JP2016224459A - マイクロレンズアレイ基板、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】品質および生産性を向上できるマイクロレンズアレイ基板の製造方法、マイクロレンズアレイ基板、およびこれを備えた電気光学装置、電子機器を提供する。
【解決手段】製造方法は、光透過性を有する基板11の上面11cにおける領域11bに凹部13を形成する工程と、凹部13の底部にアライメントマーク15を形成する工程と、基板11の上面11cに、領域11bを覆い領域11aに開口部72aが設けられたマスク層72を形成する工程と、開口部72aを介して基板11にエッチングを施すことにより、領域11aに凹部14を形成する工程と、基板11からマスク層72を除去する工程と、基板11の上面11cに、凹部13と凹部14とを埋め込むように、光透過性を有し基板11とは異なる屈折率を有するレンズ層12を形成する工程と、アライメントマーク15が露出しない範囲でレンズ層12に対して平坦化処理を施す工程と、を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、マイクロレンズアレイ基板の製造方法、マイクロレンズアレイ基板、電気光学装置、および電子機器に関する。
素子基板と対向基板との間に電気光学物質(例えば、液晶など)を備えた電気光学装置が知られている。電気光学装置として、例えば、プロジェクターの液晶ライトバルブとして用いられる液晶装置などを挙げることができる。このような液晶装置においては、高い光利用効率を実現することが求められている。
液晶装置では、基板上の画素の領域外に画素を駆動するTFT素子や配線などが設けられ、これらと平面的に重なるように遮光層が設けられる。そのため、画素の開口率は100%とはならず、入射する光の一部は利用されない。そこで、液晶装置の素子基板および対向基板の少なくとも一方にマイクロレンズアレイ基板を備えることにより、入射した光をマイクロレンズで集光して光の利用効率を高める構成が知られている。
マイクロレンズアレイ基板を備えた液晶装置において、マイクロレンズと遮光層との位置関係がずれると、利用されるはずの光の一部が遮光されてしまうこととなり光の利用効率が低下する。これに対して、マイクロレンズと遮光層との位置ズレが生じないように、位置合わせのためのアライメントマークを備えたマイクロレンズアレイ基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法では、光透過性を有する基板に、マスク層を介してエッチングを施すことによりレンズ形状となる複数の凹部を形成し、凹部が形成された領域外にアライメントマークを形成する。そして、基板の凹部が形成された面に樹脂(接着剤)層を介してカバーガラスを接合することにより、凹部を埋め込む樹脂層をレンズ層とする凸状のマイクロレンズが構成される。マイクロレンズアレイ基板に形成されたアライメントマークを基準とすることで、遮光層の位置決めが容易に行えるとともにマイクロレンズに対する位置ズレが抑えられる。
また、マイクロレンズアレイ基板の薄型化を図るため、カバーガラスを不要とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法では、基板の凹部が形成された面に樹脂からなるレンズ層を形成した後、レンズ層に対して平坦化処理を施すことによりレンズ層を平坦化している。レンズ層の平坦化処理には、フラットスタンピング法の他に、研磨法やエッチング法などが用いられる。
また、マイクロレンズの光の利用効率をより高めるため、隣り合う凹部同士が接するまで凹部を拡大するマイクロレンズアレイ基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法では、基板にマスク層を介して第1のエッチングを施すことにより凹部を形成し、マスク層を除去した後さらに凹部が形成された領域に対して第2のエッチングを施すことにより凹部を拡大する。
特開2000−235105号公報 特開2004−12941号公報 特開2001−194509号公報
ところで、特許文献1のようにアライメントマークを形成した基板に、凹部を埋め込むとともにアライメントマークを覆ってレンズ層を形成し、特許文献2のようにレンズ層に対して平坦化処理を施す場合、レンズ層の表面を研磨またはエッチングする際にアライメントマークの少なくとも一部を除去してしまうことがあり得る。位置決めの基準となるアライメントマークが消失してしまうと、位置ズレを招くおそれがあるという課題がある。また、アライメントマークが多結晶シリコンや金属材料で形成されている場合、平坦化処理においてアライメントマークの一部が除去されると、多結晶シリコンや金属材料が付着することで基板や製造設備が汚染されてしまい、品質の低下や生産性の低下を招くおそれがあるという課題がある。
また、特許文献3のように凹部が形成された領域に対して第2のエッチングを施すことにより凹部を拡大すると、凹部が形成された領域の基板の厚さが他の領域の基板の厚さよりも薄くなる。すなわち、基板におけるアライメントマークが形成された面は、凹部が形成された領域よりも相対的に高くなる。そのため、上述のように研磨法やエッチング法によりレンズ層に対して平坦化処理を施す場合、アライメントマークを除去してしまうリスクはより大きくなる。
したがって、アライメントマークなどのマーク類を形成するマイクロレンズアレイ基板において、そのマークの一部または全部が除去されてしまうことを防止し、品質および生産性の向上を図ることができるマイクロレンズアレイ基板を製造できる製造方法が求められている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法は、マイクロレンズが配列された第1領域と、前記第1領域の外側に位置する第2領域と、を有するマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、光透過性を有する基板の一面における前記第2領域に第1凹部を形成する第1凹部形成工程と、前記第1凹部の底部にマークを形成するマーク形成工程と、前記基板の前記一面に、前記第2領域を覆い前記第1領域に開口部が設けられた第1マスク層を形成する工程と、前記開口部を介して前記基板にエッチングを施すことにより、前記第1領域に第2凹部を形成する工程と、前記基板から前記第1マスク層を除去する第1マスク層除去工程と、前記基板の前記一面に、前記第1凹部と前記第2凹部とを埋め込むように、光透過性を有し前記基板とは異なる屈折率を有するレンズ層を形成するレンズ層形成工程と、前記レンズ層に対して平坦化処理を施す平坦化工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例の方法によれば、基板の一面におけるマイクロレンズが形成される第1領域の外側に第1凹部を形成し、第1凹部の底部にマークを形成する。したがって、マークは基板の一面よりも低い位置に形成される。続いて、基板の一面における第1領域に第2凹部を形成し、第1凹部と第2凹部とを埋め込むようにレンズ層を形成した後、レンズ層に対して平坦化処理を施す。このとき、マークが基板の一面よりも低い位置に形成されているため、マークが基板の一面に形成されている場合に比べて、マーク上のレンズ層の残厚を容易に確保できるので、マークが露出しないように平坦化処理を施すことができる。また、基板の第1領域に第2凹部が形成され、その外側の第2領域には第1凹部が形成されるため、レンズ層形成工程においてレンズ層の上面の段差が抑えられるので、レンズ層の平坦化処理を容易に行うことができる。これにより、マークが消失してしまうことやマークの一部が除去されてしまうことを防止し、品質および生産性の向上を図ることができるマイクロレンズアレイ基板の製造方法を提供できる。
[適用例2]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、前記第1マスク層除去工程と前記レンズ層形成工程との間に、前記基板の前記一面に、少なくとも前記マークを覆い前記第1領域が露出する第2マスク層を形成する工程と、前記第2マスク層から露出する前記基板に等方性エッチングを施すことにより、前記第2凹部を拡大する工程と、前記基板から前記第2マスク層を除去する工程と、を含むことが好ましい。
