JP4333373B2 - マイクロレンズの製造方法及びマイクロレンズ、並びにこれを備えた電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

マイクロレンズの製造方法及びマイクロレンズ、並びにこれを備えた電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置に用いられるマイクロレンズアレイ板等を構成するマイクロレンズの製造方法、該製造方法により製造されるマイクロレンズ、該マイクロレンズを備えた電気光学装置及び該電気光学装置を具備してなる電子機器の技術分野に関する。
特許文献1から特許文献3に開示されているように、液晶装置等の電気光学装置において、例えば対向基板には、各画素に対応するマイクロレンズが作り込まれたり、このような複数のマイクロレンズが作り込まれたマイクロレンズアレイ板が貼り付けられたりする。このようなマイクロレンズアレイを利用することで、電気光学装置では明るい表示が実現される。更に、各画素においてコントラストを向上させるためには、各マイクロレンズは曲率半径の大きいレンズとして形成されるのが好ましい。
ここで、マイクロレンズの製造は、次のように行われる。即ち、先ず、例えば透明基板上に、マイクロレンズの形成されるレンズ形成領域に対応する領域に複数の開口部が設けられたマスクを形成する。次に、このマスクを介して透明基板をウエットエッチングすることにより、各開口部に対応する凹部を掘る。該凹部は、マイクロレンズのレンズ曲面に対応する形状を有する。その後、マスクを除去してから、各凹部内に高屈折率の透明樹脂を用いて構成される接着剤を充填する。続いて、該接着剤を介して透明基板にカバーガラスを接着させる。
このような製造方法によれば、凹部に充填された接着剤によってマイクロレンズが形成される。曲率半径の大きいマイクロレンズを形成するためには、凹部をより深く掘る必要がある。従って、カバーガラスと透明基板との間に挟持される接着剤の厚さも厚くなってしまい、該接着剤の熱膨張等により電気光学装置において、組み立て精度が悪くなる恐れがある。
接着剤の厚さを薄くするために、上述したマスクをレンズ形成領域のみに形成し、凹部を形成すると共に非レンズ形成領域を削って、該非レンズ形成領域の高さを凹部の縁と同等の高さにする方法が考えられる。
また、特許文献1又は2では、接着剤の厚さを薄くするために、次のような2種類のエッチングを行って、非レンズ形成領域の高さを凹部の縁と同等の高さにする。即ち、マスクを介して透明基板に第1のエッチングを施すことにより、各凹部を初期穴として形成した後、マスクを除去して、更に透明基板に第2のエッチングを施して、各初期穴を掘り進めて、曲率半径の大きいレンズ曲面を形成する。
特開2001−194509号公報 特開2000−231007号公報 特許第3071045号公報
しかしながら、マスクをレンズ形成領域のみに形成したのでは、エッチングが進行するにつれて、該マスクが剥がれてしまう恐れがある。また、特許文献1及び2に開示されている方法によれば、各凹部の曲率半径は大きくなるものの、第2のエッチングによって初期穴として形成された該凹部の形状が変わってしまう。また、特許文献1によれば、マイクロレンズの4角に対して「柱」と称される、レンズとして機能しない領域が設けられている。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、曲率半径が大きく且つ厚さが薄いマイクロレンズを製造することが可能なマイクロレンズの製造方法、該製造方法により製造されるマイクロレンズ、該マイクロレンズを備えた電気光学装置及び該電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法は上記課題を解決するために、透明基板の一面におけるレンズ形成領域に、夫々マイクロレンズのレンズ曲面を有する複数の凹部を形成する工程と、前記複数の凹部に夫々保護材料を充填して保護膜を形成する工程と、前記一面において前記レンズ形成領域の周辺に位置する非レンズ形成領域を前記保護膜と共に後退させるように、前記一面に対して研磨処理を施す工程と、前記研磨処理により後退させられた保護膜を除去して、前記複数の凹部に夫々、前記透明基板より屈折率の大きい透明な接着剤を充填して前記マイクロレンズを形成する工程と、前記接着剤を介して前記透明基板に透明板状部材を用いて構成されるカバー基板を接着させる工程とを含む。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法によれば、透明基板の一面に対して、例えば複数の凹部に対応する複数の開口部が形成されたマスクを用いて、該複数の開口部を介してエッチングが施されることにより、該一面のレンズ形成領域に複数の凹部が形成される。各凹部は、マイクロレンズの曲率半径に応じたレンズ曲面を有している。マイクロレンズの曲率半径が大きくなればなる程、凹部の底から前記透明基板の一面に至るまでの距離、即ち凹部の深さは深くなる。
保護材料として例えばレジストを用いて構成される保護膜形成後、前記透明基板の一面に対して、研磨処理として例えば化学的機械研磨(CMP)処理が行われる。研磨処理によって、前記透明基板の一面における非レンズ形成領域に加えて前記透明基板の一面に露出した保護膜も研磨されることにより後退し、複数の凹部の縁部が露出する。典型的には、非レンズ形成領域が複数の凹部の縁部の高さまで研磨されると、これと殆ど同時に、平面的に見てマトリクス状に配置された複数の凹部の縁部が格子状に露出することになる。このように、研磨処理によって、前記透明基板の一面における非レンズ形成領域を後退させることによって、各凹部の深さを浅くすることができる。また、保護膜が形成されているため、研磨処理において、各凹部内にごみが付着するのを防止することができる。
