JP4341338B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置等に関し、より詳しくは例えば電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体を一様に帯電し、この感光体を画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、さらにこのトナー像を記録紙に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置においては、図7に示したように、円筒状の芯金111の内部に加熱源113を備え、その芯金111の外周面に離型層112が形成された定着ロール110と、この定着ロール110に対して圧接配置され、芯金121の外周面に耐熱性弾性体層122、および耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層123が形成された加圧ロール120とで構成されている。そして、定着ロール110と加圧ロール120との間に、未定着トナー像を担持した記録紙を通過させて、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことによって、記録紙にトナー像を定着している。このような定着装置は、加熱ロール方式と呼ばれて、一般的に広く利用されている。
ところで、加熱ロール方式の定着装置において高速化を図ろうとする場合には、トナーと記録紙に充分な熱量を供給するために、ニップ幅を定着速度に比例して広くすることが必要となる。ニップ幅を広くする方法として、定着ロールと加圧ロールとの間の荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法、さらにはロール径を大きくする方法がある。
しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが発生する等の画像品質上の問題が生じる。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、ロールを室温から定着可能温度まで上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
そこで、これらの問題を解消して、画像形成装置の高速化に対応した定着装置を実現するべく、本出願人は、表面が弾性変形する回転可能な加熱ロールと、この加熱ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルトと、このエンドレスベルトの内側に非回転状態で配置された圧力パッドとを具備し、圧力パッドによって、加熱ロールとの接触面が形成されるようにエンドレスベルトを加熱ロールに圧接させ、エンドレスベルトと加熱ロールとの間にシートを通過させることができるようにベルトニップを設けるとともに、加熱ロールの表面のうち、シートの出口側を局部的に弾性変形させるように構成した定着装置に関する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
かかる特許文献1に記載した技術では、従来の加熱ロール方式の定着装置における加圧ロールに代え、圧力パッドを用いてエンドレスベルトを加熱ロールに圧接させている。このような構成を採用することにより、加熱ロールとエンドレスベルトとによって形成されるベルトニップの幅が従来の加熱ロールと加圧ロールとのロールニップの幅よりも容易に大きくすることができるので、高速化対応が可能となり、しかも装置の小型化を図ることも容易である。
特に、加熱ロールに圧接させるエンドレスベルトの熱容量が小さく、さらに圧力パッドが非回転状態で配置されているために加熱ロールから伝達される熱も発散され難い。そのため、加熱ロールの回転が開始されても、加熱ロールからエンドレスベルト側に奪われる熱量は少なく、熱をトナーの溶融に利用する効率を高めるとともに、ベルトニップでの温度低下量も小さいことから、トナーの定着性の向上を図ることができるという利点を有している。
特許第3298354号公報(第4-7頁)
ところで、圧力パッドを用いてエンドレスベルトを加熱ロールに圧接させる方式の定着装置においては、圧力パッドによりエンドレスベルトを加熱ロールに圧接させるに際し、圧力パッドとエンドレスベルトとの間の滑り性を確保するために、両者の間に低摩擦部材を介在させたり、潤滑剤を塗布している。
しかしながら、画像形成装置のジョブ毎に連続して通紙される記録紙枚数が増減することによるニップ部での温度変化や、記録紙の厚さによる通紙速度の変化、さらには時間の経過等に起因して、圧力パッドとエンドレスベルトとの間に塗布する潤滑剤の塗布量が不安定となる。そのために、圧力パッドとエンドレスベルトとの接触抵抗(摺動抵抗)が増加するという現象が生じる場合がある。このような現象が発生した場合には、エンドレスベルトの動きが加熱ロールに対応し難くなり、それに伴って記録紙の搬送が良好でなくなり、紙しわや画像ずれ等の画像不良を生じさせる可能性がある。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、定着装置における記録紙の搬送能力の安定を図ることにより、長期に亘り紙しわや画像ずれ等の発生を抑えて高品質な画像を形成することにある。
かかる目的のもと、本発明の定着装置は、回動可能な回動部材と、この回動部材に接触しながら移動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、エンドレスベルトを回動部材に圧接させて回動部材とエンドレスベルトとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備えており、さらにこれらに加えて、エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と、この潤滑剤塗布部材によってエンドレスベルトの内周面に塗布された潤滑剤の塗布量を制御する塗布量制御部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、圧力部材は、回動部材の表面のうち、記録材の搬送方向下流側を局部的に弾性変形させることを特徴とすることができる。
また、塗布量制御部材は、ニップ部のエンドレスベルトの移動方向上流側近傍に配置することができる。さらに、塗布量制御部材は、潤滑剤塗布部材のエンドレスベルトの移動方向下流側に配置することができる。
また、塗布量制御部材は、潤滑剤塗布部材よりも潤滑剤吸収能力を低く構成するのが好ましい。
さらに、エンドレスベルトと圧力部材との間に、エンドレスベルトと圧力部材との間の摺動抵抗を低減する摺動部材をさらに備えたことを特徴とすることもできる。特に、摺動部材は、潤滑剤を浸潤しない構成が好ましい。
