層および/またはB層に火炎処理、化学的処理、放電処理、ポリエステルなどのコーティング処理などが挙げられる。中でも表面をコロナ放電処理する方法は、インキとの接着性を良好とするので好ましい。コロナ放電処理を空気中、窒素または炭酸ガス、及びそれらの混合物中で行ってもよく、例えば特開平1−20236号公報、特公昭57−30854号などに記載された処理が好ましい。コロナ放電処理時の強度は、E値として表される。E値=W/(D/V)で求められ、Wは処理強度(W)、Dは処理幅(m)、Vはフイルム速度(m/分)である。E値としては20〜60W/mが好ましく、さらに好ましくは25〜55W/mである。
【0020】
また、本発明におけるポリエステルフイルムは、各層における触媒、カルボキシル末端基量は異なっていてもよい。フイルムのエッジを回収する場合は、ポリエステルA層へポリエステルB層を回収することがヒートシール性の点で好ましい。
【0021】
さらに、本発明のポリエステルフイルムに金属および/または金属酸化物よりなる層を積層すると製袋加工後のガスバリア性が良好となるので好ましい。これは、本発明のような機械特性に優れるシーラントフイルムに蒸着すると、印刷工程を従来の二軸延伸フイルムに施した後にラミネートを行うために、ガスバリア性が大きく向上することを見いだしたものである。
【0022】
また、本発明のフイルムと面配向係数0.10〜0.17の二軸延伸ポリエステルフイルムを接着層を介して積層することは、ほとんどの組成をポリエステルとするために包装材料としての耐熱性、回収性に優れるので好ましい。
【0023】
本発明のフイルムは、従来公知の任意の方法を用いて製膜することができる。
【0024】
次に、本発明のフイルムの製造方法について述べるが、これに限定されるものではない。
【0025】
ポリエステルAとしてポリエチレンテレフタレート(IV=1.0、融点250℃)、ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノール30モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(IV=0.80、融点198℃)を二軸ベント式の別々の押出機(押出機の温度は融点+35℃に設定)に供給溶融し、30μmカットのフィルタで濾過した後にフィードブロックにて2層に積層(積層比が1:3(A:B))して通常の口金から吐出後、静電印加(7kV)でB層がドラム面になるようになし地冷却ドラムにて冷却固化してキャストフイルムを得る。得られたフイルムを130℃のロールで10秒熱処理し、25℃に急冷し、両面にコロナ放電処理を施した後にフイルムを得る。
【0026】
本発明では前述のポリエステルフイルムに面配向係数0.10〜0.17の二軸延伸ポリエステルフイルムを接着層を介して積層して、例えばA−PET(未延伸ポリエチレンテレフタレートシート)容器の蓋材、軟包装に好適に使用することができる。接着層としてはポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などが使用でき、フイルム間の密着性が向上しヒートシール性が保持できる。
【0027】
さらに、本発明のフイルムを製造するにあたり、必要により、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、耐候剤、末端封鎖剤等の添加剤も適宜使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下実施例によって本発明を詳細に説明する。なおポリエステルフイルムの特性は以下の方法により測定、評価した。
【0029】
(1)ポリエステルの融点
フイルムを示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC−2型)により、20℃/minの昇温速度で測定した。融点の測定しにくいものについては試料を結晶化させて求めた。
【0030】
(2)ポリエステルの固有粘度
ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25℃において測定した。
【0031】
(3)平均粒子径
フイルムから樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は樹脂は灰化するが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これを走査型電子顕微鏡で粒子数5000〜10000個を観察し、粒子画像を画像処理装置により円相当径から求めた。
【0032】
粒子が内部粒子の場合、ポリマ断面を切断し厚さ0.1〜1μm程度の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡を用いて倍率5000〜20000程度で写真を(10枚:25cm×25cm)撮影し、内部粒子の平均分散径を円相当径より計算した。
【0033】
(4)フイルムの表面粗さ(中心線平均粗さRa、最大粗さRt)
小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて表面粗さを測定した。条件は次の通りであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
【0034】
・触針先端半径:0.5μm
・触針荷重 :5mg
・測定長 :1mm
・カットオフ値:0.08mm
なお、Ra、Rtの定義は、例えば、奈良次郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、1983)に示されているものである。
【0035】
(5)濡れ張力(γ)
JIS K−6768に準じて行った。標準液は表面張力の大きさに応じて下記の3種類を使用した。
【0036】
30dyne/cm≦γ<56dyne/cm:JIS K−6768標準液
56dyne/cm≦γ<72dyne/cm:アンモニア水
72dyne/cm≦γ:水酸化ナトリウム水溶液
(6)伸度
40℃で相対湿度80%5日間フイルムを放置した後、テンシロン(引っ張り試験機)を用いて、引っ張り速度300mm/min、幅10mm、試料長50mm、常温としてASTM−D−882−81(A法)に準じて破断伸度(%)をフイルムの長手方向、幅方向について測定し、各方向についてn数5で求め、全値を平均化した。
【0037】
(7)ラミネート加工性
フイルム製膜後1ヶ月たったフイルムを二軸延伸PETフイルム(12μm、面配向係数0.158)に接着剤を介してラミネート加工する際の破れや裂けによる頻度を下記のように定義し判定した(ロールテンション1kg/cm、ラミネート速度20m/分、接着剤:溶剤ウレタン系接着剤)。
【0038】
A級:5時間でまったくトラブルなし
B級:5時間で1回のトラブル
C級:5時間で2回以上のトラブル
(8)ヒートシール強度