本適用例の方法によれば、第2凹部を拡大することでマイクロレンズの径が大きくなり光の利用効率を高めることができるが、基板の第1領域に等方性エッチングを施すので、第1領域における基板の厚さは薄くなる。したがって、第2マスク層に覆われた領域に対して、隣り合う第2凹部同士の境界部分および第2凹部は相対的に低くなる。そのため、マークが基板の一面に形成されている場合、レンズ層を平坦化する際のマーク上のレンズ層の残厚確保がより困難となるのに対して、マークが基板の一面よりも低い位置に形成されているので、マーク上のレンズ層の残厚を容易に確保できる。これにより、マークが消失してしまうことやマークの一部が除去されてしまうことを防止できる。
[適用例3]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、前記平坦化工程では、前記マークが露出しない範囲で隣り合う前記第2凹部同士の間に前記基板が露出するまで前記レンズ層に対して平坦化処理を施すことが好ましい。
本適用例の方法によれば、第2凹部同士の間に基板が露出するまで平坦化処理を施すので、レンズ層は第2凹部同士の間で分断される。そのため、レンズ層にかかる応力が分散されるので、温度変化などに起因するレンズ層のクラック発生を抑えることができる。ここで、基板が露出するまで平坦化処理を施すので、マークが基板の一面に形成されている場合はマークが除去されてしまうが、マークが基板の一面よりも低い位置に形成されているので、マークが露出しないようにマーク上のレンズ層の残厚を確保することが可能となる。これにより、マークが消失してしまうことやマークの一部が除去されてしまうことを防止することが可能となる。
[適用例4]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、前記第1凹部形成工程では、前記マーク形成工程において形成する前記マークよりも平面視で大きく前記第1凹部を形成することが好ましい。
本適用例の方法によれば、第1凹部をマークよりも平面視で大きく形成するので、基板の一面における第1凹部の範囲を小さく限定できる。そのため、基板が露出するまで平坦化処理を施す場合、第1凹部の周囲でレンズ層が分断されるので、温度変化などに起因してレンズ層にかかる応力を分散できる。また、このような場合でも、マークが基板の一面よりも低い位置に形成されているので、マーク上のレンズ層の残厚を確保することが可能となる。
[適用例5]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、前記マーク形成工程で形成するマークは、アライメントマークを含んでいてもよい。
本適用例の方法によれば、マイクロレンズアレイ基板に位置合わせの基準となるアライメントマークを形成するので、マイクロレンズアレイ基板を用いて液晶装置の素子基板や対向基板を形成する工程において、マイクロレンズに対する遮光層の位置決めを容易に行うことができ、マイクロレンズに対する遮光層の位置ズレを抑えることができる。
[適用例6]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、前記マーク形成工程で形成するマークは、前記平坦化工程における前記レンズ層の層厚測定用のマークを含んでいてもよい。
本適用例の方法によれば、マイクロレンズアレイ基板にレンズ層の層厚測定用のマークを形成するので、レンズ層の平坦化工程におけるレンズ層の層厚の制御を容易に行うことができる。また、レンズ層の平坦化工程において、アライメントマーク上のレンズ層の残厚をより確実に確保することができる。
[適用例7]本適用例に係るマイクロレンズアレイ基板は、上記適用例のマイクロレンズアレイ基板の製造方法により製造されていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、品質および生産性に優れたマイクロレンズアレイ基板を提供できる。
[適用例8]本適用例に係る電気光学装置は、上記適用例のマイクロレンズアレイ基板を備えていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、品質および生産性に優れたマイクロレンズアレイ基板を備えているので、品質が高く明るい電気光学装置を提供することができる。
[適用例9]本適用例に係る電子機器は、上記適用例の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、品質が高く明るい電気光学装置を備えた電子機器を提供することができる。
第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図。 第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図。 第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の構成を示す概略図。 第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 第4の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図。 変形例1に係るマイクロレンズアレイ基板の構成を示す概略図。 変形例2に係るマイクロレンズアレイ基板の構成を示す概略図。 変形例3に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 従来のマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大、縮小、あるいは誇張して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1の実施形態)
<電気光学装置>
ここでは、電気光学装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投射型表示装置(プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
まず、第1の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置について、図1および図2を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図である。詳しくは、図2は、図1のA−A’線に沿った概略断面図である。
図1および図2に示すように、第1の実施形態に係る液晶装置1は、対向配置された素子基板20および対向基板30と、素子基板20と対向基板30との間に配置された液晶層40とを有する。図1に示すように、素子基板20は対向基板30よりも一回り大きく、両基板は、額縁状に配置されたシール材42を介して接合されている。
液晶層40は、素子基板20と対向基板30とシール材42とによって囲まれた空間に封入された、正または負の誘電異方性を有する液晶で構成されている。シール材42は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤からなる。シール材42には、素子基板20と対向基板30との間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材42の内側には、額縁状の周縁部を有する遮光層22(26、32)が設けられている。遮光層22(26、32)は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなる。遮光層22(26、32)の内側は、複数の画素Pが配列された表示領域Eとなっている。画素Pは、例えば、略矩形状を有し、マトリックス状に配列されている。遮光層22(26、32)は、表示領域Eにおいて、複数の画素Pを平面的に区画するように、例えば格子状に設けられている。
素子基板20の1辺部のシール材42の外側には、1辺部に沿ってデータ線駆動回路51および複数の外部接続端子54が設けられている。また、その1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材42の内側には、検査回路53が設けられている。さらに、これらの2辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材42の内側には、走査線駆動回路52が設けられている。