また、本発明の定着装置は、発熱源を有し、表面が弾性変形する回転可能な定着ロールと、この定着ロールに接触しながら移動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、エンドレスベルトを定着ロールに圧接させてエンドレスベルトと定着ロールとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備えており、さらに加えて、エンドレスベルトの内周面に当接して配置された第1の多孔質部材と、第1の多孔質部材のエンドレスベルトの移動方向下流側であってニップ部の上流側近傍に、エンドレスベルトの内周面と当接して配置された第2の多孔質部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、第1の多孔質部材は、潤滑剤が含浸されていることを特徴とすることもできる。また、第2の多孔質部材は、第1の多孔質部材よりも潤滑剤吸収能力を低く構成するのが好ましい。
また、本発明の定着装置は、表面が弾性変形するとともに、駆動源に接続されて回転可能な加圧ロールと、発熱源を有するとともに、加圧ロールに接触しながら従動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、エンドレスベルトを加圧ロールに圧接させてエンドレスベルトと加圧ロールとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備えており、さらに加えて、エンドレスベルトの内周面に当接して配置された第1の多孔質部材と、第1の多孔質部材のエンドレスベルトの移動方向下流側であってニップ部の上流側近傍に、エンドレスベルトの内周面と当接して配置された第2の多孔質部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、エンドレスベルトは、発熱源として抵抗発熱体または電磁誘導発熱体を用いることができる。発熱源は、ベルトを加熱できるもので有れば、方法、構成は任意である。具体的には、発熱源は、エンドレスベルトに具備された抵抗発熱層であってもよいし、エンドレスベルトとは、別に、例えば、エンドレスベルトを加圧ロールに圧接させてエンドレスベルトと加圧ロールとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材が抵抗発熱体で構成されたものでもよい。
さらに、本発明を画像形成装置と捉え、本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材に定着する定着手段とを含み、定着手段は、回動可能な回動部材と、回動部材に接触しながら移動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、エンドレスベルトを回動部材に圧接させて回動部材とエンドレスベルトとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備えており、さらに加えて、エンドレスベルトの内周面に当接して配置された第1の多孔質部材と、第1の多孔質部材のエンドレスベルトの移動方向下流側であってニップ部の上流側近傍に、エンドレスベルトの内周面と当接して配置された第2の多孔質部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、定着手段は、圧力部材が、回動部材の表面のうち、記録材の搬送方向下流側を局部的に弾性変形させることを特徴とすることができる。また、トナー像形成手段は、カラートナー像を形成することを特徴とすることもできる。
本発明の効果として、定着装置における記録紙の搬送能力の安定を図ることにより、長期に亘り紙しわや画像ずれ等の発生を抑えて高品質な画像を形成することができる画像形成装置を提供することが可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにて形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11が帯電される帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像が書込まれるレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C、1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにて、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10にて、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16にて中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20にて、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。図2は本実施の形態の定着装置60の構成を示す側断面図である。定着装置60は、回動部材の一例としての定着ロール61、エンドレスベルト62、エンドレスベルト62を介して定着ロール61から押圧される圧力部材の一例としての圧力パッド64により主要部が構成されている。
定着ロール61は、金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612、および離型層613を積層して構成されたものである。
定着ロール61の内部には、発熱源としてのハロゲンランプ66が配設されている。一方、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンランプ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、170℃)を維持するように調整している。
エンドレスベルト62は、圧力パッド64とベルト走行ガイド63とによって回動自在に支持されている。そして、ニップ部Nにおいて定着ロール61に対して圧接されて配置されている。
圧力パッド64は、エンドレスベルト62の内側において、エンドレスベルト62を介して定着ロール61に押圧される状態で配置され、定着ロール61との間でニップ部Nを形成している。圧力パッド64は、幅の広いニップ部Nを確保するためのプレニップ部材64aをニップ部Nの入口側に配置し、定着ロール61に歪みを与えるための剥離ニップ部材64bをニップ部Nの出口側に配置している。さらに、エンドレスベルト62の内周面と圧力パッド64との摺動抵抗を小さくするために、プレニップ部材64aおよび剥離ニップ部材64bのエンドレスベルト62と接する面に低抵抗シート68が設けられている。そして、圧力パッド64と低抵抗シート68とは、金属製のホルダ65に保持されている。
さらに、ホルダ65には、ベルト走行ガイド63が取り付けられ、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように構成されている。すなわち、ベルト走行ガイド63は、エンドレスベルト62内周面と摺擦するため、静止摩擦係数の小さな材質で形成されている。また、ベルト走行ガイド63は、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成されている。