尚、各凹部の縁部の平面的な形状は矩形形状であるのが好ましい。このようにすれば、上述したように隣接するマイクロレンズ間に柱(特許文献1参照)が設けられる場合と比較して、各マイクロレンズにおいてレンズとして有効な領域を広くとることが可能となる。この際、例えば上述の如く凹部をウエットエッチングにより形成するのであれば、上下又は左右に隣接する凹部が接触するまでは、凹部の平面的な形状は、ウエットエッチングにより円となる。そして、ウエットエッチングを続ければ、平面的な形状は円が繋がった矩形形状に近付き、更に、斜めに隣接する凹部が接触すると、それ以降は、凹部の平面的な形状は、矩形形状となる。また、いずれの段階においても、凹部の内表面は、球面の一部をなし、エッチングを続ける程に、その球面の曲率半径は大きくなる。
研磨処理後、各凹部内から保護膜を除去して、該凹部内に透明樹脂を用いて構成される接着剤を充填することによりマイクロレンズを形成する。これにより、複数の凹部に夫々、該凹部形成時の形状のレンズ曲面を有し、且つ比較的曲率半径の大きい平凸状のマイクロレンズを形成することができる。
また、マイクロレンズの厚さは研磨処理後の凹部の深さである。即ち、凹部の深さを研磨処理において調整することにより、マイクロレンズの厚さを調整することができる。従って、曲率半径が大きく且つ厚さが薄いマイクロレンズを形成することが可能となる。
また、接着剤を介して透明基板にカバー基板が接着される。上述したようにマイクロレンズの厚さが調整されることにより、透明基板及びカバー基板に挟持される接着剤の厚さも薄くすることができる。
ここで、マイクロレンズの曲率半径を大きくすることによって、収差の少ないレンズを形成することができる。マイクロレンズの曲率半径を変化させると、その焦点距離も変化する。該焦点距離は、好ましくは、カバー基板の厚さを変えることによって調整する。また、該調整に伴い、透明基板の厚さも調整するのが好ましい。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法の一態様では、前記研磨処理を施す工程は、化学的機械研磨処理により行なわれる。
この態様によれば、CMP処理を行うことにより、前記透明基板の一面は平坦化される、即ち、各凹部の深さを同等とすることが可能となる。
本発明の第2のマイクロレンズの製造方法は上記課題を解決するために、透明基板の一面におけるレンズ形成領域に、夫々マイクロレンズのレンズ曲面を有する複数の凹部を形成する工程と、前記複数の凹部に夫々保護材料を充填して保護膜を形成する工程と、前記一面において少なくとも前記レンズ形成領域の周辺に位置する非レンズ形成領域を後退させるように、前記一面に対してエッチング処理を施す工程と、前記保護膜を除去して、前記複数の凹部に夫々、前記透明基板より屈折率の大きい透明な接着剤を充填して前記マイクロレンズを形成する工程と、前記接着剤を介して前記透明基板に透明板状部材を用いて構成されるカバー基板を接着させる工程とを含む。
本発明の第2のマイクロレンズの製造方法によれば、上述した第1のマイクロレンズの製造方法と同様、曲率半径が大きく且つ厚さが薄いマイクロレンズを形成することが可能となる。
ここで、本発明の第2のマイクロレンズの製造方法では、ウエットエッチング又はドライエッチングにより、前記透明基板の一面における非レンズ形成領域を後退させる。保護材料として、透明基板とエッチングレートがほぼ同等かそれよりも小さい、即ちエッチングされ難い材料を用いる。保護材料と、透明基板とのエッチングレートがほぼ同等であれば、上述の研磨処理と同様、前記透明基板の一面における非レンズ形成領域に加えて前記透明基板の一面に露出した保護膜も後退する。他方、保護材料のエッチングレートが透明基板より小さい場合は、レンズ形成領域内における保護膜を殆ど又は実質的に全くエッチングせずに、非レンズ形成領域を専ら後退させることができる。いずれにせよ、保護膜は、後工程であるマイクロレンズを形成する工程で除去されるので、エッチング処理を施さなくても、その後におけるマイクロレンズを形成する工程に、支障は無い。
従って、本発明の第2のマイクロレンズの製造方法によれば、保護膜によって各凹部を保護することにより、該凹部に形成されたレンズ曲面の形状を変化させることなくエッチングを行って、各凹部の深さを浅くすることができる。また、保護膜が形成されているため、エッチング時に、各凹部内にごみが付着するのを防止することができる。
本発明の第2のマイクロレンズの製造方法の一態様では、前記エッチング処理を施す非レンズ形成領域を後退させる工程は、ウエットエッチング又はドライエッチングにより行われる。
この態様によれば、ウエットエッチング又はドライエッチングを行うことにより、前記透明基板の一面における非レンズ形成領域を後退させることが可能となる。
本発明の第1又は第2のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記保護膜を形成する工程は、前記各凹部内から該凹部外に連続して形成された前記保護膜のうち、前記各凹部外に形成された部分を除去して、前記各凹部内に形成された部分を残存させる。