検査回路53が設けられた1辺部のシール材42の内側には、2つの走査線駆動回路52を繋ぐ複数の配線55が設けられている。これらデータ線駆動回路51、走査線駆動回路52に繋がる配線は、複数の外部接続端子54に接続されている。また、対向基板30の角部には、素子基板20と対向基板30との間で電気的導通をとるための上下導通部56が設けられている。なお、検査回路53の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路51と表示領域Eとの間のシール材42の内側に沿った位置に設けてもよい。
以下の説明では、データ線駆動回路51が設けられた1辺部に沿った方向を第1方向としてのX方向とし、この1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向を第2方向としてのY方向とする。X方向は、図1のA−A’線に沿った方向である。遮光層22(26、32)は、X方向とY方向とに沿った格子状に設けられている。画素Pは、遮光層22によって格子状に区画され、X方向とY方向とに沿ったマトリックス状に配列されている。
また、X方向およびY方向と直交し図1における上方に向かう方向をZ方向とする。なお、本明細書では、液晶装置1の対向基板30側表面の法線方向(Z方向)から見ることを「平面視」という。
図2に示すように、素子基板20は、マイクロレンズアレイ基板10と、パス層21と、遮光層22と、絶縁層23と、スイッチング素子のTFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを備えている。
マイクロレンズアレイ基板10は、基板11とレンズ層12とを備えている。基板11は、液晶層40側の面に形成された第1凹部としての凹部13と第2凹部としての複数の凹部14とを有している。各凹部14は、各画素Pに対応して設けられている。凹部14は、その底部に向かって先細りとなる曲面状に形成されている。基板11は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料からなる。
レンズ層12は、基板11の凹部13と凹部14とを埋め込むように形成されている。レンズ層12は、光透過性を有し、基板11とは異なる屈折率を有する材料からなる。より具体的には、レンズ層12は、基板11よりも光屈折率の高い無機材料からなる。このような無機材料としては、例えばSiON、Al23などが挙げられる。
レンズ層12で凹部14を埋め込むことにより、凸状のマイクロレンズMLが構成される。したがって、各マイクロレンズMLは、各画素Pに対応して設けられている。また、複数のマイクロレンズMLによりマイクロレンズアレイMLAが構成される。
パス層21は、マイクロレンズアレイ基板10を覆うように設けられている。パス層21は、例えば、基板11とほぼ同じ屈折率を有する無機材料からなる。パス層21は、マイクロレンズMLから遮光層22までの距離を所望の値に合わせる機能を有する。したがって、パス層21の層厚は、光の波長に応じたマイクロレンズMLの焦点距離などの光学条件に基づいて適宜設定される。
遮光層22は、パス層21上に設けられている。遮光層22は、上層の遮光層26に平面視で重なるように格子状に形成されている。遮光層22および遮光層26は、素子基板20の厚さ方向(Z方向)において、TFT24を間に挟むように配置されている。遮光層22は、TFT24の少なくともチャネル領域と平面視で重なっている。遮光層22および遮光層26が設けられていることにより、TFT24への光の入射が抑制される。遮光層22に囲まれた領域(開口部22a内)、および、遮光層26に囲まれた領域(開口部26a内)は、光が透過する領域となる。
絶縁層23は、パス層21と遮光層22とを覆うように設けられている。絶縁層23は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。
TFT24は、絶縁層23上に設けられている。TFT24は、画素電極28を駆動するスイッチング素子である。TFT24は、図示しない半導体層、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極で構成されている。半導体層には、ソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域が形成されている。チャネル領域とソース領域、又は、チャネル領域とドレイン領域との界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極は、素子基板20において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に絶縁層25の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略するが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT24をオン/オフ制御している。
絶縁層25は、絶縁層23とTFT24とを覆うように設けられている。絶縁層25は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。絶縁層25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。絶縁層25により、TFT24によって生ずる表面の凹凸が緩和される。絶縁層25上には、遮光層26が設けられている。そして、絶縁層25と遮光層26とを覆うように、無機材料からなる絶縁層27が設けられている。
画素電極28は、絶縁層27上に、画素Pに対応して設けられている。画素電極28は、遮光層22の開口部22aおよび遮光層26の開口部26aに平面視で重なる領域に配置されている。画素電極28は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜29は、画素電極28を覆うように設けられている。
なお、TFT24と、TFT24に電気信号を供給する電極や配線など(図示しない)とは、平面視で遮光層22および遮光層26に重なる領域に設けられている。これらの電極や配線などが遮光層22および遮光層26を兼ねる構成であってもよい。
対向基板30は、基板31と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。基板31は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料からなる。遮光層32は、素子基板20の遮光層22および遮光層26に平面視で重なるように格子状に形成されている。遮光層32に囲まれた領域(開口部32a内)は、光が透過する領域となる。
保護層33は、基板31と遮光層32とを覆うように設けられている。共通電極34は、保護層33を覆うように設けられている。共通電極34は、複数の画素Pに跨って形成されている。共通電極34は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜35は、共通電極34を覆うように設けられている。
なお、保護層33は共通電極34の液晶層40に面する表面が平坦となるように、遮光層32を覆うものであって、必須な構成要素ではなく、例えば、導電性の遮光層32を直接覆うように共通電極34を形成してもよい。
液晶層40は、素子基板20側の配向膜29と対向基板30側の配向膜35との間に封入されている。液晶層40を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出される。
第1の実施形態に係る液晶装置1では、光は、マイクロレンズMLを備える素子基板20(基板11)側から入射し、マイクロレンズMLによって集光される。例えば、基板11側から凸状のマイクロレンズMLに入射する光のうち、画素Pの平面的な中心を通過する光軸に沿って入射した入射光L1は、マイクロレンズMLをそのまま直進し、液晶層40を通過して対向基板30側に射出される。
入射光L1よりも外側の平面視で遮光層22と重なる領域からマイクロレンズMLの周縁部に入射した入射光L2は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層22で遮光されてしまうが、基板11とレンズ層12との間の光屈折率の差により、画素Pの平面的な中心側へ屈折する。液晶装置1では、このように直進した場合に遮光層22で遮光されてしまう入射光L2も、マイクロレンズMLの集光作用により遮光層22の開口部22a内に入射させて液晶層40を通過させることができる。この結果、対向基板30側から射出される光の量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。