定着ロール61は、図示しない駆動モータにより矢印C方向に回転し、この回転によりエンドレスベルト62も従動回転する。図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって導かれて、ニップ部Nに搬送される。そして、用紙Pがニップ部Nを通過する際に、用紙P上のトナー像はニップ部Nに作用する圧力と、定着ロール61から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置60では、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状のプレニップ部材64aによりニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
加えて、本実施の形態の定着装置60では、定着ロール61の外周面に対し突出させて剥離ニップ部材64bを配置することにより、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成することもできる。このように剥離ニップ部材64bを配置すれば、定着後の用紙Pは、剥離ニップ部を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、定着ロール61に巻き付くことのない用紙Pの剥離をより効果的に行うことができる。
特に、定着ロール61の歪みを局所的に大きくすることによって、小さい歪み量で高い剥離性能を得ることが可能となる。そのため、定着ロール61の離型層613として、薄膜の耐熱性樹脂を用いた場合でも、用紙Pにおける紙しわの発生を抑制できる。また、耐熱性弾性体層612と離型層613との間の剥がれ等も発生し難く、剥離性能の維持と併せて長期に亘る部品性能の信頼性を向上させることができる。
さらには、定着ロール61の歪み量を小さく形成できるので、定着ロール61の耐熱性弾性体層612を薄肉化することができる。そのため、定着ロール61の熱容量を小さく構成できるので、ウォームアップタイムを短くするとともに、消費電力の低減を図ることもできる。また、熱伝導率の低い耐熱性弾性体層612を薄肉化できるため、定着ロール61の内面と外面との間の熱抵抗が小さくなって熱応答性の向上を図れるため、画像形成装置の高速化にも適している。
なお、剥離の補助手段として、定着ロール61のニップ部Nの下流側に、剥離部材70を配設することも可能である。剥離部材70は、剥離シート71が定着ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ロール61と近接する状態でホルダ72によって保持されている。
次に、定着装置60を構成する各部材について詳細に述べる。まず定着ロール61では、コア611は、鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属製の円筒体で構成されている。コア611の外形および肉厚は、本実施の形態の定着装置60では、圧力パッド64の押圧力が小さいため、小径化、薄肉化を図ることができる。
耐熱性弾性体層612としては、耐熱性の高い弾性体であればどのような材料を用いることも可能である。特に、ゴム硬度が25〜40°(JIS−A)程度のゴム、エラストマ等の弾性体を用いるのが好ましく、具体的には、シリコンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
離型層613は、耐熱性の樹脂であればどのような樹脂を用いてもよく、例えばシリコン樹脂、フッ素樹脂等を用いることができるが、離型層613のトナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)等が使用できる。離型層613の厚みとしては、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。離型層613の厚みが5μm未満であると、定着ロール61の歪みに基づき用紙Pにしわが生じやすくなり、一方、30μmを超えると、離型層613が硬くなり、画像に光沢ムラ等の欠陥が生じる可能性が増え、ともに好ましくないからである。
エンドレスベルト62は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトであり、ベース層と、このベース層の定着ロール61側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。ベース層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のポリマーやSUS、ニッケル、銅等の金属により形成され、その厚みは、30〜200μm、好ましくは50〜125μm、より好ましくは75〜100μm程度である。ベース層の表面に被覆される離型層としては、フッ素樹脂、例えばPFA、PTFE、FEPで形成され、その厚みは5〜100μm、好ましくは10〜30μm程度である。
圧力パッド64は、上述したように、プレニップ部材64a、剥離ニップ部材64b、摺動部材の一例としての低抵抗シート68、およびホルダ65で構成されている。プレニップ部材64aは、シリコンゴムやフッ素ゴム等の弾性体や板バネ等を用いることができ、定着ロール61側の面は、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状で形成されている。
剥離ニップ部材64bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸曲面状に形成される。
低抵抗シート68は、エンドレスベルト62内周面と圧力パッド64との摺動抵抗を低減するために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が適している。具体的には、シンタード成型したPTFE樹脂シート、テフロン(商標名)を含浸させたガラス繊維シート等を用いることができる。なお、低抵抗シート68は、プレニップ部材64aや剥離ニップ部材64bと別体に構成しても、プレニップ部材64aや剥離ニップ部材64bと一体的に構成しても、いずれでもよい。
また、ベルト走行ガイド63は、上述したように、エンドレスベルト62の内周面と摺擦するため、摩擦係数が低く、かつ、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率が低い材質が適しており、PFAやPPS等の耐熱性樹脂が用いられる。
ベルト走行ガイド63には、定着装置60の長手方向に亘って、潤滑剤塗布部材67が配設されている。潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62内周面に対し、ジメチルシリコンオイル等の潤滑剤を適量供給することで、低抵抗シート68を介したエンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動抵抗をさらに低減し、エンドレスベルト62の円滑な回動を図っている。