この態様によれば、前記透明基板の一面における非レンズ形成領域を、保護膜より露出させておき、前記透明基板の一面に対して研磨処理又はエッチングを施すことにより、各凹部におけるレンズ曲面の形状を変化させることなく、非レンズ形成領域を後退させることができる。
本発明の第1又は第2のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記研磨処理を施す工程又は前記エッチング処理を施す工程により、前記各凹部の縁部を露出させる。
この態様では、研磨処理又はエッチングにより前記透明基板の一面における非レンズ形成領域を、各凹部の縁部が露出するまで、後退させる。これにより、エッチング又は研磨処理によって前記透明基板の一面を削りすぎて、複数の凹部が全て損なわれてしまう事態を防止することが可能となる。
本発明の第1及び第2のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記複数の凹部を
形成する工程において、前記各凹部は、球面の一部をなす内表面を有すると共に矩形の平
面形状を有し且つ各辺において他の前記凹部と隣接して形成される。
この態様によれば、上述したように隣接するマイクロレンズ間に柱が設けられる場合と比較して、各マイクロレンズにおいてレンズとして有効な領域を広くとることが可能となる。
本発明の第1及び第2のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記複数の凹部を
形成する工程は、前記透明基板上に、前記レンズ形成領域に対応する領域に、夫々前記凹
部より平面的なサイズの小さい複数の開口部が設けられたマスクを前記レンズ形成領域か
ら前記非レンズ形成領域に跨って形成する工程と、前記複数の開口部を介して前記透明基
板に対して等方性エッチングを施すことにより、前記複数の凹部を形成する工程と、前記
マスクを除去する工程とを含む。
この態様によれば、前記透明基板の一面に対してマスクを介して等方性エッチングを施すことにより、該一面におけるレンズ形成領域に、複数の凹部が形成される。
マスクにおける複数の開口部は夫々、凹部の平面的なサイズより小さく形成されているため、凹部にレンズ曲面を形成することが可能となる。また、前記透明基板の一面上に、レンズ形成領域から非レンズ形成領域に跨ってマスクは形成されるため、エッチングが進行するにつれて、該マスクが破損される事態を防止することが可能となる。
本発明のマイクロレンズは上記課題を解決するために、上述した本発明の第1及び第2のマイクロレンズの製造方法(但し、その各種態様を含む)によって製造される。
本発明のマイクロレンズにおいて、曲率半径が大きく且つ厚さが薄いマイクロレンズが形成されることにより、各マイクロレンズにおける収差を少なくすることが可能となる。従って、光の利用効率を高めることが可能なマイクロレンズが実現される。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明のマイクロレンズと、該マイクロレンズと対向する表示用電極と、該表示用電極に接続された配線又は電子素子とを備える。
本発明の電気光学装置によれば、上述した本発明のマイクロレンズを備えるので、該マイクロレンズにより光の利用効率を高め、各画素における光の透過率及びコントラストを向上させることができる。従って、本発明の電気光学装置では、高品質の画像表示を行うことが可能となる。
また、マイクロレンズを構成する接着剤の厚さを薄くすることができるため、該接着剤の応力や膨張係数の影響を小さくすることが可能となり、当該電気光学装置における組み立て精度を向上させることが可能となる。
尚、このような電気光学装置は、各画素毎に「表示用電極」として配置された島状の画素電極に、走査線、データ線等の配線や薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、”TFT”と称する)、薄膜ダイオード(Thin Film Diode;以下適宜、”TFD”と称する)の電子素子が接続されてなるアクティブマトリクス駆動型液晶装置等の電気光学装置として構築される。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品質の画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた装置としてDLP(Degital Light Processing)等を実現することも可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
<1:第1実施形態>
本発明のマイクロレンズの製造方法に係る第1実施形態について、図1から図12を参照して説明する。
<1−1:マイクロレンズアレイ板>
先ず、本発明のマイクロレンズの製造方法によって製造可能なマイクロレンズアレイ板について、図1から図3を参照して説明する。
ここに、図1(a)は、マイクロレンズアレイ板の概略斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’断面の構成を示す概略斜視図である。また、図2(a)は、本実施形態のマイクロレンズアレイ板のうち4つのマイクロレンズに係る部分を拡大して示す部分拡大平面図であり、図2(b)は、本実施形態のマイクロレンズアレイ板の部分拡大断面図であり、図2(c)は、本実施形態のマイクロレンズのレンズ面の立体的な形状を概略的に示す拡大斜視図である。更に、図3(a)は、本実施形態のマイクロレンズの断面の形状を模式的に示す図であって、図3(b)は、比較例のマイクロレンズの断面の形状を模式的に示す図である。