<マイクロレンズアレイ基板>
続いて、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10について、さらに、図3を参照して説明する。図3は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の構成を示す概略図である。詳しくは、図3(a)はマイクロレンズアレイ基板の概略平面図であり、図3(b)は図3(a)のB−B’線に沿った概略断面図である。
図3(a)に示すように、マイクロレンズアレイ基板10は、平面視で略矩形状である。マイクロレンズML(凹部14)は、画素Pの配列に対応してX方向およびY方向にマトリックス状に配列されている。基板11上のマイクロレンズMLが配列された略矩形状の領域を第1領域としての領域11aという。領域11aに配列されたマイクロレンズMLにより、マイクロレンズアレイMLAが構成される。なお、遮光層22、26、32(図2参照)は、平面視で隣り合うマイクロレンズML(凹部14)同士の境界と重なるように配置される。
基板11上の領域11aの外側に位置する領域、すなわち、マイクロレンズアレイMLAの周囲を囲む領域を第2領域としての領域11bという。凹部13は、領域11bに亘って設けられている。凹部13には、アライメントマーク15が設けられている。アライメントマーク15は、マイクロレンズアレイ基板10を備えた素子基板20(または対向基板30)を形成する工程において、マイクロレンズMLに対して遮光層22、26、32の位置ズレが生じないように、位置合わせの基準とするためのものである。
アライメントマーク15は、例えば、マイクロレンズアレイ基板10の4隅に設けられている。アライメントマーク15の平面形状は、例えば、プラス(+)形状である。アライメントマーク15の平面形状は、円形状や、矩形状や、シャープ(#)形状であってもよい。アライメントマーク15の平面的な大きさ(X方向およびY方向における長さ)は、例えば、10μm〜数100nm程度である。
アライメントマーク15は、例えば、多結晶シリコン(ポリシリコン)、Au/Cr、Au/Ti、Pt/Cr、Pt/Ti、SiCなどの金属材料や、窒化シリコンなどで形成される。アライメントマーク15の厚さは、多結晶シリコンで形成されている場合には、例えば10nm〜100nm程度であり、金属材料で形成されている場合には、例えば100nm〜1μm程度である。
図3(a)において、B−B’線は、対角に位置するアライメントマーク15同士を結ぶ線である。B−B’線に沿った方向を、W方向とする。W方向は、X方向およびY方向と交差する方向である。なお、アライメントマーク15が設けられる位置や数は、図3(a)に限定されるものではなく、凹部13における他の位置に設けられていてもよいし、2箇所または3箇所に設けられていてもよい。
図3(b)に示すように、凹部13は、マイクロレンズアレイ基板10の厚さ方向(Z方向)において、基板11の上面11cよりも低くなっている。アライメントマーク15は、凹部13の底部に設けられている。基板11の上面11cに対する凹部13の深さは、アライメントマーク15の厚さよりも大きい。したがって、アライメントマーク15の上面は、マイクロレンズアレイ基板10の厚さ方向(Z方向)において、基板11の上面11cよりも低くなっている。
レンズ層12は、領域11aと領域11bとに亘って、凹部13と凹部14とを埋め込むように形成されている。レンズ層12は、アライメントマーク15を覆うとともに、基板11における隣り合う凹部14同士の間の部分(上面11c)を覆っている。レンズ層12の上面は、略平坦な面となっている。なお、「上面」とは、図3(b)におけるZ方向上方側の表面を指す。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
次に、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の製造方法について、図4および図5を参照して説明する。図4および図5は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図4および図5は、図3(a)のB−B’線に沿った概略断面図である。
なお、図示しないが、マイクロレンズアレイ基板10の製造工程では、マイクロレンズアレイ基板10を複数枚取りできる大型の基板(マザー基板)で加工が行われ、最終的にそのマザー基板を切断して個片化することにより、複数のマイクロレンズアレイ基板10が得られる。したがって、以下に説明する各工程では個片化する前のマザー基板の状態で加工が行われるが、ここでは、マザー基板の中の個別のマイクロレンズアレイ基板10に対する加工について説明する。
まず、図4(a)に示すように、石英などからなる光透過性を有する基板11の一面としての上面11cに、マスク層71を形成する。マスク層71は、例えば、上層にレジスト層を設けてフォトリソ法によりパターニングし、レジスト層をエッチング用マスクとしてドライエッチング処理を施すことにより、基板11の上面11cのうち、領域11aを覆い領域11bが露出するように形成する。
次に、図4(b)に示すように、マスク層71から露出する基板11の領域11bにドライエッチング処理を施し、第1凹部としての凹部13を形成する(第1凹部形成工程)。第1凹部形成工程では、基板11の上面11cに対する凹部13の深さが、後の工程で形成するアライメントマーク15の厚さよりも大きく(深く)なるまでドライエッチング処理を施す。
次に、図4(c)に示すように、マスク層71を剥離した後、凹部13の底部にアライメントマーク15を形成する(マーク形成工程)。マーク形成工程において、アライメントマーク15を多結晶シリコンで構成する場合には、例えば、化学気相成膜法(CVD法)を用いて多結晶シリコン膜を成膜する。アライメントマーク15を金属材料で構成する場合には、例えば、スパッタリング法を用いて金属膜を成膜する。そして、多結晶シリコン膜または金属膜をアライメントマーク15の形状にパターニングすることで、アライメントマーク15が形成される。アライメントマーク15の上面は、基板11の上面11cよりも低くなる。
次に、図4(d)に示すように、基板11の領域11aと領域11bとに亘って、上面11cと凹部13に形成されたアライメントマーク15とを覆うように、第1マスク層としてのマスク層72を形成する。
続いて、図5(a)に示すように、マスク層72のうちの領域11aと重なる部分に、基板11の上面11cが露出するように、複数の開口部72aを形成する。開口部72aは、後の工程で得られるマイクロレンズML(凹部14)の平面的な中心位置、すなわち、画素P(図3(a)参照)の平面的な中心位置に対応して設けられる。
次に、図5(b)に示すように、マスク層72の開口部72aを介して基板11に、例えばフッ酸溶液などのエッチング液を用いた、ウエットエッチングなどの等方性エッチング処理を施すことにより、基板11の領域11aに第2凹部としての凹部14を形成する。この工程では、隣り合う凹部14同士の間に基板11の上面11cが残っている状態でエッチングを停止する。基板11の上面11cが除去されるまでエッチングしてしまうと、マスク層72の浮きが生じてマスク層72が剥がれてしまうおそれがある。
このエッチング処理により、基板11の上面11c側から開口部72aを中心として等方的にエッチングされ、断面視で略半球状の領域が除去されて、凹部14が形成される。凹部14は、平面視で、開口部72aを中心とする同心円状に形成される。
次に、図5(c)に示すように、基板11からマスク層72を除去する(第1マスク層除去工程)。これにより、凹部14が形成された領域11aと、凹部13が形成されアライメントマーク15が形成された領域11bが露出する。
次に、図5(d)に示すように、基板11の領域11aと領域11bとに亘って、凹部13と凹部14とを埋め込むように、光透過性を有し、基板11よりも高い屈折率を有する無機材料からなるレンズ層12を形成する(レンズ層形成工程)。レンズ層12は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成することができる。レンズ層12の上面には、凹部14と凹部14同士の境界部(上面11c)との段差が反映される。