さらに、本実施の形態の定着装置60においては、エンドレスベルト62の内側であって、圧力パッド64の配置位置よりもエンドレスベルト62の移動方向上流側の近傍に、潤滑剤塗布部材67によって塗布された潤滑剤を一次的に保持するとともに、エンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動部に対し、常に一定量の潤滑剤を幅方向に亘って均一に供給する塗布量制御部材の一例としての潤滑剤制御部材80が配設されている点に特徴がある。
上述したように、トナー像が静電転写された用紙Pが定着装置60のニップ部Nを通過することにより、トナー像が用紙Pに定着されるが、用紙Pがニップ部Nを通過する際の搬送力は、駆動側の定着ロール61から受けている。すなわち、用紙Pは、定着ロール61の回転に伴い、定着ロール61から摩擦力を受けることによって搬送されている。
一方、ニップ部Nに用紙Pが搬送されていない状態では、従動側のエンドレスベルト62も定着ロール61の回転に伴って定着ロール61から摩擦力を受けることによって回動している。しかし、ニップ部Nに用紙Pが搬送され、用紙Pがニップ部Nに挟持されている場合には、エンドレスベルト62は用紙Pを介して定着ロール61から搬送力を受けている。したがって、用紙P側から捉えると、用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙Pには定着ロール61からの搬送力を受けるとともに、エンドレスベルト62側から搬送方向とは逆方向の力(逆搬送力)が作用することとなる。
ところで、エンドレスベルト62は、ニップ部Nにおいて圧力パッド64が押圧されているために、圧力パッド64からは回動方向とは逆の方向の力が摺動抵抗として作用している。そのため、上述したように、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間には低抵抗シート68を介在させるとともに、潤滑剤塗布部材67からエンドレスベルト62の内周面に潤滑剤を塗布して、エンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動抵抗を極力低減するように構成している。
したがって、通常状態では、エンドレスベルト62が圧力パッド64から受ける摺動抵抗は極めて小さく、円滑に回動可能であることから、エンドレスベルト62は用紙Pと等速で回動することが可能である。この場合には、用紙Pが受ける逆搬送力は、エンドレスベルト62を介した圧力パッド64からの摺動抵抗であるから無視できる程度に小さい。そのため、用紙Pは定着ロール61と等速に安定して搬送される。
ところが、画像形成装置のジョブ毎に通紙枚数が異なることからニップ部Nにおいて温度変化が生じたり、通紙される用紙Pの厚さに応じて通紙速度を変化させる構成ではニップ部Nにおけるエンドレスベルト62の移動速度も変化するために、圧力パッド64とエンドレスベルト62との間の潤滑剤の塗布量が不安定に変化することがある。また、定着装置60を長期に亘り使用すると、潤滑剤塗布部材67から供給されるシリコンオイル等の潤滑剤に成分劣化も生じる。特に、定着装置60では、高温状態で潤滑剤が使用されるために、成分劣化が促進され易い。そのため、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間では、両者の摺動抵抗が変動して、摺動抵抗の高くなった状態が発生する場合がある。
エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動抵抗が増加すると、用紙Pがニップ部Nを搬送される際に、用紙Pがエンドレスベルト62を介して圧力パッド64から受ける逆搬送力が無視できなくなる。さらに、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動抵抗が過大になると用紙Pに作用する逆搬送力が大きくなり、用紙Pの搬送が定着ロール61の回動に追随できず、用紙Pと定着ロール61との間でスリップが発生する。そのため、用紙Pの円滑な搬送が妨げられ、画像ずれや用紙Pにおける紙しわの原因となる。
特に、ニップ部Nにおいては、定着ロール61の外径を中央部から両端部にかけて大きく形成した、所謂クラウン形状としたり、剥離ニップ部材64bと定着ロール61との間の押圧力が中央部から両端部にかけて大きくなるように設定している。このように設定することによって、常に用紙Pには中央部から両端部に向かって幅方向に力が作用するようにして、用紙Pに紙しわが生じるのを防止している。このような用紙Pの幅方向に作用する微妙な力のバランスが、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動抵抗が増加するために、用紙Pが定着ロール61の搬送に追随できなくなって崩れ、用紙Pに紙しわを生じさせたり、さらには画像ずれを生じさせることとなる。
そこで、本実施の形態の定着装置60では、エンドレスベルト62の内側であって、圧力パッド64の配置位置よりもエンドレスベルト62の移動方向上流側の近傍に、潤滑剤制御部材80を配設している。そして、潤滑剤制御部材80によって、潤滑剤塗布部材67から塗布された潤滑剤を一次的に保持しながら、エンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動部に対し、常に一定量の潤滑剤を均一に供給するように構成することで、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動抵抗の増加を抑制している。これによって、用紙Pを定着ロール61と等速に安定して搬送することが可能となり、画像ずれや用紙Pへの紙しわの発生が抑えられる。
ここで、潤滑剤制御部材80の作用について、詳細に述べる。まず、上述したように、潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62内周面に対し、ジメチルシリコンオイル等の潤滑剤を常時供給している。ここで、潤滑剤としては、ジメチルシリコンオイル等の液体状のものの他、固形物質と液体とを混合させたグリース等を用いることもでき、またこれらを組み合わせて用いることもできる。
潤滑剤塗布部材67によって塗布された潤滑剤は、エンドレスベルト62の移動に伴ってエンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動部へと運ばれる。その際、エンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動部の上流側近傍において、エンドレスベルト62内周面に対して、所定の押圧力で幅方向に亘って均一に当接して配設された潤滑剤制御部材80が、潤滑剤を一旦保持する。
