JP2005215624A - マイクロレンズの製造方法及びマイクロレンズ、並びにこれを備えた電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

マイクロレンズの製造方法及びマイクロレンズ、並びにこれを備えた電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 マイクロレンズのレンズ曲面についてより自由度が大きい設計を行う。
【解決手段】 基板の一面上に、該一面の各レンズ形成領域において、前記一面に沿った平面内で所定種類のエッチャントに対するエッチングレートが等高線状に変化する部分を含む第1膜を形成する工程と、レンズ形成領域に形成すべきマイクロレンズの略中心に対応する個所に穴が開けられたマスクを第1膜上に形成する工程と、マスクを介してウエットエッチングすることで、マイクロレンズの曲面を規定する非球面の凹部を基板に掘る工程とを含む。
【選択図】 図13

Description

本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置に用いられるマイクロレンズアレイ板等を構成するマイクロレンズの製造方法、該製造方法により製造されるマイクロレンズ、該マイクロレンズを備えた電気光学装置及び該電気光学装置を具備してなる電子機器の技術分野に関する。
特許文献1又は特許文献2に開示されているように、液晶装置等の電気光学装置において、例えば対向基板には、各画素に対応するマイクロレンズが作り込まれたり、このような複数のマイクロレンズが作り込まれたマイクロレンズアレイ板が貼り付けられたりする。このようなマイクロレンズアレイを利用することで、電気光学装置では明るい表示が実現される。
ここで、マイクロレンズの製造は、次のように行われる。即ち、先ず、例えば透明基板上に、形成すべきマイクロレンズの中心に対応する個所に穴を開けたマスクを形成する。次に、このマスクを介して透明基板をウエットエッチングすることにより、マイクロレンズの曲面を規定する球面の凹部を掘る。その後、マスクを除去してから、凹部内に高屈折率の透明媒質を充填する。これにより、凹部内には半球面のレンズ曲面を有するマイクロレンズが形成される。
しかしながら、このようにマイクロレンズのレンズ曲面としては、半球面が必ずしも光学的に理想的な形状であるとはいえない。特許文献1又は2には、非球面のレンズ曲面を有するマイクロレンズが開示されている。このようなマイクロレンズによれば、例えば球面収差が低減されることにより、焦点深度を深くすることができ、各画素における光透過率を向上させることが可能となる。
特開平8−304811号公報 特開平7−244278号公報
しかしながら、マイクロレンズの焦点深度が深くなると、各画素において光が一点に集中して照射されることにより、該一点に配置された部品が劣化して電気光学装置の寿命が短くなる恐れがある。或いは、例えば、電気光学装置を液晶プロジェクタのライトバルブとして用いる場合、該ライトバルブへ光源より光を入射させるための、又は該ライトバルブからの表示光をスクリーンへ投射するための光学系とのマッチングを行う必要がある。従って、マイクロレンズの形状について、より自由度の大きい設計を行うことが望まれている。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、マイクロレンズのレンズ曲面についてより自由度が大きい設計を行うことが可能なマイクロレンズの製造方法、該製造方法により製造されるマイクロレンズ、該マイクロレンズを備えた電気光学装置及び該電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法は上記課題を解決するために、基板の一面上に、該一面の各レンズ形成領域において、前記一面に沿った平面内で所定種類のエッチャントに対するエッチングレートが等高線状に変化する部分を含む第1膜を形成する工程と、前記レンズ形成領域に形成すべきマイクロレンズの略中心に対応する個所に穴が開けられたマスクを前記第1膜上に形成する工程と、前記マスクを介してウエットエッチングすることで、前記マイクロレンズの曲面を規定する非球面の凹部を前記基板に掘る工程とを含む。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法によれば、先ず、例えば石英基板、ガラス基板等の基板の一面上に第1膜を形成する。各レンズ形成領域では、前記一面に沿った平面内で、第1膜における例えばフッ酸系などの所定種類のエッチャントに対するエッチングレートは、等高線状に変化する。ここで、「等高線状」とは、同心円状の他、偏心した円状、若しくは円形状にこだわらず例えば同心の矩形状等のあらゆる形状を示す文言である。より具体的には、各レンズ形成領域で、単一層膜又は多層膜からなる第1膜の前記一面に沿った部分における前記エッチングレートは、前記一面に沿った平面内で等高線状に、当該レンズ形成領域の中心から外側に向かって小さくなるか、或いは大きくなるように変化する。即ち、この場合、各レンズ形成領域では、前記エッチングレートの各値に対応して、等高線状に複数の領域が配置されることとなる。
続いて、形成すべきマイクロレンズの略中心に対応する個所に穴が開けられたマスクを第1膜上に形成する。このようなマスクは、例えば、第1膜上の一面に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング等により第2膜を成膜後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより穴を開けるようにパターニングして形成してもよい。或いは、第1膜上における穴を除く領域にマスクを直接形成してもよい。
その後、このようなマスクを介して、第1膜及び基板をウエットエッチングする。各レンズ形成領域では、第1膜における、該ウエットエッチングで用いられるエッチャントに対するエッチングレートの値に基づいて、上述したように複数の領域が規定される。該複数の領域では夫々、ウエットエッチングにより第1膜を貫通する穴が開口されると、その後、第1膜がエッチングされる度合いと基板がエッチングされる度合いは相互に異なる。尚、複数の領域のいずれかでは、ウエットエッチングにより第1膜がエッチングされる度合いと基板がエッチングされる度合いは同等としてもよい。
ここで、複数の領域において夫々、前記エッチングレートの値が基板より大きい場合、基板に対して第一膜の孔が時間とともに大きくなり、基板のエッチングは垂直方向よりも面内方向のエッチングが加速される。その結果、基板に形成される凹部は円錐形状となり、その断面部の基板に対する角度は、対応する第一膜の領域のエッチングレートが大きいほど小さくなり、第一膜の該当領域のエッチングレートが小さい場合には、断面部の基板に対する角度は大きくなる。
よって、各レンズ形成領域において、上述したように第1膜の前記エッチングレートを変化させることで、凹部の曲面の形状を制御することが可能となる。その結果、各レンズ形成領域に非球面の凹部を掘ることができる。従って、マイクロレンズの曲面について自由度の大きい設計を行うことができ、光学的に最適な形状を得ることが可能となる。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法の一態様では、前記第1膜を、各レンズ形成領域において、前記エッチングレートが前記一面に沿った平面内で同心円状に変化する部分を含むように形成する。
この態様によれば、各レンズ形成領域で、第1膜の前記一面に沿った部分における前記エッチングレートを、前記一面に沿った平面内で同心円状に、当該レンズ形成領域の中心から外側に向かって小さくなるか、或いは大きくなるように変化させることが可能となる。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記第1膜を、各レンズ形成領域において、膜厚が前記一面に沿った平面内で等高線状に変化する部分を含むように形成する。
この態様によれば、各レンズ形成領域において、第1膜の前記一面に沿った部分における膜厚が、マスクの穴を平面的に見て、その中心から外側に向かって、等高線状に小さくなるか或いは大きくなるように変化する。その結果、第1膜における、前述した前記エッチングレートの変化に加え、膜厚の変化によっても、第1膜がエッチングされる度合いと基板がエッチングされる度合いを相互に同等、或いは異なるものとすることができる。その結果、凹部の曲面の形状を制御することが可能となる。