上記ラミネートフイルムをインパルス式シーラーで温度を変更しヒートシールした後、シール強度をテンシロンで180°条件で測定した(15mm幅、引張り速度300mm/分)。
【0039】
(9)保香性
ポリエステルフイルムが香料水溶液(d−リモネン30ppm 水溶液)に接するようにして(接触面積:500cm2 )40℃14日間放置した後、熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度+5℃で30分間窒素気流中で加熱し追い出される成分を、ガスクロマトグラフィーによりフイルム1gあたりのd−リモネンの吸着量を定量し味特性を評価した。
【0040】
(10)ガスバリア性
蒸着したフイルムをラミネート加工後に酸素透過率、水蒸気透過率について測定した。酸素透過率はASTM D−3985に準じて酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN100)を用いて測定した。測定条件は温度23℃、相対湿度80%である。
【0041】
水蒸気透過率はASTM F−1249に準じて水蒸気透過率計を用いて温度40℃、相対湿度90%で測定した。
【0042】
実施例1
ポリエステルAとしてポリエチレンテレフタレート(IV=1.0、融点247℃)、ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノール30モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(IV=0.80、融点194℃、架橋ポリスチレン粒子(平均粒子径6μm、0.1重量%))を二軸ベント式の別々の押出機(押出機の温度は融点+35℃に設定)に供給溶融し、30μmカットのフィルタで濾過した後に、フィードブロックにて2層に積層(積層比が1:3(A:B))して通常の口金から吐出後、静電印加(7kV)でB層がドラム面になるようになし地冷却ドラムにて冷却固化してキャストフイルムを得る。得られたフイルムを130℃のロールで10秒熱処理し、25℃に急冷し、両面にコロナ放電処理(E=35)を施した後にフイルムを得る。かくして得られた2層積層フイルムの物性を表1に示す。結晶化度は0.5%であった。表からわかるように、ラミネート加工性良好であり、袋の開封性も良好であった。
【0043】
実施例2〜5
熱処理条件、共重合成分、表面の濡れ性の変更を行い、実施例1と同様の方法でフイルムを得た後フイルム物性を調べた。表1〜表3に結果を示す。
【0044】
実施例2ではポリエステルBを両面積層し、コロナ放電処理(E=40)を施したところ良好な結果を得た。
【0045】
実施例3では熱処理条件を110℃10秒に変更したところ、経時後の伸度が低下し、表1に示すように加工性が低下した。
【0046】
実施例4ではポリエステルAの固有粘度を0.78としたところ、加工性が低下し、ヒートシール強度も低下した。
【0047】
実施例5では面配向係数が0.02になるようにキャスト〜ロール間のドローを調整したところ、加工性が特に良好となった。
【0048】
実施例6
実施例1のPET面に酸化アルミの蒸着層を20nm形成させたところ、加工後のガスバリア性は0.4g/m2 ・day、0.6ml/m2 ・dayであった。
【0049】
実施例7
実施例1において、ポリエステルBとして、1,3−プロピレングリコールとテレフタル酸から得たポリプロピレンテレフタレート(20重量%)(融点224℃、IV=0.85)とイソフタル酸10モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(IV=0.80、融点233℃、架橋ポリスチレン粒子(平均粒子径6μm)含有)をブレンドしたものを使用した以外は同様にしてフイルムを得た。得られたフイルムは特にヒートシール性が良好であった。
【0050】
比較例1
実施例1について熱処理を施さないで製膜したところ、得られたフイルムはラミネート加工性が大きく悪化した。さらに、実施例6と同様にして透明蒸着層を形成したところ、加工後のガスバリア性は1.0g/m2 ・day、1.3ml/m2 ・dayであった。
【0051】
比較例2
融点210℃のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(平均粒子径1μmのシリカ粒子を0.2重量%)をPETと共押出しして90℃で縦3.2倍、横3.2倍延伸し220℃で熱固定したところ共重合PETの厚みは3μmであったが、ヒートシール性が低下した。
【0052】
比較例3
アジピン酸20モル%共重合PBT(IV=0.8)とイソフタル酸13モル%共重合PET(IV=0.65)を2:8で混合し270℃で押出し、キャスト冷却後に未延伸フイルムを得た。得られたフイルムは加工性、保香性が劣っていた。
【0053】
【表1】
Figure 0003733729
【表2】
Figure 0003733729
【表3】
Figure 0003733729
【表4】
Figure 0003733729
【表5】
Figure 0003733729
【0054】
【発明の効果】
本発明のポリエステルフイルムは熱接着性、保香性だけでなくラミネート加工性に優れており、工材、包材用途のフイルムとして好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. エチレンテレフタレート単位を60重量%以上有する固有粘度0.7〜1.5のポリエステルAを構成成分とするフィルムの少なくとも片面に、融点が150〜230℃のポリエステルBからなるフイルムを積層してなるポリエステルフイルムであって、該ポリエステルフイルムの面配向係数が0〜0.05であり、40℃で5日経時後の伸度が100%以上であって、かつ厚さが5〜40μmであることを特徴とするポリエステルフイルム。
  2. ポリエステルAのグリコール成分の中で1,3−プロパンジオール成分を3以上35重量%未満含有することを特徴とする請求項1に記載のポリエステルフイルム。
  3. ポリエステルAにブタンジオール残基を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステルフイルム。
  4. 少なくとも片面の表面粗さRaが0.01μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエステルフイルム。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエステルフイルムに金属および/または金属酸化物よりなる層を積層したことを特徴とするポリエステルフイルム。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルフイルムと面配向係数0.10〜0.17の二軸延伸ポリエステルフイルムを接着層を介して積層してなることを特徴とするポリエステルフイルム。
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