次に、レンズ層12に対して平坦化処理を施す(平坦化工程)。平坦化工程では、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理などを用いて、アライメントマーク15が露出しない範囲でレンズ層12の上面を研磨することにより、レンズ層12を平坦化する。なお、平坦化工程における平坦化処理の方法としては、CMP処理に限定されるものではなく、エッチバック法を用いてもよい。
ここでは、凹部14同士の境界部(上面11c)にレンズ層12が残るように、図5(d)に2点鎖線で示す範囲までレンズ層12を研磨するものとする。アライメントマーク15は、凹部13の底部に設けられており、アライメントマーク15の上面は基板11の上面11cよりも低いので、アライメントマーク15上のレンズ層12の残厚が確保される。これにより、平坦化工程においてアライメントマーク15の一部または全部が除去されてしまうことを防止できる。この結果、レンズ層12の上面が平坦化されて、図3(b)に示すマイクロレンズアレイ基板10が完成する。
この後マイクロレンズアレイ基板10を備えた素子基板20を製造する場合は、マイクロレンズアレイ基板10上に、パス層21、遮光層22、絶縁層23、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを順に形成する。遮光層22を形成する工程では、アライメントマーク15を基準として、マイクロレンズMLに対して遮光層22の位置ズレが生じないように位置合わせを行う。
また、マイクロレンズアレイ基板10を備えた対向基板30を製造する場合は、マイクロレンズアレイ基板10上に遮光層32を形成する工程において、アライメントマーク15を基準として、マイクロレンズMLに対して遮光層32の位置ズレが生じないように位置合わせを行う。
ところで、図12(a)に示すように、従来のマイクロレンズアレイ基板の製造方法においてアライメントマーク15を形成する場合、アライメントマーク15は基板11の上面11cに形成される。したがって、アライメントマーク15の上面は、基板11の厚さ方向(Z方向)において、隣り合う凹部14同士の境界部(上面11c)よりも高くなる。
図12(b)に示すレンズ層形成工程において、凹部14を埋め込むレンズ層12を形成する。レンズ層12の上面には、凹部14と凹部14同士の境界部(上面11c)との段差に加えて、凹部14が形成された領域11aとアライメントマーク15が形成された領域11bとの段差が反映される。そのため、レンズ層12は、領域11aに対して領域11bで盛り上がった形状となる。
続いて、上述の第1の実施形態における平坦化工程と同様に、凹部14同士の境界部(上面11c)にレンズ層12が残るように、図12(b)に2点鎖線で示す範囲までレンズ層12を研磨して平坦化する。そうすると、アライメントマーク15が基板11の上面11cに形成されているので、図12(c)に示すように、アライメントマーク15の上面側の部分が除去されてしまう。さらに、図12(c)に2点鎖線で示すように、隣り合う凹部14同士の間に基板11が露出するまでレンズ層12を研磨した場合、アライメントマーク15の全部が除去されてしまうこととなる。
これに対して、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法によれば、アライメントマーク15は、凹部13の底部に設けられており、アライメントマーク15の上面は基板11の上面11cよりも低いので、アライメントマーク15上のレンズ層12の残厚を容易に確保できる。これにより、平坦化工程においてアライメントマーク15の一部または全部が除去されてしまうことを防止できる。
また、隣り合う凹部14同士の間に基板11が露出するまでレンズ層12を研磨する場合でも、アライメントマーク15の上面が研磨後の基板11の高さよりも低くなるように凹部13の深さを設定しておけば、平坦化工程においてアライメントマーク15の一部または全部が除去されてしまうことを防止できる。
さらに、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法によれば、基板11の領域11aに凹部14が形成され、その外側の領域11bには凹部13が形成されるため、レンズ層12の領域11bでの盛り上がりが抑えられる。このように、レンズ層形成工程においてレンズ層12の上面の段差が抑えられるので、平坦化工程においてレンズ層12の平坦化処理を容易に行うことができる。これらの結果、アライメントマーク15が消失してしまうことやアライメントマーク15の一部が除去されてしまうことを防止し、品質および生産性の向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態以降は、マイクロレンズアレイ基板の構成が異なるが、他の構成はほぼ同じであるので、マイクロレンズアレイ基板の構成および製造方法について、第1の実施形態に対する相違点を説明する。図6は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。図6(a),(b),(c),(d)の各図は、図3(a)のB−B’線に沿った断面図に相当する。
<マイクロレンズアレイ基板>
図6(d)に示すように、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aは、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10に対して、第2凹部として凹部14が拡大された凹部16を備え、隣り合う凹部16同士が接している点が異なっている。第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aでは、拡大された凹部16を備えることでマイクロレンズMLの径が大きくなるので、第1の実施形態と比べて、光の利用効率を高めることができる。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法に対して、第1マスク層除去工程とレンズ層形成工程との間に、第2マスク層を形成する工程と、第2凹部を拡大する工程と、第2マスク層を除去する工程と、を含む点が異なるが、その他の工程はほぼ同じである。なお、第1の実施形態と共通する構成要素および工程については説明を省略する。
第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法では、凹部14を拡大して凹部16を形成するが、第1の実施形態で述べた通り、図5(b)に示す状態からエッチングを続けてしまうと、基板11の上面11cが除去されてマスク層72の浮きが生じ、マスク層72が剥がれてしまうおそれがある。そのため、図5(b)に示す状態でエッチングを停止してマスク層72を除去した後、基板11の領域11aにさらにエッチングを施す。
図5(c)に示す第1マスク層除去工程の後に、図6(a)に示すように、少なくともアライメントマーク15を覆い、基板11の領域11aが露出する第2マスク層としてのマスク層73を形成する。マスク層73は、次の第2凹部を拡大する工程においてアライメントマーク15を保護するためのものである。
なお、図6(a)では、マスク層73が凹部13が設けられた基板11の領域11bを覆っているが、マスク層73は、少なくともアライメントマーク15を覆うだけでなく、マスク層73が浮いてしまわないようにアライメントマーク15の周囲を覆う範囲に形成することが好ましい。
次に、図6(b)に示すように、マスク層73から露出する基板11の領域11aに等方性エッチングを施すことにより、凹部14を拡大して凹部16を形成する。この工程では、第1の実施形態における凹部14を形成する工程と同様に、エッチング液を用いたウエットエッチングなどの等方性エッチング処理を施すことにより、凹部14を等方的に拡大する。等方性エッチング処理は、図6(b)に2点鎖線で示す基板11の上面11cが除去されてなくなり、隣り合う凹部16同士が接するまで行う。
等方性エッチング処理を施すことにより、領域11bのうちマスク層73に覆われた部分では基板11の厚さが変わらないのに対して、領域11aにおける基板11の厚さは薄くなる。したがって、アライメントマーク15の上面に対して、隣り合う凹部16同士の境界部分および凹部16のZ方向における高さは相対的に低くなる。