図1(a)に示すように、本実施形態のマイクロレンズアレイ板20は、例えば石英板等からなる透明基板210と、該透明基板210に後述するように接着剤230によって接着された、「カバー基板」であるカバーガラス200とを備えている。
本実施形態において、マイクロレンズアレイ板20のレンズ形成領域20aには、以下のようにマトリクス状に平面配列された多数のマイクロレンズ500が形成されている。図1(b)において、透明基板210には、マトリクス状に多数の凹状の窪み、即ち凹部が掘られている。各凹部には、カバーガラス200と透明板部材210とを相互に接着する、例えば感光性樹脂材料からなる接着剤が硬化してなる、透明板部材210よりも高屈折率の透明な接着層230が充填されている。各凹部に充填された接着層230によって、マイクロレンズ500が形成されている。
本実施形態では特に、後述のごとく本発明独自の製造方法により製造されるため、各マイクロレンズ500は次のような構成となっている。図2(b)に示すように、各マイクロレンズ500の曲面は、相互に屈折率が異なる透明基板210と接着層230とにより概ね規定されている。より具体的には、各凹部は、マイクロレンズ500のレンズ曲面を有している。そして、各マイクロレンズ500は、凹部によって規定されるレンズ曲面を有する平凸状のレンズとして構築されている。
各マイクロレンズ500の断面形状について、図3(a)及び図3(b)を参照してより具体的に説明する。図3(a)に示すように、マイクロレンズ500のレンズ曲面は、半径Rの半球の球面の一部を構成する。従って、マイクロレンズ500の断面形状は、半球Rの半円の弧の一部である曲線及び該曲線の両端を結ぶ直線によって規定される弓形状であり、マイクロレンズ500の厚さaは半径Rより小さい。
このようなマイクロレンズ500の断面形状を規定する凹部は、後述するように透明基板210に対して等方性エッチングを施すことにより形成される。通常、等方性エッチングにより、各凹部の深さを図3(a)に示すマイクロレンズ500の厚さaとして形成しようとする場合、図3(b)に示すように、凹部の深さの値はaとなり、且つ半径aの半球を構成するレンズ曲面が該凹部に形成される。即ち、本実施形態の製造方法によれば、図3(b)に示す比較例に対して、曲率半径が大きく且つ厚さが薄いマイクロレンズ500を形成することが可能となる。
次に、各マイクロレンズ500の平面的な形状について説明する。図2(a)に示すように、各マイクロレンズ500の平面的な形状は好ましくは矩形である。各マイクロレンズ500の平面的な形状は、凹部の縁部によって規定されている。そして、図2(a)に示す一のマイクロレンズ500が形成される凹部は、他のマイクロレンズ500が形成された凹部と縁部を共有して隣接する。図2(c)には、レンズ曲面側から見たマイクロレンズ500の立体的な形状を概略的に示してある。図2(c)において、互いに隣接する4つのマイクロレンズ500は、互いにレンズ曲面が繋がって形成されている。従って、隣接するマイクロレンズ間に柱が設けられる場合と比較して、各マイクロレンズ500においてレンズとして有効な領域を広くとることが可能となる。
以上説明したように、各マイクロレンズ500が比較的曲率半径の大きいレンズとして形成されることにより、該マイクロレンズ500における収差を低減することが可能となる。
<1−2:電気光学装置>
次に、本発明の電気光学装置に係る第1実施形態について、その全体構成を図4及び図5を参照して説明する。ここに、図4は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板として用いられる上述のマイクロレンズアレイ板側から見た平面図であり、図5は、図4のH−H’断面図である。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
図4及び図5において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板として用いられるマイクロレンズアレイ板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10とマイクロレンズアレイ板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10とマイクロレンズアレイ板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10とマイクロレンズアレイ板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。即ち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、マイクロレンズアレイ板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
また、マイクロレンズアレイ板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10とマイクロレンズアレイ板20との間で電気的な導通をとることができる。
図5において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、詳細な構成については後述するが、マイクロレンズアレイ板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