この、第1膜を膜厚が変化するように形成する態様では、前記第1膜を、各レンズ形成領域において、膜厚が前記一面に沿った平面内で同心円状に変化する部分を含むように形成するように製造してもよい。
このように製造すれば、各レンズ形成領域において、第1膜の前記一面に沿った部分における膜厚が、マスクの穴を平面的に見て、その中心から外側に向かって、同心円状に小さくなるか或いは大きくなるように変化させることが可能となる。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記第1膜を形成する工程は、各レンズ形成領域において、前記一面上に、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を夫々等高線状に配置して形成する工程を含む。
この態様によれば、各レンズ形成領域において、前記一面上に、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を、夫々CVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタリング等の成膜方法を用いて成膜後パターニングして、等高線状に配置して形成する。
例えば、複数の膜は夫々前記エッチングレートに応じた形状又はサイズとしてパターニングされる。より具体的には、例えば、前記エッチングレートがより大きい値となる膜を、より小さいサイズとなるようにパターニングし、前記エッチングレートが大きいほうから小さいほうに向かって順に、積み重ねて形成する。その結果、上層に積層された膜ほど前記エッチングレートは小さくなると共に該膜のサイズは大きくなり、レンズ形成領域で、第1膜を、前記エッチングレート及び膜厚が、前記一面に沿った平面内で等高線状に、当該レンズ形成領域の中心から外側に向かって小さくなるように形成することができる。
即ち、この態様によれば、各レンズ形成領域において、前記エッチングレート又は膜厚が前記一面に沿った平面内で等高線状に変化する第1膜を、例えば多層膜として形成することができる。この多層膜は、例えば上述したように、レンズ形成領域において、中心に近付く程、積層される膜数が多くなるように形成される。
この、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を形成する態様では、前記複数の膜は夫々、円盤形状に形成されるように製造してもよい。
このように製造すれば、各レンズ形成領域において、前記エッチングレート及び膜厚が前記一面に沿った平面内で同心円状に若しくは偏心した円状に変化する第1膜を多層膜として形成することができる。また、各膜のパターニングを比較的容易に行うことができ、その際、既に成膜された膜の形状が、該膜より後に成膜された膜のパターニングにおいて、オーバーエッチングにより損なわれる事態を防止することが可能となる。
或いはこの、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を形成する態様では、前記複数の膜は夫々、略四角形状に形成されるように製造してもよい。
このように製造すれば、各レンズ形成領域において、前記エッチングレート及び膜厚が前記一面に沿った平面内で同心若しくは偏心の略矩形状に変化する第1膜を多層膜として形成することができる。
或いはこの、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を形成する態様では、前記第1膜を形成する工程は、前記複数の膜を前記一面上に小さい順にまたは大きい順に重ねて形成する工程を含むように製造してもよい。
このように製造すれば、レンズ形成領域で、第1膜を、前記エッチングレート及び膜厚が、前記一面に沿った平面内で等高線状に、当該レンズ形成領域の中心から外側に向かって小さくなるか、或いは大きくなるように形成することができる。但し、積層順は、これに限られるものではなく、積層順を変えることで、様々な形状のレンズ曲面を形成可能である。
或いは、この、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を形成する態様では、前記各膜のエッチングレートを、成膜温度又は成膜速度または成膜圧力によって制御するように製造してもよい。
このように製造すれば、各膜の前記エッチングレートを異なる値とすることができる。例えば、成膜温度を高くするとより緻密な膜が成膜されて、該膜における前記エッチングレートは小さくなり、逆に成膜温度を低くすると前記エッチングレートは大きくなる。或いは、成膜速度を高くすると、成膜された膜における前記エッチングレートは大きくなり、逆に成膜速度を低くするとより緻密な膜が成膜されて前記エッチングレートは小さくなる。更には、ガスの流量を制御して成膜圧力を変化させることによって、各膜の前記エッチングレートを制御することができる。
或いは、この、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を形成する態様では、前記各膜をCVD法によって成膜すると共に、前記各膜のエッチングレートをソースガスの組成比によって制御するように製造してもよい。
このように製造すれば、各膜の緻密さがソースガスの組成比によって制御されることにより、成膜された膜における前記エッチングレートを互いに異なる値とすることができる。
本発明の第1のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記第1膜を形成する工程は、各レンズ形成領域において、前記一面上に、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を、少なくとも中心から二つ目以降の膜については夫々リング状に且つ相互に同軸的に配置して形成する工程を含む。
この態様によれば、各レンズ形成領域において、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を、夫々CVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタリング等の成膜方法を用いて成膜後パターニングして、少なくとも中心から二つ目以降の膜については夫々リング状に且つ相互に同軸的に配置して形成する。即ち、この態様では、第1膜は、レンズ形成領域において、複数の膜が殆ど又は全く相互に重ならないようにリング状に横並びに配置された単一層膜からなる。或いは、第1膜を、レンズ形成領域において、中心から遠のく程、積層される膜数が多い多層膜として形成してもよい。
ここで、各レンズ形成領域で、第1膜における前記エッチングレートが、前記一面に沿った平面内で等高線状に、当該レンズ形成領域の中心から外側に向かって小さくなるようにするには、以下のように形成する。複数の膜を、前記エッチングレートが大きい順に、レンズ形成領域の内側から外側に向かって横並びにして形成するか、或いは、エッチングレートが小さい順に、レンズ形成領域の外側から内側に向かって積層して形成する。このように積層して形成した場合には、第1膜の膜厚を当該レンズ形成領域の中心から外側に向かって大きくなるように形成することが可能となる。
他方、各レンズ形成領域で、第1膜における前記エッチングレートが、前記一面に沿った平面内で等高線状に、当該レンズ形成領域の中心から外側に向かって大きくなるようにするには、上述した当該レンズ形成領域の中心から外側に向かって前記エッチングレートが小さくなる場合と同様に、複数の膜の各々のエッチングレートに応じて、順に複数の膜を横並びに或いは積層して形成する。
従って、この態様によれば、前記エッチングレート又は膜厚が前記一面に沿った平面内で等高線状に変化する第1膜を形成することができる。
この、第1膜を形成する工程が複数の膜を夫々リング状に且つ相互に同軸的に配置して形成する工程を含む態様では、前記第1膜を形成する工程は、前記複数の膜を前記平面内に横並びに形成する工程を含むように製造してもよい。
このように製造すれば、表面が平坦な第1膜を形成することが可能となる。