続いて、図6(c)に示すように、基板11の領域11bからマスク層73を除去する。これにより、凹部13にアライメントマーク15が露出する。第2の実施形態では、アライメントマーク15の上面が、図6(c)に2点鎖線で示す隣り合う凹部16同士の境界部分における基板11の高さよりも低くなるように、予め第1凹部形成工程において形成する凹部13の深さが設定されている。したがって、隣り合う凹部16同士が接するまでエッチング処理を施しても、アライメントマーク15の上面は隣り合う凹部16同士の境界部分における基板11の高さよりも低い。
次に、図示を省略するが、第1の実施形態のレンズ層形成工程(図5(d)参照)と同様にして、凹部13と凹部16とを埋め込むようにレンズ層12を形成する。そして、図6(d)に示すように、レンズ層12に対して平坦化処理を施し(平坦化工程)、レンズ層12を平坦化する。この結果、レンズ層12の上面が平坦化されて、マイクロレンズアレイ基板10Aが完成する。
ここで、図12(a)に示すように、基板11に凹部13が設けられておらず、アライメントマーク15が基板11の上面11cに形成されている場合に、第2の実施形態のように凹部14を拡大して凹部16を形成すると、基板11の上面11cは凹部16同士の境界部分における基板11の高さよりも相対的に高くなる。そのため、基板11の上面11cに形成されたアライメントマーク15の一部または全部が平坦化工程で除去されてしまうリスクは、第1の実施形態よりも大きくなる。
また、アライメントマーク15を除去しないようにアライメントマーク15上のレンズ層12の厚さを確保しようとすると、領域11aと領域11bとでレンズ層12の上面に段差が生じたり、レンズ層12による凹部16の埋め込み量を増やすことでレンズ層12の層厚が増大したりすることとなる。
これに対して、第2の実施形態では、アライメントマーク15の上面が凹部16同士の境界部分における基板11の高さよりも低いので、アライメントマーク15上のレンズ層12の残厚を容易に確保できる。これにより、第2の実施形態のように凹部14を拡大して凹部16を形成する場合においても、平坦化工程においてアライメントマーク15が消失してしまうことやアライメントマーク15の一部が除去されてしまうことを防止し、品質および生産性の向上を図ることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の構成および製造方法について説明する。図7は、第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。図7(a),(b)の各図は、図3(a)のB−B’線に沿った断面図に相当する。
<マイクロレンズアレイ基板>
図7(b)に示すように、第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Bは、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10に対して、隣り合う凹部14同士の間でレンズ層12から基板11が露出している点が異なっている。
第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Bでは、レンズ層12が凹部14同士の間で分断されるので、温度変化などに起因してレンズ層12にかかる応力を分散できる。また、基板11が露出するまでレンズ層12が平坦化されていることで、レンズ層12全体の体積が小さくなるので、レンズ層12にかかる応力を緩和できる。これにより、第1の実施形態と比べて、応力によるレンズ層12のクラックを抑えることができる。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法に対して、平坦化工程で隣り合う凹部14同士の間に基板11が露出するまでレンズ層12に対して平坦化処理を施す点が異なるが、その他の工程はほぼ同じである。なお、第1の実施形態と共通する構成要素および工程については説明を省略する。
図7(a)には、第1の実施形態においてレンズ層12の上面が平坦化された状態を示している。第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法では、図7(a)に破線で示す基板11が露出する位置までさらに平坦化処理を施す。
平坦化処理の結果、図7(b)に示すように、レンズ層12の層厚が薄くなるとともに、隣り合う凹部14同士の間において基板11の上面11c側の一部が除去される。これにより、レンズ層12は、隣り合う凹部14同士の間で分断されて、マイクロレンズアレイ基板10Bが完成する。
第3の実施形態では、アライメントマーク15の上面が、図7(b)に示す隣り合う凹部14同士の境界部分における基板11の高さよりも低くなるように、予め第1凹部形成工程において形成する凹部13の深さが設定されている。したがって、隣り合う凹部14同士の間に基板11が露出するまで平坦化処理を施しても、アライメントマーク15の上面は基板11の露出面(レンズ層12の上面)よりも低いので、アライメントマーク15上のレンズ層12の残厚を容易に確保できる。これにより、第3の実施形態においても、平坦化工程においてアライメントマーク15が消失してしまうことやアライメントマーク15の一部が除去されてしまうことを防止し、品質および生産性の向上を図ることができる。
(第4の実施形態)
<電子機器>
次に、第4の実施形態に係る電子機器について図8を参照して説明する。図8は、第4の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図である。
図8に示すように、第4の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクター(投射型表示装置)100は、偏光照明装置110と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー104,105と、3つの反射ミラー106,107,108と、5つのリレーレンズ111,112,113,114,115と、3つの液晶ライトバルブ121,122,123と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム116と、投射レンズ117とを備えている。
偏光照明装置110は、例えば超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とを備えている。ランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とは、システム光軸Lに沿って配置されている。
ダイクロイックミラー104は、偏光照明装置110から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー105は、ダイクロイックミラー104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー106で反射した後にリレーレンズ115を経由して液晶ライトバルブ121に入射する。ダイクロイックミラー105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ114を経由して液晶ライトバルブ122に入射する。ダイクロイックミラー105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ111,112,113と2つの反射ミラー107,108とで構成される導光系を経由して液晶ライトバルブ123に入射する。
光変調素子としての透過型の液晶ライトバルブ121,122,123は、クロスダイクロイックプリズム116の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ121,122,123に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調され、クロスダイクロイックプリズム116に向けて射出される。
クロスダイクロイックプリズム116は、4つの直角プリズムが貼り合わされて構成されており、その内面には赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ117によってスクリーン130上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ121は、上述した各実施形態のマイクロレンズアレイ基板10,10A,10Bを有する液晶装置1が適用されたものである。液晶ライトバルブ121は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ122,123も同様である。