なお、図4及び図5に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、以上の如く構成された電気光学装置における回路構成及び動作について、図6を参照して説明する。図6には、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路を示してある。
図6において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、マイクロレンズアレイ板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
上述した電気光学装置に設けられたマイクロレンズアレイ板20の詳細な構成と、その機能について図7及び図8を参照して説明する。図7は、マイクロレンズアレイ板20における、遮光膜23及びマイクロレンズ500の配置関係を模式的に示す平面図であって、図8は、複数の画素について、図5に示す断面の構成をより詳細に示す図であって、各マイクロレンズ500の機能について説明するための断面図である。
図8において、マイクロレンズアレイ板20において、透明基板210上に、例えば図7に示すように格子状の平面パターンを有する遮光膜23が形成される。マイクロレンズアレイ板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が開口領域700となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられる容量電極300やデータ線6a等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
各マイクロレンズ500は各画素に対応するように配置される。より具体的には、図7に示すように、マイクロレンズアレイ板20において、各画素毎に開口領域700及び該開口領域700の周辺に位置する非開口領域を少なくとも部分的に含む領域に矩形状の平面形状を有するマイクロレンズ500が形成されている。
また、図8において、透明基板210上には遮光膜23を覆うように、透明導電膜からなる対向電極21が形成されている。更に、図8には図示しない配向膜が対向電極21上に形成されている。加えて、透明基板210上の各開口領域700にカラーフィルタが形成されてもよい。
他方、図8において、TFTアレイ基板10上の各開口領域700に対応する領域には画素電極9aが形成されている。また、画素スイッチング用のTFT30や、画素電極9aを駆動するための走査線11aやデータ線6a等の各種配線並びに蓄積容量70等の電子素子が、非開口領域に形成されている。このように構成すれば、当該電気光学装置における画素開口率を比較的大きく維持することが可能となる。更に、図8には図示しないが画素電極9a上には配向膜が設けられている。
図8において、マイクロレンズアレイ板20に入射される投射光等の光は、各マイクロレンズ500によって集光される。尚、図8中、一点鎖線によってマイクロレンズ500によって集光された光のようすを概略的に示してある。そして、各マイクロレンズ500によって集光された光は液晶層50を透過して画素電極9aに照射され、該画素電極9aを通過して表示光としてTFTアレイ基板10より出射される。ここで、マイクロレンズアレイ板20に入射された光のうち非開口領域に向かう光も、マイクロレンズ500の集光作用により開口領域700に入射させることができるため、各画素における実行開口率を高めることができる。また、各マイクロレンズ500は収差の小さいレンズとすることが可能であるため、光利用効率を向上させることができる。従って、各画素における光の透過率及びコントラストを向上させることができ、その結果、高品質な画像表示を行うことが可能となる。
更に、マイクロレンズ500を構成する接着層230の厚さを薄くすることができるため、該接着層230の応力や膨張係数の影響を小さくすることが可能となり、当該電気光学装置における組み立て精度を向上させることが可能となる。
以上説明した本実施形態では、電気光学装置においてデータ線駆動回路101や走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated bonding)基板上に実装された駆動用LSIを、外部回路接続端子102に異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、マイクロレンズアレイ板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
尚、上述した電気光学装置では、対向基板として図1から図3に示した如きマイクロレンズアレイ板20を用いているが、このようなマイクロレンズアレイ板20を、TFTアレイ基板10として利用することも可能である。或いは対向基板として(マイクロレンズアレイ板20ではなく)単純にガラス基板等に対向電極や配向膜が形成されたものを使用して、TFTアレイ基板10側にマイクロレンズアレイ基板20を取り付けることも可能である。即ち、本発明のマイクロレンズは、TFTアレイ基板10側に作り込むこと或いは取り付けることが可能である。
また、図8には、電気光学装置において、各マイクロレンズ500を凸状に突出した曲面を同図中下側に向けて配置する構成を示してあるが、図9に示すように、各マイクロレンズ500を凸状に突出した曲面を同図中上側に向けて配置するようにしてもよい。図9は、この場合のマイクロレンズ500の構成を示す、図8と同様の断面図である。図9において、カバーガラス200上に遮光膜23等が、例えば図8と同様に形成される。