この、第1膜を形成する工程が複数の膜を夫々リング状に且つ相互に同軸的に配置して形成する工程を含む態様では、前記第1膜を形成する工程は、前記一面上に前記第1膜の前駆膜を形成した後、前記レンズ形成領域において、前記前駆膜を複数の処理領域に前記リング状又は略円盤状に分割して、該複数の処理領域に対して複数種類のイオン注入を行う工程を含むように製造してもよい。
このように製造すれば、複数の処理領域に対する複数種類のイオン注入を、例えば種類毎にイオンの打ち込み量を変化させて行うことにより、前記一面上に、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を、少なくとも中心から二つ目以降の膜については夫々リング状に且つ相互に同軸的に、横並びにして形成することができる。
この、第1膜を形成する工程が、該第1膜の前駆膜を形成する工程を含む態様では、前記前駆膜を、前記エッチングレートが前記基板と異なる値となるように形成するように製造してもよい。
このように製造すれば、前駆膜に対して上述したように行われるイオン注入の種類を少なくして、より容易に第1膜を形成することができる。
本発明の第2のマイクロレンズの製造方法は上記課題を解決するために、基板の一面上に、該一面の各レンズ形成領域において、前記一面に沿った平面内で膜厚が等高線状に変化する部分を含む第1膜を形成する工程と、前記レンズ形成領域に形成すべきマイクロレンズの略中心に対応する個所に穴が開けられたマスクを前記第1膜上に形成する工程と、前記マスクを介してウエットエッチングすることで、前記マイクロレンズの曲面を規定する非球面の凹部を前記基板に掘る工程とを含む。
本発明の第2のマイクロレンズの製造方法によれば、各レンズ形成領域において、第1膜の前記一面に沿った部分における膜厚が、マスクの穴を平面的に見て、その中心から外側に向かって、等高線状に小さくなるか或いは大きくなるように変化する。その結果、基板及び第1膜に対するウエットエッチングにおいて、第1膜における膜厚の変化によって、第1膜がエッチングされる度合いと基板がエッチングされる度合いを相互に同等、或いは異なるものとすることができる。従って、凹部の曲面の形状を制御することが可能となるため、各レンズ形成領域に非球面の凹部を掘ることができる。よって、マイクロレンズの曲面について自由度の大きい設計を行うことができ、光学的に最適な形状を得ることが可能となる。
本発明の第1又は第2のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記基板の少なくとも前記凹部内に、少なくとも一種の透明部材を用いて、前記凹部の表面を覆うように反射防止膜を形成する工程を更に備える。
この態様によれば、各マイクロレンズにおける光の利用効率を向上させることが可能となる。ここで、反射防止膜は、基板とマイクロレンズとの間の屈折率の透明部材を一種類用いて構成される。或いは、基板とマイクロレンズとの間の屈折率の透明部材を複数種類用いて、該複数の透明部材を積層することによって反射防止膜が形成されてもよい。更に、基板とマイクロレンズとの間の屈折率の透明部材に加えて基板及びマイクロレンズより高屈折率の透明部材を用いて、該複数の透明部材を積層することによって反射防止膜が形成されてもよい。尚、反射防止膜は、該反射防止膜によって凹部が埋まらない程度の膜厚として形成されると共に、マイクロレンズの屈折作用に影響を及ぼさない程度の膜厚として形成される。
本発明の第1又は第2のマイクロレンズの製造方法の他の態様では、前記基板は、透明基板からなり、前記凹部内に前記透明基板よりも屈折率が大きい透明媒質を入れる工程を更に備える。
この態様によれば、透明基板からなる基板に掘られた凹部内に、これより屈折率が大きい透明媒質を入れるので、透明基板に、光学的に最適な形状のレンズ曲面を有するマイクロレンズを製造可能となる。この際、透明媒質は、透明樹脂等からなり、接着剤を兼ねてもよい。例えば、カバーガラスを透明基板に貼り合わせる際の接着剤を兼ねてもよい。
本発明のマイクロレンズは上記課題を解決するために、上述した本発明の第1又は第2のマイクロレンズの製造方法(但し、その各種態様を含む)により製造される。
本発明のマイクロレンズにおいて、光学的に最適な形状のレンズ曲面を有するマイクロレンズを実現できる。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明のマイクロレンズと、該マイクロレンズに対向する表示用電極と、該表示用電極に接続された配線及び電子素子の少なくとも一方とを備える。
本発明の電気光学装置は、例えば、各画素毎に「表示用電極」として配置された島状の画素電極に、走査線、データ線等の配線や薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、”TFT”と称する)、薄膜ダイオード(Thin Film Diode;以下適宜、”TFD”と称する)の電子素子が接続されてなるアクティブマトリクス駆動型液晶装置等として構築される。
そして、本発明の電気光学装置は、上述した本発明のマイクロレンズを備えるため、液晶プロジェクタのライトバルブとして用いる場合、光学系とのマッチングを比較的容易に行うことが可能となる。或いは、各画素に外部より入射する光を分散させることが可能となり、各画素で一点に光が集中して照射される事態を防止することができる。その結果、電気光学装置を長寿命化させることが可能となる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、例えば長寿命化させることが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた装置としてDLP(Degital Light Processing)等を実現することも可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1:第1実施形態>
本発明のマイクロレンズの製造方法に係る第1実施形態について、図1から図14を参照して説明する。
<1−1:マイクロレンズアレイ板>
先ず、本発明のマイクロレンズの製造方法によって製造可能なマイクロレンズアレイ板について、図1から図4を参照して説明する。ここに、図1は、マイクロレンズアレイ板の概略斜視図であり、図2(a)は、本実施形態のマイクロレンズアレイ板の部分拡大断面図であり、図2(b)は、本実施形態のマイクロレンズアレイ板のうち4つのマイクロレンズに係る部分を拡大して示す部分拡大平面図であり、図3(a)及び図3(b)は、更に1つのマイクロレンズにかかる部分を拡大して示す部分拡大断面図である。図4は、その変形形態におけるマイクロレンズアレイ板の部分拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態のマイクロレンズアレイ板20は、カバーガラス200で覆われた、例えば石英板等からなる透明板部材210を備える。透明板部材210には、マトリクス状に多数の凹状の窪み即ち凹部が掘られている。そして、この凹状の窪みの中に、カバーガラス200と透明板部材210とを相互に接着する、例えば感光性樹脂材料からなる接着剤が硬化してなる、透明板部材210よりも高屈折率の透明な接着層230が充填されている。これらにより、マトリクス状に平面配列された多数のマイクロレンズ500が構築されている。
このように本実施形態では、透明板部材210から、本発明に係る「基板」の一例が構成されており、接着層230から、本発明に係る「透明媒質」の一例が構成されている。
また、本実施形態では、図2(a)に示すように、凹部には、該凹部の表面を覆う反射防止膜240が、凹部内から凹部外に連続して形成されており、接着層230を介してカバーガラス200に密着している。そして、反射防止膜240で覆われた凹部に充填された接着層230によって、マイクロレンズ500が形成されている。即ち、マイクロレンズ500は、凹部によって規定されるレンズ曲面を有する平凸状のレンズとして構築されている。
ここで、反射防止膜240は、透明板部材210とマイクロレンズ500との間の屈折率の透明部材を一種類用いて構成される。或いは、透明板部材210とマイクロレンズ500との間の屈折率の透明部材を複数種類用いて、該複数の透明部材を積層することによって反射防止膜240が形成されてもよい。更に、透明板部材210とマイクロレンズ500との間の屈折率の透明部材に加えて透明板部材210及びマイクロレンズ500より高屈折率の透明部材を用いて、該複数の透明部材を積層することによって反射防止膜240が形成されてもよい。尚、反射防止膜240は、該反射防止膜240によって凹部が埋まらない程度の膜厚として形成されると共に、マイクロレンズ500の屈折作用に影響を及ぼさない程度の膜厚として形成される。