潤滑剤制御部材80によって保持された潤滑剤は、潤滑剤制御部材80から改めて一定量ずつエンドレスベルト62内周面に供給される。すなわち、潤滑剤制御部材80では、潤滑剤塗布部材67によって塗布される潤滑剤の塗布量が不足している場合には補充し、供給過多の場合には潤滑剤の余分な分を取り除いて一時的に保持することで、エンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動部に供給する潤滑剤の塗布量を制御している。そのため、エンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動部には常に一定量の潤滑剤を均一に供給することが可能となる。特に、潤滑剤制御部材80は、エンドレスベルト62の移動方向上流側の近傍に配置しているため、均一に塗布された潤滑剤が乱されることなく、そのまま摺動部に供給することができる。
このように、潤滑剤制御部材80によって、画像形成装置のジョブ毎の通紙枚数の異なりや、通紙速度の変化等に拘わらず、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間に常に一定量の潤滑剤を均一に供給することができるので、両者の間の摺動抵抗の変動を抑え、摺動抵抗を常にほぼ一定に保つことができる。そのため、エンドレスベルト62は円滑に回動でき、エンドレスベルト62と用紙Pとは等速で回動することが可能である。その結果、用紙Pは定着ロール61と等速に安定して搬送することができ、紙しわの発生や画像ずれを抑制することができる。
また、エンドレスベルト62の内側であって、圧力パッド64の配置位置よりもエンドレスベルト62の移動方向上流側の近傍に、潤滑剤制御部材80を配設することで、エンドレスベルト62とベルト走行ガイド63等との摺動により生じた摩耗粉等がエンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動部に入り込むのを抑制するので、両者の間への異物の混入による摺動抵抗の増加を抑えることも可能となる。
ところで、潤滑剤塗布部材67および潤滑剤制御部材80は、潤滑剤を保持できるように多孔質の材料で形成されている。多孔質の材料とは、多数の孔を有する物質や細い繊維を絡めせた構造の物質等、孔部を有してそこに潤滑剤を保持できる材料をいい、具体的には、スポンジや発泡体樹脂、フェルト、織物、延伸により多孔質化したフィルム等が含まれる。
特に、本実施の形態の定着装置60では、潤滑剤制御部材(第2の多孔質部材)80における潤滑剤吸収能力が潤滑剤塗布部材(第1の多孔質部材)67における潤滑剤吸収能力よりも低くなるように構成している。さらに、潤滑剤塗布部材67は、熱源であるニップ部Nから最も離れたベルト走行ガイド63の中に配設している。
このように、潤滑剤の貯蔵部を兼ねる潤滑剤塗布部材67をニップ部Nから離れた位置に配置することで、潤滑剤塗布部材67に保持された潤滑剤に熱が加わることを抑えるとともに、潤滑剤制御部材80における潤滑剤吸収能力が低く設定されているので、ニップ部Nの近傍に配設されて熱を受けやすい潤滑剤制御部材80に保持される潤滑剤の量を少なくできることから、ニップ部Nからの熱による劣化を受ける潤滑剤の量は極力少なくなり、全体として潤滑剤に対する熱劣化を抑制することができる。
なお、潤滑剤の吸収能力は、部材内に潤滑剤を充分に充填した後、自由空間に吊り下げ、一定時間後に重量を測って充填されている潤滑剤の重量を求めることで、測定することができる。
また、潤滑剤塗布部材67は、長期に亘って潤滑剤を供給するため、エンドレスベルト62の内周面に接触するように複数配設することもできる。この場合においても、潤滑剤塗布部材67は、ニップ部Nから離れて配置するのが好ましい。
一方、エンドレスベルト62内周面と圧力パッド64との間に配設される低抵抗シート68は、表面に孔部がなく浸潤性のない材質で形成されていることが望ましい。浸潤性のない材料で有れば、その表面に凹凸形状を形成してもよい。低抵抗シート68を多孔質材料等の浸潤性を有する材質で形成すると、特に高圧の下で孔部に潤滑剤が入り込んだり、さらには裏面まで浸み込む等して、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動部において、潤滑剤の均一な層を形成することができないという不都合がある。そこで、低抵抗シート68を表面に孔部がなく浸潤性のない材質で形成することで、潤滑剤を低抵抗シート68表面上にのみ保持して、低抵抗シート68の表面に均一な層を形成することが可能となる。このため、エンドレスベルト62と圧力パッド64とを円滑に摺動することが容易となる。
次に、潤滑剤制御部材80を設けた本実施の形態の定着装置60において、用紙Pにおける紙しわの発生に関する実験を行った。この実験では、潤滑剤制御部材80として、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)樹脂シートの基板上に、エンドレスベルト62側の表面に、太さ400デニールの延伸したPTFE樹脂繊維をあや織りした織物を熱圧着させたものを用いた。また、潤滑剤塗布部材67として、厚さ4mm、幅7mm、長さ310mmのフェルトであって、予め動粘度300mm/sのジメチルシリコンオイルを3ccだけ含浸させたものを用いている。
なお、定着ロール61には、アルミニウム製のコア611に、0.6mm厚のシリコンゴムの耐熱性弾性体層612と、0.03mm厚のPFA樹脂の離型層613を被覆した外径26mmのものを用い、定着ロール61の表面温度は170℃に設定した。また、エンドレスベルト62には、外径30mm、厚さ0.075mmのポリイミド樹脂に0.01mmのPFA樹脂を被覆したものを用いた。さらに、圧力パッド64は、シリコンゴムからなるプレニップ部材64aと、アルミニウムからなる剥離ニップ部材64bと、エンドレスベルト62側の摺動面側をシンタード成型したPTFE樹脂で被覆した低抵抗シート68とで構成されたものを用いた。
そして、定着装置60においてプロセススピード194mm/sで20時間の非通紙動作を実施し、擬似的に経時劣化を起こさせた。この定着装置60に、A3サイズの富士ゼロックス(株)社製のP紙(商品名)を用い、エンドレスベルト62側に未定着トナー像を担持し、定着ロール61側に定着されたトナー像を担持した、紙しわの発生し易い状態の用紙Pを10枚通紙して、紙しわの発生枚数を数えた。その結果、紙しわの発生は1枚も認められなかった。
一方、比較例として、潤滑剤制御部材80を設けない定着装置を用いて同様の実験を行ったところ、10枚中8枚において紙しわの発生が確認された。なお、この定着装置の構成は、潤滑剤制御部材80の有無以外は、上記した本実施の形態の定着装置60と同じである。