<1−3:マイクロレンズアレイ板の製造方法>
次に、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ板20の製造方法について、図10から図13を参照して説明する。
図10、並びに図12及び図13は、製造プロセスの各工程におけるマイクロレンズアレイ板20の断面の構成を、順を追って概略的に示す工程図である。
先ず、図10(a)に示すように、透明基板210a上に、マスク900として例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)等によりアモルファスシリコン膜を形成する。マスク900は耐フッ酸性を有するCr膜、ポリシリコン膜等でも良い。
続いて、図10(b)に示すように、マスク900において図1(b)に示す凹部の形成位置に対応する個所に、例えば該マスク900に対するフォトリソグラフィ法を用いたパターニングにより、複数の開口部902を形成する。
ここで、図11は、マスク900の平面的な構成を概略敵に示す図であって、レンズ形成領域20aと各開口部902との配置関係、及び各開口部902の形状を説明するための図である。図11に示すように、マスク900において、複数の開口部902はレンズ形成領域20aに対応する領域に形成される。また、各開口部902は、平面的に円形状として、且つ該開口部902に対応する凹部500aより小さいサイズとして形成される。
続いて、図10(c)において、複数の開口部902が形成されたマスク900を介して、透明基板210aに対して等方性エッチングを施すことにより、複数の凹部500aを形成する。より具体的には、該等方性エッチングは、好ましくは、フッ酸系などのエッチャントを用いたウエットエッチングにより行われる。この際、上下又は左右に隣接する凹部500aが接触するまでは、凹部500aの平面的な形状は円となる。そして、ウエットエッチングを続ければ、平面的な形状は円が繋がった矩形形状に近付き、更に、斜めに隣接する凹部500aが接触すると、それ以降は、凹部500aの平面的な形状は、矩形形状となる。また、いずれの段階においても、凹部500aの内表面は、球面の一部をなし、エッチングを続ける程に、その球面の曲率半径は大きくなる。該曲率半径が大きくなればなる程、凹部500aの深さは深くなる。この際、非レンズ形成領域に対してエッチングは行なわれないため、凹部500aは、その縁部を含めて、非レンズ形成領域よりも透明基板210a上における高さが低くなる。即ち、凹部500aのエッチングが進むに連れて、レンズ形成領域20aの全域が非レンズ形成領域に対して、より低く窪んでいる平面形状が、透明基板20aの表面に構築される。従って、仮にこのまま、非レンズ形成領域にカバーガラス200を貼り付けた場合には、製造されるマイクロレンズアレイ板は、かなり厚いものになってしまう。
尚、例えば時間管理等により等方性エッチングが終了される。マスク900は、上述したように、レンズ形成領域20aから非レンズ形成領域に跨って形成されるため、ウエットエッチングが進行するにつれて、該マスク900が破損される事態を防止することが可能となる。また、等方性エッチングをドライエッチングにより行うようにしてもよい。
その後、図10(d)において、マスク層900をエッチング処理によって除去する。
次に、図12(a)において、保護材料として例えばレジストを用いて構成される保護膜910を、各凹部500a内から該凹部500aに連続して形成する。これにより、保護膜910は、各凹部500aに充填された保護材料によってレンズ形成領域20aに形成されると共に、該レンズ形成領域20aから非レンズ形成領域に跨って形成される。
続いて、図12(b)において、上述した保護膜910のうち、各凹部500a外に形成された部分を除去して、前記各凹部500a内に形成された部分を残存させる。その結果、保護膜910より非レンズ形成領域が露出する。
その後、図12(c)において、透明基板210aに対して、研磨処理として例えば化学的機械研磨(CMP)処理が行われる。研磨処理によって、透明基板210aにおける非レンズ形成領域に加えて保護膜910も研磨されることにより後退し、複数の凹部500aの縁部が露出する。即ち、非レンズ形成領域が複数の凹部500aの縁部の高さまで研磨されると、複数の凹部500aの縁部が格子状に露出することになる。このように、研磨処理によって、透明基板210aの一面における非レンズ形成領域を後退させることによって、各凹部500aの深さを浅くすることができる。また、保護膜910が形成されているため、研磨処理において、各凹部500aにおけるレンズ曲面の形状を変化させることなく、非レンズ形成領域を後退させることができ、且つ該凹部500a内にごみが付着するのを防止することができる。
次に、図13(a)において、研磨処理後、各凹部500a内から保護膜910を除去し、図13(b)において、透明基板210の表面に熱硬化性の透明な接着剤230aを塗布する。該接着剤230aは、各凹部500a内に充填される。続いて、図13(c)において、透明基板210にカバーガラス200を押し付けて接着剤230aを硬化させて接着層230を形成する。その結果、各凹部500a内に該凹部500a形成時の形状のレンズ曲面を有し、且つ比較的曲率半径の大きい平凸状のマイクロレンズ500を形成することができる。また特に、図12(b)〜図12(c)の工程で非レンズ形成領域の表面高さが低くされているので、接着層230の厚さも薄くすることができ、マイクロレンズ500は厚さの薄いレンズとして形成される。これらの結果、曲率半径が大きいマイクロレンズ500を備えてなると共に薄型のマイクロレンズアレイ板20を製造できる。