また、本実施形態では特に、後述の如く本発明独自の製造方法により製造されるため、第1膜220が、各マイクロレンズ500の縁付近に残されている。図2(b)には、特に第1膜220及びマイクロレンズ500に着目して、その配置関係を示してある。第1膜220は、例えば透明な酸化シリコン膜からなり、図2(a)に示すように、凹部内から連続して形成された凹部外の反射防止膜240が、第1膜220の表面上に形成されている。尚、第1膜220は、各マイクロレンズ500の縁付近に加え、マイクロレンズ500が形成されていない領域における透明板部材210の上面に残されているようにしてもよい。
図2(a)並びに図3(a)及び図3(b)に示すように、各マイクロレンズ500の縁部では、その曲面がカバーガラス200の面或いは透明板部材210の面に対して相対的に急峻に切り立っている。また、図3(a)及び図3(b)に示すように、透明板部材210におけるレンズ曲面は、後述の如く本発明独自の製造方法により製造されるため非球面となる。より具体的には、図3(b)に示すように、透明板部材210におけるレンズ曲面の傾斜は、マイクロレンズ500の縁部付近からレンズ曲面の頂部即ち凹部の底に向かってなだらかとなる。よって、マイクロレンズ500のレンズ曲面の接線は、図3(a)に示すように、マイクロレンズ500の縁部付近からレンズ曲面の頂部に向かって、比較的傾きの大きい接線A、接線Aより傾きの小さい接線B、及び接線Bより傾きの小さい接線Cへと変化する。
尚、本実施形態では、本発明独自の製造方法により、マイクロレンズ500のレンズ曲面を、マイクロレンズ500の縁部付近からレンズ曲面の頂部に向かって、なだらかな傾斜から急な傾斜となるように形成することも可能である。即ち、本実施形態では、凹部の曲面の形状を制御することが可能となる。従って、マイクロレンズ500のレンズ曲面を非球面とすることが可能となり、マイクロレンズ500の曲面について自由度の大きい設計を行うことができる。よって、光学的に最適な形状を得ることが可能となる。
マイクロレンズアレイ板20は、その使用時には、各マイクロレンズ500が、例えば後述する液晶装置等の電気光学装置の各画素に対応するように、配置される。図4に示すように、本実施形態の一変形形態として、マイクロレンズアレイ板20に、マイクロレンズアレイ板20が取り付けられる電気光学装置における非開口領域を少なくとも部分的に規定する遮光膜23を設けてもよい。より具体的には、格子状の非開口領域を単独で規定するように、格子状の平面パターンを有する遮光膜23を構成してもよい。或いは、格子状の非開口領域を、他の遮光膜と協働で規定するように、ストライプ状の平面パターンを有する遮光膜23を構成してもよい。更に、このような非開口領域を単独で又は部分的に規定する遮光膜を、後述の如く対向基板としてのマイクロレンズアレイ板20に対向配置されるTFTアレイ基板に内蔵された遮光膜として形成してもよい。
図4のように構成すれば、より確実に各画素の非開口領域を規定でき、各画素間における光り抜け等を防止できる。更に、電気光学装置の非開口領域に作り込まれる、光が入射すると光電効果による光リーク電流が発生して特性が変化してしまうTFT、TFD等の電子素子に、光が入射するのを確実に防ぐことも可能となる。
尚、図4において遮光膜23上には、後述の如き対向電極21や配向膜が形成されてもよい。加えて、図4に示した如きマイクロレンズアレイ板に対して、遮光膜23により区切られた各画素の開口領域にR(赤)、G(緑)又はB(青)のカラーフィルタを作り込むことも可能である。
<1−2:電気光学装置>
次に、本発明の電気光学装置に係る第1実施形態について、その全体構成を図5及び図6を参照して説明する。ここに、図5は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板として用いられる上述のマイクロレンズアレイ板側から見た平面図であり、図6は、図5のH−H’断面図である。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
図5及び図6において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板として用いられるマイクロレンズアレイ板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10とマイクロレンズアレイ板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10とマイクロレンズアレイ板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10とマイクロレンズアレイ板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。即ち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、マイクロレンズアレイ板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
また、マイクロレンズアレイ板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10とマイクロレンズアレイ板20との間で電気的な導通をとることができる。
図6において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、詳細な構成については後述するが、マイクロレンズアレイ板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
なお、図5及び図6に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、以上の如く構成された電気光学装置における回路構成及び動作について、図7を参照して説明する。図7には、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路を示してある。
図7において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、マイクロレンズアレイ板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
上述した電気光学装置に設けられたマイクロレンズアレイ板20の機能について図8及び図9を参照して説明する。図8は、マイクロレンズアレイ板20における遮光膜23の構成を模式的に示す平面図であって、図9は、複数の画素について、図6に示す断面の構成をより詳細に示す図であって、各マイクロレンズ500の機能について説明するための断面図である。
図4を参照して説明したように、マイクロレンズアレイ板20において、カバーガラス200上に、例えば図8に示すように格子状の平面パターンを有する遮光膜23が形成される。マイクロレンズアレイ板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が開口領域700となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられる容量電極300やデータ線6a等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
各マイクロレンズ500は各画素に対応するように配置される。より具体的には、図9に示すように、マイクロレンズアレイ板20において、各画素毎に開口領域700及び該開口領域700の周辺に位置する非開口領域を少なくとも部分的に含む領域にマイクロレンズ500が形成されている。
また、図9において、カバーガラス200上には遮光膜23を覆うように、透明導電膜からなる対向電極21が形成されている。更に、図9には図示しない配向膜が対向電極21上に形成されている。