このように、本実施の形態の定着装置60における優位性が確認された。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60においては、潤滑剤制御部材80によって、画像形成装置のジョブ毎の通紙枚数の異なりや、通紙速度の変化等に拘わらず、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間に常に一定量の潤滑剤を均一に供給することができるので、両者の間の摺動抵抗の変動を抑え、摺動抵抗を常に小さく保つことができる。そのため、エンドレスベルト62は円滑に回動でき、エンドレスベルト62と用紙Pとは等速で回動することが可能となる。その結果、用紙Pは定着ロール61と等速に安定して搬送することができ、紙しわの発生や画像ずれを抑制することができる。
また、エンドレスベルト62の内側であって、圧力パッド64の配置位置よりもエンドレスベルト62の移動方向上流側の近傍に、潤滑剤制御部材80を配設することで、エンドレスベルト62とベルト走行ガイド63等との摺動により生じた摩耗粉等がエンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動部に入り込むのを抑制することもできるので、両者の間への異物の混入による摺動抵抗の増加を抑え、用紙Pと定着ロール61との搬送を安定化する効果も有する。
[実施の形態2]
実施の形態1では、加熱手段として定着ロールを用い、加圧手段として圧力パッドが押圧されたエンドレスベルトを用いた定着装置が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧されたエンドレスベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図3は、本実施の形態における定着装置91の構成を示す側断面図である。図3に示すように、本実施の形態の定着装置91では、エンドレスベルト62が用紙Pのトナー像担持面側に配置されている。エンドレスベルト62の内側に発熱源の一例としての抵抗発熱体であるセラミックヒータ82が配設され、セラミックヒータ82からニップ部Nに熱を供給するように構成している。
セラミックヒータ82は、加圧ロール81側の面がほぼ加圧ロール81の外周面に倣う凹形状で形成され、エンドレスベルト62を介して加圧ロール81に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、セラミックヒータ82は圧力部材としても機能している。またセラミックヒータ82は、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)に向かうほど厚みが大きく構成され、剥離ニップ部ほど大きなニップ圧を形成するとともに、剥離ニップ部におけるエンドレスベルト62の曲率半径が小さくなるように構成されている。これによって、定着後の用紙Pが剥離ニップ部を通過する際に、エンドレスベルト62の小さな曲率半径によってエンドレスベルト62に巻き付くことなく用紙Pを剥離することが可能である。
さらに、エンドレスベルト62内周面とセラミックヒータ82との間には低抵抗シート68が配設されている。この低抵抗シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成しても、いずれでもよい。
一方、加圧ロール81はエンドレスベルト62に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転によりエンドレスベルト62が従動回転するように構成されている。加圧ロール81は、コア (円筒状芯金)811と、コア811の外周面に被覆した耐熱性弾性体層812と、さらに耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層813とが積層されて構成されている。
また、剥離の補助手段として、エンドレスベルト62のニップ部Nの下流側に、剥離部材70を配設することも可能である。剥離部材70は、剥離シート71がエンドレスベルト62の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)にエンドレスベルト62と近接する状態でホルダ72によって保持されている。
そして、図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって定着装置91のニップ部Nに導かれる。用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙P上のトナー像は、ニップ部Nに作用する圧力と、エンドレスベルト62側のセラミックヒータ82から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置91でも、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状のセラミックヒータ82によりニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
ここで、本実施の形態の定着装置91においては、ベルト走行ガイド63に、定着装置91の長手方向に亘って潤滑剤塗布部材67が配設され、潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62内周面に対し、ジメチルシリコンオイル等の潤滑剤を適量供給している。さらに、エンドレスベルト62の内側であって、セラミックヒータ82の配置位置よりもエンドレスベルト62の移動方向上流側の近傍に、潤滑剤制御部材80を配設している。そして、潤滑剤制御部材80によって、潤滑剤塗布部材67から塗布された潤滑剤を一次的に保持するとともに、エンドレスベルト62と低抵抗シート68との摺動部に対し、常に一定量の潤滑剤を均一に供給するように構成している。
このように構成することによって、実施の形態1と同様に、画像形成装置のジョブ毎の通紙枚数の異なりや、通紙速度の変化等に拘わらず、エンドレスベルト62と低抵抗シート68との間に常に一定量の潤滑剤を均一に供給することができるので、エンドレスベルト62とセラミックヒータ82との間の摺動抵抗の変動を抑え、摺動抵抗を常に小さく保つことができる。そのため、エンドレスベルト62は円滑に回動でき、エンドレスベルト62と用紙Pとは等速で回動することが可能となる。その結果、用紙Pは定着ロール61と等速に安定して搬送することができ、紙しわの発生や画像ずれを抑制することができる。
[実施の形態3]
実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧されたエンドレスベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明した。実施の形態3では、加熱手段における発熱源として電磁誘導発熱体を使用した定着装置について説明する。尚、実施の形態2と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図4は、本実施の形態における定着装置92の構成を示す側断面図である。図4に示すように、本実施の形態の定着装置92では、エンドレスベルト62が用紙Pのトナー像担持面側に配置されている。エンドレスベルト62の外側には、エンドレスベルト62面に対し略直交した交流磁界を発生させる電磁誘導発熱体の一部を構成する電磁石83が配設され、エンドレスベルト62を誘導加熱してニップ部Nに熱を供給するように構成している。