第4の実施形態に係るプロジェクター100の構成によれば、複数の画素Pが高精細に配置されていても、入射した色光を効率よく利用可能なマイクロレンズアレイ基板10,10A,10Bを有する液晶装置1を備えているので、品質が高く明るいプロジェクター100を提供することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法は、第1凹部としての凹部13を領域11bに亘って設ける構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。第1凹部を、領域11bの一部の領域に設ける構成としてもよい。図9は、変形例1に係るマイクロレンズアレイ基板の構成を示す概略図である。詳しくは、図9(a)はマイクロレンズアレイ基板の概略平面図であり、図9(b)は図9(a)のB−B’線に沿った概略断面図である。
図9(a)に示すように、変形例1に係るマイクロレンズアレイ基板10Cでは、第1凹部としての凹部18を、基板11の領域11bにおける一部の領域に、平面視でアライメントマーク15よりも一回り大きく形成する。図9(b)に示すように、基板11の上面11cに対する凹部18の深さを、アライメントマーク15の厚さよりも大きくする。そのため、アライメントマーク15の上面は、基板11の上面11cよりも低くなる。したがって、上記の実施形態と同様に、平坦化工程においてアライメントマーク15の一部または全部が除去されてしまうことを防止できる。
また、変形例1における平坦化工程では、基板11の領域11bのうち凹部18が設けられていない領域において、基板11の上面11cをレンズ層12から露出させる。すなわち、マイクロレンズML(凹部14)が配列された領域11aの周囲を囲むように基板11の上面11cを露出させる。そのため、複数のマイクロレンズアレイ基板10が形成されるマザー基板において、各マイクロレンズアレイ基板10同士の間で、レンズ層12が分断される。これにより、マザー基板上の一部で応力によるレンズ層12のクラックが発生した場合でも、そのクラックが他のマイクロレンズアレイ基板10に波及することを抑えることができる。
なお、変形例1における第1凹部(凹部18)を平面視でアライメントマーク15よりも一回り大きく形成する構成は、上記の実施形態のいずれにも適用することができる。
(変形例2)
上記の実施形態および変形例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法では、マークとしてアライメントマーク15を設ける構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。マークとして、平坦化工程におけるレンズ層12の層厚測定用マークを設ける構成としてもよい。図10は、変形例2に係るマイクロレンズアレイ基板の構成を示す概略図である。詳しくは、図10(a)はマイクロレンズアレイ基板の概略平面図であり、図10(b)は図10(a)のB−B’線に沿った概略断面図である。
図10(a)に示すように、変形例2に係るマイクロレンズアレイ基板10Dは、マークとして、アライメントマーク15の他に、平坦化工程におけるレンズ層12の層厚測定用マーク17を備えている。層厚測定用マーク17は、例えば、Alなどの光反射性を有する金属材料で、平面視で矩形状に形成される。アライメントマーク15と層厚測定用マーク17とは、例えば、それぞれ領域11bにおける対角位置に設けられる。図10(b)に示すように、層厚測定用マーク17の上面も、アライメントマーク15と同様に、基板11の上面11cよりも低くなっている。
変形例2では、層厚測定用マーク17を設けることにより、平坦化工程においてレンズ層12の層厚の制御を容易に行うことができる。したがって、平坦化工程において、アライメントマーク15上のレンズ層12の残厚をより確実に確保することができる。なお、アライメントマーク15および層厚測定用マーク17の配置は、図10(a)に示す配置に限定されるものではない。また、層厚測定用マーク17の平面形状は矩形状以外の形状であってもよい。さらに、凹部13,16に形成するマークは、アライメントマーク15および層厚測定用マーク17以外のマークであってもよい。
(変形例3)
上記の実施形態および変形例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法は、マスク層72の開口部72aを介して基板11に等方性エッチング処理を施すことにより、凹部14,16を形成する構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。異方性エッチング処理を施すことにより、凹部14,16を形成する構成としてもよい。図11は、変形例3に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図11は、図3(a)のB−B’線に沿った概略断面図に相当する。
変形例3に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法では、図4(c)に示すマーク形成工程の後に、図11(a)に示すように、基板11の領域11bを覆い領域11aが露出する第1マスク層としての保護層74を形成する。保護層74は、後の異方性エッチングを施す工程においてアライメントマーク15を保護するためのものである。続いて、図11(b)に示すように、基板11の領域11aと領域11bとに亘って、上面11cと保護層74とを覆うように、レジスト層75を形成する。
次に、図11(c)に示すように、レジスト層75に凹部14の基となる凹部75aを形成する。図示を省略するが、この工程では、凹部75aの形状に対応させて光の透過率を変化させたマスク、例えばHEBSマスクなどのグレイスケールマスクを介してレーザー光の照射を行うことにより、レジスト層75の露光を行う。そして、レジスト層75に現像処理を施して露光された領域を除去することにより、レジスト層75に凹部75aが形成される。
図11(c)に示す凹部75aが形成されたレジスト層75から基板11まで異方性エッチングを施すことにより、レジスト層75に形成された凹部75aを基板11に転写する。異方性エッチングとしては、例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)などのドライエッチングを用いることができる。
これにより、図11(d)に示すように、レジスト層75が除去され、基板11に凹部75aが転写されて凹部14が形成される。そして、アライメントマーク15を覆う保護層74を除去した後、図5(d)に示すレンズ層形成工程においてレンズ層12を形成する。このような構成においても、上記の実施形態および変形例のマイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dを形成することができる。
(変形例4)
上記の実施形態および変形例では、アライメントマーク15を多結晶シリコンや金属材料で形成する構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。アライメントマークを、基板11に掘り込んで形成する構成としてもよい。基板11に掘り込んでアライメントマークを形成する場合でも、凹部13を形成せず上面11cから掘り込む場合、平坦化工程で基板11が露出するまでレンズ層12を平坦化すると、アライメントマークが消失してしまうおそれがある。上記の実施形態および変形例のように、凹部13を形成し、凹部13において基板11に掘り込んでアライメントマークを形成すれば、アライメントマークの消失を防止することができる。
(変形例5)
上記の実施形態および変形例では、レンズ層12を基板11よりも光屈折率の高い材料で形成していたが、本発明はこのような形態に限定されない。レンズ層12を、基板11よりも光屈折率の低い材料で形成してもよい。
(変形例6)