他方、図9において、TFTアレイ基板10上の各開口領域700に対応する領域には画素電極9aが形成されている。また、画素スイッチング用のTFT30や、画素電極9aを駆動するための走査線11aやデータ線6a等の各種配線並びに蓄積容量70等の電子素子が、非開口領域に形成されている。このように構成すれば、当該電気光学装置における画素開口率を比較的大きく維持することが可能となる。更に、図9には図示しないが画素電極9a上には配向膜が設けられている。
図9において、マイクロレンズアレイ板20に入射される投射光等の光は、各マイクロレンズ500によって集光される。尚、図9中、一点鎖線によってマイクロレンズ500によって集光された光のようすを概略的に示してある。そして、各マイクロレンズ500によって集光された光は液晶層50を透過して画素電極9aに照射され、該画素電極9aを通過して表示光としてTFTアレイ基板10より出射される。よって、マイクロレンズアレイ板20に入射された光のうち非開口領域に向かう光も、マイクロレンズ500の集光作用により開口領域700に入射させることができるため、各画素における実行開口率を高めることができる。即ち、光の利用効率を高めることで、より明るい画像表示が可能となる。
また、上述したように、マイクロレンズ500のレンズ曲面の形状を制御して形成することができる。従って、マイクロレンズ500によって、各画素に入射する光を分散させることが可能となり、各画素で一点に光が集中して照射される事態を防止することができる。その結果、電気光学装置を長寿命化させることが可能となる。また、各画素における光の透過率及びコントラストを向上させることができ、その結果、高品質な画像表示を行うことが可能となる。加えて、上述した電気光学装置を、液晶プロジェクタのライトバルブとして用いる場合、光学系とのマッチングを比較的容易に行うことが可能となる。
また、マイクロレンズアレイ板20において、上述したように各凹部内に反射防止膜240が形成されているため、各マイクロレンズ500における光の利用効率を更に向上させることが可能となる。ここで、図10(a)及び図10(b)を参照して反射防止膜240の機能について説明する。図10(a)には、反射防止膜240を設ける場合のマイクロレンズアレイ板20の構成の一例を説明するための表を示してあり、図10(b)には、図10(a)の比較例として反射防止膜240を設けない場合のマイクロレンズアレイ板20の構成を説明するための表を示してある。尚、図10(a)及び図10(b)に示す表には、図1に示すマイクロレンズアレイ板20の各層の材料、屈折率(n)、及び層厚[nm]を示してある。
図10(a)において、図1に示すマイクロレンズアレイ板20の最下層即ち第10層は、厚さが50000[nm]の透明板状部材210によって構成されており、第9層から第6層までは、各凹部に形成された反射防止膜240によって構成されている。この反射防止膜240は、膜厚が24[nm]の酸化アルミニウム(Al)膜、及び膜厚が9[nm]の酸化シリコン膜が交互に積層されて形成されている。更に、第5層は、厚さが50000nmのマイクロレンズ500によって構成されている。
また、本実施形態では、図2(a)、図4、及び図9には図示しないが、反射防止膜240が、例えば図2(a)中、カバーガラス200と各マイクロレンズ500との間に設けられてもよい。この場合、第4層から第1層までは、第9層から第6層までと同様に、酸化アルミニウム膜及び酸化シリコン膜を交互に積層されて形成された反射防止膜240によって構成される。
そして、上述したように電気光学装置にマイクロレンズアレイ板20が設けられた場合、カバーガラス200が投射光等の入射層となる。尚、図10(a)に示す表では、該入射層の層厚について具体的な値は省略してある。
このようにマイクロレンズアレイ板20が構成される場合、マイクロレンズ500における反射率は0.006[%]とすることができる。即ち、マイクロレンズ500における光の反射を抑制することができ、その結果、光の利用効率を飛躍的に向上させることができる。
これに対して、図10(b)に示す表によって表されるマイクロレンズアレイ板20の構成によれば、第9層から第6層及び第4層から第1層には、上述したような反射防止膜240は設けられていない点が、図10(a)を参照して説明した構成と異なる。この場合、マイクロレンズ500における反射率は約0.412[%]となり、光の利用効率は低下する。
<1−3:マイクロレンズアレイの製造方法>
次に、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ板20の製造方法について、図11から図14を参照して説明する。
図11、並びに図13及び図14は、製造プロセスの各工程におけるマイクロレンズアレイ板20の断面の構成を、順を追って概略的に示す工程図である。
先ず、各レンズ形成領域において、石英板等の透明板部材210aの一面上に、夫々フッ酸系などの所定種類のエッチャントに対するエッチングレートが異なる複数の膜からなる第1膜220aを形成する。第1膜220の形成に係る各工程を図11を参照して説明する。尚、ここでは第1膜220aは、夫々前記エッチングレートが異なる3種の膜より構成されるものとする。また、図12には、図11を参照して説明する各工程により形成される3種の膜の形状について、順を追って概略的に示してある。
図11(a)において、透明板部材210a上に第1種目の膜810を形成する。第1種目の膜810は、例えば、例えばソースガスとしてシラン(SiH)及び一酸化窒素(NO)を用いるCVD等により、透明な酸化シリコン膜から形成する。尚、図11(a)から図11(d)には夫々、一つのレンズ形成領域800について具体的に示してある。
図12(a)に示すように、第1種目の膜810は成膜された後、フォトリソグラフィ法及びエッチングを用いたパターニングにより、レンズ形成領域800において円盤状の小さいパターンとして形成される。
続いて、図11(b)において、第1種目の膜810を埋め込んで、透明板部材210a上に第2種目の膜820が、第1種目の膜810と同様に酸化シリコン膜として形成される。
その後、図11(c)において、第2種目の膜820は、第1種目の膜810と同様にパターニングされ、図12(b)に示すように、レンズ形成領域800において第1種目の膜810より大きい円盤状のパターンとして、第1種目の膜810に対して同軸的に配置されて形成される。
続いて、図11(d)において、第1種目及び第2種目の膜810及び820を埋め込んで、透明板部材210a上に第3種目の膜830が、第2種目の膜820と同様に酸化シリコン膜として形成される。第3種目の膜830は、第2種目の膜820と同様にパターニングされ、図12(c)に示すように、レンズ形成領域800において第1種目及び第2種目の膜820より大きい円盤状のパターンとして、第1種目及び第2種目の膜810及び820に対して同軸的に配置されて形成される。
尚、第1種目、第2種目、第3種目の膜810、820及び830は夫々円盤状のパターンとして形成される場合に限らず、例えば矩形状のパターンとして形成してもよい。また、第1種目、第2種目、第3種目の膜810、820及び830は夫々同軸的に配置される場合に限られない。
ここで、第1種目、第2種目、及び第3種目の膜810、820、及び830の各膜の前記エッチングレートは、例えば成膜温度、成膜速度、及び成膜圧力のいずれかによって制御される。より具体的には、成膜温度を高くするとより緻密な膜が成膜されて、該膜における前記エッチングレートは小さくなり、逆に成膜温度を低くすると前記エッチングレートは大きくなる。他方、成膜速度を高くすると、成膜された膜における前記エッチングレートは大きくなり、逆に成膜速度を低くするとより緻密な膜が成膜されて前記エッチングレートは小さくなる。更には、ガスの流量を制御して成膜圧力を変化させることによって、各膜の前記エッチングレートを制御することができる。
或いは、第1種目、第2種目、及び第3種目の膜810、820、及び830の各膜をCVD法により成膜して、各膜の前記エッチングレートをソースガスの組成比によって制御するようにしてもよい。
本実施形態では、このように前記エッチングレートが制御されて、第1種目の膜810、第2種目の膜820、及び第3種目の膜830の順で、前記エッチングレートが小さくなると共に、第1種目の膜810、第2種目の膜820、及び第3種目の膜830における前記エッチングレートの値は、透明板部材210aより大きくなるものとする。