一方、加圧ロール81はエンドレスベルト62に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転によりエンドレスベルト62が従動回転するように構成されている。
エンドレスベルト62は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトである。そして、本実施の形態の定着装置92では、エンドレスベルト62の層構造は、図5に示したように、耐熱性の高いシート状部材からなる基材層621、基材層621の上に積層された電磁誘導発熱体の一部を構成する導電層622、最も上層となる離型層623の少なくとも3層を基本に備えている。
エンドレスベルト62の基材層621は、厚さ10〜100μm、さらに好ましくは50〜100μm(例えば、75μm)の耐熱性の高いシートで形成され、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等の耐熱性の高い合成樹脂からなるものが使用できる。
エンドレスベルト62の導電層622は、電磁石83によって生じる交流磁界の電磁誘導作用により誘導発熱する層であり、鉄・コバルト・ニッケル・SUS・アルミニウム・銅・クロム・銀等の金属を1〜100μm程度の厚みで形成したものが用いられる。ここで、アルミニウム・銅・銀等の電気伝導率の大きな金属では、渦電流によるジュール熱を大きくするために、見かけの抵抗値が高くなるように構成している。すなわち、抵抗値Rは、R=ρl/S(ρ:抵抗率、l:長さ、S:断面積)で表されるため、導電層622の厚さを薄く構成することによって断面積Sを小さくすれば、見かけの抵抗値を高く構成することができる。したがって、導電層622として電気伝導率の大きな金属を用いる場合には、導電層622の厚さは数μm、例えば5〜10μmに形成する。他方、鉄・コバルト・ニッケル・SUS等の電気伝導率の比較的大きくない金属では、材料自体がある程度高い抵抗率ρを有しているので、導電層622の厚さは例えば30〜100μmに形成される。
また、エンドレスベルト62の離型層623は、離型性のよい材料を使用することが必要である。この離型層623を構成する材料としては、例えば、PFA、PTFE、シリコン共重合体、またはこれらの複合層等が挙げられる。離型層623は、これらの材料のうちから適宜選択されたものを、1〜100μmの厚さでエンドレスベルト62の最上層に設けたものである。
電磁石83は、エンドレスベルト62の移動方向と直交する方向を長手方向とする横長に形成された部材であり、被加熱部材であるエンドレスベルト62とは0.5〜2mm程度のギャップを保持して、エンドレスベルト62の外側に配設されている。
図6は電磁石83の構成を説明する側断面図である。図6に示したように、電磁石83は、磁界を発生させる励磁コイル831と、磁路を形成する強磁性体からなる磁心832と、励磁コイル831に対してエンドレスベルト62とは反対側に設けられた磁場遮蔽部材833と、励磁コイル831に電流を供給する励磁回路834で形成されている。
励磁コイル831としては、例えば、相互に絶縁された直径φ0.5mmの銅線材を16本束ねたリッツ線を直線状に所定の本数だけ並列的に配置したものが用いられる。
この励磁コイル831には、励磁回路834によって所定の周波数の交流電流が印加される。これによって励磁コイル831の周囲には交流磁界Hが発生する。この交流磁界Hがエンドレスベルト62の導電層622を横切る際に、この導電層622には、電磁誘導作用によってその交流磁界Hの変化を妨げる磁界を発生するように渦電流Bが生じる。この励磁コイル831に印加する交流電流の周波数は、例えば、10〜50kHzに設定されるが、本実施の形態では30kHzに設定されている。
このように、渦電流Bがエンドレスベルト62の導電層622を流れることによって、この導電層622の抵抗値Rに比例した電力W(W=BR)によるジュール熱が発生し、エンドレスベルト62を加熱するものである。
また、磁心832は、強磁性体であるフェライト等で構成されている。励磁コイル831で発生した磁束はこの磁心832の内部を通過する磁路を形成するので、磁束を効率よく集中させることができ、エンドレスベルト62に対する加熱効率を上げることができる。そのため、励磁回路834における励磁コイル831に交流電流を印加する高周波電源の周波数を低く設定することや、励磁コイル831の巻き線数を少なく設定することが可能となり、電源の小型化、励磁コイル831の小型化、低コスト化を実現することができる。
このように、本実施の形態の定着装置92では、電磁石83によってエンドレスベルト62を直接加熱することができるので、エンドレスベルト62からニップ部Nにおけるトナー定着のための充分な熱量を供給することが可能となる。
また、ニップ部Nには、ほぼ加圧ロール81の外周面に倣う凹形状の圧力パッド64がエンドレスベルト62を介して加圧ロール81に押圧される状態で配置されている。そして圧力パッド64は、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)に向かうほど厚みが大きく構成され、剥離ニップ部ほど大きなニップ圧を形成するとともに、剥離ニップ部におけるエンドレスベルト62の曲率半径が小さくなるように構成されている。これによって、定着後の用紙Pは、剥離ニップ部を通過する際に、エンドレスベルト62の小さな曲率半径によってエンドレスベルト62に巻き付くことなく剥離することが可能である。また、ほぼ加圧ロール81の外周面に倣う凹形状の圧力パッド64によりニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
さらに、エンドレスベルト62の内周面と圧力パッド64との摺動抵抗を小さくするために、圧力パッド64のエンドレスベルト62と接する面に低抵抗シート68が設けられている。
ここで、本実施の形態の定着装置92においては、ベルト走行ガイド63に、定着装置92の長手方向に亘って潤滑剤塗布部材67が配設され、潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62内周面に対し、ジメチルシリコンオイル等の潤滑剤を適量供給している。さらに、エンドレスベルト62の内側であって、圧力パッド64の配置位置よりもエンドレスベルト62の移動方向上流側の近傍に、潤滑剤制御部材80を配設している。そして、潤滑剤制御部材80によって、潤滑剤塗布部材67から塗布された潤滑剤を一次的に保持するとともに、エンドレスベルト62と低抵抗シート68との摺動部に対し、常に一定量の潤滑剤を均一に供給するように構成している。