尚、マイクロレンズ500の焦点距離は、好ましくは、カバーガラス200の厚さを変えることによって調整し、該調整に伴い、透明基板210の厚さも調整するのが好ましい。
<2:第2実施形態>
本発明のマイクロレンズの製造方法に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態において図12(c)の工程でエッチング処理が行われる点が異なる。よって、該エッチング処理について図14を参照して説明する。図14は、図12(c)と同様に、同図に対応する工程を示す工程図である。尚、図14において、第1実施形態との共通個所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図12(b)に示す透明基板210aに対して、ウエットエッチング又はドライエッチングによりエッチング処理を施して、図14に示すように、非レンズ形成領域を後退させる。保護膜910を構成する保護材料として、透明基板210aとエッチングレートがほぼ同等かそれよりも小さい、即ちエッチングされ難い材料を用いる。保護材料と、透明基板210aとのエッチングレートがほぼ同等であれば、上述の研磨処理と同様、透明基板210aにおける非レンズ形成領域に加えて保護膜910も後退する。他方、保護材料のエッチングレートが透明基板210aより小さい場合は、レンズ形成領域20a内における保護膜910を殆ど又は実質的に全くエッチングせずに、非レンズ形成領域を専ら後退させることができる。
従って、第2実施形態によれば、保護膜910によって各凹部500aを保護することにより、該凹部500aに形成されたレンズ曲面の形状を変化させることなくエッチングを行って、各凹部500aの深さを浅くすることができる。また、保護膜910が形成されているため、エッチング時に、各凹部500a内にごみが付着するのを防止することができる。
<3:第3実施形態>
本発明のマイクロレンズの製造方法に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1実施形態において図12から図13を参照して説明した工程が異なる。よって、第1実施形態と異なる点について図15を参照して説明する。図15は、図12又は図13と同様に、同図に対応する各工程を順を追って概略的に示す工程図である。尚、図15において、第1実施形態との共通個所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図15(a)において、図10(d)に示す透明基板210aのうち、非レンズ形成領域を占める部分を、例えばカッティング装置、スクライビング装置等による切断除去又は研磨除去し、レンズ形成領域20aを占める他の部分210dのみを残存させる。従って、第1又は第2実施形態と比較して、より容易に、各凹部500aに形成されたレンズ曲面の形状を変化させることなく、該凹部500aの深さを浅くすることができる。
その後、図15(b)において、図13(b)の工程と同様の手順によって、透明基板210dの表面に接着剤230aを塗布し、図15(c)において、図13(c)の工程と同様の手順によって、接着剤230aを介して透明基板210dにカバーガラス200を接着し、接着層230を形成する。
よって、第3実施形態によって製造されるマイクロレンズアレイ板は、図1(a)及び図1(b)に示すマイクロレンズアレイ板20より非レンズ形成領域を除去してレンズ形成領域20aのみを残存させた構成となる。
<4:電子機器>
次に、上述した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに、図16は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
図16において、投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーンにカラー画像として投射される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うマイクロレンズの製造方法、該製造方法により製造されるマイクロレンズ、該マイクロレンズを備えた電気光学装置及び該電気光学装置を具備してなる電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