以上説明した各工程により、図11(d)に示すように、レンズ形成領域800において、前記エッチングレートが透明板部材210aの一面に沿った平面内で同心円状に変化する第1膜220aが形成される。尚、図11を参照して説明した各工程によれば、第1膜220aを構成する各膜のパターニングを比較的容易に行うことができる。また、その際、既に成膜された膜の形状が、該膜より後に成膜された膜のパターニングにおいて、オーバーエッチングにより損なわれる事態を防止することが可能となる。加えて、例えば、第1種目、第2種目、第3種目の膜810、820及び830を夫々同軸的に配置しない場合には、レンズ形成領域800において、前記エッチングレートが透明板部材210aの一面に沿った平面内で偏心した円状に変化する第1膜220aが形成される。
続いて、図13(a)において、第1膜220aの上に、例えばCVD、スパッタリング等によりポリシリコン膜からマスク900を形成する。
次に、図13(b)において、マスク900に対するフォトリソグラフィ及びエッチングを用いたパターニングにより、形成すべきマイクロレンズ500の中心に対応する個所に穴902を開ける。この際、穴902の径は、形成すべきマイクロレンズ500の径と比べると小さくなるように開けておく。
続いて、図13(c)において、このような穴902が開けられたマスク900を介して、第1膜220a及び透明板部材210aを、フッ酸系などのエッチャントにより、ウエットエッチングする。すると、レンズ形成領域800の第1膜220aにおいて、上層から順に、即ち第3種目の膜830から第1種目の膜810に向かって、エッチングが等方的に進み、このような等方性のエッチングによって、第3種目の膜830の表面から透明板部材210aの表面に達する開口部222が形成される。
ここで用いられるエッチャントに対するエッチングレートは、第1膜220aを構成する第1種目の膜810、第2種目の膜820、及び第3種目の膜830において夫々上述したように制御された値となっている。よって、上述したような開口部が形成された後には、第3種目の膜830及び第2種目の膜820並びに透明板部材210aより早く、第1種目の膜810がエッチングされる。第1種目の膜810が全てエッチングされると、第2種目の膜820が第3種目の膜830及び透明板部材210aより早くエッチングされ、第2種目の膜820が全てエッチングされると、第3種目の膜830が透明板部材210aより早くエッチングされる。
当該ウエットエッチングにおいて、第1種目の膜810、第2種目の膜820、及び第3種目の膜830のうち、第1種目の膜810がエッチングされる度合いが、透明板部材210aに対して最も大きくなる。第1種目の膜810がエッチングされる間に透明板部材210aには凹部が掘られるが、該凹部には断面の透明板部材210aとなす角度が最も小さい円錐上の曲面が形成されることとなり、続いて第2種目の膜820がエッチングされる間に透明板部材210aに掘り進められた凹部には、2番目に断面の角度の大きい曲面が形成され、その後第3種目の膜830がエッチングされる間に更に掘り進められた凹部には、断面の角度が最も大きい曲面が形成される。
その後図13(d)に示すように、時間管理等により、マイクロレンズ500に対応する大きさの凹部が掘られた段階で、エッチングを終了する。この時点で、図3を参照して説明したようなマイクロレンズ500のレンズ曲面を有する凹部が形成される。そして、第1膜220が、この凹部の縁付近及び透明板部材210の上面に残された本発明独自の構造が得られる。
次に、14(a)において、マスク900をエッチング処理によって除去する。尚、図13(c)の工程におけるエッチングによって、マスク900が完全に除去されるように、マスク900の膜厚を設定すれば、図14(a)の工程は、省略可能である。
続いて、図14(b)において、各凹部内の表面を覆う反射防止膜240を、該凹部内から凹部外に連続して形成される。
その後、図14(c)において、各凹部内の反射防止膜240の表面に熱硬化性の透明な接着剤を塗布して、ネオセラム・石英等からなるカバーガラス200を透明板部材210に押し付けて硬化させる。これにより、透明板部材210に掘られた各凹部内に、接着層230が充填されてなるマイクロレンズ500が完成する。この際、透明板部材210よりも高屈折率の接着層230を形成することで、各々が凸レンズからなる非球面のマイクロレンズ500を比較的簡単に作成できる。
従って、以上説明したようなマイクロレンズアレイ板20の製造方法によれば、各レンズ形成領域800において、上述したように第1膜220aにおける前記エッチングレートを変化させることで、透明板部材210aに形成される各凹部の曲面の形状を制御することが可能となる。
尚、本実施形態は、上述したように、各レンズ形成領域800において、第1膜220aの前記エッチングレートが、透明板部材210aの一面に沿った平面内で同心円状に、当該レンズ形成領域800の中心から外側に向かって小さくなる場合に限られず、当該レンズ形成領域800の中心から外側に向かって大きくなるように、第1膜220aを形成してもよい。
また、第1膜220aが3種の膜からなる構成に限定されず、2種若しくはそれよりも多い種類の膜からなる構成とすることができる。そして、第1膜220aを構成する複数の膜の前記エッチングレートを夫々上述したように制御することによって、凹部の曲面を図3に示す形状とは異なる形状とすることもでき、その結果、光学的に最適な形状のレンズ曲面を有するマイクロレンズ500を形成することができる。
加えて、本実施形態によれば、図11(d)に示すように、レンズ形成領域800において、第1膜220aは、前記エッチングレートに加え膜厚が透明板部材210aの一面に沿った平面内で同心円状に変化するように形成されている。そして、図13(b)において、マスク900において穴902を、平面的に見て、その中心から外側に向かって、第1膜220aの膜厚が同心円状に小さくなるように開口する。このようにすれば、図13(c)を参照して説明したウエットエッチングの際、第1膜220aにおける、前述した前記エッチングレートの変化に加え、膜厚の変化によっても、第1膜220aがエッチングされる度合いと透明板部材210aがエッチングされる度合いを相互に同等、或いは異なるものとすることができる。その結果、凹部の曲面の形状を制御することが可能となる。
<1−4:変形例>
本実施形態のマイクロレンズアレイ板20の製造方法について、その変形例を説明する。本変形例では、図11を参照して説明した第1膜220aの製造工程が異なる。よって、本変形例における第1膜220aの製造工程について、図11と異なる点についてのみ図15及び図16を参照して詳細に説明する。図15は、本変形例における第1膜220aの形成に係る各工程について説明するための工程図であって、各工程でのマイクロレンズアレイ板20の断面の構成を、順を追って概略的に示す工程図である。また、図16には、図15を参照して説明する各工程により形成される3種の膜の形状について、順を追って概略的に示してある。尚、図15には、一つのレンズ形成領域800におけるマイクロレンズアレイ板20の断面の構成について示してある。
先ず、図15(a)において、透明板部材210a上に第3種目の膜830aを形成する。第3種目の膜830aは成膜後パターニングされ、図16(a)に示すように、レンズ形成領域800の外周に沿ったリング状の大きいパターンとして形成される。
続いて、図15(b)において、第3種目の膜830aを埋め込んで、第2種目の膜820が形成される。次に、図15(c)において、第2種目の膜820はパターニングされ、図16(b)に示すように、リング状の第3種目の膜830aに開けられた穴よりサイズの小さい穴を有するリング状のパターン820aとして、第3種目の膜830aに対して同軸的に配置されて形成される。
その後、図15(d)において、第2種目及び第3種目の膜820a及び830aを埋め込んで、第1種目の膜810aが形成される。第1種目の膜810aは成膜後パターニングされ、図16(c)に示すように、第2種目及び第3種目の膜820a及び830aと同等の大きさの円盤状のパターンとして、第2種目及び第3種目の膜820a及び830aに対して同軸的に配置されて形成される。よって、第1種目の膜810aによって、リング状の第2種目の膜820aの穴が埋め込まれる。