このように構成することによって、実施の形態1と同様に、画像形成装置のジョブ毎の通紙枚数の異なりや、通紙速度の変化等に拘わらず、エンドレスベルト62と低抵抗シート68との間に常に一定量の潤滑剤を均一に供給することができるので、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動抵抗の変動を抑え、摺動抵抗を常に小さく保つことができる。そのため、エンドレスベルト62は円滑に回動でき、エンドレスベルト62と用紙Pとは等速で回動することが可能となる。その結果、用紙Pは定着ロール61と等速に安定して搬送することができ、紙しわの発生や画像ずれを抑制することができる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置への適用がある。また、インクジェト方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。
本発明の画像形成装置を示した概略構成図である。 実施の形態1に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 実施の形態2に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 実施の形態3に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 エンドレスベルトの層構造を説明する側断面図である。 電磁石の構成を説明する側断面図である。 従来の定着装置の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60,91,92…定着装置、61…定着ロール、62…エンドレスベルト、63…ベルト走行ガイド、64…圧力パッド、64a…プレニップ部材、64b…剥離ニップ部材、65…ホルダ、66…ハロゲンヒータ、67…潤滑剤塗布部材、68…低抵抗シート、69…温度センサ、70…剥離部材、80…潤滑剤制御部材、81…加圧ロール、82…セラミックヒータ、83…電磁石

Claims (7)

  1. 発熱源を有し、表面が弾性変形する回転可能な定着ロールと、
    前記定着ロールに接触しながら移動可能なエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトの内側に配置され、前記エンドレスベルトを前記定着ロールに圧接させて当該エンドレスベルトと当該定着ロールとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と、
    前記エンドレスベルトと前記圧力部材との間に、当該エンドレスベルトと当該圧力部材との間の摺動抵抗を低減する摺動部材と、
    前記エンドレスベルトの内周面に当接して配置され、潤滑剤が含浸されて当該エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗布する第1の多孔質部材と、
    前記第1の多孔質部材の前記エンドレスベルトの移動方向下流側であって前記摺動部材の上流側近傍に前記エンドレスベルトの内周面と当接して配置され、当該第1の多孔質部材によって当該エンドレスベルトの内周面に塗布された前記潤滑剤を内部に吸収して保持し、保持した当該潤滑剤を当該エンドレスベルトの内周面に再度供給する第2の多孔質部材と
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第2の多孔質部材は、前記第1の多孔質部材よりも潤滑剤吸収能力が低いことを特徴とする請求項記載の定着装置。
  3. 表面が弾性変形するとともに、駆動源に接続されて回転可能な加圧ロールと、
    発熱源を有するとともに、前記加圧ロールに接触しながら従動可能なエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトの内側に配置され、前記エンドレスベルトを前記加圧ロールに圧接させて当該エンドレスベルトと当該加圧ロールとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と、
    前記エンドレスベルトと前記圧力部材との間に、当該エンドレスベルトと当該圧力部材との間の摺動抵抗を低減する摺動部材と、
    前記エンドレスベルトの内周面に当接して配置され、潤滑剤が含浸されて当該エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗布する第1の多孔質部材と、
    前記第1の多孔質部材の前記エンドレスベルトの移動方向下流側であって前記摺動部材の上流側近傍に前記エンドレスベルトの内周面と当接して配置され、当該第1の多孔質部材によって当該エンドレスベルトの内周面に塗布された前記潤滑剤を内部に吸収して保持し、保持した当該潤滑剤を当該エンドレスベルトの内周面に再度供給する第2の多孔質部材と
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  4. 前記エンドレスベルトは、前記発熱源が抵抗発熱体または電磁誘導発熱体であることを特徴とする請求項記載の定着装置。
  5. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
    前記定着手段は、
    回動可能な回動部材と、
    前記回動部材に接触しながら移動可能なエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトの内側に配置され、当該エンドレスベルトを前記回動部材に圧接させて当該回動部材と当該エンドレスベルトとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と、
    前記エンドレスベルトと前記圧力部材との間に、当該エンドレスベルトと当該圧力部材との間の摺動抵抗を低減する摺動部材と、
    前記エンドレスベルトの内周面に当接して配置され、潤滑剤が含浸されて当該エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗布する第1の多孔質部材と、
    前記第1の多孔質部材の前記エンドレスベルトの移動方向下流側であって前記摺動部材の上流側近傍に前記エンドレスベルトの内周面と当接して配置され、当該第1の多孔質部材によって当該エンドレスベルトの内周面に塗布された前記潤滑剤を内部に吸収して保持し、保持した当該潤滑剤を当該エンドレスベルトの内周面に再度供給する第2の多孔質部材と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記定着手段は、前記圧力部材が、前記回動部材の表面のうち、前記記録材の搬送方向下流側を局部的に弾性変形させることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  7. 前記トナー像形成手段は、カラートナー像を形成することを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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