図1(a)は、マイクロレンズアレイ板の概略斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’断面の構成を示す概略斜視図である。 図2(a)は、マイクロレンズに係る部分を拡大して示す部分拡大平面図であり、図2(b)は、マイクロレンズアレイ板の部分拡大断面図であり、図2(c)は、マイクロレンズのレンズ面の立体的な形状を概略的に示す拡大斜視図である。 図3(a)は、マイクロレンズの断面の形状を模式的に示す図であって、図3(b)は、比較例のマイクロレンズの断面の形状を模式的に示す図である。 電気光学装置の全体構成を示す平面図である。 図1のH−H’断面図である。 電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素部における各種素子、配線等の等価回路である。 マイクロレンズアレイ板における、遮光膜及びマイクロレンズの配置関係を模式的に示す平面図である。 各マイクロレンズの機能について説明するための断面図である。 各マイクロレンズの配置について説明するための断面図である。 第1実施形態に係るマイクロレンズアレイ板の製造方法を、順を追って示す製造工程断面図(その1)である。 マスクの平面的な構成を概略敵に示す図である。 第1実施形態に係るマイクロレンズアレイ板の製造方法を、順を追って示す製造工程断面図(その2)である。 第1実施形態に係るマイクロレンズアレイ板の製造方法を、順を追って示す製造工程断面図(その3)である。 第2実施形態に係るマイクロレンズアレイ板の製造方法を示す製造工程断面図である。 第3実施形態に係るマイクロレンズアレイ板の製造方法を、順を追って示す製造工程断面図である。 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
符号の説明
20…マイクロレンズアレイ板
20a…レンズ形成領域
200…カバーガラス
210、210a…透明基板
230…接着層
500…マイクロレンズ
500a…凹部
910…保護膜

Claims (11)

  1. 透明基板の一面におけるレンズ形成領域に、夫々マイクロレンズのレンズ曲面を有する複数の凹部を形成する工程と、
    前記複数の凹部に夫々保護材料を充填して保護膜を形成する工程と、
    前記一面において前記レンズ形成領域の周辺に位置する非レンズ形成領域を前記保護膜と共に後退させるように、前記一面に対して研磨処理を施す工程と、
    前記研磨処理により後退させられた保護膜を除去して、前記複数の凹部に夫々、前記透明基板より屈折率の大きい透明な接着剤を充填して前記マイクロレンズを形成する工程と、
    前記接着剤を介して前記透明基板に透明板状部材を用いて構成されるカバー基板を接着させる工程と
    を含むことを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  2. 前記研磨処理を施す工程は、化学的機械研磨処理により行なわれること
    を特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズの製造方法。
  3. 透明基板の一面におけるレンズ形成領域に、夫々マイクロレンズのレンズ曲面を有する複数の凹部を形成する工程と、
    前記複数の凹部に夫々保護材料を充填して保護膜を形成する工程と、
    前記一面において少なくとも前記レンズ形成領域の周辺に位置する非レンズ形成領域を後退させるように、前記一面に対してエッチング処理を施す工程と、
    前記保護膜を除去して、前記複数の凹部に夫々、前記透明基板より屈折率の大きい透明な接着剤を充填して前記マイクロレンズを形成する工程と、
    前記接着剤を介して前記透明基板に透明板状部材を用いて構成されるカバー基板を接着させる工程と
    を含むことを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  4. 前記エッチング処理を施す非レンズ形成領域を後退させる工程は、ウエットエッチング又はドライエッチングにより行われること
    を特徴とする請求項3に記載のマイクロレンズの製造方法。
  5. 前記保護膜を形成する工程は、前記各凹部内から該凹部外に連続して形成された前記保護膜のうち、前記各凹部外に形成された部分を除去して、前記各凹部内に形成された部分を残存させること
    を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  6. 前記研磨処理を施す工程又は前記エッチング処理を施す工程により、前記各凹部の縁部を露出させること
    を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  7. 前記複数の凹部を形成する工程において、前記各凹部は、球面の一部をなす内表面を有すると共に矩形の平面形状を有し且つ各辺において他の前記凹部と隣接して形成されること
    を特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  8. 前記複数の凹部を形成する工程は、
    前記透明基板上に、前記レンズ形成領域に対応する領域に、夫々前記凹部より平面的なサイズの小さい複数の開口部が設けられたマスクを前記レンズ形成領域から前記非レンズ形成領域に跨って形成する工程と、
    前記複数の開口部を介して前記透明基板に対して等方性エッチングを施すことにより、前記複数の凹部を形成する工程と、
    前記マスクを除去する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法によって製造されたことを特徴とするマイクロレンズ。
  10. 請求項に記載のマイクロレンズと、該マイクロレンズと対向する表示用電極と、該表示用電極に接続された配線又は電子素子とを備えたことを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項10に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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