従って、本変形例によっても、図11(d)を参照して説明したように、前記エッチングレートが透明板部材210aの一面に沿った平面内で同心円状に変化する第1膜220aを形成することができる。
<2:第2実施形態>
本発明のマイクロレンズの製造方法に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態における第1膜の製造工程が異なる。よって、第2実施形態における第1膜の製造工程について、第1実施形態と異なる点についてのみ図17及び図18を参照して詳細に説明する。図17は、第2実施形態における第1膜の形成に係る各工程について説明するための工程図であって、各工程でのマイクロレンズアレイ板の断面の構成を、順を追って概略的に示す工程図である。また、図18には、図17を参照して説明する各工程により形成される3種の膜の形状について、順を追って概略的に示してある。尚、図17及び図18において、第1実施形態との共通個所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
先ず、図17(a)において、透明板部材210a上に第1膜220aの前駆膜として、CVD等により、酸化シリコン膜805を形成する。
次に、図17(b)において、前駆膜805の上に、例えばCVD、スパッタリング等によりポリシリコン膜から第1のマスク910aを形成する。そして、第1のマスク910aに対してフォトリソグラフィ及びエッチングを用いたパターニングを施して、第1のマスク910aにおける、各レンズ形成領域800に対応する領域に第1の開口部912aを形成する。その後、前駆膜805において第1の開口部912aに対応する円盤状の一領域に対して、第1種目のイオン注入が行われる。より具体的には、例えばイオン化されたボロン(B)が、第1の開口部912aに露出した前駆膜805の表面に対して注入される。第1種目のイオン注入が終了した後、第1のマスク910aを剥離する。その結果、前駆膜805において、図18(a)に示すような円盤状の小さいパターンである第1種目の膜810が形成される。
続いて、図17(c)において、第1のマスク910aと同様に、前駆膜805の上に、第2のマスク910bを形成する。そして、第2のマスク910bに対して、第1のマスク910aと同様にパターニングを施して、第2のマスク910bにおける各レンズ形成領域800に対応する領域に、リング状の第2の開口部912bを形成する。この際、前駆膜805において、第1種目の膜810の表面は第2のマスク910bによって覆われると共に、該第1種目の膜810に隣接するリング状の領域の表面が、第2の開口部912b内に露出される。この第2の開口部912b内に露出した前駆膜805の表面に対して、第2種目のイオン注入が行われる。第2種目のイオン注入は、イオン化されたボロン(B)の打ち込み量を第1種目のイオン注入より少なくして行われる。第2種目のイオン注入が終了した後、第2のマスク910bを剥離する。その結果、前駆膜805において、第2種目の膜820bが、図18(b)に示すような第1種目の膜810に横並びに且つ同軸的に配置されたリング状のパターンとして形成される。
その後、図17(d)において、第2のマスク910bと同様に、前駆膜805の上に、第3のマスク910cを形成する。そして、第3のマスク910cに対して、第2のマスク910bと同様にパターニングを施して、第3のマスク910cにおける各レンズ形成領域800に対応する領域に、リング状の第3の開口部912cを形成する。この際、前駆膜805において、第1種目及び第2種目の膜810及び820bの表面は第3のマスク910cによって覆われると共に、第2種目の膜820bに隣接するリング状の領域の表面が、第3の開口部912c内に露出される。この第3の開口部912c内に露出した前駆膜805の表面に対して、第3種目のイオン注入が行われる。第3種目のイオン注入は、イオン化されたボロン(B)の打ち込み量を第1種目及び第2種目のイオン注入より少なくして行われる。第3種目のイオン注入が終了した後、第3のマスク910cを剥離する。その結果、第3種目の膜830bが、図18(c)に示すような第2種目の膜820bに横並びに且つ同軸的に配置されて、レンズ形成領域800の外周に沿ったリング状のパターンとして形成される。
上述したように、イオンの打ち込み量が夫々異なる3種のイオン注入を行うことによって、前記エッチングレートが制御されて、第1種目の膜810、第2種目の膜820b、及び第3種目の膜830bの順で、前記エッチングレートが小さくなると共に、第1種目の膜810、第2種目の膜820b、及び第3種目の膜830bにおける前記エッチングレートの値は、透明板部材210aより大きくなる。従って、レンズ形成領域800において、前記エッチングレートが透明板部材210aの一面に沿った平面内で同心円状に変化する第1膜220aが形成される。第2実施形態では、図17(d)及び図18(c)に示すように、表面が平坦な第1膜220aを形成することが可能となる。
また、図17(a)において、前駆膜805は、透明板部材210aに対して前記エッチングレートが異なる膜として形成されてもよい。このようにすれば、前駆膜805に対して上述したように行われるイオン注入の種類を少なくして、より容易に第1膜220aを形成することができる。
<2−1:変形例>
第2実施形態のマイクロレンズアレイ板20の製造方法について、その変形例を図18に加えて図19を参照して説明する。図19は、本変形例における第1膜220aの形成に係る各工程について説明するための工程図であって、各工程でのマイクロレンズアレイ板20の断面の構成を、順を追って概略的に示す工程図である。尚、図19には、一つのレンズ形成領域800におけるマイクロレンズアレイ板20の断面の構成について示してある。
本変形例では、先ず、図19(a)において、第1種目の膜810を、第1実施形態と同様、CVD法等により成膜後パターニングして形成する。その結果、透明板部材210a上に第1種目の膜810が、図18(a)に示すような円盤状の小さいパターンとして形成される。
続いて、図19(b)において、第2種目の膜820cが、第1種目の膜810と同様に成膜後パターニングされる。その結果、第2種目の膜820cは、図18(b)に示す第2種目の膜820bと概ね同様に、第1種目の膜810に横並びに且つ同軸的に配置されたリング状のパターンとして形成される。尚、図19(b)に示すように、第2種目の膜820cを第1種目の膜810の表面に薄く残しておくと、後述する第3種目の膜830cのパターニング時、第1種目の膜810におけるオーバーエッチングを防止することができる。
続いて、図19(c)において、第3種目の膜830cが、第2種目の膜820cと同様に成膜後パターニングされることにより、図18(c)に示す第3種目の膜830bと概ね同様に、第2種目の膜820cに横並びに且つ同軸的に配置されて、レンズ形成領域800の外周に沿ったリング状のパターンとして形成される。
その後、図19(d)において、第1種目の膜810、第2種目の膜820c、及び第3種目の膜830cに対して化学的機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理を施すことによって、表面が平坦化された第1膜220aを形成することができる。
尚、本変形例では、第1種目、第2種目、及び第3種目の膜810、820c、及び830cの各膜の前記エッチングレートは、第1実施形態と同様に制御されるのが好ましい。
<3:電子機器>
次に、上述した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに、図20は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
図20において、投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーンにカラー画像として投射される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うマイクロレンズの製造方法、該製造方法により製造されるマイクロレンズ、該マイクロレンズを備えた電気光学装置及び該電気光学装置を具備してなる電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