上記の実施形態および変形例では、液晶装置1において、マイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dを素子基板20に備えていたが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、マイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dを対向基板30に備えた構成としてもよい。また、マイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dを素子基板20および対向基板30の双方に備えた構成としてもよい。
(変形例7)
上記の実施形態および変形例では、マイクロレンズML(基板11の凹部14,16)が断面視で略半球状などの曲面形状を有していたが、本発明はこのような形態に限定されない。マイクロレンズML(基板11の凹部14,16)が断面視で、例えばV字状など他の形状を有していてもよい。
(変形例8)
上記の実施形態および変形例では、マイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dにおいて、マイクロレンズML(凹部14,16)がマトリックス状に配列された構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。マイクロレンズMLの配列は、画素Pの配列に対応して、例えば、ハニカム状の配列など異なる配列であってもよい。
(変形例9)
上述した実施形態および変形例では、マイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dにおいて、一つのマイクロレンズMLが一つの画素Pに対応して設けられた構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3つの画素Pが画像を形成する際の一つの単位となる場合などに、一つのマイクロレンズMLが赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3つの画素Pに対応して設けられた構成としてもよい。
(変形例10)
上述した実施形態および変形例のマイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dを適用可能な電気光学装置は、液晶装置1に限定されない。マイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dは、液晶装置以外の電気光学装置にも応用することができ、例えば、撮像素子(イメージセンサー)を有する撮像装置に応用することができる。マイクロレンズアレイ基板10,10A,10B,10C,10Dを備えた撮像装置では、撮像素子に入射する光をマイクロレンズMLによって集光することができる。撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)型が挙げられる。
(変形例11)
上述した実施形態の液晶装置1を適用可能な電子機器は、プロジェクター100に限定されない。液晶装置1は、例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
1…液晶装置(電気光学装置)、10,10A,10B,10C,10D…マイクロレンズアレイ基板、11…基板、11a…領域(第1領域)、11b…領域(第2領域)、11c…上面(一面)、12…レンズ層、13…凹部(第1凹部)、14,16…凹部(第2凹部)、15…アライメントマーク(マーク)、17…層厚測定用マーク(マーク)、72…マスク層(第1マスク層)、73…マスク層(第2マスク層)、74…保護層(第1マスク層)、100…プロジェクター(電子機器)、ML…マイクロレンズ、MLA…マイクロレンズアレイ。
[適用例7]本適用例に係るマイクロレンズアレイ基板は、上記適用例のマイクロレンズアレイ基板の製造方法により製造されていることを特徴とする。
本適用例に係るマイクロレンズアレイ基板は、基板と、前記基板上に設けられた前記基板とは異なる屈折率を有するレンズ層と、を備え、前記基板は、前記レンズ層が設けられた第1領域と、前記第1領域の外側に位置する第2領域と、を有し、前記基板上の前記第2領域にはアライメントマークが設けられており、前記基板の端部における前記基板の厚みは、前記第2領域における前記基板の厚みと略同じであることを特徴とする。
上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記第2領域は、前記第1領域を囲む領域であることを特徴とする構成であってもよい。
上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記アライメントマークは、前記基板上の四隅に設けられていることを特徴とする構成であってもよい。
上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記基板上の前記第2領域には、前記アライメントマークを覆うように保護層が設けられていることを特徴とする構成であってもよい。
上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記レンズ層は、前記第1領域から前記第2領域に延在して前記第2領域における前記基板上を覆っていることを特徴とする構成であってもよい。

Claims (9)

  1. マイクロレンズが配列された第1領域と、前記第1領域の外側に位置する第2領域と、を有するマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、
    光透過性を有する基板の一面における前記第2領域に第1凹部を形成する第1凹部形成工程と、
    前記第1凹部の底部にマークを形成するマーク形成工程と、
    前記基板の前記一面に、前記第2領域を覆い前記第1領域に開口部が設けられた第1マスク層を形成する工程と、
    前記開口部を介して前記基板にエッチングを施すことにより、前記第1領域に第2凹部を形成する工程と、
    前記基板から前記第1マスク層を除去する第1マスク層除去工程と、
    前記基板の前記一面に、前記第1凹部と前記第2凹部とを埋め込むように、光透過性を有し前記基板とは異なる屈折率を有するレンズ層を形成するレンズ層形成工程と、
    前記レンズ層に対して平坦化処理を施す平坦化工程と、を含むことを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、
    前記第1マスク層除去工程と前記レンズ層形成工程との間に、
    前記基板の前記一面に、少なくとも前記マークを覆い前記第1領域が露出する第2マスク層を形成する工程と、
    前記第2マスク層から露出する前記基板に等方性エッチングを施すことにより、前記第2凹部を拡大する工程と、
    前記基板から前記第2マスク層を除去する工程と、を含むことを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、
    前記平坦化工程では、前記マークが露出しない範囲で隣り合う前記第2凹部同士の間に前記基板が露出するまで前記レンズ層に対して平坦化処理を施すことを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、
    前記第1凹部形成工程では、前記マーク形成工程において形成する前記マークよりも平面視で大きく前記第1凹部を形成することを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、
    前記マーク形成工程で形成するマークは、アライメントマークを含むことを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法であって、
    前記マーク形成工程で形成するマークは、前記平坦化工程における前記レンズ層の層厚測定用のマークを含むことを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法により製造されていることを特徴とするマイクロレンズアレイ基板。
  8. 請求項7に記載のマイクロレンズアレイ基板を備えていることを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項8に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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