マイクロレンズアレイ板の概略斜視図である。 図2(a)は、マイクロレンズアレイ板の部分拡大断面図であり、図2(b)は、マイクロレンズアレイ板のうち4つのマイクロレンズに係る部分を拡大して示す部分拡大平面図である。 図3(a)及び図3(b)は、1つのマイクロレンズにかかる部分を拡大して示す部分拡大断面図である。 変形形態におけるマイクロレンズアレイ板の部分拡大断面図である。 電気光学装置の全体構成を示す平面図である。 図5のH−H’断面図である。 電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素部における各種素子、配線等の等価回路である。 マイクロレンズアレイ板における遮光膜の構成を模式的に示す平面図である。 各マイクロレンズの機能について説明するための断面図である。 図10(a)は、マイクロレンズアレイ板の構成の一例を説明するための表を示す図であり、図10(b)は、比較例のマイクロレンズアレイ板の構成を説明するための表を示す図である。 第1実施形態に係るマイクロレンズアレイ板の製造方法を、順を追って示す製造工程断面図(その1)である。 第1膜の形成に係る各工程により形成される3種の膜の形状について、順を追って概略的に示す図である。 第1実施形態に係るマイクロレンズアレイ板の製造方法を、順を追って示す製造工程断面図(その2)である。 第1実施形態に係るマイクロレンズアレイ板の製造方法を、順を追って示す製造工程断面図(その3)である。 第1実施形態の変形例における第1膜の形成に係る各工程について説明するための工程図である。 第1実施形態の変形例において、第1膜の形成に係る各工程により形成される3種の膜の形状について、順を追って概略的に示す図である。 第2実施形態における第1膜の形成に係る各工程について説明するための工程図である。 第2実施形態において、第1膜の形成に係る各工程により形成される3種の膜の形状について、順を追って概略的に示す図である。 第2実施形態の変形例における第1膜の形成に係る各工程について説明するための工程図である。 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
符号の説明
20…マイクロレンズアレイ板
200…カバーガラス
210、210a…透明板部材
220、220a…第1膜
230…接着層
240…反射防止膜
500…マイクロレンズ
800…レンズ形成領域

Claims (20)

  1. 基板の一面上に、該一面の各レンズ形成領域において、前記一面に沿った平面内で所定種類のエッチャントに対するエッチングレートが等高線状に変化する部分を含む第1膜を形成する工程と、
    前記レンズ形成領域に形成すべきマイクロレンズの略中心に対応する個所に穴が開けられたマスクを前記第1膜上に形成する工程と、
    前記マスクを介してウエットエッチングすることで、前記マイクロレンズの曲面を規定する非球面の凹部を前記基板に掘る工程と
    を含むことを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  2. 前記第1膜を、各レンズ形成領域において、前記エッチングレートが前記一面に沿った平面内で同心円状に変化する部分を含むように形成すること
    を特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズの製造方法。
  3. 前記第1膜を、各レンズ形成領域において、膜厚が前記一面に沿った平面内で等高線状に変化する部分を含むように形成すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロレンズの製造方法。
  4. 前記第1膜を、各レンズ形成領域において、膜厚が前記一面に沿った平面内で同心円状に変化する部分を含むように形成すること
    を特徴とする請求項3に記載のマイクロレンズの製造方法。
  5. 前記第1膜を形成する工程は、各レンズ形成領域において、前記一面上に、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を夫々等高線状に配置して形成する工程を含むこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  6. 前記複数の膜は夫々、円盤形状に形成されることを特徴とする請求項5に記載のマイクロレンズの製造方法。
  7. 前記複数の膜は夫々、略四角形状に形成されることを特徴とする請求項5に記載のマイクロレンズの製造方法。
  8. 前記第1膜を形成する工程は、前記複数の膜を前記一面上に小さい順または大きい順に重ねて形成する工程を含むこと
    を特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  9. 前記各膜のエッチングレートを、成膜温度又は成膜速度または成膜圧力によって制御することを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  10. 前記各膜をCVD法によって成膜すると共に、前記各膜のエッチングレートをソースガスの組成比によって制御することを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  11. 前記第1膜を形成する工程は、各レンズ形成領域において、前記一面上に、夫々前記エッチングレートが異なる複数の膜を、少なくとも中心から二つ目以降の膜については夫々リング状に且つ相互に同軸的に配置して形成する工程を含むこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  12. 前記第1膜を形成する工程は、前記複数の膜を前記平面内に横並びに形成する工程を含むこと
    を特徴とする請求項11に記載のマイクロレンズの製造方法。
  13. 前記第1膜を形成する工程は、前記一面上に前記第1膜の前駆膜を形成した後、
    前記レンズ形成領域において、前記前駆膜を複数の処理領域に前記リング状又は略円盤状に分割して、該複数の処理領域に対して複数種類のイオン注入を行う工程を含むこと
    を特徴とする請求項11又は12に記載のマイクロレンズの製造方法。
  14. 前記前駆膜を、前記エッチングレートが前記基板と異なる値となるように形成することを特徴とする請求項13に記載のマイクロレンズの製造方法。
  15. 基板の一面上に、該一面の各レンズ形成領域において、前記一面に沿った平面内で膜厚が等高線状に変化する部分を含む第1膜を形成する工程と、
    前記レンズ形成領域に形成すべきマイクロレンズの略中心に対応する個所に穴が開けられたマスクを前記第1膜上に形成する工程と、
    前記マスクを介してウエットエッチングすることで、前記マイクロレンズの曲面を規定する非球面の凹部を前記基板に掘る工程と
    を含むことを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  16. 前記基板の少なくとも前記凹部内に、少なくとも一種の透明部材を用いて、前記凹部の表面を覆うように反射防止膜を形成する工程を更に備えたことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  17. 前記基板は、透明基板からなり、前記凹部内に前記透明基板よりも屈折率が大きい透明媒質を入れる工程を更に備えたことを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法により製造されるマイクロレンズ。
  19. 請求項18に記載のマイクロレンズと、
    該マイクロレンズに対向する表示用電極と、
    該表示用電極に接続された配線及び電子素子の少なくとも一方と
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  20. 請求項19に記載の電気光学装置を具備することを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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